JPH06310095A - メタルハライドランプおよびこれを光源とした投光装置 - Google Patents

メタルハライドランプおよびこれを光源とした投光装置

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JPH06310095A
JPH06310095A JP5324792A JP32479293A JPH06310095A JP H06310095 A JPH06310095 A JP H06310095A JP 5324792 A JP5324792 A JP 5324792A JP 32479293 A JP32479293 A JP 32479293A JP H06310095 A JPH06310095 A JP H06310095A
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metal halide
lamp
halide lamp
bromine
arc tube
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JP5324792A
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Tadatoshi Azuma
忠利 東
Takahiro Sugimoto
隆洋 杉本
Akihiro Ueda
明弘 上田
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発光管の黒化を防止して光束維持率を高く保つ
とともに電極の早期折損を防止し、寿命特性を大幅に改
善することができるメタルハライドランプおよびこれを
光源とした投光装置を提供する。 【構成】発光管20に電極21a、21bを封装し、こ
の発光管内に水銀と希土類金属のハロゲン化物と希ガス
とを封入したメタルハライドランプにおいて、上記発光
管に封入されるハロゲンのうち臭素の占める割合を原子
数比で60〜90%とし、上記電極に直流成分の電圧を
印加してこのランプを直流点灯し、陽極21aを陰極2
1bに比べて大きく形成したことを特徴とする。 【作用】ハロゲンとして反応性の高い臭素を多く封入し
たから発光管の黒化を防止し、しかも直流点灯したから
電気陰性度の高い臭素が形状の大きな陽極側に引き寄せ
られて太い陽極の早期折損を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタルハライドラン
プ、およびこのランプを光源とし、この光源から放射さ
れる光をリフレクタにより反射して投光するようにした
投光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー液晶プロジェクタ等の投光装置
は、光源であるランプと、このランプから放射された光
を反射するリフレクタとで構成されている。この種のラ
ンプとしては、電極間距離が15mm以下に設定された短
ア−クメタルハライドランプが使用されている。
【0003】カラー液晶プロジェクタの基本的原理を図
3にもとづき説明すると、カラー液晶プロジェクタは、
光源であるランプ1およびこの光源から放射された光を
反射するリフレクタ2とからなる投光装置50を備えて
おり、このリフレクタ2で反射された反射光を集光する
集光レンズ3を有している。
【0004】前方に照射された光は、青色光を反射する
ダイクロイックミラー(波長選択性反射鏡)4により青
色光が反射され、この青色光はミラー5で反射されて液
晶パネル(LCD)6を照射し、この液晶パネル6の画
像を青色に着色して他のダイクロイックミラー7、8お
よび投影レンズ9を介してスクリーン10に投影する。
【0005】また、上記集光レンズ3から投光された光
のうち、赤色および緑色の光は前記青色光を反射するダ
イクロイックミラー4を透過し、そのうちの赤色光は他
のダイクロイックミラー11で反射され、液晶パネル1
2を照射し、この液晶パネル12の画像を赤色に着色
し、この赤色画像を上記ダイクロイックミラー7で反射
して他のダイクロイックミラー8を透過し投影レンズ9
を介してスクリーン10に投影する。
【0006】さらに、上記赤色光を反射するダイクロイ
ックミラー11を透過した緑色光は、液晶パネル13を
照射し、この液晶パネル13の画像を緑色に着色し、こ
の緑色画像をミラー14および上記ダイクロイックミラ
ー8で反射して投影レンズ9を介してスクリーン10に
投影する。
【0007】したがって、3個の液晶パネル6、12お
よび13の画像をコントロールすることによりスクリー
