JPH06321442A - 昇降機の駆動装置における回転子の時定数適合方法 - Google Patents

昇降機の駆動装置における回転子の時定数適合方法

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JPH06321442A
JPH06321442A JP6063672A JP6367294A JPH06321442A JP H06321442 A JPH06321442 A JP H06321442A JP 6063672 A JP6063672 A JP 6063672A JP 6367294 A JP6367294 A JP 6367294A JP H06321442 A JPH06321442 A JP H06321442A
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    • B66B1/28Control systems with regulation, i.e. with retroactive action, for influencing travelling speed, acceleration, or deceleration electrical
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベクトル制御式誘導電動機の回転子の推定時
定数を回転子の実時定数に適合させる。 【構成】 トルク電流基準値の2つの値と加速度基準値
の2つの値をサンプリングし、加速度基準値とトルク電
流基準値との間の無負荷時の線形関係の勾配を求める。
この勾配を回転子の実時定数に関する理想勾配から減算
して差動信号を得て、この信号に応答して回転子の推定
時定数を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル制御式誘導電
動機において使用する回転子の時定数決定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、誘導電動機を備える昇降機駆動装
置の多くはベクトル制御を利用している。ベクトル制御
を用いると電動機の動特性は向上し、昇降機速度はわず
かの偏差もなく基準値にぴったり追従するようになるた
め、快適な乗り心地で移動時間を短くすることができ
る。
【0003】この制御方法の利点を有効に利用するため
には、制御対象となる電動機の電気的パラメータを知る
必要がある。ベクトル制御をするということは、裏を返
せば固定子での磁束制御とは全く独立してトルク電流を
制御するということである。このような独立制御は使用
する回転子の時定数値が正しい場合にしか行うことがで
きない。K.B.Nordin、D.W.Novoth
y、D.S.Zinger共著『The Influe
nce of Motor Parameter De
viations in Feedforward F
ield Orientation Drive Sy
stems』、IEEE IAS84:22B 第52
5頁(1984年)参照のこと。残念なことに、回転子
の時定数は一定ではなく回転子の抵抗に左右され、結果
として昇降機の負荷条件によって変化する回転子の温度
に左右されることになる。回転子の時定数を推定する一
般アルゴリズムは多数あるが、これらのアルゴリズムは
極めて複雑で高価なハードウェアを必要とするか、また
は昇降機の駆動装置では得られない入出力値を使用する
かのどちらかであるため昇降機の駆動装置には適さない
のが普通である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電動機に特定のノイズ
信号を供給してこれを利用する類いのアルゴリズムもあ
る。このアルゴリズムでは、電動機の電圧、電流および
速度を測定し、これらの測定結果から回転子の時定数を
算出する。しかしながら電動機にノイズ信号を供給する
と急激な動きが起こって乗り心地が悪くなるため、実際
には昇降機用の電動機にノイズ信号を供給することはで
きずこのようなアルゴリズムは昇降機には適さない。
R.GabrielおよびW.Leonhard著『M
icroprocessor Control of
Induction Motor』、IEEE(198
2年)を参照のこと。
【0005】さらに、アイドリングや特定の速度などの
特別な動作モードを利用して回転子の時定数を推定する
方式のアルゴリズムもあるが、このような動作モードも
昇降機で利用することはできない。Proc.of t
he 18th Southeastern Symp
osium on System Theory収録、
M.SongおよびJ.Mescua著『On the
Identification of Induct
ion Motor Parameters』、IEE
E、Knoxville, USA(1986年4月)
参照のこと。
【0006】また、Proc.of Third In
ternational Conference on
Power Electronics and Va
riable Speed Drive第287頁、
H.Schierling著『Self Commis
sioning − A Novel Feature
of Modern Inverter−Fed In
duction Motor Drives』、IEE
E、London(1988年7月)参照のこと。これ
らの文献では固定子の電圧を利用して回転子の時定数を
決めることを取り上げているが、ここで問題となるのは
昇降機ではコスト上の理由から固定子の電圧を測定する
ことは殆どなく、このようなアルゴリズムも無用の長物
になってしまうということである。
【0007】従って、本発明の目的は、ベクトル制御式誘
導電動機の回転子の推定時定数τ2を回転子の実時定数
に適合させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、第1
にベクトル制御式誘導電動機用のトルク基準値Tref
対する電動機トルクTMのグラフは理想的には勾配1の
直線であり、第2に同ベクトル制御式誘導回転子に供給
される回転子の推定時定数τ'2によってこの直線はグラ
フの原点を中心に回転するということに注目している。
【0009】本発明における第3の着眼点は、TM対T
ref直線の理想的な1:1線形関係からの変動量を求め
