JPH06317492A - トルクセンサの零点誤差の補正方法 - Google Patents

トルクセンサの零点誤差の補正方法

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JPH06317492A
JPH06317492A JP5106315A JP10631593A JPH06317492A JP H06317492 A JPH06317492 A JP H06317492A JP 5106315 A JP5106315 A JP 5106315A JP 10631593 A JP10631593 A JP 10631593A JP H06317492 A JPH06317492 A JP H06317492A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トルクセンサにおける零点が比較的小幅に変
化した場合のみならず、大幅に変化した場合も同様に適
正に零点変化の補正を行う。 【構成】 一定周期Tごとにトルクの計測を起動し、起
動後の一定時間T0ごとにトルク信号値Vtorque
(t)を計測し、計測された所定数のトルク信号値の絶
対値がそれぞれ一定値a以下であるときに、これら所定
数のトルク信号値の平均値Mを新しい零点として設定す
る。所定時間の経過中に所定数のトルク信号値の絶対値
が一定値a以下にならなかった場合には、所定数のトル
ク信号値Vtorque(t)の最大値と最小値との差
が第一の設定値b以下であるときに、それらトルク信号
値の平均値Mを求める。平均値Mの絶対値が第二の設定
値c以下のときに、その平均値Mを新しい零点として設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁歪式トルクセンサや
ひずみゲージ式トルクセンサなどのトルクセンサの零点
誤差の補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば磁歪式のトルクセンサとして、
トルク検出軸の外周に磁気異方性部を形成し、この軸に
トルクが印加されたときの磁気異方性部の透磁率の変化
を、この磁気異方性部の近傍に設けられたコイルで検出
するようにしたものが知られている。この磁歪式のトル
クセンサでは、軸に磁気異方性部が形成されたセンサ部
や、コイルを励磁するための励磁回路や、コイルからの
信号を処理する検出回路などにおいて、周囲温度の変化
や経年変化などが生じると、トルク信号値における零点
誤差の発生の原因となる。
【0003】このため従来においては、この零点誤差を
補正するために、トルク検出軸にトルクが負荷されてい
ないときのトルク信号値すなわち零点信号値を求め、こ
の零点信号値が一定値以下となるように補正を行うなど
の手法が数多く提案されている。
【0004】一方、ねじ締め用インパルスツールや、ね
じ締め電動工具や、ナットランナや、ねじ締め機や、こ
れらの性能を検査するトルクテスタなどにおいては、そ
の作動トルクを実時間で計測するために、上述の磁歪式
トルクセンサなどを組み込むことが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、使用中にト
ルクセンサを落下させたり、衝撃を与えたりした場合に
は、その零点が大幅に変化する可能性があり、このよう
なときにも零点誤差の補正が必要である。しかし、従来
の零点補正方法では、零点が通常起こり得る程度に比較
的小幅に変化した場合には対処できるが、大幅に変化し
た場合には、同様の手法では補正することが困難である
という問題点を有する。
【0006】そこで本発明はこのような問題点を解決
し、零点が比較的小幅に変化した場合はもちろんのこ
と、大幅に変化した場合にも同様に適正に零点変化の補
正を行えるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、一定周期ごとにトルクの計測を起動し、起動
後の一定時間ごとにトルク信号を計測し、計測された所
定数のトルク信号値の絶対値がそれぞれ一定値以下であ
るときに、これら所定数のトルク信号値の平均値を新し
