JPH0631329B2 - 接触水素化分解方法 - Google Patents

接触水素化分解方法

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JPH0631329B2
JPH0631329B2 JP25003287A JP25003287A JPH0631329B2 JP H0631329 B2 JPH0631329 B2 JP H0631329B2 JP 25003287 A JP25003287 A JP 25003287A JP 25003287 A JP25003287 A JP 25003287A JP H0631329 B2 JPH0631329 B2 JP H0631329B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野] 本発明は処理装置を過度に汚すことなく、多核芳香族
(PNA)化合物を形成し易い炭化水素系供給原料を水素
化分解する技術に関する。特に本発明は、(a)減圧分
留帯域に常圧蒸留残油を供給し、水素化分解帯域で有害
なPNA化合物を形成する傾向を持った化合物を含む減圧
軽油流と、沸点1050゜F(565℃)以上の成分を90%含有
し、アスファルテン含量が0.5重量%以上である炭化水
素質留分(以下スロップワックスという)側流と、減圧
蒸留残油を生成させ、(b)前記の減圧軽油流を水素化
分解帯域に於いて、添加水素及び金属含有水素化分解触
媒と、実質的量の低沸点生成物が生成されるに充分な昇
温昇圧下で接触させ、(c)前記の水素化分解帯域から
の炭化水素流出物を部分的に凝縮してこれを低沸点炭化
水素生成物流と、沸点約650゜F(343℃)以上で痕跡量
のPNA化合物を含有する未転化炭化水素流とに分離し、
(d)前記のPNA化合物を含有する未転化炭化水素流の
少なくとも一部を、前記の減圧分留帯域に供給すること
により、PNA化合物の実質的部分を前記のスロップワッ
クス側流に回収して有害なPNA化合物の水素化分解帯域
への侵入を最少に抑える接触分解方法に関するものであ
る。
[従来の技術] 米国特許第4,447,315号には、多核芳香族化合物を形成
する傾向を持った炭化水素供給原料の水素化分解法が記
載されており、その方法は供給原料を結晶性ゼオライト
の水素化分解触媒に接触させ、多核芳香族化合物を含有
する未転化の炭化水素油の少なくとも一部を、選択的に
多核芳香族化合物を吸着する吸着剤と接触させ、多核芳
香族化合物量が減少した未転化炭化水素油を水素化分解
帯域に循環することを含んでいる。
米国特許第3,619,407号には、水素化分解処理装置の汚
染を防止する方法が開示されており、その方法は水素化
分解帯域流出物を、これに含まれる常態で液状の炭化水
素の少量が凝縮するよう部分冷却し、その部分凝縮物を
取出すことを含む。この米国特許は先行技術として、後
述するような汚染問題がリサイクルオイル(水素化分解
帯域流出物の重質部分)又はその実質的部分を、常圧蒸
留又は減圧蒸留にかけて、多核芳香族化合物を含有する
重質塔底留分を分離除去することで解消されることを記
載している。
[発明の要約] 本発明は水素化分解装置の機器や触媒が多核芳香族化合
物で汚染されるのを最小に抑える水素化分解方法を提供
するものであって、もし多核芳香族化合物の統制を怠っ
た場合には、それらは装置の表面、特に冷却装置の表面
に析出し、また触媒の細孔を閉塞させる。すなわち、本
発明の方法は水素化分解帯域から回収され、痕跡量の多
核芳香族化合物を含有する未転化炭化水素を減圧分留に
付すことで、多核芳香族化合物の実質的部分をスロップ
ワックス側流に回収し、未転化炭化水素を水素化分解帯
域に循環する際に、当該帯域に侵入する多核芳香族化合
物の量を最少に抑制するものである。
本発明の一実施態様は、(a)減圧分留帯域に常圧蒸留
