JPH0638507B2 - サ−ジ吸収素子 - Google Patents

サ−ジ吸収素子

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JPH0638507B2
JPH0638507B2 JP62079705A JP7970587A JPH0638507B2 JP H0638507 B2 JPH0638507 B2 JP H0638507B2 JP 62079705 A JP62079705 A JP 62079705A JP 7970587 A JP7970587 A JP 7970587A JP H0638507 B2 JPH0638507 B2 JP H0638507B2
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region
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junction
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豊 林
正明 佐藤
雄二 松村
弘章 吉原
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工業技術院長
株式会社サンコーシヤ
青梅コスモス電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は雷やスイッチング・サージ等、各種サージ要因
に基く異常電圧から被保護器を保護するためのサージ吸
収素子に関し、特にパンチスルー現象を利用したサージ
吸収素子であって、一対の線路か成る伝送線路の各々と
接地との間に生じ得るコモンモードサージや、一対の伝
送線路相互間に生じ得るノーマルモードサージの吸収に
適当なサージ吸収素子に関する。
〈従来の技術〉 サージ吸収素子とは、“降伏電圧”と呼ばれる規定電圧
値以上の高電圧が印加されたとき、以降の過程において
自身の内に等価的な低インピーダンス電流線路を形成す
ることにより、その高電圧に伴う大電流を吸収し、素子
両端電圧と一定電圧値以下にクランプして、保護すべき
被保護器に異常電圧の影響が及ばないようにするものを
言うが、従来において市場に供されているもののほとん
どは、その動作メカニズムが雪崩(なだれ)降伏原理に
よるものであった。
すなわち、pn接合によるダイオード構造またはトランジ
スタのダイオード接続構造に逆バイアスを印加したとき
の雪崩降伏電圧をしてサージ吸収素子としての降伏電圧
を規定していた。
しかし、このような「雪崩降伏型」のサージ吸収素子
は、例えば特開昭62−65383号公報に詳しく説明
されているように、種々の欠点があり、そのため、当該
公報記載中のように、サージ吸収の初期の段階では雪崩
降伏ではなく「パンチスルー現象」を利用し、その後、
正帰還現象による負性特性(ブレーク・オーバ特性)を
呈する素子が提案された。
このパンチスルー型サージ吸収素子では、吸収対象とす
るサージの極性に限定があり、言わば「片極性」サージ
吸収素子ではあるが、一対の端子間にサージが印加さ
れ、パンチスルー動作からブレーク・オーバにまで至る
と当該一対の端子間が相当に低いクランプ電圧となり、
大電流のサージを吸収することができる。また、クラン
プ電圧が極端に低くなり過ぎて、サージが消失したのに
一対の端子間が導通したままになる続流効果を防ぐ対策
も掲示されており、上記のブレーク・オーバを呈するた
めの機能領域に加えて直列に逆バイアスされるpn接合も
あり、その雪崩降伏電圧またはツェナ電圧が、極端に低
くなりがちなクランプ電圧を意図的に高めるために利用
されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 上記公報に記載されているようなパンチスルー型サージ
吸収素子では、単なる定電圧特性ではなく、ブレーク・
オーバ特性を呈するので、大電流の吸収が可能である
他、例えばブレーク・オーバ電流の値やパンチスルー電
圧の設計に関しても比較的大きな自由度がある。しか
し、一対の端子間に印加されるサージが所定の極性でな
ければそれを吸収できないため、現実的に例えば通信回
線等の伝送線路の保護に用いようとした場合、一回線分
だけでも多くの素子を用いねばならなかった。つまり、
伝送回線は一般に一対の線路を有しているので、各線路
のそれぞれと接地との間でのコモンモードサージや、線
路相互間でのノーマルモードサージを吸収し、しかも、
サージの極性が正逆いずれの場合にも対処可能なように
するためには、互いに逆方向接続された一対のサージ吸
収素子を一組とし、これらを三組(計六個)用いねばな
らなかった。
また、各組ごとの降伏電圧も厳密に揃えることができな
いため、例えばコモンモードサージの印加時、一方の線
路と接地間に接続した組の一対のサージ吸収素子のどち
らか一方が最初にブレーク・オーバすると、他方の線路
と接地間に接続されている一対のサージ吸収素子はいず
れもまだブレーク・オーバしないので、その瞬間に線路
間にも大きな線間電圧が発生し、この状態は、サージ電
圧がさらに上昇し、他方の線路と接地との間に接続した
組の一方のサージ吸収素子がブレーク・オーバするまで
解消されることがない。
本発明は、このような従来の実情に鑑み、基本構造にお
いては単一の素子で伝送回線一回線分の対サージ保護が
図れる三端子型のサージ吸収素子、すなわち、それら三
端子の中のどの二つの端子の間でも、それら二端子間に
印加される正逆いずれの極性のサージをも吸収可能な、
言わば“三極双方向性”のサージ吸収素子を提供せんと
するものである。
〈課題を解決するための手段〉 本発明は上記目的を達成するため、その基本構造におい
て少なくとも次のような構成要件群〜を有して成る
サージ吸収素子を提案する。
半導体基板自体として形成されるか、または該半導
