JPH0632790A - ビオチン導入試薬およびそれを用いる合成ペプチド精製法 - Google Patents

ビオチン導入試薬およびそれを用いる合成ペプチド精製法

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JPH0632790A
JPH0632790A JP4168218A JP16821892A JPH0632790A JP H0632790 A JPH0632790 A JP H0632790A JP 4168218 A JP4168218 A JP 4168218A JP 16821892 A JP16821892 A JP 16821892A JP H0632790 A JPH0632790 A JP H0632790A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 固相法によって得られた所望の配列を有する
合成ペプチドを、純粋な形態で迅速かつ高収率で精製で
きる試薬を得る。 【構成】 その一端部に、前記合成ペプチドのアミノ基
末端と、ある特異的な条件で切断可能であるがペプチド
合成プロセスの後処理工程で行われる酸性条件下で行わ
れる脱保護基反応では安定である結合を反応により形成
し得る反応性末端を有し、他端部にはビオチニル基を有
するアビジン−ビオチニル結合反応を利用した精製方法
において用いうるビオチン導入試薬である。特にこの試
薬は、次式を有することが望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成ペプチドないし合成
蛋白の精製に用いられるビオチン導入試薬に関するもの
であり、医薬および生理活性物質を創製するための有用
な技術を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ペプチドないし蛋白質は、生体に普遍的
に存在する生物学的分子であり、その生理作用の解明、
作用機序の解明等は、生化学、生理学、医学などの分野
において大きな関心事となっている。
【0003】近年、例えば、ペプチドシンセサイザーな
どを用いて、所定のアミノ酸配列を有するペプチドない
し蛋白質を合成することが盛んに行われるようになって
きている。このようにして合成された所定のアミノ酸配
列を有するペプチドないし蛋白質を高純度で供給するこ
とができれば、前記したような各分野における研究に飛
躍的な進歩をもたらすことができると考えられる。しか
しながら、上記したようなペプチド合成においては、目
的のペプチドと共に多くの不純物が生起する。このた
め、このような多くの不純物の中から目的のペプチドの
みをいかに迅速かつ高い収率で取り出すかということ
が、固相ペプチド合成においてなお残された最大の課題
である[Analytical Biochemistry, Vol.170, p501, (19
88)]。
【0004】現在、固相法[R. B. Merrifield, J. Am.
Chem.Soc., 85, 2149 (1963)] により合成された合成ペ
プチドないし蛋白質の精製は、主としてゲル濾過法、高
速液体クロマトグラフィー法、あるいはそれらの組み合
わせによる方法により行われている。また、ある特殊な
ペプチトないし蛋白質に限っては、親和性クロマトグラ
フィー法が有力な手段となり得るが、この方法でさえ完
全とは言えないのが現状である。その理由は、固相法に
よるペプチドの合成では、多数のアミノ酸欠落ペプチド
が多種類同時に合成され、その中には親和性クロマトグ
ラフィー法における担体と弱いながらも親和性を示すも
のが混在するためである。
【0005】ペプチドの固相合成では段階的伸長法を採
用しており、例えば縮合反応収率が99%あれば、50
残基のペプチドで理論上60%の合成収率が得られる。
しかしながら、縮合反応はペプチドのシーケンス依存性
であるゆえ常に99%以上の収率が得られるとは限らな
い。そのためペプチド鎖を構築して行くと不完全縮合に
よる不純物は部分的にアミノ酸が欠落したペプチドとし
て蓄積してゆく。
【0006】このアミノ酸欠落ペプチドを除くため各縮
合反応の後に、無水酢酸によるキャッピングを施し、不
純物のそれ以上のペプチド鎖の延長を止めることが行わ
れている。この操作を行うことにより、最終アミノ酸導
入後、目的の配列を有するペプチドのみがN末端のアミ
ノ基を有することとなる。また、このアミノ基を利用し
た分離法も幾つか報告されている[例えば、T. J. Lob
l, R. M. Deibel, andA. W. Yen, Anal. Biochem., 17
0, 502(1988)]。
【0007】また、システイン−メチオニンをN末端に
導入し、システインのSH基を利用し、フェニル水銀カ
ラムに目的ペプチドのみを吸着させ分離し、後にBrC
Nでメチオニン−ペプチド間の結合を切断し目的ペプチ
ドを得る方法も知られているが[D. E. Krieger, B. W.
Erikson, and R. B. Merrifield, Proc. Natl. Acad.Sc
i. U.S.A., 73, 3160 (1976)]、この方法はメチオニン
を含有するペプチドには利用できないと言う制約がある
ものであった。
【0008】これらのいずれの方法も、煩雑な操作を要
し1段階分離法とは程遠いものである。
【0009】その中で前記Loblらの方法は、固相支持体
上で合成された目的とするペプチドのアミノ基末端の保
護基t−BOC基のみをTFA/DCMで切断除去し、
水洗、中和、DCM洗浄、DMF洗浄を行った後得られ
た、他の官能基に保護されたままのペプチドをDMFに
懸濁し、NHS−ビオチン(N−ヒドロキシサクシンイ
ミドビオチン)を加えて、固相支持体上ペプチドのNア
ミノ末端をビオチン化する。そして、“low/high”HF
で固相支持体よりビオチン化ペプチドを切断し、エーテ
ルで粉化し、6Mグアニジン塩酸塩バッファで抽出し、
透析により2倍に濃縮した後、アビジン固定化相(例え
ば、アビジンアガロースカラム(ピアース社))を通
し、目的ペプチドのみを捕捉し、これに0.1Mグリシ
ン塩酸塩(pH2.0)で目的とするビオチン化ペプチ
ドを溶出させるものである。しかしながら、この方法は
ビオチンが修飾されたままのペプチドないし蛋白の分離
手段に過ぎず、この方法を用いてもビオチンとペプチド
を選択的に切断して目的とするペプチドのみを得ること
はできないものであった。
【0010】またビオチン導入試薬として、NHS−ビ
オチンに代えて、NHS−SS−ビオチン(スルフォサ
クシンイミジル 2−(ビオチンアミド)エチル−1,
3−ジチオプロピネート)を用い、ビオチン化ペプチド
をアビジン固定化相を用いて回収した後、チオールで試
薬のSS結合を切断し、ペプチドを得る方法も知られて
いるが、この方法によっても、ペプチドにSH基を含む
残基が付いたものしか得られないものであった[例え
ば、Mouton,C.A.,et al.(1982)Arcb. Biocbem.Biopby
s.218,101-108. Shimkus,M.,Levy,T.and Herman,T.