ることができれば、この変動量を回転子の実時定数τ2
に応じて変わる回転子の推定時定数τ'2と結び付けて考
えることができるということにある。このため、TM
ref直線の1:1線形関係からの変動量を利用して、
M対Tref直線の1:1線形関係を再現することのでき
る回転子の推定時定数τ'2を求める。
【0010】TM対Trefがどのように変化するかを知る
ためにはTMおよびTrefを求めなければならない。T
refは決まっているので、残っているのはTMだけであ
る。従って、当然TMセンサを用いたTMの算出が次のス
テップとなる。しかしながら、TMセンサを使用せずに
Mを算出してコストを抑えることもできる。本発明の
第4の着眼点はこの点にある。すなわち、より簡単かつ
低費用で得られる値、基準加速度arefおよび負荷トル
クTLOADに関する電動機トルクTMを数式TM=Qaref
+TLOADから求めることである。この場合、TLOADは近
似的にしか求めることができないが本発明に必要なのは
負荷トルクTLOADの符号のみであるので近似値で十分で
ある。よって、TMとTrefがどのように変化するかはT
refとQaref+TLOADがどのように変化するかに基づい
て決めることができる。
【0011】第5に、本発明ではTrefはトルク電流基
準値ITrefに正比例しているという点にも注目してい
る。
【0012】要するに、TMとTrefとの間の線形関係は
refとaref+TLOADの間の線形関係によって表すこと
もできるのである。電動機の速度ωmが例えば0など一
定であってITrefに加速度トルク成分が含まれないよう
な場合には、トルク電流基準値ITrefを測定することに
よってTLOADを求めてもよい。加速度トルクが全くなけ
ればTLOADはITrefに正比例するからである。従って、
この直線ITref対are fの1:1関係からの勾配とオフ
セットの変化は、回転子の理想時定数τ2からの回転子
の推定時定数τ'2の変化を示すものとなる。
【0013】本発明の第6の着眼点は、直線Irefとa
refのオフセット(arefは0であり、加速度トルクT
ACCELERATIONも全くないので、このオフセットはTLOAD
に正比例する)に対する同一直線の勾配から、同勾配と
回転子の推定時定数τ'2との間の線形関係を証明できる
ということにある。TLOAD>0であって昇降機が上り方
向に加速しているかまたは下り方向に減速している時に
特徴的な線形関係が得られる。また、TLOAD<0であっ
て昇降機が下り方向に加速しているか上り方向に減速し
ている時にもう1つの特徴的な線形関係が得られる。こ
のためITref対arefの勾配を判定基準として利用して
回転子の推定時定数τ'2が回転子の実時定数τ2にうま
く適合しているか否かを判定できる。無負荷状態でこの
勾配を理想勾配から減算し、これによって得られる両者
の差を比例積分回路に供給して回転子の推定時定数τ'2
を生成する。この回転子の推定時定数は、TM対Tref
線をベクトル制御式電動機において極めて重要な1:1
線形関係に戻すことのできるものである。
【0014】本発明によれば、ベクトル制御式誘導電動
機の駆動装置におけるトルク電流基準値ITrefおよび基
準加速度arefをサンプリングして判定基準を展開し、
これによって回転子の推定時定数τ'2を回転子の実時定
数τ2に適合させる。
【0015】より詳細に言えば、トルク電流基準値I
Trefおよび基準加速度arefをサンプリングした後、I
Tref対arefの勾配を負荷トルクTLOADに正比例する同
直線のオフセットに対してプロットする。このプロット
から無負荷勾配を求めて理想無負荷勾配から減算し、得
られた差を比例積分回路に供給して回転子の実時定数τ
2に適合した回転子の推定時定数τ'2を得る。
【0016】
【実施例】以下の表1において、下付き文字1は固定子
の値を示し、下付き文字2は回転子の値を示す。
【0017】
【表1】aref 加速度基準値 IM 誘導電動機 V =τ2/τ´2 u 昇降機駆動装置の減速比 rT 昇降機駆動装置の滑車の半径 P 2Pは誘導電動機の極の数 J 駆動装置の回転慣性 kv u/rT k P3H 2/2L2 Z(ω) 固定子の複素インダクタンス T 固定子電流期間 X(ω) 固定子インピーダンスの仮想部分 φ 固定子の電流と電圧の間の角度 ITref トルク電流基準値 iflux 磁束電流基準値 I 回転座標に同期する固定子の電流成分 i 回転座標に同期する固定子の電流成分 i1a 固定子の電流 i1b 固定子の電流 iTSTAT トルク電流の静的電流成分 iTDYN トルク電流の動的電流成分 LH 誘導電動機等価回路のインダクタンス L1 固定子のインダクタンス L2 回転子のインダクタンス Lσ 全漏れインダクタンス L 固定子の漏れインダクタンス L 回転子の漏れインダクタンス LR メインインダクタンス R(ω) 固定子インピーダンスの実部分 R1 固定子の抵抗 R2 回転子の抵抗 Tm 電動機トルク Tref トルク基準値 TLOAD 負荷トルク U1a 固定子の電圧 U1b 固定子の電圧 ωm 電動機速度の偏導 ωm 電動機速度(回転) ωref 基準電動機速度 ω1 固定子の周波数 ω 固定子の電圧の基本周波数 ω2 滑り周波数 Ψ2b 固定子の磁束 Ψ2b 固定子の磁束 Ψ 回転子の磁束 τ2 回転子の実時定数 τ´2 回転子の推定時定数 A.一般原理 IMについてのベクトル制御パラメータを理想値に設定
し、高性能動的プレミアムサーボ機構を用いると仮定す
ると、電動機トルクTmはベクトル制御に必要な基準ト
ルクTrefに常に一致する。従って、理想的な例におい
て以下の数式1が得られる。
【0018】
【数1】Tm=Tref この理想特性について、制御誤差率が最小となる電流制
御ループを任意に設定することの他に回転子の時定数τ
についての現在の値を正確に知ることができるという
ことを基本的な前提条件とする。
【0019】電動機トルクTmに対して基準トルクTref
をプロットすると、理想的な適合例では原点で始まって
勾配1を有する数式1のグラフを得ることができる。こ
れを図1に示す。
【0020】回転子の時定数τ2、τ2=τ'2に対する回
転子の推定時定数τ'2がうまく適合していない場合に
は、関数Tref=f(Tm)の実際のプロファイルはこの
線形特性とは異なるものとなる。図1にはこの関数の非
