JPH06324043A - 粒子状キャリヤー物質での免疫試験におけるフック作用 の低減 - Google Patents

粒子状キャリヤー物質での免疫試験におけるフック作用 の低減

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JPH06324043A
JPH06324043A JP6052117A JP5211794A JPH06324043A JP H06324043 A JPH06324043 A JP H06324043A JP 6052117 A JP6052117 A JP 6052117A JP 5211794 A JP5211794 A JP 5211794A JP H06324043 A JPH06324043 A JP H06324043A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 サンプル液中の結合性分析対象物を測定する
ための簡単な免疫沈降法であって、フック作用による妨
害を回避及び/又は防止できる方法を提供する。 【構成】 分析対象物に特異的に結合することができか
つサンプル液中に存在する粒子状キャリヤー物質上に固
定されたレセプターR1 に該分析対象物を結合させるこ
とにより、該サンプル液中の該分析対象物を測定する方
法であって、該サンプル液が更に該分析対象物に特異的
に結合することができかつ該分析対象物のための少なく
とも2つの結合部位を有する可溶性レセプターR2 を含
有する方法。該方法を実施するための試薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サンプル液中の結合性
分析対象物を測定する方法であって、該分析対象物に特
異的に結合することができかつ該サンプル液中に存在す
る粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプターに該
分析対象物を結合させることによる方法、及びかかる方
法を行うための新規な試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】測定されるべき分析対象物を該分析対象
物に向けられた結合パートナー(例えば、抗体)と混合
する免疫沈降法はかなり以前から既知である。免疫反応
によって起こるこの凝集は、その散乱光の挙動が初期物
質の散乱光の挙動と異なる粒子の凝集塊をもたらし、か
くして分析対象物濃度の測定を可能にする。粒子の凝集
塊の光散乱は、散乱光の強度の測定(比濁法)並びに媒
体を通過する光の強度の減少量の測定(濁度法)による
分析対象物の定量的測定に利用される。分析対象物の濃
度は標準曲線を用いることによって定量できる。定量的
免疫沈降法の基本的問題は、分析対象物及びその結合パ
ートナーの濃度が同じときに最大値を有し、更に反応パ
ートナーを添加すると再度減少する反応曲線(ハイデル
ベルグ曲線)の形から生じている。この作用の結果、1
つの測定シグナルに対して2つの異なる分析対象物濃度
が得られ、これが分析対象物の測定を不正確なものにし
ているといえる。この作用は“フック作用 (hook effec
t)”と呼ばれている。サンプル液中の多くの分析対象
物、特にタンパク質の濃度はハイデルベルグ曲線の最大
値を越えることが多いので、フック作用による不正確な
測定が行われることが多い。この誤りを避けるために、
測定シグナルがハイデルベルグ曲線の上昇側にあるのか
下降側にあるのかをその測定において確認することが必
要である。
【0003】シュルツ(Schulze) 及びシュビック(Schwi
ch) (Proc. Biol. Fluids 5 (1958), 15-25)により、希
釈度の異なる2つのサンプルで二重測定を行う方法が記
載されており、分析対象物が過剰な場合には、より希釈
度の高いサンプルで濃厚なサンプルよりもより高い測定
シグナルが測定される。ティファニー(Tiffany) ら (Cl
in. Chem. 20 (1974), 1055-1061) は、サンプル液に抗
体を更に添加することを記載している。抗原が過剰に存
在するときはシグナルが増加する。既知濃度の抗原物質
の更なる添加によっても過剰な抗原の検出が可能になる
(スターンベルグ (Sternberg), Clin. Chem. 23 (197
7), 1456-1464) 。更に、コンピューター制御された複
雑な分析法によってフック作用が認識されるように想定
された幾つかの方法が記載されている(例えば、DE−
A−2724722、EP−B−0148463)。最
大反応速度に到達するまでの反応時間を測定することに
より、比濁法で抗原と過剰抗体を識別することが試みら
れている。
【0004】上に挙げた方法の欠点は、それらが複雑な
測定操作又は測定値の複雑な解析を必要とする点であ
