JPH0638596A - ミシンにおけるパルスモータ駆動制御装置及び方法 - Google Patents

ミシンにおけるパルスモータ駆動制御装置及び方法

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Publication number
JPH0638596A
JPH0638596A JP21324892A JP21324892A JPH0638596A JP H0638596 A JPH0638596 A JP H0638596A JP 21324892 A JP21324892 A JP 21324892A JP 21324892 A JP21324892 A JP 21324892A JP H0638596 A JPH0638596 A JP H0638596A
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JP
Japan
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speed
pulse
pulse motor
command
load
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Application number
JP21324892A
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English (en)
Inventor
Ikuo Tajima
郁夫 田島
Takashi Ito
伊藤  隆
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Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
Original Assignee
Tokai Kogyo Sewing Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ミシンの駆動機構で使用するパルスモータの
可及的高速及び高トルク運転を行うことができるように
する。 【構成】 パルスモータの負荷の増減変動傾向及びと現
在の指令位置に対する実際のモータ位置の遅れ又は進み
状態をパラメータとして、指令パルスの速度を増速制御
する。例えば、現在の指令位置に対する実際のモータ回
転位置の遅れが最大トルクを生じる遅れ量であるとき、
負荷が増加傾向にあるならば増速を行わず、他方、減少
傾向にあるならば増速を行うように制御する。これによ
り、負荷増減変動傾向に応じて効率的に増速制御を行う
ことができ、高速運転が可能となる。また、指令位置と
実際位置とのずれが、最大トルクを生じる所定の位置ず
れよりも小さくなるほど増速率を高めるよう制御すれ
ば、常に最大トルクを生じる遅れに近い遅れを指向する
ように制御でき、高トルク運転と高速運転が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、本縫ハンドル刺繍機
におけるM軸(飾り糸の巻軸)駆動に使用するパルスモ
ータやその他各種ミシン要素の駆動機構で使用されるパ
ルスモータの駆動制御装置及び方法に関し、特に、上記
M軸駆動用パルスモータのように従来は高速駆動が困難
であったパルスモータの駆動制御において高速化を実現
できるようにしたことに関する。
【0002】
【従来の技術】刺繍機のM軸は負荷が重く、その駆動に
は大きなトルクを必要とするので、高速運転が困難であ
り、刺繍の生産効率向上を阻害する一要因となってい
た。従来の刺繍機のM軸パルスモータの駆動制御方法
は、完全なオープンループ方式であり、所定の速度パタ
ーンからなる指令パルス列をドライバ回路に与えてや
り、これにより、パルスモータを駆動していた。そのた
め、指令パルス列の最高速度は、最大負荷時を想定した
速度に限定せざるを得ず、必然的に低い速度で運転せざ
るを得なかった。また、刺繍機のM軸の機構は、構成が
複雑なため、機械的なガタツキが出やすく、それに伴い
大きな負荷変動が生じることもあり、最悪な場合はパル
スモータが脱調し、刺繍製品を不良品にしてしまうこと
もあった。M軸に限らず、その他のミシン要素駆動機構
においても、微妙なガタツキがで易いので、大なり小な
