JPH06321686A - 金属原子をドープした炭素クラスター化合物の新規製造法 - Google Patents

金属原子をドープした炭素クラスター化合物の新規製造法

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JPH06321686A
JPH06321686A JP6030961A JP3096194A JPH06321686A JP H06321686 A JPH06321686 A JP H06321686A JP 6030961 A JP6030961 A JP 6030961A JP 3096194 A JP3096194 A JP 3096194A JP H06321686 A JPH06321686 A JP H06321686A
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JP
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metal
carbon cluster
single crystal
org
solvent
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JP6030961A
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Hiroshi Moriyama
廣思 森山
Hayao Kobayashi
速男 小林
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Fujifilm Wako Pure Chemical Corp
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Wako Pure Chemical Industries Ltd
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  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】金属有機酸塩と炭素クラスターをそれぞれ可溶
性有機溶媒中に溶解し、二液を合せて激しく攪拌若しく
は超音波照射により激しく混合するか、二液を接触させ
た状態で静置拡散させるか、又は電解結晶成長法により
当該化合物の単結晶を析出させることを特徴とする、金
属原子をドープした炭素クラスター化合物の製造方法。 【効果】本方法はスケールアップが可能であり、半導体
材料や伝導材料ないしは超伝導材料として期待される金
属ドープ炭素クラスター化合物の大量製造にも適した画
期的製造方法といえる。従来法では不均質な材料しか得
られていない点をみても、高品位で均質な金属ドープ炭
素クラスター化合物が得られる本製造方法はきわめて優
れた方法であり、また生産性の向上やプロセスのコスト
ダウンが可能となるため、工業的かつ実用的価値の大な
るものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体特性や伝導特性
ないしは超伝導特性を示すことから、とりわけエレクト
ロニクス分野での応用や利用が期待されている、金属原
子をドープした炭素クラスター化合物の湿式化学的法に
よる新規な製造方法に関するものである。
【従来の技術】1985年にはじめてその存在が明らか
になったC60に代表される炭素クラスター化合物は、1
990年にアーク放電法による大量合成製造法が見出さ
れて以来、物理・化学方面の研究が爆発的に進展してい
る。とりわけアルカリ金属,アルカリ土類金属をドープ
したものは伝導性ないしは超伝導性を示すことから物性
的に非常に興味がもたれており、将来的には新規半導体
材料や伝導材料ないしは超伝導材料としてエレクトロニ
クス分野などでの応用も期待されている。しかしなが
ら、この作製方法は従来、アルカリ金属,アルカリ土類
金属を高真空下で高温で蒸発させ、同じく蒸気とした炭
素クラスターと基板上に凝縮させる化学蒸着法(CV
D)やイオンクラスタービーム法(ICB)によってお
り、得られる物質の形態は微細固体ないし薄膜材料に限
定されていた。また、このものは非常に空気に敏感であ
り、またこの作製法で組成を正確に制御することは著し
く困難であるため、物性制御はきわめて難しい課題であ
った。真空技術ならびに装置技術の改良により該薄膜作
製技術は日々進歩しているとはいえ、高価な真空装置を
用いるため、一般的な工業化には適さず、技術のブレー
クスルーが求められていた。最近はVapour-Transport法
により単結晶のC60が得られるようになったため、アル
カリ金属蒸気をこれにドープすることにより、薄膜材料
以外の超伝導材料がバルクとして得られるようになっ
た。また、アルカリ金属源としてアジド化合物(例えば
NaN3など)を用いる方法が好まれるようになってき
