JPH0634795B2 - 複合インプラントとその製造方法 - Google Patents

複合インプラントとその製造方法

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JPH0634795B2
JPH0634795B2 JP60035048A JP3504885A JPH0634795B2 JP H0634795 B2 JPH0634795 B2 JP H0634795B2 JP 60035048 A JP60035048 A JP 60035048A JP 3504885 A JP3504885 A JP 3504885A JP H0634795 B2 JPH0634795 B2 JP H0634795B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインプラントの改良に関するものである。
〔従来の技術〕
生体用インプラント部材は生体内の厳しい環境下におい
て、溶解や腐蝕作用により劣化や破壊などの変化を生じ
易くまた異物反応などを伴うことから必須の具有すべき
条件として生体為害性が無く、親和性があり、化学的に
安定で、かつ機械的強度の大きい材料が要求される。
ところで生体用インプラント部材としては、従来、金属
材料、有機材料そして無機材料などが使用されている
が、それぞれ一長一短があった。
すなわち、ステンレス鋼、Co−Cr−Mo系合金、チタンな
どの金属材料は、加工、成形性に富み、機械的性質の特
長として丈夫であり、破壊靭性が大きい反面、生体親和
性に劣り、また金属イオンの溶出の心配がある。
また、アクリルレジン、ポリウレタン、MMA(メタクリ
ル酸メチル)などの有機材料は加工成型性、耐化学性に
優れるが、機械的性質が劣り、耐熱性がなく変形や熱分
解の危険性がある。
一方、セラミックスや、ガラスなどの無機材料は生体親
和性、耐蝕性もよく硬さは十分あるが、破壊靭性値が低
く、脆いという欠点を有し、また加工成形性が良くな
い。
このような各材料の長所を生かし、欠点を補うために、
これまで種々の試みがなされている。特に最近はアルミ
ナやジルコニアなどのセラミックス材料の表面への水酸
アパタイトのコーティング、ステンレスなどの各種金属
表面へのガラスやセラミックスのコーティングなど各種
コーティング方法による多種多様な複合インプラントに
関する研究・開発が活発になされている。
〔本発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上述の種々の複合インプラントは、現時
点においては、いずれも基体とコート層間の結合力が十
分ではなく剥離や亀裂などが発生したり、他方接合強度
が十分な場合でも、単独の使用に比べて骨との総合的な
結合力が、かなり劣っていた。これは、複合化に伴う各
材質の物性の相違から来る差異−すなわち耐熱性、熱膨
張係数、結合性、表面安定性など−に起因している。
例えば、アルミナセラミックス表面への水酸アパタイト
コーティングの場合溶射など高温下でのコーティングの
ため、アパタイトの変質などにより、コーティングされ
たアパタイトと骨との総合的な結合力は、水酸アパタイ
ト単独と骨との結合力に比べて相当劣っていることがこ
れまでに確認されている。
また金属にアパタイトをコーティングする試み(特公昭
58−39533など)も一部なされているが、金属の酸化に
よる劣化や接合強度に問題があった。
これらの諸問題を解決するための1つの方法として、最
近、表面にα−アルミナを析出させたFe−Cr−Al合金が
開発されているが、これとて合金成分イオンの溶出によ
る生体為害性の点で不安が残る。そこで機械的性質にす
ぐれた金属材料と生体組織及び骨組織と極めて親和性が
高いバイオアクティブなセラミックスとを組み合わせ
た、接合強度がすぐれ、また骨との結合においても十分
な結合力を保持している複合インプラントをもたらさん
とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはかかる現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結
果、インプラント基体としては、特に耐食性にすぐれた
純チタンおよびチタン合金などの生体用金属材料を用
い、この表面に、アルミニウム薄膜を公知の方法によっ
てコーティングせしめ、しかる後にこれを陽極酸化する