体基板に対して分離的に形成された第一導電型の第一半
導体領域. 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記第一
導電型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間
で第一のpn接合ダイオードを形成する第二の半導体領
域。
上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半導体
領域に接触することにより、上記第一のpn接合の逆バイ
アスに基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスル
ーし得ると共に、該パンチスルー後、上記第二半導体領
域に対して少数キャリアを注入することでブレークオー
バ特性を生じさせるため、該第二半導体領域との間で上
記第一のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形
成する第三領域. 上記第一半導体領域の上記一表面側において上記第
二半導体領域に対し横方向に離間して形成され、上記第
一導電型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との
間で第二のpn接合ダイオードを形成する第四の半導体領
域. 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四半導体
領域に接触することにより、上記第二のpn接合の逆バイ
アスに基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスル
ーし得ると共に、該パンチスルー後、上記第四半導体領
域に対して少数キャリアを注入することでブレークオー
バ特性を生じさせるため、該第四半導体領域との間で上
記第二のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形
成する第五領域. 上記第一半導体領域の上記一表面とは対向する裏面
側にあって上記第二半導体領域下から上記第四半導体領
域下にかけての領域部分の少なくとも一部分に設けら
れ、上記第一半導体領域との間で第三のpn接合ダイオー
ドを形成する第六の半導体領域. 上記第一半導体領域とは反対側から上記第六半導体
領域に接触することにより、上記第三のpn接合の逆バイ
アスに基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスル
ーし得ると共に、該パンチスルー後、上記第六半導体領
域に対して少数キャリアを注入することでブレークオー
バ特性を生じさせるため、該第六半導体領域との間で上
記第三のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形
成する第七領域. 上記第二半導体領域の表面と上記第三領域の表面と
に電気的に接続した第一の端子. 上記第四半導体領域の表面と上記第五領域の表面と
に電気的に接続した第二の端子. 上記第六半導体領域の表面と上記第七領域の表面と
に電気的に接続した第三の端子. 〈作用及び効果〉 本発明に従う素子では、一回線当たり一対から成る伝送
線路L1,L2の各々と接地Gの間に侵入してきたコモンモ
ードサージに対しても、また線路L1,L2間に現れるノー
マルモードサージに対しても、それらの極性の如何に関
わらず、たった一素子で全て有効に吸収し得る三極双方
向性のサージ吸収素子を容易に得ることができる。
ここで本発明素子の動作に関し理解を簡単にするため、
本発明素子に用いられているいくつかの領域の組合せの
中から、まずは上記要旨構成中における第一半導体領域
と第二半導体領域とにより構成された第一のpn接合ダイ
オードを取り上げ、これに逆バイアスを印加する方向の
異常電圧が侵入してきたものとして説明を始める。この
ような状況は、上記要旨構成中において、第一端子と第
二端子の間、または第一端子と第二端子の間にサージが
印加され、その極性が第一のpn接合ダイオードに逆バイ
アスを印加する位相であった場合に生ずる。
しかるに、第一のpn接合ダイオードがサージにより逆バ
イアスされると、当該接合に生成される空乏層は第一半
導体領域に向けて伸びると同時に第三領域に向けても伸
びていく。そしてこの空乏層が印加電圧の大きさに応じ
て伸び続け、やがて第三領域にまで達すると、第一半導
体領域と当該第三領域との間でパンチスルーが起こり、
この電流経路を介してサージ電流が吸収され始める。こ
のパンチスルー動作開始電圧が、第2図中において降伏
電圧として示されたものである。
一方、この吸収電流は、第二端子に接続した第四半導体
領域あるいは第三端子に接続した第六半導体領域から第
一半導体領域に至る経路で流れるため、第一、第二端子
間にサージが印加されているならば第四半導体領域か
ら、また第一、第三端子間にサージが印加されているな
らば第六半導体領域から、それらとは逆導電型の第一半
導体領域内へ少数キャリアの注入が起こり、したがって
例え第一端子により第二半導体領域と第三領域との表面
が電気的に接続されていても、当該少数キャリアが第二
半導体領域に流れ込んだ結果として第二半導体領域には
電圧降下が生じ、第三領域から第二半導体領域に対して
キャリアの注入が起こる。
こうしたキャリア注入過程が繰返されていきながら、や
がてのことに第2図中にブレーク・オーバ電流として示
された値以上の大きさの電流が流れると、正帰還現象を
介し、素子の両端電圧は極端に低いクランプ電圧に移行
する。そのため、本発明のサージ吸収素子では、素子の
発熱を抑えながらの大電流の吸収が可能となる。なお、
ブレーク・オーバ電流を呈する電圧をブレーク・オーバ
電圧と呼ぶことができ、一般にこのブレーク・オーバ電
圧は、第2図に示されるように、降伏電圧より高くな
る。
したがって、本発明素子の初期動作から電圧クランプま