(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)82,2593-2597. Gre
tch,D.R.,Suter,M.and Stinski,M.F.(1987)Anal.Biocbe
m.163,270-277. ]。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は新規
なビオチン導入試薬およびそれを用いるペプチド精製法
を提供することを目的とするものである。さらに本発明
は、固相法によるペプチド合成において得られる合成最
終物より目的とする成熟ペプチドのみを、アビジン−ビ
オチン結合を利用して選択的に分離し、かつ最終的に非
修飾の成熟ペプチドを単離することが可能なビオチン導
入試薬およびそれを用いるペプチド精製法を提供するこ
とを目的とするものである。本発明はまた、合成ペプチ
ドを簡単な操作により、短時間で収率よく精製すること
を可能するビオチン導入試薬およびそれを用いた精製法
を提供することを目的とするものである。さらに本発明
は、高分子量のペプチドないしは蛋白にも適用すること
ができるビオチン導入試薬およびそれを用いるペプチド
精製法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を達成する本
発明は、固相法によるペプチド合成において得られる末
端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチドおよび
エンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプチドが
混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分離する
合成ペプチドの精製プロセスにおいて用いられるビオチ
ン導入試薬であって、その一端部に、前記成熟ペプチド
のアミノ基末端と、ある特異的な条件で切断可能である
がペプチド合成プロセスの後処理工程で行われる酸性条
件下で行われる脱保護基反応では安定である結合を反応
により形成し得る反応性末端を有し、他端部にはビオチ
ニル基を有することを特徴とするビオチン導入試薬であ
る。
【0013】本発明のビオチン導入試薬は、次の構造式
(II)を有することが望ましい。
【0014】
【化3】 また上記構造式(II)で表されるビオチン導入試薬
は、次の構造式(I)を有する化合物を前駆物質として
容易に合成可能である。
【0015】
【化4】 本発明はまた、固相法によるペプチド合成において得ら
れる末端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチド
およびエンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプ
チドが混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分
離する合成ペプチドの精製法であって、前記混在系に上
記構造式(II)を有するビオチン導入試薬を添加し、
この試薬のカーボネート末端をアミノ基末端を有する前
記成熟ペプチドと反応させ、オキシカルボニル−イミド
結合を生成し、前記成熟ペプチドに、他端部にビオチニ
ル基を有するビオチン導入試薬残基を選択的に結合させ
ることを特徴とする合成ペプチドの精製法である。
【0016】本発明の合成ペプチドの精製法は、 a)固相法によるペプチド合成における最後のアミノ酸
を導入した後、末端にアミノ基を有する目的とする成熟
ペプチドおよびエンドキャッピングされた目的以外の未
成熟ペプチドの双方が結合している固相に対し、構造式
(II)を有するビオチン導入試薬を添加して、前記成
熟ペプチドを選択的に修飾し、 b)次いで、ビオチン導入試薬残基により修飾された成
熟ペプチド、および未成熟ペプチドを酸性条件下で固相
より切断し、 c)アビジンを固定化保持する別の固相を、前記b)段
階において得られたペプチド混合物と接触させて、成熟
ペプチドが結合しているビオチン導入試薬残基の他端部
にあるビオチニル基を選択的にアビジンに結合させ、成
熟ペプチドをこの固相に選択的に捕捉し、 d)前記c)段階において得られた成熟ペプチドを固定
した固相を、酸性条件下に曝し、アビジン−ビオチニル
結合を解離して、ビオチン導入試薬残基により修飾され
た成熟ペプチドを固相より切断し、 e)さらにビオチン導入試薬残基により修飾された成熟
ペプチドを、オキシカルボニル−イミド結合を解離する
特異的条件下に曝し、ビオチン導入試薬残基と目的とす
る成熟ペプチドを切断する ことにより目的とする成熟ペプチドを精製することがで
きる。
【0017】以下本発明を、実施態様に基づきより詳細
に説明する。
【0018】図1は、Fmoc(9-フロオレニルメチル
オキシカルボニル)法による固相ペプチド合成におい
て、本発明の精製方法の一例を適用した場合の概略を示
すものである。
【0019】図1に示すようにペプチド合成は、常法に
従い、ステップ1〜ステップ3を繰り返すことによって
行われる。すなわち、まずステップ1において、N末端
がFmoc基により保護された第1アミノ酸残基
【0020】
【化5】 が多数結合してなる固相としての固相担体ビーズPを、
ペプチドシンセサイザーの反応用容器にセットし、これ
に20% ピペリジン/ジメチルホルムアミド(DM
F)混液を添加することにより末端のFmoc基をはず
し、次にステップ2においてこれにN末端がFmoc基
により保護された第2アミノ酸
【0021】
【化6】 を縮合剤(例えば、N,N´−ジイソプロピルカルボジ
イミド(DIPCD) +N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBT)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス
(ジメチルアミノ)−ホスフォニウムヘキサフルオロホ
スフェイト(BOP)+HOBT、[と共にあるいは前記ア
ミノ酸のペンタフルオロフェニルエステル(Pfp エステ
ル)+HOBT]と共に添加し、第2アミノ酸残基を固
相担体ビーズP上の第1アミノ酸残基側方に結合させ
る。ここで、第2アミノ酸が結合しなかった未反応の鎖
が、その後のアミノ酸結合反応において成長していくの
を防止するために、ステップ3において無水酢酸/ピリ
ジン混液を反応用容器に添加し、未反応の鎖末端にアセ
チル基を結合させてエンンドキャッピングを行う。この
キャッピング処理により、固相担体ビーズ上には、第1
アミノ酸残基および第2アミノ酸残基が結合したN末端
がFmoc基により保護された鎖と、第1アミノ酸残基
のN末端にアセチル基が結合した鎖が存在することとな
る。
【0022】次いで、ステップ1に戻り、第1アミノ酸
残基および第2アミノ酸残基が結合した鎖のN末端のF
moc基をはずし、ステップ2において第3アミノ酸を
縮合剤と共に添加して、該鎖の第2アミノ酸残基側方に
第3アミノ鎖残基を結合させ、その後ステップ3におい
て第2アミノ酸が結合しなかった未反応の鎖をエンドキ
ャッピングする。このようにして目的のn個のアミノ酸
が結合するまでステップ1〜3を繰り返すものである。
【0023】最終アミノ酸導入後において、固相担体
(固相担体ビーズ)には、N末端のアミノ基を有する目
的とする成熟ペプチドと、無水酢酸でのキャッピングに
よってアセチル基修飾末端を有する未成熟ペプチド(不
純物)との双方が結合しており、目的とする成熟ペプチ
ドは多数の不純物中に混在した状態にある。
【0024】なお、第1図においては、未成熟ペプチド
の末端をアセチル基によってエンドキャッピングする例
を示したが、未成熟ペプチドの末端を有効にキャッピン
グできる限りにおいて、このようなキャッピングはいか
なるキャッピング試薬を用いて行うこともでき、これ以
外にも例えば、プロピオニル基、あるいは4−ニトロフ
ェニル基、2,4−ジニトロフェニル基、2,6−ジニ
トロフェニル基などによるキャッピングが可能である。
【0025】しかして、本発明の合成ペプチド精製方法
においては、この最終アミノ酸導入直後に、固相に対
し、前記成熟ペプチドのN末端と、酸性条件下で行われ
る固相法における最終脱保護基反応に安定でかつある他
の条件、例えばアルカリ性条件下で特異的に切断可能な
結合を形成し得る反応性末端を有し、かつ他端部にアビ
ジンと結合可能なビオチニル基を有するビオチン導入試
薬を添加する。
【0026】本発明において用いられるビオチン導入試
薬として、具体的には、例えば、次の構造式(II)を
有する化合物が挙げられる。
【0027】
【化7】 上記構造式で表されるビオチン導入試薬は、2−(アミ
ノエチルスルフォニル)エタノール・塩酸塩を3級アミ
ンあるいは4級アルキルアンモニウム等の有機塩基触媒
の存在下、MHS−ビオチン(N−ヒドロキシ−サクシ
ンイミド−ビオチン)と反応させて得られる次の構造式
(I)で表される2−[(N−ビオチニル)−アミノエ
チルスルフォニル]エタノールを前駆物質として容易に
合成される。
【0028】
【化8】 2−[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォニル]
エタノールに例えば、p−ニトロフェニルクロルフォル
メート、N−ヒドロキシサクシンイミド、ペンタフルオ
ロクロルフォルメートなどをピリジン中で反応させて合
成することができるが、他の方法によっても良い。
【0029】このようなビオチン導入試薬が添加される
と、ビオチン導入試薬は、第1図に示すように目的とす
る成熟ペプチドのみがN末端のアミノ基を有するゆえ
に、この成熟ペプチドのみに結合し、成熟ペプチドのN
