JPH06346079A - 電気接点用潤滑剤組成物 - Google Patents

電気接点用潤滑剤組成物

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JPH06346079A
JPH06346079A JP9071793A JP9071793A JPH06346079A JP H06346079 A JPH06346079 A JP H06346079A JP 9071793 A JP9071793 A JP 9071793A JP 9071793 A JP9071793 A JP 9071793A JP H06346079 A JPH06346079 A JP H06346079A
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weight
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contact resistance
resistance
lubricant composition
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JP9071793A
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Inventor
Yoshio Yoshida
喜郎 吉田
Makoto Yoshida
信 吉田
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Alps Alpine Co Ltd
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温から高温域までの広い温度範囲で使用可
能で、且つ、微少電流から高電流の切り換え回路まで対
応可能なスイッチ等の摺動接点用潤滑組成物を提供す
る。 【構成】 (A)炭化水素油100重量部と、(B)増
稠剤として金属石鹸を0.1〜20重量部と、(C)ハ
ロカーボン系潤滑剤を0.1〜20重量部と、(D)ヒ
マシ油を0.1〜20重量部と、(E)ジアルキルジチ
オカルバミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部と、
(F)ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部とおよ
び(G)ポリテトラフルロエチレンパウダーを0.1〜
5重量部とからなる潤滑剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器において使用
されるスイッチなどの摺動接点部に用いられる潤滑剤組
成物に係わり、特に電流が微少電流から十数アンペア程
度導通する接点部にまで適応可能で、且つ、低温から高
温域にわたって、接触抵抗および潤滑特性において優れ
た特性を有する潤滑剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に使用されるスイッチな
どの摺動接点部に用いられる電気接点用潤滑剤としては
シリコ−ン系、鉱油系および合成油系が使用されてき
た。シリコ−ン系のものは低温域での特性が良好である
ことから多用されているが、10V〜30V0.3〜数
アンペア程度(以下「中電流」と言う)のアークが発生
する接点に用いると、SiO2 を発生し、これが絶縁物
であることから接触障害を生じ、このためシリコーン系
のものは中電流用として用いることには適さず主とし微
少電流用として使用されている。また、鉱油系のものお
よび合成油系のものはSiO2 を生じることはないが、
一般に接触抵抗が安定しないものが多く、さらに負荷動
作寿命試験を行うとスラッジや炭化物を生じ絶縁障害を
生じるものが多く、加えてプラスチックス等のスイッチ
の構成成形材に極めて悪い影響を与えるものも少なくな
い。また、高温側での使用温度範囲も40゜〜60゜c
程度であった。
【0003】本出願人は、かねて、このような問題に対
処するため特公昭61−47200を提案した。これに
より信号切り換え用の微少電流(0.3アンペア程度以
下)から中電流までの接点において安定した接触抵抗お
よび絶縁抵抗特性を有する信頼性の高い電気接点用潤滑
剤組成物を提供することができた。一方、近年、電子機
器に対する要求は、使用分野の拡大とその使用環境の多
様化に伴って使用耐熱温度範囲の下限および上限の拡
大、さらには、機器の多機能化により機器内の回路も微
少電流、中電流および高電流(数アンペア〜十数アンペ
ア程度)の多種類の電流切り換え回路を含むようになっ
てきていて、さらなる対応が迫られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実状
に鑑みて、それら電子機器におけるスイッチ等の摺動接
点において要求される性能を満たすため、低温から高温
域の広い使用温度範囲で使用可能で、且つ、微少電流か
ら高電流の切り換え回路まで対応可能な電気接点用潤滑
剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、(A)炭化水素油100重量部と、(B)増稠剤と
して金属石鹸を0.1〜20重量部と、(C)ハロカー
ボン系潤滑剤を0.1〜20重量部と、(D)ヒマシ油
を0.1〜20重量部と、(E)ジアルキルジチオカル
バミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部と、(F)
ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部と、(G)ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーを0.1〜5重量部
を含有せしめたものからなる。
【0006】本発明において潤滑剤組成物の主成分をな
す(A)の炭化水素油としては流動パラフィン、ポリ−
α−オレフィンオリゴマー、ポリブテンなどの脂肪族炭
化水素油と、アルキルベンゼンなどのアルキル芳香族炭
化水素油が例示されるが、ポリカーボネート樹脂やスチ
ロール樹脂といったプラスチックへの影響を考慮すると
脂肪族炭化水素油であることが望ましい。また、この脂
肪族炭化水素油としては98.9℃における粘度が約1
〜20cst のものが好適である。1cst 未満では潤滑性
が劣り、組成物が揮発しやすくなる。また、20cst を
越えると粘性抵抗が大きくなり、接点の潤滑性に悪影響
を及ぼし、かつ接触障害を生じやすい傾向が認められ
る。脂肪族炭化水素油の中でも高温での安定性や負荷寿
命試験におけるスラッジの生成の少なさなどの両面から
ポリ−α−オレフィンオリゴマーが好適である。
【0007】また、本発明において使用される(B)の
金属石鹸は(A)の炭化水素油に粘稠性を付与し、10
0℃まで摩擦係数の安定化に効果がある。金属石鹸とし
てはリチウム石鹸、アルミニウム石鹸、カルシウム石鹸
などが例示されるが、摩擦係数の安定性の面からリチウ
ム石鹸が好ましい。中でも負荷寿命試験におけるスラッ
ジの生成の少なさからリチウムハイドロオキシステアレ
ートが好適である。この金属石鹸は、(A)の成分10
0重量部に対し、約0.1〜20重量部の範囲内で選択
することが必要である。金属石鹸が約0.1重量部未満
の場合には潤滑性に効果がなく負荷動作寿命試験を行う
と摩耗を生じ絶縁障害を生じやすく、約20重量部を越
えると摩耗生成物の分散性がなく、やはり絶縁障害を生
じやすくなり不適である。
【0008】また、本発明において使用される(C)の
ハロカーボン系潤滑油は少量用いると負荷動作寿命試験
における接触抵抗の安定化に効果がある。このハロカー
ボン系潤滑油は(A)の成分100重量部に対して約
0.1〜10重量部の範囲内で選択することが必要であ