での素子両端の電圧履歴を追うと、サージ印加に伴い、
それが降伏電圧以上であればパンチスルー動作を開始
し、吸収電流がブレーク・オーバ電流に至るまでは素子
両端電圧はいく分か上昇するが、一旦でもブレーク・オ
ーバ電流を越えると当該ブレーク・オーバ電圧から極端
に値の低いクランプ電圧に移る。
上記のメカニズムは、上記説明におけると同じ第一、第
二の端子間、あるいは第一、第三端子間であっても逆極
性のサージが印加されたときには、第一半導体領域と第
四半導体領域で構成される第二のpn接合ダイオードか、
または第一半導体領域と第六半導体領域とで構成される
第三のpn接合ダイオードに関して適用でき、それらに対
する逆バイアスの結果として上記同様のパンチスルー現
象が生ずる。換言すれば、第一半導体領域と第四半導体
領域との間の第二のpn接合ダイオードや第一半導体領域
と第六半導体領域との間の第三のpn接合ダイオードにて
パンチスルーが生起したときには、第二半導体領域が先
の説明中において第四半導体領域または第六半導体領域
のなした機能を営む。
さらに、第二端子と第三端子間のサージ印加に関して
も、全く同様のメカニズムが期待できる。第二端子の接
続している第四半導体領域と第一半導体領域との間の第
二のpn接合が逆バイアスされるサージ印加時には、既述
した第一、第三端子間にあって第一pn接合ダイオードが
逆バイアスされたときの当該第一pn接合ダイオードの動
作と同じ動作を第二pn接合ダイオードが営み、先の第六
半導体領域の動作と同じ動作を同じ第六半導体領域が営
む。同様に第二、第三端子間にあって第三pn接合ダイオ
ードが逆バイアスされるサージの印加時には、既述した
第一、第三端子間にあって第三pn接合ダイオードが逆バ
イアスされたときの当該第三pn接合ダイオードの動作と
同じ動作をこのときの第三pn接合ダイオードが営み、第
六半導体領域の動作を第四半導体領域が営む。
このように、本発明のサージ吸収素子では、伝送線路L
1,L2と接地Gに対し、第一、第二、第三端子の一つ宛
を接続すれば、本発明素子の内包する三つのパンチスル
ー生成用ダイオードの各々、つまり第一半導体領域と第
二半導体領域、第一半導体領域と第四半導体領域、第一
半導体領域と第六半導体領域によって構成されるダイオ
ードは、伝送線路L1,L2と接地G間にあっていわゆる
“Δ(デルタ)”結線されたものとなり、たった一個の
素子で極性および侵入経路のいかんにかかわらず、サー
ジ等の異常電圧を速やかに吸収し得る三極双方向素子と
なる。
これが有利なことは言うまでもない。例えば、従来にお
いてこのようなΔ結線を図ると、片極性のサージしか吸
収できない素子ではその一対を背中合わせに接続したも
のを結線L1と接地G、線路L2と接地G、そして線路L1,
L2間に設けねばならないので、計六個もの素子が必要に
なる。仮に一対の素子端子間で両極性のサージを吸収で
きる素子があったにしても、やはり三つは必要になる。
これに対し、本発明の素子ではたった一つで済むので、
素子個数の低減効果や機器小型化の効果、配線作業の合
理化やコスト低減効果等、実用的に見てかなり大きな効
果を得ることができる。
のみならず、動特性上も良好な結果を得ることができ
る。
例えば、線路L1と接地G間、線路L2と接地G間に、同相
で同じ大きさの異常高電圧としてのコモンモードサージ
が同時に印加された場合にも、それらの間に個別のパン
チスルー型サージ吸収素子が挿入されていると、それら
が全く同時に動作するとはむしろ考え難く、僅かでもパ
ンチスルー電圧が小さい方が先にターンオンする。とこ
ろが、そのような個別素子の特性を極めて近似させるこ
とは実際上かなり難しく、相当程度のばらつきが出てし
まう。その結果、例えば線路L1と接地G間に挿入されて
いる方の素子がブレークオーバしてかなり低いクランプ
電圧に移行した瞬間、当該線路L1の電位は当該クンラン
プ電圧程度に低下するが、線路L2と接地G間に挿入され
ている素子の方には高電圧サージが印加されたままにな
るため、結果として線路L1,L2間にもかなり大きな線間
電圧(ノーマルモード電圧)が生ずる。こうした状況
は、残った方の素子が降伏動作を開始するまで解消され
ることがない。
これに対し、本発明素子の場合には、共通の第一半導体
領域に共通ないし同様の製造工程で作製し得る三つのpn
接合ダイオードや少数キャリア注入領域を用いているの
で、従来と同程度の厳しさでも各機能領域部分のばらつ
きは遥かに小さく抑えることができ、デバイス動作の同
時性を高め、線間電圧が発生している状況を速やかに解
消することができる。
また、本発明素子では、第一半導体領域が共通なため、
例えば接地Gに接続された第三端子に関する第三pn接合
ダイオードが逆バイアスとなるとき、線路L1,L2に接続
された第一、第二端子に関する第一、第二pn接合ダイオ
ードは共に順バイアスとなるので、第一端子電位のみな
らず第二端子電位も共に低電圧となり、逆に第三pn接合
ダイオードが順バイアスとなる極性で、残りの第一、第
二pn接合ダイオードの一方が逆バイアスの結果としてパ
ンチスルーに基づきブレークオーバすると、第三pn接合
ダイオードを構成している第六半導体領域から注入され
た少数キャリアは他方のpn接合ダイオードを構成してい
る半導体領域にも到達するので、やはりこちら側でもブ
レークオーバが生じ、結局、接地Gと線路L1間、接地G
と線路L2間の双方が速やかにターンオフする。個別素子
を用いた場合にはこのような好ましい現象は生じ得ず、
端子電位が不確定な状況も生ずる。
なお、上記構成要件群〜は本発明素子の基本構成で
あるので、さらに多回線用保護素子として本発明素子を
展開することは可能である。また、本発明の素子は、動
作原理上、既述した従来公報に開示されているようなパ
ンチスルー型の素子であるので、同じ従来素子であって
も雪崩降伏型の素子に比し、当該パンチスルー型の素子