い零点として設定し、トルクの計測を起動した後の所定
時間の経過中に複数回数のトルクの計測を起動しても、
計測された所定数のトルク信号値の絶対値がそれぞれ一
定値以下になることがなかった場合には、改めて一定時
間ごとにトルク信号を計測して、計測された所定数のト
ルク信号値の最大値と最小値との差が第一の設定値以下
であるときに、それら所定数のトルク信号値の平均値を
求め、この平均値の絶対値が第二の設定値以下のとき
に、その平均値を新しい零点として設定するものであ
る。
【0008】
【作用】このようにすると、計測された所定数のトルク
信号値の絶対値がそれぞれ一定値以下であるときにの
み、その平均値を新しい零点として設定することで、零
点が小幅に変化したときに対応して零点補正が行われ
る。また一定周期ごとに新しい零点を求めて零点補正が
行われるため、常に零点が補正された状態でトルク測定
が行われる。そのとき、一定周期ごとのトルクの計測の
起動と軸に作用するトルクとが同期していなくても、ト
ルクが作用しているときのトルク信号値を零点設定の基
準とすることはなく、このためトルクが負荷されていな
いときのトルク信号値のみにもとづいて新たな零点が正
確に設定される。複数のトルク信号値を平均して零点を
求めるので、トルク信号に重畳するリップルの影響を受
けにくくなり、この点からも正確な零点が設定される。
【0009】零点が大幅に変化した場合には、計測され
た所定数のトルク信号値の最大値と最小値との差が第一
の設定値以下であり、しかもそれら所定数のトルク信号
値の平均値の絶対値が第二の設定値以下のときにのみ、
その平均値を新しい零点として設定することで零点補正
が行われる。このため、トルクが負荷されて最大値が大
きくなったときのトルク信号値を零点補正のためのデー
タとして使用することがなく、トルクが負荷されずにト
ルク信号が安定しているときのデータのみによって、正
確にその零点が計算され、零点補正が行われる。平均値
の絶対値が第二の設定値以下のときにのみ新しい零点設
定を行うため、これが第二の設定値を越える零点異常の
ときのデータによって零点設定が行われることはない。
【0010】
【実施例】図5は、インパルスツール組み込み型のトル
クセンサのトルク信号値の波形を例示する。縦軸は信号
出力電圧、横軸は時間軸で100msec/div である。図6
は、図5における一つの波形を時間的に拡大して示す。
縦軸のスケールは図5と同一であるが、横軸は1msec/di
v に拡大されている。図7は、図6におけるA部すなわ
ちトルクの作用していない部分を縦軸、横軸ともに拡大
して示す。ノイズとしてリップルがのっていることがわ
かる。
【0011】図2は、インパルス状のトルクが負荷され
ていない時点のトルク信号値にヒステリシスなどによる
小幅の零点変化Hが発生している。ただし、図中の零点
変化Hは、理解の容易のために誇張して表示されてい
る。この場合に零点補正を行わないと、トルク測定値に
誤差が生じる。
【0012】次に零点の補正方法について説明する。一
定の周期Tごとにトルク計測を起動し、このトルク計測
が起動されると、一定時間T0ごとにn回連続してトル
ク信号値Vtorque(t)をサンプリング計測する。この
ときのトルク信号値をVtorque(t1)、Vtorque
(t2)、…、Vtorque( tn )とする。
【0013】そして、各トルク信号値Vtorque(t1)、
Vtorque(t2)、……、Vtorque(tn )の絶対値がそ
れぞれ一定値a以下であるときに、トルク信号値Vtorq
ue(ti )、Vtorque( ti+1 )、…、Vtorque( t
n-j+1 )〔 i≧1、 j≧1〕の平均値を新しい零点とし
て設定する。トルク信号値は、トルクの印加方向によっ
てその正負が変化する。
【0014】トルク信号値の絶対値が一定値aを越えた
ときには、新たな零点の設定は行わない。かつ上記にお
いて、 i=1かつ j=1と設定したときには、サンプリ
ングされたすべてのトルク信号値が平均値の演算に用い
られる。ところが、 iを2以上に設定したときには、サ