適合時における基本特性も示してある。
【0021】図1から明らかなように、速度制御装置
(τ'2<τ2)における回転子の推定時定数τ'2の値を
小さくすると、速度制御装置(図示せず)によって算出
される基準トルクTrefは過比例的に増加して与えられ
た電動機トルクTmに達するが、昇降機系に加わるトル
クTmは簡単に測定パラメータとして得られるような類
いのものではないため、適合を目的としてTref=f
(Tm)の関係を直接評価することは不可能である。し
かしながら(インクリメンタルシャフトエンコーダによ
って)機械の速度ωmを測定すれば求められる間接測定
パラメータすなわち角加速度ωmを利用することはでき
る。角加速度ωmとトルクTmとの関係は(摩擦を無視す
れば)以下の数式2によって得られる。
【0022】
【数2】 Tm=Jωm+TLOAD⇔ωm=(Tm−TLOAD)/J 数式2によれば、角加速度ωmはTmに基づく線形のグラ
フとなる。従って、角加速度ωmを機械のトルクTmにつ
いての測定値として用いることができる。ここで、基準
速度と実速度との間の誤差は小さいと仮定すると、ωm
の数字的に好ましくない微分値に近似値ωm≒ωrefを代
入することができる。ここで、ωrefはIMの基準角加
速度である。
【0023】さて、理想適合状態(τ'2=τ2)から始
めるとすると、(Tm=Tref)となる。ω≒ωrefとT
refとの関係は、上述の数式2から以下の数式3によっ
て得ることができる。
【0024】
【数3】Tref=Jωref+TLOAD 関数Tref=f(ωref)のグラフは、勾配Jでオフセッ
トTLOADの直線になる。理想適合状態τ'2=τ2という
仮定が成り立たない場合には、直線の勾配とオフセット
が変わるだけであとは図1と同じことが言える。
【0025】図2は、IMのトルクについての測定値と
して使用するωrefと、速度制御装置における回転子の
推定時定数τ'2の理想値τ2からの偏差についての基準
トルクTrefとの基本的な関係を示す。
【0026】以下の説明では、Trefおよびωrefの代わ
りにITrefおよびarefを制御系の内部パラメータとし
て用いる。換算基準加速度arefは、定数の係数(aref
=ωref×rT/u)以外は基準角加速度ωrefに対応す
る。同様に、トルク形成固定子電流成分ITrefはTref
に正比例する。トルク電流基準値ITrefは、負荷トルク
LOADに正比例する静的な部分ITstatと、加速度トル
クTACCELERATIONまたは基準加速度arefに正比例する
動的な部分ITDYNとに分けることができる。ITrefとa
refとの関係から、速度制御装置において機械の実際の
回転子の時定数τ2の値はどの程度推定値τ'2と一致し
ているか分かる。判定基準を展開し、値ITrefおよびa
refを評価することによってτ'2のチューニング用の測
定値を得る。本発明による適合方法の適用例の構造を図
3に示す。
【0027】電流−加速度関係についての評価 以下の数式4に示す一次方程式によって適当な動作点の
周囲(例えばamax/2付近など)において関数ITref
=f(aref)を近似することができる。
【0028】
【数4】Iref≒Aaref+B withB−TLOAD ここで、係数Aすなわち上述した直線の勾配は、選択し
た動作点を中心とした(小さな)変化についての基準加
速度arefと電流ITrefの基準値との間の増幅係数とな
る。オフセットBは静負荷トルクTLOADによって変化す
るが、τ2=τ'2である場合に限ってBはTLOADに正比
例する。従って、言うまでもなく「A」は速度制御装置
の回転子の時定数τ'2のチューニングの関数となる。こ
のチューニング用の測定値として、比v=τ2/τ'2
規定する。以下、数式5に示すような関係について定量
的に検討する。
【0029】
【数5】A=F(v)ただしv=τ2/τ'2Trefおよびarefのプロファイルについての理論的研
究 arefとITrefとの一般的な関係を系の動きについての
式から得る。加速度トルクTACCELERATIONについては以
下の数式6が得られる。
【0030】
【数6】
【0031】理想適合状態(τ'2=τ2)の場合におけ
る誘導電動機(図4に示す等価回路)のトルクの適応部
分は以下の数式7で示す値をとる。
【0032】
【数7】
【0033】速度制御装置の理想的な動特性についての
別の仮定のもとで、電流および加速度トルクについての
実際の値に上述の式で得られた基準値を代入する。
【0034】数式6および7から、「動的」電流成分I
TDYN(数式4参照)について以下の数式8を得る。
【0035】
【数8】
【0036】「静的」電流成分ITstatは、数式7にお
ける電流トルク関係からITstat=TLOAD/(k
flux)=Bとして直接求めることができる。
【0037】全体として、τ'2=τ2の場合には以下の
数式9によって電流ITrefを算出することができる。
【0038】
【数9】
【0039】係数Aの分母KIfluxもトルク−電流関係
の微分増幅係数と解釈することができる。ここで、比適
合状態(τ'2≠τ2)の場合を無視すると、arefのプリ
ファクターAは一定ではなくなり、数式9は∂Tm/∂
Tref=kIfluxを用いて以下の数式10のように表す
ことができる。
【0040】
【数10】
【0041】APは、電動機トルクTmの偏導関数が求
められる動作点である。動作点では「動的」電流成分I
TDYNの平均値を用いることができる。従って、数式4か
ら得られる係数Aを以下の数式11によって算出するこ
とができる。
【0042】
【数11】
【0043】回転子の時定数τ2のチューニングによる
Aへの影響を評価できるようにするために、トルクTm
に対する非適合状態による影響を考慮した一般化トルク
−電流関係を導き出さなければならない。
【0044】一般化電流トルク式 まず、以下の数式12に示す回転子−磁束関連座標にお
ける機械についての一般的なトルク式から説明する。
【0045】
【数12】
【0046】固定子電流ilについての滑り周波数ω2
成分iおよびiとの関係は以下の数式13のよう
になる。
【0047】
【数13】
【0048】よって、トルクは以下の数式14のように
算出できる。
【0049】
【数14】
【0050】速度制御装置は以下の数式15に基づいて
機械の滑り周波数ω2を特定した。
【0051】
【数15】