る。ハロカーボン系潤滑油が0.1未満の場合には負荷
動作寿命試験の接触抵抗の安定化に効果がなく約10重
量部を越えると初期の接触抵抗が不安定になる。ハロカ
ーボン系潤滑油としてはポリ3フッ化塩化エチレンの低
重合ポリマー、ヘキサフルオロプロピレンエポキシドの
ホモポリマーなどが例示されるが、負荷動作寿命試験の
接触抵抗の安定化の点から、ポリ3フッ化塩化エチレン
が好適である。
【0009】また、本発明において使用される(D)の
ヒマシ油は負荷動作寿命試験中の摩耗生成物の清浄分散
性に効果があり、それ自身は多量な炭化物を生成しな
い。また、潤滑性にも効果がある。ヒマシ油は(A)の
成分100重量部に対して約0.1〜20重量部の範囲
で選択することが必要である。ヒマシ油が約0.1重量
部未満の場合には分散性に効果がなく、約20重量部を
越えると接触障害を生じる。
【0010】また、本発明において使用される(E)の
ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物は一般構造
式が下記化2で表される。
【0011】
【化2】 ここで、式中のR1 、R2 は炭素数1〜20の飽和また
は不飽和の脂肪族もしくは芳香族の炭化水素基、Meは
2価の金属元素である。
【0012】このジアルキルジチオカルバミン酸金属塩
化合物、好ましくはジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
化合物を少量用いると接触抵抗の上昇を引き起こさず
に、潤滑性(特に高温における潤滑性)を向上し、すべ
り性に改善がみられる。しかも銀や銅などの金属の耐環
境特性(低湿度の状態における耐硫化、耐酸化、耐塩
化;以下耐乾触)をも向上させるものである。また、一
般構造式中のR1 、R2 の炭素数は多いものほど潤滑
性、耐環境特性への寄与度は大きい。これらの条件を満
たすジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物の例と
しては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸
亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチ
オカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。このような
(E)の成分の添加量は、(A)の成分100重量部に
対して0.001〜1.0重量部の範囲である。(E)
の成分が0.001重量部未満の場合には硫化防止効果
やすべり性改善の効果が認められなく、1.0重量部を
越えると接触抵抗が不安定となり不適当である。
【0013】また、本発明において使用される(F)の
ヒンダードフェノールは潤滑剤自体の酸化を防止する効
果および銅や銀などの金属の耐環境特性(高湿度状態に
おける耐硫化、耐酸化、耐塩化;以下耐湿触)の向上に
効果がある。特に銅の酸化に関しては前記(E)のジア
ルキルジチオカルバミン酸亜鉛化合物と併用することに
より、耐乾触および耐湿触の両方の耐環境特性に安定な
潤滑剤組成物が得られる。ヒンダードフェノールは
(A)の成分100重量部に対して約0.1〜5重量部
の範囲内で選択することが必要である。ヒンダードフェ
ノールが約0.1重量部未満の場合にはその酸化防止効
果が認められず、約5重量部を越えると接触障害を生じ
る。ヒンダードフェノールとしては4、4−メチレンビ
ス−2、6−ジtert−ブチルフェノールが好まし
い。
【0014】さらに、本発明において使用される(G)
のポリテトラフルオロエチレンパウダーは動作寿命試験
中の摩耗生成物を抑制する効果がある。ポリテトラフル
オロエチレンパウダーは(A)の成分100重量部に対
して0.1〜5重量部の範囲で選択する必要がある。ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーが約0.1重量部未
満の場合には摩耗生成物の抑制効果がなく、5重量部を
越えるとすべり性に障害をもたらす。
【0015】本発明の電気接点用潤滑剤組成物は上記の
(A)、(B)の成分を加熱混合した後、その他の成分
を加え、均一に混練することにより調整する。
【0016】本発明によって得られた電気接点用潤滑剤
組成物を摺動接点タイプのスイッチの接点部に適用して
その性能を確認した。本発明により信号切換用の微少電
流、中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40
℃から100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温
から高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性
および耐環境特性が得られることが確認できた。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係わる潤滑剤組成物の実施例
について、従来例と対比して説明する。本発明の潤滑組
成物を適用した実施例1〜7、従来の潤滑剤組成物であ
る従来例1および比較例1として特公昭61−4720
0の各潤滑剤組成物の組成を表1に示す。従来例1は、
ポリα−オレフィンオイル100重量部に対し増稠剤と
してリチウムハイドロオキシステアレート5重量部を添
加したものである。なお、潤滑剤組成物の各成分の数値
はすべて重量部を示す。
【0018】
【表1】
【0019】これらの潤滑剤組成物の性能比較を摺動タ
イプのスイッチに適用して(1)負荷動作寿命試験後の
接触抵抗、(2)作動力および初期的な接触抵抗、
(3)硫化膜厚、(4)耐熱試験後の接触抵抗等につい
て測定し行った。以下に各測定方法およびその結果を示
す。
【0020】(1)負荷動作寿命試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例1、
2、3、7の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したもの
を用いた。負荷動作寿命試験は、純抵抗負荷を介して2
5V、1Aをノルマルオープン側端子(通常閉成してい
ない端子)とコモン端子間に印加した状態で毎分20回
の速度でON、OFF切り換え動作を行った。電圧の印
加方向はコモン端子をプラスとしている。接触抵抗測定
は4端子法を用いて測定した。なお、測定ポイントは初
期、0.5万回、以下1、1.5、2および3万回であ
る。その結果を図1に示す。なお、図中横軸は動作回数
で単位;×104 回を示し、縦軸は接触抵抗で単位;ミ
リオーム(以下mΩ)を示す。
【0021】図1より明らかなように、従来例1におい
ては動作回数1万回より接触抵抗が急激に上昇している
が、ポリ3フッ化塩化エチレンを添加した比較例1およ
び実施例1、2、3、7は動作回数による接触抵抗の増
加は緩やかで、安定した接触抵抗特性が得られた。ポリ
3フッ化塩化エチレンの添加量は実施例1、2、および
3から明かなように添加量が多い程接触抵抗の安定性は
高くなる。しかし、添加量を多くすると摩耗の増大を引
き起こし、絶縁抵抗特性に影響する。添加量としては、
0.1〜10の範囲で、好ましくは4〜5重量部が妥当
である。また、特筆すべきことは本発明によって新規に
添加された前記(E)、(F)、(G)の各組成分が接
触抵抗に何等障害を及ぼさないことを示す。さらに、比
較例1、および本発明の実施例3、7の結果から明かな
ように、(G)の添加組成分によって、摩耗の生成量が
抑制され、実施例3、7は添加されていない比較例1に
比べ接触抵抗の増加はさらに改善されている。なお、ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーの添加量は0.5〜
1重量部が適当である。
【0022】(2)作動力測定および初期的な接触抵抗