る。免疫沈降操作における上記タイプの誤った解釈を避
けるよりよい方法は、フック作用の発生が完全に避けら
れるか又は生理学的条件下では存在しない分析対象物の
濃度範囲に移行するような程度にまでハイデルベルグ曲
線の形状を変化させることである。フック作用を低減す
るために、免疫試験において普通に存在する高度に特異
的な抗体のほかに、分析対象物に対する親和性が低い少
なくとも1つの抗体を更に含有するサンドイッチ及び比
濁免疫試験法が、米国特許第4,595,661号に記載さ
れている。この方法の欠点は、分析対象物に対する親和
性が有意に異なる2つの特異性抗体を、測定されるべき
それぞれの分析対象物について作らなければならない点
である。フック作用を低減する他の方法が、米国特許第
4,743,542号に記載されている。この操作では、標
識及び未標識リガンド結合パートナー(抗体)の存在下
でサンドイッチ試験が行われ、サンプル溶液中で分析対
象物が過剰になるのを未標識リガンド結合パートナーの
標識リガンド結合パートナーとの競合によって避けてい
る。この方法の欠点は、試験感度がかなり低下すること
である。
【0005】EP−A−0483512には、試験溶液
への非イオン性ポリマーの添加がフック作用の低減をも
たらし得ることが開示されている。比濁又は濁度免疫試
験法におけるシグナル強度を増加させるために、測定さ
れるべき分析対象物に向けられた結合パートナーでコー
ティングされた粒子状キャリヤー物質(例えば、ラテッ
クス粒子又は金ゾル)を用いることも既知である。該コ
ーティングされた粒子を分析対象物を含有するサンプル
と混合すると、粒子の凝集塊の発生によりサンプル液の
比濁又は濁度特性に定量可能な変化が生じる。かかる粒
子増幅試験法は、測定可能なシグナルを生じるのに必要
な凝集反応がより少なくて済むので、非増幅試験法より
もかなり感度がよい。しかしながら、かかる粒子増幅免
疫試験法においてさえも、フック作用の問題は以前とし
て存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、サンプル液中の結合性分析対象物を測定するための
簡単な免疫沈降法であって、フック作用による妨害を回
避及び/又は防止できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、分析対
象物に特異的に結合することができかつサンプル液中に
存在する粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプタ
ーR1 に該分析対象物を結合させることにより、該サン
プル液中の該分析対象物を測定する方法であって、該サ
ンプル液が該分析対象物に特異的に結合することができ
かつ該分析対象物のための少なくとも2つの結合部位を
有する可溶性レセプターR2 を更に含有することを特徴
とする方法によって達成される。本発明による方法にお
いては、サンプル液は、分析対象物に特異的に結合する
ことができかつ粒子状キャリヤー物質上に固定されたレ
セプターR1 を含有する。該固定化レセプターR1 は、
通常、分析対象物上の異なる抗原決定基(エピトープ)
に特異的に結合することができる少なくとも2つの異な
るレセプターR1a及びR1bから構成される。このように
して2つの異なるレセプターR1a及びR1bを用いる場
合、この方法は、2つの異なるキャリヤーであってレセ
プターR1aがその第1キャリヤー上に固定されておりレ
セプターR1bがその第2キャリヤー上に固定されている
キャリヤーの混合物で、又はレセプターR1a及びR1b
混合物が固定されている単一のキャリヤーで行われる。
しかしながら、この場合、測定されるべき分析対象物が
その表面上に免疫学的に同一の幾つかのエピトープを有
する場合は、2つの(又は2つを越える幾つかの)異な
るレセプターR1a及びR 1bを用いる必要はないことに留
意すべきである。というのは、この場合、単一のレセプ
ターR1 でも凝集を起こすことができるからである。
【0008】固定化レセプターR1 の好ましい例は、測
定されるべき分析対象物に向けられた抗体のFab断片
である。固定化レセプターR1 の更なる例は、モノクロ
ーナル抗体、抗体のF(ab')2 及びF(ab)2断片、
単一特異性ポリクローナル抗体又は抗原若しくは抗イデ
ィオタイプ抗体(測定されるべき分析対象物が抗体であ
る場合)又は分析対象物に高い親和性で特異的に結合す
ることができる他のレセプター(例えば、ストレプトア
ビジン、レクチン、プロテインA等)である。該固定化
レセプターR1 は、特に好ましくは、モノクローナル抗
体、単一特異性ポリクローナル抗体又はこれら抗体の断
片の少なくとも2つの混合物である。同じ抗原上の異な
るエピトープに向けられた抗体の産生は文献に詳細に記
載されており、例えば、コフラー (Kofler) ら, Am. J.