た。しかしながら、組成的に均一なものが得られるため
には、ドープとアニールの操作を繰り返すなど、著しく
煩雑な手順が必要とされ、再現性ある結果を得るには大
きな困難が伴った。
【0002】
【発明が解決しようとする問題点】新規半導体や超伝導
体として期待されるアルカリ金属,アルカリ土類金属を
ドープした炭素クラスター化合物は、物性発現のために
結晶構造の微妙な制御のためには厳密な処理が必要とさ
れる。しかしながら現実には、該物質の製造過程は真空
装置の微妙なコントロールや原料の高純度化をはじめと
して多くの問題点を抱えている。また上記のようにドラ
イプロセスによる製造方法では、CVD装置などの製造
装置のコントロールが微妙であるため、薄膜表面に多数
のボイドやクラックなどが生成しやすく、良質の薄膜を
製造するには技術的にかなり難しい要素がある。薄膜の
製造方法としては、このほかスパッタリング法やイオン
クラスタービーム法などがあるが、これらの方法では高
真空・高電圧を発生する特殊な装置が付加的に必要であ
り、また気化しにくい物質は扱いにくいという問題点が
あった。また、単結晶性のC60を使用しても、アルカリ
金属やアルカリ土類金属をドープする過程はドライプロ
セスであるため、該生成物質が高品位の単結晶性物質で
ある保証はなく、試料の不均一性は免れることができな
かった。溶液法による該物質製造の試みとしては、米国
アルゴンヌ研究所のグループによるKxC60[Inorg.Che
m.,30,2838(1991)]、RbxC60[Inorg.Chem.,30,
2962(1991)]の二例が報告されているが、金属カリウム
ないしは金属ルビジウムを使用するために、反応は不均
一系で進行し、未反応の金属カリウムや金属ルビジウム
が生成物質に混入してしまう欠点があり、純粋なものは
得られていない。実際に超伝導相はわずか1〜3%であ
り、しかもこの方法で単結晶を得られる見込みはない。
【0003】
【問題点を解決するための手段】本発明者らは上記問題
点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、湿式化学的単結
晶育成法により、金属原子をドープした炭素クラスター
化合物を製造する方法を見出し、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、金属有機酸塩と炭素クラスター
をそれぞれ可溶性有機溶媒中に溶解し、二液を合せて不
活性ガス気流下で激しく攪拌混合するか、又は超音波照
射により激しく混合することによって当該化合物の微細
単結晶を析出させることを特徴とする、金属原子をドー
プした炭素クラスター化合物の製造方法(以下混合法と
略称する。)の発明である。また、本発明は、金属有機
酸塩と炭素クラスターをそれぞれ可溶性有機溶媒中に溶
解し、二液を接触させた状態で静置拡散させることによ
り、二液界面から当該化合物の単結晶を析出させること
を特徴とする、金属原子をドープした炭素クラスター化
合物の製造方法(以下拡散法と略称する。)の発明であ
る。更に、本発明は、金属有機酸塩と炭素クラスターを
溶解した有機溶媒中で、電解結晶成長法によりカソード
側で当該化合物の単結晶を成長させることを特徴とす
る、金属原子をドープした炭素クラスター化合物の製造
方法(以下電解法と略称する。)の発明である。
【0004】本発明で用いられる金属有機酸塩として
は、例えば各種金属のギ酸塩や酢酸塩等のカルボン酸
塩、金属アセチルアセトナト塩、金属テトラキス(アセ
トニトリル)塩、金属テトラフェニルホウ酸塩等極性を
もつ有機溶媒に可溶な塩が挙げられるが、なかでも金属
テトラフェニルホウ酸塩が特に好ましく用いられる。金
属テトラフェニルホウ酸塩の内、ナトリウム塩は市販品
があるのでそれをそのまま用いれば良い。また、他の金
属塩の場合は例えば、水を溶媒として、市販のテトラフ
ェニルホウ酸ナトリウム(NaB(C6H5)4)を所望
の金属のハロゲン化物の過剰量とカチオン交換反応によ
り反応させ、生成した目的の金属テトラフェニルホウ酸
塩の結晶を濾取、乾燥する等により容易に得られるの
で、そのようにして得られたものを用いることで足り
る。本発明の方法により炭素クラスターとドープし得る
金属原子としては1A属(アルカリ)金属(Li、N
a、K、Rb、Cs、Fr)、2A属(アルカリ土類)
金属(Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra)、3B属
遷移金属(Sc、Y)、ランタノイド属(La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu)、アクチノイド属(A
c、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、
Cf、Es、Fm、Md、No、Lr)、4B属遷移金
属(Ti、Zr、Hf)、5B属遷移金属(V、Nb、