測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例3、
4、5の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したものを用
いた。作動力測定は、前記各試料−40゜c、20゜
c、85゜cおよび100゜cの各温度に設定した恒温
槽内に6時間放置し、その後、槽内で棒状バネ秤を用い
作動力の測定を行った。前記の測定値を定量的に区分し
て表した結果を表2に示す。また、前記区分と相まって
作動力が250g以下を実用上好ましい使用範囲として
評価基準を定めた。その評価基準を表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2より明らかなように、ジベンジルジチ
オカルバミン酸亜鉛を添加した実施例3、4、5では作
動力が従来例1および比較例1に比べ良好である。そし
て、その添加率に比例して高温域での特性の改善が顕著
である。また、初期の接触抵抗値を(1)と同様の方法
にて測定した結果を表4に示す。一般的には作動力を低
減するような油膜を形成する添加剤を添加したときに
は、接触抵抗の不安定を引き起こすとされているが、実
施例3、4、5は共に従来例1、比較例1と同レベルも
しくは良好な接触抵抗値を示し、何等障害はない。
【0026】
【表4】
【0027】(3)硫化膜厚測定 試料は、銀メッキした板を用いた。測定条件は、該メッ
キ板に前記表1に示す従来例1、比較例1および実施例
3、4、5の潤滑剤組成物を塗布し、硫化促進条件とし
て40℃75%の温湿度に設定した硫化槽(H2 S:1
ppm)内に72時間放置し、その後、電解還元法によ
って硫化膜厚の測定を行った。前記の測定値を定量的に
区分して表した結果を表5に示す。また、前記区分と相
まって硫化膜厚が500オングストローム以下を実用上
好ましい使用範囲として評価基準を定めた。その評価基
準を表6に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表5より明らかなように、防錆剤としてジ
アルキルジチオカルバミン酸亜鉛を組成物として添加し
た実施例3、4、5は、従来例1および比較例1に比
べ、優れた耐硫化特性を有している。また、その添加率
が大きい程防錆剤としての特性が顕著である。
【0031】(4)耐熱試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1および実施例3、6の潤滑剤組
成物を塗布したものを用いた。測定は初期接触抵抗値を
測定した後、85℃の恒温槽内に所定時間放置、10
0、200、500、1000時間の各時間経過毎に槽
外にスイッチを取り出し、常温状態に戻した後、4端子
法により接触抵抗値の測定を行った。測定は、熱履歴の
影響の現れやすいノルマルオープン側(通常閉成してい
ない端子)端子とコモン端子間の接触抵抗を測定した。
その結果を図2に示す。なお、図中横軸は槽内放置時間
を、また、縦軸は接触抵抗値である。図中の小数字はオ
ープン状態(回路を閉成しても接触抵抗値が開離の状態
に等しい値を示す)になった回路の数を示す。
【0032】
【図2】
【0033】図2より明らかなように、4、4−メチレ
ンビス−2、6−ジtert−ブチルフェノールを添加
した本発明の実施例3、6においては、経時的な接触抵
抗の変化は極めて少ない。これに対し、従来例1では、
経時的に接触抵抗が増加し続け500時間目ではオープ
ン状態になった回路が20回路中3回路出現し、100
0時間目に至っては20回路中9回路がオープン状態と
なった。このように酸化防止剤として4、4−メチレン
ビス−2、6−ジtert−ブチルフェノール組成物の
添加は前述のジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛組成物
と相まって、耐熱環境下における特性を向上させ、優れ
た耐熱特性を示し、安定した接触抵抗特性を得ることが
できる。
【0034】
【発明の効果】上述の結果から明らかなように、(A)
炭化水素油100重量部に、(B)増稠剤として金属石
鹸を0.1〜20重量部、(C)ハロカーボン系潤滑剤
を0.1〜10重量部、(D)ヒマシ油を0.1〜20
重量部を、さらに、これらに加え(E)ジアルキルジチ
オカルバミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部、
(F)ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部、およ
び(G)ポリテトラフルオロエチレンパウダーを0.1
〜5重量部を添加した本発明の電気接点用潤滑剤組成物
は、(E)のジアルキルジチオカルバミン酸金属塩の添
加によって、耐環境特性特性の耐乾触に良い結果をもた
らし、且つ、潤滑特性を向上させること。また、(F)
のヒンダードフェノールの添加によって、潤滑剤自体の
酸化が防止され、酸化による硬化で接触抗が不安定にな
ることを防ぎ、かつ耐環境特性の耐湿触に良い結果をも
たらすこと。さらに、(G)のポリテトラフルオロエチ
レンの添加によって、負荷寿命特性において生成する摩
耗粉の発生を抑制し耐電圧特性を劣化することを防止す
る効果を有すること等により、信号切換用の微少電流、
中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40℃か
ら100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温から
高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性およ
び耐環境特性を備えた極めて信頼性の高い電気接点用潤
滑剤組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ3フッ化塩化エチレンの添加量と負荷寿命
試験による接触抵抗の関係を示した説明図である。
【図2】4、4−メチレンビス−2、6−ジtert−
ブチルフェノールの添加量と耐熱環境化におけるスイッ
チの経時的な接触抵抗特性の関係を示した説明図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電気接点用潤滑剤組成物
【特許請求の範囲】
【化1】ここで、式中のR1、R2は炭素数1〜20の
飽和または不飽和の脂肪族もしくはアルキル芳香族の炭
化水素基、Meは2価の金属元素である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器において使用
されるスイッチなどの摺動接点部に用いられる潤滑剤組
成物に係わり、特に電流が微少電流から十数アンペア程
度導通する接点部にまで適応可能で、且つ、低温から高
温域にわたって、接触抵抗および潤滑特性において優れ
た特性を有する潤滑剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に使用されるスイッチな
どの摺動接点部に用いられる電気接点用潤滑剤としては
シリコーン系、鉱油系および合成油系が使用されてき
た。シリコーン系のものは低温域での特性が良好である
ことから多用されているが、10V〜30V0.3〜数
アンペア程度(以下「中電流」と言う)のアークが発生
する接点に用いると、SiO2を発生し、これが絶縁物
であることから接触障害を生じ、このためシリコーン系
のものは中電流用として用いることには適さず主とし微
少電流用として使用されている。また、鉱油系のものお
よび合成油系のものはSiO2を生じることはないが、
一般に接触抵抗が安定しないものが多く、さらに負荷動
作寿命試験を行うとスラッジや炭化物を生じ絶縁障害を
生じるものが多く、加えてプラスチックス等のスイッチ
の構成成形材に極めて悪い影響を与えるものも少なくな