末端に2−[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォ
ニル]−エチル−オキシカルボニル基が導入される。
【0030】次いで、常法に基づき酸性条件下で、例え
ば、トリメチルシリルブロマイド(TMSBr)−チオ
アニソール/トリフルオロ酢酸を用いて、最終脱保護基
反応をおこない、2−[(N−ビオチニル)アミノエチ
ルスルフォニル]−エチル−オキシカルボニル−ペプチ
ド(以下ビオチニルペプチドと略す。)を、アセチル基
などによりエンドキャッピングされた未成熟ペプチド鎖
と共に固相より切断する。上記したようにこの最終脱保
護基反応においては、上記ビオチン導入試薬残基(2−
[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォニル]−エ
チル−オキシカルボニル基)は成熟ペプチドのN末端に
安定して結合している。
【0031】次に、こうして得られたビオチニルペプチ
ドおよび未成熟ペプチドを含むペプチド混合物に対し、
アビジンを固定化してなる別の固相、例えばアビジン−
アガロースカラムを接触させる。接触は、中性付近の条
件下に行われる。好ましくはpH=7〜9の範囲におい
て、かつ目的とする反応を阻害しない不活性の緩衝液中
で行われる。また更に好ましくは、ペプチドの溶解性を
向上させるために、例えば塩酸グアニジン、尿素などの
変性剤が添加される。一例としては、緩衝液として、
0.4Mリン酸緩衝液や、0.4Mトリス(ヒドロキシ
メチル)アミノメタン塩酸緩衝液(以下、トリス塩酸緩
衝液と略す)が用いられ、変性剤として、4〜7Mo
l、好ましくは約6Mol塩酸グアニジンや、4〜8M
ol、好ましくは約6Mol尿素が用いられる。勿論、
これら以外の緩衝液や、変性剤も適宜使用可能である。
【0032】この操作により、ビオチニルペプチドのみ
をアビジン−ビオチニル結合によって該固相に選択的に
固定できる。一方、固相に結合しなっかった未成熟ペプ
チドや脱保護基に用いたスカベンジャー等は固相に結合
されずに通過し、更に例えばPBS(−)緩衝液で洗浄
操作を行うことにより簡単に除去することができる。
【0033】次に、ビオチニルペプチドが結合したアビ
ジン固定化固相を、酸性条件下、例えば、6Mグアニジ
ン−HCl塩(pH1.5)に曝し、ビオチニルペプチ
ドを該固相より切断する。
【0034】最後に、ビオチン導入試薬残基と成熟ペプ
チドとのオキシカルボニル−イミド結合を解離する特異
的条件下、例えば、アルカリ条件下に曝し、目的とする
成熟ペプチドとビオチン導入試薬残基を切断分離する。
【0035】なお、このアルカリ処理を5%アンモニア
溶液条件下で用いて行った場合に、5%アンモニア溶液
に溶けないペプチドは固相より切断されたときに沈殿物
として反応用容器内に残るものもある。このアルカリ処
理の後に50%酢酸溶液で洗浄すると沈殿物は溶出し効
率よく回収できる。またこのように、アルカリ処理の後
の固相洗浄操作に酢酸を用いるとアンモニアが中和さ
れ、凍結乾燥で昇華させることができるために、最終的
に得られるものは成熟ペプチドのみとなり、好ましい。
【0036】最後にペプチドから切断されたビオチニル
基を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチ
ドとを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲ
ル瀘過法により分離を行う。
【0037】なお、図2は、本発明のこのような合成ペ
プチド精製法の一実施態様による具体的な模式であり、
この図において目的とされる成熟ペプチドは、A−B−
C−D−E−F−Gで表わされるものであり、これより
短いA−B−C、A−B−C−D、A−B−C−D−
E、A−B−C−D−E−Fはいずれも未成熟ペプチド
を表わすものである。
【0038】図2のステップ1は、固相法ペプチド合成
の最終アミノ酸導入後において、固相(固相担体ビー
ズ)には、N末端のアミノ基を有する目的とする成熟ペ
プチドと、無水酢酸でのキャッピングによってアセチル
基修飾末端を有する未成熟ペプチド(不純物)との双方
が結合しており、目的とする成熟ペプチドは多数の不純
物中に混在した状態にある。この固相に上記したような
本発明のビオチン導入試薬を添加すると、ビオチン導入
試薬は成熟ペプチドA−B−C−D−E−F−Gのみの
末端に選択的に結合し、その後ペプチド合成法の最終脱
保護基処理を行うと、ステップ2に示されるように、成
熟ペプチドと未成熟ペプチドとが固相より切断される。
次に、ステップ3に示されるようにこうして得られたビ
オチニルペプチドおよび未成熟ペプチドを含むペプチド
混合物に対し、アビジンアガロースカラムを接触させ
る。この操作において、アビジンアガロースカラムには
ビオチニルペプチドのみがアビジン−ビオチニル反応に
よって保持され、未成熟ペプチドやその他の試薬は系外
に排出される。次いで、ステップ4において、酸性条件
に該カラムを曝し、ビオチニルペプチドをアビジンアガ
ロースカラムより溶離させ、カラム内よりビオチニルペ
プチドを流出させ、最後にステップ5においてこのビオ
チニルペプチドを、アルカリ条件に曝し、目的とする成
熟ペプチドA−B−C−D−E−F−Gとビオチン導入
試薬残基を切断分離するものである。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。
【0040】実施例1:化合物e(ビオチン導入試薬前
駆物質)の合成
【0041】
【化9】 国際公開公報No.WO92/06107の実施例1の
1−1〜1−3または実施例2の2−1〜2−3の方法
に従い合成された2−[N−(p−メトキシベンジルオ
キシカルボニル−アミノエチルスルフォニル]エタノー
ル 6.35g(0.02mol)をアニソール4.3
5ml(2当量)の存在下、4N- HCl/ジオキサン
20ml(4当量)と1時間反応させた。反応終了後、
HCl/ジオキサンを蒸発させた後、乾燥エーテルを加
えた。粉状物を瀘取し、減圧下に3時間KOHデシケー
ター中で乾燥させた。
【0042】得られた2−アミノエチルスルフォニルエ
タノール塩酸塩をDMF200mlに溶かし、トリエチ
ルアミン5.6ml(0.04mol)、ビオチンN−
ヒドロキシコハク酸イミドエステル6.86g(0.0
2mol)を加え溶解させた。
【0043】4時間攪拌後、反応液を瀘過した。瀘液を
減圧で濃縮を行い、濃縮乾固物にエタノールを加えて攪
拌し粉末化させた。粗生成物をメタノールから再結晶を
行い結晶4.07g(収率69%)を得た。
【0044】なお、得られた化合物eの分析値は以下の
通りであった。
【0045】融点 126〜127℃ 質量分析 M+H+ =380.3 (分子量 379.
5) Rf8:3:1 =0.32 (クロロホルム/メタノール/
水=8/3/1の2層に分かれた内の展開溶媒として使
用、TLC(メルク社製)) C14253 5 2 ・1/2 H2 Oに関する理論値: C=43.27;H=6.75;N=10.81 実測値:C=43.59;H=6.63;N=10.9
6 NMR(DMSO−d6 ):δ1.36-1.23(m,2H,J,J´)
、1.46-1.37(m,1H,K´) 、1.56-1.46(m,2H,I,I´) 、
1.68-1.56(m,1H,K) 、2.07(t,J=7.4Hz,2H,H)、2.58(d,J
=12.4Hz,1H,N) 、2.82(dd,J=12.4および5.1Hz,1H,M) 、
3.10(ddd,J=8.3,6.3および4.5Hz,1H,L) 、3.28-3.21(m,
4H,D,E) 、3.49-3.41(m,2H,F) 、3.78(t,J=5.8Hz,2H,
C)、4.13(dd,J=7.7 及び4.4Hz,1H,P) 、4.31(dd,J=7.7
及び4.3Hz,1H,O) 、6.45-6.35(m,2H,Q,R) 、8.00(t,J=
5.7Hz,1H,G)。
【0046】 実施例2:化合物f(ビオチン導入試薬)の合成
【0047】
【化10】 化合物f:2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフ
ォニル]エチルp−ニトロフェニルカーボネートの合成 上記実施例1で得られた化合物e 3.79g(10m
mol)を無水ピリジン30mlに溶解させた後、0℃
で冷却し、p−ニトロフェニルクロルフォルメート2.
02g(10mmol)を撹拌下で加えた。反応液は0
℃で5時間放置した後、減圧で濃縮を行った。濃縮残渣
に1N−HCl/エーテルを加えると直ぐ結晶が析出し
たので瀘過して結晶を得、さらに水洗した。
【0048】粗結晶をDMF−酢酸エチルから再結晶し
て結晶4.07g(収率69%)を得た(Rf8:3:1
0.37)。なお得られた化合物fの分析値は以下の通
りであった。
【0049】融点 104〜105℃ 質量分析 M+H+ =545.3 (分子量 544.
6) C21284 9 2 ・1/2 H2 Oに関する理論値: C=45.65;H=5.37;N=10.22 実測値:C=45.75;H=5.22;N=10.0
8 NMR (DMSO−d6 ):δ1.36-1.23(m,2H,J,J
´) 、1.47-1.37(m,1H,K) 、1.58-1.46(m,2H,I,I´) 、
1.67-1.55(m,1H,K) 、2.05(t,J=7.3Hz,2H,H)2.57(d,J=1
2.4Hz,1H,N) 、2.81(dd,J=12.4及び5.0Hz,1H,M)3.08(dd
d,J=(8.2,6.5及び4.5Hz,1H,L) 、3.32(t,J=6.9Hz,2H,
E)、3.48(q,J=6.7Hz,2H,F)、3.68(t,J=5.7Hz,2H,D)、4.