り、同様の問題があった。
【0003】この点に鑑みて、パルスモータの脱調を防
ぐために従来行われていた制御方法は、指令パルスの速
度を見掛け上遅らせることであった。すなわち、パルス
モータの回転軸に位置検出器を取り付けてパルスモータ
の実際の回転位置を検出し、現在の指令位置に対する実
際の回転位置の遅れが所定角度以上になった場合、ドラ
イバ回路の内部で指令パルスを適宜遅延させ、あたかも
指令パルスが遅くきたかのように駆動制御を行い、これ
により、モータ駆動速度を適宜遅らせて、脱調を防ぐよ
うにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の制御方法は、脱調防止には効果を発揮するが、モ
ータ駆動速度を遅らせるものであるため、パルスモータ
の高速化とは正反対の技術である。従って、刺繍機やそ
の他ミシンの高速運転を実現することはできなかった。
この発明は上述の点に鑑みてなされたもので、刺繍機の
M軸やその他ミシンの駆動機構のように、比較的高負荷
若しくは負荷変動が大きいあるいは機構系のガタツキが
比較的大きい場合においても、高速運転を行うことがで
きるようにしたミシンにおけるパルスモータ駆動制御装
置及び方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係るミシンに
おけるパルスモータ駆動制御装置は、指令位置に対応す
る指令パルス列を所定の速度パターンで発生する指令パ
ルス発生手段と、この指令パルス列に従ってパルスモー
タを駆動するドライバ手段とを具備するものにおいて、
前記パルスモータの回転位置を検出する位置検出手段
と、前記パルスモータの駆動力に対する該モータ回転軸
の相対的な負荷が増加する傾向にあるか、若しくは減少
する傾向にあるかを検出するための負荷変動傾向検出手
段と、前記位置検出手段と前記負荷変動傾向検出手段の
出力に応答して、前記負荷の増減変動傾向と、現在の指
令位置に対する実際の位置の遅れ又は進み状態とをパラ
メータとして、前記指令パルス列のパルス発生速度を増
速するための速度調整データを発生するパルス速度調整
手段とを具え、前記速度調整データによって前記指令パ
ルス発生手段から発生する前記指令パルス列のパルス発
生速度を制御するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0006】一例として、負荷変動傾向検出手段は、前
記指令パルス発生手段により指示される現在の指令位置
と前記位置検出手段により検出された実際位置との差を
求める演算手段と、時間経過に伴う前記差の変化によ
り、前記パルスモータの回転軸に加わる負荷の増減傾向
を判定する判定手段とからなるものであってよい。これ
に限らず、負荷変動傾向を検出できるものであれば、そ
の他適宜に構成してもよい。
【0007】また、この発明に係るミシンにおけるパル
スモータ駆動制御方法は、パルスモータを駆動するため
の指令パルス列を発生する第1のステップと、パルスモ
ータの回転位置を検出する第2のステップと、前記指令
パルスによって指示される現在の指令位置と実際の回転
位置とのずれを検出する第3のステップと、最大トルク
を生じるときの現在の指令位置と実際の回転位置との所
定の位置ずれを基準とし、第3のステップで検出した前
記ずれが該所定の位置ずれよりも小さくなるほど増速率
を高めるよう、前記パルスモータの駆動速度を増速する
制御を行う第4のステップとを具えたものである。ま
た、前記パルスモータに加わる負荷が相対的に減少する
傾向にあるときは、前記第3のステップで検出した前記
ずれが前記所定の位置ずれに対応していても増速率を高
めるよう増速制御を行う第5のステップを更に具えてい
てもよい。また、前記パルスモータに加わる負荷が相対
的に減少する傾向にあるときは所定の最高増速率で増速
制御を行う第6のステップを更に具えていてもよい。
【0008】
【作用】この発明のパルスモータ駆動制御装置によれ
ば、パルスモータの負荷の相対的増減変動傾向と、現在
の指令位置に対する実際のモータ回転位置の遅れ又は進
み状態とをパラメータとして、前記指令パルス列のパル
ス発生速度を増速するための速度調整データが発生され
る。この速度調整データによって指令パルス発生手段か
