JPH06311711A - 複数固定子誘導電動機 - Google Patents
複数固定子誘導電動機Info
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- JPH06311711A JPH06311711A JP5113604A JP11360493A JPH06311711A JP H06311711 A JPH06311711 A JP H06311711A JP 5113604 A JP5113604 A JP 5113604A JP 11360493 A JP11360493 A JP 11360493A JP H06311711 A JPH06311711 A JP H06311711A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 製造コストの低い回転子と共に始動トルクの
高い複数固定子誘導電動機を得る。 【構成】 2個の回転子コア2,3間において、回転子
コア2,3それぞれに装設した複数個の導体6を電気角
180°以下の範囲内において任意の導体数の組ごとに
集合短絡して集合導体9にして、回転子コア2,3の導
体6を連通した一体的回転子7と、回転子コア2,3に
対峙する外側部に巻線10,11を施した第1固定子1
2と第2固定子13及び、第1固定子12と第2固定子
13とのそれぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移
相装置とからなる。
高い複数固定子誘導電動機を得る。 【構成】 2個の回転子コア2,3間において、回転子
コア2,3それぞれに装設した複数個の導体6を電気角
180°以下の範囲内において任意の導体数の組ごとに
集合短絡して集合導体9にして、回転子コア2,3の導
体6を連通した一体的回転子7と、回転子コア2,3に
対峙する外側部に巻線10,11を施した第1固定子1
2と第2固定子13及び、第1固定子12と第2固定子
13とのそれぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移
相装置とからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単一の回転子と複数個
の固定子とを有し、複数個の固定子がこれに対峙する回
転子導体の周囲に生じる回転磁界間に位相差を生じさ
せ、スムーズな起動と低速から高速にかけて高トルクを
発生させることができる複数固定子誘導電動機に関し、
特にその一体形回転子に関する。
の固定子とを有し、複数個の固定子がこれに対峙する回
転子導体の周囲に生じる回転磁界間に位相差を生じさ
せ、スムーズな起動と低速から高速にかけて高トルクを
発生させることができる複数固定子誘導電動機に関し、
特にその一体形回転子に関する。
【0002】
【従来の技術】複数固定子構成の誘導電動機は、特開昭
49−86807号公報、特開昭54−29005号公
報、特公平2−27920号公報などにより既に公知と
なっている。これらの複数固定子誘導電動機は固定子巻
線相互間に位相差を与えることにより、回転子の周りに
起生する回転磁界にズレを生じさせてトルク制御または
速度制御を行うものである。この位相差を変化させる方
法には、機械的なものとして固定子を回動させて位相差
を設けるもの、電気的なものとして固定子巻線の結線を
変えて何種類かの位相差を設けるものがある。
49−86807号公報、特開昭54−29005号公
報、特公平2−27920号公報などにより既に公知と
なっている。これらの複数固定子誘導電動機は固定子巻
線相互間に位相差を与えることにより、回転子の周りに
起生する回転磁界にズレを生じさせてトルク制御または
速度制御を行うものである。この位相差を変化させる方
法には、機械的なものとして固定子を回動させて位相差
を設けるもの、電気的なものとして固定子巻線の結線を
変えて何種類かの位相差を設けるものがある。
【0003】以上の方法は、誘導電動機のトルクと速度
を自在に変化させて負荷に対応する場合と、始動時の速
度上昇をスムーズに行う場合等と、その負荷または用途
に応じて様々の手法を用いることになる。
を自在に変化させて負荷に対応する場合と、始動時の速
度上昇をスムーズに行う場合等と、その負荷または用途
に応じて様々の手法を用いることになる。
【0004】ところでこのように複数固定子構成にした
誘導電動機は、固定子巻線相互間に位相差を与えてトル
クまたは速度を制御をするようにしてあり、この位相差
が有効に作用するように回転子を次のように構成してあ
る。つまり同一回転軸上に空間又は非磁性体部を介在し
て第1及び第2回転子コアを軸着し、該第1及び第2回
転子コアに連通する複数個の回転子導体を回転子コアの
外周部に装設してあり、更に前記第1及び第2の回転子
コア間で前記連通した複数個の回転子導体を抵抗材を介
して抵抗短絡して構成してある。
誘導電動機は、固定子巻線相互間に位相差を与えてトル
クまたは速度を制御をするようにしてあり、この位相差
が有効に作用するように回転子を次のように構成してあ
る。つまり同一回転軸上に空間又は非磁性体部を介在し
て第1及び第2回転子コアを軸着し、該第1及び第2回
転子コアに連通する複数個の回転子導体を回転子コアの
外周部に装設してあり、更に前記第1及び第2の回転子
コア間で前記連通した複数個の回転子導体を抵抗材を介
して抵抗短絡して構成してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般的に誘導電動機の
回転子は巻線形あるいはかご形であり、とくにかご形回
転子は汎用の誘導電動機の主流となっている。これはか
ご形回転子がアルミニウムの鋳込みという簡単な方法で
製造することが可能でありしかも堅牢であるという理由
からである。しかしながら、複数固定子構成の回転子
は、一般誘導電動機の回転子のかご形導体の他に、回転
子コア間で回転子導体を抵抗短絡する抵抗材を有するた
め、単純に鋳込みだけで回転子を製造することが困難で
あり、更に抵抗材が回転子外周に突出した形状になるこ
とから電動機が大きくなるなど製造コストを高くする大
きな原因となっていた。
回転子は巻線形あるいはかご形であり、とくにかご形回
転子は汎用の誘導電動機の主流となっている。これはか
ご形回転子がアルミニウムの鋳込みという簡単な方法で
製造することが可能でありしかも堅牢であるという理由
からである。しかしながら、複数固定子構成の回転子
は、一般誘導電動機の回転子のかご形導体の他に、回転
子コア間で回転子導体を抵抗短絡する抵抗材を有するた
め、単純に鋳込みだけで回転子を製造することが困難で
あり、更に抵抗材が回転子外周に突出した形状になるこ
とから電動機が大きくなるなど製造コストを高くする大
きな原因となっていた。
【0006】しかしながら複数固定子構成の誘導電動機