【0052】速度制御式機械のトルクは以下の数式16
のようになる。
【0053】
【数16】
【0054】電流i1αsおよびi1βsの基準値や速度制
御装置v=τ2/τ'2における回転子の時定数τ2のチュ
ーニングの測定値からTmのみを決定できるようにする
ために、上記数式16における電流iにITrefおよ
びIfluxを代入しなければならない。
【0055】図5に示すベクトル図および基本式tan
φ=ω2τ2からの固定子電流の基準値と実測値の大きさ
は等しいという仮定(「高速」電流制御および整流
器)、さらにtanφについての機械の滑り周波数に関
する数式15に基づいて、以下の数式17を導き出すこ
とができる。
【0056】
【数17】
【0057】また、図5から代入対象となる成分i
について以下の数式18を得ることができる。
【0058】
【数18】
【0059】ここで、数式19を代入し、さらにIflux
についての数式17から以下の数式20を得ることがで
きる。
【0060】
【数19】
【0061】
【数20】
【0062】従って、数式16は以下の数式21のよう
に表すことができる。
【0063】
【数21】
【0064】数回にわたる変換によって、電流トルク関
係を示す最終的な形を得ることができる。これを数式2
2に示す。
【0065】
【数22】
【0066】ここで、速度制御装置が最適なレベルにあ
るとすれば、τ2=τ'2であって数式22はTm=kI
fluxTrefになる。
【0067】判定基準について トルクTmは測定量としては得られないので、回転子の
推定時定数τ'2のチューニングによるTm=f
(ITref,τ2/τ'2)の特徴線の分枝の勾配への影響
をそのまま系の適合状態についての判定基準として使用
することはできない。しかしながら、数式11を用いれ
ば、制御系の内部パラメータとして得られる基準加速度
refと基準電流値ITrefとの関係から上述の影響につ
いて間接的に評価することは可能である。係数Aは勾配
を示し、より正確にいうならば動作点APにおける関数
Tref=f(aref)の増幅係数を示す。
【0068】偏導関数∂Tm/∂ITrefの算出後、Aに
ついて以下の数式23を得る。
【0069】
【数23】
【0070】理想的な適合状態τ'2=τ2の場合につい
て、数式8から得られるすでに分かっているAについて
の式で数式23をまとめると、A=Jkv/(k
flux)=一定が得られる。
【0071】B.適用 本発明を適用するための構成と共に計算式を少なくした
本発明のより一層簡単な形について説明する。上述した
形の方が高精度であるが、これは以下に述べる方法に比
べて処理オーバーヘッドに対して費用をかけているがた
めである。
【0072】図6はベクトル制御式誘導電動機のブロッ
ク図である。速度制御装置は、速度基準値、加速度基準
値、タコメータによって得られる誘導電動機の実速度、
誘導電動機回転子の時定数に応答する。速度制御装置
は、トルク電流基準値および磁束コマンドを独立に制御
して出力することによって誘導電動機の速度を制御す
る。トルク電流基準値ITrefおよび磁束コマンドIflux
は固定子電流の2つの成分である。これらの2つの成分
は固定子電流調節器に供給される。固定子電流制御部
は、固定子の三相電流のうちのIuとIvおよび回転子の
実測角度Phiに応答し、逆変換回路に固定子の三相電
圧Uu、Uv、Uwを供給する。逆変換回路は固定子の三
相電流に応答して誘導電動機にUu、Uv、Uwを供給す
る。
【0073】理想的には、電動機トルクTmとTrefとの
関係は線形かつ1:1である。図1を参照のこと。実際
には、このようなことは有り得ない。回転子の推定時定
数τ'2の値が変化し、これに対応する電動機トルクTm
およびトルク基準値Trefの値を測定すればTm対Tref
の直線は回転していることが分かる。従って、Tm対T
ref直線の理想的な1:1関係からの変動量を決定する
ことができれば、この変動量を回転子の理想時定数τ2
に対応して変化する回転子の推定時定数τ'2と関連付け
ることができる。よって、実測Tm対Tref直線と1:1
関係との間の変動量を利用して、Tm対Tref直線を1:
1線形関係に戻すことのできる回転子の推定時定数τ'2
を生成することができる。
【0074】Tref対Tmがどのように変化するか知るた
めにはTmとTrefとを決めなければならない。Tref
決まっているので、残っているのはTmだけである。従
って、当然次のステップはTmセンサを用いたTmの算出
になる。しかしながら、Tmセンサを使用せずにTmを算
出してコストを抑えることもできる。すなわち、より簡
単かつ低費用で得られる値、基準加速度arefおよび負
荷トルクTLOADに関する電動機トルクTmを以下の数式
24から求めることができる。
【0075】
【数24】
【0076】このように、TmとTrefがどのように変化
するかはTrefとAaref+TLOADでどのように変化する
かによって判断することができる。また、Trefはトル
ク電流基準値ITrefに正比例していることも分かる。簡
単に言えば、TmとTrefとの間の線形関係はIrefとa
ref+TLOADの間の線形関係によって表すこともできる
のである。電動機の速度が例えば0など一定であってト
ルク電流基準値ITrefに加速度トルク成分が含まれない
ような場合には、トルク電流基準値ITrefを測定するこ
とによってTLOADを求めてもよい。加速度トルクが全く
なければ、必要なトルクは負荷トルクTLOADに対するも
のだけになるため、負荷トルクTLOADはトルク電流基準
値ITrefに正比例する。定速では加速度トルクT
ACCELERATIONは全く必要ない。従って、この直線勾配と
オフセットの変化は、理想的な回転子の時定数τ2から
の回転子の推定時定数τ'2の変化を示すものとなる。図
7を参照のこと。
【0077】図7における直線は、直線Tm対Trefの回
転(図1)と全く同じように選択する回転子の推定時定
数τ'2によって回転する。図7におけるオフセットB
は、加速度がなく加速度トルクも全くない状態ではトル
ク電流基準値ITrefの値と等しい。このオフセットB
は、数式5において示すようにτ2=τ'2である場合に
限って負荷トルクTLOADに正比例する。しかしながら、
BはTLOADと同一の符号を有する。aref=0であって
m=TLOADである場合には数式22および数式9を参