Reprod. Immumol. 2 (1982), 212-216 ;エールリッヒ
(Ehrlich) ら, Am. J. Reprod. Immumol. 8 (1985),48-
54 ;ノーマン (Norman) ら, J. Clin. Endocrinol. an
d Metab. 61 (1985),1031-1038及びノーマンら, J. Cli
n. Clin. Chem. (1987), 1147-1151がある。一般に、異
なる抗原決定基に向けられたかかる抗体は、特異性抗原
断片(例えば、オリゴペプチド)で実験動物を選択的に
免疫感作し、その後に既知の方法で該実験動物から抗体
を単離することによって得ることができる。
【0009】既知の方法を本発明と区別する特徴は、サ
ンプル液が分析対象物に特異的に結合することができか
つ分析対象物のための少なくとも2つの結合部位を有す
る可溶性レセプターR2 、即ち、溶液中に遊離していて
キャリヤー物質の粒子上に固定されていないレセプター
2 を更に含有する点である。この追加のレセプターR
2 を使用すると、免疫沈降法においてフック作用を低減
及び/又は完全に回避することが可能になる。本発明に
とって、レセプターR2 が分析対象物のための少なくと
も2つの結合部位を有することは必須である。レセプタ
ーR2 の好ましい例は、分析対象物のための2つの結合
部位を有するモノクローナル抗体、単一特異性ポリクロ
ーナル抗体又は抗体断片(例えば、FabではなくF
(ab)2、F(ab')2 )である。
【0010】添付図面の図1及び2は、先行技術による
固定化レセプターR1a及びR1bでの免疫沈降法(図1)
と本発明による追加の可溶性レセプターR2 の存在下で
の免疫沈降法(図2)との違いを示すものである。図1
はハイデルベルグ曲線の3相を示すものであって、図1
Aは分析対象物Aに関してレセプターR1a、R1bが固定
されているキャリヤー物質Ta 、Tb の過剰状態を示し
ており、図1Bは粒子状キャリヤー物質Ta 、Tb 及び
分析対象物Aのモル濃度が同じである当量点を示してお
り、図1Cは分析対象物Aの過剰状態を示している。先
行技術に従って図1に示した方法は、それぞれが異なる
粒子Ta 及びTb のキャリヤー物質上に固定された2つ
の異なる固定化レセプターR1a及びR1bで行われてい
る。レセプターR1a及びR1bは分析対象物A上の異なる
エピトープを認識する。図1Aは、固定化レセプターR
1a及びR1bを有するキャリヤー粒子Ta 及びTb が分析
対象物Aに対して大過剰存在する場合には、1つのキャ
リヤー粒子が最大で該分析対象物の1分子のみに結合す
る結果、該サンプル液中で僅かな凝集塊が形成されるに
過ぎない(従って、小さな測定シグナルが測定されるだ
けである)ことを示している。キャリヤー粒子Ta 、T
b と分析対象分子Aが図1Bに示した当量に達するまで
分析対象物濃度が増加するときは、この凝集は増加す
る。サンプル液内の粒子の凝集は(従って、測定される
シグナルも)、ハイデルベルグ曲線の最大値であるこの
当量点で最高になる。分析対象物濃度が更に増加する
と、全ての固定化レセプター結合部位の飽和度の増加に
より、凝集は減少し(図1C)測定シグナルも減少する
(フック作用)。
【0011】図2は、本発明による方法の態様を示すも
のである。この場合、分析対象物のための2つの結合部
位を有する可溶性レセプターR2 が、固定化レセプター
1a、R1bを有するキャリヤー粒子Ta 、Tb 及び分析
対象物Aのほかにサンプル液中に存在している。図2A
は、キャリヤー粒子が分析対象物に比して過剰である場
合でも、可溶性レセプターR2 の存在により、先行技術
による方法(図1A)におけるよりも幾分強い凝集が既
に認められる。これは、本発明による方法が、ハイデル
ベルグ曲線の上昇側でより高い感度を有することを意味