の特徴は抵抗材の効果によるところが大きく、この抵抗
材を除いた複数固定子構成で回転磁界間に位相差を設け
ても、単なる電圧降下によるトルクの低減効果しか得る
ことができない。(図8参照)以上のことから、複数固
定子構成にした誘導電動機の回転子のような、2個の回
転子コア間に回転子導体を抵抗短絡する抵抗材を設けた
時と同じ作用・効果を残しながらも、一般の汎用電動機
の回転子と同じ簡単な導体の鋳込みだけで製造可能とし
た、2個の回転子コアを有する一体形回転子による複数
固定子誘導電動機の提供を技術的課題とする。
の特徴は抵抗材の効果によるところが大きく、この抵抗
材を除いた複数固定子構成で回転磁界間に位相差を設け
ても、単なる電圧降下によるトルクの低減効果しか得る
ことができない。(図8参照)以上のことから、複数固
定子構成にした誘導電動機の回転子のような、2個の回
転子コア間に回転子導体を抵抗短絡する抵抗材を設けた
時と同じ作用・効果を残しながらも、一般の汎用電動機
の回転子と同じ簡単な導体の鋳込みだけで製造可能とし
た、2個の回転子コアを有する一体形回転子による複数
固定子誘導電動機の提供を技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によると、同一回
転軸上に空間又は非磁性体部を介在して軸着した第1及
び第2回転子コアを有し、該第1及び第2回転子コアの
外周部に装設した複数個の導体を前記第1と第2の回転
子コア間で連通させた一体形回転子と、前記各回転子コ
アにそれぞれ対向して周設した第1及び第2固定子と、
前記第1固定子がこれに対峙する前記第1回転子コアの
周囲に生じる回転磁界と前記第2固定子がこれに対峙す
る前記第2回転子コアの周囲に生じる回転磁界との間の
位相差を変化させる移相装置とを有する複数固定子誘導
電動機において、本発明では前記課題を解決するための
手段を次のようにした。
転軸上に空間又は非磁性体部を介在して軸着した第1及
び第2回転子コアを有し、該第1及び第2回転子コアの
外周部に装設した複数個の導体を前記第1と第2の回転
子コア間で連通させた一体形回転子と、前記各回転子コ
アにそれぞれ対向して周設した第1及び第2固定子と、
前記第1固定子がこれに対峙する前記第1回転子コアの
周囲に生じる回転磁界と前記第2固定子がこれに対峙す
る前記第2回転子コアの周囲に生じる回転磁界との間の
位相差を変化させる移相装置とを有する複数固定子誘導
電動機において、本発明では前記課題を解決するための
手段を次のようにした。
【0008】つまり、複数のスロットを有する薄板コア
を積層した回転子コアの積層端の一方に、全スロットを
短絡する短絡環と、他方に電気角180°以下の範囲の
任意のスロット数ごとに集合短絡した複数の集合導体
と、及び前記複数のスロットに導体とを鋳込みによって
形成してこれを回転子部分とし、同一回転軸上に前記鋳
込みで形成した2個の第1と第2の回転子部分を、それ
ぞれの集合導体を突き合せて軸着すると共に、突き合せ
た集合導体をで電気的に導通させた一体かご形回転子と
することにより前記課題を解決するための手段とした。
を積層した回転子コアの積層端の一方に、全スロットを
短絡する短絡環と、他方に電気角180°以下の範囲の
任意のスロット数ごとに集合短絡した複数の集合導体
と、及び前記複数のスロットに導体とを鋳込みによって
形成してこれを回転子部分とし、同一回転軸上に前記鋳
込みで形成した2個の第1と第2の回転子部分を、それ
ぞれの集合導体を突き合せて軸着すると共に、突き合せ
た集合導体をで電気的に導通させた一体かご形回転子と
することにより前記課題を解決するための手段とした。
【0009】更に別の手段として、複数のスロットを有
する薄板コアを積層した第1と第2の回転子コアを任意
の間隔で配設し、該回転子コアの間隔において対向する
回転子コアの複数のスロットを、電気角180°以下の
範囲の任意のスロット数ごとに集合短絡するための複数
個の集合導体部材を前記第1と第2の回転子コアの間隔
に設け、前記第1と第2の回転子コアの外側端に全スロ
ットを短絡する短絡環と、前記集合導体部材により任意
のスロット数ごとに集合短絡した複数の集合導体と、及
び前記複数のスロットに導体とを鋳込みによって形成し
た一体かご形回転子とすることにより前記課題を解決す
るための手段とした。
する薄板コアを積層した第1と第2の回転子コアを任意
の間隔で配設し、該回転子コアの間隔において対向する
回転子コアの複数のスロットを、電気角180°以下の
範囲の任意のスロット数ごとに集合短絡するための複数
個の集合導体部材を前記第1と第2の回転子コアの間隔
に設け、前記第1と第2の回転子コアの外側端に全スロ
ットを短絡する短絡環と、前記集合導体部材により任意
のスロット数ごとに集合短絡した複数の集合導体と、及
び前記複数のスロットに導体とを鋳込みによって形成し
た一体かご形回転子とすることにより前記課題を解決す
るための手段とした。
【0010】
【作用】本発明において、2個の固定子と、2個の回転
子コアを有する一体形回転子及び前記2個の固定子の作
る回転磁界間に位相差を生じさせる移相装置とからなる
複数固定子誘導電動機において、2個の回転子コア間で
回転子コアの外周部に装設した複数個の導体を、電気角
180以下の範囲の任意導体数ごとに集合短絡して複数
の集合導体に形成している。
子コアを有する一体形回転子及び前記2個の固定子の作
る回転磁界間に位相差を生じさせる移相装置とからなる
複数固定子誘導電動機において、2個の回転子コア間で
回転子コアの外周部に装設した複数個の導体を、電気角
180以下の範囲の任意導体数ごとに集合短絡して複数
の集合導体に形成している。
【0011】従来技術においては、2個の回転子コア間
で2個の回転子コアに連通する導体を抵抗短絡した抵抗
材には、2個の固定子それぞれの作る回転磁界間に位相
差を設けたとき電流が流れ、この抵抗材の抵抗値によっ
てトルク特性が特異の特性を有するものとなっていた。
つまり起動時から定格まで比例推移するトルク特性の誘
導電動機となっていたのである。
で2個の回転子コアに連通する導体を抵抗短絡した抵抗
材には、2個の固定子それぞれの作る回転磁界間に位相
差を設けたとき電流が流れ、この抵抗材の抵抗値によっ
てトルク特性が特異の特性を有するものとなっていた。
つまり起動時から定格まで比例推移するトルク特性の誘
導電動機となっていたのである。
【0012】一般的に従来技術に明らかなように、抵抗
材を無くして前述のように各固定子の回転磁界間に位相
差を設けると、電圧降下してトルクが減少したと同じ現
象となりトルクは変化するがそのまま起動時のトルクも
低下してしまい、用途も極めて限定されたものとなって
いた。
材を無くして前述のように各固定子の回転磁界間に位相
差を設けると、電圧降下してトルクが減少したと同じ現
象となりトルクは変化するがそのまま起動時のトルクも
