JPH06340947A - 疲労強度に優れる重ねアーク溶接継手構造物 - Google Patents
疲労強度に優れる重ねアーク溶接継手構造物Info
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- JPH06340947A JPH06340947A JP13061493A JP13061493A JPH06340947A JP H06340947 A JPH06340947 A JP H06340947A JP 13061493 A JP13061493 A JP 13061493A JP 13061493 A JP13061493 A JP 13061493A JP H06340947 A JPH06340947 A JP H06340947A
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- Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 鋼板および溶接金属部が、C:0.005 %超え0.
35%以下、Si:2.0%以下、Mn:0.10 %超え3.0 %以下、
P:0.20%以下、S:0.08%以下、Al:0.01 %超え0.10%以
下で、かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCeq )<−
0.1 からなる化学成分であ疲労強度に優れる重ねアーク
溶接継手構造物である。また、必要に応じて、他の化学
成分を含有することができる。 ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4 【効果】 本発明の重ねアーク溶接継手構造物は、溶接
ビード止端部の曲率半径が大きくなり、溶接ビードの手
直しをすることなく、溶接ままで高い疲労強度が得られ
る。
35%以下、Si:2.0%以下、Mn:0.10 %超え3.0 %以下、
P:0.20%以下、S:0.08%以下、Al:0.01 %超え0.10%以
下で、かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCeq )<−
0.1 からなる化学成分であ疲労強度に優れる重ねアーク
溶接継手構造物である。また、必要に応じて、他の化学
成分を含有することができる。 ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4 【効果】 本発明の重ねアーク溶接継手構造物は、溶接
ビード止端部の曲率半径が大きくなり、溶接ビードの手
直しをすることなく、溶接ままで高い疲労強度が得られ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄鋼板の重ねアーク溶
接継手構造物に関し、さらに詳しくは、疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物に関するものである。
接継手構造物に関し、さらに詳しくは、疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の燃費改善の要求からアー
ムやメンバー部品の足回り部材に高強度鋼板が使用され
つつある。しかし、鋼板の強度が高くなるに伴い切欠き
感受性が高くなるため、その溶接継手部の疲労強度の不
足が、とりわけ信頼性が厳格に要求される自動車構造部
材で問題となっている。
ムやメンバー部品の足回り部材に高強度鋼板が使用され
つつある。しかし、鋼板の強度が高くなるに伴い切欠き
感受性が高くなるため、その溶接継手部の疲労強度の不
足が、とりわけ信頼性が厳格に要求される自動車構造部
材で問題となっている。
【0003】かかる問題に対して、溶接継手部の疲労強
度を改善するため、従来は、溶接部を機械加工、または
溶削するなどして溶接ビード形状を滑らかにしたり、ま
た、溶接ビード表面にショットピーニングなどの加工を
施していた。
度を改善するため、従来は、溶接部を機械加工、または
溶削するなどして溶接ビード形状を滑らかにしたり、ま
た、溶接ビード表面にショットピーニングなどの加工を
施していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、大量生産され
るアームやメンバー部品などの自動車構造部材では、こ
のような手直し手法は生産性を阻害するだけでなく、著
しくコストを高めることになる。したがって、このよう
な重ね継手溶接部が多いアームなどの重要保安部品で
は、手直しを施すことなく溶接ままで、高強度鋼の継手
部の疲労強度を向上させることが極めて重要となってい
る。
るアームやメンバー部品などの自動車構造部材では、こ
のような手直し手法は生産性を阻害するだけでなく、著
しくコストを高めることになる。したがって、このよう
な重ね継手溶接部が多いアームなどの重要保安部品で
は、手直しを施すことなく溶接ままで、高強度鋼の継手