い。また、高温側での使用温度範囲も40゜〜60°c
程度であった。
【0003】本出願人は、かねて、このような問題に対
処するため特公昭61−47200を提案した。これに
より信号切り換え用の微少電流(0.3アンペア程度以
下)から中電流までの接点において安定した接触抵抗お
よび絶縁抵抗特性を有する信頼性の高い電気接点用潤滑
剤組成物を提供することができた。一方、近年、電子機
器に対する要求は、使用分野の拡大とその使用環境の多
様化に伴って使用耐熱温度範囲の下限および上限の拡
大、さらには、機器の多機能化により機器内の回路も微
少電流、中電流および高電流(数アンペア〜十数アンペ
ア程度)の多種類の電流切り換え回路を含むようになっ
てきていて、さらなる対応が迫られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実状
に鑑みて、それら電子機器におけるスイッチ等の摺動接
点において要求される性能を満たすため、低温から高温
域の広い使用温度範囲で使用可能で、且つ、微少電流か
ら高電流の切り換え回路まで対応可能な電気接点用潤滑
剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、(A)炭化水素油100重量部と、(B)増稠剤と
して金属石鹸を0.1〜20重量部と、(C)ハロカー
ボン系潤滑剤を0.1〜20重量部と、(D)ヒマシ油
を0.1〜20重量部と、(E)ジアルキルジチオカル
バミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部と、(F)
ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部と、(G)ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーを0.1〜5重量部
を含有せしめたものからなる。
【0006】本発明において潤滑剤組成物の主成分をな
す(A)の炭化水素油としては流動パラフィン、ポリ−
α−オレフィンオリゴマー、ポリブテンなどの脂肪族炭
化水素油と、アルキルベンゼンなどのアルキル芳香族炭
化水素油が例示されるが、ポリカーボネート樹脂やスチ
ロール樹脂といったプラスチックへの影響を考慮すると
脂肪族炭化水素油であることが望ましい。また、この脂
肪族炭化水素油としては98.9℃における粘度が約1
〜20cstのものが好適である。1cst未満では潤
滑性が劣り、組成物が揮発しやすくなる。また、20c
stを越えると粘性抵抗が大きくなり、接点の潤滑性に
悪影響を及ぼし、かつ接触障害を生じやすい傾向が認め
られる。脂肪族炭化水素油の中でも高温での安定性や負
荷寿命試験におけるスラッジの生成の少なさなどの両面
からポリ−α−オレフィンオリゴマーが好適である。
【0007】また、本発明において使用される(B)の
金属石鹸は(A)の炭化水素油に粘稠性を付与し、10
0℃まで摩擦係数の安定化に効果がある。金属石鹸とし
てはリチウム石鹸、アルミニウム石鹸、カルシウム石鹸
などが例示されるが、摩擦係数の安定性の面からリチウ
ム石鹸が好ましい。中でも負荷寿命試験におけるスラッ
ジの生成の少なさからリチウムハイドロオキシステアレ
ートが好適である。この金属石鹸は、(A)の成分10
0重量部に対し、約0.1〜20重量部の範囲内で選択
することが必要である。金属石鹸が約0.1重量部未満
の場合には潤滑性に効果がなく負荷動作寿命試験を行う
と摩耗を生じ絶縁障害を生じやすく、約20重量部を越
えると摩耗生成物の分散性がなく、やはり絶縁障害を生
じやすくなり不適である。
【0008】また、本発明において使用される(C)の
ハロカーボン系潤滑油は少量用いると負荷動作寿命試験
における接触抵抗の安定化に効果がある。このハロカー
ボン系潤滑油は(A)の成分100重量部に対して約
0.1〜10重量部の範囲内で選択することが必要であ
る。ハロカーボン系潤滑油が0.1未満の場合には負荷
動作寿命試験の接触抵抗の安定化に効果がなく約10重
量部を越えると初期の接触抵抗が不安定になる。ハロカ
ーボン系潤滑油としてはポリ3フッ化塩化エチレンの低
重合ポリマー、ヘキサフルオロプロピレンエポキシドの
ホモポリマーなどが例示されるが、負荷動作寿命試験の
接触抵抗の安定化の点から、ポリ3フッ化塩化エチレン
が好適である。
【0009】また、本発明において使用される(D)の
ヒマシ油は負荷動作寿命試験中の摩耗生成物の清浄分散
性に効果があり、それ自身は多量な炭化物を生成しな
い。また、潤滑性にも効果がある。ヒマシ油は(A)の
成分100重量部に対して約0.1〜20重量部の範囲
で選択することが必要である。ヒマシ油が約0.1重量
部未満の場合には分散性に効果がなく、約20重量部を
越えると接触障害を生じる。
【0010】また、本発明において使用される(E)の
ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物は一般構造
式が下記化2で表される。
【0011】
【化2】ここで、式中のR1、R2は炭素数1〜20の
飽和または不飽和の脂肪族もしくは芳香族の炭化水素
基、Meは2価の金属元素である。
【0012】このジアルキルジチオカルバミン酸金属塩
化合物、好ましくはジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
化合物を少量用いると接触抵抗の上昇を引き起こさず
に、潤滑性(特に高温における潤滑性)を向上し、すべ
り性に改善がみられる。しかも銀や銅などの金属の耐環
境特性(低湿度の状態における耐硫化、耐酸化、耐塩
化;以下耐乾触)をも向上させるものである。また、一
般構造式中のR1、R2の炭素数は多いものほど潤滑
性、耐環境特性への寄与度は大きい。これらの条件を満
たすジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物の例と
しては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸
亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチ
オカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。このような
(E)の成分の添加量は、(A)の成分100重量部に
対して0.001〜1.0重量部の範囲である。(E)
の成分が0.001重量部未満の場合には硫化防止効果
やすべり性改善の効果が認められなく、1.0重量部を
越えると接触抵抗が不安定となり不適当である。
【0013】また、本発明において使用される(F)の
ヒンダードフェノールは潤滑剤自体の酸化を防止する効
果および銅や銀などの金属の耐環境特性(高湿度状態に
おける耐硫化、耐酸化、耐塩化;以下耐湿触)の向上に
効果がある。特に銅の酸化に関しては前記(E)のジア
ルキルジチオカルバミン酸亜鉛化合物と併用することに
より、耐乾触および耐湿触の両方の耐環境特性に安定な
潤滑剤組成物が得られる。ヒンダードフェノールは
(A)の成分100重量部に対して約0.1〜5重量部
の範囲内で選択することが必要である。ヒンダードフェ
ノールが約0.1重量部未満の場合にはその酸化防止効
果が認められず、約5重量部を越えると接触障害を生じ
る。ヒンダードフェノールとしては4、4−メチレンビ
ス−2、6−ジtert−ブチルフェノールが好まし
い。
【0014】さらに、本発明において使用される(G)
のポリテトラフルオロエチレンパウダーは動作寿命試験
中の摩耗生成物を抑制する効果がある。ポリテトラフル
オロエチレンパウダーは(A)の成分100重量部に対
して0.1〜5重量部の範囲で選択する必要がある。ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーが約0.1重量部未