低下してしまい、用途も極めて限定されたものとなって
いた。
【0013】本発明の複数固定子誘導電動機において
は、前述の抵抗材を無くし、回転子の導体を回転子コア
間において任意の導体数ごとに集合短絡して集合導体に
形成している。この場合、電気角180°以内にある導
体数の範囲から任意の導体数を決定し、この任意の導体
数ごとに集合導体によって短絡した状態にある。この時
のトルク特性は任意の導体数が多くなれば汎用の誘導電
動機のトルク特性に近づき、逆に任意の導体数が少なく
なれば前述した回転子コア間の抵抗材をなくした複数固
定子構成のトルク特性に近づくことになる。換言すれ
ば、任意の導体数が多くなれば、2個の固定子の回転磁
界間の位相差が変化することによるトルク特性への影響
が少なくなり、つまり位相差を変更してもトルク特性の
変化は少なくなる。逆に任意の導体数が少なくなれば、
2個の固定子の回転磁界間の位相差が変化することによ
るトルク特性への影響が大きくなる、つまり位相差の変
更によりトルク特性は大きく変化することになる。
は、前述の抵抗材を無くし、回転子の導体を回転子コア
間において任意の導体数ごとに集合短絡して集合導体に
形成している。この場合、電気角180°以内にある導
体数の範囲から任意の導体数を決定し、この任意の導体
数ごとに集合導体によって短絡した状態にある。この時
のトルク特性は任意の導体数が多くなれば汎用の誘導電
動機のトルク特性に近づき、逆に任意の導体数が少なく
なれば前述した回転子コア間の抵抗材をなくした複数固
定子構成のトルク特性に近づくことになる。換言すれ
ば、任意の導体数が多くなれば、2個の固定子の回転磁
界間の位相差が変化することによるトルク特性への影響
が少なくなり、つまり位相差を変更してもトルク特性の
変化は少なくなる。逆に任意の導体数が少なくなれば、
2個の固定子の回転磁界間の位相差が変化することによ
るトルク特性への影響が大きくなる、つまり位相差の変
更によりトルク特性は大きく変化することになる。
【0014】したがって、複数固定子誘導電動機の2個
の固定子の回転磁界間に同じように位相差を設けても、
任意の導体数の数によって出力トルクは多様化し、導体
数の取り方によって必要とするトルク特性を作り出すこ
とが可能である。しかも従来のように製造を困難とした
抵抗材を用いることなく多様なトルクが実現可能となっ
た。
の固定子の回転磁界間に同じように位相差を設けても、
任意の導体数の数によって出力トルクは多様化し、導体
数の取り方によって必要とするトルク特性を作り出すこ
とが可能である。しかも従来のように製造を困難とした
抵抗材を用いることなく多様なトルクが実現可能となっ
た。
【0015】更に本発明においては、集合導体が疑似的
に抵抗の役目を果たしている。つまり、2個の回転子コ
アに連通して設けた複数の導体を回転子コア間で任意導
体数ごとに集合短絡して集合導体にしている。この集合
導体は回転磁界間に位相差を設けていないときは、2個
の回転子コアの導体を連通する連絡導体的な作用をする
が、位相差を設けたときは、回転子の集合導体で集合短
絡した導体間の電位差によって、集合導体を通して電流
が流れるようになる。つまり位相差が大きければ集合導
体で集合短絡した回転子の導体間の電位差が小さく、し
たがって流れる電流も小さいので疑似的に抵抗値が大き
く作用したことと同じ結果となる。また位相差が小さけ
れば集合導体で短絡した回転子の導体間の電位差が大き
く、したがって流れる電流も大きいので、疑似的に抵抗
値が小さく作用したことと同じ結果となる。
に抵抗の役目を果たしている。つまり、2個の回転子コ
アに連通して設けた複数の導体を回転子コア間で任意導
体数ごとに集合短絡して集合導体にしている。この集合
導体は回転磁界間に位相差を設けていないときは、2個
の回転子コアの導体を連通する連絡導体的な作用をする
が、位相差を設けたときは、回転子の集合導体で集合短
絡した導体間の電位差によって、集合導体を通して電流
が流れるようになる。つまり位相差が大きければ集合導
体で集合短絡した回転子の導体間の電位差が小さく、し
たがって流れる電流も小さいので疑似的に抵抗値が大き
く作用したことと同じ結果となる。また位相差が小さけ
れば集合導体で短絡した回転子の導体間の電位差が大き
く、したがって流れる電流も大きいので、疑似的に抵抗
値が小さく作用したことと同じ結果となる。
【0016】本発明の場合、回転子コア間に集合導体を
設けて、一見短絡環と同様のものに見えるが、これが短
絡環であった場合には、複数固定子の回転磁界間の位相
差を変化させてもトルク特性に変化が生じることはな
い。しかし本発明の場合、位相差の大小によってトルク
特性が変化しており、従来の短絡環とは全く異なった作
用を有するものである。また、複数固定子構成の電動機
で、回転子導体を回転子コア間で抵抗短絡していない抵
抗材の無いものは、位相差を大きく、たとえば電気角で
180°にすると回転子の導体にはほとんど電流が流れ
ずしたがってトルクも発生しないが、本発明の場合この
ように抵抗材を設けていなくても集合導体があるので電
気角180°の位相差でも起動可能な実用的トルクが発
生する。
設けて、一見短絡環と同様のものに見えるが、これが短
絡環であった場合には、複数固定子の回転磁界間の位相
差を変化させてもトルク特性に変化が生じることはな
い。しかし本発明の場合、位相差の大小によってトルク
特性が変化しており、従来の短絡環とは全く異なった作
用を有するものである。また、複数固定子構成の電動機
で、回転子導体を回転子コア間で抵抗短絡していない抵
抗材の無いものは、位相差を大きく、たとえば電気角で
180°にすると回転子の導体にはほとんど電流が流れ
ずしたがってトルクも発生しないが、本発明の場合この
ように抵抗材を設けていなくても集合導体があるので電
気角180°の位相差でも起動可能な実用的トルクが発
生する。
【0017】以上のことから、既に開示の、複数固定子
構成における回転子コア間において回転子導体を抵抗短
絡していた従来の抵抗材はなくなり、これまでこの抵抗
材によって発生していた様々な製造上の障害がなくなっ
たことにより、回転子の構造が簡単になり安価に製造で
きるものとなった。
構成における回転子コア間において回転子導体を抵抗短
絡していた従来の抵抗材はなくなり、これまでこの抵抗
材によって発生していた様々な製造上の障害がなくなっ
たことにより、回転子の構造が簡単になり安価に製造で
きるものとなった。
【0018】また従来の抵抗短絡する抵抗材の代わりに
任意導体数ごとに集合短絡して複数の集合導体を形成し
ており、このように抵抗材がなくなると、これまで回転
子の外周まで突出していた抵抗材がなくなった分だけ外
径を小型に、また回転子コア間から抵抗材がなくなった
分だけ軸方向の長さを短くすることが可能で、電動機を
これまでより小型にすることができ、コストダウンにつ