部の疲労強度を向上させることが極めて重要となってい
る。
【0005】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、鋼板および溶接金属部の化学成分を限
定し、かつ鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差を制御
することによって、溶接ままで疲労強度に優れる重ねア
ーク溶接継手構造物を提供することを目的とする。
なされたもので、鋼板および溶接金属部の化学成分を限
定し、かつ鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差を制御
することによって、溶接ままで疲労強度に優れる重ねア
ーク溶接継手構造物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、高強度熱延鋼
板の重ねアーク溶接継手部の疲労強度に、溶接ビード止
端部の曲率半径が支配的な因子となっていること、その
曲率半径が鋼板の化学成分と、鋼板と溶接ワイヤーの化
学成分に起因する溶接金属部の化学成分との組合せに大
きく依存していること、の斬新な知見によりなされたも
のである。
板の重ねアーク溶接継手部の疲労強度に、溶接ビード止
端部の曲率半径が支配的な因子となっていること、その
曲率半径が鋼板の化学成分と、鋼板と溶接ワイヤーの化
学成分に起因する溶接金属部の化学成分との組合せに大
きく依存していること、の斬新な知見によりなされたも
のである。
【0007】その第1発明は、C:0.005 %超え0.35%以
下、Si:2.0%以下、Mn:0.10 %超え3.0 %以下、P:0.20
%以下、S:0.08%以下、Al:0.01 %超え0.10%以下で、
かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCeq )<−0.1 か
らなる化学成分であることを特徴とする疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物である。 ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4
下、Si:2.0%以下、Mn:0.10 %超え3.0 %以下、P:0.20
%以下、S:0.08%以下、Al:0.01 %超え0.10%以下で、
かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCeq )<−0.1 か
らなる化学成分であることを特徴とする疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物である。 ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4
【0008】第2発明は、Ti:0.01 %超え3.00%以下、
Nb:0.01 %超え1.00%以下、V:0.01%超え3.00%以下、
Cr:0.01 %超え3.00%以下、Mo:0.01 %超え3.00%以
下、Ni:0.01 %超え3.00%以下、Cu:0.01 %超え1.00%
以下、Zr:0.01 %超え1.00%以下の内から選んだ少なく
とも1種以上を含む請求項1記載の疲労強度に優れる重
ねアーク溶接継手構造物である。
Nb:0.01 %超え1.00%以下、V:0.01%超え3.00%以下、
Cr:0.01 %超え3.00%以下、Mo:0.01 %超え3.00%以
下、Ni:0.01 %超え3.00%以下、Cu:0.01 %超え1.00%
以下、Zr:0.01 %超え1.00%以下の内から選んだ少なく
とも1種以上を含む請求項1記載の疲労強度に優れる重
ねアーク溶接継手構造物である。
【0009】第3発明は、0.0100%以下のCaまたはRE
Mを含む請求項1または請求項2記載の疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物である。
Mを含む請求項1または請求項2記載の疲労強度に優れ
る重ねアーク溶接継手構造物である。
【0010】第4発明は、B:0.0005%超え0.0050%以下
を含む請求項1、請求項2または請求項3記載の疲労強
度に優れる重ねアーク溶接継手構造物である。
を含む請求項1、請求項2または請求項3記載の疲労強
度に優れる重ねアーク溶接継手構造物である。
【0011】
【作用】以下に、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差
の限定理由について説明する。発明者らは、重ねアーク
溶接継手部の疲労強度に及ぼす溶接ビード止端部の曲率
半径と、この曲率半径に及ぼす鋼板のCeq と溶接金属部
のCeq との差との関係について調査した。
の限定理由について説明する。発明者らは、重ねアーク
溶接継手部の疲労強度に及ぼす溶接ビード止端部の曲率
半径と、この曲率半径に及ぼす鋼板のCeq と溶接金属部