Ta)、6B属遷移金属(Cr、Mo、W)、7B属遷
移金属(Mn、Tc、Re)、8B属遷移金属(Fe、
Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)、
1B属遷移金属(Cu、Ag、Au)、2B属遷移金属
(Zn、Cd、Hg)、3A属典型金属(Al、Ga、
In、Tl)、4A属典型金属(Ge、Sn、Pb)、
5A属典型金属(Sb、Bi)、6A属典型金属(P
o)等が挙げられる。また、非金属性の高いB、Si、
P、As、Se、Te等に関しても、本発明の方法によ
れば、ドープ原子とすることが可能である。
【0005】本発明で用いられる炭素クラスターとして
は、C60、C70など一連のフラーレン化合物が挙げられ
る。これらは市販品があるので、それをそのまま使用し
ても良いし必要に応じてカラムクロマトグラフィー等に
より精製して使用しても良い。 金属有機酸塩を溶解さ
せる有機溶媒は、金属有機酸塩の特性により自ら異なる
が、例えばテトラヒドロフラン(THF)等、極性をも
つ有機溶媒の単独又はこれと他の有機溶媒との混合溶媒
等が好ましく用いられる。また、炭素クラスターを溶解
させる有機溶媒は使用する炭素クラスターを溶解し得る
溶媒であれば何れにても良いが、例えば芳香族系の非極
性溶媒、特にクロロベンゼン等が単独で又は他の有機溶
媒との混合溶媒の形で通常好ましく用いられる。尚、金
属有機酸塩を溶解させる有機溶媒と炭素クラスターを溶
解させる有機溶媒は同種であっても異種であっても何れ
にても良い。本発明の混合法に於て用いられる不活性ガ
スとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。
攪拌混合時又は超音波照射混合時の温度は通常室温で行
われるが、必要に応じて冷却する等は任意である。反応
時間は反応のスケール等によって自ら異なり一定しない
が、攪拌混合の場合は通常数十分乃至数十時間、また、
超音波照射の場合は通常、数分乃至数時間である。尚、
攪拌混合は不活性ガス気流下、攪拌装置を用いて攪拌す
る方法が一般的であるが、攪拌装置を使用せずに不活性
ガスによるバブリング攪拌でこれに代えることも可であ
る。
【0006】本発明の拡散法に於て、単結晶を析出させ
るに要する静置時間は、化合物により若干異なるが、通
常1〜数十日を要する。本発明の電解法は定電流電解、
定電圧電解の何れにてもその目的を達成し得る。電解反
応時の好ましい電流密度等は使用する金属有機酸塩の種
類及び組み合せる炭素クラスターの種類等により自ら異
なるので目的化合物に合せて適宜選択すれば良い。電極
はカソード側、アノード側共に通常、白金電極、或は白
金,酸化ルテニウム等の貴金属やその酸化物をチタン上
にメッキし、或はコーティングした所謂金属電極等が好
ましく用いられる。
【0007】
【作用】本発明の基本的反応は、有機溶媒可溶の種々の
金属有機酸塩を金属イオン供給源として用い、これらの
金属イオン生成に伴う酸化反応によって、電子親和力の
強い炭素クラスターを化学的に還元することにより、均
質で高品位な金属イオンをドープした炭素クラスター化
合物の単結晶を湿式化学的に育成するものである。生成
する金属ドープされた炭素クラスター化合物の単結晶の
大きさは混合法< 拡散法 < 電解法の順である。液相
均一系中、三次元的な反応場で分子同士の酸化還元反応
が極めて速やかに起こるため、生成物質の均質性は著し
く高い。
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれら実施
例により何ら限定されるものではない。
【0008】実施例1 窒素ガス雰囲気下、H型ガラス製拡散セルを用い、市販
のテトラフェニルホウ酸ナトリウム 50mgをTHF
13mlに溶解し、これにC60 10mgのクロロベン
ゼン溶液(26ml)を静かに滴下した。数日後二液の
混合界面から黒色の針状単結晶が成長し始め、1カ月ほ
どで溶液の紫色は完全に消失し、黄色溶液に変った。こ
のことから、反応はほぼ定量的に進行していることが判
った。成長した針状結晶を濾取し、n-ヘキサンで洗浄後
乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な単結晶であること
が認められた。(収率 88%)。元素分析の結果を以
下に示す。 元素分析値(NaxC60) 実測値(%) C:85.81 H:0.97 N:0 計算値(%) x=1 C:96.91 x=3 C:91.26 x=6 C:83.93 NaxC60ではxが1,3,6のものが知られている。
実測値のC%からするとx=6の方が近そうであるが、
Cは、フラーレンでは必ず低い値が出るので(ススは燃
えない)、x=3であろうと考えられたが、1H,13C
の固体NMRの測定結果から、THFが結晶溶媒として
存在していることが明らかとなり、組成はNaxC
60(THF)y(0<x≦0.5,0<y≦3)の形に表