ン10には3色の画像が重ねて投影され、カラーの画像
が映し出されるようになる。
【0008】このようなカラー液晶プロジェクタの光源
としては、点光源の形状に近く、しかも低電力にも拘ら
ず大光量が得られ、かつ赤、青、緑の成分を効率よく放
射し、ミラーやレンズ等の光学系と組合わせて用いた場
合でも必要なエリアに豊富な光の3原色を送りこむこと
ができ、さらには熱の発生が少ない等の条件を満足し得
るようなランプが必要となる。このような条件を満たす
ランプとして、上記の短アークメタルハライドランプが
好適する。
【0009】短アークメタルハライドランプを光源と
し、この短アークメタルハライドランプ1とリフレクタ
2と組み合わせてなる従来の投光装置50について、図
4にもとづき説明する。
【0010】図4において20は、短アークメタルハラ
イドランプ1の発光管であり、この発光管20は石英ガ
ラスからなり、両端にそれぞれ電極21、21を封装
し、これら一対の電極21、21は封止部22、22に
封着された金属箔導体23、23に接続されている。一
方の金属箔導体23は図示しない外部リ−ド線を介して
端部に被着された口金24に電気的に接続されており、
他方の金属箔導体23は外部リ−ド線25に接続されて
いる。上記発光管20には、緩衝金属としての水銀が封
入されているとともに、発光金属として金属ハロゲン化
物が封入されており、かつアルゴン等の希ガスが封入さ
れている。
【0011】このようなランプ1は、リフレクタ2に取
り付けられている。リフレクタ2はガラスまたは金属か
らなり、回転曲面の内面に反射特性に優れたTiO2
SiO2 などの蒸着膜からなる反射面31を有してい
る。このリフレクタ2の前面投光部、つまり開口部は開
口径が90〜130mm程度に形成されており、背部の頂
部に支持筒部32が設けられている。この支持筒部32
には上記ランプ1の口金24部分が、絶縁セメント等の
接着剤33により固着されている。これにより、ランプ
1は、ランプ軸O1 −O1 がリフレクタ2の中心軸、つ
まり光軸O2 −O2 と略一致するようにしてリフレクタ
2に取着されている。なお、リフレクタ2には導入孔3
4が形成され、この導入孔34に前記ランプ1の外部リ
−ド線25が貫通され、リフレクタ2の背面側に導かれ
ている。
【0012】このようなランプ1はアーク長さ、したが
って電極間距離Lが15mm以下、具体的には4〜7mmと
されており、点灯中に150W〜250Wの電力を、例
えば商業電源からの50〜60Hzの交流サイクル、ま
たは電子安定器により変換された高周波電源50からの
250〜400Hzの高周波を供給されることにより、
管壁負荷Z(入力電力Wを発光管の内表面積Scm2 で除
した値、Z=W/S)が40〜100W/cm2 となるよ
うな大きな負荷条件で使用される。なお、250〜40
0Hzの高周波によりランプを点灯すれば光出力の脈動
が防止される利点があり、よって従来の場合、250〜
400Hzの高周波交流電源により点灯される場合が多
い。
【0013】そして、この種の短アークメタルハライド
ランプ1は、発光管20に封入される金属ハロゲン化物
として、発光効率が高く、色温度が高く、相関色温度を
6000K以上にすることができ、しかも可視光全般に
亘る発光スペクトルを有して光の3原色を効率よく放射
するのに適した、いわゆる高効率および高演色性を得る
ため、主としてジスプロシウムDy、ネオジウムNd等
の希土類金属を用いている。また、特定領域の発光スペ
クトルを強化したり、さらに一層演色性を高めるため
に、セシウムCs、リチウムLi等のアルカリ金属、お
よびインジウムIn、タリウムTl、錫Sn等の金属の
ハロゲン化物を用いている。
【0014】しかしながら、上記のように40〜100
W/cm2 となる高い管壁負荷で使用される短アークメタ
ルハライドランプは、点灯時間の経過に伴い発光管の管
壁に早期に黒化が発生する。このような黒化は石英ガラ
スの失透を招き、光束維持率を低下させ、ランプ寿命を
著しく低下させる欠点がある。
【0015】発光管に黒化が発生する原因について究明
したところ、ハロゲンとして封入されるヨウ素の存在が
大きな影響を与えることが判っている。すなわち、この
種のランプは、ハロゲンとして主にヨウ素Iおよび臭素
Brを用いている。ハロゲンとしてヨウ素Iを用いる
と、ヨウ素は演色性を高める希土類金属と化合し易いた
め、ランプの色温度を高くするのに有効であり、かつ上
記演色性を高める発光金属の作用により演色性がよくな
る。しかしながら、ハロゲンとしてヨウ素Iのみを用い
た場合は、管壁の早期黒化が発生し易い。