のCeq との差との関係について調査した。
【0012】調査に使用した重ねアーク溶接継手部は、
板厚 1.2mm〜6.5mm で、これらの溶接継手部の溶接ビー
ド止端部の曲率半径を測定した。溶接ビード止端部の曲
率半径と、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差との関
係を図1に示す。図1に示すように、溶接金属部のCeq
が鋼板のCeq に近付き、さらに鋼板のCeq よりも大きく
なるにつれて、溶接ビード止端部の曲率半径は大きくな
る。
板厚 1.2mm〜6.5mm で、これらの溶接継手部の溶接ビー
ド止端部の曲率半径を測定した。溶接ビード止端部の曲
率半径と、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差との関
係を図1に示す。図1に示すように、溶接金属部のCeq
が鋼板のCeq に近付き、さらに鋼板のCeq よりも大きく
なるにつれて、溶接ビード止端部の曲率半径は大きくな
る。
【0013】その理由は、現時点では理論的に明確にさ
れていないが、つぎのように推察される。溶接金属部の
Ceq が高くなることは、使用した高成分の溶接ワイヤー
に起因するものであるが、鋼板成分に対して溶接ワイヤ
ーひいては溶接金属部のCeqが高くなると、一般に、溶
接アークが広がり易くなり、その結果、溶接ビード止端
部に十分熱が供給されることになる。このため、溶接ビ
ードが滑らかに鋼板表面に接するものと考える。
れていないが、つぎのように推察される。溶接金属部の
Ceq が高くなることは、使用した高成分の溶接ワイヤー
に起因するものであるが、鋼板成分に対して溶接ワイヤ
ーひいては溶接金属部のCeqが高くなると、一般に、溶
接アークが広がり易くなり、その結果、溶接ビード止端
部に十分熱が供給されることになる。このため、溶接ビ
ードが滑らかに鋼板表面に接するものと考える。
【0014】つぎに、上記重ねアーク溶接継手部の疲労
強度と、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差との関係
を図2に示す。図2は重ねアーク溶接継手部の鋼板に対
する疲労強度比を示したもので、溶接金属部のCeq が鋼
板のCeq に近付き、さらに鋼板のCeq よりも大きくなる
につれて、疲労強度比は大きくなり、疲労強度が改善さ
れていることがわかる。
強度と、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差との関係
を図2に示す。図2は重ねアーク溶接継手部の鋼板に対
する疲労強度比を示したもので、溶接金属部のCeq が鋼
板のCeq に近付き、さらに鋼板のCeq よりも大きくなる
につれて、疲労強度比は大きくなり、疲労強度が改善さ
れていることがわかる。
【0015】図2に示すように、鋼板のCeq と溶接金属
部のCeq との差が−0.1 未満で疲労強度の改善効果は顕
著となる。したがって、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq
との差を−0.1 未満、すなわち(鋼板のCeq )−(溶接
金属部のCeq )<−0.1 に限定する。
部のCeq との差が−0.1 未満で疲労強度の改善効果は顕
著となる。したがって、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq
との差を−0.1 未満、すなわち(鋼板のCeq )−(溶接
金属部のCeq )<−0.1 に限定する。
【0016】つぎに、鋼板および溶接金属部の化学成分
の限定理由について説明する。C は、鋼の強度を向上さ
せる作用を有してしるが、 0.005%以下では鋼板および
溶接金属部の所望の強度を確保することができず、一
方、0.35%を超えると溶接性の劣化を招くことになる。
したがって、鋼板および溶接金属部のC 含有量は0.005
%超え0.35%以下とする。
の限定理由について説明する。C は、鋼の強度を向上さ
せる作用を有してしるが、 0.005%以下では鋼板および
溶接金属部の所望の強度を確保することができず、一
方、0.35%を超えると溶接性の劣化を招くことになる。
したがって、鋼板および溶接金属部のC 含有量は0.005
%超え0.35%以下とする。
【0017】Siは、固溶体硬化を通じ、微量添加であっ
ても鋼の強度上昇と延性の向上に有効な働きをする元素
である。しかし、 2.0%を超えて含有すると溶接性の劣
化を招くことになる。したがって、鋼板および溶接金属
部のSi含有量は 2.0%以下とする。なお、特に鋼板表面
のスケール性に厳しい要求がなされる場合には、Si含有
量は0.07%以下にすることが好ましい。
ても鋼の強度上昇と延性の向上に有効な働きをする元素
である。しかし、 2.0%を超えて含有すると溶接性の劣
化を招くことになる。したがって、鋼板および溶接金属
部のSi含有量は 2.0%以下とする。なお、特に鋼板表面