11(ddd,J=7.8,4.5及び2.0Hz,1H,P) 、4.29(dd,J=7,8 及
び5.2Hz,1H,O) 、4.62(t,J=5.7Hz,2H,C)、6.33(br.s,1
H,Q) 、6.38(br.s,1H,R) 、7.58(ddd,J=9.2,3.3及び2.2
Hz,2H, 芳香性H)、8.07(br.t,J=5.9Hz,1H,G) 、8.33(dd
d,J=9.2,3.3及び2.2Hz,2H, 芳香性H)。
【0050】実施例3 合成ペプチドの精製 本発明に関わる合成ペプチドの精製法の有用性を検討す
るために、ペプチドとしてポリフェムシンIIを合成
し、この精製を試みた。
【0051】まず、第1図に従いFmoc固相合成法に
よりポリフェムシンIIを樹脂上にて合成し、さらにそ
の精製をおこなった。ポリフェムシンIIは分子内に2
個のジスルフィド結合を有するC末端がアミド化された
アミノ酸18残基からなるペプチドである。なお、合成
には分子内に存在するシステイン残基のチオール基はア
セトアミドメチル(Acm )で保護したアミノ酸誘導体を
用いた。
【0052】H-Arg-Arg-Trp-Cys(Acm)-Phe-Arg-Val-Cys
(Acm)-Tyr-Lys-Gly-Phe-Cys(Acm)-Tyr-Arg-Lys-Cys(Ac
m)-Arg- NH2 合成の最終段階で、固相樹脂(0.2mmol)に、上
記実施例2において調製した化合物f 109mg(5
当量)とN−ヒドロキシベンゾトリアゾール152mg
(5当量)を加え、ジメチルホルムアミド(10ml)
中にて2時間攪拌し、樹脂上に合成されたポリフェムシ
ンIIのN末端に2−[N−ビオチニル−アミノエチル
スルフォニル]エチル−オキシカルボニル基を導入し
た。次いで、固相樹脂(100mg)をエタンジチオー
ル(0.2ml)、m−クレゾール(0.5ml)存在
下、1M トリメチルシリルブロミド(TMSBr)−
チオアニソール/トリフルオロ酢酸(TFA)系[N. Fu
jii, A. Otaka, N. Sugiyama, M. Hatano, and H. Yaji
ma, Chem. Pharm. Bull., 35, 3880](10ml)にて、
0℃で2時間脱保護基処理を行った。脱保護基反応後、
TMSBrおよびTFAを蒸発させ、そしてジエチルエ
ーテルを加えてペプチドを粉末状とした。得られた粉末
は、リン酸緩衝液(PBS)、pH=7.2(日水製薬
(株)製)に溶解し、同じリン酸緩衝液で洗浄したアビ
ジン/アガロースカラム(ピアース社製)を通し、さら
に該緩衝液で洗浄し、ビオチニル基を有する成熟ペプチ
ドを選択的にカラムに固定化し、未成熟ペプチドは溶出
分離させた。
【0053】次いでカラムに6Mグアニジン−HCl塩
(pH=1.5)を流し、ビオチニルペプチドをカラム
より溶出させた。溶出液に28%アンモニア水を加え
て、溶出液全体のアンモニア濃度が5%となるように調
整を行って、ビオチニル基を含むビオチン導入試薬残基
(2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフォニル]
エチル−オキシカルボニル基)と成熟ペプチドを切断し
た。
【0054】以降ペプチドから切断されたビオチニル基
を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチド
とを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲル
瀘過法により分離を行い、目的とするポリフェムシンI
Iを取得した。得られた精製ポリフェムシンIIを高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析した
ところ、単一ピークを示すものであった。また精製ペプ
チドはアミノ酸配列分析および質量分析[Acm-ポリフェ
ムシンII:2714.1(M+H+ )]の結果、理論
値と一致する値を示した。(C120 185 41244
に関して算出した。) 実施例4 合成ペプチドの精製 本発明に関わる合成ペプチドの精製法の有用性を検討す
るために、ペプチドとしてヒト成長ホルモン分泌因子を
合成し、この精製を試みた。
【0055】まず、図1に従いFmoc固相合成法によ
りヒト成長ホルモン分泌因子を樹脂上にて合成し、さら
にその精製を行った。
【0056】 H-Tyr-Ala-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asn-Ser-Tyr-Arg-Lys-Val-Leu-Gly-Gln-Leu- Ser-Ala-Arg-Lys-Leu-Leu-Gln-Asp-Ile-Met-Ser-Arg-Gln-Gln-Gly-Glu-Ser- Asn-Gln-Glu-Arg-Gly-Ala-Arg-Ala-Arg-Leu-NH2 合成の最終段階で、固相樹脂(0.2mmol)に、上
記実施例2において調整した化合物f109mg(5当
量)とN−ヒドロシキベンゾトリアゾール152mg
(5当量)を加え、ジメチルホルムアミド(10ml)
中にて2時間撹拌し、樹脂上に合成されたヒト成長ホル
モン分泌因子のN末端に2−[N−ビオチニル−アミノ
エチルスルフォニル]エチル−オキシカルボニル基を導
入した。次いで、固相樹脂(100mg)をエタンジチ
オール(0.2ml)、m−クレゾール(0.5ml)
存在下、1M トリメチルシリルブロミド(TMSB
r)−チオアニソール/トリフルオロ酢酸(TFA)系
[N.Fujii,A.Otaka,N.Sugiyama,M.Hatano,and H.Yajima,
Chem.Pharm,Bull.,35,3880] (10ml)にて、0℃で
2時間脱保護基処理を行った。脱保護基反応後、TMS
BrおよびTFAを蒸発させ、そしてジエチルエーテル
を加えてペプチドを粉末状とした。得られた粉末は、リ
ン酸緩衝液(PBS)、pH=7.2(日水製薬(株)
製)に溶解し、同じリン酸緩衝液で洗浄したアビジン/
アガロースカラム(ピアース社製)を通し、さらに該緩
衝液で洗浄し、ビオチニル基を有する成熟ペプチドを選
択的にカラムに固定化し、未成熟ペプチドは溶出分離さ
せた。
【0057】次いでカラムに6Mグアニジン−HCl塩
(pH=1.5)を流し、ビオチニルペプチドをカラム
より溶出させた。溶出液に28%アンモニア水を加え
て、溶出液全体のアンモニア濃度が5%となるように調
整を行って、ビオチニル基を含むビオチン導入試薬残基
(2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフォニル]
エチル−オキシカルボニル基)と成熟ペプチドを切断し
た。
【0058】以降ペプチドから切断されたビオチニル基
を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチド
とを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲル
瀘過法により分離を行い、目的とするヒト成長ホルモン
分泌因子を取得した。得られた精製ヒト成長ホルモン分
泌因子を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
いて分析したところ、単一ピークを示すものであった。
また精製ペプチドはアミノ酸配列分析および質量分析
[ヒト成長ホルモン分泌因子:5037.8(M
+ + )]の結果、理論値と一致する値を示した。(C
215 358 7266Sに関して算出した。)
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、固相
法によるペプチド合成において得られる末端基にアミノ
基を有する目的とする成熟ペプチドおよびエンドキャッ
ピングされた目的以外の未成熟ペプチドが混在する系か
ら、前記成熟ペプチドを選択的に分離する合成ペプチド
の精製プロセスにおいて、その一端部に、前記成熟ペプ
チドのアミノ基末端と、ある特異的な条件で切断可能で
あるがペプチド合成プロセスの後処理工程で行われる酸
性条件下で行われる脱保護基反応では安定である結合を
反応により形成し得る反応性末端を有し、他端部にはビ
オチニル基を有すること、例えば前記構造式(II)で
表されるような化合物からなるビオチン導入試薬を用
い、アビジン−ビオチニル結合を利用して、成熟ペプチ
ドを選択的に修飾、固定・分離することができ、しかも
最終的に得られる成熟ペプチドは使用されたビオチン導
入試薬残基等が結合していない純粋な形態にある。さら
にその処理工程は単純で、多くの洗浄処理等を必要とす
ることもなく、迅速かつ高収率で精製できるものであ
る。従って、本発明は、ペプチドないし蛋白質合成に飛
躍的な進歩をもたらし、ペプチドないし蛋白質の生理作
用の解明、作用機序の解明等に大きく貢献することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fmoc固相ペプチド合成サイクル及びその後
の成熟ペプチドの精製過程を示すフローチャートであ
る。
【図2】ペプチド合成工程、ビオチン導入試薬結合工
程、およびアビジン結合固相担体を用いる精製工程を示
すフローチャートである。
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月1日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ビオチン導入試薬およびそれを用いる
合成ペプチド精製法
【特許請求の範囲】
【化1】
【化2】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成ペプチドないし合成
蛋白の精製に用いられるビオチン導入試薬に関するもの
であり、医薬および生理活性物質を創製するための有用
な技術を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】ペプチドないし蛋白質は、生体に普遍的
に存在する生物学的分子であり、その生理作用の解明、
作用機序の解明等は、生化学、生理学、医学などの分野
において大きな関心事となっている。
【0003】近年、例えば、ペプチドシンセサイザーな
どを用いて、所定のアミノ酸配列を有するペプチドない
し蛋白質を合成することが盛んに行われるようになって
きている。このようにして合成された所定のアミノ酸配
列を有するペプチドないし蛋白質を高純度で供給するこ
とができれば、前記したような各分野における研究に飛
躍的な進歩をもたらすことができると考えられる。しか
しながら、上記したようなペプチド合成においては、目
的のペプチドと共に多くの不純物が生起する。このた
め、このような多くの不純物の中から目的のペプチドの
みをいかに迅速かつ高い収率で取り出すかということ
が、固相ペプチド合成においてなお残された最大の課題
である[Analytical Biochemistry, Vol.170, p501, (19
88)]。
【0004】現在、固相法[R. B. Merrifield, J. Am.