照のこと。τ2=τ'2であるとすると、TLOAD=KI
flux×ITrefになり、ITref=Bになる。
【0078】図7における直線の勾配AをオフセットB
に対してプロットすると、図8および図9に示すグラフ
が得られる。この勾配Aは数式4の勾配Aと全く同じで
ある。図8は、回転子の推定時定数τ'2の様々な値につ
いてのかごの上り方向への加速時または下り方向への減
速時に得られる勾配A対オフセットBのグラフである。
図9は、回転子の推定時定数τ'2の様々な値についての
かごの下り方向への加速時または上り方向への減速時に
得られる勾配A対オフセットBのグラフである。負荷ト
ルクTLOADが0より大きい図8において、回転子の推定
時定数τ'2と勾配Aとの関係は特徴的なものとなる。図
9において、負荷トルクTLOADは0未満であり、回転子
の推定時定数τ'2と勾配Aとの関係は特徴的なものとな
る。よって、勾配AとオフセットBとの関係は、負荷ト
ルクTLOADが0より大きい場合と負荷トルクTLOADが0
未満である場合について、それぞれ以下の数式25およ
び26で表すことができる。
【0079】
【数25】
【0080】
【数26】
【0081】ここで、A1は上り方向への加速時または
下り方向への減速時の図7に示す直線の勾配であり、A
2は下り方向への加速時または上り方向への減速時の図
7に示す直線の勾配;A0は回転子の推定時定数τ2
τ'2である理想的な適合時の図7に示す直線の勾配;C
1およびC2はそれぞれ図8および図9に示す直線の線形
部分の勾配である。
【0082】C1およびC2は駆動系の慣性(回転慣性)
に関連している。この慣性は上述の数式TM=Aaref
LOADにおけるAに関連している。すなわち、T=J×
dωr/dt+TLOAD(回転)である。ここでJは電動
機の駆動系の回転慣性である。この第2の式は上記の数
式の一般例である。
【0083】arefとdωr/dtとは等しくないため
AとJとは等しくならない。誘導電動機の回転慣性に正
比例するのでC1およびC2はほぼ等しいと考えることが
できる。
【0084】図6に示す直線ITref対arefの勾配の同
じ直線のオフセットに対するグラフは、上り方向への加
速時または下り方向への減速時で負荷トルクが0より大
きい場合および下り方向への加速時または上り方向への
減速時で負荷トルクが0未満である時の勾配と回転子の
推定時定数τ'2との特徴的な関係を示す直線となる。従
って、この勾配を判定基準として利用して回転子の推定
時定数τ'2が回転子の実時定数τ2にうまく適合してい
るか否かを判定できる。勾配A0を理想勾配A0,ideal
ら減算し、これによって得られる両者の差を比例積分回
路に供給して回転子の推定時定数τ'2を生成する。この
回転子の推定時定数は、Tm対Tref直線を1:1線形関
係に戻すことのできるものである。
【0085】図10は本発明の適用例を示す図である。
機能的に図6と同様の速度制御装置は、速度基準値、加
速度基準値、電動機速度、回転子の推定時定数に応答し
て、磁束とトルクに関連する固定子電流の2つの成分を
独立に制御する。速度制御装置は10ミリ秒のクロック
で動作して加速度基準値をサンプリングするとともに、
これに対応するトルク電流基準値ITrefを算出する。こ
の部分は本発明のなかで昇降機の動作時に実行しなけれ
ばならない唯一の部分である。
【0086】サンプリングしたトルク電流基準値ITref
および加速度基準値arefの値は、ITrefとarefとの線
形関係の勾配AとオフセットBを算出する線形回帰ブロ
ックに供給されるまで格納される。A1は昇降機の上り
方向への加速時または下り方向への減速時における勾配
であり、A2は昇降機の下り方向への加速時または上り
方向への減速時における勾配である。Bは加速と減速の
両方について同一である。線形回帰ブロックは、ITref
対aref直線の無負荷状態での勾配を算出するブロック
にA1、A2、Bを供給する。このブロックは、まず加速
または減速の判定基準を使用すべきであるか否かを図8
および図9に基づいて決定する。表2はBの符号(=負
荷トルクTLOADの符号)、昇降機の移動方向および加速
度基準値とトルク電流基準値とのサンプル、加速相また
は減速相、使用する勾配の組み合わせを示す。
【0087】
【表2】 続いてこのブロックは上記数式25および26からA0
を算出する。C1およびC2は、線形回帰ブロックや、A
1、A2およびBからA0を算出するブロックでは得られ
ない。C1およびC2は後述するような適用時において得
られるものである。A0は次にノイズ抑制用のデジタル
フィルタに供給される。この種のデジタルフィルタはP
hilips著『Digital Control S
ystemAnalysis and Design』
第12章に記載されている。次に、後述するような形で
得られる回転子の時定数の実際の値に対応する理想値A
0,idealからITref対arefの直線の実際の無負荷勾配A
0を減算する。これによって得られた差を上述した文献
の第8章に記載されているような比例積分制御装置に供
給する。加算器からの差が負である場合には、回転子の
推定時定数τ′2は小さすぎるので比例積分制御装置か
ら供給される回転子の推定時定数τ′2の初期値を大き
くするかまたはその逆にする。回転子の推定時定数τ′
2を増減することによって、Tm対Trefを1:1に戻す
ことができ、図6に示すベクトル制御によって磁束とト
ルクとを独立して制御することができる。
【0088】本発明における初期化はC1、C2およびA
0,idealの決定にもからんでいる。
【0089】図11は、A0を決定するための装置のブ
ロック図である。まず、負荷トルクTLOADをゼロに設定
すなわちかご室の重量とかごの負荷を釣り合い重りと釣
り合わせる。例えば誘導電動機用の識別アルゴリズムな
どを利用して回転子の推定時定数τ′2をτ2の実際の値
に設定する。この実際の値は例えばH.Schierl
ing著、Proc.of Third Intern
ational Conference on Pow
er Electronics and Variab
le Speed Drive第287頁、『Self
−commissioning−−A Novel F
eature of Modern Inverter
−fed Induction Motor Driv
es』IEEE、London(1988年7月)など