のスケール性に厳しい要求がなされる場合には、Si含有
量は0.07%以下にすることが好ましい。
【0018】Mnは、固溶体強化、変態強化、細粒化強化
により鋼の強度と靱性の両方を向上させる作用がある。
その含有量が0.10%以下では所望の効果が得られず、一
方、3.0 %を超えて含有すると溶接性の劣化を招くこと
になる。したがって、鋼板および溶接金属部のMn含有量
は0.10%超え3.0 %以下とする。
により鋼の強度と靱性の両方を向上させる作用がある。
その含有量が0.10%以下では所望の効果が得られず、一
方、3.0 %を超えて含有すると溶接性の劣化を招くこと
になる。したがって、鋼板および溶接金属部のMn含有量
は0.10%超え3.0 %以下とする。
【0019】P は、とくにCuとの共存下で塩化物が付着
するような環境下での孔食を著しく低減する効果があ
る。鋼板および溶接金属部のP 含有量が0.20%超えでは
その効果は飽和し、逆に溶接割れなどの弊害が生じる。
したがって、鋼板および溶接金属部のP 含有量は0.20%
以下とする。
するような環境下での孔食を著しく低減する効果があ
る。鋼板および溶接金属部のP 含有量が0.20%超えでは
その効果は飽和し、逆に溶接割れなどの弊害が生じる。
したがって、鋼板および溶接金属部のP 含有量は0.20%
以下とする。
【0020】S は、Mnと結合してA系介在物を生じ、鋼
板および溶接金属部の延性の低下、耐食性の劣化および
溶接金属部の耐縦割れ性の劣化を招くので、できるだけ
少ない方が好ましい。したがって、鋼板および溶接金属
部のS 含有量は0.01%以下が好ましが、経済性を考慮し
て0.08%以下とする。
板および溶接金属部の延性の低下、耐食性の劣化および
溶接金属部の耐縦割れ性の劣化を招くので、できるだけ
少ない方が好ましい。したがって、鋼板および溶接金属
部のS 含有量は0.01%以下が好ましが、経済性を考慮し
て0.08%以下とする。
【0021】Alは、鋼の脱酸のために必要な元素であ
り、十分な脱酸効果を確保するためには、0.01%超えの
添加が必要であるが、一方、0.10%を超えて添加すると
その効果が飽和するとともに、クラスター状の介在物が
多くなり加工性が劣化する。したがって、鋼板および溶
接金属部のAl含有量は0.01%超え0.10%以下とする。
り、十分な脱酸効果を確保するためには、0.01%超えの
添加が必要であるが、一方、0.10%を超えて添加すると
その効果が飽和するとともに、クラスター状の介在物が
多くなり加工性が劣化する。したがって、鋼板および溶
接金属部のAl含有量は0.01%超え0.10%以下とする。
【0022】さらに、本発明では必要に応じて、熱延鋼
板の機械的性質の改善、特に強度と延性の向上、靱性の
強化を図るために下記の元素を添加する。
板の機械的性質の改善、特に強度と延性の向上、靱性の
強化を図るために下記の元素を添加する。
【0023】Cuは、重ねアーク溶接継手部の溶接金属中
のP との共存下で防食効果のある皮膜の形成を促進する
効果を発揮する。この皮膜は微細で緻密な腐食の進行を
抑制する非晶質の有効な錆の成長を確かなものにする。
湿潤と乾燥の繰り返しの腐食環境のもとでは、溶接金属
中のCu含有量が0.01%以下ではその効果は認められず、
1.00%を超えるとその効果は飽和し逆に溶接割れなどの
弊害が生じる。したがって、鋼板および溶接金属部のCu
含有量は0.01%超え1.00%以下とする。
のP との共存下で防食効果のある皮膜の形成を促進する
効果を発揮する。この皮膜は微細で緻密な腐食の進行を
抑制する非晶質の有効な錆の成長を確かなものにする。
湿潤と乾燥の繰り返しの腐食環境のもとでは、溶接金属
中のCu含有量が0.01%以下ではその効果は認められず、
1.00%を超えるとその効果は飽和し逆に溶接割れなどの
弊害が生じる。したがって、鋼板および溶接金属部のCu
含有量は0.01%超え1.00%以下とする。
【0024】Nb、Zrは、鋼板および溶接金属部に、微量
添加で大幅な強度上昇と優れた低温靱性とを付与する好
ましい元素である。また、Nb、Zrは局部延性の改善に有
効なベイナイトなどの低温生成相を生じやすくする元素
である。しかし、0.01%以下の含有量ではかかる効果は
十分に期待できず、一方、1.00%を超えて含有すると溶
接性が劣化する。したがって、鋼板および溶接金属部の
NbおよびZr含有量は0.01%超え1.00%以下とする。
添加で大幅な強度上昇と優れた低温靱性とを付与する好
ましい元素である。また、Nb、Zrは局部延性の改善に有
効なベイナイトなどの低温生成相を生じやすくする元素
である。しかし、0.01%以下の含有量ではかかる効果は
十分に期待できず、一方、1.00%を超えて含有すると溶
接性が劣化する。したがって、鋼板および溶接金属部の
NbおよびZr含有量は0.01%超え1.00%以下とする。
【0025】Ti、V 、Cr、Mo、Niは、鋼板および溶接金
属部の強靱化に有効な元素であるが、0.01%以下の含有