されることが判った。ESRスペクトル(装置:JEO
L−FE1X、条件:マイクロ波パワー 50mW,モ
ジュレーション 2G)を図1に、SEM写真を図2
に、またIRチャートを図3に夫々示す。ESRスペク
トルのシグナルのg値は g=1.999、線巾は約35
Gであった。このことはC60アニオンラジカルの存在を
示唆している。[J.Am.Chem.Soc.,113,2780(1991)及
びJ.Am.Chem.Soc.,115,1185(1993)の値と一致]ま
た、伝導度(直流4端子法による)の測定を単結晶試料
について行った結果、室温から100K近傍まで金属な
いし半導体であり、170K近傍に金属−金属転移があ
り、伝導度がさらに1桁以上向上することが判った。 (図4)本実施例に於けるNaxC60(THF)yの結
晶成長の写真を図5に示す。
【0009】実施例2 窒素ガス雰囲気下、市販のテトラフェニルホウ酸ナトリ
ウム30mgをTHF5mlに溶解し、C60 5mgの
クロロベンゼン溶液(10ml)と混合して、窒素ガス
を約20分間バブリングしたところ紫色溶液中に黒色懸
濁物の生成が認められた。これを濾取し、n-ヘキサンで
洗浄後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な単結晶であ
ることが認められ、元素分析、ESR、SEM及びIR
の結果からNaxC60(THF)yであることが確認さ
れた。(収率 80%)
【0010】実施例3 窒素ガス雰囲気下、市販のテトラフェニルホウ酸ナトリ
ウム 30mgをTHF 5mlに溶解し、C60 5mg
のクロロベンゼン溶液(10ml)と混合して、この容
器に超音波を5分間照射すると紫色溶液中に黒色懸濁物
の生成が認められた。これを濾取し、n-ヘキサンで洗浄
後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な単結晶であるこ
とが認められ、元素分析、ESR、SEM及びIRの結
果からNaxC60(THF)yであることが確認され
た。(収率 85%)
【0011】実施例4 窒素ガス雰囲気下、H型ガラス製電解セルを用い、市販
のテトラフェニルホウ酸ナトリウム 30mgおよびC
60 5mgをクロロベンゼン/THF=2:1混合溶媒
15mlに攪拌溶解し、30分以上超音波によって攪拌
後、直流定電流(0.7μA)電解を行った。数時間後
に白金カソード上に黒色単結晶が成長し始めたが、さら
に1週間電解を続けた。成長した針状結晶を濾取し、n-
ヘキサンで洗浄後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な
単結晶であることが認められ、元素分析、ESRの結果
と合せてNaxC60(THF)yであることが確認され
た。(収率 52%)。以上の実施例のうち、電解法で
得られた単結晶がいちばん結晶性に優れており、X線結
晶構造解析に適した針状ないし柱状晶を得ることも可能
である。結晶は光沢をもつ黒色で大きなものは約0.3
x 0.3 x 1.0mm程度の大きさをもつ。X線四軸
自動回折計で得た格子定数はa=15.310、 c=
9.914オングストロームで六方晶系に属することを
示唆している。格子定数から約9.5オングストローム
のC60の玉をつめ込んだ構造が推定される。結晶は短時
間ならば空気中で操作できるほど安定である。直流四端
子法により電気伝導度を測定すると室温付近ではほぼ金
属的(σRT=50Scm-1)な伝導度を示すが、前述し
たように170K近傍に金属−金属転移があり、100
K付近では1000Scm-1にのぼる伝導性を有するよ
うになる。さらに低温でのふるまいにはサンプル依存性
がある。また、ESRスペクトルの測定から、何れもC
60アニオンラジカルの存在が確認された。
【0012】実施例5 窒素ガス雰囲気下、H型ガラス製拡散セルを用い、テト
ラフェニルホウ酸カリウム(市販のテトラフェニルホウ
酸ナトリウムと塩化カリウムから常法により合成) 5
0mgをTHF 13mlに溶解し(一部懸濁)、これ
にC60 10mgのクロロベンゼン溶液(26ml)を
静かに滴下した。数日後二液の混合界面から黒色の針状
単結晶が成長し始めた。成長した針状結晶を濾取し、n-
ヘキサンで洗浄後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な
単結晶であることが認められ、X線構造回析、ESRの
結果からKxC60(THF)yであることが確認され
た。(収率 65%)。得られた化合物(KxC60(TH
F)y)の結晶成長の写真を図6に示す。
【0013】実施例6 窒素ガス雰囲気下、H型ガラス製拡散セルを用い、テト
ラフェニルホウ酸バリウム(市販のテトラフェニルホウ
酸ナトリウムと塩化バリウムから常法により合成) 5
0mgをTHF 13mlに溶解し(一部懸濁)、これ
にC60 10mgのクロロベンゼン溶液(26ml)を