【0016】すなわち、この種のメタルハライドランプ
は、発光管内のアーク中央部近傍ではアーク温度が40
00〜6000℃位の高温度となり、封入したハロゲン
化金属はこのアーク中央部で高温のために希土類金属と
ハロゲンが分解し、さらには電離する。このように分解
された希土類金属とハロゲンは、本来は、管壁近傍で再
び結合してハロゲン化金属となり、これが高温部に移動
して分解され、所謂ハロゲンサイクルを繰り返す。
【0017】しかし、例えばヨウ化ジスプロシウムDy
Iを発光金属として封入したランプの場合、アーク中央
部の高温部分でジスプロシウムDyと分解された遊離ヨ
ウ素Iは、管壁において発光管の石英(SiO2 )と反
応してSiI4 を生成する。このような反応は、管壁負
荷が高く、発光管の管壁温度が高いほど発生し易く、し
たがって、特に上記のような短ア−クメタルハライドラ
ンプでは特に発生し易い。SiI4 が発生すると、これ
は電極先端に付着し、電極を構成するタングステンWと
の間でタングステンWとケイ素Siの低融点合金を作
る。この合金は低融点であるため電子衝撃を受けて電極
先端から飛散し、この飛散した低融点金属はバルブの内
面に付着し、これがバルブを黒化させる原因になる。
【0018】これに対し、ハロゲンとしてヨウ素Iの代
わりに臭素Brを封入した場合は、臭素Brはヨウ素I
に比べて反応性に優れる性質がある。このため臭素Br
は、管壁に付着したタングステンWとケイ素Siとの低
融点合金からタングステンWと結合してタングステンW
を電極に戻す作用が強い。つまり、臭素Brは管壁に付
着したタングステンWの回収性能がヨウ素Iに比べて高
く、よって管壁を浄化するのに有効である。
【0019】さらに、臭素Brはヨウ素Iに比べて反応
性が高いことから、アーク中央部の高温部で分解された
ジスプロシウムDyなどの遊離希土類金属とも結合し易
く、遊離希土類金属が管壁に付着するのを軽減する作用
もある。
【0020】このようなことから、ハロゲンとして臭素
Brを用いた場合は、管壁の黒化を防止するのに友好で
あり、よって光束維持率を向上させることができる。し
かしながら、臭素Brは、上記したように管壁のタング
ステンWと結合してタングステンWを電極先端の高温部
に戻す作用に優れているが、その反面、臭素Brは反応
性が高いがゆえに、電極軸の根元のタングステンWとS
iI4 との間で作られたWとSiの低融点合金のうちの
タングステンWとも反応し、このタングステンWを高温
の電極先端に運ぶ作用もある。このためタングステンW
が温度の低い電極軸の根元から電極先端の高温部に運ば
れて電極先端に堆積するようになり、この結果、電極軸
の根元で電極の細りが発生し、電極軸が早期に折損する
不具合がある。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから本
発明の課題は、従来の管壁負荷の高い短アークメタルハ
ライドランプの場合、管壁の黒化による光束維持率を改
善するためにハロゲンとして臭素Brを用いた場合は電
極根元の早期折損が生じるという問題があるという点で
ある。
【0022】したがって、本発明の目的は、発光管の黒
化を防止して光束維持率を高く保つとともに電極の早期
折損を防止し、しがって寿命特性を大幅に改善すること
ができるメタルハライドランプおよびこれを光源とした
投光装置を提供しようとするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、発光
管の両端部に電極を封装するとともに、この発光管内に
水銀と、少なくとも希土類金属のハロゲン化物と、希ガ
スとを封入したメタルハライドランプにおいて、上記発
光管に封入されるハロゲンのうち臭素の占める割合を原
子数比で60〜90%の範囲とし、上記電極に直流成分
の電圧を印加してこのランプを直流点灯するとともに、
点灯中に陽極となる電極を陰極となる電極に比べて大き
く形成したことを特徴とする。
【0024】請求項2の発明は、発光管に封入されるハ
ロゲンのうち臭素以外のハロゲンはヨウ素を含み、この
ヨウ素の占める割合を原子数比で90%以上としたこと
を特徴とする。
【0025】請求項3の発明は、金属ハロゲン化物は、
少なくともジスプロシウム、インジウム、タリウムのハ
ロゲン化物のうちの1種を含むことを特徴とする。請求
項4の発明は、金属ハロゲン化物は、少なくともジスプ
ロシウム、ネオジウム、セシウムのハロゲン化物のうち
の1種を含むことを特徴とする。
【0026】請求項5の発明は、ランプは、両電極の電
極間距離Lを15mm以下とした短ア−ク形メタルハライ