量ではその効果は期待できない。また、含有量の上限は
経済性を考慮して、3.00%以下とする。したがって、鋼
板および溶接金属部のTi、V、Cr、MoおよびNi含有量は
0.01%超え3.00%以下とする。
属部の強靱化に有効な元素であるが、0.01%以下の含有
量ではその効果は期待できない。また、含有量の上限は
経済性を考慮して、3.00%以下とする。したがって、鋼
板および溶接金属部のTi、V、Cr、MoおよびNi含有量は
0.01%超え3.00%以下とする。
【0026】CaおよびREMは、介在物の形状制御によ
り鋼の低温靱性、延性の向上に有効な元素であるが、過
度に添加すると鋼中の非金属介在物が多くなり、延性を
劣化させる。したがって、鋼板および溶接金属部のCaお
よびREM含有量は0.0100%以下とする。
り鋼の低温靱性、延性の向上に有効な元素であるが、過
度に添加すると鋼中の非金属介在物が多くなり、延性を
劣化させる。したがって、鋼板および溶接金属部のCaお
よびREM含有量は0.0100%以下とする。
【0027】B は、鋼板および溶接金属部に、微量添加
で大幅な強度上昇と優れた低温靱性とを付与する好まし
い元素である。また、B は局部延性の改善に有効なベイ
ナイトなどの低温生成相を生じやすくする元素である。
しかし、0.0005%以下の含有量ではかかる効果は十分に
期待できず、一方、0.0050%を超えて含有すると溶接性
が劣化する。したがって、鋼板および溶接金属部のB 含
有量は0.0005%超え0.0050%以下とする。
で大幅な強度上昇と優れた低温靱性とを付与する好まし
い元素である。また、B は局部延性の改善に有効なベイ
ナイトなどの低温生成相を生じやすくする元素である。
しかし、0.0005%以下の含有量ではかかる効果は十分に
期待できず、一方、0.0050%を超えて含有すると溶接性
が劣化する。したがって、鋼板および溶接金属部のB 含
有量は0.0005%超え0.0050%以下とする。
【0028】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
表1に示す化学成分の鋼板を用いて、図3に示す溶接条
件で重ねアーク溶接継手を製作し、これらの溶接継手に
ついて、図4に示す疲労試験条件で疲労試験を行った。
また、溶接継手部のビード止端部の曲率半径も測定し
た。これらの結果を表3に示す。また、溶接金属部から
は放電加工により分析試料を採取し、分析を行った。そ
の結果を表2に示す。なお、鋼板の板厚は 2.9mmで、溶
接ワイヤーは溶接継手ごとに変えた。
表1に示す化学成分の鋼板を用いて、図3に示す溶接条
件で重ねアーク溶接継手を製作し、これらの溶接継手に
ついて、図4に示す疲労試験条件で疲労試験を行った。
また、溶接継手部のビード止端部の曲率半径も測定し
た。これらの結果を表3に示す。また、溶接金属部から
は放電加工により分析試料を採取し、分析を行った。そ
の結果を表2に示す。なお、鋼板の板厚は 2.9mmで、溶
接ワイヤーは溶接継手ごとに変えた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表3には、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq
との差、溶接ビード止端部の曲率半径、鋼板と溶接継手
の疲労強度、溶接継手の鋼板に対する疲労強度比を示し
ている。表3に示すように、No.1、2 、7 、10、11、1
3、16は、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差が、本
発明の限定範囲から外れているため、溶接ビード止端部
の曲率半径が小さい。したがって、溶接継手の疲労強度
が低く、溶接継手の鋼板に対する疲労強度比が小さい。
との差、溶接ビード止端部の曲率半径、鋼板と溶接継手
の疲労強度、溶接継手の鋼板に対する疲労強度比を示し
ている。表3に示すように、No.1、2 、7 、10、11、1
3、16は、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差が、本
発明の限定範囲から外れているため、溶接ビード止端部
の曲率半径が小さい。したがって、溶接継手の疲労強度
が低く、溶接継手の鋼板に対する疲労強度比が小さい。
【0033】No.5は、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq と
の差は本発明の限定範囲を満足しているものの、鋼板の
C量が本発明の限定範囲から低めに外れているため、溶
接熱影響部の軟化が大きく、溶接継手の疲労強度が低下
している。
の差は本発明の限定範囲を満足しているものの、鋼板の
C量が本発明の限定範囲から低めに外れているため、溶
接熱影響部の軟化が大きく、溶接継手の疲労強度が低下
している。
【0034】No.8は、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq と
