JPH06330139A - 溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法 - Google Patents
溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法Info
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- JPH06330139A JPH06330139A JP5124452A JP12445293A JPH06330139A JP H06330139 A JPH06330139 A JP H06330139A JP 5124452 A JP5124452 A JP 5124452A JP 12445293 A JP12445293 A JP 12445293A JP H06330139 A JPH06330139 A JP H06330139A
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- Y02P10/143—Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions of methane [CH4]
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 湿潤な硫化水素環境において優れた溶接部の
耐硫化物応力割れ性を有する鋼の取鍋精錬。 【構成】 重量%で、C:0.03〜0.09、Si:
0.1〜0.4、Mn:0.5〜1.0、P:0.01
5以下、S:0.0010以下、Nb:0.010〜
0.050、Al:0.005〜0.03、Ca:0.
001〜0.003、Ti:0.005〜0.025、
O:0.0050以下で、かつ、 で、0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17で、
6<(%Si)/(%Al)<25で、残部が鉄及び不
可避不純物からなる鋼を取鍋精錬する、溶接部の耐硫化
物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法。
耐硫化物応力割れ性を有する鋼の取鍋精錬。 【構成】 重量%で、C:0.03〜0.09、Si:
0.1〜0.4、Mn:0.5〜1.0、P:0.01
5以下、S:0.0010以下、Nb:0.010〜
0.050、Al:0.005〜0.03、Ca:0.
001〜0.003、Ti:0.005〜0.025、
O:0.0050以下で、かつ、 で、0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17で、
6<(%Si)/(%Al)<25で、残部が鉄及び不
可避不純物からなる鋼を取鍋精錬する、溶接部の耐硫化
物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、湿潤な硫化水素環境に
おいて優れた溶接部の耐硫化物応力割れ性を有するAP
IグレードX42からX56のラインパイプ用鋼の取鍋
精錬に関するものである。
おいて優れた溶接部の耐硫化物応力割れ性を有するAP
IグレードX42からX56のラインパイプ用鋼の取鍋
精錬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年生産される石油、天然ガス中に硫化
水素を含む場合が非常に多くなっているため、これらの
石油、天然ガスを輸送するラインパイプは海水等の水が
共存した硫化水素環境(サワー環境)にさらされる可能
性が高くなっている。サワー環境中では、鋼表面の腐食
による鋼中への水素の侵入が硫化水素の触媒作用により
促進される。一方、操業中のラインパイプには内部を通
過する流体の圧力により周方向の応力、即ちフープ応力
が作用する。
水素を含む場合が非常に多くなっているため、これらの
石油、天然ガスを輸送するラインパイプは海水等の水が
共存した硫化水素環境(サワー環境)にさらされる可能
性が高くなっている。サワー環境中では、鋼表面の腐食
による鋼中への水素の侵入が硫化水素の触媒作用により
促進される。一方、操業中のラインパイプには内部を通
過する流体の圧力により周方向の応力、即ちフープ応力
が作用する。
【0003】このような環境条件のもとで生じるライン
パイプの破壊原因として硫化物応力割れが知られてい
る。特に溶接部の硬度の高い部分で生じる硫化物応力割
れが多く経験されてきた。そこで、硫化物応力割れの防
止方法としては、溶接部の最高硬さを規制することが一
般的となっており、通常はビッカース硬度で248以下