ドランプであることを特徴とする。請求項6の発明は、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のメタルハラ
イドランプと、このランプから放射される光を反射する
リフレクタと、を有することを特徴とする投光装置であ
る。
【0027】請求項7の発明は、上記メタルハライドラ
ンプは水平点灯されるとともにランプ軸がリフレクタの
光軸に沿って配置され、点灯中に陰極となる電極がリフ
レクタの前面投光部側に配置されていることを特徴とす
る投光装置である。
【0028】
【作用】請求項1に記載の短アークメタルハライドラン
プは、ハロゲンとして臭素Brの封入量を多くしたか
ら、ヨウ素Iに比べて反応性に優れる性質のために臭素
Brが管壁に付着したタングステンWと結合し、このタ
ングステンWを電極に戻す作用が強く、よって管壁を浄
化する。また、臭素Brはアーク中央部の高温部で分解
された遊離希土類金属とも結合し易く、よって遊離希土
類金属が管壁に付着するのを軽減する。この結果、管壁
の黒化を防止し、光束維持率を向上させることができ
る。しかも、本発明のメタルハライドランプは、直流点
灯するようにしたから電気陰性度の高い臭素Brが主と
して陽極側に引き寄せられるようになる。この場合、陽
極は陰極に比べて大きく構成してあるから、臭素Brが
陽極電極軸の浸蝕を招いても、電極軸がもともと太いこ
とから、早期に折損することが防止される。
【0029】なお、一般に放電灯を直流点灯すると、陽
極は電子衝撃を受けるため高温になる。このときの耐熱
性を高くするためには陽極の形状を大きくして熱容量を
大きくする必要がある。これに対し陰極は、速やかに電
子を放出する必要があるため迅速に温度上昇する必要が
あり、よって高温化のために相対的に細くしてある。し
たがって、本発明のランプは直流点灯することにより、
太い陽極側に電気陰性度の高い臭素Brを引き寄せるこ
とにより、細い陰極側で浸蝕が進む場合に比べて早期に
折損が生じるのを防止し、電極の寿命を長くすることが
できる。
【0030】さらにまた、直流点灯によると、遊離した
希土類金属のイオンが陰極側に電気的に引き寄せられ、
所謂カタホリシス現象を生じる。このため、希土類金属
のイオンが発光管における温度の高い中心部や陽極側に
近い管壁の石英ガラスから遠ざけられ、よって発光管の
中央部の温度の高いところで希土類金属と石英が反応す
るのが抑制される。このことから、石英の白濁化による
失透が防止され、ランプから放射される光量の低下が抑
止される。
【0031】このようなことから、請求項1に記載のメ
タルハライドランプによれば、臭素の封入割合を高くす
ることにより発光管の黒化を防止し、高い光束維持率を
保つことができ、かつ太い陽極側に電気陰性度の高い臭
素Brを引き寄せることにより電極軸の折損を防止し、
よってランプの寿命を長くすることができる。
【0032】そして、ハロゲンのうち臭素Brの占める
割合を原子数比で60%未満とした場合は、臭素Brの
封入量が少なくて発光管の黒化防止能力が低下し、また
90%を越えると、反応性に優れた臭素Brの封入量が
過剰になり、電極軸の折損が早くなる。
【0033】請求項2に記載のランプは、臭素以外のハ
ロゲンとしてヨウ素Iを封入したから、ランプの色温度
を適度なレベルに維持し、演色性を向上させる発光金属
と結合し易いから、演色性を向上させることができる。
この点から、封入ハロゲンのうち臭素以外のハロゲンは
全てヨウ素にすることが好ましいが、臭素以外のハロゲ
ンのうちヨウ素の占める割合を原子数比で90%以上と
すれば、演色性が良くなることが判った。
【0034】請求項3に記載のランプは、金属ハロゲン
化物が、少なくともジスプロシウム、インジウム、タリ
ウムのハロゲン化物のうちの1種を含むので、高効率お
よび高演色性を得ることができる。
【0035】請求項4の発明は、金属ハロゲン化物が、
少なくともジスプロシウム、ネオジウム、セシウムのハ
ロゲン化物のうちの1種を含むので、演色性が高くな
る。請求項5に記載のランプは、両電極の電極間距離L
を15mm以下とした短ア−ク形メタルハライドランプに
適用したから、点光源としての機能を維持することがで
きる。
【0036】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5のいずれかに記載のメタルハライドランプと、このラ
ンプから放射される光を反射するリフレクタと、を有す
る投光装置であるから、上記メタルハライドランプのも
つ高い光束維持率およびランプ寿命の延長化を有効に活
用することができて投光装置の寿命特性が向上し、しか
も石英の失透が防止されることから、投光装置の光量低