静かに滴下した。数日後二液の混合界面から黒色の針状
単結晶が成長し始めた。成長した針状結晶を濾取し、n-
ヘキサンで洗浄後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な
単結晶であることが認められ、ESRの結果からC60ア
ニオンラジカルの存在が確認された。(収率 30
%)。得られた化合物(BaxC60(THF)y)の結
晶成長の写真を図7に示す。
【0014】実施例7 窒素ガス雰囲気下、H型ガラス製拡散セルを用い、テト
ラフェニルホウ酸リチウム(市販のテトラフェニルホウ
酸ナトリウムと塩化リチウムから常法により合成) 5
0mgをTHF 13mlに溶解し(一部懸濁)、これ
にC60 10mgのクロロベンゼン溶液(26ml)を
静かに滴下した。数日後二液の混合界面から黒色の針状
単結晶が成長し始めた。成長した針状結晶を濾取し、n-
ヘキサンで洗浄後乾燥した。この物質は顕微鏡で微細な
単結晶であることが認められ、ESRの結果からC60ア
ニオンラジカルの存在が確認された。(収率 70
%)。得られた化合物(LixC60(THF)y)の結
晶成長の写真を図8に示す。
【0015】
【発明の効果】これまで金属ドープ炭素クラスター化合
物が単結晶として得られた例はなく、本発明による湿式
化学的単結晶育成法は金属ドープ炭素クラスター化合物
に関する物性研究に多大のブレークスルーをもたらすも
のと考えられる。また、本方法はスケールアップが可能
であり、半導体材料や伝導材料ないしは超伝導材料とし
て期待される金属ドープ炭素クラスター化合物の大量製
造にも適した画期的製造方法といえる。従来法では不均
質な材料しか得られていない点をみても、高品位で均質
な金属ドープ炭素クラスター化合物が得られる本製造方
法はきわめて優れた方法であり、また生産性の向上やプ
ロセスのコストダウンが可能となるため、工業的かつ実
用的価値の大なるものである。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られたNaxC60(TH
F)yのESRスペクトルを示す。
【図2】図2は実施例1で得られたNaxC60(TH
F)yのSEM写真を示す。
【図3】図3は実施例1で得られたNaxC60(TH
F)yのIRチャートを示す。
【図4】図4は実施例1で得られたNaxC60(TH
F)yの抵抗値の温度変化を示す。
【図5】図5は実施例1に於けるNaxC60(THF)
yの結晶成長の写真である。
【図6】図6は実施例5に於けるKxC60(THF)y
の結晶成長の写真である。
【図7】図7は実施例6に於けるBaxC60(THF)
yの結晶成長の写真である。
【図8】図8は実施例7に於けるLixC60(THF)
yの結晶成長の写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】 図2は実施例1で得られたNaXC
60(THF)yの結晶構造を示すSEM写真(走査型
電子顕微鏡写真)である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属有機酸塩と炭素クラスターをそれぞれ
    可溶性有機溶媒中に溶解し、二液を合せて不活性ガス気
    流下で激しく攪拌混合するか、又は超音波照射により激
    しく混合することによって当該化合物の微細単結晶を析
    出させることを特徴とする、金属原子をドープした炭素
    クラスター化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】金属有機酸塩と炭素クラスターをそれぞれ
    可溶性有機溶媒中に溶解し、二液を接触させた状態で静
    置拡散させることにより、二液界面から当該化合物の単
    結晶を析出させることを特徴とする、金属原子をドープ
    した炭素クラスター化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】金属有機酸塩と炭素クラスターを溶解した
    有機溶媒中で、電解結晶成長法によりカソード側で当該
    化合物の単結晶を成長させることを特徴とする、金属原
    子をドープした炭素クラスター化合物の製造方法。
JP6030961A 1993-03-15 1994-02-02 金属原子をドープした炭素クラスター化合物の新規製造法 Withdrawn JPH06321686A (ja)

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JP2023024496A (ja) * 2017-02-21 2023-02-16 シーツーシーエヌティー エルエルシー ドープカーボンナノマテリアルを生成する方法とシステム

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