する。分析対象分子Aに対するキャリヤー粒子Ta 、T
b のモル比が同じである当量点において、追加の可溶性
レセプターR2 の存在が、最大凝集状態を僅かに高める
効果を有しているといえる。過剰の分析対象物が存在し
ている場合(図2C)には、つまり固定化レセプターR
1a、R1bが分析対象分子にますます結合する場合は、R
2添加の効果が非常に顕著になる。追加の可溶性レセプ
ターの存在はキャリヤー粒子Ta 、Tb の更なる架橋を
可能にする。これは、先行技術の方法(図1C)におい
て認められる凝集の減少が回避又は/及び遅延されるこ
とを意味している。
【0012】図2に示す本発明の好ましい態様において
は、分析対象物へのR2 の結合が該分析対象物への固定
化レセプターR1 の結合を妨害しないように、即ち、可
溶性レセプターR2 が該分析対象物上で固定化レセプタ
ーR1a、R1bとは異なるエピトープを認識しかつ該分析
対象物へのR2 の結合が該分析対象物へのR1a及びR 1b
の結合に有意な影響を有さないように可溶性レセプター
2 を選ぶことに留意しなければならない。本発明のこ
の態様では、ハイデルベルグ曲線の上昇側で特に幾分高
い感度が得られ、最大値をより高い分析対象物濃度に移
行させることができ、そして分析対象物濃度が更に増加
する場合はハイデルベルグ曲線において感度をかなりゆ
っくりと減少させることができる。これはフック作用の
顕著な抑制につながる。というのは、分析対象物が過剰
な場合に凝集の減少が抑制されるので、ハイデルベルグ
曲線の上昇側及び下降側上にそれぞれ存在するために同
じシグナルを生じることになる複数の分析対象物の濃度
が、更に何倍も離れるからである。サンプル液中の可溶
性レセプターR2 の濃度は、もちろん、選択した個々の
レセプター、特に分析対象物に対するその親和性に依存
する。しかしながら、それぞれの場合に適する量を概算
することは可能である。
【0013】本明細書の実施例に記載した方法におい
て、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の検出につい
て、該試験の当量点は約10,000mIU/ml hC
Gである。この場合、統計的には1つのキャリヤー粒子
が1つのhCG分子に結合すると推定できる。更に凝集
させるためには、可溶性レセプターR2 を、特に好まし
くはサンプル液中のhCGの濃度の半分の濃度で添加す
べきである。しかしながら、より低い濃度でも凝集性を
向上させるので、サンプル液中に溶解したレセプターR
2 の濃度が当量点における分析対象物の濃度の少なくと
も5モル%の濃度で、既にこの有利な効果が生じている
と考えられる。なお、この当量点はキャリヤー物質の粒
子と分析対象物の分子の等モル濃度として定義される。
可溶性レセプターR2 の濃度は、好ましくは当量点にお
ける分析対象物濃度の少なくとも20モル%であり、最
適濃度は特に好ましくは当量点における分析対象物濃度
+該当量点を越える分析対象物の追加濃度の50%の範
囲内である。しかしながら、可溶性レセプターR2 の最
適濃度のこれら概算に関連して、これら濃度は実際には
大きく変化してもよく、例えば、分析対象物に対して又
は固定化レセプターR1 を介してキャリヤー物質に結合
した分析対象物に対して低い親和性しか有さない可溶性
レセプターR2 を用いるときは、R2 の最適濃度は数オ
ーダー高い濃度であってもよいことが分かる。
【0014】本発明の第2に態様においては、可溶性レ
セプターR2 の分析対象物への結合が固定化レセプター
1 の分析対象物への結合を妨害するように、即ち、レ
セプターR2 が固定化レセプターR1 のひとつが認識す
る分析対象物上のエピトープと同じエピトープを認識す
るか又は/及び可溶性レセプターR2 の分析対象物への
結合が固定化レセプターR1 に対する分析対象物の親和
性を失わせるように、可溶性レセプターR2 を選ぶこと