とするように求められることが多い。この要求に対応す
るために、鋼管製造メーカーは鋼管材の炭素等量を下
げ、それによる強度低下を補うために制御圧延、加速冷
却からなる加工熱処理法、いわゆるTMCPにより素材
を製造している。TMCP技術の導入は、溶接部の硬化
防止の他、金属組織制御により鋼管母材の耐硫化応力割
れ性を向上した。
パイプの破壊原因として硫化物応力割れが知られてい
る。特に溶接部の硬度の高い部分で生じる硫化物応力割
れが多く経験されてきた。そこで、硫化物応力割れの防
止方法としては、溶接部の最高硬さを規制することが一
般的となっており、通常はビッカース硬度で248以下
とするように求められることが多い。この要求に対応す
るために、鋼管製造メーカーは鋼管材の炭素等量を下
げ、それによる強度低下を補うために制御圧延、加速冷
却からなる加工熱処理法、いわゆるTMCPにより素材
を製造している。TMCP技術の導入は、溶接部の硬化
防止の他、金属組織制御により鋼管母材の耐硫化応力割
れ性を向上した。
【0004】しかし、TMCP鋼では、低炭素等量故に
必然的に溶接熱影響部(HAZ)に母材よりも強度の低
い軟化領域が生じる。特に溶接入熱の大きいUOE鋼管
では、軟化度が大きい。ラインパイプの耐硫化物応力割
れ性を評価する手法として、NACE規格TM0177
−90があるが、この場合、負荷応力の設定基準は母材
の強度に基づいて決定されるため、軟化部を含むTMC
P鋼では応力条件が厳しくなる軟化部で優先的に割れが
生じることが知られている。また、最近英国を中心とし
て、ラインパイプの耐硫化物応力割れ性評価試験として
実管で試験を行う試験法、通称CAPCIS試験が規格
化されようとしている。CAPCIS試験ではHAZ軟
化部を含めて評価される上、評価手段として超音波探傷
が採られるため軟化部に生じた微小な内部割れも問題視
され得るという厳しいものである。
必然的に溶接熱影響部(HAZ)に母材よりも強度の低
い軟化領域が生じる。特に溶接入熱の大きいUOE鋼管
では、軟化度が大きい。ラインパイプの耐硫化物応力割
れ性を評価する手法として、NACE規格TM0177
−90があるが、この場合、負荷応力の設定基準は母材
の強度に基づいて決定されるため、軟化部を含むTMC
P鋼では応力条件が厳しくなる軟化部で優先的に割れが
生じることが知られている。また、最近英国を中心とし
て、ラインパイプの耐硫化物応力割れ性評価試験として
実管で試験を行う試験法、通称CAPCIS試験が規格
化されようとしている。CAPCIS試験ではHAZ軟
化部を含めて評価される上、評価手段として超音波探傷
が採られるため軟化部に生じた微小な内部割れも問題視
され得るという厳しいものである。
【0005】この軟化部の硫化物応力割れを防止する方
法として、従来、(1)軟化することを見越して母材強
度を高く設定する方法が採られてきた。また、(2)軟
化を防止する方法として、以下の対策が開示されてい
る。 窒化物などの析出硬化によりHAZの強度低下を防止
する方法(例えば、特開昭62−284043号公
報)。 溶接後溶接部を熱処理して軟化を改善する方法(例え
ば、特開平4−168220号公報)。 これらの手段は、軟化部の強度増加あるいは軟化防止と
いう意味では有効であるが、実際にラインパイプの製造
に適用するには次のような欠点がある。
法として、従来、(1)軟化することを見越して母材強
度を高く設定する方法が採られてきた。また、(2)軟
化を防止する方法として、以下の対策が開示されてい
る。 窒化物などの析出硬化によりHAZの強度低下を防止
する方法(例えば、特開昭62−284043号公
報)。 溶接後溶接部を熱処理して軟化を改善する方法(例え
ば、特開平4−168220号公報)。 これらの手段は、軟化部の強度増加あるいは軟化防止と
いう意味では有効であるが、実際にラインパイプの製造
に適用するには次のような欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記(1)のように母
材強度を高く設定した場合、例えば、X46の需要に対
してX60の強度を有する鋼管を供給した場合、いたず
らに合金コストなどの製造コストを上げることになる。
また、需要家によっては、強度の上限を設定するので、
このような方法は全く通用しない。
材強度を高く設定した場合、例えば、X46の需要に対
してX60の強度を有する鋼管を供給した場合、いたず
らに合金コストなどの製造コストを上げることになる。
また、需要家によっては、強度の上限を設定するので、
このような方法は全く通用しない。
【0007】一方、上記(2)ののように析出硬化を
利用した場合、確かに軟化の程度は軽減されるが、軟化
