JPH0635793B2 - 地熱水の地下還元方法 - Google Patents

地熱水の地下還元方法

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JPH0635793B2
JPH0635793B2 JP9995687A JP9995687A JPH0635793B2 JP H0635793 B2 JPH0635793 B2 JP H0635793B2 JP 9995687 A JP9995687 A JP 9995687A JP 9995687 A JP9995687 A JP 9995687A JP H0635793 B2 JPH0635793 B2 JP H0635793B2
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早苗 川添
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、地熱流体を利用して発電する地熱発電プラン
トに適用される地熱水の地下還元法に関する。また、発
電プラントに限らず、地熱水、温泉水等無機化合物を多
量に溶解した水にも適用できる。
従来の技術 従来の地熱発電プラントにおいて、気液二相流体として
生産井から噴出した地熱流体から蒸気を発生させた後に
残つた多量の地熱水は、河川や海に放流されている。し
かし、地熱水中に多量に含まれている食塩や微量の重金
属類による環境汚染の恐れがあり、従来のような放流は
困難になつている。
このため、地熱水を地下に還元する方法が一般的になり
つつあるが、一般には地熱水中に数百ないし数千ppm含
まれるシリカが析出して付着するために還元井の容量が
減衰し、ついには閉塞する等の問題が発生していた。そ
こで下記のような種々の方法が実施されているが、いず
れの場合にも問題点があり、まだ有効な地熱水の地下還
元方法がないのが現状である。
(1) 滞留槽法 蒸気発生後の地熱水を大気圧下において滞留槽で約1時
間滞留させ、過飽和シリカを粗大粒子へ成長させた後に
直接還元井より地下へ還元する方法である。
本法は、熱水輸送管のスケール析出に対しては有効な方
法であつたが、還元井に対しては多量のシリカのコロイ
ド粒子や粗大粒子を地中へ還元することになり、シリカ
の析出や付着等に基づくと思われる還元井の容量減衰が
生じるため有効な方法ではないことが明らかになつた。
(2) 高温高圧直接還元法 気液分離機において地熱水中に含有されるシリカの飽和
溶解度以上の温度で分離された地熱水を、気液分離機の
圧力を利用して高温高圧で還元井より地下へ還元する方
法である、最も簡単な方法と思われるが、気液分離機で
発生する蒸気量がシリカの飽和溶解度に相当する飽和温
度に依存するため、より低温低圧の気液分離に比べて蒸
気発生量が減少するという問題がある。
(3) 消石灰添加によるシリカ除去法 地熱水に消石灰を添加して地熱水中のシリカを珪酸カル
シウムとし、この珪酸カルシウムを凝集沈殿させて除去
した後の地熱水を還元井より地下へ還元する方法であ
る。
本法は、多量の消石灰を溶解させて添加する装置と、凝
集沈殿した珪酸カルシウムを主成分とするスラツジを
過回収する装置とが必要である。また、多量に生成する
過後のケーキの処理も問題となり、経費が高くつくの
でまだ実用化されていない。
発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、前述した従来技術の諸問題点、すなわ
ち環境汚染、蒸気発生量の低減及び方法、装置の経済性
等の諸問題点を解決し、多量の地熱水を経済的に安価な
方法で、しかも還元井の減衰や閉塞を伴うことなく長期
にわたつて地下へ還元できる方法を提供することにあ
る。
問題点を解決するための手段 本発明は、前述の問題点を解決するもので、気液二相流
体として噴出した地熱流体から蒸気を分離して残つた地
熱水を地下に還元する地熱水の地下還元方法において、
大気開放して大気圧下で飽和状態となつた前記地熱水に
食塩水又は食塩スラリーを混合せしめ、前記地熱水に溶
解している無機化合物の溶解度が低下して生じる過飽和