もできる。本発明のこの態様の利点は、試験感度は減損
するがフック作用の発生が完全に避けられることであ
る。しかしながら、この態様は、得られた測定値の起こ
り得る誤った解釈を避けることが該試験の感度よりも重
要であるときは、特別な目的に有益であるといえる。本
発明のこの態様も実施例により示されている。本発明に
よる方法にとっては、EP−B−0483512の教え
に従い、サンプル液が少なくとも500kDの分子量を
有するデキストラン、少なくとも10kDの分子量を有
するポリビニルピロリドン、及び少なくとも6kDの分
子量を有するポリエチレングリコールを含む群からの非
イオン性ポリマーを含有することが更に好ましい。サン
プル液中でのこの非イオン性ポリマーの濃度は、好まし
くは、少なくとも1重量%、特に好ましくは2〜6重量
%である。非イオン性ポリマーとして、6〜300k
D、最も好ましくは40kDの分子量を有するポリエチ
レングリコールを用いることが特に好ましい。
【0015】レセプターR1 を固定する粒子状キャリヤ
ー物質は、凝集試験法を行う先行技術において既知の如
何なる所望の粒子状キャリヤー物質であってもよい。粒
子状キャリヤー物質の好ましい例は、ラテックス粒子、
金属ゾル(例えば、金ゾル、銀ゾル又は鉄ゾル)及びリ
ポソームである。特に好ましいキャリヤー物質は、ラテ
ックス粒子及び金ゾルである。粒子のサイズは、好まし
くは10〜500nm、特に好ましくは50〜250n
mの範囲である。レセプターR1 を有する粒子状キャリ
ヤー物質のコーティングのタイプは本発明を実施する能
力にとって重要ではない。粒子増幅免疫試験法の分野に
おける熟練者に既知である全てのコーティング方法をこ
の目的に用いることができる。レセプターR1 を有する
キャリヤー物質のコーティングの好ましい例には、ビオ
チニル化された抗体又は抗体断片でコーティングされた
ストレプトアビジン被覆ラテックス粒子を使用すること
が含まれる。
【0016】本発明によれば、分析対象物は少なくとも
2つのエピトープ、即ち、レセプター(R1 、R2 )の
ための結合部位を有する物質であると理解されるべきで
ある。分析対象物は好ましくはタンパク質である。分析
対象物は、血漿、尿、血清、唾液等の如き体液中又は適
当な緩衝溶液中に存在することができる。本発明による
方法は、例えば、尿中のアルブミン、血清又は血漿中の
アポリタンパク質A1及びB、イムノグロブリン、フェ
リチン、Lp(a)又はα−1ミクログロブリンの測定
に特に適している。特に好ましい例は、血清中のhCG
の測定である。分析対象物は抗体であってもよく、その
場合には、該抗体と反応する抗原又は該抗体に向けられ
た抗イディオタイプ抗体を特異性レセプターとして用い
ることができる。本発明の方法における分析対象物濃度
の測定は、適当な機器を用いて、既知の分析対象物濃度
についての標準曲線との比較により、比濁法で行っても
濁度法で行ってもよい。
【0017】更に、本発明は、サンプル液中の結合性分
析対象物の測定のために免疫沈降法を行うための試薬で
あって、該分析対象物に特異的に結合することができか
つ粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプターR1
を含有し、更に該分析対象物に特異的に結合することが
でき、該サンプル液中で可溶性であり、かつ該分析対象
物のための少なくとも2つの結合部位を有するレセプタ
ーR2 を含有することを特徴とする試薬に関する。本発
明による試薬は、好ましくは更に、少なくとも500k
Dの分子量を有するデキストラン、少なくとも10kD
の分子量を有するポリビニルピロリドン、及び少なくと
も6kDの分子量を有するポリエチレングリコールを含
む群からの非イオン性ポリマーを含有する。本発明によ
る試薬のキャリヤー物質は、好ましくは、ラテックス粒
子、金属ゾル及びリポソームを含む群から選ばれ、ラテ
