JPH0637363B2 - 交信撹乱による害虫防除方法 - Google Patents

交信撹乱による害虫防除方法

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JPH0637363B2
JPH0637363B2 JP62078943A JP7894387A JPH0637363B2 JP H0637363 B2 JPH0637363 B2 JP H0637363B2 JP 62078943 A JP62078943 A JP 62078943A JP 7894387 A JP7894387 A JP 7894387A JP H0637363 B2 JPH0637363 B2 JP H0637363B2
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欽也 小川
哲郎 北垣
昭 山本
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、性フェロモンを利用し害虫の交信を撹乱させ
害虫防除をする方法に関するものである。
〔従来の技術及びその問題点〕
性フェロモンを利用した交信撹乱法による害虫防除は、
ワタアカミムシ、チャハマキ、ナシヒメシンクイガ等多
くの害虫に対して試みられ、ある程度の効果を挙げてき
た。この方法が 100ヘクタール以上の広範囲な圃場で実
施される時にはそれ程問題はないが、比較的小さい圃場
で実施する時には幾つか問題点が提起されている。その
一つは風の影響である。一般に風の強い圃場では、境界
面で効果が乏しい点である。此の事は、周辺部分では充
分なフェロモン濃度を維持出来ないことに由来すると思
われる。これらの対策として、周辺部分にフェロモン源
(ディスペンサ)を多く設置することが知られ一般に行
なわれている。しかし、更に大きな問題としてフェロモ
ンを設置した周辺の圃場で、逆に害虫の濃度が増加する
という現象が認められ、その対策が必要となってきた。
〔問題点を解決するための手段とその作用〕
本発明者らは、これらの点に鑑みて種々検討の結果、害
虫の交信錯乱をするため誘引性を有する性フェロモンだ
けを使用するのではなく、誘引性に認められない性フェ
ロモンを構成する成分の一部を利用する方法を見出し
た。すなわち性フェロモンのプレカーサ物質もしくは誘
引を阻害する物質を積極的にこれらに添加することによ
り著しい効果が得られる。
かかる知見に基づきなされた本発明の交信撹乱による害
虫防除方法は、性フェロモンに性フェロモンのプレカー
サ物質や誘引阻害物質を配合した性フェロモン組成物を
放散させるものである。
以下これについて詳述する。
本発明の防除方法で使用される性フェロモンのプレカー
サ物質は、通常、昆虫の雌の分泌腺に存在し、それが酵
素によりエステル化、酸化又は脱水素化等の反応を受け
て性フェロモン物質となり、大気中に放出される。プレ
カーサ物質としては、性フェロモンが不飽和脂肪族アセ
テートの場合、その同じアセテートをケン化することに
よって生成する不飽和脂肪族アルコールもしくはそれが
水素化された飽和脂肪族アルコールである場合が良く知
られている。又、不飽和脂肪族アルデヒドを性フェロモ
ンとする場合は、それを還元して生成する不飽和脂肪族
アルコールもしくはそのアセテートがプレカーサ物質と
して知られている。これらの性フェロモンのプレカーサ
物質を性フェロモンと一緒に用いて雄に対する誘引活性
テストを行うと、多くの場合、誘引阻害物質として働
く。完全な誘引阻害物質として働かないまでも、誘引活
性に影響を及ぼすものが多い。
本発明の防除方法で使用されるもう一つの物質である性
フェロモンの誘引阻害物質は、前記した性フェロモンの
プレカーサ物質と一致する場合が多い。しかし性フェロ
モンのプレカーサ物質として知られていない場合もあ
る。性フェロモンが前記したアセテート系でもアルデヒ
ド系でも、やはり不飽和脂肪族アルコールが誘引阻害物
質として良く知られている。これらの性フェロモンのプ
レカーサ物質や誘引阻害物質を性フェロモンに対して
0.5〜20%添加してこれを使用して交信撹乱を行うと、
性フェロモン単独で行うよりもより優れた効果を得るこ
とが出来る。
代表的な例であるアルコール類の場合について、以下そ
の詳細をチャノコカクモンハマキについて説明する。チ
ャノコカクモンハマキの性フェロモンの構成成分はZ-11
−テトラデセニルアセテート(Z-11-TDA) 31%、Z-9-TDA
63%、E-11-TDA4%、10-メチルドデシルアセテート(10
-MeDDA) 2%である。この組成物を交信撹乱剤として使
用する場合には、周辺部に問題が生じることが知られて
いる。その為それの対応するZ-11−テトラデセニルアル
コール(Z-11-TDOL)、Z-9-テトラデセニルアルコール(Z-
9-TDOL)を 0.5〜20%添加する時、周辺部での問題も解
決することが知られた。アルコールの添加量として、0.