残油を供給し、水素化分解帯域で有害な多核芳香族化合
物を形成する傾向を持った化合物を含む減圧軽油流と、
スロップワックス側流を生成させ、(b)前記の減圧軽
油流を水素化分解帯域に於いて、添加水素及び金属含有
水素化分解触媒と、実質的量の低沸点生成物が生成され
るに充分な昇温昇圧下で接触させ、(c)前記の水素化
分解帯域からの炭化水素流出物を部分的に凝縮してこれ
を低沸点炭化水素生成物流と、沸点約650゜F(343℃)
以上で痕跡量の多核芳香族化合物を含有する未転化炭化
水素流とに分離し、(d)前記の多核芳香族化合物を含
有する未転化炭化水素流の少なくとも一部を、前記の減
圧分留帯域に供給することにより、多核芳香族化合物の
実質的部分を前記のスロップワックス側流に回収して有
害な多核芳香族化合物の水素化分解帯域への侵入を最少
に抑える接触水素化分解方法に関する。
本発明の別の実施態様は、(a)常圧蒸留残油を分留帯
域に供給して水素化分解帯域で多核芳香族化合物を形成
する傾向を持った化合物を含有する減圧軽油流と、スロ
ップワックス側流と、減圧蒸留塔塔底物を生成させ、
(b)減圧蒸留塔塔底物を溶剤脱歴して水素化分解に適
する脱歴オイル流を生成させ、(c)水素化分解帯域に
於いて減圧軽油流と脱歴オイル流を、低沸点生成物に実
質的に転化するのに充分な昇温昇圧下で添加水素と金属
含有水素化分解触媒とに接触させ、(d)水素化分解帯
域からの流出炭化水素を部分的に凝縮し、これを低沸点
炭化水素生成物流と沸点約650゜F(343℃)以上で痕跡
量の多核芳香族化合物を含有する未転化炭化水素流とに
分離し、(e)多核芳香族化合物を含有する未転化炭化
水素の少なくとも一部を減圧分留帯域に供給して多核芳
香族化合物の実質的部分をスロップワックス側流に回収
し、有害な多核芳香族化合物の水素化分解帯域への侵入
を最少にする接触水素化分解法に関する。
本発明の他の実施態様は、供給原料や触媒の種類、好ま
しい分留様式及び分離様式、温度や圧力を含む好ましい
操作条件を包含するものであり、これらについては以下
に詳述する。
[発明の詳しい記述] 本発明の水素化分解方法では、上記した閉塞問題や析出
問題に遭遇することなく、未転化オイルの全循環をいつ
までも維持できることが見出された。
米国特許第3,619,407号には、反応器流出物の多核芳香
族化合物に富んだ部分凝縮物を少量排出させて、閉塞問
題ないしは析出問題を抑制ないしは解消させることを教
えている。しかし、この排出流には未転化の供給原料が
含まれており、これを排出することは循環流の一部を失
うことになるので、有用な低沸点炭化水素の回収量が低
下する。
既述した通り、多核芳香族化合物は水素化分解帯域から
流出する未転化炭化水素を分留し、多核芳香族化合物を
含有する重質塔底留分を生成させることで、未転化炭化
水素から除去できることを従来技術は教えている。しか
し、このようにして多核芳香族化合物を除去すると、塔
底留分から水素化分解用の付加的な供給原料をえること
ができなくなる。
米国特許第4,447,315号は未転化炭化水素を水素化分解
帯域に循環する前に、これから多核芳香族化合物を除去
することを教えているが、本発明の方法を教示してはお
らず、また示唆してもいない。
本発明によれば、水素化分解反応帯域から流出する未転
化炭化水素の少なくとも一部を、減圧軽油を生成させる
ために使用される分留塔に供給すると、驚くべきことに
予期できない程の量の多核芳香族化合物が、分留帯域か
らスロップワックス側流中に回収されることが見出され
た。本発明の好ましい実施態様では、前記のスロップワ
ックス側流は減圧蒸留塔の重質減圧軽油抜出し点より下
位であるが、塔底留分抜出し点より上位に位置する点か
ら抜出される減圧蒸留塔側流(サイドカット)である。
慣例では、スロップワックス流は沸点約1050゜F(565