ンプリング計測された多数のトルク信号値のうち、最初
の一部を除いて平均値が算出される。また jを2以上に
設定したときには、多数のトルク信号値のうちの最後の
一部を除いて平均値が算出される。結局、 iとjとをと
もに2以上に設定することで、多数のトルク信号値のう
ちの最初の一部と最後の一部とを除いた残りの中間部分
の複数のトルク信号値だけで新しい零点が算出される。
こうすることで、確実に絶対値の小さいデータのみを用
いて、新たな零点が正確に求められる。
【0015】次に、図2を参照して具体例を説明する。
ここで、周期T=20msec、サンプリングのための一定時
間T0=0.5 msec、サンプル数n=9、 i=3、 j=
3、トルク印加時のトルク信号値の電圧が数V のレベル
であるときに一定値a=100mVとする。
【0016】このとき、一定周期T=20msecごとにトル
クの計測を起動し、起動後に、一定時間0.5 msecごとに
9回連続してトルク信号値Vtorque(t)をサンプリン
グ計測する。そしてその結果を、A/D変換するなどに
よってメモリなどに記憶する。このときのトルク信号値
をVtorque(t1)、Vtorque(t2)、…、Vtorque
(t9)とする。
【0017】これらトルク信号値の絶対値がそれぞれ10
0mV 以下であるなら、換言すれば、9回連続してトルク
信号値の絶対値が100mV 以下となっなら、トルク信号値
Vtorque(t3)、Vtorque(t4)、…、Vtorque(t7)
の5つのデータの平均値Mを算出し、それを新しい零点
として、その後のトルク信号値から印加トルクの大きさ
を求める。
【0018】最初の周期T=20msec内にn=9回連続し
てトルク信号値の絶対値が一定値a=100mV 以下となる
ことがなかった場合には、次の周期において同様にトル
ク信号値をサンプリング計測する。そして、トルク計測
を開始してから所定時間T1=1sec の間に、n=9回
連続してトルク信号値の絶対値が一定値a=100mV 以下
となったなら、上述の零点補正を行う。
【0019】こうすることで、図2に示された零点変化
Hが補正され、次回の印加トルク値の計測が正確に行わ
れる。このように絶対値が一定値a以下のデータのみを
用いて、新たな零点を算出して更新するため、トルク印
加時のトルク信号値が零点の算出のためのデータとして
使用されることがなく、このトルク印加時のトルク信号
のパルス波形とトルクの計測の起動とが同期していなく
ても、正確に新たな零点の値を算出することができる。
【0020】また、上述のように、多数のトルク信号値
のうちの最初の一部と最後の一部とを除いた残りの中間
部分の複数のトルク信号値だけで新しい零点を算出する
ことで、いっそう正確に新たな零点が求められる。
【0021】しかも、複数のトルク信号値を平均して零
点を求めるので、トルク信号に重畳しているリップルの
影響を受けにくくなり、零点を正確に求めることが可能
になる。
【0022】図1は、図2に比べて横軸すなわち時間軸
を極端に圧縮した状態を示す。ここでは、上述の零点変
化Hのほかに、使用中にトルクセンサを落下させたり衝
撃を与えたりすることによる、零点の大幅な変化Dもが
図示されている。以下、この場合の零点の補正について
説明する。
【0023】上述の図2にもとづく補正の際に、トルク
計測を開始してから所定時間T1=1sec の間には、n
回連続してトルク信号値の絶対値が一定値a以下となる
ことがなかったなら、改めてトルク計測を開始する。こ
のとき、一定時間T0ごとにn回連続してトルク信号値
Vtorque(t)をサンプリング計測し、そのトルク信号
値をVtorque(t1)、Vtorque(t2)、…、Vtorque
( tn )とする。
【0024】まず、サンプリング計測されたn個のトル
ク信号値の最大値と最小値との差が第一の設定値b以下
であるかどうかを調べる。すなわち、 〔max.{Vtorque(t1)、Vtorque(t2)、……、Vto
rque( tn )}−min.{Vtorque(t1)、Vtorque
(t2)、……、Vtorque( tn )}〕≦b であるかどうかを調べる。
