JPH0634096B2 - 低レベル放射性廃棄物の処理方法 - Google Patents

低レベル放射性廃棄物の処理方法

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JPH0634096B2
JPH0634096B2 JP60103540A JP10354085A JPH0634096B2 JP H0634096 B2 JPH0634096 B2 JP H0634096B2 JP 60103540 A JP60103540 A JP 60103540A JP 10354085 A JP10354085 A JP 10354085A JP H0634096 B2 JPH0634096 B2 JP H0634096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、原子炉等から発生する低レベル放射性廃棄
物の処理方法に関するものである。
「従来の技術」 原子炉等から発生する低レベル放射性廃棄物には、濃縮
廃液、イオン交換樹脂及び雑固体等がある。沸騰水型原
子炉から発生する濃縮廃液の主成分は硫酸ナトリウム(N
a2SO4)であり、加圧水型原子炉からのそれはホウ酸(H3B
O3)であり、この濃縮廃液のような低レベル放射性廃棄
物の固化処理法としては、セメント固化、アスファルト
固化、プラスチック固化等の方法が実施或いは実施の検
討段階にある。
「発明が解決しようとする問題点」 原子炉等から発生する低レベル放射性廃棄物の固化処理
法については、未だ確立されていないのが現状である。
セメント固化による処理方法では、セメントによる硬化
体であるコンクリートの寿命より長寿命の放射性同位元
素を含むを廃棄物では環境を汚染する可能性がある。
また、アスファルト固化或いはプラスチック固化による
処理方法では、機械的強度が余り高くないため、放射性
廃棄物の封じ込めには不安がある等の問題があったので
ある。
「問題点を解決するための手段」 この発明は、上述の問題点に鑑み、これを解決せんとし
て提案せられたものであり、原子炉等から発生する低レ
ベル放射性廃棄物とマトリックスとしてのケイ酸塩とを
混合すると共に、前記の廃棄物とマトリックスとの混合
物に、更に、廃棄物中のNa2SO4を固定化すべくアルカリ
土類金属の水酸化物及び水酸化アルミニウム(Al(OH)3)
を添加したものを、水熱条件下で圧縮し、生成した硬化
物中に低レベル放射性廃棄物を封じ込める処理方法を提
供せんとするものである。
「作用」 この発明は、沸騰水型原子炉等から発生する濃縮廃液の
ような硫酸ナトリウム(Na2SO4)等を主成分とする低レベ
ル放射性廃棄物を、ケイ酸塩(珪石及び珪華の混合物が
好ましい)をマトリックスとして、水熱条件下で圧縮し
て硬化物を生成せしめる場合に、マトリックスにアルカ
リ土類金属の水酸化物(水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2
・H2O)又は水酸化バリウム(Ba(OH)2・H2O)が好ましい)及
び水酸化アルミニウムを添加し、SO4 2-は、金属硫酸塩
として、Na+は、アルミニウムケイ酸塩としてマトリッ
クス中に固定化するものである。
「実施例」 この発明を一実施例に基づき詳細に説明する。
マトリックスとしては、福島県産珪石(低温型石英)と
鹿児島県産珪華(アルミナ等を含む無定形シリカ)を混
合したものを使用した。混合割合は、珪石:70重量
%,珪華:30重量%とした。
廃棄物としては、市販のNa2SO4(沸騰水型原子炉等から
発生する低レベル放射性廃棄物の代表物質)とH3BO
3(加圧水型原子炉から発生する低レベル放射性廃棄物
の代表物質)とを混合したものを用いた。混合割合は、
Na2SO4:73重量%,H3BO3:27重量%とした。
マトリックスにSO4 2-を固定化するためのアルカリ土類
金属の水酸化物として、水酸化マグネシウム:Mg(O
H)2,水酸化カルシウム:Ca(OH)2),水酸化ストロンチ
ウム:Sr(OH)2・8H2O及び水酸化バリウム:Ba(OH)2・8H2O
を使用した。又、マトリックスにNa+を固定化するため
に、Al(OH)3を使用した。
廃棄物と、マトリックスと、アルカリ土類金属の水酸化
物とを、更には、水酸化アルミニウム(Na+の固定化を
も目的とした場合)を混合した総量を30gとし、均一
に混合した。
アルカリ土類金属の水酸化物として、Mg(OH)2又はCa(O
H)2を使用した場合には、更に、前記の混合物に水を
2.5cc加えて練り合わせた。
これを水熱熱間成型用オートクレーブに充填し、275
kg/cm2の圧搾圧力で加圧しながら、温度300℃で20