の持つ利点はほぼそのままに踏襲できる。
さらに、上記従来公報中にも記載があるが、ブレーク・
オーバ型素子ではクランプ電圧が低過ぎると“続流効
果”ないし“続流現象”が生じ、サージがなくなっても
素子がターンオンし続けて電源電力を消費し続けるとい
う不都合が出くことがあるが、本発明素子においては、
サージ吸収素子がターン・オン状態を維持するための保
持電流Ihの値を第二、第四半導体領域と該六半導体領域
との幾何的な位置関係によって調整、制御することもで
きる。
すなわち第六半導体領域は、上記要旨構成中においては “第二半導体領域下から上記第四半導体領域下にかけて
の領域部分の少なくとも一部分に設けられ” なる表現で定義されているが、この関係を見たしながら
なお、特に平面投影的に見て第六半導体領域と第二、第
四半導体領域とが互いに横方向に重なり合う部分がない
ようにすると、当該第六半導体領域の縁と第四半導体領
域の縁との間の離間距離L46 、および同じく第六半導体
領域の縁と第二半導体領域の縁との離間距離L26 を幾何
的な寸法として調整することにより、キャリアの再結合
量を調整できるので、結局は保持電流の値を制御するこ
とができる。一般的に言えば、これら離間距離を長く採
る程、保持電流Ihは大きくなり、短くする程、小さくな
る。もちろん、平面投影的に見て第六半導体領域が第二
半導体領域、第四半導体領域に対して重なり合うように
すれば、その重なり度合い応じてより一層、小さくな
る。
いずれにしても、本発明の素子のこの特徴によれば、特
に続流現象防止のため等に保持電流Ihを調整する際の重
要なパラメータの一つとしてこの幾何的寸法L46 ,L26
を利用することもでき、設計上、有利である。
本発明素子の他の特徴及び利点は、以降に説明される実
施例の項にても明らかになる。
〈実施例〉 以下、図示する本発明実施例のいくつかにつき詳記す
る。
第1図に示すサージ吸収素子12は、本発明による基本的
な実施例の一つであって、半導体基板を第一導電型の第
一半導体領域1としてそのまま用い、その上下両表面の
中、一方の表面に順次、第二半導体領域2、第四半導体
領域4と、第三領域3、第五領域5を各組ごとに同時に
二重拡散技術で形成する一方で、当該第一半導体領域1
の他方の表面において上記第二半導体領域2とこの第二
半導体領域2に対し横方向に離間した第四半導体領域4
とにかけてそれらの下の少なくとも一部分にも、上記と
同一、同時に形成工程において第六半導体領域6と第七
領域7の組を形成したものである。
以下便宜的に、これらの領域2,3,4,5がある方を
半導体基板1の表面、その対向面で領域6,7がある方
を裏面と呼ぶ。
上記のような各領域関係において、この実施例では第一
半導体領域1がn型半導体であるため、ホウ素等の適当
な不純物の拡散技術により、第二半導体領域2をp型と
すると共に、第四半導体領域4、第六半導体領域6もp
型半導体領域としている。
これに対し、第三領域3、第五領域5、第七領域7はパ
ンチスルーを起こした際の主電流路の一端部を形成する
ので、望ましくは高導電率であることが良く、この実施
例ではそれぞれ高不純物濃度n型、すなわちn+型領域と
して、第二、第四、第六半導体領域2,4,6内への不
純物の二重拡散により形成されている。実際にはこれは
高濃度燐拡散等により得ることができる。
以上の各領域組2,3;4,5:6,7には図示実施例
の場合、それぞれオーミックな引き出し端子2t,3t,4
t,5t,6t,7tを付して素子として完成させるが、図中
の仮想線線路Lsで示されているように、これら対応する
端子対の相互2t,3t;4t,5t;6t,7tは製作の段階で全
てまたはいくつかを短絡して置いても良いし、全部別途
に引き出して置いて使用者側で選択的に短絡したり、あ
るいは後述のように適当なバイアス源を介装させても良
い。
短絡させる場合、実際にはそうした線路Lsは各組の端子
引き出し領域の露出表面上に一連に蒸着される等してそ
れら表面にオーミックに接触した金属層等で形成するこ
とができる。
こうした構成において、ここでまず第一半導体領域1に
対する第二半導体領域2と第三領域3の組合せによるpn
ダイオードに着目し、これら領域に関連した両端子2t,
3tおよび第四半導体領域4と第五領域5の各引き出し端
子4t,5tがそれぞれ図示仮想線の線路Lsで短絡されてい
る状態で、これら端子間にサージ電圧が印加された場合
につき考えてみる。
このようなサージ吸収素子12においては、すでに作用の
項で説明したように、第一半導体領域1と第二半導体領
域2との間のpn接合に逆バイアスが印加されると、それ
により生ずる空乏層は第一半導体領域1の側へのみなら
ず、第三領域3の側に向けても伸びて行く。
したがって、端子2t(3t)と端子4t(5t)間にサージ電圧が
印加され、それが上記pn接合に逆バイアスを印加する極
性で絶対値的にも相当程度に大きなものであると、当該
空乏層の上方端部が第三領域3に達することが起こり得
る。
この状態が第一半導体領域1と第三領域3との間でのパ
ンチスルー状態の開始であり、大電流を流し得る低イン
ピーダンス状態、ないし本サージ吸収素子としての降伏
状態の始まりとなる。この開始点は第2図中にあって電
圧軸上に降伏電圧として示してある。
降伏開始状態が具現すると、端子2t(3t)と端子4t(5t)間
にサージ電流が流れ出し、第四半導体領域4から正孔が
第一半導体領域1に注入され、それが第二半導体領域2
で収集されて外部端子2tを介し、外部電流(素子電流)
となる。
したがって、第三領域3と第一半導体領域1とに挟まれ
た第二半導体領域2の抵抗と上記電流の積が、領域2,
3で構成されるpn接合ダイオードの順方向電圧に等しく
なったときに、今度は第三領域3から電子が第二半導体
領域2に注入され、これが電流の増大を招き、再びまた
第四半導体領域4から正孔の注入が行なわれるという正
帰還現象が生ずる。