部を皆無にするまでには至らない。また、析出元素とし
てVの窒化物を利用するのでラインパイプにおいて重要
な特性のひとつである溶接部の破壊靱性を低下させるこ
とになる。また、上記(2)のの方法は確かに軟化防
止の手段ではあるが、UOE鋼管の製造に適用するため
には大型の熱処理手段を必要とする上に、生産性を阻害
しコスト増となるため現実的な方法とは言えない。以上
のように溶接部の耐硫化物応力割れ性を得るための方法
として、軟化を改善するための手段が少なく、採り得た
としても工業的に有利な手段とはならない。
利用した場合、確かに軟化の程度は軽減されるが、軟化
部を皆無にするまでには至らない。また、析出元素とし
てVの窒化物を利用するのでラインパイプにおいて重要
な特性のひとつである溶接部の破壊靱性を低下させるこ
とになる。また、上記(2)のの方法は確かに軟化防
止の手段ではあるが、UOE鋼管の製造に適用するため
には大型の熱処理手段を必要とする上に、生産性を阻害
しコスト増となるため現実的な方法とは言えない。以上
のように溶接部の耐硫化物応力割れ性を得るための方法
として、軟化を改善するための手段が少なく、採り得た
としても工業的に有利な手段とはならない。
【0008】従って、HAZ軟化の存在を前提として、
軟化部の耐硫化物応力割れ性を確保することが溶接部の
耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプを製造するに
あたっての課題となる。
軟化部の耐硫化物応力割れ性を確保することが溶接部の
耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプを製造するに
あたっての課題となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
有利に解決するもので、取鍋精錬において硫化物の形態
制御に必要なCaを添加した上で、Ca、Al、Siの
添加量を調整して硫化物応力割れの発生起点となる酸化
物の形態を制御し、軟化部でも耐硫化物応力割れ性を得
るというものである。
有利に解決するもので、取鍋精錬において硫化物の形態
制御に必要なCaを添加した上で、Ca、Al、Siの
添加量を調整して硫化物応力割れの発生起点となる酸化
物の形態を制御し、軟化部でも耐硫化物応力割れ性を得
るというものである。
【0010】すなわち、本発明の要旨とするところは、
重量%で、C :0.03〜0.09%、Si:0.1
〜0.4%、Mn:0.5〜1.0%、P :0.01
5%以下、S :0.0010%以下、Nb:0.01
0〜0.050%、Al:0.005〜0.03%、C
a:0.001〜0.003%、Ti:0.005〜
0.025%、O :0.0050%以下を含有し、さ
ら必要に応じて、V :0.01〜0.1%、Ni:
0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%、C
r:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%の
1種または2種以上を含有し、残部が鉄及び不可避不純
物からなる鋼の取鍋精錬に際して、下記の(1)、
(2)及び(3)式を満足するようにCa、Al、Si
の添加量を調整することを特徴とする溶接部の耐硫化物
応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法にあ
る。
重量%で、C :0.03〜0.09%、Si:0.1
〜0.4%、Mn:0.5〜1.0%、P :0.01
5%以下、S :0.0010%以下、Nb:0.01
0〜0.050%、Al:0.005〜0.03%、C
a:0.001〜0.003%、Ti:0.005〜
0.025%、O :0.0050%以下を含有し、さ
ら必要に応じて、V :0.01〜0.1%、Ni:
0.05〜0.5%、Cu:0.05〜0.5%、C
r:0.05〜0.5%、Mo:0.05〜0.5%の
1種または2種以上を含有し、残部が鉄及び不可避不純
物からなる鋼の取鍋精錬に際して、下記の(1)、
(2)及び(3)式を満足するようにCa、Al、Si
の添加量を調整することを特徴とする溶接部の耐硫化物
応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法にあ
る。
【0011】
【数3】
【0012】 0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17 …(2) 6<(%Si)/(%Al)<25 …(3)
【0013】
【作用】本発明者らは、実機で製造したX42からX5