【0025】そして、この不等式が成立したときには、
トルク信号値Vtorque( ti )、Vtorque( ti+1 )、
…、Vtorque( tn-j+1 )〔 i≧1、 j≧1〕の平均値
Mを求める。さらに、この平均値Mの絶対値が第二の設
定値c以下であるかどうかを調べ、もし第二の設定値c
以下であればその平均値Mを新たな零点として設定す
る。この平均値は、トルク負荷の方向によってその正負
が変化する。
【0026】平均値Mの絶対値が第二の設定値cを越え
る場合には、零点変化Dに異常が生じていると判定でき
る。よって、このときには、新しい零点の設定は行わな
い。またトルク信号値の最大値と最小値との差が第一の
設定値bを越えるときには、トルクが負荷されている可
能性があるため、そのときにも新しい零点の設定は行わ
ず、それから一定の時間Tが経過した後に、再度、同様
にしてトルク計測を起動する。それ以後は、零点が変化
し続ける可能性があるため、零点補正が完了するまで、
一定周期Tごとに上記動作を繰り返す。
【0027】次に具体例を説明する。上述の場合と同様
に、サンプリングのための一定時間T0=0.5 msec、周
期T=20msec、サンプル数n=9、 i=3、 j=3とす
る。また、トルク印加時のトルク信号値の電圧が数V の
レベルであるときに、第一の設定値b=200mV 、第二の
設定値c=1000mVとする。
【0028】このとき、トルク計測の開始後に、一定時
間T0=0.5 msecごとに9回連続してトルク信号値Vto
rque(t)をサンプリング計測する。そしてその結果
を、A/D変換するなどによってメモリなどに記憶す
る。このときのトルク信号値をVtorque(t1)、Vtorq
ue(t2)、…、Vtorque(t9)とする。
【0029】これらトルク信号値Vtorque(t1)、Vto
rque(t2)、…、Vtorque(t9)の内の最大値と最小値
とを求め、これら最大値と最小値との差が第一の設定値
b=200mV 以下であるなら、トルク信号値Vtorque
(t3)、Vtorque(t4)、…、Vtorque(t7)の5つの
データの平均値Mを算出する。そして、この平均値Mの
絶対値が第二の設定値c=1000mV以下であるときには、
それを新しい零点として、その後のトルク信号値から印
加トルクの大きさを求める。
【0030】こうすることで、図1に示される零点の大
幅な変化Dにもとづく零点誤差の発生が、確実に防止さ
れる。平均値Mの絶対値が第二の設定値c=1000mVを越
えるときには、零点異常と判定して、零点補正は行わ
ず、周期T=20msecの時間経過を待つ。この場合は、ト
ルクセンサが接続されるコントローラ側で、そのトルク
センサの零点異常を検出できることになる。またトルク
信号値Vtorque(t1)、Vtorque(t2)、…、Vtorque
(t9)の内の最大値と最小値との差が第一の設定値b=
200mV を越えるときには、トルクが負荷されていると判
断して、この場合も零点補正は行わず、周期T=20msec
の時間経過を待つ。
【0031】以後、零点補正が完了して通常の計測ルー
チンに移行するまで、一定周期T=20msecごとに上記動
作を繰り返す。このように、平均値Mの絶対値が第二の
設定値c=1000mVを越えたか否かを検出することで、そ
のような零点異常の発生を正しく検出することができ、
かつ異常が発生していない場合には、零点の大幅な変化
Dを正確に補正することができる。図5〜図7に示すよ
うなトルク波形を呈するインパルスツールに組み込んだ
トルクセンサにおいても、トルクが負荷されていないと
きを選んで零点補正することで、その零点誤差を補正で
きる。
【0032】サンプリング計測されたトルク信号値の最
大値と最小値との差が第一の設定値b以下であるときに
のみ、その平均値Mを新しい零点として設定するため、
仮にセンサにトルクが負荷されて最大値が大きくなった
場合には零点補正が行われず、トルクが負荷されなくな
ってトルク信号が安定したときのデータだけを用いて、
正確にその零点を補正することができる。