に記載されているような自己規定手順において得ること
ができる。かごを移動させ、トルク電流基準値ITref
加速度基準値arefとをサンプリングする。Bは0であ
るので、数式25と26の間には差はなく、A0,ideal
は線形回帰ブロックから供給される。
【0090】図12は、回転子の推定時定数τ′2の理
想適合状態下にあるベクトル制御装置の理想値τ2に対
するブロック図である。ここで2つの初期化ランを取
る、すなわち、空のかごを0未満の負荷トルクで上昇さ
せてC2を決め、空のかごを0より大きい負荷トルクで
下降させてC1を決定する。トルク電流基準値ITref
よび加速度基準値arefをサンプリングし、A0,ideal
共にA1、A2、Bを算出ブロックに供給し、C1=(A1
−A0,ideal)/B(負荷トルクTLOADは0より大き
い)およびC2=(A2−A0,ideal)/B(負荷トルク
LOADは0未満)を得る。
【0091】図13は、回転子の推定時定数τ′2およ
び固定子温度を昇降機の動作回数に対してプロットした
図である。回転子の時定数τ′2は回転子の温度に正比
例するため、この図は本発明が回転子の時定数を正しく
推定していることを証明する良い例となる。固定子の温
度は、定常状態では、回転子の温度と同じである。ま
た、回転子の温度を変えるためには固定子の温度を回転
子の温度の特性についての基準として用いることができ
る。
【0092】Schierlingの誘導電動機の識別
アルゴリズムに代わるアルゴリズムを以下に示す。
【0093】C.誘導機のパラメータ識別 1.機械モデル この識別アルゴリズムは、W.Leonhard著『C
ontrol ofElectrical drive
s』、Springer−Verlag(Spring
er出版)、Berlin, Heidelberg,
New York, Tokyo(1985年)に記
載されているような周知の誘導電動機モデルとは若干異
なる誘導電動機モデルに基づいている。以下の数式は本
発明で使用するモデルを示すものである。これらの数式
から、軸(a)および(b)を有する座標系を使用した
固定子固定座標における静止状態での誘導電動機がどの
ようなものか分かる。ここで、(a)は直線R、S、T
を有する三相電動機についての相のうちの1つの電動機
相Rを示す。
【0094】
【数27】
【0095】
【数28】
【0096】このモデルは逆変換回路制御式昇降機の駆
動制御装置を調節するために利用することもできる。数
式27および28に示されるように、完全モデルを説明
するために使用するパラメータは4つある。これらのパ
ラメータは、固定子の抵抗R1、回転子の時定数τ2、全
漏れインダクタンスLσ、そして従来のモデルでは使わ
れていないがこれら3つのパラメータから誘導できるパ
ラメータLRである。LR=LH 2/R2であって、LHはメ
インインダクタンス、R2は回転子の抵抗である。等価
回路を図4に示す。
【0097】全漏れインダクタンスLσについては、本
発明の一部ではないがH.Schierling著、博
士論文1987第61〜65頁『Self−Commi
ssioning−−A Novel Feature
of Modern Inverter−Fed I
nduction Motor Drives』、Si
emens AG(西ドイツ)およびH.Schier
ling著『Selbsteinstellendes
and selbstanpassendes An
triebsregelsystem fur die
Asynchronmaschine mit Pu
lsqechselrichter』(Technic
al University of Darmstad
t,西ドイツ)に記載されているアルゴリズムを利用し
て識別する。
【0098】2.全漏れインダクタンスLσの識別 数式27においてi1a=0およびΨ2a B=0に設定する
と、以下の数式29が得られる。
【0099】
【数29】
【0100】これらの前提条件のもとで、電動機電圧と
電流の偏差から全漏れインダクタンスを算出することが
できる。さて、低電圧域におけるパルス制御式逆変換回
路の上述したような誤差をなくすために、>100Vの
範囲の高電圧を電動機に印加しなければならないので実
際の設定電圧は所望の値に対応する。電流は極めて急速
に高くなるので測定時間は短く、Ψ2a B=0はほぼ満た
される。もう1つの条件であるi1a=0を満たすため
に、電流のゼロ交点で測定を行う。
【0101】この測定を実際に行い得るのは、図14に
示すように印加電圧とこの電圧によって生じる電動機電
流の存在する時間内になる。
【0102】時刻t0において、正の電圧がa方向に電
動機に印加される。時刻t1において電流は予め定めら
れた限界値に達する。この限界値は電動機の定格電流に
よって変わるが、安全上の理由から0.5Iratedまで
に制限されている。続いて電圧は0まで降下し、誘導機
の電流は周波数変換器の中間コンデンサを介して放電さ
れる。コンデンサにおける電圧の上昇は吸収エネルギす
なわち電動機の吸収エネルギE=0.5i2Lおよびコ
ンデンサの吸収エネルギE=0.5(U+dU)2Cに
基づいて算出することができる。
【0103】無負荷状態について見ると、中間回路電圧
U=540Vであり、全漏れインダクタンスは、ここで
用いた電動機におけるC=1mFで最大30mHにな
る。また、電圧上昇Ud=2.78V=0.5%が得ら
れる。これは十分許容できる値である。
【0104】次に、時刻t2において、負の電圧Uaが電
動機に印加される。電流はもう1つの予め定められた負
の限界値まで降下する。これによって電圧は再び0にな
り、インダクタは放電し、全漏れインダクタンスの識別
は終了する。時刻t2とt3の間に、電動機電流のゼロ交
点が検出される。このゼロ交点近辺のある時間dtにつ
いて電動機の電流を決定し、そこから全漏れインダクタ
ンスLσ=U2dt/di2を求める。
【0105】本発明では残りのパラメータR1、τ2、L
Rを求めるための識別アルゴリズムについても説明す
る。このアルゴリズムは、電動機の固定子電圧および固
定子電流が全て定常状態にある時に効を奏する。固定子
の電流および電圧が定常値にあるということは、単に電
流および電圧を印加してこれがなくなるまで遷移させる
には十分であると思われるだけの時間待っているだけで
簡単に確認することができる。