ながるという大きな効果を有するものである。
任意導体数ごとに集合短絡して複数の集合導体を形成し
ており、このように抵抗材がなくなると、これまで回転
子の外周まで突出していた抵抗材がなくなった分だけ外
径を小型に、また回転子コア間から抵抗材がなくなった
分だけ軸方向の長さを短くすることが可能で、電動機を
これまでより小型にすることができ、コストダウンにつ
ながるという大きな効果を有するものである。
【0019】
【実施例】図1により本発明による複数固定子誘導電動
機の一実施例を説明する。符号1は本発明に係る複数固
定子誘導電動機であり、該誘導電動機1は概略以下のよ
うな構成を有する。まず磁性材料からなる回転子コア
2,3を任意の間隔を設けて回転子軸4に軸装する。こ
の回転子コア2,3間は非磁性体コア5を介設するか、
または空間とする。また回転子コア2,3それぞれに装
設した複数個の導体6のそれぞれを、本発明においては
回転子コア2,3間において次のように構成している。
つまり、回転子コア2,3それぞれに装設した複数個の
導体6に対し、電気角180°以下の範囲内において任
意の導体数を決定し、全導体6をこの任意の導体数の組
ごとに集合短絡して集合導体9として複数個設けてあ
る。このようにして回転子コア2,3に装設した複数個
の導体6のそれぞれを回転子コア2,3に連通して連結
し一体的な回転子7を形成し、その直列に連結した複数
個の導体6の両端部は短絡環8,8により短絡されてい
る。
機の一実施例を説明する。符号1は本発明に係る複数固
定子誘導電動機であり、該誘導電動機1は概略以下のよ
うな構成を有する。まず磁性材料からなる回転子コア
2,3を任意の間隔を設けて回転子軸4に軸装する。こ
の回転子コア2,3間は非磁性体コア5を介設するか、
または空間とする。また回転子コア2,3それぞれに装
設した複数個の導体6のそれぞれを、本発明においては
回転子コア2,3間において次のように構成している。
つまり、回転子コア2,3それぞれに装設した複数個の
導体6に対し、電気角180°以下の範囲内において任
意の導体数を決定し、全導体6をこの任意の導体数の組
ごとに集合短絡して集合導体9として複数個設けてあ
る。このようにして回転子コア2,3に装設した複数個
の導体6のそれぞれを回転子コア2,3に連通して連結
し一体的な回転子7を形成し、その直列に連結した複数
個の導体6の両端部は短絡環8,8により短絡されてい
る。
【0020】したがって回転子コア2,3の一側に短絡
環8と、他方側に集合導体9を導体の鋳込みによって形
成し、回転子コア2,3の集合導体9を突き合せるよう
に回転子コア2,3を回転子軸4に嵌装して、前記突き
合せた集合導体9を任意の溶着手段で溶着したうえ電気
的導通と機械的強度を確保するものである。これは従来
の抵抗材のある回転子の製造に比較して非常に簡便とな
っており、導体を鋳込んだ回転子コア2個の突き合せと
溶着により容易に実現できる。
環8と、他方側に集合導体9を導体の鋳込みによって形
成し、回転子コア2,3の集合導体9を突き合せるよう
に回転子コア2,3を回転子軸4に嵌装して、前記突き
合せた集合導体9を任意の溶着手段で溶着したうえ電気
的導通と機械的強度を確保するものである。これは従来
の抵抗材のある回転子の製造に比較して非常に簡便とな
っており、導体を鋳込んだ回転子コア2個の突き合せと
溶着により容易に実現できる。
【0021】なお、回転子コア間に設けた集合導体9
は、この場合、導体6を4つ束ねて1つの集合導体9と
してある例を示しているが、前述したように電気角18
0°以下の範囲内の導体数であればいくつでもよく、本
実施例によって限定されるものではない。
は、この場合、導体6を4つ束ねて1つの集合導体9と
してある例を示しているが、前述したように電気角18
0°以下の範囲内の導体数であればいくつでもよく、本
実施例によって限定されるものではない。
【0022】回転子コア2,3に対峙する外側部に巻線
10,11を施した第1固定子12と第2固定子13と
を機枠14に並設して固定している。この第1固定子1
2と第2固定子13にはそれぞれ巻線10,11が設け
てある。またこの第1固定子12と第2固定子13との
それぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移相装置を
設けてある。移相装置は従来技術にある機械的な移相装
置と電気的な移相装置のどちらでも良い。ただし説明の
都合上移相装置による位相差は0°から180°の範囲
で変更調節可能であることを前提として以下説明する。
10,11を施した第1固定子12と第2固定子13と
を機枠14に並設して固定している。この第1固定子1
2と第2固定子13にはそれぞれ巻線10,11が設け
てある。またこの第1固定子12と第2固定子13との
それぞれの作る回転磁界間に位相差を設ける移相装置を
設けてある。移相装置は従来技術にある機械的な移相装
置と電気的な移相装置のどちらでも良い。ただし説明の
都合上移相装置による位相差は0°から180°の範囲
で変更調節可能であることを前提として以下説明する。
【0023】更に回転子7について説明する。図2に、
図1のA−A線を切断面とした回転子7の正断面図を示
している。回転子コア2の外周に装設した導体6の数を
本例の場合40個とし、この40個の導体6の内、極数
を4Pとすると、電気角180°以内では10個の導体
6が存在することになる。本実施例の場合この10個の
導体数の内4個の導体6を1つの束として集合短絡し集
合導体9を設けてあり、該集合導体9は回転子全周で1
0個設けてある。ここで導体6の4個の導体を1つの束
としたが、電気角180°以内で導体数2個から10個
までの中から、必要なトルク特性に応じて選択可能であ
ることは言うまでもなく、重ねていえば電動機の導体
数、極数に応じて電気角180°以内の導体数も異な
り、この点についても本実施例に限定されないことは言
うまでもない。
図1のA−A線を切断面とした回転子7の正断面図を示
している。回転子コア2の外周に装設した導体6の数を
本例の場合40個とし、この40個の導体6の内、極数
を4Pとすると、電気角180°以内では10個の導体
6が存在することになる。本実施例の場合この10個の
導体数の内4個の導体6を1つの束として集合短絡し集
合導体9を設けてあり、該集合導体9は回転子全周で1
0個設けてある。ここで導体6の4個の導体を1つの束
としたが、電気角180°以内で導体数2個から10個
までの中から、必要なトルク特性に応じて選択可能であ
ることは言うまでもなく、重ねていえば電動機の導体
数、極数に応じて電気角180°以内の導体数も異な
り、この点についても本実施例に限定されないことは言
うまでもない。
【0024】以上の構成における複数固定子誘導電動機
のトルク特性の一例を図3に示す。これは2個の固定子