【0033】図3は、磁歪式トルクセンサの回路構成の
一例を示す。ここで10はトルク検出軸で、その外周面に
は、軸心に対し傾斜した磁気異方性部12が一箇所だけ形
成されている。この磁気異方性部12の周囲には、コイル
14が配置されている。
【0034】コイル14は、抵抗16と、図中において実線
で示されて、温度変化にともなう零点変動を粗調整する
ための感温抵抗18とを介して、このコイル14に交流電流
を供給するための発振回路20に接続されている。感温抵
抗18は、図中において破線で示すように、抵抗16とコイ
ル14との間に設置することもでき、あるいは、さらに他
の場所に設置することもできる。抵抗16は、コイル14の
インピーダンスにほぼ等しい抵抗値を有する。発振回路
20と感温抵抗18との間には、整流回路とローパスフィル
タとを有した励磁電圧検出回路22が並列に接続されてい
る。
【0035】コイル14からの出力ラインは、整流回路と
ローパスフィルタとを備えたトルク検出回路24を構成し
ている。このトルク検出回路24の出力側と、励磁電圧検
出回路22の出力側とは、ともに差動増幅器26の入力側に
接続されている。差動増幅器26の出力側は、零点変動の
微調整用の差動増幅器28に接続されている。この差動増
幅器28には、前述のトルク信号値が一定値a以下となっ
てトルクゼロの状態であると判断されたとき、あるいは
零点の大幅な変化Dがあったときにセンサ出力をゼロに
するための零点のデータが、定電圧発生回路30を並設し
たD/A変換器32を介して入力される。
【0036】差動増幅器28の出力側は、増幅器34を介し
て、トルク検出軸10に印加されるトルクの方向を公知の
方法で検出する極性判定回路36と、ゲイン切換回路38と
に接続されている。ゲイン切換回路38は、極性判定回路
36の出力信号にもとづき、トルク検出軸10への印加トル
クの方向に対応してトルク検出信号のゲインを切換え可
能とされている。40はトルク信号ラインであり、前述の
トルク信号値が現れる。
【0037】D/A変換器32およびゲイン切換回路38に
は、演算制御回路42からの出力ラインが接続されてい
る。この演算制御回路42には、メモリ44が並設されると
ともに、データ入出力ライン46が接続されている。48は
温度センサで、その出力ラインは、A/D変換器50を介
して演算制御回路42に接続されている。52はフィードバ
ックラインで、トルク信号ライン40からA/D変換器54
を介して演算制御回路42に接続されている。
【0038】このような構成によれば、感温抵抗18の働
きによって、温度変動にともなう零点変動の粗調整が行
われる。トルク信号ライン40に現れるトルク信号値は、
フィードバックライン52を介して演算制御回路42に入力
され、演算処理される。そして小幅の零点変化Hや零点
の大幅な変化Dなどを補正するために、上述のようにし
て零点のデータが求められ、その零点のデータがD/A
変換器32を介して差動増幅器28に入力される。
【0039】ゲイン切り換え回路38においては、演算制
御回路42からの信号にもとづいて、感度補正と、温度変
化にともなう感度変動の補正とが行われる。図2に示す
ように、一定時間T0=0.5 msecごとにたかだか10回程
度のサンプリングを行うだけであるにもかかわらず、零
点変化の補正のためのトルク計測の起動は、一定周期T
=20msecごとという比較的長い周期ごとに行われる。そ
の理由は、演算処理回路42は、零点補正以外に、上述の
温度変化にともなう感度変動の補正などの多くの演算処
理を行わねばならず、その時間を確保するためである。
【0040】図4は、デジタル補正方式の磁歪式トルク
センサの一例を示す。ここでは、差動増幅器26からの出
力ラインが、A/D変換器56を介して演算制御回路42に
接続されている。また、トルク信号ライン40は、演算制
御回路42からD/A変換器58を介して導き出されてい
る。
【0041】このデジタル補正方式のトルクセンサ1で
は、本発明にもとづく零点の補正動作や、その他のアナ
ログ方式のものと同様の各種の補正を、演算制御回路42
においてデジタル演算により行う。
【0042】なお、このようにデジタル演算にて補正を