このような正帰還現象が起こり始める電流値がこれまで
述べてきたブレーク・オーバ電流であり、このときの素
子両端電圧(外部端子5t,3t間電圧)がブレーク・オー
バ電圧となる。
すでに記したように、このブレーク・オーバ電圧は降伏
電圧よりはいく分か大きな値となるが、一旦正帰還が起
こり始めると素子両端電圧は著しく低い値に遷移する。
この値は第2図中にあってクランプ電圧として示されて
いるが、具体的には吸収電流と各部の直列抵抗との積
に、pn接合の順方向電圧一つ分を加えた値にほぼ等し
い。
このようなメカニズムから理解されるように、本発明の
サージ吸収素子12は、サージが印加されていないときに
は高い降伏電圧を維持して素子内に流れる電流を最少限
度に抑え、本素子により無駄に電力が消費されるのを妨
げる一方で、一旦、降伏電圧以上にサージが印加される
と、間もなく極めて低いクランプ電圧を呈し、もって大
電流を吸収した後続の被保護器を確実に保護するように
なる。
そして本サージ吸収素子12における降伏電圧は、第一半
導体領域1の抵抗率ないし不純物濃度のみならず、第一
半導体領域1と第三領域3との間の離間距離で規定され
る第二半導体領域2の実効厚味Dtのいかん、およびある
いは不純物濃度のいかんによってパンチスルー電圧が制
御できることにより、かなり広い設計幅内で任意に設定
することができる。
実際にも本出願人の実験によれば、この設計幅は、数ボ
ルトから数百ボルトまでの極めて広範囲に及ぶものであ
ることが確かめられている。
第1図示の実施例の場合は、既述のように半導体基板1
に対して第二半導体領域2および第三領域3を二重拡散
技術で作成する場合を示しているが、このような場合に
は、当該第二半導体領域2の実効厚味Dtは第二半導体領
域2の形成後、その表面からの第三領域形成用不純物の
拡散深さDdを制御することにより、直接に制御されるも
のとなる。
すなわち、こうした二重拡散技術による場合には、第一
半導体領域に対する第三領域3の高さ位置の変動ないし
変更設定は、直接に第二半導体領域2の実効厚味Dtを変
更するものとなる。
一方、第二半導体領域2および第三領域3をエピタキシ
ャル成長技術により形成した場合には、当該第二半導体
領域2の実効厚味Dtは当該エピタキシィにおける諸条件
に基いて決定される成長膜厚自体により規定されるのが
一般的であるが、その場合にも実際上、第三領域3の存
在がパンチスルーに関する実効厚味Dtを規定しているこ
とに変わりはない。
拡散技術による場合もエピタキシィによる場合も、第二
半導体領域2の実効厚味Dtの制御は既存の技術をしても
極めて高い精度で制御できるから、結局、本発明による
サージ吸収素子は、その降伏電位を極めて高い精度で設
定できるものとなる。
また同様に、パンチスルー電圧、ひいては本素子の降伏
電圧を規定する他の一要因となる第二半導体領域2の不
純物濃度も、既存の技術をして極めて高い精度で調整、
制御することができる。
こうしたことを換言すれば、本発明の素子の場合、降伏
電位を設計するのに、第二半導体領域2の実効厚味Dtと
不純物濃度という、それぞれ設計性の良い、しかも互い
には独立の二つの変数を有していることを意味する。
したがって、これら変数を一方のみ使ったり、双方使っ
てそれぞれ適当に按配することにより、単に極めて広い
範囲に亘って降伏電圧を設定できるだけでなく、接合容
量や直列抵抗等、その他の電気的特性を降伏電圧と独立
に設計することもできることが分かる。
上記においては説明の流れからして第二半導体領域と第
三半導体領域についてのみ記したが、もちろん第四半導
体領域4と第五領域5、第六半導体領域6と第七領域7
とにより形成される各ダイオード形成組についても全く
同様のことが言える。
特に第二半導体領域2と第四半導体領域4および第六半
導体領域6は、これらを同一の不純物拡散条件とし、一
度のプロセスで同時に形成すこともできるが、これに際
して二重拡散技術に頼る場合、第二半導体領域2に関す
る第三領域3の高さ位置を設定すると、好ましいことに
自動的に第五、第七領域5,7の高さ位置を設定したこ
とになり、結局、第三領域3の高さ位置による第二半導
体領域2の実効厚味Dtの規定が第四、第六半導体領域
4,6のそれをも規定することになる。
このことは、現在の二重拡散技術をしても同一プロセス
で両面拡散を精度良く行なえることと併せ、本発明素子
に含まれる各単位ダイオード要素ないし単位のサージ吸
収部の降伏電圧を全てバラツキなく揃え得ることを意味
する。
すでに述べてきたように、本発明のサージ吸収素子にお
いては、その原理構成上、第一、第二、第三;第一、第
四、第五;第一、第六、第七の各領域によって三つのサ
ージ吸収部が形成されているが、第一半導体領域1と各
対応領域3,5,7間でパンチスルーが起きた後のサー
ジ電流の電流分布は比較的均一なものとなる。
しかし、なお一層の均一性を確保しようとするなら、第
3図に示すような構成を採ることもできる。
すなわちこの第3図示の実施例では、半導体基板ないし
第一半導体領域1の表面に形成された逆導電型の第二、
第四、第六半導体領域2,4,6に対して形成される第
三、第五、第七領域3,5,7を、それぞれ複数に分割
された領域要素31,32,33,……,3n;51,52,53,…
…,5n;71,72,73,……,7n(図示の場合n=5)の集
合から構成しており、各領域素子31〜3n;51〜5n;71〜
7nは、共通の引き出し端子3t,5t,7tから外部に導通を
採られるようにしている。
こうした構造では、従来の雪崩降伏型素子に見られたよ
うな電界の集中効果はこれを避けることができ、均一な
電流分布を得ることができる。そのためまた、電流容量
もほぼ素子面積に比例して増大させることができる。
この第3図示のサージ吸収素子12でも、第一実施例につ
いて述べた他の配慮は同様に採用することができる。
なお、各サージ吸収部における二つの端子対2t,3t;4