の巻線10,11を並列にしてスター結線した時のトル
ク特性曲線の一例である。位相差が180°,120
°,60°と変化するごとにトルク特性が0°に近づく
ように変化しており、また位相差180°の時でも実用
に耐えうるトルク特性となっている。従来複数固定子構
成で回転子コア間に回転子導体を抵抗短絡する抵抗材の
ないものは、位相差180°においてはほとんどトルク
を発生しないのが現状であるが、本発明においては抵抗
材がなくてもトルクを発生することが可能である。つま
り集合導体9には4個の導体6が束ねてあるが、位相差
を設けた時に回転子コア2側の4個の導体6と、回転子
コア3側の4個の導体6の一個一個に誘起する瞬時の電
圧はすべて異なる。したがってこの電圧の違いによっ
て、電流は電圧の高い方から低い方に流れることにな
り、この共通の流路が集合導体9ということになる。
のトルク特性の一例を図3に示す。これは2個の固定子
の巻線10,11を並列にしてスター結線した時のトル
ク特性曲線の一例である。位相差が180°,120
°,60°と変化するごとにトルク特性が0°に近づく
ように変化しており、また位相差180°の時でも実用
に耐えうるトルク特性となっている。従来複数固定子構
成で回転子コア間に回転子導体を抵抗短絡する抵抗材の
ないものは、位相差180°においてはほとんどトルク
を発生しないのが現状であるが、本発明においては抵抗
材がなくてもトルクを発生することが可能である。つま
り集合導体9には4個の導体6が束ねてあるが、位相差
を設けた時に回転子コア2側の4個の導体6と、回転子
コア3側の4個の導体6の一個一個に誘起する瞬時の電
圧はすべて異なる。したがってこの電圧の違いによっ
て、電流は電圧の高い方から低い方に流れることにな
り、この共通の流路が集合導体9ということになる。
【0025】位相差を大きくすれば、回転子コア2側の
4個の導体6と回転子コア3側の4個の導体6の相対位
置の導体間に電位差はなくなり、単に相対位置の導体6
を直列にしただけでは電流が流れることはない。ところ
が本発明においては4個の導体ごとに束ねて集合導体と
してあるので回転子コア2,3間の相対位置の導体間に
電流は流れないが、隣接する導体間とは電位差を生じて
いるので、位相差180°であっても回転子導体に電流
は流れトルクを発生する。しかし隣接する導体間の電位
差はわずかであり、流れる電流も少なく、疑似的に抵抗
値が増したようになる。更に位相差が徐々に0°に近づ
くと、相対位置の導体間にも電位差を生じ始め、隣接す
る導体間と合わせて、電位の高い導体から電位の低い導
体に電流は多く流れるようになる。このように、集合導
体は導体でありながら任意の数の相対する導体を連絡し
た上で、位相差の変化により発生する導体間の電位差に
より電流が流れるように作用して、位相差が大きい時に
は抵抗が大きく、位相差が小さい時には抵抗が小さくな
ったように疑似的に作用するものである。
4個の導体6と回転子コア3側の4個の導体6の相対位
置の導体間に電位差はなくなり、単に相対位置の導体6
を直列にしただけでは電流が流れることはない。ところ
が本発明においては4個の導体ごとに束ねて集合導体と
してあるので回転子コア2,3間の相対位置の導体間に
電流は流れないが、隣接する導体間とは電位差を生じて
いるので、位相差180°であっても回転子導体に電流
は流れトルクを発生する。しかし隣接する導体間の電位
差はわずかであり、流れる電流も少なく、疑似的に抵抗
値が増したようになる。更に位相差が徐々に0°に近づ
くと、相対位置の導体間にも電位差を生じ始め、隣接す
る導体間と合わせて、電位の高い導体から電位の低い導
体に電流は多く流れるようになる。このように、集合導
体は導体でありながら任意の数の相対する導体を連絡し
た上で、位相差の変化により発生する導体間の電位差に
より電流が流れるように作用して、位相差が大きい時に
は抵抗が大きく、位相差が小さい時には抵抗が小さくな
ったように疑似的に作用するものである。
【0026】付け加えて説明すると、本発明では4個の
導体を一つに束ねた例を示したが、この個数を増してた
とえば8個の導体を一つに束ねると、位相差180°で
あっても集合導体で束ねた隣接する導体の電位差が4個
の場合よりも大きい。つまり前例の4個の場合よりも導
体数が多く束ねてあり、4個よりも8個の場合の電気角
が大きいことから回転磁界の位相による導体個々の起電
力の差は大きくなる。このことから、4個の導体を束ね
た場合よりも8個の導体を束ねた場合の方が位相差18
0°時に流れる電流は多くなる。
導体を一つに束ねた例を示したが、この個数を増してた
とえば8個の導体を一つに束ねると、位相差180°で
あっても集合導体で束ねた隣接する導体の電位差が4個
の場合よりも大きい。つまり前例の4個の場合よりも導
体数が多く束ねてあり、4個よりも8個の場合の電気角
が大きいことから回転磁界の位相による導体個々の起電
力の差は大きくなる。このことから、4個の導体を束ね
た場合よりも8個の導体を束ねた場合の方が位相差18
0°時に流れる電流は多くなる。
【0027】以上のように、位相差の大きい時には、位
相差と集合導体との作用により、回転子導体6は高い抵
抗を設けた状態となり、始動時においてトルクは発生し
ながらも低い電流となっている。しかも、始動時におい
て、先の疑似的な高抵抗と、始動時のすべり周波数によ
る表皮効果と相俟って、始動時においてすべりが大きい
程トルクが向上するという特異のトルク特性を創出して
いる。しかも位相差が大きいほどこの傾向は顕著であ
る。
相差と集合導体との作用により、回転子導体6は高い抵
抗を設けた状態となり、始動時においてトルクは発生し
ながらも低い電流となっている。しかも、始動時におい
て、先の疑似的な高抵抗と、始動時のすべり周波数によ
る表皮効果と相俟って、始動時においてすべりが大きい
程トルクが向上するという特異のトルク特性を創出して
いる。しかも位相差が大きいほどこの傾向は顕著であ
る。
【0028】次に本発明の一構成である移相装置につい
て図4により説明する。以下の移相装置は従来技術にお
ける電気的な方法である固定子巻線の結線を変えて位相
差を設けたものを採用して説明する。
て図4により説明する。以下の移相装置は従来技術にお
ける電気的な方法である固定子巻線の結線を変えて位相
差を設けたものを採用して説明する。
【0029】図4に本発明の誘導電動機1に係る固定子
巻線の結線図を示す。第1固定子12と第2固定子13
の巻線10,11の結線の形態は一実施例として電気的
位相差60°を生じる直列デルタ結線としている。固定
子巻線11の各コイルの一方の端子(U1,V1,
W1)を電源開閉装置S0を介して電源R,S,Tに接
続すると共に、他方の端子(X1,Y1,Z1)を固定
子巻線10の一方の端子(Y2,Z2,X2)に直列接
続し、また固定子巻線10の他方の端子(V2,W2,