Chem.Soc., 85, 2149 (1963)] により合成された合成ペ
プチドないし蛋白質の精製は、主としてゲル濾過法、高
速液体クロマトグラフィー法、あるいはそれらの組み合
わせによる方法により行われている。また、ある特殊な
ペプチトないし蛋白質に限っては、親和性クロマトグラ
フィー法が有力な手段となり得るが、この方法でさえ完
全とは言えないのが現状である。その理由は、固相法に
よるペプチドの合成では、多数のアミノ酸欠落ペプチド
が多種類同時に合成され、その中には親和性クロマトグ
ラフィー法における担体と弱いながらも親和性を示すも
のが混在するためである。
【0005】ペプチドの固相合成では段階的伸長法を採
用しており、例えば縮合反応収率が99%あれば、50
残基のペプチドで理論上60%の合成収率が得られる。
しかしながら、縮合反応はペプチドのシーケンス依存性
であるゆえ常に99%以上の収率が得られるとは限らな
い。そのためペプチド鎖を構築して行くと不完全縮合に
よる不純物は部分的にアミノ酸が欠落したペプチドとし
て蓄積してゆく。
【0006】このアミノ酸欠落ペプチドを除くため各縮
合反応の後に、無水酢酸によるキャッピングを施し、不
純物のそれ以上のペプチド鎖の延長を止めることが行わ
れている。この操作を行うことにより、最終アミノ酸導
入後、目的の配列を有するペプチドのみがN末端のアミ
ノ基を有することとなる。また、このアミノ基を利用し
た分離法も幾つか報告されている[例えば、T. J. Lob
l, R. M. Deibel, andA. W. Yen, Anal. Biochem., 17
0, 502(1988)]。
【0007】また、システイン−メチオニンをN末端に
導入し、システインのSH基を利用し、フェニル水銀カ
ラムに目的ペプチドのみを吸着させ分離し、後にBrC
Nでメチオニン−ペプチド間の結合を切断し目的ペプチ
ドを得る方法も知られているが[D. E. Krieger, B. W.
Erikson, and R. B. Merrifield, Proc. Natl. Acad.Sc
i. U.S.A., 73, 3160 (1976)]、この方法はメチオニン
を含有するペプチドには利用できないと言う制約がある
ものであった。
【0008】これらのいずれの方法も、煩雑な操作を要
し1段階分離法とは程遠いものである。
【0009】その中で前記Loblらの方法は、固相支持体
上で合成された目的とするペプチドのアミノ基末端の保
護基t−BOC基のみをTFA/DCMで切断除去し、
水洗、中和、DCM洗浄、DMF洗浄を行った後得られ
た、他の官能基に保護されたままのペプチドをDMFに
懸濁し、NHS−ビオチン(N−ヒドロキシサクシンイ
ミドビオチン)を加えて、固相支持体上ペプチドのアミ
ノ基末端をビオチン化する。そして、“low/high”HF
で固相支持体よりビオチン化ペプチドを切断し、エーテ
ルで粉化し、6Mグアニジン塩酸塩バッファで抽出し、
透析により2倍に濃縮した後、アビジン固定化相(例え
ば、アビジンアガロースカラム(ピアース社))を通
し、目的ペプチドのみを捕捉し、これに0.1Mグリシ
ン塩酸塩(pH2.0)で目的とするビオチン化ペプチ
ドを溶出させるものである。しかしながら、この方法は
ビオチンが修飾されたままのペプチドないし蛋白の分離
手段に過ぎず、この方法を用いてもビオチンとペプチド
を選択的に切断して目的とするペプチドのみを得ること
はできないものであった。
【0010】またビオチン導入試薬として、NHS−ビ
オチンに代えて、NHS−SS−ビオチン(スルフォサ
クシンイミジル 2−(ビオチンアミド)エチル−1,
3−ジチオプロピネート)を用い、ビオチン化ペプチド
をアビジン固定化相を用いて回収した後、チオールで試
薬のSS結合を切断し、ペプチドを得る方法も知られて
いるが、この方法によっても、ペプチドにSH基を含む
残基が付いたものしか得られないものであった[例え
ば、Mouton,C.A.,et al.(1982)Arcb. Biocbem.Biopby
s.218,101-108. Shimkus,M.,Levy,T.and Herman,T.
(1985)Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)82,2593-2597. Gre
tch,D.R.,Suter,M.and Stinski,M.F.(1987)Anal.Biocbe
m.163,270-277. ]。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は新規
なビオチン導入試薬およびそれを用いるペプチド精製法
を提供することを目的とするものである。さらに本発明
は、固相法によるペプチド合成において得られる合成最
終物より目的とする成熟ペプチドのみを、アビジン−ビ
オチン結合を利用して選択的に分離し、かつ最終的に非
修飾の成熟ペプチドを単離することが可能なビオチン導
入試薬およびそれを用いるペプチド精製法を提供するこ
とを目的とするものである。本発明はまた、合成ペプチ
ドを簡単な操作により、短時間で収率よく精製すること
を可能するビオチン導入試薬およびそれを用いた精製法
を提供することを目的とするものである。さらに本発明
は、高分子量のペプチドないしは蛋白にも適用すること
ができるビオチン導入試薬およびそれを用いるペプチド
精製法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記諸目的を達成する本
発明は、固相法によるペプチド合成において得られる末
端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチドおよび
エンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプチドが
混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分離する
合成ペプチドの精製プロセスにおいて用いられるビオチ
ン導入試薬であって、その一端部に、前記成熟ペプチド
のアミノ基末端と、ある特異的な条件で切断可能である
がペプチド合成プロセスの後処理工程で行われる酸性条
件下で行われる脱保護基反応では安定である結合を反応
により形成し得る反応性末端を有し、他端部にはビオチ
ニル基を有することを特徴とするビオチン導入試薬であ
る。
【0013】本発明のビオチン導入試薬は、次の構造式
(II)を有することが望ましい。
【0014】
【化3】 また上記構造式(II)で表されるビオチン導入試薬
は、次の構造式(I)を有する化合物を前駆物質として
容易に合成可能である。
【0015】
【化4】 本発明はまた、固相法によるペプチド合成において得ら
れる末端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチド
およびエンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプ
チドが混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分
離する合成ペプチドの精製法であって、前記混在系に上
記構造式(II)を有するビオチン導入試薬を添加し、
この試薬のカーボネート末端をアミノ基末端を有する前
記成熟ペプチドと反応させ、オキシカルボニル−イミド
結合を生成し、前記成熟ペプチドに、他端部にビオチニ
ル基を有するビオチン導入試薬残基を選択的に結合させ
ることを特徴とする合成ペプチドの精製法である。
【0016】本発明の合成ペプチドの精製法は、 a)固相法によるペプチド合成における最後のアミノ酸
を導入した後、末端にアミノ基を有する目的とする成熟
ペプチドおよびエンドキャッピングされた目的以外の未
成熟ペプチドの双方が結合している固相に対し、構造式
(II)を有するビオチン導入試薬を添加して、前記成
熟ペプチドを選択的に修飾し、 b)次いで、ビオチン導入試薬残基により修飾された成
熟ペプチド、および未成熟ペプチドを酸性条件下で固相
より切断し、 c)アビジンを固定化保持する別の固相を、前記b)段
階において得られたペプチド混合物と接触させて、成熟
ペプチドが結合しているビオチン導入試薬残基の他端部
にあるビオチニル基を選択的にアビジンに結合させ、成
熟ペプチドをこの固相に選択的に捕捉し、 d)前記c)段階において得られた成熟ペプチドを固定
した固相を、酸性条件下に曝し、アビジン−ビオチニル
結合を解離して、ビオチン導入試薬残基により修飾され
た成熟ペプチドを固相より切断し、 e)さらにビオチン導入試薬残基により修飾された成熟
ペプチドを、オキシカルボニル−イミド結合を解離する
特異的条件下に曝し、ビオチン導入試薬残基と目的とす
る成熟ペプチドを切断する ことにより目的とする成熟ペプチドを精製することがで
きる。
【0017】以下本発明を、実施態様に基づきより詳細
に説明する。
【0018】図1は、Fmoc(9-フロオレニルメチル
オキシカルボニル)法による固相ペプチド合成におい
て、本発明の精製方法の一例を適用した場合の概略を示
すものである。
【0019】図1に示すようにペプチド合成は、常法に
従い、ステップ1〜ステップ3を繰り返すことによって
行われる。すなわち、まずステップ1において、N末端
がFmoc基により保護された第1アミノ酸残基
【0020】
【化5】 が多数結合してなる固相としての固相担体ビーズPを、
ペプチドシンセサイザーの反応用容器にセットし、これ
に20% ピペリジン/ジメチルホルムアミド(DM
F)混液を添加することにより末端のFmoc基をはず
し、次にステップ2においてこれにN末端がFmoc基
により保護された第2アミノ酸
【0021】