℃)以上の成分を90%含有し、アスファルテン含量が約
0.5重量%以上である炭化水素質留分として特徴付けら
れる。本発明の知見により、多核芳香族化合物を含有す
る比較的少量のスロップワックス流は、水素化分解装置
から分離されるので、PNA化合物が水素化分解反応帯域
に導入ないしは蓄積されることがない。また、大部分の
多核芳香族化合物は、スロップワックス流に含まれて分
留帯域から除去されるので、分留塔塔底流は脱歴オイル
流に転化しやすくなり、その脱歴オイルは水素化分解反
応帯域への供給原料として適したものとなる。
汚染問題を引起こす多核芳香族化合物の濃度が低い場
合、多核芳香族化合物の濃度をこれが熱交換器表面に析
出しない濃度に維持するためには、水素化分解帯域から
流出する未転化オイルの一部だけを分留帯域に導入して
多核芳香族化合物の実質的部分をスロップワックス流に
回収するだけでよい。この明細書で「痕跡量の多核芳香
族化合物」とは、その濃度が約10,000PPM以下、好まし
くは約5,000PPM以下であることをいう。
本発明の方法で処理される供給原料は常圧蒸留残油が適
している。常圧蒸留残油は一般に原油を分留して沸点約
650゜F(343℃)以上の分留塔塔底流を生成させること
で取得される。
本発明の方法によれば、常圧蒸留残油は分留塔に導入さ
れ、水素化分解帯域で多核芳香族化合物を形成する傾向
の高い化合物を含有する減圧軽油と、スロップワックス
流が生成される。この減圧軽油は軽質減圧軽油と重質減
圧軽油からなり、これらは分留塔で別々に生成され、次
いで混合されて水素化分解帯域用の供給原料となる。本
発明の好ましい態様では、スロップワックス流は前記し
たような減圧軽油の抜出して点より下位の部位より取出
される減圧分留塔側留である。
上記のようにして生成された減圧軽油は、水素化分解帯
域に導入される。好ましくはこの水素化分解帯域は触媒
を含有し、その触媒は一般に少量の第VIII族金属水素化
成分が担持された結晶性ゼオライトからなる。担体ゼオ
ライトに担持される補助的水素化成分は第VIB族から選
ぶことができる。クラッキング用のゼオライト担体は当
業界でモレキュラーシーブとも呼ばれ、これらは一般に
シリカ、アルミナ及びナトリウム、水素、マグネシウ
ム、カルシウム、稀土類金属等の一種もしくはそれ以上
の交換可能なカチオンを含有する。これらはまた、直径
約4〜14オングストローム(10-10m)の比較的均一な
細孔を有することでさらに特徴付けられる。シリカ/ア
ルミナのモル比が約3〜12、さらに好ましく約4〜8と
比較的高いゼオライトを使用することが好ましい。天然
産の適当なゼオライトには、モルデナイト、スチルバイ
ト、ヒュウランダイト、フェリエライト、ダチアダイ
ト、チャバザイト、エリオナイト及びフォージャサイト
が含まれる。適当な合成ゼオライトには、例えばB,
X,Y及びL型のゼオライト、さらには合成のフォージ
ャサイト及びモルデナイトが含まれる。好ましいゼオラ
イトは約8〜12オングストロームの細孔直径を有し、シ
リカ/アルミナのモル比が約4〜6の範囲にある。この
好ましいグループに入るゼオライトの一番好ましい例
は、合成Y型モレキュラーシーブである。
天然産のゼオライトは通常ナトリウム型、アルカリ土類
金属型又はその混合型にある。合成ゼオライトは殆どま
ずナトリウム型に調製される。いずれの場合でも、クラ
ッキング用の担体に使用するには、もともとの一価金属
の全部又は殆どを多価金属及び/又はアンモニウム塩で
イオン交換し、次いで加熱してゼオライトに合体したア
ンモニウムイオンを分解してその跡に、水素イオン及び
/又は交換サイトを残すことが好ましく、交換サイトは
水をさらに除去することによって脱イオン化される。水
素型すなわち脱イオンされたY型ゼオライトは米国特許
第3,130,006号に詳述されている。