ことにより多孔質酸化皮膜をインプラントの表面に生成
せしめる。ついでこの孔径を拡大制御せしめた後、バイ
オアクティブな材料を浸漬法、塗布法などにより、充て
ん、もしくはコーティングすることによって従来にない
高性能な複合インプラントを開発したものである。
ここでバイオアクティブな材料とは生体組織と良い親和
性を示し、周囲の硬組織と強い化学結合を示すものをい
う。本発明で用いるバイオアクティブな材料としては、
従来より使用されている合成ヒドロキシアパタイトおよ
び生体ヒドロキシアパタイトの他、TcP、カルシウム−
リン酸系結晶化ガラスなどのバイオガラス等が挙げられ
るが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、生体
為害性がなく、生体との親和性及び反応性にすぐれてい
る物質であればいずれも使用可能である。
以下、チタンを基体とした本発明の実施例を具体的に説
明するが、基本的には本発明はAlがコーティングでき
る全ての生体用金属材料に適用できる。
〔実施例1〕 所望形状を成した純Ti製デンタルインプラントの表面
に高速スパッタリング法により、アルミニウム合金(Al)
を5〜7μmコートした。これを脱脂水洗した後15%硫
酸溶液中20Vの定電圧の下、15〜20℃、20〜30分間陽極
酸化を行った。このようにして得られたγ−Al2O3多孔
質の孔径は電顕観察の結果、約200Åであった。
次にこの多孔質を20%硫酸で化学溶解し、孔径を約50
0Åまで拡大した。ついであらかじめその結晶粒径を50
〜350Åに調整した合成水酸化アパタイトを容積比で
1:1の水:アルコール混合溶液中に分散し、10〜100
Vの電圧下で数10秒〜数分間、電気泳動法による電解処
理を行った。
この結果、当該インプラント表面上のγ−Al2O3多孔層
の微細孔内にアパタイト結晶粒子が電着されていた。
〔実験例2〕 合金チタンTi−6Al−4V製整形外科用インプラントの表
面にイオンプレーティング法により、Alを8〜10μmコ
ートした。これを脱脂水洗した後、4%りん酸溶液中で
80V、15〜20℃、5〜10分の条件下で陽極酸化した。
この場合、得られた多孔層の孔径は約500Åであった。
次にこれを3NHclで化学溶解し、孔径を約1000Åまで
拡大制御した。このようにして得た表面に多孔層を有す
る当該インプラントをコロイド状合成水酸化アパタイト
5〜20%含有する水性懸濁液中で10〜100Vの電圧の下1
0秒〜10分間、2次電解を行った。
ついで当該インプラントを蒸留水で洗浄し、乾燥した
後、燐酸アルミニウム水溶液中に浸漬した。そして加熱
脱水のため300〜400℃で1分〜1時間焼成を行った。
この結果、当該インプラント表面の陽極酸化により生成
した多孔性酸化アルミニウム被覆層は、その後の電気泳
動処理により付着させられたアパタイト粒子で完全に充
填されており、かつ表面は、耐熱性、耐水性のある強固
なコート層で被覆されていた。
〔実施例3〕 実施例2と同様の方法により、表面に多孔性陽極酸化皮
膜を有する合金チタン製デンタルインプラントを得た。
次にこれを超微粉末状、水産アパタイトに、生理食塩水
と微量のアクリル系解こう剤を添加して、ゾル状とした
溶液中に浸漬し十分含浸させた。含浸終了后、表面を清
浄にして空気乾燥後約450℃で30分〜1時間焼成した。
この結果、当該インプラントの表面には、スクラッチ抵
抗及び高度の耐久性を有する高密度なアパタイトコート
層が得られた。
〔実施例4〕 純チタン製インプラント材の表面にアルミニウム、イオ
ンプレーティング装置により、Alを20〜25μmコーティ
ングした。
次に当該インプラントをNaHSO4−NH4HSO4系なる溶融塩
浴中で100〜150Vの電圧の下、10分〜1時間、陽極酸化
を行った。この結果得られた陽極酸化皮膜は、α膜でそ
の孔径は約1000Å〜1μの範囲であった。
次にこれを5%フッ化水素酸で化学溶解し、孔径を最終
的に1〜2μmに制御した。このようにして得た表面多
孔層を有する当該インプラントに非水系キャスティング
シート成型用溶剤でペースト状とした超微粉末状水酸ア
パタイトを塗布し、空気乾燥後、約300〜800℃で1分〜
1時間熱処理を行った。
この結果、当該インプラントの細孔はアパタイト粒子で
完全に封孔されていた。
〔実施例5〕 合金チタン製インプラント材の表面にAlを直接溶射して
約30μm厚さの被膜を形成した。これを15%硫酸と2%