分間反応させた。
こうして得られた固化体(直径20mm)を、高さ24mm
に切り出し、圧縮強度を測定した。
また、固化体を7mm角の立方体に成型し、イオン交換水
30ccと共にオートクレーブに入れ、温度200℃の水
熱条件下で20時間の浸出試験を行った。浸出率は、試
料の試験前の重量に対する重量減少率として表した。浸
出試験後の浸出液は、原子吸光分析法により分析した。
以下に、詳細な試験条件及びその結果を示す。
(1)先ず、廃棄物中のSO2 2-の固定化剤であるアルカ
リ土類金属種の、固化体の圧縮強度に及ぼす影響を把握
するため、マトリックスと、廃棄物と、各種のアルカリ
土類金属の水酸化物とからなる混合物の水熱固化体を作
製した。
ここで、マトリックスに加えた各種のアルカリ土類金属
の水酸化物は、Mg(OH)2,Ca(OH)2,Sr(OH)2・8H2O,Ba(O
H)2・8H2Oである。また、廃棄物量は、混合物重量の10
%、アルカリ土類金属の水酸化物の添加割合は、廃棄物
中のSO4 2-と等モル量である。
作製された固化体の圧縮強度は、それぞれ下記の通りで
あった。
Mg(OH)2 : 280kg/cm2 Ca(OH)2 : 630kg/cm2 Sr(OH)2・8H2O: 940kg/cm2 Ba(OH)2・8H2O:1200kg/cm2 アルカリ水熱条件下でのケイ酸塩(ここでは、珪石と珪
華との混合物)マトリックスの硬化反応は、下記の
(イ)式、すなわちシリカの溶解・析出反応により説明
することができる。
(イ)SiO2+2NaOH←→ Na2SiO3+H2O (ロ)Na2SO4+M(OH)2→ MSO4+2NaOH ここで、Mは、Mg,Ca,Sr,Ba等のアルカリ土類金属を
表している。
(イ)式において、右方向の反応が、溶解反応で、左方
向の反応が析出反応である。
アルカリ土類金属の水酸化物としてBa(OH)2・8H2Oを用い
た場合に最も高い圧縮強度をもつ固化体が得られた原因
は、(ロ)式で表された反応が、アルカリ土類金属のイ
オン半径が大きいほど進行しやすく、Mg→Ca→Sr→Baの
順にNaOH((イ)式に従い硬化反応を促進する)が多量
に生成するためである。
これらの固化体の浸出試験を行ったところ、Mg(OH)2
用いた固化体は、試料の形状がくずれてしまったが、他
のものは、いずれも形状を保っており、浸出率も10%
程度であった。
浸出液中のナトリウム(Na)量、ケイ素(Si)量は、ア
ルカリ土類金属の種類によってCa→Sr→Baの順に顕著に
多くなっており((ロ)式が右方向に進行していること
を示している)、Ba(OH)2・8H2Oを用いた場合が、最も効
果的に廃棄物を固定化することができることが判った。
(2)次いで、マトリックスと廃棄物との混合割合につ
いて検討した。
その結果を、図1に示す(ここで、横軸:全体混合物中
の廃棄物量の割合−添字[1],縦軸:固化体の圧縮強
度−添字[2]及び浸出率−添字[3]である)。
尚、マトリックスに加えたアルカリ土類金属の水酸化物
としては、先の試験で最大の圧縮強度を示したBa(OH)2
8H2Oを用いた。その添加量は、廃棄物を全体混合物の重
量に対し10%混合とした時の廃棄物中のSO4 2-と等モ
ルである。
廃棄物[1]が10重量%まで増加するに伴い固化体の
圧縮強度[2]が増大しているのは、前記(ロ)式によ
るNa2SO4とBa(OH)2との反応により生成するNaOH量が増
加したことによるものである。一方、廃棄物量[1]が
10重量%を越えると圧縮強度[2]が減少しているの
は、相対的にマトリックス量が減少し、過剰のNa2SO4
多量に存在するために硬化反応が抑制されたためと考え
られる。
浸出率[3]は、廃棄物量[1]が増加するに伴い直線
的に増加している。浸出液中のNa量は、浸出率[3]と
全く同様な傾向を示したが、Si量は、廃棄物量[1]が
10重量%までは増加したが、その後はほぼ一定の値と
なった。これは、廃棄物量[1]が10重量%に至る迄
は、Na2SO4とBa(OH)2との反応により生成したNaOH
((ロ)式参照)は、マトリックスの硬化反応を促進す
るものの、水に可溶なNa2SiO3の形((イ)式参照)と
なっており、そのためにSiと共に溶出しやすくなったも
のと考えられる。一方、廃棄物量[1]が10重量%を
越えると、過剰のNa2SO4が溶出し始め、その結果、浸出
液中のNa量は、廃棄物量の増加に伴い増加するが、Siの
浸出量の増加を誘引しなかったものと考えられる。
上記の結果より、圧縮強度の点からは、廃棄物量[1]
に対しBa(OH)2・8H2Oを廃棄物中のSO4 2-と等モル添加
し、廃棄物量[1]を全体混合物中10重量%とするの