ックス粒子及び金ゾルが特に好ましい。更に、本発明に
よる試薬は、分析対象物上の異なるエピトープに特異的
に結合できる少なくとも2つの異なる固定化レセプター
1a及びR1bを含有するのが好ましい。固定化レセプタ
ーR1 は、特に好ましくは、モノクローナル抗体、単一
特異性ポリクローナル抗体又はかかる抗体の断片の少な
くとも2つの混合物である。
【0018】本発明の1つの態様によれば、本発明の試
薬の可溶性レセプターR2 を、分析対象物へのR2 の結
合が該分析対象物への固定化レセプターR1 の結合を妨
害しないように選択してもよい。本発明の他の態様によ
れば、可溶性レセプターR2を、分析対象物へのR2
結合が該分析対象物への固定化レセプターR1 の結合を
妨害するように選択する。レセプターR1 の選択は、既
に上記したように、行われる試験操作についてのそれぞ
れの要求に依存する。可溶性レセプターR2 は、好まし
くは、2つの結合部位を備えたモノクローナル抗体、単
一特異性ポリクローナル抗体又はかかる抗体の断片であ
る。本発明による試薬は、好ましくは、粉末、溶液、懸
濁液又は凍結乾燥品の形態にある。該試薬は更に免疫沈
降法に必要な物質を含有してもよい(例えば、補助物
質、緩衝液等)。
【0019】最後に、本発明は、更に、粒子状キャリヤ
ー物質上に固定されたレセプターR 1 と少なくとも2つ
の結合部位を備える可溶性レセプターR2 の組み合わせ
の使用であって、免疫沈降反応による分析対象物の測定
における妨害としてのフック作用を回避又は/及び防止
するために、R1 とR2 のいずれもが分析対象物に特異
的に結合することができる使用に関する。次に、図1〜
4と関連させながら本発明をより詳細に説明する。図1
は、粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプターで
の免疫沈降試験におけるハイデルベルグ曲線の3相を示
し(先行技術)、図2は、粒子状キャリヤー物質上に固
定されたレセプターでの免疫沈降試験におけるハイデル
ベルグ曲線の3相への追加の可溶性抗体の効果を示し、
図3は、hCG検出のための免疫沈降試験におけるフッ
ク作用への可溶性抗体断片F(ab')2 <hCG>−4
の添加の効果を示し、そして図4は、hCG検出のため
の免疫沈降試験におけるフック作用への可溶性抗体断片
F(ab')2 <hCG>−3の添加の効果を示す。
【0020】
【実施例】
実施例1 この実施例は、キャリヤー物質としてラテックス粒子を
用いるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の検出に、
本発明による方法を用いることを説明するものである。
hCG試験は、正常濃度が10mIU/ml未満であっ
て異常濃度が106 mIU/mlを越える値に達し得る
ような広いスペクトルの値を与えるので、特にフック作
用を受け易い。 試薬 (i)ラテックス:この実験ではストレプトアビジン被
覆ラテックス(SAラテックス)を用いた。ストレプト
アビジンでコーティングした後のラテックス粒子は約1
80nmの直径であった。かかる粒子は、例えばセラジ
ン社(Seradyn Company) から商業的に入手することがで
きる。ストレプトアビジン被覆ラテックス粒子の調製法
もEP−A−0464554の実施例1に記載されてい
る。
【0021】(ii)抗体:hCGに向けられた4つの特
異性抗体を用いた。モノクローナル抗体<hCG>−1
及び<hCG>−2をFab’断片に転化し、ビオチニ
ル化してモノビオチニル化Fab’断片を得、SAラテ
ックスをコーティングするのに用いた。Fab’抗体断
片の調製法は当業者に周知であり、例えばイシカワら,
J. Immunoassay 4 (3) 209-327 (1983) に記載されてい
る。Fab断片のビオチニル化も周知であり、例えばE
P−A−0464554の実施例2に記載されている。