満の場合には摩耗生成物の抑制効果がなく、5重量部を
越えるとすべり性に障害をもたらす。
【0015】本発明の電気接点用潤滑剤組成物は上記の
(A)、(B)の成分を加熱混合した後、その他の成分
を加え、均一に混練することにより調整する。
【0016】本発明によって得られた電気接点用潤滑剤
組成物を摺動接点タイプのスイッチの接点部に適用して
その性能を確認した。本発明により信号切換用の微少電
流、中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40
℃から100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温
から高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性
および耐環境特性が得られることが確認できた。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係わる潤滑剤組成物の実施例
について、従来例と対比して説明する。本発明の潤滑組
成物を適用した実施例1〜7、従来の潤滑剤組成物であ
る従来例1および比較例1として特公昭61−4720
0の各潤滑剤組成物の組成を表1に示す。従来例1は、
ポリα−オレフィンオイル100重量部に対し増稠剤と
してリチウムハイドロオキシステアレート5重量部を添
加したものである。なお、潤滑剤組成物の各成分の数値
はすべて重量部を示す。
【0018】
【表1】
【0019】これらの潤滑剤組成物の性能比較を摺動タ
イプのスイッチに適用して(1)負荷動作寿命試験後の
接触抵抗、(2)作動力および初期的な接触抵抗、
(3)硫化膜厚、(4)耐熱試験後の接触抵抗等につい
て測定し行った。以下に各測定方法およびその結果を示
す。
【0020】(1)負荷動作寿命試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例1、
2、3、7の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したもの
を用いた。負荷動作寿命試験は、純抵抗負荷を介して2
5V、1Aをノルマルオープン側端子(通常閉成してい
ない端子)とコモン端子間に印加した状態で毎分20回
の速度でON、OFF切り換え動作を行った。電圧の印
加方向はコモン端子をプラスとしている。接触抵抗測定
は4端子法を用いて測定した。なお、測定ポイントは初
期、0.5万回、以下1、1.5、2および3万回であ
る。その結果を図1に示す。なお、図中横軸は動作回数
で単位;×104回を示し、縦軸は接触抵抗で単位;ミ
リオーム(以下mΩ)を示す。
【0021】図1より明らかなように、従来例1におい
ては動作回数1万回より接触抵抗が急激に上昇している
が、ポリ3フッ化塩化エチレンを添加した比較例1およ
び実施例1、2、3、7は動作回数による接触抵抗の増
加は緩やかで、安定した接触抵杭特性が得られた。ポリ
3フッ化塩化エチレンの添加量は実施例1、2、および
3から明かなように添加量が多い程接触抵抗の安定性は
高くなる。しかし、添加量を多くすると摩耗の増大を引
き起こし、絶縁抵抗特性に影響する。添加量としては、
0.1〜10の範囲で、好ましくは4〜5重量部が妥当
である。また、特筆すべきことは本発明によって新規に
添加された前記(E)、(F)、(G)の各組成分が接
触抵抗に何等障害を及ぼさないことを示す。さらに、比
較例1、および本発明の実施例3、7の結果から明かな
ように、(G)の添加組成分によって、摩耗の生成量が
抑制され、実施例3、7は添加されていない比較例1に
比べ接触抵抗の増加はさらに改善されている。なお、ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーの添加量は0.5〜
1重量部が適当である。
【0022】(2)作動力測定および初期的な接触抵抗
測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例3、
4、5の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したものを用
いた。作動力測定は、前記各試料−40°c、20°
c、85°cおよび100°cの各温度に設定した恒温
槽内に6時間放置し、その後、槽内で棒状バネ秤を用い
作動力の測定を行った。前記の測定値を定量的に区分し
て表した結果を表2に示す。また、前記区分と相まって
作動力が250g以下を実用上好ましい使用範囲として
評価基準を定めた。その評価基準を表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2より明らかなように、ジベンジルジチ
オカルバミン酸亜鉛を添加した実施例3、4、5では作
動力が従来例1および比較例1に比べ良好である。そし
て、その添加率に比例して高温域での特性の改善が顕著
である。また、初期の接触抵抗値を(1)と同様の方法
にて測定した結果を表4に示す。一般的には作動力を低
減するような油膜を形成する添加剤を添加したときに
は、接触抵抗の不安定を引き起こすとされているが、実
施例3、4、5は共に従来例1、比較例1と同レベルも
しくは良好な接触抵抗値を示し、何等障害はない。
【0026】
【表4】
【0027】(3)硫化膜厚測定 試料は、銀メッキした板を用いた。測定条件は、該メッ
キ板に前記表1に示す従来例1、比較例1および実施例
3、4、5の潤滑剤組成物を塗布し、硫化促進条件とし
て40℃75%の温湿度に設定した硫化槽(H2S:1
ppm)内に72時間放置し、その後、電解還元法によ
って硫化膜厚の測定を行った。前記の測定値を定量的に
区分して表した結果を表5に示す。また、前記区分と相
まって硫化膜厚が500オングストローム以下を実用上
好ましい使用範囲として評価基準を定めた。その評価基
準を表6に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表5より明らかなように、防錆剤としてジ
アルキルジチオカルバミン酸亜鉛を組成物として添加し
た実施例3、4、5は、従来例1および比較例1に比
べ、優れた耐硫化特性を有している。また、その添加率
が大きい程防錆剤としての特性が顕著である。
【0031】(4)耐熱試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1および実施例3、6の潤滑剤組
成物を塗布したものを用いた。測定は初期接触抵抗値を
測定した後、85℃の恒温槽内に所定時間放置、10
0、200、500、1000時間の各時間経過毎に槽
外にスイッチを取り出し、常温状態に戻した後、4端子
法により接触抵抗値の測定を行った。測定は、熱履歴の
影響の現れやすいノルマルオープン側(通常閉成してい
ない端子)端子とコモン端子間の接触抵抗を測定した。
その結果を図2に示す。なお、図中横軸は槽内放置時間
を、また、縦軸は接触抵抗値である。図中の小数字はオ
ープン状態(回路を閉成しても接触抵抗値が開離の状態
に等しい値を示す)になった回路の数を示す。
【0032】 図2より明らかなように、4、4−メチレ
ンビス−2、6−ジtert−ブチルフェノールを添加
した本発明の実施例3、6においては、経時的な接触抵
抗の変化は極めて少ない。これに対し、従来例1では、
経時的に接触抵抗が増加し続け500時間目ではオープ
ン状態になった回路が20回路中3回路出現し、100
0時間目に至っては20回路中9回路がオープン状態と
なった。このように酸化防止剤として4、4−メチレン
ビス−2、6−ジtert−ブチルフェノール組成物の
添加は前述のジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛組成物
と相まって、耐熱環境下における特性を向上させ、優れ