シュウ酸からなる混合電解溶中0〜5℃電流密度3〜4
A/dm2の条件で30〜50分間陽極酸化し、硬質アルマイ
ト皮膜を生成した。得られた孔径は約250Åであった。
次にこの皮膜を2M硫酸液50℃でエッチングし最終的に
約600Åの孔径を有する多孔層を形成した。
ついで平均粒径200〜300Åに調整したアパタイト微結晶
約20重量パーセント、エタノール約80重量パーセント、
それに微量のAlcl3からなるアパタイト懸濁液中で30〜5
0Vの電圧の元1〜5分間電気泳動法により電着した。
水洗し乾燥した後、300〜600℃で熱処理を行った結果、
当該インプラントの多孔層の細孔は、アパタイト粒子で
充填されていた。
上記一連の処理工程の最終工程として最後に当該インプ
ラントを四フッ化樹脂中に浸漬し、皮膜中にテフロンを
含浸し乾燥後350〜400℃で加熱処理を行った。この結果
得られた当該インプラントの表面コート層は従来になく
耐摩耗性および耐食性に優れた性能を有することが判明
した。
以上、実施例で示した本発明による複合インプラントの
骨との接着力と生体適合性を調べるために同一サイズ
(直径5mm長さ12mmの円柱形)の試料を製作し、イエウ
サギや成犬の大腿骨および脛骨に埋めこみ、3ケ月後に
ト殺し、打ち抜き試験を行った。その結果を比較例と共
に第一表に示した。
この第一表に掲げた打ち抜き強度の測定結果から本発明
の場合、生体から試料を引き抜く抵抗力がコーティング
しないものに比べて約3〜6倍になっておりそれだけ生
体組織に適合し高い接着力を有することが確認された。
さて、インプラント基体表面へのアルミニウム被覆法に
ついては、本実施例以外のその他の公知の方法、例えば
溶融アルミニウムめっき法、アルミニウム浸透めっき法
(カロライジング法)など、インプラント基体の形状に
応じて単独もしくはいくつかの方法の組み合わせが選択
できる。またアルミナ多孔層の細孔中に充填もしくは、
コーティングされるバイオアクティブな物質としては本
実施例では、ハイドロキシアパタイトのみを使用した
が、勿論これだけに限定されるものではなく、TcPなど
の各種バイオセラミックスやりん酸カルシウム系ガラス
などの各種バイオガラス等生体適合性がよく、しかも生
体内でその成分の一部または全部が溶出または吸収され
て骨と置換して強固な接合をする物質であれば、単独も
しくは組み合わせて使用できる。
一方バイオアクティブな物質のアルミナ多孔層への充填
もしくは、コーティング方法であるが、これには公知の
方法、すなわち浸漬法、塗布法、電気泳動法などを用い
ることができる。
〔発明の効果〕
叙上の如く、本発明による複合インプラントはチタン系
インプラントの基体表面にまず密着性のよい多孔性アル
ミナ層を形成し、さらにその細孔中に水酸アパタイトな
どの骨と強固な結合を有する。バイオアクティブな物質
を充填もしくはコーティングしたインプラント部材であ
ることから、耐蝕性や耐摩耗性にすぐれたうえ、生体親
和性に優れ、かつ十分な硬組織との結合力をも有する理
想的な生体用インプラントを提供することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−185563(JP,A) 特公 昭58−50737(JP,B2) 特公 昭59−45384(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン又はチタン合金により成るインプラ
    ント基体表面に多孔質アルミナ層を付着せしめ、該多孔
    質アルミナ層の細孔中に、ヒドロキシアパタイト、リン
    酸3カルシウムなどのバイオアクティブな物質を充填し
    たことを特徴とする複合インプラント。
  2. 【請求項2】チタン又はチタン合金より成るインプラン
    ト基体表面にアルミニウム金属層をイオンプレーティン
    グ法、蒸着法、スパッタリング法などの手段で被着せし
    める工程と,次に被着したアルミニウム金属層を陽極酸
    化法により、多孔性のアルミナ層に変化せしめる工程を
    経た後、該アルミナ層の有する多孔中にヒドロキシアパ
    タイト、リン酸3カルシウムなどのバイオアクティブな
    物質を充填せしめることを特徴とする複合インプラント
    の製造方法。
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