下が抑止される。よって、スクリーンの照度低下を抑止
することができる。
【0037】請求項7の発明は、上記メタルハライドラ
ンプは水平点灯されるとともにランプ軸がリフレクタの
光軸に沿って配置され、点灯中に陰極となる電極がリフ
レクタの前面投光部側に配置されているから、カタホリ
シス現象によって陰極近傍に引き寄せられる希土類金属
のために、陰極側で石英の白濁化による失透が生じたと
しても、陽極側や中央部で透明度が保たれるから、発光
管から放出される光がリフレクタの反射面に有効に向わ
させることができ、投光機能の低下を軽減することがで
きる。
【0038】
【実施例】以下本発明について、図1および図2に示す
一実施例にもとづき説明する。本実施例は、先に説明し
た図3に示すカラー液晶プロジェクタに適用したもの
で、これについては重複するので説明を省略する。ま
た、図1に示す投光装置の短アークメタルハライドラン
プも、図4の従来の短アークメタルハライドランプとほ
とんどの構造が同一であってよく、図1の短アークメタ
ルハライドランプで従来と異なる点は、電極が陽極21
aと、陰極21bに区別されているとともに陽極21a
が陰極21bに比べて太く形成されており、高周波によ
り直流点灯される点である。
【0039】すなわち、図1の短アークメタルハライド
ランプ1は定格入力が250Wであり、発光管20の発
光部は肉厚1.4mmの石英ガラスからなるほぼ楕円回転
体をなしており、この発光部は長径がほぼ15mm、短径
がほぼ10.5mmとなるように形成され、内容積がほぼ
0.9CCとなっている。この発光管20の両端に封装
された電極は、一方が例えば直径1.6mmのトリタン棒
よりなる陽極21a、他方が例えば直径0.6mmのトリ
タン棒よりなる陰極21bとなっており、これら電極2
1a、21bの電極間距離Lは6mmとされている。
【0040】発光管20内には、水銀を20mgと、金属
ハロゲン化物として、臭化ジスプロシウムDyBr3
1.0mg、ヨウ化ジスプロシウムDyI3 を0.375
mg、ヨウ化セシウムCsIを0.125mg、臭化錫Sn
Br2 を0.6mg、臭化インジウムInBrを0.2m
g、臭化タリウムTlBrを0.4mgを封入してあり、
かつ希ガスとしてアルゴンArを常温で300Torr封入
してある。なお、この場合全部のハロゲン中、臭素Br
の占める割合は原子数比で86.8%である。
【0041】このようなランプ1は、口金24と外部リ
ード線25を直流電源70に接続し、ランプ電力を25
0Wで点灯することにより、管壁負荷が40〜100W
/cm2 程度の大きな負荷条件で使用される。このような
短ア−クメタルハライドランプ1は、ランプ軸O1 −O
1 がリフレクタ2の中心軸、つまり光軸O2 −O2 と略
一致するようにしてリフレクタ2に取着されている。こ
の場合、ランプ1の陰極21bがリフレクタ2の前面投
光部側に位置するようになっている。なお、少なくとも
陰極21b側の発光管外側には、耐熱性酸化物、例えば
アルミナからなる保温膜28を形成してある。
【0042】このような構成の投光光源装置50の作用
について説明する。上記投光光源装置50は、図1に示
すようにリフレクタ2がその光軸O2 −O2 を略水平に
向けた姿勢で使用され、短ア−クメタルハライドランプ
1は水平点灯される。このランプは、250Wのランプ
電力で点灯すると、色温度が7500Kであり、ランプ
効率は82lm/Wが得られる。
【0043】そして、この短ア−クメタルハライドラン
プ1は、ハロゲンとして臭素Brの封入割合を相対的に
多くしてあるから、管壁に付着しようとする浮遊タング
ステンWとケイ素Siの低融点合金のうちのタングステ
ンと結合して電極に戻す作用を生じ、このため管壁を浄
化し、管壁の黒化を防止し、光束維持率を向上させるこ
とができる。
【0044】しかも、このランプ1は直流電源70に接
続されて直流点灯されるため、電気陰性度の高い臭素B
rは陽極21a側に引き寄せられて陽極21a側で臭素
密度が高くなる。このような臭素は、電極軸の根元で作
られたWとSiの低融点合金のうちのタングステンWと
反応して高温の電極先端に運ぶことにより電極軸の根元
が細りを生じることがあっても、陽極21aの電極軸は
熱容量を増して耐熱性を高めるために太くしてあるか
ら、若干の細り程度で電極が折れるなどの不具合を生じ
ない。よって、電極の折損による寿命低下を防止するこ
とができる。
【0045】また、カタホリシス現象により希土類金属
を陰極21b側に引き寄せられから、希土類金属を高温
部より遠ざけることができ、希土類金属と石英との反応