た耐熱特性を示し、安定した接触抵抗特性を得ることが
できる。
【0033】
【発明の効果】上述の結果から明らかなように、(A)
炭化水素油100重量部に、(B)増稠剤として金属石
鹸を0.1〜20重量部、(C)ハロカーボン系潤滑剤
を0.1〜10重量部、(D)ヒマシ油を0.1〜20
重量部を、さらに、これらに加え(E)ジアルキルジチ
オカルバミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部、
(F)ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部、およ
び(G)ポリテトラフルオロエチレンパウダーを0.1
〜5重量部を添加した本発明の電気接点用潤滑剤組成物
は、(E)のジアルキルジチオカルバミン酸金属塩の添
加によって、耐環境特性特性の耐乾触に良い結果をもた
らし、且つ、潤滑特性を向上させること。また、(F)
のヒンダードフェノールの添加によって、潤滑剤自体の
酸化が防止され、酸化による硬化で接触抗が不安定にな
ることを防ぎ、かつ耐環境特性の耐湿触に良い結果をも
たらすこと。さらに、(G)のポリテトラフルオロエチ
レンの添加によって、負荷寿命特性において生成する摩
耗粉の発生を抑制し耐電圧特性を劣化することを防止す
る効果を有すること等により、信号切換用の微少電流、
中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40℃か
ら100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温から
高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性およ
び耐環境特性を備えた極めて信頼性の高い電気接点用潤
滑剤組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ3フッ化塩化エチレンの添加量と負荷寿命
試験による接触抵抗の関係を示した説明図である。
【図2】4、4−メチレンビス−2、6−ジtert−
ブチルフェノールの添加量と耐熱環境化におけるスイッ
チの経時的な接触抵抗特性の関係を示した説明図であ
る。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 電気接点用潤滑剤組成物
【特許請求の範囲】
【化1】 ここで、式中のR1、R2は炭素数1〜20の飽和また
は不飽和の脂肪族もしくはアルキル芳香族の炭化水素
基、Meは2価の金属元素である。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子機器において使用
されるスイッチなどの摺動接点部に用いられる潤滑剤組
成物に係わり、特に電流が微少電流から十数アンペア程
度導通する接点部にまで適応可能で、且つ、低温から高
温域にわたって、接触抵抗および潤滑特性において優れ
た特性を有する潤滑剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に使用されるスイッチな
どの摺動接点部に用いられる電気接点用潤滑剤としては
シリコーン系、鉱油系および合成油系が使用されてき
た。シリコーン系のものは低温域での特性が良好である
ことから多用されているが、10V〜30V0.3〜数
アンペア程度(以下「中電流」と言う)のアークが発生
する接点に用いると、SiO2を発生し、これが絶縁物
であることから接触障害を生じ、このためシリコーン系
のものは中電流用として用いることには適さず主とし微
少電流用として使用されている。また、鉱油系のものお
よび合成油系のものはSiO2を生じることはないが、
一般に接触抵抗が安定しないものが多く、さらに負荷動
作寿命試験を行うとスラッジや炭化物を生じ絶縁障害を
生じるものが多く、加えてプラスチックス等のスイッチ
の構成成形材に極めて悪い影響を与えるものも少なくな
い。また、高温側での使用温度範囲も40°〜60゜c
程度であった。
【0003】本出願人は、かねて、このような問題に対
処するため特公昭61−47200を提案した。これに
より信号切り換え用の微少電流(0.3アンペア程度以
下)から中電流までの接点において安定した接触抵抗お
よび絶縁抵抗特性を有する信頼性の高い電気接点用潤滑
剤組成物を提供することができた。一方、近年、電子機
器に対する要求は、使用分野の拡大とその使用環境の多
様化に伴って使用耐熱温度範囲の下限および上限の拡
大、さらには、機器の多機能化により機器内の回路も微
少電流、中電流および高電流(数アンペア〜十数アンペ
ア程度)の多種類の電流切り換え回路を含むようになっ
てきていて、さらなる対応が迫られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実状
に鑑みて、それら電子機器におけるスイッチ等の摺動接
点において要求される性能を満たすため、低温から高温
域の広い使用温度範囲で使用可能で、且つ、微少電流か
ら高電流の切り換え回路まで対応可能な電気接点用潤滑
剤組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の潤滑剤組成物
は、(A)炭化水素油100重量部と、(B)増稠剤と
して金属石鹸を0.1〜20重量部と、(C)ハロカー
ボン系潤滑剤を0.1〜20重量部と、(D)ヒマシ油
を0.1〜20重量部と、(E)ジアルキルジチオカル
バミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部と、(F)
ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部と、(G)ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーを0.1〜5重量部
を含有せしめたものからなる。
【0006】本発明において潤滑剤組成物の主成分をな
す(A)の炭化水素油としては流動パラフィン、ポリ−
α−オレフィンオリゴマー、ポリブテンなどの脂肪族炭
化水素油と、アルキルベンゼンなどのアルキル芳香族炭
化水素油が例示されるが、ポリカーボネート樹脂やスチ
ロール樹脂といったプラスチックへの影響を考慮すると
脂肪族炭化水素油であることが望ましい。また、この脂
肪族炭化水素油としては98.9℃における粘度が約1
〜20cstのものが好適である。1cst未満では潤
滑性が劣り、組成物が揮発しやすくなる。また、20c
stを越えると粘性抵抗が大きくなり、接点の潤滑性に
悪影響を及ぼし、かつ接触障害を生じやすい傾向が認め
られる。脂肪族炭化水素油の中でも高温での安定性や負
荷寿命試験におけるスラッジの生成の少なさなどの両面
からポリ−α−オレフィンオリゴマーが好適である。
【0007】また、本発明において使用される(B)の
金属石鹸は(A)の炭化水素油に粘稠性を付与し、10
0℃まで摩擦係数の安定化に効果がある。金属石鹸とし
てはリチウム石鹸、アルミニウム石鹸、カルシウム石鹸
などが例示されるが、摩擦係数の安定性の面からリチウ
ム石鹸が好ましい。中でも負荷寿命試験におけるスラッ
ジの生成の少なさからリチウムハイドロオキシステアレ
ートが好適である。この金属石鹸は、(A)の成分10
0重量部に対し、約0.1〜20重量部の範囲内で選択
することが必要である。金属石鹸が約0.1重量部未満
の場合には潤滑性に効果がなく負荷動作寿命試験を行う
と摩耗を生じ絶縁障害を生じやすく、約20重量部を越
えると摩耗生成物の分散性がなく、やはり絶縁障害を生
じやすくなり不適である。
【0008】また、本発明において使用される(C)の
ハロカーボン系潤滑油は少量用いると負荷動作寿命試験
における接触抵抗の安定化に効果がある。このハロカー
ボン系潤滑油は(A)の成分100重量部に対して約
0.1〜10重量部の範囲内で選択することが必要であ