5%以下では添加効果がない。20%以上ではその添加効
果が強められないばがりでなく、有効成分が減少するた
めか、中心部での交尾阻害効果も減少することが知られ
た。最も好ましい添加量は、 0.8〜10%である。この効
果は、誘引阻害物質によるものか、アルコール類の交尾
阻害効果に影響するものかは必ずしも明解ではない。
対象の害虫によってアルコールは異るが、チャハマキの
場合には、Z-11-TDOL、Z-9-DDOL又はZ-11−ドデセニル
アルコール(11-DDOL)、及びそれらの混合物を性フェロ
モンに対して 0.5〜20%添加して使用すると同様の効果
が得られる。同様にワタアカミムシに対しZZ/ZE-7,11−
ヘキサデカジエニルアルコール(ZZ/ZE-7,11-HDDOL)が適
当である。またコナガに対しZ-11−ヘキサデセニルアル
コール(Z-11-HDOL) 又はZ-9-TDOL、及びこれらの混合物
が適当である。
性フェロモン組成物を交信撹乱剤として使用する場合、
これを制御して放散させ、圃場で長期間連続的に放散さ
せる必要がある。放散制御用製剤の材質及び形態として
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビ
ニルコーポリマ、塩化ビニル等のプラスチック膜で包み
こんだ細管、ラミネートフィルム製の袋、カプセル等が
例示できる。
〔発明の効果〕
本発明の交信撹乱による害虫防除方法によれば、性フェ
ロモンに性フェロモンのプレカーサ物質や誘引阻害物質
を配合して性フェロモン組成物が放散されるから、性フ
ェロモン単独の場合と比較して圃場の周辺部における害
虫濃度が確実に減少する。それのみならず、交尾阻害効
果が強く、より効果的に害虫防除がなされる。
〔実施例〕
以下本発明の各実施例を詳細に説明する。しかし本発明
はこれらの実施例により特定されるものではない。
実施例1 チャノコカクモンハマキの性フェロモンとそれに対して
1重量%の対応アルコールを添加した時の圃場周辺部の
誘引数と、中心部での交尾率を測定した結果を第1表に
示す。試験した圃場の広さは20アールで 600本の茶の樹
にディスペンサを均一に設置し性フェロモン組成物を放
散させた。ディスペンサはポリエチレン製、A.I.(有効
成分、Active Ingredient)40mgを含有しており、有効
成分は性フェロモンとこれにアルコールを添加したもの
である。
比較例1は性フェロモンだけを設置して放散させた圃
場、比較例2は性フェロモンを全く設置しない圃場で同
じ測定をする。
その結果、第1表に示すように実施例1による圃場で
は、周辺部トラップへの誘引数が少なくなり、中心部の
交尾率も減少し、周辺圃場へ悪影響を及ぼすことなく、
性フェロモンの交信撹乱による優れた防除効果が認めら
れた。
尚、誘引数の測定は圃場周辺に設置されたトラップで誘
殺された数を調べる。交尾率の測定は、処女雌の翅を細
い糸で縛ってつなぎ、逃げないようにして圃場中央部へ
置き、その雌の交尾率を測定する。
実施例2〜5 チャハマキの交信撹乱テストについて、周辺部への虫の
飛来をテストする目的で、10アールの圃場に第2表に示
す各種性フェロモン組成物をポリエチレン製ディスペン
サに50mg充填し、300本設置した。試験結果を同じく第
2表に示す。尚、性フェロモン組成物中のナチュラル成
分は、Z-11-TDA88%、Z-9-ドデセニルアセテート(Z-9-D
DA) 9%、11−ドデセニルアセテート(11-DDA) 3%、の
混合物である。比較例3はナチュラル成分のみ放散した
圃場、比較例4は性フェロモンを一切放散しない圃場で
ある。
実施例6〜7 10アールのキャベツ畑4区を使い、コナガの交信撹乱テ
ストを行った。ナチュラル成分はZ-11−ヘキサデセニル
アルデヒド(Z-11-HDAL) 50%及びZ-11−ヘキサデセニル
アセテート(Z-11-HDA) 50%の混合物である。比較例5
はナチュラル成分のみを放散した圃場、比較例6は性フ
ェロモンを一切放散しない圃場である。尚、フェロモン
ディスペンサは、A.I. 2.5gを含有する長さ10 mのポリ
エチレン製ディスペンサを、キャベツの株上30cmの所へ
張ることによって設置した。
実施例8,9 綿畑を10アールずつ5区に区切って、次のようにワタア
カミムシの交信撹乱テストを行った。ワタアカミムシの
性フェロモンであるZZ/ZE-7,11−ヘキサデカジエニルア
セテート(HDDA)と、プレカーサー物質であるZZ/ZE-7,11
−ヘキサデカジエニルアルコール(HDDOL) とを第4表に