2グレードの種々のUOEラインパイプについて割れ感
受性の高い溶接軟化部の硫化物応力割れを再現する実験
を行い、軟化部に生じる初期の割れの破面を観察して割
れの発生起点を観察した。その結果、Caによる硫化物
の形態制御が十分に行われていない場合、比較的大きな
割れが生じ、割れは伸長したMnSを起点とすること、
Caによる硫化物の形態制御が十分に行われている場
合、比較的小さな割れが生じ、割れの起点は、群状に存
在するCaO・Al2 O3 系酸化物またはAl2 O3 ・
SiO2 系酸化物であることが判明した。そこで、本発
明者は軟化部の硫化物応力割れを防止するには、まず、
硫化物の形態制御を十分に行うことが必要であると考え
た。実機で製造したX42からX56グレードの種々の
UOEラインパイプについて調査した結果、取鍋精錬で
硫化物の形態制御を十分に行うために必要なCa量に関
して、下記(1)式を満足するすることが必要であるこ
とを知見した。
2グレードの種々のUOEラインパイプについて割れ感
受性の高い溶接軟化部の硫化物応力割れを再現する実験
を行い、軟化部に生じる初期の割れの破面を観察して割
れの発生起点を観察した。その結果、Caによる硫化物
の形態制御が十分に行われていない場合、比較的大きな
割れが生じ、割れは伸長したMnSを起点とすること、
Caによる硫化物の形態制御が十分に行われている場
合、比較的小さな割れが生じ、割れの起点は、群状に存
在するCaO・Al2 O3 系酸化物またはAl2 O3 ・
SiO2 系酸化物であることが判明した。そこで、本発
明者は軟化部の硫化物応力割れを防止するには、まず、
硫化物の形態制御を十分に行うことが必要であると考え
た。実機で製造したX42からX56グレードの種々の
UOEラインパイプについて調査した結果、取鍋精錬で
硫化物の形態制御を十分に行うために必要なCa量に関
して、下記(1)式を満足するすることが必要であるこ
とを知見した。
【0014】
【数4】
【0015】本条件を満足した上で、酸化物の存在状態
がCaとAlの添加量及びSiとAlの添加量により異
なると推量し、Ca/Al及びSi/Alを変化させた
種々のUOEラインパイプについて、シーム溶接部から
溶接線に垂直方向にNACE規格TM0177−90
method Aに従う試験片を作製し、同規格に従い
定荷重試験を実施し、720時間後に試験片が破断しな
い限界の応力σthを求めた。σthを鋼管の規格最小
降伏応力SMYSで規格化し、σth/SMYS≧0.
8をもって、優れた耐硫化物応力割れ性を有すると判断
し、溶接部の硫化物応力割れの発生状況を検討した。図
1に示すように、取鍋精錬において下記の(2)式及び
(3)式を満足すれば軟化部でも優れた耐硫化物応力割
れ性が得られることを知見するに至った。
がCaとAlの添加量及びSiとAlの添加量により異
なると推量し、Ca/Al及びSi/Alを変化させた
種々のUOEラインパイプについて、シーム溶接部から
溶接線に垂直方向にNACE規格TM0177−90
method Aに従う試験片を作製し、同規格に従い
定荷重試験を実施し、720時間後に試験片が破断しな
い限界の応力σthを求めた。σthを鋼管の規格最小
降伏応力SMYSで規格化し、σth/SMYS≧0.
8をもって、優れた耐硫化物応力割れ性を有すると判断
し、溶接部の硫化物応力割れの発生状況を検討した。図
1に示すように、取鍋精錬において下記の(2)式及び
(3)式を満足すれば軟化部でも優れた耐硫化物応力割
れ性が得られることを知見するに至った。
【0016】 0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17 …(2) 6<(%Si)/(%Al)<25 …(3) 以上の事実に基づき、後述する理由で化学成分を限定し
た上で、取鍋精錬で上記の条件が満足されれば、溶接部
の耐硫化物応力割れ性に優れたAPIグレードX46か
らX52のラインパイプの製造が可能であるという結論
を得た。
た上で、取鍋精錬で上記の条件が満足されれば、溶接部
の耐硫化物応力割れ性に優れたAPIグレードX46か
らX52のラインパイプの製造が可能であるという結論
を得た。
【0017】次に本発明における成分限定理由を述べ
る。Cは、強化元素であるため、所望の強度を得るため
に0.03%以上とする。一方、多量に添加すると、ラ
インパイプの母材、溶接部の硬度が高くなり、靱性が低
下することに加え、硫化水素環境中で、硫化物応力割れ
が生じやすくなるため0.09%以下とする。
る。Cは、強化元素であるため、所望の強度を得るため
に0.03%以上とする。一方、多量に添加すると、ラ