の差が本発明の限定範囲から外れているとともに、鋼板
の C量が本発明の限定範囲から高めに外れているため溶
接熱影響部に微小クラックが生じ、溶接継手の疲労強度
が低下している。
の差が本発明の限定範囲から外れているとともに、鋼板
の C量が本発明の限定範囲から高めに外れているため溶
接熱影響部に微小クラックが生じ、溶接継手の疲労強度
が低下している。
【0035】No.9は、鋼板のCeq と溶接金属部のCeq と
の差が本発明の限定範囲から外れているとともに、鋼板
のMn量が本発明の限定範囲から高めに外れているため溶
接熱影響部に微小クラックが生じ、溶接継手の疲労強度
が低下している。
の差が本発明の限定範囲から外れているとともに、鋼板
のMn量が本発明の限定範囲から高めに外れているため溶
接熱影響部に微小クラックが生じ、溶接継手の疲労強度
が低下している。
【0036】No.3、4 、6 、12、14、15、17は、化学成
分、鋼板のCeq と溶接金属部のCeqとの差とも本発明の
限定範囲を満足しており、溶接ビード止端部の曲率半径
は大きく、このため、溶接継手の疲労強度が高く、溶接
継手の鋼板に対する疲労強度比が大きい。
分、鋼板のCeq と溶接金属部のCeqとの差とも本発明の
限定範囲を満足しており、溶接ビード止端部の曲率半径
は大きく、このため、溶接継手の疲労強度が高く、溶接
継手の鋼板に対する疲労強度比が大きい。
【0037】
【発明の効果】本発明は、鋼板および溶接金属部の化学
成分を限定し、かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCe
q )<−0.1 である疲労強度に優れる重ねアーク溶接継
手構造物であるから、本発明によれば、溶接ビード止端
部の曲率半径が大きくなり、溶接ビードの手直しをする
ことなく、溶接のままで高い疲労強度が得られる。
成分を限定し、かつ(鋼板のCeq )−(溶接金属部のCe
q )<−0.1 である疲労強度に優れる重ねアーク溶接継
手構造物であるから、本発明によれば、溶接ビード止端
部の曲率半径が大きくなり、溶接ビードの手直しをする
ことなく、溶接のままで高い疲労強度が得られる。
【図1】鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差と、溶接
ビード止端部の曲率半径との関係を示す図である。
ビード止端部の曲率半径との関係を示す図である。
【図2】鋼板のCeq と溶接金属部のCeq との差と、重ね
アーク溶接継手部の鋼板に対する疲労強度比との関係を
示す図である。
アーク溶接継手部の鋼板に対する疲労強度比との関係を
示す図である。
【図3】重ねアーク溶接継手の溶接条件を示す図であ
る。
る。
【図4】重ねアーク溶接継手の疲労試験条件を示す図で
ある。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 C:0.005 %超え0.35%以下、Si:2.0%以
下、Mn:0.10 %超え3.0 %以下、P:0.20%以下、S:0.08
%以下、Al:0.01 %超え0.10%以下で、かつ(鋼板のCe
q )−(溶接金属部のCeq )<−0.1 からなる化学成分
であることを特徴とする疲労強度に優れる重ねアーク溶
接継手構造物。 ただし、Ceq=C+Si/24+Mn/6+Ni/40+Cr/5+Mo/4 - 【請求項2】 Ti:0.01 %超え3.00%以下、Nb:0.01 %
超え1.00%以下、V:0.01%超え3.00%以下、Cr:0.01 %
超え3.00%以下、Mo:0.01 %超え3.00%以下、Ni:0.01
%超え3.00%以下、Cu:0.01 %超え1.00%以下、Zr:0.0
1 %超え1.00%以下の内から選んだ少なくとも1種以上
を含む請求項1記載の疲労強度に優れる重ねアーク溶接
継手構造物。 - 【請求項3】 0.0100%以下のCaまたはREMを含む請
求項1または請求項2記載の疲労強度に優れる重ねアー
ク溶接継手構造物。 - 【請求項4】 B:0.0005%超え0.0050%以下を含む請求
項1、請求項2または請求項3記載の疲労強度に優れる
重ねアーク溶接継手構造物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13061493A JPH06340947A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 疲労強度に優れる重ねアーク溶接継手構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13061493A JPH06340947A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 疲労強度に優れる重ねアーク溶接継手構造物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06340947A true JPH06340947A (ja) | 1994-12-13 |