【0106】3.残りのパラメータの識別 周波数変換器を用いることで大きさおよび方位に基づい
て電圧フェーザ(phaser)を予め設定することができ
る。従って、周波数変換器に供給される定格電圧フェー
ザを適当に変化させることで識別に必要な周波数ωの出
力周波数変換器ac電圧U1aを達成することができる。
しかしながら、周波数変換器内で発生する作用(最小起
動時間、むだ時間)の影響で、実際に設定される出力電
圧対所望の公称値の基本波に位相のシフトが起こる。低
電圧では、この位相シフトはここで使用した周波数変換
器については5〜10°に達する。したがって、くどい
ようではあるが公称電圧を識別用の基準値として使用す
ることは不可能である。
【0107】この問題に対する解決策の1つとして、電
動機に図15に示すように正弦電圧U1aではなく方形波
を供給すればよい。
【0108】図15に示す矩形の固定子電圧U1aは電動
機が静止状態にある時に供給する。電動機がトルクを発
生せず止まったままでいるようにするために、もう1つ
の固定子電圧成分U1bはゼロに設定しておく。固定子の
電圧曲線は基本波ωと高調波とからなる。ωは時間T
(図1参照)からω=2π/Tによって導かれる。
【0109】図16は、図15の固定子電圧u1aから得
られる電動機の固定子電流i1aを示す。固定子電流i1a
の曲線はu1aの正負によって増減される指数関数からな
る。
【0110】図17は、tanφを算出する本発明の一
部を示す。角度φは電動機の固定子電圧の基本周波数と
固定子電流との間の位相角を意味する。tanφは本発
明のさらに他の部分で使用する。逆変換回路(3)は基
本波ω1(4)の所望の固定子電圧を誘導電動機(5)
に供給する。固定子電圧は図1に示すものと同一であ
る。A/D変換器(7)を利用して時間Tで電動機の固
定子電流(6)をサンプリングしてブロック(8)およ
び(9)に供給する。ブロック(8)は、以下の数式3
0に基づいて値ycを算出する。
【0111】
【数30】
【0112】数式30において、i1a[k]はi1aをサ
ンプリングした値である。次にサンプリングされる値は
1a[k+1]というふうになっていく。最初の値はi
1a[0]である。最後の値はi1a[T/tclock−1]
である。ブロック(8)の出力はycosであり、ycの最
終値に等しい。すなわち、以下の数式31が得られる。
【0113】
【数31】
【0114】このように数式30および数式31は、時
間的に連続した式の離散形態になっている。
【0115】
【数32】
【0116】ifund:i1a(t)の基本周波数の振幅 数式32は以下のようにして導き出される。
【0117】ブロック(9)はブロック(8)での動作
と同じようにして、数式33、34、35に基づいてy
sin の値を算出する(数式30、31、32参照)。
【0118】
【数33】
【0119】
【数34】
【0120】
【数35】
【0121】ブロック(16)は除算を含む。このブロ
ックは数式36に基づいてtanφを算出する。
【0122】
【数36】
【0123】図18参照。全手順をn回実行する。ここ
で、nは図1において説明したような固定子の電圧曲線
を電動機に供給する毎に得られるサンプルの数である。
基本周波数ωの値は毎回変化する。従って、全繰り返し
の結果は、基本周波数ωと適当なtanφの値のn対か
らなる集合であり、以下の数式37のように表すことが
できる。
【0124】
【数37】
【0125】本願明細書の以下の説明は、実測値Lσ
よび数式37を使用して残りの電動機のパラメータ
1、LRおよびτ2を推定するアルゴリズムを示すもの
である。定常状態の場合には、電動機モデル(数式2
7、28)から数式38のようにして固定子の複素イン
ピーダンスZ(ω)を導き出すことができる。
【0126】
【数38】
【0127】インピーダンスZ(ω)の実成分および仮
想成分は以下の数式39で示すようになる。
【0128】
【数39】
【0129】さらに変換すると以下の数式40のように
なる。
【0130】
【数40】
【0131】インピーダンス量|Z(ω)|の仮想部分
はゼロである(この量は実数である)ので、以下の数式
41が得られる。
【0132】
【数41】
【0133】数式38を数式41に代入し、R(ω)お
よびX(ω)を数式27および28のパラメータに置き
換えると、非線形式として以下の数式42が得られる。
【0134】
【数42】
【0135】この数式42は以下の数式43〜57に示
すようにして得たものである。
【0136】
【数43】
【0137】
【数44】
【0138】
【数45】
【0139】
【数46】
【0140】
【数47】
【0141】
【数48】
【0142】
【数49】
【0143】
【数50】
【0144】
【数51】
【0145】
【数52】
【0146】
【数53】
【0147】
【数54】
【0148】
【数55】
【0149】
【数56】
【0150】
【数57】
【0151】この数式47は数式37のn動作点につい
て書き替えることができる。書き替えによって得られる
結果は以下の数式58に示すようなn個の非線形式にな
る。
【0152】
【数58】
【0153】数式58に示す式において、パラメータL
σ、tanφおよびωは分かっており、パラメータ
1、LR、τ2が抜けている。これらの足りないパラメ
ータは数式42を満たさなければならない。実際には、
σおよびtanφには測定誤差があるため数式42に
示す条件f(R1,LR,τ2)=0を正確に満たすこと
は不可能である。
【0154】また、ここでは測定による影響の他にも機
械モデルの設定時の抜けなども原因となる。従って、足
りないパラメータは数式42を正確に満足させるのでは
なく近似させるのである。有効な近似値についての判定
基準はf(R1,LR,τ2)の二乗の最小化である(最小
二乗法)。すなわち、以下の数式59のようになる。
【0155】
【数59】
【0156】最小二乗法によって、1つ前のパラメータ
集合(R1,LR,τ2)[k]から新しいパラメータ集
合(R1,LR,τ2)[k+1]を算出するための繰り
返しパターンを構築することができる。推定した初期値
(R1,LR,τ2)[0]がR1、LR、τ2を近似するの
に適したものであれば、このアルゴリズムは足りないパ
ラメータR1,LR,τ2に収束する。
【0157】これらのパラメータを図18に示すように