U2)を前記端子(U1,V1,W1)に直列デルタ結
線となるよう電源に接続してある。また短絡スイッチS
1の一方は、固定子巻線11の他方の端子X1に接続
し、他方は固定子巻線10の一方の端子Z2に接続して
ある。また短絡スイッチS2は固定子巻線11の他方の
端子Y1と固定子巻線10の一方の端子X2に接続して
ある。ここで図4に示すスイッチS1,S2を移相装置
とすることができる。
巻線の結線図を示す。第1固定子12と第2固定子13
の巻線10,11の結線の形態は一実施例として電気的
位相差60°を生じる直列デルタ結線としている。固定
子巻線11の各コイルの一方の端子(U1,V1,
W1)を電源開閉装置S0を介して電源R,S,Tに接
続すると共に、他方の端子(X1,Y1,Z1)を固定
子巻線10の一方の端子(Y2,Z2,X2)に直列接
続し、また固定子巻線10の他方の端子(V2,W2,
U2)を前記端子(U1,V1,W1)に直列デルタ結
線となるよう電源に接続してある。また短絡スイッチS
1の一方は、固定子巻線11の他方の端子X1に接続
し、他方は固定子巻線10の一方の端子Z2に接続して
ある。また短絡スイッチS2は固定子巻線11の他方の
端子Y1と固定子巻線10の一方の端子X2に接続して
ある。ここで図4に示すスイッチS1,S2を移相装置
とすることができる。
【0030】以上の構成における作用を説明する。ま
ず、短絡スイッチS1,S2を開いた状態で電源開閉装
置S0を閉じると、固定子巻線11と固定子巻線10と
は電気的位相差60°を有する直列のデルタ結線とな
る。次に短絡スイッチS1,S2を閉じると、電気的位
相差0°の並列のスター結線となる。またスイッチ
S1,あるいはS2だけを閉じると、電気的位相差60
°の直列のデルタ結線のトルク特性と電気的位相差0°
の並列のスター結線トルク特性との中間のトルク特性と
なる。したがって、スイッチS1,S2を共に開いて始
動し、スイッチS1(あるいはスイッチS2のどちらか
一方)を閉じて加速し、最後に残りのスイッチS2を閉
じて運転状態に入るものである。
ず、短絡スイッチS1,S2を開いた状態で電源開閉装
置S0を閉じると、固定子巻線11と固定子巻線10と
は電気的位相差60°を有する直列のデルタ結線とな
る。次に短絡スイッチS1,S2を閉じると、電気的位
相差0°の並列のスター結線となる。またスイッチ
S1,あるいはS2だけを閉じると、電気的位相差60
°の直列のデルタ結線のトルク特性と電気的位相差0°
の並列のスター結線トルク特性との中間のトルク特性と
なる。したがって、スイッチS1,S2を共に開いて始
動し、スイッチS1(あるいはスイッチS2のどちらか
一方)を閉じて加速し、最後に残りのスイッチS2を閉
じて運転状態に入るものである。
【0031】ここでの直列のスター結線によるトルク特
性の一例を図5に示している。図5によるものは移相装
置で示した電気的位相差60°の他に180°,120
°,0°とを明らかにしている。前述の移相装置におい
てスイッチS1,S2共に開いた状態で電源開閉装置S
0を閉じて始動した時には、図5の電気的位相差60°
のトルク特性で始動し、スイッチS1,S2共に閉じた
時には図3の電気的位相差0°のトルク特性に変化する
のである。
性の一例を図5に示している。図5によるものは移相装
置で示した電気的位相差60°の他に180°,120
°,0°とを明らかにしている。前述の移相装置におい
てスイッチS1,S2共に開いた状態で電源開閉装置S
0を閉じて始動した時には、図5の電気的位相差60°
のトルク特性で始動し、スイッチS1,S2共に閉じた
時には図3の電気的位相差0°のトルク特性に変化する
のである。
【0032】ここで、一般の誘導電動機をスターデルタ
始動した時と、本発明の複数固定子誘導電動機を始動し
た時のトルクと電流の変化を比較してみる。電動機の仕
様は、入力45kw、全負荷電流1200A、出力トル
ク60kgmとする。本発明の複数固定子誘導電動機の
場合、前述のように移相装置による電気的位相の切り換
えを行っている。一方一般の誘導電動機の場合、始動電
流を抑えるためにスターデルタ切換による減圧始動を行
っているものとする。また本発明の複数固定子誘導電動
機のトルク特性と電流は図3、図5に明らかにしてい
る。一般の誘導電動機のトルク特性と電流は、図3に示
す位相差0°時の負荷電流と出力トルク及び計算による
スターデルタ始動の減圧時の負荷電流と出力トルクとし
た。
始動した時と、本発明の複数固定子誘導電動機を始動し
た時のトルクと電流の変化を比較してみる。電動機の仕
様は、入力45kw、全負荷電流1200A、出力トル
ク60kgmとする。本発明の複数固定子誘導電動機の
場合、前述のように移相装置による電気的位相の切り換
えを行っている。一方一般の誘導電動機の場合、始動電
流を抑えるためにスターデルタ切換による減圧始動を行
っているものとする。また本発明の複数固定子誘導電動
機のトルク特性と電流は図3、図5に明らかにしてい
る。一般の誘導電動機のトルク特性と電流は、図3に示
す位相差0°時の負荷電流と出力トルク及び計算による
スターデルタ始動の減圧時の負荷電流と出力トルクとし
た。
【0033】これらの出力トルクと負荷電流をまとめて
みると図6になる。図6Bに明らかなように一般の誘導
電動機では、スターデルタの減圧始動でトルク・電流と
も1/3になるので、トルク16kgm・電流340A
で始動することになる。しかし本発明の場合は図6Aの
ようにトルク30kgm・電流516Aで始動すること
になる。この両者を比較すると、本発明のトルクがほぼ
2倍のトルクを有している。また電流は516Aと高い
が、45kw誘導電動機の始動階級Bの直入れ始動許容
電流は図7の如く546.2A以内(60Hz)となっ
ており、この電流値であれば十分直入れ始動が可能とい
うことになる。つまり、本発明の誘導電動機によると、
45kW程度の高容量の誘導電動機でありながら直入れ
始動が可能で、しかも出力トルクは従来のスターデルタ
減圧始動の2倍もあるということが明らかである。この
ことは、特別の始動器を必要としない設備の簡素化、始
動トルクのアップによる電動機の低容量化、これに伴う
配電設備の低容量化とそのメリットは大きい。
みると図6になる。図6Bに明らかなように一般の誘導
電動機では、スターデルタの減圧始動でトルク・電流と
も1/3になるので、トルク16kgm・電流340A
で始動することになる。しかし本発明の場合は図6Aの
ようにトルク30kgm・電流516Aで始動すること
になる。この両者を比較すると、本発明のトルクがほぼ
2倍のトルクを有している。また電流は516Aと高い
が、45kw誘導電動機の始動階級Bの直入れ始動許容
電流は図7の如く546.2A以内(60Hz)となっ
ており、この電流値であれば十分直入れ始動が可能とい
うことになる。つまり、本発明の誘導電動機によると、