る。ハロカーボン系潤滑油が0.1未満の場合には負荷
動作寿命試験の接触抵抗の安定化に効果がなく約10重
量部を越えると初期の接触抵抗が不安定になる。ハロカ
ーボン系潤滑油としてはポリ3フッ化塩化エチレンの低
重合ポリマー、ヘキサフルオロプロピレンエポキシドの
ホモポリマーなどが例示されるが、負荷動作寿命試験の
接触抵抗の安定化の点から、ポリ3フッ化塩化エチレン
が好適である。
【0009】また、本発明において使用される(D)の
ヒマシ油は負荷動作寿命試験中の摩耗生成物の清浄分散
性に効果があり、それ自身は多量な炭化物を生成しな
い。また、潤滑性にも効果がある。ヒマシ油は(A)の
成分100重量部に対して約0.1〜20重量部の範囲
で選択することが必要である。ヒマシ油が約0.1重量
部未満の場合には分散性に効果がなく、約20重量部を
越えると接触障害を生じる。
【0010】また、本発明において使用される(E)の
ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物は一般構造
式が下記化2で表される。
【0011】
【化2】 ここで、式中のR1、R2は炭素数1〜20の飽和また
は不飽和の脂肪族もしくは芳香族の炭化水素基、Meは
2価の金属元素である。
【0012】このジアルキルジチオカルバミン酸金属塩
化合物、好ましくはジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛
化合物を少量用いると接触抵抗の上昇を引き起こさず
に、潤滑性(特に高温における潤滑性)を向上し、すべ
り性に改善がみられる。しかも銀や銅などの金属の耐環
境特性(低湿度の状態における耐硫化、耐酸化、耐塩
化;以下耐乾触)をも向上させるものである。また、一
般構造式中のR1、R2の炭素数は多いものほど潤滑
性、耐環境特性への寄与度は大きい。これらの条件を満
たすジアルキルジチオカルバミン酸金属塩化合物の例と
しては、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、ジプロピルジチオカルバミン酸
亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジ
チオカルバミン酸亜鉛、N−エチル−N−フェニルジチ
オカルバミン酸亜鉛などが挙げられる。このような
(E)の成分の添加量は、(A)の成分100重量部に
対して0.001〜1.0重量部の範囲である。(E)
の成分が0.001重量部未満の場合には硫化防止効果
やすべり性改善の効果が認められなく、1.0重量部を
越えると接触抵抗が不安定となり不適当である。
【0013】また、本発明において使用される(F)の
ヒンダードフェノールは潤滑剤自体の酸化を防止する効
果および銅や銀などの金属の耐環境特性(高湿度状態に
おける耐硫化、耐酸化、耐塩化;以下耐湿触)の向上に
効果がある。特に銅の酸化に関しては前記(E)のジア
ルキルジチオカルバミン酸亜鉛化合物と併用することに
より、耐乾触および耐湿触の両方の耐環境特性に安定な
潤滑剤組成物が得られる。ヒンダードフェノールは
(A)の成分100重量部に対して約0.1〜5重量部
の範囲内で選択することが必要である。ヒンダードフェ
ノールが約0.1重量部未満の場合にはその酸化防止効
果が認められず、約5重量部を越えると接触障害を生じ
る。ヒンダードフェノールとしては4、4−メチレンビ
ス−2、6−ジtert−ブチルフェノールが好まし
い。
【0014】さらに、本発明において使用される(G)
のポリテトラフルオロエチレンパウダーは動作寿命試験
中の摩耗生成物を抑制する効果がある。ポリテトラフル
オロエチレンパウダーは(A)の成分100重量部に対
して0.1〜5重量部の範囲で選択する必要がある。ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーが約0.1重量部未
満の場合には摩耗生成物の抑制効果がなく、5重量部を
越えるとすべり性に障害をもたらす。
【0015】本発明の電気接点用潤滑剤組成物は上記の
(A)、(B)の成分を加熱混合した後、その他の成分
を加え、均一に混練することにより調整する。
【0016】本発明によって得られた電気接点用潤滑剤
組成物を摺動接点タイプのスイッチの接点部に適用して
その性能を確認した。本発明により信号切換用の微少電
流、中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40
℃から100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温
から高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性
および耐環境特性が得られることが確認できた。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係わる潤滑剤組成物の実施例
について、従来例と対比して説明する。本発明の潤滑組
成物を適用した実施例1〜7、従来の潤滑剤組成物であ
る従来例1および比較例1として特公昭61−4720
0の各潤滑剤組成物の組成を表1に示す。従来例1は、
ポリα−オレフィンオイル100重量部に対し増稠剤と
してリチウムハイドロオキシステアレート5重量部を添
加したものである。なお、潤滑剤組成物の各成分の数値
はすべて重量部を示す。
【0018】
【表1】
【0019】これらの潤滑剤組成物の性能比較を摺動タ
イプのスイッチに適用して(1)負荷動作寿命試験後の
接触抵抗、(2)作動力および初期的な接触抵抗、
(3)硫化膜厚、(4)耐熱試験後の接触抵抗等につい
て測定し行った。以下に各測定方法およびその結果を示
す。
【0020】(1)負荷動作寿命試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例1、
2、3、7の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したもの
を用いた。負荷動作寿命試験は、純抵抗負荷を介して2
5V、1Aをノルマルオープン側端子(通常閉成してい
ない端子)とコモン端子間に印加した状態で毎分20回
の速度でON、OFF切り換え動作を行った。電圧の印
加方向はコモン端子をプラスとしている。接触抵抗測定
は4端子法を用いて測定した。なお、測定ポイントは初
期、0.5万回、以下1、1.5、2および3万回であ
る。その結果を図1に示す。なお、図中横軸は動作回数
で単位;×104回を示し、縦軸は接触抵抗で単位;ミ
リオーム(以下mΩ)を示す。
【0021】図1より明らかなように、従来例1におい
ては動作回数1万回より接触抵抗が急激に上昇している
が、ポリ3フッ化塩化エチレンを添加した比較例1およ
び実施例1、2、3、7は動作回数による接触抵抗の増
加は緩やかで、安定した接触抵抗特性が得られた。ポリ
3フッ化塩化エチレンの添加量は実施例1、2、および
3から明かなように添加量が多い程接触抵抗の安定性は
高くなる。しかし、添加量を多くすると摩耗の増大を引
き起こし、絶縁抵抗特性に影響する。添加量としては、
0.1〜10の範囲で、好ましくは4〜5重量部が妥当
である。また、特筆すべきことは本発明によって新規に
添加された前記(E)、(F)、(G)の各組成分が接
触抵抗に何等障害を及ぼさないことを示す。さらに、比
較例1、および本発明の実施例3、7の結果から明かな
ように、(G)の添加組成分によって、摩耗の生成量が
抑制され、実施例3、7は添加されていない比較例1に
比べ接触抵抗の増加はさらに改善されている。なお、ポ
リテトラフルオロエチレンパウダーの添加量は0.5〜
1重量部が適当である。
【0022】(2)作動力測定および初期的な接触抵抗
測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1と比較例1および実施例3、