t,5t;6t,7tは、既述したように動作原理上、短絡で
きるだけでなく、短絡して用いると過渡現象を避け得る
効果もある。
本発明のような構成のサージ吸収素子では、本来パンチ
スルー現象によって規定されるべき降伏電圧が第一半導
体領域1と第二、第四、第六の各半導体領域2,4,6
間においてそれぞれ雪崩降伏電圧に近くなってくると、
制御性が悪くなることも考えられる。
そのような危惧のある時には、第二、第四、第六の各半
導体領域2,4,6の各端部の接合で生じ始める雪崩降
伏を初期の段階で防ぐか抑えるため、第4図に示される
ように、それら第二、第四、第六の各半導体領域2,
4,6の各周囲を囲むように、それらの半導体領域2,
4,6と同一の導電型のガード・リング領域2G,4G,6G
を形成するか、第5図に示されるように、第二半導体領
域2と第三半導体領域3、第四半導体領域4と第五領域
5、第六半導体領域6と第七領域7の各組の表面にそれ
ぞれ一連に形成されたオーミック電極8,9,10の各端
縁部8a,9a,10a を、絶縁膜11を介して第一半導体領域
との接合を越えるようにさらに張り出させると良い。
このようにすれば、それぞれ第二、第四、第六半導体領
域端部における電界の集中を緩和し、実効的に雪崩降伏
電圧を増加させることにより、本発明の思想に即し、パ
ンチスルーによってのみの降伏電圧の設計性を拡大、改
善することができる。
したがって、上記第4,5図示のサージ吸収素子12にお
いては、素子3t,5t,7tの中、そのときどきでサージの
印加される二つの端子間に印加される当該サージ電圧の
極性に応じて、パンチスルーを起こすダイオードはいず
れか一方の端子側の半導体領域により構成されるダイオ
ードとなる。
しかし、いずれのダイオードにてパンチスルー現象が生
起するにしろ、その動作メカニズムは、すでに第一半導
体領域1と第二半導体領域2とにより構成されるダイオ
ードに関して説明したのと全く同じことになる。
したがって、上記の説明において第二半導体領域2と第
三領域3の表面を電気的に接続する端子2t,3tやその接
続(短絡)線路Lsを第一端子として素子から引き出し、
同様に端子4t,5tとその接続線路Lsを第二端子、端子6
t,7tとその接続線路Lsを第三端子として、それらの一
つ宛を一対の伝送線路の各々と接地とに接続すれば、当
該伝送線路に関するいずれの極性のコモンモードサージ
もノーマルモードサージも共に良く吸収し得る三極双方
向性のサージ吸収素子となる。すなわち、第一端子と第
二端子、第一端子と第三端子、第二端子と第三端子のい
ずれの組合せにおいても、かつまた組合せにおいていず
れの端子の側が正となる極性のサージであっても、それ
らを等しく吸収することができる。
しかも、すでに作用の項に述べた通り、例えば第一端子
と第三端子、第二端子と第三端子との間に同時に同相の
コモンモードサージが印加されたような場合にも、第一
半導体領域1が共通領域となっている結果、それに対し
て形成される第二、第四、第六半導体領域2,4,6
や、それらの各々に関連する第三、第五、第七領域3,
5,7は、共に同一ないし同様の製造工程で作製できる
ので、当該二組の端子間に見込まれるサージ吸収特性の
ばらつきは極めて小さく抑えることができ、それら二組
の端子間におけるサージ吸収動作の同時性を高めること
ができる。そのためまた、大きな線間電圧(ノーマルモ
ード電圧ないしサージ)の発生を抑え、仮に当該線間電
圧が発生しても、その状況を速やかに解消することがで
きる。
さらに、第一半導体領域1が共通なため、例えば接地G
に接続された第三端子に関する第三pn接合ダイオードが
逆バイアスとなるとき、線路L1,L2に接続された第一、
第二端子に関する第一、第二pn接合ダイオードは共に順
バイアスとなるので、第一端子電位のみならず第二端子
電位も共に低電圧となり、逆に第三pn接合ダイオードが
順バイアスとなる極性で、残りの第一、第二pn接合ダイ
オードの一方、例えば第二半導体領域2を含む第一pn接
合ダイオードが逆バイアスの結果としてパンチスルーに
基づきブレークオーバすると、順バイアスされている第
三pn接合ダイオードを構成している第六半導体領域6か
ら注入された少数キャリアは第二半導体領域2のみなら
ず第二pn接合ダイオードを構成している第四半導体領域
4にも到達するので、やはりこちら側の第二pn接合ダイ
オードでもブレークオーバが生じ、結局、接地Gと線路
L1間、接地Gと線路L2間の双方が速やかにターンオンす
る。
第4図に示される実施例と第5図に示される実施例は、
あれば望ましい配慮として、先のように第二、第四、第
六半導体領域の各端接合で生じ始める雪崩降伏を初期の
段階で防ぐか抑えるための手段が異なるだけである。
そのため逆に、これらの実施例においては第3図示実施
例の構成に従い、第三、第五、第七領域3,5,7はそ
れぞれ複数の当該領域用の領域要素群31〜3n;51〜5n;
71〜7nの集合から構成されているが、第1図示実施例の
第三、第五、第七領域3,5,7のように、最も基本的
にはこれら領域はそれぞれ単一の非分割領域として形成
されていても良い。
以上の各実施例に示されるような本発明サージ吸収素子
の場合、素子完成後、従来の雪崩降伏型において必要と
されていた端面研磨等の付帯処理は原則として必要な
い。したがって、これら既述の各実施例構成は、一つの
半導体基板1内に複数個、同時に作ることができる。
なお、本発明サージ吸収素子12のやや特殊な使い方とし
て、各サージ吸収部ないし単位のサージ吸収用ダイオー
ドを構成する各領域組に関する端子対2t,3t;4t,5t;
6t,7tを仮想線の短絡線路Lsを排除して個別に引き出
し、それらを互いに電気的に接続するに際し、これら端
子対間に適当なバイアス源を挿入すると、それら各サー
ジ吸収部における各パンチスルー電圧を外部する制御す
ることも可能となる。
ここで一例として、本発明の効果を実際の素子における