による白濁化を防止する。また、たとえ白濁化により発
光管に失透が生じても、これは陰極21bの近傍に集中
し、発光部中心や陽極側に失透が生じるのを防止するこ
とができる。
【0046】例えば、上記ランプの場合、直流により2
000時間点灯しても、発光管の黒化は認められず、も
ちろん電極の折損は発生せず、管壁の白濁化も見られな
い。さらに、封入ハロゲンのうち、臭素Br以外のハロ
ゲンは、ヨウ素Iの占める割合を原子数比で90%以上
としてあるから、演色性を高める希土類金属との反応が
よく、演色性を高めることができる。
【0047】特に、電極間距離が15mm以下とされた短
アークメタルハライドランプ1の場合は、点光源に近い
ことが利点となっているので、この種の短アークメタル
ハライドランプ1に適用すれば、その有利さを一層生か
すことができる。
【0048】このことから、投光光源装置50から投射
される光量の低下を防止することができ、スクリーン1
0の照度低下を抑止することができ、図2にも示すよう
に、2000時間点灯してもスクリーン10面での光束
を初期レベルの80%以上に保つことができる。
【0049】そして、他の仕様のランプの例を説明すれ
ば、発光管20は長径がほぼ10mm、短径がほぼ9.0
mmとなるように形成され、内容積がほぼ0.5CCとな
っている。この発光管20の両端に封装された電極は、
一方が例えば直径1.2mmのトリタン棒よりなる陽極2
1a、他方が例えば直径0.5mmのトリタン棒よりなる
陰極21bとなっており、これら電極21a、21bの
電極間距離Lは5mmとされている。発光管20内には、
水銀を13mgと、金属ハロゲン化物として、臭化ジスプ
ロシウムDyBr3 を0.5mg、ヨウ化ネオジウムNd
3 を0.375mg、ヨウ化セシウムCsIを0.12
5mg、臭化錫SnBr2 を0.2mgを封入し、かつ希ガ
スとしてアルゴンArが常温で300Torr封入した。な
お、この場合、全部のハロゲン中、臭素Brの占める割
合は原子数比で67%である。
【0050】このランプを180Wの直流にて2000
時間点灯したところ、図2にも示すように、スクリーン
10面での光束は初期の74%に保つことができた。上
記の例でも判るように、臭素Brの封入割合は、原子数
比で60〜90%の割合がよい。つまり、図2は、臭素
Brの封入割合を種々変化させた場合のスクリーン10
面での光束維持率を調べたものであるが、臭素Brが原
子数比で60%未満の場合は、管壁の黒化や白濁化によ
る光束低下が生じて、2000時間点灯後のスクリーン
10面での光束維持率は初期の70%よりも下がるた
め、臭素Brの封入量は原子数比で60%以上であるこ
とが望まれる。
【0051】また、臭素Brが90%を越えると、臭素
Brの高い反応性のために電極の細りが進んで早期折損
が生じる。また、ヨウ素Iの割合が少なくなるから、ヨ
ウ素Iが役割を果たしている演色性に優れた希土類金属
との反応が減少し、色温度が悪化し、演色性が低下し、
かつ発光が大幅に低下し、充分な効率および演色性がえ
られなくなる。
【0052】このような理由から、ハロゲン中に占める
臭素Brの割合は、原子数比で60〜90%であること
が望まれる。また、ヨウ素Iは演色性に優れた希土類金
属と反応して、ランプの色温度を適度のレベルに維持し
て演色性を向上させる作用があり、よってヨウ素の存在
は無視できない。この点から、封入ハロゲン中臭素Br
以外のハロゲンは全てヨウ素Iとするのが好ましいが、
臭素Br以外のハロゲンのうちヨウ素Iの占める割合を
原子数比で90%以上とすれば、実際上問題がないこと
が判った。
【0053】図1の投光装置において、陰極21bをリ
フレクタ2の前面投光部側に配置しておいた場合は、カ
タホリシス現象により、例え陰極21aの近傍で石英の
白濁化が生じたとしても、陽極21a側や中央部で透明
度が保たれるから、発光管20から放出される光がリフ
レクタ2の反射面31に有効に向わされ、よって投光機
能の低下が少なくなる。
【0054】なお、本発明は上記各実施例に制約される
ものではない。すなわち、図1のメタルハライドランプ
は、陽極21aと陰極21bの構造を異ならせたが、こ
れら陽極21aおよび陰極21bはともに、図4に示す
電極と同様に、電極軸に電極コイルを巻回して構成して
もよい。但し、陽極21aは陰極21bに比べて電極軸
及び電極コイルともに太くして熱容量を大きくしておく
ことが必要である。また、本発明で直流点灯というの
は、厳密な意味の直流ではなく、交流を整流したもの、
パルス点灯などであってもよい。