示す割合の組成でディスペンサーに充填した。性フェロ
モンなどを充填したこのディスペンサーを、さらに内径
0.8mm、外径1.6mm、長さ200mm のポリエチレンチュー
ブに収め、そのディスペンサーが10アール当たり30本づ
つ、区全体に均一に配置されるようそのポリエチレンチ
ューブを綿の茎に縛りつけ、実施例1と同様にしてつな
ぎ雌による交尾率を測定した。結果を第4表に示す。
プレカーサー物質を5あるいは17重量部加えるとワタ
アカミムシの交尾率が大幅に減少し、性フェロモンの交
信撹乱に対して優れた効果のあることが分かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (A01N 35/02 31:04)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Z-11−テトラデセニルアセテート、Z-9-テ
    トラデセニルアセテート、E-11−テトラデセニルアセテ
    ート、10−メチルドデシルアセテート、Z-9-ドデセニル
    アセテート、11−ドデセニルアセテート、Z-11−ヘキサ
    デセニルアルデヒド、Z-11−ヘキサデセニルアセテー
    ト、ZZ/ZE-7,11−ヘキサデカジエニルアセテートの中か
    ら選ばれる1以上の性フェロモン 100重量部と、Z-9-テ
    トラデセニルアルコール、Z-11−ヘキサデセニルアルコ
    ール、Z-11−テトラデセニルアルコール、Z-9-テトラデ
    セニルアルコール、Z-9-ドデセニルアルコール、11−ド
    デセニルアルコール、テトラデカノール、ZZ/ZE-7,11−
    ヘキサデカジエニルアルコールの中から選ばれる1以上
    のアルコール類でなる性フェロモンのプレカーサ物質も
    しくは誘引阻害物質 0.5〜20重量部とを含む性フェロモ
    ン組成物を放散させることを特徴とする交信撹乱による
    害虫防除方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の交信撹乱によ
    る害虫防除方法において、前記アルコール類がZ-11−テ
    トラデセニルアルコール、Z-9-ドデセニルアルコール、
    11−ドデセニルアルコール、テトラデカノールから選ば
    れる1又は2以上の混合物であるチャハマキの防除方
    法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項記載の交信撹乱によ
    る害虫防除方法において、前記アルコール類がZZ/ZE-7,
    11−ヘキサデカジエニルアルコールであるワタアカミム
    シの防除方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項記載の交信撹乱によ
    る害虫防除方法において、前記アルコール類がZ-11−テ
    トラデセニルアルコール又はZ-9-テトラデセニルアルコ
    ールであるコカクモンハマキの防除方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の交信撹乱によ
    る害虫防除方法において、前記アルコール類がZ-11−ヘ
    キサデセニルアルコール又はZ-9-テトラデセニルアルコ
    ール、及びそれらの混合物であるコナガの防除方法。
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JP5554520B2 (ja) 2008-07-24 2014-07-23 信越化学工業株式会社 アセテートを含む交信撹乱剤及びこれを用いた交信撹乱方法
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ES2753533T3 (es) * 2011-06-09 2020-04-13 Shinetsu Chemical Co Procedimiento de interrupción del apareamiento utilizando un interruptor de apareamiento que contiene acetato
CN113940345A (zh) * 2021-11-19 2022-01-18 中捷四方生物科技股份有限公司 昆虫性信息素反-8-十二碳烯乙酸酯类似物在使昆虫对性信息素产生拮抗反应中的应用

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