比較で確認する。
まず、以下に述べる工程により本発明に即したサージ吸
収素子を作製した。
抵抗率5Ω-cm,導電型n型,(111)面,300μm厚のシリ
コン・ウエハを第一半導体領域1の出発部材とし、まず
その表裏面に6000ÅのSiO2膜を形成した。
次いで第二半導体領域2および第四半導体領域4を表面
に、また第六半導体領域6を裏面に形成するべくその平
面形状を規定するため、表裏面のシリコン酸化膜に対し
所定のパターンにしたがってフォト・エッチング工程を
適用し、不純物拡散窓を開け、この各拡散窓を介してホ
ウ素を両面拡散し、その深さがそれぞれ2.5μmに亘
るp型領域2,4,6を形成した。
このときの上記パターンは、それぞれ 200μm幅の第
二、第四領域2,4が交互に70μm間隔で繰返されるも
のであり、また第六半導体領域6は表面の第二、第四半
導体領域の中心部にその中心がくるように所定の各面積
で形成した。
新たにウエハ表面にシリコン酸化膜を形成した後、表面
側にあっては複数個の第三領域要素31〜3nと第五領域要
素51〜5n用の、そして対向する裏面側にあっては第七領
域要素71〜7n用の各平面形状を規定するため、当該シリ
コン酸化膜に対して所定のパターンに即したフォト・エ
ッチングを施し、それら複数個の第三、第五、第七領域
要素用の不純物拡散窓を形成した。
この拡散窓から高濃度に燐を拡散し、その深さがそれぞ
れ1.2μmに亘る各n+型の第三領域要素31〜3nの集
合から成る第三領域3、第五領域要素51〜5nの集合から
成る第五領域5、そして第七領域要素71〜7nの集合から
成る第七領域7を形成した。
したがって、これと同時に最終的に第二、第四、第六半
導体領域2,4,6が完成され、それらの実効厚味Dtは
共に1.3μmと規定された。
その後、第二、第三領域に共通のオーミック・コンタク
ト、第四、第五領域に共通のオーミック・コンタクト、
そして第六、第七領域に共通のオーミック・コンタクト
を採るため、フォト・エッチング、金属薄膜蒸着、その
エッチング工程を経てそれぞれの電極8,9,10ないし
端子2t,3t;4t,5t;6t,7tを形成した。
このような構成下にあって、比較用サージ吸収素子とし
て、基板表面側の端子2t,3tあるいは4t,5tと基板裏面
側に設けた基板端子との間でのサージ吸収モデルを組ん
だ所、その降伏電圧は120Vを示し、サージ吸収電流は最
大300A/cm2まで取れた。
一方本発明の思想に即するサージ吸収素子として、上記
構成により端子2t,3t;4t,5t;6t,7t間において両極
性のコモン、ノーマルのサージを吸収するようにしたも
のでは、降伏電圧は121Vとほぼ同じであっても、ブレー
ク・オーバ電流密度は4A/cm2で、サージ吸収電流密度
は何と最大5000A/cm2も取ることができた。
この特性例を見ても、本発明により設けられた第二、第
三領域の組に対する第四ないし第六半導体領域の働き、
第四、第五領域の組に対する第二ないし第六半導体領域
の働き、そして第六、第七領域の組に対する第二ないし
第四半導体領域の働きは極めて大きいものであることが
分かる。
そしてまた他は上記と同一条件として、実質的に第二、
第四、第六半導体領域2,4,6の実効厚味を規定する
ことになるn+型第三、第五、第七領域3,5,7を形
成する際の拡散時間を変化させた所、降伏電圧は 30Vか
ら170Vの間で変化させることができた。
もちろん、この変化幅も最大変化幅ではなく、他の条件
も勘案すれば数ボルトから数百ボルトに亘る極めて広範
な変化範囲を得ることができることも確認されている。
なお、本素子における降伏メカニズムは、トンネリング
や雪崩降伏によらず、確実にパンチスルー現象にのみよ
って制御可能となっていることも検証された。
ところで、先に述べたように、本発明のサージ吸収素子
12においては、表裏面に重ね合せるように平面投影的に
見た場合、第六半導体領域6は第二半導体領域2、第四
半導体領域4に対し、基本構成的には重なり合う関係に
あっても重ならない関係にあっても良い。
これまでの実施例においてはいずれも第二、第四半導体
領域2,4に対し、第六半導体領域6は一部重なり合う
部分を有していた。
しかしこれは、第1図示の基本的な実施例の改変に代表
して第6図に示されているように、平面投影的に見て第
二、第四半導体領域2,4に対し、第六半導体領域6が
全く重ならないように形成し、したがって第六半導体領
域6の縁と第四半導体領域との縁との間には横方向離間
距離L46が、同様に第六半導体領域6の縁と第二半導体
領域2の縁との間にも横方向離間距離L26 が残されるよ
うにすることもできる。
このようにすると、これまで述べてきた本発明サージ吸
収素子12に固有の各種効果、機能に加え、当該離間距離
により規定されるあたりの第一半導体領域の領域部分1
3,13をキャリアの再結合量を調整する領域13,13とし
て機能させることができる。
すなわち、当該離間距離L46 ,L26を長く採れば保持電
流Ihの値は増加し、短くすれば低下する。逆にこれまで
の他の実施例に示されているように、平面投影的に第六
半導体領域6が第二、第四半導体領域2,4に対し重な
り合いの関係にある場合には、この第6図示実施例のも
のに比し、他の寸法や構造が同一ならば、保持電流Ihの
値は低いものとなる。
そのためもし、重なり合いの関係に構成すると既述した
続流現象が起こるような場合には、この第6図に示され
る実施例の考えに従い、第六半導体領域に対し第二、第
四半導体領域の形成位置を、設計的に最適化した離間距
離L46 ,L26を置き得る位置に設定すれば良い。
この第6図示の実施例に代表されるキャリア再結合調整
領域13,13の組込み構成は、もちろん、これまで述べた
きた第3,4,5図示の各実施例に関しても適用するこ
とができ、こと保持電流調整に関して同様の効果を期待
することができる。
