JPH06330249A - 疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製造方法 - Google Patents
疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製造方法Info
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- JPH06330249A JPH06330249A JP12426193A JP12426193A JPH06330249A JP H06330249 A JPH06330249 A JP H06330249A JP 12426193 A JP12426193 A JP 12426193A JP 12426193 A JP12426193 A JP 12426193A JP H06330249 A JPH06330249 A JP H06330249A
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Abstract
製造に適するばね用オーステナイト系ステンレス鋼線を
提供する。 【構成】 重量%で、C:0.06〜0.08%、S
i:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:0.
045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.00
〜10.50%、Cr:18.00〜20.00%で且
つ、[Ca]≧1.27×[Insol‐Al]を満足
するCaを含み、残部Feおよび不純物よりなる疲労特
性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線。
Description
庫などの電気機器、電算機,測定機などの電子機器、時
計,はかりなどの精密機器、カメラ,コピー機,ファク
シミリ装置などの光学ないしは事務機器等々において使
用される耐食・耐久性の良いばねの素材として利用され
る疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス
鋼線およびその製造方法に関するものである。
よいステンレス鋼線ばねは、ばねとしての特性に優れて
いるのはもちろんのこと、各種機器の軽薄短小化に対応
して小型化が可能であることが要求される。
えるためには、ばね用ステンレス鋼線の細径化が必要と
なり、したがって、伸線素材を用いて極細線にまで伸線
を行うことができるすぐれた伸線性を有していることが
望まれると共に、ばねに成形した後にはすぐれた疲労特
性を有していることが望まれる。
型化要求に応えるためには、ばね用ステンレス鋼線の細
径化が必要となることから、伸線素材を用いて直径約5
0μm程度の極細線にまで伸線を良好に行うことが可能
であって伸線素材状態での伸線性に優れていると共に、
ばね成形後には疲労特性にも優れているばね用オーステ
ナイト系ステンレス鋼線の開発が望まれているという課
題があった。
がみてなされたものであって、ばね成形後の疲労特性に
優れているのみならず、伸線素材状態での伸線性にも優
れていて、極細線への伸線に適したばね用オーステナイ
ト系ステンレス鋼線およびその製造方法を提供すること
を目的としている。
状態での伸線性およびばね成形後の疲労特性に優れたば
ね用オーステナイト系ステンレス鋼線は、重量%で、
C:0.06〜0.08%、Si:1.00%以下、M
n:2.00%以下、P:0.045%以下、S:0.
030%以下、Ni:8.00〜10.50%、Cr:
18.00〜20.00%で且つ、[Ca]≧1.27
×[Insol‐Al]を満足するCaを含み、残部F
eおよび不純物よりなることを特徴しており、実施態様
においては、Total‐Al≦0.0100%,In
sol‐Al≦0.0050%,Ca≦0.05%,A
STM−A法によるD系介在物の最大径≦16μmであ
るようにしたことを特徴としている。
線性およびばね成形後の疲労特性に優れたばね用オース
テナイト系ステンレス鋼線の製造方法は、このようなば
ね用オーステナイト系ステンレス鋼線を製造するに際
し、鋼の溶製時におけるスラグの塩基度(CaO/Si
O2)を1.8〜2.2の範囲にすると共に鋼中の[C
a]≧1.27×[Insol‐Al]を満足するCa
の添加を行って溶製して得たオーステナイト系ステンレ
ス鋼を素材として伸線するようにしたことを特徴として
いる。
線性およびばね成形後の疲労特性に優れたばね用オース
テナイト系ステンレス鋼線の成分限定理由について説明
する。
強度を高めるのに有効な元素であるので、0.06%以
上としたが、多すぎると耐食性が低下することとなるの
で、0.08%以下とした。
Cr2O3等の生成を抑制するためにスラグの塩基度
(CaO/SiO2)を2.0前後の中間の値にして鋼
の溶製を行う場合においてAlを脱酸剤として使用しな
いのが望ましいことから、Mnと共に脱酸剤として作用
させるようにするために添加するが、多すぎるとフェラ