【化6】 を縮合剤(例えば、N,N´−ジイソプロピルカルボジ
イミド(DIPCD) +N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(H
OBT)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス
(ジメチルアミノ)−ホスフォニウムヘキサフルオロホ
スフェイト(BOP)+HOBT、[と共にあるいは前記ア
ミノ酸のペンタフルオロフェニルエステル(Pfp エステ
ル)+HOBT]と共に添加し、第2アミノ酸残基を固
相担体ビーズP上の第1アミノ酸残基側方に結合させ
る。ここで、第2アミノ酸が結合しなかった未反応の鎖
が、その後のアミノ酸結合反応において成長していくの
を防止するために、ステップ3において無水酢酸/ピリ
ジン混液を反応用容器に添加し、未反応の鎖末端にアセ
チル基を結合させてエンンドキャッピングを行う。この
キャッピング処理により、固相担体ビーズ上には、第1
アミノ酸残基および第2アミノ酸残基が結合したN末端
がFmoc基により保護された鎖と、第1アミノ酸残基
のN末端にアセチル基が結合した鎖が存在することとな
る。
【0022】次いで、ステップ1に戻り、第1アミノ酸
残基および第2アミノ酸残基が結合した鎖のN末端のF
moc基をはずし、ステップ2において第3アミノ酸を
縮合剤と共に添加して、該鎖の第2アミノ酸残基側方に
第3アミノ鎖残基を結合させ、その後ステップ3におい
て第2アミノ酸が結合しなかった未反応の鎖をエンドキ
ャッピングする。このようにして目的のn個のアミノ酸
が結合するまでステップ1〜3を繰り返すものである。
【0023】最終アミノ酸導入後において、固相担体
(固相担体ビーズ)には、N末端のアミノ基を有する目
的とする成熟ペプチドと、無水酢酸でのキャッピングに
よってアセチル基修飾末端を有する未成熟ペプチド(不
純物)との双方が結合しており、目的とする成熟ペプチ
ドは多数の不純物中に混在した状態にある。
【0024】なお、第1図においては、未成熟ペプチド
の末端をアセチル基によってエンドキャッピングする例
を示したが、未成熟ペプチドの末端を有効にキャッピン
グできる限りにおいて、このようなキャッピングはいか
なるキャッピング試薬を用いて行うこともでき、これ以
外にも例えば、プロピオニル基、あるいは4−ニトロフ
ェニル基、2,4−ジニトロフェニル基、2,6−ジニ
トロフェニル基などによるキャッピングが可能である。
【0025】しかして、本発明の合成ペプチド精製方法
においては、この最終アミノ酸導入直後に、固相に対
し、前記成熟ペプチドのN末端と、酸性条件下で行われ
る固相法における最終脱保護基反応に安定でかつある他
の条件、例えばアルカリ性条件下で特異的に切断可能な
結合を形成し得る反応性末端を有し、かつ他端部にアビ
ジンと結合可能なビオチニル基を有するビオチン導入試
薬を添加する。
【0026】本発明において用いられるビオチン導入試
薬として、具体的には、例えば、次の構造式(II)を
有する化合物が挙げられる。
【0027】
【化7】 上記構造式で表されるビオチン導入試薬は、2−(アミ
ノエチルスルフォニル)エタノール・塩酸塩を3級アミ
ン等の有機塩基触媒の存在下、MHS−ビオチン(N−
ヒドロキシ−サクシンイミド−ビオチン)と反応させて
得られる次の構造式(I)で表される2−[(N−ビオ
チニル)−アミノエチルスルフォニル]エタノールを前
駆物質として容易に合成される。
【0028】
【化8】 2−[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォニル]
エタノールに例えば、p−ニトロフェニルクロルフォル
メート、N−ヒドロキシサクシンイミド、ペンタフルオ
ロクロルフォルメートなどをピリジン中で反応させて合
成することができるが、他の方法によっても良い。
【0029】このようなビオチン導入試薬が添加される
と、ビオチン導入試薬は、第1図に示すように目的とす
る成熟ペプチドのみがN末端のアミノ基を有するゆえ
に、この成熟ペプチドのみに結合し、成熟ペプチドのN
末端に2−[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォ
ニル]−エチル−オキシカルボニル基が導入される。
【0030】次いで、常法に基づき酸性条件下で、例え
ば、トリメチルシリルブロマイド(TMSBr)−チオ
アニソール/トリフルオロ酢酸を用いて、最終脱保護基
反応をおこない、2−[(N−ビオチニル)アミノエチ
ルスルフォニル]−エチル−オキシカルボニル−ペプチ
ド(以下ビオチニルペプチドと略す。)を、アセチル基
などによりエンドキャッピングされた未成熟ペプチド鎖
と共に固相より切断する。上記したようにこの最終脱保
護基反応においては、上記ビオチン導入試薬残基(2−
[(N−ビオチニル)アミノエチルスルフォニル]−エ
チル−オキシカルボニル基)は成熟ペプチドのN末端に
安定して結合している。
【0031】次に、こうして得られたビオチニルペプチ
ドおよび未成熟ペプチドを含むペプチド混合物に対し、
アビジンを固定化してなる別の固相、例えばアビジン−
アガロースカラムを接触させる。接触は、中性付近の条
件下に行われる。好ましくはpH=7〜9の範囲におい
て、かつ目的とする反応を阻害しない不活性の緩衝液中
で行われる。一例としては、緩衝液として、PBS
(−)緩衝液(pH7.2)が用いられ
【0032】この操作により、ビオチニルペプチドのみ
をアビジン−ビオチニル結合によって該固相に選択的に
固定できる。一方、固相に結合しなっかった未成熟ペプ
チドや脱保護基に用いたスカベンジャー等は固相に結合
されずに通過し、更に例えばPBS(−)緩衝液で洗浄
操作を行うことにより簡単に除去することができる。
【0033】次に、ビオチニルペプチドが結合したアビ
ジン固定化固相を、酸性条件下、例えば、6Mグアニジ
ン−HCl塩(pH1.5)に曝し、ビオチニルペプチ
ドを該固相より切断し溶出させる
【0034】最後に、ビオチン導入試薬残基と成熟ペプ
チドとのオキシカルボニル−イミド結合を解離する特異
的条件下、例えば、アルカリ条件下に曝し、目的とする
成熟ペプチドとビオチン導入試薬残基を切断分離する。
【0035】なお、このアルカリ処理を5%アンモニア
溶液条件下で用いて行った場合に、5%アンモニア溶液
に溶けないペプチドは沈殿物として容器内に残るものも
ある。このアルカリ処理の後に50%酢酸溶液を添加
ると沈殿物は溶解し効率よく回収できる
【0036】最後にペプチドから切断されたビオチニル
基を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチ
ドとを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲ
ル瀘過法により分離を行う。
【0037】なお、図2は、本発明のこのような合成ペ
プチド精製法の一実施態様による具体的な模式であり、
この図において目的とされる成熟ペプチドは、A−B−
C−D−E−F−Gで表わされるものであり、これより
短いA−B−C、A−B−C−D、A−B−C−D−
E、A−B−C−D−E−Fはいずれも未成熟ペプチド
を表わすものである。
【0038】図2のステップ1は、固相法ペプチド合成
の最終アミノ酸導入後において、固相(固相担体ビー
ズ)には、N末端のアミノ基を有する目的とする成熟ペ
プチドと、無水酢酸でのキャッピングによってアセチル
基修飾末端を有する未成熟ペプチド(不純物)との双方
が結合しており、目的とする成熟ペプチドは多数の不純
物中に混在した状態にある。この固相に上記したような
本発明のビオチン導入試薬を添加すると、ビオチン導入
試薬は成熟ペプチドA−B−C−D−E−F−Gのみの
末端に選択的に結合し、その後ペプチド合成法の最終脱
保護基処理を行うと、ステップ2に示されるように、成
熟ペプチドと未成熟ペプチドとが固相より切断される。
次に、ステップ3に示されるようにこうして得られたビ
オチニルペプチドおよび未成熟ペプチドを含むペプチド
混合物に対し、アビジンアガロースカラムを接触させ
る。この操作において、アビジンアガロースカラムには
ビオチニルペプチドのみがアビジン−ビオチニル反応に
よって保持され、未成熟ペプチドやその他の試薬は系外
に排出される。次いで、ステップ4において、酸性条件
に該カラムを曝し、ビオチニルペプチドをアビジンアガ
ロースカラムより溶離させ、カラム内よりビオチニルペ
プチドを流出させ、最後にステップ5においてこのビオ
チニルペプチドを、アルカリ条件に曝し、目的とする成
熟ペプチドA−B−C−D−E−F−Gとビオチン導入
試薬残基を切断分離するものである。
【0039】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明する。
【0040】実施例1:化合物e(ビオチン導入試薬前
駆物質)の合成
【0041】
【化9】 国際公開公報No.WO92/06107の実施例1の
1−1〜1−3または実施例2の2−1〜2−3の方法
に従い合成された2−[N−(p−メトキシベンジルオ
キシカルボニル−アミノエチルスルフォニル]エタノー
ル 6.35g(0.02mol)をアニソール4.3
5ml(2当量)の存在下、4N- HCl/ジオキサン
20ml(4当量)と1時間反応させた。反応終了後、
HCl/ジオキサンを蒸発させた後、乾燥エーテルを加
えた。粉状物を瀘取し、減圧下に3時間KOHデシケー
ター中で乾燥させた。
【0042】得られた2−アミノエチルスルフォニルエ
タノール塩酸塩をDMF200mlに懸濁させ、トリエ
チルアミン5.6ml(0.04mol)、ビオチンN
−ヒドロキシコハク酸イミドエステル6.86g(0.