モノクローナル抗体<hCG>−3及び<hCG>−4
は、溶液中の第3抗体として用い、従って(その定常部
の存在による該試験の起こり得る妨害を防ぐために)F
ab'2断片に転化した。モノクローナル抗体<hCG>
−1、−3及び−4は、hCGのβサブユニット上の異
なるエピトープに向けられ、モノクローナル抗体<hC
G>−2は、hCGのα及びβサブユニットに向けられ
た。
【0022】(iii)緩衝系 a)SAラテックス緩衝液:SAラテックスを、2%シ
ョ糖、0.5%ウシ血清アルブミン及び0.1%アジ化ナト
リウムを含有するpH7.5の200mmol/lグリシン緩
衝液に溶解させた。 b)反応緩衝液:反応緩衝液は、75mmol/l塩化ナト
リウム、0.1%Brij、3%ポリエチレングリコール
40,000及び0.1%アジ化ナトリウムを含有するpH
7.5の50mmol/lリン酸緩衝液であった。反応を増幅
する物質としてポリエチレングリコールを用いること
は、それが存在しないと反応があまり充分に進行しない
のいで、特に好ましい。 c)標準:既知濃度のhCGをヒト血清に添加すること
によって標準溶液を調製した。
【0023】試験操作:SAラテックスをFab’抗体
断片<hCG>−1及び−2と該ラテックス緩衝系中で
混合することによって、Fab’被覆ラテックスを調製
した。該緩衝液中でのSAラテックスの最終濃度は0.1
%(w/v)であり、Fab’断片のそれは0.4μg/
mlであった。F(ab')2 抗体断片<hCG>−3及
び<hCG>−4を異なる濃度で反応緩衝液に添加し
た。この実験は37℃で自動化された日立717分析装
置で行った。20μlの標準溶液をキュベット中にピペ
ッティングし、その直後に可溶性抗体断片<hCG>−
3又は<hCG>−4を異なる濃度で含有する330μ
lの反応緩衝液をピペッティングした。攪拌後、該混合
液を5分間インキュベートしてから50μlのラテック
ス溶液を添加した。該混合液を再度混合して5分間イン
キュベートした。340nmにおける吸光度の変化を測
定することによって反応の時間的経過をモニターした。
【0024】結果:図3及び4にこの実験の結果を示
す。図3から、Fab'2断片<hCG>−4の添加は初
期段階において曲線の傾きに僅かな効果を及ぼしている
に過ぎないが、フック作用にかなりの遅れが認められる
ことが明らかである(表1も参照のこと)。かくして、
この場合においては、第3抗体の添加はこの試験の感度
に僅かな効果を及ぼすに過ぎないがフック作用をかなり
減少させる。サンプル液中25〜100μg/mlの<
hCG>−4濃度において最良の効果が見られる。図4
は、Fab'2断片<hCG>−3の場合にも第3抗体の
添加がフック作用の低減をもたらすが、この場合にはこ
の試験の感度(即ち、標準曲線の初期の傾き)が減少す
る(表2も参照のこと)。<hCG>−3添加の効果
は、0.5μg/mlの濃度に始まり既に生じている。h
CGのβサブユニット上の異なるエピトープに向けられ
たFab'2抗体断片<hCG>−3及び<hCG>−4
の異なる挙動は、おそらく、<hCG>−3により認識
されるエピトープが<hCG>−1又は<hCG>−2
により認識されるエピトープに近似している結果、<h
CG>−3の添加が分析対象物への他の抗体の結合を妨
害して、<hCG>−1又は<hCG>−2の結合の阻
害、従ってラテックス凝集を阻害することにより感度の
低下をもたらすという事実によるものであろう。Fa
b'2抗体断片<hCG>−4(表1)及び<hCG>−
3(表2)の標準曲線の傾き及びhCG測定における誤
った(低過ぎる)値が得られることへの影響(即ち、該
試験へのフック作用の影響の始まり)が、表1及び2に
明らかである。
【0025】