イトが生成しやすくなるので、1.00%以下とした。
および脱硫剤として作用させるようにするために添加す
るが、多すぎると加工性を低下させると共に耐食性を劣
化させるので、2.00%以下とした。
ることが好ましく、このため上限を0.045%以下と
した。
ることが望ましく、このため上限を0.030%以下と
した。
テンレス鋼をオーステナイト相として耐食性を向上させ
るための主要な元素であると同時に加工誘起マルテンサ
イトの抑制にも有用な元素であるので、8.00%以上
とした。しかし、オーステナイトの安定化のためにはあ
る程度以上含有させる必要はなく、かえってコストの上
昇をもたらすこととなるので、10.50%以下とし
た。
素であり、このような効果を得るために18.00%以
上含有させることとしているが、多量に含有するとフェ
ライトを生成するので20.00%以下とした。
O2)を2.0前後とほぼ中間の値にして鋼の溶製を行
うことによりAl2O3の生成量を抑制しようとした場
合に、微量のAl2O3が生成されているときに微量添
加することによって低融点の介在物である12CaO・
7Al2O3を生成させてAl2O3系介在物の形態を
制御する作用を有しており、この低融点の介在物は溶鋼
温度で液体状態を呈するため、溶鋼撹拌時にスラグへの
溶融分離が容易となり、介在物量の低減がもたらされる
と共に、介在物の微細化に寄与することによって、AS
TM−A法によるD系介在物の最大径を16μm以下に
するのに役立つ。
には、例えば、予想Insol‐Al=12ppmに対
して12CaO・7Al2O3ねらいのためにCa=1
5ppm添加する必要があることを考慮して、[Ca]
≧1.27×[Insol‐Al]を満たすCaを含有
させることとした。
向上は得られないので、0.05%以下とするのがよ
く、溶接性を良好なものとするためには、0.01%以
下とするのが好ましい。
の生成量が多くなり、ASTM−A法によるB系介在物
が多く生成して伸線性を低下させることとなるので、T
otal‐Alで0.0100%以下、Insol‐A
lで0.0050%以下とすることが望ましい。
ばね成形後の疲労特性に優れたばね用オーステナイト系
ステンレス鋼線を製造するのに用いるオーステナイト系
ステンレス鋼を溶製するに際しては、AOD,VODな
どによって精錬を行い、溶鋼の精錬時におけるスラグの
塩基度(CaO/SiO2)が1.8〜2.2の中間的
な範囲となるようにすると共に鋼中の[Ca]≧1.2
7×[Insol‐Al]を満足することとなるCaの
添加を行う。
O2)が低いと平衡酸素レベルが高くなり、融点の高い
Cr2O3系介在物が多く生成するようになるので好ま
しくなく、このようなことからスラグの塩基度は1.8
以上とするのがよい。
O2)が高いと平衡酸素レベルが低くなり、MgO溶出
量が多くなって、融点の高いAl2O3,MgO系介在
物が多く生成するようになるので好ましくなく、このよ
うなことからスラグの塩基度は2.2以下とするのがよ
いこのようなスラグの塩基度がほぼ中間となる精錬を行
うことによってAl2O3系介在物を減少させることが
できるが、さらに、このような少量のAl2O3の存在
下でCaを適量添加することによって、低融点の12C
aO・7Al2O3が生成されるようになり、この生成
物は溶鋼温度で液体状態を呈して溶鋼撹拌時にスラグへ
の融合分離が容易なものとなり、介在物量の低減が果さ
れることとなって、伸線素材状態での伸線性およびばね
成形後におけるばねの疲労強度の向上がもたらされるこ
ととなるが、このようなCaの添加効果を得るために
は、[Ca]≧1.27×[Insol‐Al]を満足
するCaの添加を行うのが良いことがわかった。
性の低いASTM−A法によるD系介在物の最大径を小
さくすると共に生成量を低減させたものとすることによ
って、伸線素材段階での伸線性およびばね素材ないしは
ばね成形後の疲労特性が向上した極細径のばね用オース
テナイト系ステンレス鋼線の伸線素材に適するものとな
り、この伸線素材を例えば直径50μm程度までの極細
線に伸線することによって極細径のばね用オーステナイ
ト系ステンレス鋼線とすることができる。
ステンレス鋼線およびその製造方法は、上述した構成を
有するものとなっているので、可塑性の低いASTM−
A法によるD系介在物が少ないものになっていると共に
D系介在物の直径も小さいものとなり、伸線素材状態で
の伸線性およびばねとしての疲労特性に優れたばね用オ
ーステナイト系ステンレス鋼線となって、ばね用ステン
レス鋼線の細径化,ステンレスばねの疲労特性の向上、
ステンレスばねの小型化に寄与するものとなり、各種機
器の軽薄短小化の要望にも応えるものとなる。
ステンレス鋼を電気アーク炉,AOD炉により溶製した
後ビレットに成形し、各ビレットに対し線材圧延を行っ
て直径5.5mmの伸線素材を得た。
の欄に示すスラグのCaO/SiO2比として鋼の溶製
を行った。そして、各伸線素材の各基本成分およびTo
tal‐Al,Insol‐Al,Ca含有量は表1に
示すものとなっていた。また、各伸線素材中におけるA