【0055】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、ハロ
ゲンとして臭素の量を多くしたから発光管の黒化を防止
して光束維持率を高く保つことができ、しかも直流点灯
して電気陰性度の高い臭素を、形状の大きな陽極側に引
き寄せるようにしたから、太い電極であるがために電極
の早期折損を防止することができる、しがってランプの
寿命特性が大幅に向上する。
【0056】そして、このようなメタルハライドランプ
を投光装置の光源に用いた場合は、スクリーン等の被照
射物上での照度低下を防止することができ、長期に亘り
高い光束を維持し、かつ点光源の状態が長期に亘り維持
されるため、被照射面で中央部と周辺部との色むらを軽
減することができるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のメタルハライドランプとリ
フレクタとからなる投光装置を示す断面図。
【図2】臭素の封入割合とランプの点灯時間とスクリー
ン上の光束維持率との関係を測定した特性図。
【図3】カラー液晶プロジェクタの原理を示す説明図。
【図4】従来のメタルハライドランプとリフレクタとか
らなる投光装置を示す断面図。
【符号の説明】
1…メタルハライドランプ 2…リフ
レクタ 4、7、8、11…ダイクロイックミラー 6、12、13…液晶パネル 10…ス
クリーン、20…発光管 21a…陽極 21b…陰極 70…直流電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光管の両端部に電極を封装するととも
    に、この発光管内に水銀と、少なくとも希土類金属のハ
    ロゲン化物と、希ガスとを封入したメタルハライドラン
    プにおいて、 上記発光管に封入されるハロゲンのうち臭素の占める割
    合を原子数比で60〜90%の範囲とし、 上記電極に直流成分の電圧を印加してこのランプを直流
    点灯するとともに、点灯中に陽極となる電極を陰極とな
    る電極に比べて大きく形成したことを特徴とするメタル
    ハライドランプ。
  2. 【請求項2】 上記発光管に封入されるハロゲンのうち
    臭素以外のハロゲンはヨウ素を含み、このヨウ素の占め
    る割合を原子数比で90%以上としたことを特徴とする
    請求項1に記載のメタルハライドランプ。
  3. 【請求項3】 金属ハロゲン化物は、少なくともジスプ
    ロシウム、インジウム、タリウムのハロゲン化物のうち
    の1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のメタルハライドランプ。
  4. 【請求項4】 金属ハロゲン化物は、少なくともジスプ
    ロシウム、ネオジウム、セシウムのハロゲン化物のうち
    の1種を含むことを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載のメタルハライドランプ。
  5. 【請求項5】 上記ランプは、両電極の電極間距離Lを
    15mm以下とした短ア−ク形メタルハライドランプであ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメ
    タルハライドランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載のメタルハライドランプと、 このランプから放射される光を反射するリフレクタと、
    を有することを特徴とする投光装置。
  7. 【請求項7】 上記メタルハライドランプは水平点灯さ
    れるとともにランプ軸がリフレクタの光軸に沿って配置
    され、点灯中に陰極となる電極がリフレクタの前面投光
    部側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載
    の投光装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007533087A (ja) * 2004-04-16 2007-11-15 パテント−トロイハント−ゲゼルシヤフト フユール エレクトリツシエ グリユーラムペン ミツト ベシユレンクテル ハフツング 高圧放電ランプ
JP2010509733A (ja) * 2006-11-09 2010-03-25 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 高い色温度を有する放電ランプ

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