インパイプの母材、溶接部の硬度が高くなり、靱性が低
下することに加え、硫化水素環境中で、硫化物応力割れ
が生じやすくなるため0.09%以下とする。
【0018】Siは脱酸元素であり、0.1%未満で
は、十分に脱酸力が得られないため、また、0.4%を
超えると鋼を脆化させるため0.1〜0.4%とする。
Mnは、硫化物応力割れの発生起点となるMnSを形成
するとともに、鋼の脆化を促進するPと共偏析して、割
れの伝播、進展を助長するので、Mnの添加量は、でき
るだけ低い方が望ましい。しかし、Mnは強度、靱性を
得る上で不可欠の元素であるから、X42からX52の
ラインパイプの強度を得るため、0.5〜1.0%とす
る。
は、十分に脱酸力が得られないため、また、0.4%を
超えると鋼を脆化させるため0.1〜0.4%とする。
Mnは、硫化物応力割れの発生起点となるMnSを形成
するとともに、鋼の脆化を促進するPと共偏析して、割
れの伝播、進展を助長するので、Mnの添加量は、でき
るだけ低い方が望ましい。しかし、Mnは強度、靱性を
得る上で不可欠の元素であるから、X42からX52の
ラインパイプの強度を得るため、0.5〜1.0%とす
る。
【0019】Pは偏析により硫化物応力割れの伝播を起
こしやすくする元素で、低い方が望ましく、0.015
%を上限とする。SはMnと結びついて硫化物応力割れ
の発生起点であるMnSを形成するため、極力低い方が
望ましい。耐割れ性を安定して得るという観点から、
0.0010%を上限とする。
こしやすくする元素で、低い方が望ましく、0.015
%を上限とする。SはMnと結びついて硫化物応力割れ
の発生起点であるMnSを形成するため、極力低い方が
望ましい。耐割れ性を安定して得るという観点から、
0.0010%を上限とする。
【0020】Nbは圧延組織の細粒化、焼入性の向上と
析出硬化のため0.010%以上添加するが、0.05
0%を超えて添加しても多量に添加することによる効果
は小さく、むしろ粗大な炭化物を形成して耐水素誘起割
れ性を低下するので、0.050%を上限とする。Al
は脱酸元素として重要であるが、多量に添加すると鋼を
汚染し、また靱性を低下させるので、0.005〜0.
03%とする。
析出硬化のため0.010%以上添加するが、0.05
0%を超えて添加しても多量に添加することによる効果
は小さく、むしろ粗大な炭化物を形成して耐水素誘起割
れ性を低下するので、0.050%を上限とする。Al
は脱酸元素として重要であるが、多量に添加すると鋼を
汚染し、また靱性を低下させるので、0.005〜0.
03%とする。
【0021】CaはMnS等の硫化物系介在物の形状を
制御するために、0.001%以上添加するが、多量に
添加すると鋼が汚染されるので0.003%以下とす
る。Ti添加量の下限0.005%は、微細なTiNを
形成し、ミクロ組織の細粒化が期待される最小量であ
り、上限はTiCによる靱性低下が起きない条件から
0.025%とする。
制御するために、0.001%以上添加するが、多量に
添加すると鋼が汚染されるので0.003%以下とす
る。Ti添加量の下限0.005%は、微細なTiNを
形成し、ミクロ組織の細粒化が期待される最小量であ
り、上限はTiCによる靱性低下が起きない条件から
0.025%とする。
【0022】Oは鋼中に残存し酸化物を形成するが、O
量が多く、その結果酸化物が多くなると、水素誘起割
れ、硫化物応力割れの発生起点となるほか、靱性も低下
させるので、0.0050%を上限とする。本発明で
は、上記元素に加えて必要に応じてさらにV、Ni、C
u、Cr、Moの1種または2種以上を添加し得る。
量が多く、その結果酸化物が多くなると、水素誘起割
れ、硫化物応力割れの発生起点となるほか、靱性も低下
させるので、0.0050%を上限とする。本発明で
は、上記元素に加えて必要に応じてさらにV、Ni、C
u、Cr、Moの1種または2種以上を添加し得る。
【0023】Vは強化元素として0.01%以上添加
し、過剰に添加すると靱性を低下させるので0.1%以
下とする。Ni、Cu、Cr、Moはいずれも鋼の焼入
性を増大し、強度を増加する必要がある場合に添加する
が、過度の添加により低温変態生成物が形成され靱性及
び耐水素誘起割れ性が損なわれるので、それぞれ0.5
%を上限とする。また、0.05%未満では添加効果が
小さいため、それぞれ0.05%を下限とする。
し、過剰に添加すると靱性を低下させるので0.1%以
下とする。Ni、Cu、Cr、Moはいずれも鋼の焼入
性を増大し、強度を増加する必要がある場合に添加する
が、過度の添加により低温変態生成物が形成され靱性及
び耐水素誘起割れ性が損なわれるので、それぞれ0.5