多価金属−水素混合型ゼオライトは、まずアンモウニウ
ム塩でイオン交換し、次いで多価金属塩で交換後、焼成
することで調製される。合成モルデナイトのような場合
には、アルカリ金属ゼオライトを直接酸処理するで調製
することもできる。好ましいクラッキング担体は、元々
のイオン交換容量基準で、少なくとも約10%、好ましく
は少なくとも約20%金属カチオンが欠乏しているのもで
ある。特に望ましく安定なゼオライトは、少なくとも約
20%イオン交換容量が水素で満たされたものである。
本発明の好ましい触媒に於いて、水素化成分として使用
される活性金属は、第VIII族金属であって、例えば鉄、
コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、オスミウム、イリジウム及び白金等である。これら
の金属に加えて、併用できる他のプロモーターは、第VI
B族の金属、例えばモリブデンとタングステンである。
触媒の水素化金属の量は広い範囲で変えることができ
る。一般的に言えば、約0.05〜30wt%の量で使用され
る。貴金属の場合、約0.05〜約2wt%使用するのが通
常好ましい。水素化金属を導入する好ましい方法は、望
ましい金属がカチオンの形で存在する適当な化合物の水
溶液に、ゼオライト担体を接触させることである。水素
化金属を添加した後は、濾過して乾燥し、所望ならば潤
滑油、バインダー等を添加してペレット化し、次いで触
媒を活性化し、アンモウニウムイオンを分解するため
に、例えば700〜1200゜F(371〜648℃)の温度で空気中
で焼成される。別法として、ゼオライト成分を初めにペ
レット化し、次いで水素化成分を添加し、焼成によって
活性化する方法もある。上記の触媒は未稀釈のまま使用
することもでき、また粉未状のゼオライト触媒を、アル
ミナ、シリカゲル、シリカーアルミナ共ゲル、活性クレ
ー等のような比較的低活性な触媒、稀釈剤又はバインダ
ーと、5〜90wt%の比率で混合するか、あるいは一緒に
ペレット化して使用することもできる。これらの稀釈剤
には第VIII族及び/又は第VIB族金属のような付加的な
水素化金属を少量含ませることができる。
本発明の方法では付加的な金属含有水素化分解触媒も使
用可能であって、それらには例えばアルミノホスフェー
トモレキュラーシーブ、結晶性クロモシリケート及び他
の結晶性シリケートが含まれる。結晶性クロモシリケー
トの詳細な米国特許第4,363,718号に記載されている。
炭化水素系供給原料を水素化分解触媒に接触させる水素
化分解は、水素の存在下に、温度約450゜F(232℃)〜8
50゜F(454℃)、圧力約500psig(3448kPaゲージ)〜約
3000psig(20685kpaゲージ)、液空間速度(LHSV)約
0.2〜約20hr-1、水素循環比約2000〜約10,000標準立
方フィート/バレル(355〜1778標準m3/m3)を包含す
る水素化分解条件で好ましくは行なわれる。
上記のように炭化水素系供給原料が水素化分解された後
は、好ましくは沸点約650゜F(343℃)以下の生成物流
が分離回収され、好ましくは沸点約650゜F(343℃)以
上の炭化水素系流が分離され、循環流として回収され
る。この分離と回収は水素化分解帯域に付随した分留帯
域で行なわれる。上記した循環流の少なくとも一部はこ
の分留帯域に導入されて減圧軽油の生成に利用される。
分留帯域に導入される循環流の量は、水素化分解装置の
熱交換表面にPNA化合物が析出しないように典型的には
選ばれ、好ましくは循環流のすべてが導入される。
多核芳香族化合物の充分な分離回収が、減圧分留帯域か
らスロップワックス流を除去することで達成されること
により、分留帯域からの塔底流は、水素化分解反応帯域
への供給原料として適当な成分である脱歴オイルを製造