45kW程度の高容量の誘導電動機でありながら直入れ
始動が可能で、しかも出力トルクは従来のスターデルタ
減圧始動の2倍もあるということが明らかである。この
ことは、特別の始動器を必要としない設備の簡素化、始
動トルクのアップによる電動機の低容量化、これに伴う
配電設備の低容量化とそのメリットは大きい。
【0034】ところで位相差0°の時、すなわちスイッ
チS1,S2を閉じた時、固定子巻線11の他方
(X1,Y1,Z1)と固定子巻線10の一方(X2,
Y2,Z2)との相間は短絡状態にあり、接点故障等他
の原因で短絡しても電動機が焼損する等の電気的事故は
発生しない。
チS1,S2を閉じた時、固定子巻線11の他方
(X1,Y1,Z1)と固定子巻線10の一方(X2,
Y2,Z2)との相間は短絡状態にあり、接点故障等他
の原因で短絡しても電動機が焼損する等の電気的事故は
発生しない。
【0035】更に、位相の切換えを行うスイッチS1,
S2の開閉は、直列デルタ結線による運転中の線間の短
絡であるから開閉のため一時的に負荷電流が遮断される
ことがないこと、及び極間電圧が電源電圧の1/2であ
ることなどから結線開閉スイッチの電気的容量は小さい
ものを使用することが可能で、スイッチS1,S2によ
る移相装置を小型化できる。
S2の開閉は、直列デルタ結線による運転中の線間の短
絡であるから開閉のため一時的に負荷電流が遮断される
ことがないこと、及び極間電圧が電源電圧の1/2であ
ることなどから結線開閉スイッチの電気的容量は小さい
ものを使用することが可能で、スイッチS1,S2によ
る移相装置を小型化できる。
【0036】ところで図4に示す通り結線開閉スイッチ
S1,S2からなる移相装置を電動機側に設けると、電
源側から電動機への配線は三本でよく、一般の大型電動
機に見られるようなスターデルタ始動のための複雑な配
線を要することなく、低速から高速に至るまで高トルク
で運転可能な電動機とすることが可能である。
S1,S2からなる移相装置を電動機側に設けると、電
源側から電動機への配線は三本でよく、一般の大型電動
機に見られるようなスターデルタ始動のための複雑な配
線を要することなく、低速から高速に至るまで高トルク
で運転可能な電動機とすることが可能である。
【0037】さて本実施例の回転子の実現に関し別の実
施例を示す。図8及び図9に示すものは、集合導体とな
る部分にあらかじめ別の導体によって形成した複数の中
空導体20を設け、この中空導体20を挟持するように
回転子コア21,22を配設したものである。更に、中
空導体20を介して回転子コア21,22に連通する複
数の回転子導体23と、回転子コア21,22の側方に
短絡環24,24とを同時に鋳込みによって形成するこ
とにより、一体的回転子25が容易に実現できる。もち
ろんこの中空導体20は、回転子コア21,22に装設
する複数個の導体23を電気角180°以下の範囲内に
おいて任意の導体数の組ごとに集合短絡して集合導体2
6に形成するためのものである。この手段によると一般
の誘導電動機と同様の手段で、且つ一般の誘導電動機よ
り優れた電動機の製造が実現できる。
施例を示す。図8及び図9に示すものは、集合導体とな
る部分にあらかじめ別の導体によって形成した複数の中
空導体20を設け、この中空導体20を挟持するように
回転子コア21,22を配設したものである。更に、中
空導体20を介して回転子コア21,22に連通する複
数の回転子導体23と、回転子コア21,22の側方に
短絡環24,24とを同時に鋳込みによって形成するこ
とにより、一体的回転子25が容易に実現できる。もち
ろんこの中空導体20は、回転子コア21,22に装設
する複数個の導体23を電気角180°以下の範囲内に
おいて任意の導体数の組ごとに集合短絡して集合導体2
6に形成するためのものである。この手段によると一般
の誘導電動機と同様の手段で、且つ一般の誘導電動機よ
り優れた電動機の製造が実現できる。
【0038】
【発明の効果】以上のように、従来の複数固定子構成の
誘導電動機のように回転子に抵抗材を有しないので、製
造は一般の誘導電動機と同様の手段で実現可能であり製
造コストを大幅に低減できた。更に一般の誘導電動機、
特に高出力の電動機に用いられるスターデルタ減圧始動
の始動トルクに比較して出力トルクが大幅に大きいの
で、始動トルクに見合う電動機をこれまでよりワンラン
ク下から選択できることから設備投資の低減を図ること
ができる。同様に全電圧始動時でも始動電流は直入れ許
容電流内であることからスターデルタ始動器のような別
の始動器を必要としないだけでなく、電動機への配線も
非常に簡素化できる。したがって、トルクの多様化を図
り、低速から定格回転数域まで低電流で高出力を発生す
ることのできる複数固定子誘導電動機の用途の拡大と高
トルクの電動機を必要とするあらゆる分野に更に大きく
貢献できるようになった。
誘導電動機のように回転子に抵抗材を有しないので、製
造は一般の誘導電動機と同様の手段で実現可能であり製
造コストを大幅に低減できた。更に一般の誘導電動機、
特に高出力の電動機に用いられるスターデルタ減圧始動
の始動トルクに比較して出力トルクが大幅に大きいの
で、始動トルクに見合う電動機をこれまでよりワンラン
ク下から選択できることから設備投資の低減を図ること
ができる。同様に全電圧始動時でも始動電流は直入れ許
容電流内であることからスターデルタ始動器のような別
の始動器を必要としないだけでなく、電動機への配線も
非常に簡素化できる。したがって、トルクの多様化を図
り、低速から定格回転数域まで低電流で高出力を発生す
ることのできる複数固定子誘導電動機の用途の拡大と高
トルクの電動機を必要とするあらゆる分野に更に大きく
貢献できるようになった。
【図1】本発明の複数固定子誘導電動機の側断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の複数固定子誘導電動機に係る回転子の
断面図を示し、図1のA−A線を切断面とした回転子の
正断面図である。
断面図を示し、図1のA−A線を切断面とした回転子の
正断面図である。
【図3】本発明の複数固定子誘導電動機のトルク特性の
一例を示す図である。
一例を示す図である。
【図4】本発明の複数固定子誘導電動機の固定子巻線の
結線と移相装置の一例を示す図である。
結線と移相装置の一例を示す図である。
【図5】本発明の複数固定子誘導電動機のトルク特性の
別の例を示す図である。
別の例を示す図である。
【図6】本発明の電動機及び従来の誘導電動機の始動と
運転の出力トルクと始動電流との一例を示した図であ
る。
運転の出力トルクと始動電流との一例を示した図であ
る。
【図7】高容量誘導電動機の始動階級Bを示した図であ
る。
る。
【図8】本発明に係る回転子の別の実施例を示す図であ
る。
る。
【図9】回転子の別の実施例を示す図8の中空導体部分
の正断面図である。