%を上限とする。また、0.05%未満では添加効果が
小さいため、それぞれ0.05%を下限とする。
【0024】本発明は、上記成分を有するラインパイプ
用鋼の取鍋精錬に際して、Ca、Al、Si添加量を前
記式(1)、(2)、(3)に従い調整して、優れた溶
接部の耐硫化物応力割れ性を付与する。式(1)は、比
較的大きな硫化物応力割れの原因となる伸長したMnS
の生成を防止するため、硫化物の形態制御を十分に行う
のに必要な条件である。前記式(2)は、比較的小さな
硫化物応力割れの原因となる群状に存在するCaO・A
l2 O3 系酸化物の生成を防止する条件、前記式(3)
は比較的小さな硫化物応力割れの原因となる群状に存在
するAl2 O3 ・SiO2 系酸化物の生成を防止する条
件である。これらの条件は、鋼管の母材の耐硫化物応力
割れ性を得るためにも十分な条件である。
用鋼の取鍋精錬に際して、Ca、Al、Si添加量を前
記式(1)、(2)、(3)に従い調整して、優れた溶
接部の耐硫化物応力割れ性を付与する。式(1)は、比
較的大きな硫化物応力割れの原因となる伸長したMnS
の生成を防止するため、硫化物の形態制御を十分に行う
のに必要な条件である。前記式(2)は、比較的小さな
硫化物応力割れの原因となる群状に存在するCaO・A
l2 O3 系酸化物の生成を防止する条件、前記式(3)
は比較的小さな硫化物応力割れの原因となる群状に存在
するAl2 O3 ・SiO2 系酸化物の生成を防止する条
件である。これらの条件は、鋼管の母材の耐硫化物応力
割れ性を得るためにも十分な条件である。
【0025】
【実施例】表1、表2(表1につづく)に化学成分を示
す鋼を転炉溶製し、取鍋精錬で成分の調整を行った後、
連続鋳造でスラブを製造し、厚板圧延を実施後、UOE
鋼管に造管した。鋼管のサイズは、外径が約30イン
チ、管厚が約20mmで、各鋼管は成分により異なるが
API規格X42からX52を満足する。シーム溶接部
から溶接線に垂直方向にNACE規格TM0177−9
0 method Aに従う試験片を採取して作製し、
シーム溶接部から180°離れた鋼管の母材部より同様
の試験片を採取して作製した。同規格に従い定荷重試験
を実施し、720時間後に試験片が破断しない限界の応
力σthを求めた。σthを鋼管の規格最小降伏応力S
MYSで規格化し、σth/SMYS≧0.8をもっ
て、優れた耐硫化物応力割れ性を有すると判断した。
す鋼を転炉溶製し、取鍋精錬で成分の調整を行った後、
連続鋳造でスラブを製造し、厚板圧延を実施後、UOE
鋼管に造管した。鋼管のサイズは、外径が約30イン
チ、管厚が約20mmで、各鋼管は成分により異なるが
API規格X42からX52を満足する。シーム溶接部
から溶接線に垂直方向にNACE規格TM0177−9
0 method Aに従う試験片を採取して作製し、
シーム溶接部から180°離れた鋼管の母材部より同様
の試験片を採取して作製した。同規格に従い定荷重試験
を実施し、720時間後に試験片が破断しない限界の応
力σthを求めた。σthを鋼管の規格最小降伏応力S
MYSで規格化し、σth/SMYS≧0.8をもっ
て、優れた耐硫化物応力割れ性を有すると判断した。
【0026】表2に示すように、本発明に従う条件で
は、いずれの場合も溶接部、母材ともσth/SMYS
≧0.8であり、優れた耐硫化物応力割れ性が得られ
た。しかし、比較例1では式(1)の値が、比較例2で
はCa量と式(1)の値が、比較例3ではS量と式
(1)の値が、比較例4、5では式(2)の値が、比較
例6、7では式(3)の値が、比較例8、9では式
(2)の値と式(3)の値が本発明の範囲を逸脱するた
めに、それぞれ耐硫化物応力割れ性が劣化している。
は、いずれの場合も溶接部、母材ともσth/SMYS
≧0.8であり、優れた耐硫化物応力割れ性が得られ
た。しかし、比較例1では式(1)の値が、比較例2で
はCa量と式(1)の値が、比較例3ではS量と式
(1)の値が、比較例4、5では式(2)の値が、比較
例6、7では式(3)の値が、比較例8、9では式
(2)の値と式(3)の値が本発明の範囲を逸脱するた
めに、それぞれ耐硫化物応力割れ性が劣化している。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明により、湿潤な硫化水素環境にお
いて優れた溶接部の耐硫化物応力割れ性を有する、AP
IグレードX42からX52のラインパイプ用鋼が得ら
れるため、工業的効果は著しく大きい。
いて優れた溶接部の耐硫化物応力割れ性を有する、AP
IグレードX42からX52のラインパイプ用鋼が得ら
れるため、工業的効果は著しく大きい。
【図1】取鍋精錬で、Ca/Al比が0.07から0.