するための極めて望ましいものとなる。分留帯域に導入
される多核芳香族化合物の約50%以上を含有するスロッ
プワックス流が生成され、除去されることが好ましい。
本発明の好ましい実施態様では、分留帯域塔底流の少な
くとも一部が溶剤脱歴装置に導入され、水素化分解反応
帯域に供給される脱歴オイルと、ピッチ流が生成され
る。
溶剤脱歴の技術は炭化水素の処理に携る当業者に良く知
られている。要するに、溶剤脱歴はアスファルテン含有
オイルを溶剤で向流抽出し、脱歴オイルと、通常ピッチ
と呼ばれるアスファルテンに富んだ炭化水素質流を調製
することである。本発明によれば、分留帯域塔底流は溶
剤脱歴帯域に於いて、溶剤の少ないアスファルト質流
と、溶剤に富んだ脱歴炭化水素質流が生成されるよう選
択された脱歴条件下に、炭化水素選択性の溶剤と向流的
に接触せしめられる。こうして得られた溶剤に富む脱歴
炭化水素質流は、分留されて選択性の溶剤が分離回収さ
れ、このものは所望により循環することができる。溶剤
が除かれた脱歴炭化水素質流は、水素化分解帯域に供給
される。
溶剤脱歴帯域は温度約50゜F(10℃)〜600゜F(315
℃)、圧力約100psig(689kPaゲージ)〜約1000psig(68
95kPaゲージ)、溶剤/供給原料の容量比約2:1〜1
0:1で好ましくは操作される。適当な温度条件及び圧
力条件は、脱歴が液相で行なわれるよう好ましくは選ば
れる。最近では、溶剤脱歴帯域は溶剤が超臨界状態にあ
る条件で操作されている。
適当な溶剤にはエタン、プロパン、ブタン、イソブタ
ン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘキサ
ン、イソヘキサン、ヘプタン、これらのモノオレフィン
対応物並びにこれらの混合物のような軽質炭化水素が含
まれる。
図面には本発明の方法が簡単なフローダイアグラムで示
されているが、ここではポンプ、器械類、熱交換器、熱
回収回路、コンプレッサー等のハードウェアーは、本発
明を理解する上で必須ではないので図面から省略されて
いる。これら種々の付属装置の使用は、当業者に自明で
ある。
図面に於いて、原油は導管12を経て系内に入り、常圧蒸
留塔13に送られて、導管14に取出されるガソリン流、導
管15に取出される灯油流、導管16に取出されるディーゼ
ルオイル流及び導管1に取出される常圧蒸留残油に分留
される。常圧蒸留残油は導管1を経て減圧蒸留塔2に導
入される。後述するような方法で導かれた炭化水素質循
環流も導管10を経て減圧蒸留塔2に導入される。減圧軽
油流は導管3を経て減圧蒸留塔2から取出され、導管7
を経て水素化分解帯域8に導入される。多核芳香族化合
物を含有する炭化水素質スロップワックス流は、減圧蒸
留塔2から導管11に取出される。減圧蒸留塔塔底流は導
管4を経て減圧蒸留塔2から取出され、溶剤脱歴器5に
導入される。脱歴されたオイル流は溶剤脱歴器5から導
管7に取出され、水素化分解帯域8に供給される。重質
のピッチ流は溶剤脱歴器5から導管6に取出される。炭
化水素質の生成物流は水素化分解帯域8から導管9に取
出される。未転化の炭化水素質循環流は、水素化分解帯
域8から導管10に取出され、上記した通り減圧蒸留塔2
に供給される。
本発明の方法をさらに具体的に説明するために、以下に
実施例を示す。この実施例は本発明を限定するものでは
ない。
[実施例] 表1に示す性状の常圧蒸留残油100kg/hrと、後述する循
環流24.5kg/hrを減圧蒸留塔に供給し、200mmHg絶対圧
力、400℃において、250℃で減圧軽油、315℃でスロッ
プワックス、300℃で減圧蒸留塔塔底流を分留し、77.0k
g/hr減圧軽油と、5.5kg/hrのスロップワックスと、42.0
kg/hrの減圧蒸留塔塔底流を生成させた。