【表1】表1 ─────────────────────────────────── Fab'2<hCG>−4 越えると誤って低い値が 標準曲線の傾き* の濃度(μg/ml) 得られうるhCG濃度 (mA/mIU) (mIU/ml) ─────────────────────────────────── 0 25,833 0.116 0.8 27,500 0.118 1.6 31,666 0.115 3.13 35,416 0.114 6.25 42,500 0.115 12.5 48,584 0.118 25.0 104,583 0.116 50.0 >150,000 0.112 100.0 113,333 0.112 200.0 47,500 0.110 ─────────────────────────────────── * 0〜5000mIU/mlの範囲における標準曲線
についてのもの
【0026】
【表2】表2 ─────────────────────────────────── Fab'2<hCG>−3 越えると誤って低い値が 標準曲線の傾き* の濃度(μg/ml) 得られうるhCG濃度* (mA/mIU) (mIU/ml) ─────────────────────────────────── 0 25,833 0.116 0.5 >150,000 0.065 1.0 >150,000 0.038 5.0 >150,000 0.027 10.0 >150,000 0.021 20.0 >150,000 0.010 ─────────────────────────────────── * 0〜5000mIU/mlの範囲における標準曲線
についてのもの
【図面の簡単な説明】
【図1】粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプタ
ーでの免疫沈降試験におけるハイデルベルグ曲線の3相
を示す(先行技術)。
【図2】粒子状キャリヤー物質上に固定されたレセプタ
ーでの免疫沈降試験におけるハイデルベルグ曲線の3相
への追加の可溶性抗体の効果を示す。
【図3】hCG検出のための免疫沈降試験におけるフッ
ク作用への可溶性抗体断片F(ab')2 <hCG>−4
の添加の効果を示す。
【図4】hCG検出のための免疫沈降試験におけるフッ
ク作用への可溶性抗体断片F(ab')2 <hCG>−3
の添加の効果を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分析対象物に特異的に結合することがで
    きかつサンプル液中に存在する粒子状キャリヤー物質上
    に固定されたレセプターR1 に該分析対象物を結合させ
    ることにより、該サンプル液中の該分析対象物を測定す
    る方法であって、該サンプル液が更に該分析対象物に特
    異的に結合することができかつ該分析対象物のための少
    なくとも2つの結合部位を有する可溶性レセプターR2
    を含有する方法。
  2. 【請求項2】 サンプル液中の結合性分析対象物の測定
    法を行うための試薬であって、該分析対象物に特異的に
    結合することができかつ粒子状キャリヤー物質上に固定
    されたレセプターR1 を含有し、更に該分析対象物に特
    異的に結合することができ、該サンプル液中で可溶性で
    あり、かつ該分析対象物のための少なくとも2つの結合
    部位を有するレセプターR2 を含有する試薬。
  3. 【請求項3】 粒子状キャリヤー物質上に固定されたレ
    セプターR1 と少なくとも2つの結合部位を備える可溶
    性レセプターR2 の組み合わせの使用であって、免疫沈
    降反応による分析対象物の測定における妨害としてのフ
    ック作用を回避又は/及び低減するために、R1 とR2
    のいずれもが分析対象物に特異的に結合することができ
    る使用。
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