行うものでは、図2に示すようなパルストルク信号を正
確に計測するためには、このトルク信号をA/D変換器
56によって高速に変換しなければならない。具体的に
は、たとえばサンプリング間隔0.02msec、サンプル数 1
00〜200 程度が要求される。
【0043】以上においては、本発明の方法を磁歪式ト
ルクセンサに適用した場合を具体例として説明したが、
ひずみゲージ式トルクセンサなどの他の方式のトルクセ
ンサにも、もちろん適用可能である。また本発明の技術
思想は、上述のトルクセンサ以外の、ロードセル、圧力
センサなどの各種センサにも適用できることは明らかで
ある。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように本発明によると、零点
が小幅に変化したときに計測された所定数のトルク信号
値の絶対値がそれぞれ一定値以下であるとき、および零
点が大幅に変化したときに計測された所定数のトルク信
号値の最大値と最小値との差が第一の設定値以下である
ときにのみ、その平均値を新しい零点として設定するた
め、一定周期ごとのトルクの計測の起動と軸に作用する
トルクとが同期していなくても、トルクが作用している
ときのトルク信号値を零点設定の基準とすることはな
く、このためトルクが負荷されていないときのトルク信
号値のみにもとづいて新たな零点を正確に設定すること
ができる。複数のトルク信号値を平均して零点を求める
ので、トルク信号に重畳するリップルの影響を受けにく
くなり、この点からも正確に零点を設定できる。また零
点が大幅に変化したときに平均値の絶対値が第二の設定
値以下のときにのみ新しい零点設定を行うため、これが
第二の設定値を越える零点異常のときのデータにより零
点を補正することを防止できるとともに、トルクセンサ
外でその零点異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インパルス状のトルクが負荷されるトルクセン
サに小幅な零点変化と大幅な零点変化とが生じている様
子を示す図てある。
【図2】図1に比べ時間軸を拡大して示す図である。
【図3】本発明を適用した磁歪式トルクセンサの回路構
成の一例を示す図である。
【図4】本発明を適用した磁歪式トルクセンサの回路構
成の他の例を示す図である。
【図5】インパルスツール組み込み型のトルクセンサの
トルク信号値の波形を例示する図である。
【図6】図5における一つの波形を時間的に拡大して示
す図である。
【図7】図6におけるA部を拡大して示す図である。
【符号の説明】
T 一定周期 T0 一定時間 Vtorque(t) トルク信号値 a 一定値 b 第一の設定値 c 第二の設定値 M 平均値 H 零点変化 D 零点の大幅な変化

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定周期ごとにトルクの計測を起動し、
    起動後の一定時間ごとにトルク信号を計測し、計測され
    た所定数のトルク信号値の絶対値がそれぞれ一定値以下
    であるときに、これら所定数のトルク信号値の平均値を
    新しい零点として設定し、トルクの計測を起動した後の
    所定時間の経過中に複数回数のトルクの計測を起動して
    も、計測された所定数のトルク信号値の絶対値がそれぞ
    れ一定値以下になることがなかった場合には、改めて一
    定時間ごとにトルク信号を計測して、計測された所定数
    のトルク信号値の最大値と最小値との差が第一の設定値
    以下であるときに、それら所定数のトルク信号値の平均
    値を求め、この平均値の絶対値が第二の設定値以下のと
    きに、その平均値を新しい零点として設定することを特
    徴とするトルクセンサの零点誤差の補正方法。
JP5106315A 1993-04-06 1993-05-07 トルクセンサの零点誤差の補正方法 Expired - Fee Related JP2803967B2 (ja)

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