表 1 常圧蒸留残油の性状 比 重 0.9633 蒸留特性 容量% ゜F ℃ IBP 637 336 10 772 411 20 830 443 30 869 465 40 921 494 50 970 521 60 1054 568 終点,回収66%1107 597 硫黄,wt% 2.5 窒素,wt% 0.15 得られた減圧軽油の比重は0.9100、沸点範囲は518〜104
9゜F(270〜565℃)であるが、この減圧軽油を後述する
脱歴オイル17.5kg/hrと、水素1300標準m3/m3(供給原
料)と混合して水素化分解帯域に供給した。減圧蒸留塔
塔底流は溶剤脱歴にかけて上述したの脱歴オイルを得
た。軽油及び脱歴オイルからなる供給原料と水素を、水
素化分解帯域の二つの触媒固定床に接触させた。第1の
触媒床はニッケル及びタングステンを含有するシリカー
アルミナ担体からなり、液空間速度約0.4、平均触媒温
度約734゜F(390℃)で操作された。第2の触媒床はニッ
ケル及びタングステンを含有するシリカ−アルミナ+ゼ
オライトY担体からなり、液空間速度約1、平均触媒温
度約660゜F(349℃)で操作された。二つの触媒床の操作
圧力は約2400psig(16548kPaゲージ)とした。触媒床か
らの流出物を約120゜F(49℃)に冷却し、約2000psig
(13790kPaゲージ)に保持された高圧分離器に供給し
た。この高圧分離器から水素に富むガス流を取出し、こ
れを新鮮なメイクアップ水素と共に水素化分解帯域に供
給した。高圧分離器からの液状炭化水素は分留塔に供給
し、沸点約650゜F(343℃)以下の常態で液状の炭化水
素を分離し、68.8kg/hrの量で生成物として取出した。
沸点約650゜F(343℃)以上で、約115重量PPMの多核芳
香族化合物を含有する炭化水素は、24.5kg/hrの量で分
留塔から取出し、減圧蒸留塔に循環した。
着目した炭化水素流とその多核芳香族化合物濃度を表2
に示す。表 2 多核芳香族化合物濃度 炭化水素流 PNA(濃度(PPM) 常圧蒸留残油 0 減圧軽油 12 減圧蒸留塔塔底物 3 減圧蒸留塔への循環物 115 スロップワックス 190 上の表は供給原料たる常圧蒸留残油が検知できる程の多
核芳香族化合物を含んでいないが、水素化分解帯域から
減圧蒸留塔への循環流には115PPMの多核芳香族化合物が
含まれることを物語っている。このことから、多核芳香
族化合物を形成し易い化合物が未転化減圧軽油の循環に
より水素化分解帯域に持込まれると、水素化分解帯域は
その運転に支障を来たす多核芳香族化合物を生成するこ
とが分る。
米国特許第3,619,407号が教示するところによれば、水
素化分解帯域から流出する常態で液状の炭化水素の少な
くとも一部を部分的に凝縮すれば、生成された多核芳香
族化合物は少なくとも部分的に分離除去することができ
る。こうして得られた多核芳香族に富む部分凝縮物は、
未転化の炭化水を含むので、その炭化水素は有用な生成
物を製造するための原料として利用することができず、
従って、この従来技術は有用な生成物になり得る炭化水
素を無駄にする不利がある。また別の従来技術は循環オ
イルの少なくとも一部を蒸留して多核芳香族化合物を含
有する重質塔底物を分離することにより、多核芳香族化
合物による汚染問題が解消できることを教えている。
しかし、上記したように分留塔の重質塔底物に実際に回
収される多核芳香族化合物は非常に少量であって、驚く
べきことに、そして意外にも多核芳香族化合物の大部分
は、通常スロップワックス流と呼ばれる分留塔のサイド
カット流に回収される。このスロップワックス流は重質
のアスファルテン含有炭化水素質流であるので、スロッ
プワックス流と共に多核芳香族化合物を除去することで
軽油の収率減少を最少又は回避することができ、従って
また、水素化分解帯域で軽油を有用な環化水素生成物流
に転化することができる。さらに、本発明では多核芳香