4、5の潤滑剤組成物をその接点部に塗布したものを用
いた。作動力測定は、前記各試料−40°c、20゜
c、85°cおよび100°cの各温度に設定した恒温
槽内に6時間放置し、その後、槽内で棒状バネ秤を用い
作動力の測定を行った。前記の測定値を定量的に区分し
て表した結果を表2に示す。また、前記区分と相まって
作動力が250g以下を実用上好ましい使用範囲として
評価基準を定めた。その評価基準を表3に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】表2より明らかなように、ジベンジルジチ
オカルバミン酸亜鉛を添加した実施例3、4、5では作
動力が従来例1および比較例1に比べ良好である。そし
て、その添加率に比例して高温域での特性の改善が顕著
である。また、初期の接触抵抗値を(1)と同様の方法
にて測定した結果を表4に示す。一般的には作動力を低
減するような油膜を形成する添加剤を添加したときに
は、接触抵抗の不安定を引き起こすとされているが、実
施例3、4、5は共に従来例1、比較例1と同レベルも
しくは良好な接触抵抗値を示し、何等障害はない。
【0026】
【表4】
【0027】(3)硫化膜厚測定 試料は、銀メッキした板を用いた。測定条件は、該メッ
キ板に前記表1に示す従来例1、比較例1および実施例
3、4、5の潤滑剤組成物を塗布し、硫化促進条件とし
て40℃75%の温湿度に設定した硫化槽(H2S:1
ppm)内に72時間放置し、その後、電解還元法によ
って硫化膜厚の測定を行った。前記の測定値を定量的に
区分して表した結果を表5に示す。また、前記区分と相
まって硫化膜厚が500オングストローム以下を実用上
好ましい使用範囲として評価基準を定めた。その評価基
準を表6に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表5より明らかなように、防錆剤としてジ
アルキルジチオカルバミン酸亜鉛を組成物として添加し
た実施例3、4、5は、従来例1および比較例1に比
べ、優れた耐硫化特性を有している。また、その添加率
が大きい程防錆剤としての特性が顕著である。
【0031】(4)耐熱試験後の接触抵抗測定 試料は、接点部が銀メッキの摺動タイプのスイッチで、
前記表1に示す従来例1および実施例3、6の潤滑剤組
成物を塗布したものを用いた。測定は初期接触抵抗値を
測定した後、85℃の恒温槽内に所定時間放置、10
0、200、500、1000時間の各時間経過毎に槽
外にスイッチを取り出し、常温状態に戻した後、4端子
法により接触抵抗値の測定を行った。測定は、熱履歴の
影響の現れやすいノルマルオープン側(通常閉成してい
ない端子)端子とコモン端子間の接触抵抗を測定した。
その結果を図2に示す。なお、図中横軸は槽内放置時間
を、また、縦軸は接触抵抗値である。図中の小数字はオ
ープン状態(回路を閉成しても接触抵抗値が開離の状態
に等しい値を示す)になった回路の数を示す。
【0032】 図2より明らかなように、4、4−メチレ
ンビス−2、6−ジtert−ブチルフェノールを添加
した本発明の実施例3、6においては、経時的な接触抵
抗の変化は極めて少ない。これに対し、従来例1では、
経時的に接触抵抗が増加し続け500時間目ではオープ
ン状態になった回路が20回路中3回路出現し、100
0時間目に至っては20回路中9回路がオープン状態と
なった。このように酸化防止剤として4、4−メチレン
ビス−2、6−ジtert−ブチルフェノール組成物の
添加は前述のジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛組成物
と相まって、耐熱環境下における特性を向上させ、優れ
た耐熱特性を示し、安定した接触抵抗特性を得ることが
できる。
【0033】
【発明の効果】上述の結果から明らかなように、(A)
炭化水素油100重量部に、(B)増稠剤として金属石
鹸を0.1〜20重量部、(C)ハロカーボン系潤滑剤
を0.1〜10重量部、(D)ヒマシ油を0.1〜20
重量部を、さらに、これらに加え(E)ジアルキルジチ
オカルバミン酸金属塩を0.001〜1.0重量部、
(F)ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部、およ
び(G)ポリテトラフルオロエチレンパウダーを0.1
〜5重量部を添加した本発明の電気接点用潤滑剤組成物
は、(E)のジアルキルジチオカルバミン酸金属塩の添
加によって、耐環境特性特性の耐乾触に良い結果をもた
らし、且つ、潤滑特性を向上させること。また、(F)
のヒンダードフェノールの添加によって、潤滑剤自体の
酸化が防止され、酸化による硬化で接触抗が不安定にな
ることを防ぎ、かつ耐環境特性の耐湿触に良い結果をも
たらすこと。さらに、(G)のポリテトラフルオロエチ
レンの添加によって、負荷寿命特性において生成する摩
耗粉の発生を抑制し耐電圧特性を劣化することを防止す
る効果を有すること等により、信号切換用の微少電流、
中電流および高電流までの接点で、雰囲気が−40℃か
ら100℃、好ましくは−40℃から85℃の低温から
高温域にわたって安定した接触抵抗および潤滑特性およ
び耐環境特性を備えた極めて信頼性の高い電気接点用潤
滑剤組成物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ3フッ化塩化エチレンの添加量と負荷寿命
試験による接触抵抗の関係を示した説明図である。
【図2】4、4−メチレンビス−2、6−ジtert−
ブチルフェノールの添加量と耐熱環境化におけるスイッ
チの経時的な接触抵抗特性の関係を示した説明図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 135:18 129:10 147:02) C10N 10:02 10:04 20:06 Z 8217−4H 30:00 Z 8217−4H 30:08 40:14 50:10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭化水素油を100重量部 (B)増稠剤として金属石鹸を0.1〜20重量部 (C)ハロカーボン系潤滑剤を0.1〜20重量部 (D)ヒマシ油を0.1〜20重量部 (E)ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩を0.00
    1〜1.0重量部 (F)ヒンダードフェノールを0.1〜5重量部 (G)ポリテトラフルオロエチレンパウダーを0.1〜
    5重量部 を含有することを特徴とする電気接点用潤滑剤組成物。
  2. 【請求項2】 ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩は
    一般構造式が下記の化1で表されることを特徴とする請
    求項1記載の電気接点用潤滑剤組成物。 【化1】 ここで、式中のR1 、R2 は炭素数1〜20の飽和また
    は不飽和の脂肪族もしくはアルキル芳香族の炭化水素
    基、Meは2価の金属元素である。
  3. 【請求項3】 ジアルキルジチオカルバミン酸金属塩の
    金属が亜鉛であることを特徴とする請求項2記載の電気
    接点用潤滑剤組成物。
  4. 【請求項4】 ジアルキルジチオカルバミン酸亜鉛がジ
    ベンジルジオチオカルバミン亜鉛もしくはN−エチル−
    N−フェニルジチオカルバミン酸亜鉛であることを特徴
    とする請求項3記載の電気接点用潤滑剤組成物。
  5. 【請求項5】 ヒンダードフェノールが4,4−メチレ
    ンビス−2、6−ジtert−ブチルフェノールであること
    を特徴とする請求項1記載の電気接点用潤滑剤組成物。
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