02mol)を加え溶解させた。
【0043】4時間攪拌後、反応液を瀘過した。瀘液を
減圧で濃縮を行い、濃縮乾固物にエタノールを加えて攪
拌し粉末化させた。粗生成物をメタノールから再結晶を
行い結晶4.07g(収率54%)を得た。
【0044】なお、得られた化合物eの分析値は以下の
通りであった。
【0045】融点 126〜127℃ 質量分析 M+H+ =380.3 (分子量 379.
5) Rf8:3:1 =0.32 (クロロホルム/メタノール/
水=8/3/1の2層に分かれた内の展開溶媒として使
用、TLC(メルク社製)) C14253 5 2 ・1/2 H2 Oに関する理論値:C
=43.27;H=6.75;N=10.81 実測値:C=43.59;H=6.63;N=10.9
6 NMR(DMSO−d6 ):δ1.36-1.23(m,2H) 、1.46
-1.37(m,1H) 、1.56-1.46(m,2H) 、1.68-1.56(m,1H)
2.07(t,J=7.4Hz,2H)、2.58(d,J=12.4Hz,1H) 、2.82(dd,
J=12.4および5.1Hz,1H) 、3.10(ddd,J=8.3,6.3および4.
5Hz,1H) 、3.28-3.21(m,4H) 、3.49-3.41(m,2H) 、3.78
(t,J=5.8Hz,2H)、4.13(dd,J=7.7 及び4.4Hz,1H) 、4.31
(dd,J=7.7 及び4.3Hz,1H) 、6.45-6.35(m,2H) 、8.00
(t,J=5.7Hz,1H)
【0046】 実施例2:化合物f(ビオチン導入試薬)の合成
【0047】
【化10】 化合物f:2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフ
ォニル]エチルp−ニトロフェニルカーボネートの合成 上記実施例1で得られた化合物e 3.79g(10m
mol)を無水ピリジン30mlに溶解させた後、0℃
で冷却し、p−ニトロフェニルクロルフォルメート2.
02g(10mmol)を撹拌下で加えた。反応液は0
℃で5時間放置した後、減圧で濃縮を行った。濃縮残渣
に1N−HCl/エーテルを加えると直ぐ結晶が析出し
たので瀘過して結晶を得、さらに水洗した。
【0048】粗結晶をDMF−酢酸エチルから再結晶し
て結晶4.07g(収率75%)を得た(Rf8:3:1
0.37)。なお得られた化合物fの分析値は以下の通
りであった。
【0049】融点 104〜105℃ 質量分析 M+H+ =545.3 (分子量 544.
6) C21284 9 2 ・1/2 H2 Oに関する理論値:C
=45.65;H=5.37;N=10.22 実測値:C=45.75;H=5.22;N=10.0
8 NMR (DMSO−d6 ):δ1.36-1.23(m,2H) 、1.
47-1.37(m,1H) 、1.58-1.46(m,2H) 、1.67-1.55(m,1H)
、2.05(t,J=7.3Hz,2H)2.57(d,J=12.4Hz,1H) 、2.81(d
d,J=12.4及び5.0Hz,1H)3.08(ddd,J=(8.2,6.5及び4.5Hz,
1H) 、3.32(t,J=6.9Hz,2H)、3.48(q,J=6.7Hz,2H)、3.68
(t,J=5.7Hz,2H)、4.11(ddd,J=7.8,4.5及び2.0Hz,1H)
4.29(dd,J=7,8 及び5.2Hz,1H) 、4.62(t,J=5.7Hz,2H)
6.33(br.s,1H)、6.38(br.s,1H) 、7.58(ddd,J=9.2,3.3
及び2.2Hz,2H, 芳香性H)、8.07(br.t,J=5.9Hz,1H) 、8.
33(ddd,J=9.2,3.3及び2.2Hz,2H, 芳香性H)。
【0050】実施例3 合成ペプチドの精製 本発明に関わる合成ペプチドの精製法の有用性を検討す
るために、ペプチドとしてポリフェムシンIIを合成
し、この精製を試みた。
【0051】まず、第1図に従いFmoc固相合成法に
よりポリフェムシンIIを樹脂上にて合成し、さらにそ
の精製をおこなった。ポリフェムシンIIは分子内に2
個のジスルフィド結合を有するC末端がアミド化された
アミノ酸18残基からなるペプチドである。なお、合成
には分子内に存在するシステイン残基のチオール基はア
セトアミドメチル(Acm )で保護したアミノ酸誘導体を
用いた。
【0052】 H-Arg-Arg-Trp-Cys(Acm)-Phe-Arg-Val-Cys(Acm)-Tyr-Lys-Gly-Phe-Cys(Acm)- Tyr-Arg-Lys-Cys(Acm)-Arg- NH2 合成の最終段階で、固相樹脂(0.2mmol)に、上
記実施例2において調製した化合物f 109mg(5
当量)とN−ヒドロキシベンゾトリアゾール152mg
(5当量)を加え、ジメチルホルムアミド(10ml)
中にて2時間攪拌し、樹脂上に合成されたポリフェムシ
ンIIのN末端に2−[N−ビオチニル−アミノエチル
スルフォニル]エチル−オキシカルボニル基を導入し
た。次いで、固相樹脂(100mg)をエタンジチオー
ル(0.2ml)、m−クレゾール(0.5ml)存在
下、1M トリメチルシリルブロミド(TMSBr)−
チオアニソール/トリフルオロ酢酸(TFA)系[N. Fu
jii, A. Otaka, N. Sugiyama, M. Hatano, and H. Yaji
ma, Chem. Pharm. Bull., 35, 3880](10ml)にて、
0℃で2時間脱保護基処理を行った。脱保護基反応後、
TMSBrおよびTFAを蒸発させ、そしてジエチルエ
ーテルを加えてペプチドを粉末状とした。得られた粉末
は、リン酸緩衝液(PBS)、pH=7.2(日水製薬
(株)製)に溶解し、同じリン酸緩衝液で洗浄したアビ
ジン/アガロースカラム(ピアース社製)を通し、さら
に該緩衝液で洗浄し、ビオチニル基を有する成熟ペプチ
ドを選択的にカラムに固定化し、未成熟ペプチドは溶出
分離させた。
【0053】次いでカラムに6Mグアニジン−HCl塩
(pH=1.5)を流し、ビオチニルペプチドをカラム
より溶出させた。溶出液に28%アンモニア水を加え
て、溶出液全体のアンモニア濃度が5%となるように調
整を行って、ビオチニル基を含むビオチン導入試薬残基
(2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフォニル]
エチル−オキシカルボニル基)と成熟ペプチドを切断し
た。
【0054】以降ペプチドから切断されたビオチニル基
を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチド
とを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲル
瀘過法により分離を行い、目的とするポリフェムシンI
Iを取得した。得られた精製ポリフェムシンIIを高速
液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて分析した
ところ、単一ピークを示すものであった。また精製ペプ
チドはアミノ酸配列分析および質量分析[Acm-ポリフェ
ムシンII:2714.1(M+H+ )]の結果、理論
値と一致する値を示した。(C120 185 41244
に関して算出した。) 実施例4 合成ペプチドの精製 本発明に関わる合成ペプチドの精製法の有用性を検討す
るために、ペプチドとしてヒト成長ホルモン分泌因子を
合成し、この精製を試みた。
【0055】まず、図1に従いFmoc固相合成法によ
りヒト成長ホルモン分泌因子を樹脂上にて合成し、さら
にその精製を行った。
【0056】 H-Tyr-Ala-Asp-Ala-Ile-Phe-Thr-Asn-Ser-Tyr-Arg-Lys-Val-Leu-Gly-Gln-Leu- Ser-Ala-Arg-Lys-Leu-Leu-Gln-Asp-Ile-Met-Ser-Arg-Gln-Gln-Gly-Glu-Ser- Asn-Gln-Glu-Arg-Gly-Ala-Arg-Ala-Arg-Leu-NH2 合成の最終段階で、固相樹脂(0.2mmol)に、上