STM−A法によるD系介在物品位(最大径,介在物組
成)を線材断面ミクロにおいて線材巨大介在物(≧10
μm)の定量分析および介在物の抽出分析により調べた
ところ、同じく表2に示す結果であった。
して固溶化処理および被膜形成処理を施したのち伸線を
行ったところ、D系介在物の最大径が16μm以下のも
のでは、線径50μmまでの伸線が支障なく可能であっ
たが、D系介在物の最大径が16μmを超えるものの中
には、線径50μmまでの伸線が不可能であったものも
存在しており、例えば、D系介在物の最大径が35μm
であるNo.9の場合には線径が100μmとなる以前
に破断を生じた。
を行い、疲労強度が70kgf/mm2以上のものを
○,疲労強度が70未満〜60kgf/mm2のものを
△,疲労強度が60kgf/mm2未満のものを×とし
て評価したところ、同じく表2に示す結果であり、D系
介在物の最大径が16μm以下のものでは、介在物が微
細化されていることによって疲労強度が高い値を示して
いたが、D系介在物の最大径が16μmを超えるもので
は疲労強度が低いものとなっていた。
るばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製
造方法によれば、伸線素材状態での伸線性および線材な
いしはばね成形後の状態での疲労特性に優れたばね用オ
ーステナイト系ステンレス鋼線を提供することが可能で
あるため、極細径のばね用ステンレス鋼線を得ることが
可能であってこのような極細径のばね用ステンレス鋼線
を使用してばねに成形することによってばねの小型化を
はかることが可能となり、各種機器の軽薄短小化の要請
に伴って要求されるばねの小型化に対応することが可能
であり、耐食性および疲労特性にすぐれた小型のばねを
提供することが可能になるという著しく優れた効果がも
たらされる。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.06〜0.08%、
Si:1.00%以下、Mn:2.00%以下、P:
0.045%以下、S:0.030%以下、Ni:8.
00〜10.50%、Cr:18.00〜20.00%
で且つ、[Ca]≧1.27×[Insol‐Al]を
満足するCaを含み、残部Feおよび不純物よりなるこ
とを特徴とする疲労特性に優れたばね用オーステナイト
系ステンレス鋼線。 - 【請求項2】 Total‐Al≦0.0100%,I
nsol‐Al≦0.0050%,Ca≦0.05%,
ASTM−A法によるD系介在物の最大径≦16μmで
ある請求項1に記載の疲労特性に優れたばね用オーステ
ナイト系ステンレス鋼線。 - 【請求項3】 ばね用オーステナイト系ステンレス鋼線
を製造するに際し、鋼の溶製時におけるスラグの塩基度
(CaO/SiO2)を1.8〜2.2の範囲にすると
共に鋼中の[Ca]≧1.27×[Insol‐Al]
を満足するCaの添加を行って溶製して得たオーステナ
イト系ステンレス鋼を素材として伸線することを特徴と
する疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレ
ス鋼線の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12426193A JP3396910B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12426193A JP3396910B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06330249A true JPH06330249A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3396910B2 JP3396910B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=14880957
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12426193A Expired - Fee Related JP3396910B2 (ja) | 1993-05-26 | 1993-05-26 | 疲労特性に優れたばね用オーステナイト系ステンレス鋼線およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3396910B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-26 JP JP12426193A patent/JP3396910B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
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| JP3396910B2 (ja) | 2003-04-14 |
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