の正断面図である。
【図10】従来の抵抗材のない複数固定子誘導電動機の
トルク特性曲線の一例を示す図である。
トルク特性曲線の一例を示す図である。
1 複数固定子誘導電動機 2 回転子コア 3 回転子コア 4 回転子軸 5 非磁性体コア 6 回転子導体 7 回転子 8 短絡環 9 集合導体 10 固定子巻線 11 固定子巻線 12 第1固定子 13 第2固定子 14 機枠 20 中空導体 21 回転子コア 22 回転子コア 23 回転子導体 24 短絡環 25 回転子 26 集合導体
Claims (3)
- 【請求項1】 同一回転軸上に空間又は非磁性体部を介
在して軸着した第1及び第2回転子コアを有し、該第1
及び第2回転子コアの外周部に装設した複数個の導体を
前記第1と第2の回転子コア間で連通させた一体形回転
子と、前記各回転子コアにそれぞれ対向して周設した第
1固定子及び第2固定子と、前記第1固定子がこれに対
峙する前記第1回転子コアの周囲に生じる回転磁界と前
記第2固定子がこれに対峙する前記第2回転子コアの周
囲に生じる回転磁界との間の位相差を変化させる移相装
置とを有する複数固定子誘導電動機であって、前記第1
と第2の回転子コア間において、回転子コアの外周部に
装設した複数個の導体を、電気角180°以下の範囲の
任意導体数ごとに集合短絡して複数の集合導体に形成し
たことを特徴とする複数固定子誘導電動機。 - 【請求項2】 前記請求項1記載の複数固定子誘導電動
機の一体形回転子であって、複数のスロットを有する薄
板コアを積層した回転子コアの積層端の一方に、全スロ
ットを短絡する短絡環と、他方に電気角180°以下の
範囲の任意のスロット数ごとに集合短絡した複数の集合
導体と及び前記複数のスロットに導体とを鋳込みによっ
て形成してこれを回転子部分とし、同一回転軸上に前記
鋳込みで形成した2個の第1と第2の回転子部分を、そ
れぞれの集合導体を突き合わせるように軸着すると共に
突き合わせた集合導体を電気的に導通させた一体かご形
回転子であることを特徴とする複数固定子誘導電動機。 - 【請求項3】 前記請求項1記載の複数固定子誘導電動
機の一体形回転子であって、複数のスロットを有する薄
板コアを積層した第1と第2の回転子コアを任意の間隔
で配設し、該回転子コアの間隔において対向する回転子
コアの複数のスロットで、電気角180°以下の範囲の
任意のスロット数ごとに集合短絡するための複数個の集
合導体部材を前記第1と第2の回転子コアの間隔に設
け、前記第1と第2の回転子コアの外側端に全スロット
を短絡する短絡環と、前記集合導体部材により任意のス
ロット数ごとに集合短絡した複数の集合導体と、及び前
記複数のスロットに導体と、を鋳込みによって形成した
一体かご形回転子であることを特徴とする複数固定子誘
導電動機。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP11360493A JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP11360493A JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06311711A true JPH06311711A (ja) | 1994-11-04 |
| JP3269537B2 JP3269537B2 (ja) | 2002-03-25 |
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ID=14616432
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11360493A Expired - Fee Related JP3269537B2 (ja) | 1993-04-15 | 1993-04-15 | 複数固定子誘導電動機 |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP3269537B2 (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7288851B2 (en) | 2001-06-02 | 2007-10-30 | Aloys Wobben | Wind power installation with an asynchronous machine for establishing the azimuth position |
| US9018815B2 (en) | 2009-02-14 | 2015-04-28 | Tohoku University | Generator |
| CN109327084A (zh) * | 2017-07-31 | 2019-02-12 | 发那科株式会社 | 转子 |
| CN110277888A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-09-24 | 哈尔滨工业大学 | 一种适用于航天设备的带自锁定力矩的低速力矩电机 |
-
1993
- 1993-04-15 JP JP11360493A patent/JP3269537B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7288851B2 (en) | 2001-06-02 | 2007-10-30 | Aloys Wobben | Wind power installation with an asynchronous machine for establishing the azimuth position |
| US9018815B2 (en) | 2009-02-14 | 2015-04-28 | Tohoku University | Generator |
| CN109327084A (zh) * | 2017-07-31 | 2019-02-12 | 发那科株式会社 | 转子 |
| US10811917B2 (en) | 2017-07-31 | 2020-10-20 | Fanuc Corporation | Rotor of electric motor |
| CN109327084B (zh) * | 2017-07-31 | 2021-04-02 | 发那科株式会社 | 转子 |
| CN110277888A (zh) * | 2019-05-15 | 2019-09-24 | 哈尔滨工业大学 | 一种适用于航天设备的带自锁定力矩的低速力矩电机 |
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3269537B2 (ja) | 2002-03-25 |
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