が好ましい。
(3)SiO2とAl(OH)3をNaOH水溶液中で水熱処理する
と、アナルサイトなどのナトリウムアルミニウムケイ酸
塩が生成する。そこで、Naをマトリックスに固定化する
ために、前記の混合物に、更にAl(OH)3を添加して固化
体を作製した。
その結果を、図2に示す(ここで、横軸:全体混合物中
のAl(OH)3の添加量−添字[4],縦軸:固化体の圧縮
強度−添字[5]及び浸出率−添字[6]である)。
尚、廃棄物量は、全体混合物の10重量%、Ba(OH)2・8H
2Oの添加量は、廃棄物中のSO4 2-と等モルである。
Al(OH)3が10重量%までは、圧縮強度[5]及び浸出
率[6]はともに減少し、Al(OH)3が10重量%を越え
ると、圧縮強度[5]は、ほぼ一定となるが、浸出率
[6]は、やや増加に転じている。
従って、廃棄物量が全体混合物中10重量%の時、Al(O
H)3を全体混合物中10重量%となるよう添加しておく
ことが廃棄物を固定化するための好適条件といえる。
Al(OH)3を添加することにより、圧縮強度[5]は低下
するものの、浸出率[6]が低下したことは、(ロ)式
に従って遊離したNaOH又は(イ)式に従って生成したNa
2SiO3が、固化体中に化合物の形で固定化されたことを
示しており、実際に浸出液中のNa及びSi量は、Al(OH)3
の添加により大幅に減少している。
「発明の効果」 以上述べたように、この発明によれば、沸騰水型原子炉
等から排出される低レベル放射性廃棄物を、珪石及び珪
華の混合物からなるケイ酸塩をマトリックスとし、該マ
トリックスに廃棄物中の主成分であるSO4 2-とNa+をそれ
ぞれ固定化するためにアルカリ土類金属の水酸化物とAl
(OH)3をそれぞれ添加し、これらの混合物を水熱条件下
で圧縮して硬化せしめ岩石状の固化体とするので、完全
な無機化合物の型で該廃棄物を固定化でき、しかも該固
化体は、機械的強度も高く、且つ浸出率も極めて低いの
で、危険な放射性廃棄物を長期間に渡って、安全且つ高
い信頼性のもとに封じ込めることができる。
尚、アルカリ土類金属の水酸化物として、水酸化ストロ
ンチウム:Sr(OH)2・8H2O又は水酸化バリウム:Ba(OH)2
8H2Oを用いれば、より高い圧縮強度を有する固化体が得
られると共に、水熱反応に必要な水分としてこれらの化
合物の結晶水を利用できるので、水熱反応に供する混合
物の調整作業が粉体の混合となり、より均一な混合が可
能になると共に、該混合物の移送、例えば、混合装置か
ら水熱反応装置への移送も、格段に容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施例における廃棄物量と固化体の
圧縮強度及び浸出率の関係を示すグラフである。 第2図は、Al(OH)3の添加量と固化体の圧縮強度及び浸
出率の関係を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】珪石と珪華との混合物をマトリックスと
    し、該マトリックスと原子炉等から発生する低レベル放
    射性廃棄物とを混合すると共に、該混合物に更にアルカ
    リ土類金属の水酸化物及び水酸化アルミニウム(Al(O
    H)3)を添加し、水熱条件下で圧縮して生成した硬化物中
    に前記放射性廃棄物を封じ込めることを特徴とする低レ
    ベル放射性廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】前記の珪石が、低温型石英を主成分とする
    ものであり、前記の珪華が、無定形シリカを主成分とす
    るものであって、該珪石の混合割合が、ほぼ70重量%
    である特許請求の範囲第1項記載の処理方法。
  3. 【請求項3】添加するアルカリ土類金属の水酸化物中の
    金属量を、低レベル放射性廃棄物中に含まれる硫酸イオ
    ン(SO4 2-)量に対し、ほぼ等モル量に設定する特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載の処理方法。
  4. 【請求項4】前記のアルカリ土類金属の水酸化物が、水
    酸化ストロンチウム(Sr(OH)2・8H2O)又は水酸化バリウム
    (Ba(OH)2・8H2O)の粉末である特許請求の範囲第3項記載
    の処理方法。
  5. 【請求項5】水酸化アルミニウム(Al(OH)3)の添加量
    が、低レベル放射性廃棄物量とほぼ等量である特許請求
    の範囲第3項又は第4項記載の処理方法。
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