Family
ID=15038438
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13061493A Withdrawn JPH06340947A (ja) | 1993-06-01 | 1993-06-01 | 疲労強度に優れる重ねアーク溶接継手構造物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH06340947A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002224834A (ja) * | 2001-01-29 | 2002-08-13 | Kawasaki Steel Corp | 疲労特性に優れるすみ肉溶接継手およびガスシールドアークすみ肉溶接方法 |
| JP2005238305A (ja) * | 2004-02-27 | 2005-09-08 | Nippon Steel Corp | 高疲労強度隅肉溶接継手 |
| EP2402103A1 (en) | 2010-07-01 | 2012-01-04 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Fillet weld joint and method for gas shielded arc welding |
| WO2013157557A1 (ja) | 2012-04-17 | 2013-10-24 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手及びその形成方法 |
| JP2014004609A (ja) * | 2012-06-25 | 2014-01-16 | Jfe Steel Corp | 溶接継手およびその形成方法 |
| WO2014084317A1 (ja) | 2012-11-29 | 2014-06-05 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手の形成方法及び隅肉アーク溶接継手 |
| JP2021183342A (ja) * | 2020-05-21 | 2021-12-02 | 日本製鉄株式会社 | 重ねすみ肉溶接継手、及び自動車部品 |
| JP2022105363A (ja) * | 2021-01-04 | 2022-07-14 | 日本製鉄株式会社 | 溶接継手、及び自動車部材 |
-
1993
- 1993-06-01 JP JP13061493A patent/JPH06340947A/ja not_active Withdrawn
Cited By (13)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| EP2402103A1 (en) | 2010-07-01 | 2012-01-04 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Fillet weld joint and method for gas shielded arc welding |
| US9457416B2 (en) | 2010-07-01 | 2016-10-04 | Kobe Steel, Ltd. | Fillet weld joint and method for gas shielded arc welding |
| KR20140134707A (ko) | 2012-04-17 | 2014-11-24 | 신닛테츠스미킨 카부시키카이샤 | 필릿 아크 용접 조인트 및 그 형성 방법 |
| WO2013157557A1 (ja) | 2012-04-17 | 2013-10-24 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手及びその形成方法 |
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| JP2014004609A (ja) * | 2012-06-25 | 2014-01-16 | Jfe Steel Corp | 溶接継手およびその形成方法 |
| WO2014084317A1 (ja) | 2012-11-29 | 2014-06-05 | 新日鐵住金株式会社 | 隅肉アーク溶接継手の形成方法及び隅肉アーク溶接継手 |
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| JP2021183342A (ja) * | 2020-05-21 | 2021-12-02 | 日本製鉄株式会社 | 重ねすみ肉溶接継手、及び自動車部品 |
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