族化合物の大部分が、分留塔塔底物でなくスロップワッ
クス流を抜出すことにより、系から一掃される。本発明
の一実施態様では分留塔塔底物は痕跡量の多核芳香族化
合物しか含んでいないので、この塔底物を脱歴して脱歴
オイルを得ることができ、この脱歴オイルは有用な炭化
水素生成物全体の生成量を最大にするために、水素化分
解帯域に供給することができる。
以上の記述、図面及び実施例は、本発明の方法の利点と
この方法を利用して実現される利益を具体的に説明した
ものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すフローダイアグラムで
ある。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)減圧分留帯域に常圧蒸留残油を供給
    し、水素化分解帯域で有害な多核芳香族化合物を形成す
    る傾向を持った化合物を含む減圧軽油流と、沸点1050゜
    F(565℃)以上の成分を90%含有し、アスファルテン含
    量が0.5重量%以上である炭化水素質留分(スロップワ
    ックス)側流と、減圧蒸留残油を生成させ、 (b)前記の減圧軽油流と減圧蒸留残油を溶剤脱歴した
    脱歴オイル流を水素化分解帯域に於いて、添加水素及び
    金属含有水素化分解触媒と、実質的量の低沸点生成物が
    生成され、痕跡量の多核芳香族化合物が形成されるに充
    分な昇温昇圧下で接触させ、 (c)前記の水素化分解帯域からの炭化水素流出物を部
    分的に凝縮してこれを低沸点炭化水素生成物流と、沸点
    650゜F(343℃)以上で多核芳香族化合物を含有する未
    転化炭化水素流とに分離し、 (d)前記の未転化炭化水素流の少なくとも一部と多核
    芳香族化合物を、前記の減圧分留帯域に供給することに
    より、前記の多核芳香族化合物の実質的部分を前記のス
    ロップワックス側流に回収して有害な多核芳香族化合物
    の水素化分解帯域への侵入を最少に抑える接触分解方
    法。
  2. 【請求項2】前記の水素化分解帯域が約500psig(3448k
    Paゲージ)ないし約3000psig(20685kPaゲージ)の圧力
    と、450゜F(232℃)ないし850゜F(454℃)の温度に保
    持される特許請求の範囲1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記の金属含有水素化分解触媒が合成フオ
    ージャサイトとニッケルとタングステンを含有する特許
    請求の範囲1記載の方法。
  4. 【請求項4】前記分留帯域に入る多核芳香族化合物の50
    %以上が沸点1050゜F(565℃)以上の成分を90%含有
    し、アスファルテン含量が0.5重量%以上である炭化水
    素質留分側流に含まれる特許請求の範囲1記載の方法。
  5. 【請求項5】前記の溶剤脱歴が温度50゜F(10℃)ない
    し600゜F(315℃)、圧力100psig(689kPaゲージ)ない
    し1000psig(6895kPaゲージ)、溶剤対供給原料の容積
    比2:1ないし10:1の条件で行なわれる特許請求の範
    囲1記載の方法。
  6. 【請求項6】溶剤脱歴がエタン、プロパン、ブタン、イ
    ソブタン、ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ヘ
    キサン、イソヘキサン、ヘプタン、これらのモノオレフ
    ィン対応物及びこれらの混合物からなる群から選ばれる
    溶剤で行なわれる特許請求の範囲1記載の方法。
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