17でSi/Al比が6から25の範囲の場合、溶接部
の耐硫化物応力割れ抵抗が高いことを示す図である。
17でSi/Al比が6から25の範囲の場合、溶接部
の耐硫化物応力割れ抵抗が高いことを示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、 C :0.03〜0.09%、 Si:0.1〜0.4%、 Mn:0.5〜1.0%、 P :0.015%以下、 S :0.0010%以下、 Nb:0.010〜0.050%、 Al:0.005〜0.03%、 Ca:0.001〜0.003%、 Ti:0.005〜0.025%、 O :0.0050%以下を含有し、残部が鉄及び不可
避不純物からなる鋼の取鍋精錬に際して、下記の
(1)、(2)及び(3)式を満足するようにCa、A
l、Siの添加量を調整することを特徴とする溶接部の
耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方
法。 【数1】 0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17 …(2) 6<(%Si)/(%Al)<25 …(3) - 【請求項2】 重量%で、 C :0.03〜0.09%、 Si:0.1〜0.4%、 Mn:0.5〜1.0%、 P :0.015%以下、 S :0.0010%以下、 Nb:0.010〜0.050%、 Al:0.005〜0.03%、 Ca:0.001〜0.003%、 Ti:0.005〜0.025%、 O :0.0050%以下を含有し、 V :0.01〜0.1%、 Ni:0.05〜0.5%、 Cu:0.05〜0.5%、 Cr:0.05〜0.5%、 Mo:0.05〜0.5%の1種または2種以上を含有
し、残部が鉄及び不可避不純物からなる鋼の取鍋精錬に
際して、下記の(1)、(2)及び(3)式を満足する
ようにCa、Al、Siの添加量を調整することを特徴
とする溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイ
プ用鋼の溶製方法。 【数2】 0.07<(%Ca)/(%Al)<0.17 …(2) 6<(%Si)/(%Al)<25 …(3)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5124452A JPH06330139A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5124452A JPH06330139A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06330139A true JPH06330139A (ja) | 1994-11-29 |
Family
ID=14885874
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5124452A Withdrawn JPH06330139A (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 溶接部の耐硫化物応力割れ性に優れたラインパイプ用鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06330139A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001011528A (ja) * | 1999-06-24 | 2001-01-16 | Kawasaki Steel Corp | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼の溶製法 |
| WO2009063660A1 (ja) | 2007-11-14 | 2009-05-22 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 耐サワー性能に優れた鋼管用鋼およびその製造方法 |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP5124452A patent/JPH06330139A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2001011528A (ja) * | 1999-06-24 | 2001-01-16 | Kawasaki Steel Corp | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼の溶製法 |
| WO2009063660A1 (ja) | 2007-11-14 | 2009-05-22 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | 耐サワー性能に優れた鋼管用鋼およびその製造方法 |
| US7959709B2 (en) | 2007-11-14 | 2011-06-14 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of producing steel for steel pipe excellent in sour-resistance performance |
| US8262767B2 (en) | 2007-11-14 | 2012-09-11 | Sumitomo Metal Industries, Ltd. | Method of producing steel for steel pipe excellent in sour-resistance performance |
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