無機化合物を凝集分離せしめて除去することを特徴とし
た地熱水の地下還元方法である。
作用 前述の手段は、地熱水に食塩を添加すると地熱水中の無
機化合物、特にシリカの溶解度が減少することを利用し
ており、還元地熱水の温度でシリカの溶解度が飽和に達
する量の食塩を添加することにより過飽和なシリカが凝
集沈殿する。こうして生じた地熱水の上澄水をさらに
過した後に還元井から地下へ還元すれば、飽和濃度以下
のシリカしか含まない地熱水からではシリカスケールが
析出することもなく、透水層の目詰まりを起こすことが
なくなるので還元井の減衰や閉塞が防止できる。
実施例 第1図及び第2図に本発明の一実施例を示して説明す
る。
第1図は地熱水の地下還元方法を示す系統図で、生産井
1から噴出した気液二相の地熱流体は配管2を経て気液
分離機3に到る。気液分離機3で分離された水蒸気は、
内筒4から配管5を経て図示されないタービンへ導入さ
れる。一方気液分離機3で分離された地熱水は配管6を
経てサイレンサー7に到り、大気圧へ開放される。こう
して発生した蒸気はサイレンサー7の頂部から大気へ放
散され、地熱水は配管8から熱水輸送ポンプ9により配
管10を経て凝集沈殿槽11に到る。一方塩水貯槽12
から配管13を通つて塩水ポンプ14に導かれた食塩水
は、そこで昇圧された後に配管15を経て凝集沈殿槽1
1に送られる。凝集沈殿槽11では地熱水が食塩水と混
合撹拌され、30分ないし1時間滞留する間に地熱水中
の過飽和な無機化合物、特にシリカは凝集沈殿して底部
に濃縮沈殿する。凝縮沈殿槽11の底部に濃縮沈殿した
シリカは、間欠的に配管16からスラツジポンプ17の
作用により配管18を経て系外へ排出される。
凝集沈殿槽11で過飽和なシリカを除去された地熱水
は、凝集沈殿槽11の上部からオーバーフローして配管
19を経て固液過機20に導入される。固液過機2
0では、凝集沈殿槽11から一部浮遊してきた固形粒子
が地熱水から分離される。こうして得られた地熱水は、
配管21を経て還元井22から地下へ還元される。
第2図は第1図に示した凝集沈殿槽11の構成例を示す
断面図である。凝集沈殿槽11の内部には中空の内筒2
3が配置されており、熱水輸送ポンプ9から地熱水を導
入する配管10と塩水ポンプ14から食塩水を導入する
配管15が連通している。さらに、内筒23の内部には
撹拌機24に取り付けられた撹拌翼25があり、白抜矢
印の方向に回転して撹拌する。また、凝集沈殿槽11の
内部には、内筒23を囲むように底部が開口する三角錐
型の隔壁26が設けられている。隔壁26の底部に設け
られた開口部の下面には、撹拌機24と同軸で回転するレ
ーキ27が配置してある。なお、固液過機20に地熱
水を導く配管19は凝集沈殿槽11の上部に連通し、ス
ラツジポンプ17に濃縮沈殿したシリカを導く配管16は
凝集沈殿槽11の底部に連通している。
上述した構成の凝集沈殿槽11において、内筒23の内
部では、配管10から導入された地熱水と配管15から
導入された食塩水が撹拌翼25の回転によつて撹拌混合
される。こうして混合された地熱水は、内筒23の上部
を越えて内筒23と隔壁26との間に形成された空間を
通つて落下し、隔壁26の開口部とレーキ27との隙間
から再び上昇して流れる。上昇してきた地熱水は、凝集
沈殿槽11の内部上方に連通する配管19にオーバーフ
ローして流れ込み、固液過機20へと導かれる。ま
た、内筒23と隔壁26との間を下降した地熱水の一部
は、内筒23の下部から円筒内を上昇して新たに導入さ
れた地熱水や食塩水と合流する。なお、上述した地熱水
及び食塩水の凝集沈殿槽11内における流れを第2図に
矢印で示してある。
第3図に示したシリカ(無定形)の溶解度と食塩濃度の
関係からも明らかなように、シリカの溶解度は共存する
食塩濃度が増大すれば減少する傾向にある。従つて、凝
集沈殿槽11の内部において、地熱水中に含まれるシリ
カの濃度と還元熱水の温度に応じてシリカが過飽和とな
るように食塩水を添加して撹拌する。地熱水中に過飽和
状態で存在するシリカに30分ないし1時間の滞留時間
を与えると、飽和濃度を越えたシリカは急速な凝集沈殿