記実施例2において調整した化合物f109mg(5当
量)とN−ヒドロシキベンゾトリアゾール152mg
(5当量)を加え、ジメチルホルムアミド(10ml)
中にて2時間撹拌し、樹脂上に合成されたヒト成長ホル
モン分泌因子のN末端に2−[N−ビオチニル−アミノ
エチルスルフォニル]エチル−オキシカルボニル基を導
入した。次いで、固相樹脂(100mg)をエタンジチ
オール(0.2ml)、m−クレゾール(0.5ml)
存在下、1M トリメチルシリルブロミド(TMSB
r)−チオアニソール/トリフルオロ酢酸(TFA)系
[N.Fujii,A.Otaka,N.Sugiyama,M.Hatano,and H.Yajima,
Chem.Pharm,Bull.,35,3880] (10ml)にて、0℃で
2時間脱保護基処理を行った。脱保護基反応後、TMS
BrおよびTFAを蒸発させ、そしてジエチルエーテル
を加えてペプチドを粉末状とした。得られた粉末は、リ
ン酸緩衝液(PBS)、pH=7.2(日水製薬(株)
製)に溶解し、同じリン酸緩衝液で洗浄したアビジン/
アガロースカラム(ピアース社製)を通し、さらに該緩
衝液で洗浄し、ビオチニル基を有する成熟ペプチドを選
択的にカラムに固定化し、未成熟ペプチドは溶出分離さ
せた。
【0057】次いでカラムに6Mグアニジン−HCl塩
(pH=1.5)を流し、ビオチニルペプチドをカラム
より溶出させた。溶出液に28%アンモニア水を加え
て、溶出液全体のアンモニア濃度が5%となるように調
整を行って、ビオチニル基を含むビオチン導入試薬残基
(2−[N−ビオチニル−アミノエチルスルフォニル]
エチル−オキシカルボニル基)と成熟ペプチドを切断し
た。
【0058】以降ペプチドから切断されたビオチニル基
を含むビオチン導入試薬残基と目的とする成熟ペプチド
とを常法に基づき逆相液体クロマト分離、あるいはゲル
瀘過法により分離を行い、目的とするヒト成長ホルモン
分泌因子を取得した。得られた精製ヒト成長ホルモン分
泌因子を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用
いて分析したところ、単一ピークを示すものであった。
また精製ペプチドはアミノ酸配列分析および質量分析
[ヒト成長ホルモン分泌因子:5037.8(M
+ + )]の結果、理論値と一致する値を示した。(C
215 358 7266Sに関して算出した。)
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、固相
法によるペプチド合成において得られる末端基にアミノ
基を有する目的とする成熟ペプチドおよびエンドキャッ
ピングされた目的以外の未成熟ペプチドが混在する系か
ら、前記成熟ペプチドを選択的に分離する合成ペプチド
の精製プロセスにおいて、その一端部に、前記成熟ペプ
チドのアミノ基末端と、ある特異的な条件で切断可能で
あるがペプチド合成プロセスの後処理工程で行われる酸
性条件下で行われる脱保護基反応では安定である結合を
反応により形成し得る反応性末端を有し、他端部にはビ
オチニル基を有すること、例えば前記構造式(II)で
表されるような化合物からなるビオチン導入試薬を用
い、アビジン−ビオチニル結合を利用して、成熟ペプチ
ドを選択的に修飾、固定・分離することができ、しかも
最終的に得られる成熟ペプチドは使用されたビオチン導
入試薬残基等が結合していない純粋な形態にある。さら
にその処理工程は単純で、多くの洗浄処理等を必要とす
ることもなく、迅速かつ高収率で精製できるものであ
る。従って、本発明は、ペプチドないし蛋白質合成に飛
躍的な進歩をもたらし、ペプチドないし蛋白質の生理作
用の解明、作用機序の解明等に大きく貢献することがで
きるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Fmoc固相ペプチド合成サイクル及びその後
の成熟ペプチドの精製過程を示すフローチャートであ
る。
【図2】ペプチド合成工程、ビオチン導入試薬結合工
程、およびアビジン結合固相担体を用いる精製工程を示
すフローチャートである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固相法によるペプチド合成において得ら
    れる末端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチド
    およびエンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプ
    チドが混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分
    離する合成ペプチドの精製プロセスにおいて用いられる
    ビオチン導入試薬であって、 その一端部に、前記成熟ペプチドのアミノ基末端と、あ
    る特異的な条件で切断可能であるがペプチド合成プロセ
    スの後処理工程で行われる酸性条件下で行われる脱保護
    基反応では安定である結合を反応により形成し得る反応
    性末端を有し、 他端部にはビオチニル基を有することを特徴とするビオ
    チン導入試薬。
  2. 【請求項2】 次の構造式(II)を有することを特徴
    とする請求項1に記載のビオチン導入試薬。 【化1】
  3. 【請求項3】 次の構造式(I)を有することを特徴と
    する請求項2に記載のビオチン導入試薬の前駆物質。 【化2】
  4. 【請求項4】 固相法によるペプチド合成において得ら
    れる末端基にアミノ基を有する目的とする成熟ペプチド
    およびエンドキャッピングされた目的以外の未成熟ペプ
    チドが混在する系から、前記成熟ペプチドを選択的に分
    離する合成ペプチドの精製法であって、前記混在系に請
    求項2の構造式を有するビオチン導入試薬を添加し、こ
    の試薬のカーボネート末端をアミノ基末端を有する前記
    成熟ペプチドと反応させ、オキシカルボニル−イミド結
    合を生成し、前記成熟ペプチドに、他端部にビオチニル
    基を有するビオチン導入試薬残基を選択的に結合させる
    ことを特徴とする合成ペプチドの精製法。
  5. 【請求項5】 a)固相法によるペプチド合成における
    最後のアミノ酸を導入した後、末端にアミノ基を有する
    目的とする成熟ペプチドおよびエンドキャッピングされ
    た目的以外の未成熟ペプチドの双方が結合している固相
    に対し、 請求項2の構造式を有するビオチン導入試薬を添加し
    て、前記成熟ペプチドを選択的に修飾し、 b)次いで、ビオチン導入試薬残基により修飾された成
    熟ペプチド、および未成熟ペプチドを酸性条件下で固相
    より切断し、 c)アビジンを固定化保持する別の固相を、前記b)段
    階において得られたペプチド混合物と接触させて、成熟
    ペプチドが結合しているビオチン導入試薬残基の他端部
    にあるビオチニル基を選択的にアビジンに結合させ、成
    熟ペプチドをこの固相に選択的に捕捉し、 d)前記c)段階において得られた成熟ペプチドを固定
    した固相を、酸性条件下に曝し、アビジン−ビオチニル
    結合を解離して、ビオチン導入試薬残基により修飾され
    た成熟ペプチドを固相より切断し、 e)さらにビオチン導入試薬残基により修飾された成熟
    ペプチドを、オキシカルボニル−イミド結合を解離する
    特異的条件下に曝し、ビオチン導入試薬残基と目的とす
    るペプチドを切断する操作を含んでいることを特徴とす
    る請求項4に記載の合成ペプチド精製方法。
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