昇降機の電動機駆動装置に供給する。ベクトル制御用に
は、回転子の時定数を速度制御装置に供給する。
【0158】上述した実施例には本発明の趣旨および範
囲を逸脱することなく様々な修正を加えることができ
る。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下のような効果が得られる。
【0160】(a)十分に適合したベクトル制御によっ
て移動時間を短縮し、かつ快適な乗り心地を達成でき
る。
【0161】(b)固定子の電圧を測定せずに回転子の
時定数を得ることができる。
【0162】(c)アルゴリズムを直線上で発揮でき、
余計な移動時間の原因となる時間的な遅れはなくなる。
【0163】(d)ITrefおよびarefの算出に実行中
にほんのわずかな計算時間を加えるだけでよく、殆どの
計算は静止時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Tref対Tmのグラフである。
【図2】Tref対ωref〜ωのグラフである。
【図3】本発明のブロック図である。
【図4】誘導電動機等価回路である。
【図5】ITref対Ifluxのグラフである。
【図6】ベクトル制御式誘導電動機のブロック図であ
る。
【図7】ITref対arefのグラフである。
【図8】A対Bのグラフである。
【図9】A対Bのグラフである。
【図10】本発明を説明するためのブロック図である。
【図11】初期化方法において使用する回路のブロック
図である。
【図12】初期化方法において使用する回路のブロック
図である。
【図13】回転子の推定時定数τ′2および固定子温度
(℃)対昇降機の数を示すグラフである。
【図14】誘導電動機の全漏れインダクタンスLσの識
別に使用する固定子の電流および電圧波形を示すグラフ
である。
【図15】回転子の時定数τ2、回転子の抵抗R1および
パラメータLRを識別するために使用する固定子の電圧
を示すグラフである。
【図16】回転子の時定数τ2、回転子の抵抗R1および
パラメータLRを識別するために使用する固定子の電流
を示すグラフである。
【図17】タンジェントφ対固定子周波数ωのグラフで
ある。
【図18】タンジェントφを得るための回路のブロック
図である。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルク電流基準値の2つの値と加速度基
    準値の2つの値をサンプリングし、 前記加速度基準値と前記トルク電流基準値との間の無負
    荷時の線形関係の勾配を求め、 前記勾配を回転子の実時定数に関する理想勾配から減算
    して差動信号を得、 前記差動信号に応答して回転子の推定時定数を得る昇降
    機駆動用誘導電動機回転子の推定時定数供給方法。
  2. 【請求項2】 昇降機の駆動装置が回転子の時定数の実
    際の値に応答する時には、前記理想勾配は前記勾配の値
    になるため、前記理想勾配は前記回転子の実時定数に関
    連している請求項1記載の誘導電動機用回転子の推定時
    定数供給方法。
  3. 【請求項3】 電動機トルクを得、 トルク基準値を得、 前記電動機トルクと前記トルク基準値との間の線形関係
    の勾配の回転子理想時定数に関する理想勾配からの変動
    量を示す信号を得、 前記信号に応答して回転子の推定時定数を得る昇降機駆
    動用誘導機回転子の推定時定数供給方法。
  4. 【請求項4】 トルク電流基準値によって前記トルク基
    準値を近似的に得る請求項1記載の誘導電動機用回転子
    の推定時定数供給方法。
  5. 【請求項5】 トルク電流基準値によって前記トルク基
    準値を近似的に得る請求項3記載の誘導電動機用回転子
    の推定時定数供給方法。
  6. 【請求項6】 加速度基準値および負荷トルクの符号に
    応答して前記電動機トルクを近似的に得る請求項1記載
    の誘導電動機用回転子の推定時定数供給方法。
  7. 【請求項7】 加速度基準値および負荷トルクの符号に
    応答して前記電動機トルクを近似的に得る請求項3記載
    の誘導電動機用回転子の推定時定数供給方法。
  8. 【請求項8】 前記勾配は誘導機が無負荷状態の時に得
    られる請求項1記載の誘導電動機用回転子の推定時定数
    供給方法。
  9. 【請求項9】 前記勾配は誘導機が無負荷状態の時に得
    られる請求項3記載の誘導電動機用回転子の推定時定数
    供給方法。
  10. 【請求項10】 昇降機の駆動装置が回転子の時定数の
    実際の値に応答する時には、前記理想勾配は前記勾配の
    値になるため、前記理想勾配は前記回転子の実時定数に
    関連している請求項1記載の誘導電動機用回転子の推定
    時定数供給方法。
  11. 【請求項11】 昇降機の駆動装置が回転子の時定数の
    実際の値に応答する時には、前記理想勾配は前記勾配の
    値になるため、前記理想勾配は前記回転子の実時定数に
    関連している請求項3記載の誘導電動機用回転子の推定
    時定数供給方法。
  12. 【請求項12】 負荷トルクが0より大きい時には前記
    信号は第1の値となり、負荷トルクが0未満の時には前
    記信号は第2の値となる請求項1記載の誘導電動機用回
    転子の推定時定数供給方法。
  13. 【請求項13】 負荷トルクが0より大きい時には前記
    信号は第1の値となり、負荷トルクが0未満の時には前
    記信号は第2の値となる請求項3記載の誘導電動機用回
    転子の推定時定数供給方法。
  14. 【請求項14】 トルク電流基準値をサンプリングする
    ための手段と、 加速度基準値をサンプリングするための手段と、 前記誘導機が無負荷状態の時の前記トルク電流基準値と
    前記加速度基準値との間の線形関係の勾配を得るための
    手段と、 前記無負荷状態の勾配を回転子の実時定数に関連した理
    想無負荷勾配から減算して差動信号を供給する加算器
    と、 前記差動信号に応答して回転子の推定時定数を供給する
    ための手段と、を有する誘導機用回転子の時定数供給装
    置。
  15. 【請求項15】 前記手段は比例積分回路である請求項
    14記載の装置。
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