作用により凝集沈殿槽11の底部にシリカ粒子となつて
落下して集められる。さらに、回転するレーキ27で撹
拌することにより、シリカ粒子どうしが衝突して凝集
し、いつそう大きな粒子に成長して沈澱濃縮される。こ
のようにして飽和濃度のシリカを溶解した地熱水が得ら
れ、配管19から次工程に導かれる。すなわち、シリカ濃
度600ppm、NaCl濃度1モル/の地熱水を100℃で地下
還元する場合を例にとれば、NaClを添加してNaCl濃度を
5モル/にすれば地熱水中のシリカの飽和溶解度は18
0ppmとなり(第3図参照)、従つて、600ppmと180ppmと
の差である420ppmのシリカが凝集沈殿槽11で除去
され、シリカ濃度180ppmの飽和状態にある地熱水が配管
19に流れ込むことになる。ところで、一部のシリカ粒子
が飽和濃度の地熱水の流れに浮遊して凝集沈殿槽11か
ら流出するが、固液過機20で除去される。従つて、
還元井22からは飽和濃度の地熱水だけが地下に還元さ
れることになり、シリカスケールの析出や透水層の目詰
り等が起らない。
なお、地熱水に添加する食塩水の原料としては、岩塩等
の未精練の食塩を使用することができる。また、本実施
例では食塩水を添加する例を示したが、食塩スラリーを
添加してもよい。
発明の効果 前述の本発明によれば、飽和濃度以下のシリカしか含ん
でいない地熱水を還元井から地下に還元できるので、シ
リカスケールの析出や透水層の目詰り等に起因する還元
井の減衰や閉塞を防止できる。しかも、安価な食塩を添
加するだけでシリカ濃度が飽和濃度以下の地熱水を得る
ことができるので、プロセスとして簡単で経済性や実用
性にも富んでいる。さらに、食塩は元来地熱水中に多量
に含まれており、還元熱水中に異物が混入されないので
環境公害上の問題や地下での汚染問題が生じることもな
い。また、蒸気発生量が低減するといつた問題もなく、
長期にわたる経済的で安定した地熱流体の利用に貢献で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による地熱水の地下還元方法の1実施例
を示す系統図、第2図は第1図で示した凝集沈殿槽の1
実施例を示す断面図、第3図は無定形シリカの溶解度と
食塩濃度の関係を示すグラフである。 1……生産井、2……配管、3……気液分離機、4……
内筒、5,6……配管、7……サイレンサー、8……配
管、9……熱水輸送ポンプ、10……配管、11……凝
集沈殿槽、12……塩水貯槽、13……配管、14……
塩水ポンプ、15,16……配管、17……スラツジポ
ンプ、18,19……配管、20……固液過機、21
……配管、22……還元井、23……内筒、24……撹
拌機、25……撹拌翼、26……隔壁、27……レー
キ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気液二相流体として噴出した地熱流体から
    蒸気を分離して残つた地熱水を地下に還元する地熱水の
    地下還元方法において、大気開放して大気圧下で飽和状
    態となつた前記地熱水に食塩水又は食塩スラリーを混合
    せしめ、前記地熱水に溶解している無機化合物の溶解度
    が低下して生じる過飽和無機化合物を凝集分離せしめて
    除去することを特徴とした地熱水の地下還元方法。
JP9995687A 1987-04-24 1987-04-24 地熱水の地下還元方法 Expired - Lifetime JPH0635793B2 (ja)

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JP5851886B2 (ja) * 2012-02-29 2016-02-03 三菱日立パワーシステムズ株式会社 地熱利用システム、シリカライト合成方法、並びに炭酸リチウム回収方法
CN114263578B (zh) * 2021-12-14 2022-07-12 李华丽 一种地热能循环利用高效发电装备

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