最後に本発明素子の実装に関しても望ましい配慮につき
述べて置くと、例えば第六半導体領域6と第七領域7間
の共通端子10または端子6t,7tを放熱板を兼ねた電極板
に導通を取りながら接着する構造とすれば、この電極板
を本サージ吸収素子12を封止する適当なるモールドの外
に露出するように配することで大きな放熱効果を得るこ
とができる。
さらにこの電極板を接地電極とすれば(というよりもそ
うする方が望ましいのであるが)、当該電極板を本素子
を内蔵する各種機器の金属シャーシにネジ止めすること
により、確実な接地とより一層の放熱効果を期待するこ
とができ、発熱に伴う素子特性の劣化を最小限に抑制す
ることが可能となる。
実際にもこの手法によれば、従来のパワートランジスタ
に見られるようにコレクタ電極に電気的絶縁性を有する
放熱シートを挟み込む等の手間を必要とすることなく、
十分な放熱特性を得ることに成功している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明サージ吸収素子の第一実施例の概略構成
図、第2図は第1図示実施例の動作特性図、第3図は本
発明サージ吸収素子の第二実施例の概略構成図、第4図
および第5図はそれぞれ本発明サージ吸収素子のさらに
他の実施例の概略構成図、第6図はさらにキャリア再結
合調整領域を組込む場合の概略構成図、である。 図中、1は第一半導体領域ないし半導体基板、2は第二
半導体領域、3は第三領域、31〜3nは第三領域要素、4
は第四半導体領域、41〜4nは第四半導体領域要素、5は
第五領域、51〜5nは第五領域要素、6は第六半導体領
域、7は第七領域、71〜7nは第七領域要素、2G,4G,6G
はガード・リング、8,9,10は電極、12は全体として
の本発明サージ吸収素子、13はキャリア再結合調整領域
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正明 神奈川県相模原市宮下1丁目1番12号 株 式会社サンコーシヤ相模工場内 (72)発明者 松村 雄二 神奈川県相模原市宮下1丁目1番12号 株 式会社サンコーシャ相模工場内 (72)発明者 吉原 弘章 東京都青梅市藤橋3丁目3番12号 株式会 社三鷹電子科学研究所内 審査官 北島 健次 (56)参考文献 特開 昭62−65383(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板自体として形成されるか、また
    は該半導体基板に対して分離的に形成された第一導電型
    の第一半導体領域と; 該第一半導体領域の一表面側に形成され、上記第一導電
    型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間で第
    一のpn接合ダイオードを形成する第二の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第二半導体領域
    に接触することにより、上記第一のpn接合の逆バイアス
    に基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスルーし
    得ると共に、該パンチスルー後、上記第二半導体領域に
    対して少数キャリアを注入することでブレークオーバ特
    性を生じさせるため、該第二半導体領域との間で上記第
    一のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形成す
    る第三領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面側において上記第二半
    導体領域に対し横方向に離間して形成され、上記第一導
    電型とは逆導電型であって上記第一半導体領域との間で
    第二のpn接合ダイオードを形成する第四の半導体領域
    と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第四半導体領域
    に接触することにより、上記第二のpn接合の逆バイアス
    に基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスルーし
    得ると共に、該パンチスルー後、上記第四半導体領域に
    対して少数キャリアを注入することでブレークオーバ特
    性を生じさせるため、該第四半導体領域との間で上記第
    二のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形成す
    る第五領域と; 上記第一半導体領域の上記一表面とは対向する裏面側に
    あって上記第二半導体領域下から上記第四半導体領域下
    にかけての領域部分の少なくとも一部分に設けられ、上
    記第一半導体領域との間で第三のpn接合ダイオードを形
    成する第六の半導体領域と; 上記第一半導体領域とは反対側から上記第六半導体領域
    に接触することにより、上記第三のpn接合の逆バイアス
    に基づき上記第一の半導体領域との間でパンチスルーし
    得ると共に、該パンチスルー後、上記第六半導体領域に
    対して少数キャリアを注入することでブレークオーバ特
    性を生じさせるため、該第六半導体領域との間で上記第
    三のpn接合ダイオードとは逆方向の整流性接合を形成す
    る第七領域と; 上記第二半導体領域の表面と上記第三領域の表面とに電
    気的に接続した第一の端子と; 上記第四半導体領域の表面と上記第五領域の表面とに電
    気的に接続した第二の端子と; 上記第六半導体領域の表面と上記第七領域の表面とに電
    気的に接続した第三の端子と; を有して成るサージ吸収素子。
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