ら発生する指令パルス列のパルス発生速度が増速制御さ
れる。すなわち、負荷の増減変動傾向と、現在の指令位
置に対する実際のモータ回転位置の遅れ又は進み状態と
をパラメータとして、指令パルス列のパルス発生速度を
増速したり/しなかったりの制御が行われることにな
る。
【0009】モータ駆動力(指令値)に対する相対的な
負荷の増減変動傾向をパラメータに加えることにより、
該相対的な負荷が増加傾向にあるか又は減少傾向にある
かで、異なる増速制御を行うことができるようになる。
例えば、現在の指令位置に対する実際のモータ回転位置
の遅れが最大トルクを生じる遅れ量であるとき、該相対
的な負荷が増加傾向にあるならば増速制御を行わず、他
方、減少傾向にあるならば増速制御を行うようにするよ
うに制御が可能である。すなわち、現在の指令位置に対
する実際のモータ回転位置の遅れの程度が同じであって
も、そのときの相対的な負荷の増減変動傾向に応じて異
なる増速制御が行われる。これにより、効率的に増速制
御を行うことができ、パルスモータの高速運転が可能と
なる。
【0010】例えば、現在の指令位置に対する実際のモ
ータ回転位置の遅れが最大トルクを生じる遅れ量である
とき、負荷が減少傾向にあるならば、モータ駆動速度を
変えなければこの遅れ量が減少する傾向になることを意
味するので、増速しても脱調のおそれがないことにな
り、換言すれば、増速の余地があることになる。そのよ
うな場合に、増速を行えば、脱調を起こすことなく、効
率的にモータ駆動速度を速くすることができる。しか
も、そのような増速制御により、指令位置が早まること
により、該指令位置に対する実際のモータ回転位置に遅
れが生じ、最大トルクを生じる遅れに近い遅れを維持す
ることができる。すなわち、高トルク運転を維持するこ
とができることになる。
【0011】一方、上記と同様に現在の指令位置に対す
る実際のモータ回転位置の遅れが最大トルクを生じる遅
れ量であるとき、負荷が増加傾向にあるならば、増速は
更なる遅れを生じさせることを意味するので、脱調のお
それをもたらす。従って、そのような場合は、増速は行
わないものとする。これにより、脱調を起こすことな
く、高トルク運転を維持することができることになる。
その場合の実施態様の1つとして、現在の指令位置に対
する実際のモータ回転位置の遅れが最大トルクを生じる
遅れ量であるとき、負荷変動が0または増加傾向であれ
ば、増速率0とし、最大トルクを生じる遅れを維持する
ようにしてよい。また、別の実施態様の1つとして、現
在の指令位置に対する実際のモータ回転位置の遅れが最
大トルクを生じる遅れ量であるとき、負荷変動が0であ
れば増速率0とし、増加傾向であれば適宜の負の増速
(つまり減速)を行うようにしてもよい。
【0012】1実施態様として、パルス速度調整手段
は、現在の指令位置に対する実際の位置のずれが所定の
範囲内のとき、該ずれに応じた複数段階の速度調整デー
タを発生するようにしてよい。更には、現在の指令位置
に対する実際の位置のずれが最大トルクをもたらす状態
を基準にして、該ずれがそれよりも小さくなるにつれて
増速率を段階的に増すように速度調整データを発生する
ようにしてよい。これにより、増速率が増すほど遅れが
生じる傾向となるので、位置ずれの小さい場合ほど増速
によって大きな遅れが生じることになり、どのような場
合でも常に最大トルクを生じる遅れに近い遅れを維持す
るように制御することができるようになる。従って、高
トルク運転を維持しつつ、可及的な高速運転が可能とな
る。
【0013】この発明のパルスモータ駆動制御方法によ
れば、現在の指令位置と実際の回転位置とのずれが、最
大トルクを生じる所定の位置ずれよりも小さくなるほど
増速率を高めるよう、前記パルスモータの駆動速度を増
速する制御が行われる。上述のように、増速率が増すほ
ど遅れが生じる傾向となるので、位置ずれの小さい場合
ほど増速によって大きな遅れが生じることになり、どの
ような場合でも常に最大トルクを生じる遅れに近い遅れ
を維持するように制御することができるようになる。従
って、高トルク運転を維持しつつ、可及的な高速運転が
可能となる。また、前記パルスモータに加わる負荷が相
対的に減少する傾向にあるときは、前記第3のステップ
で検出した前記ずれが前記所定の位置ずれに対応してい
ても増速率を高めるよう増速制御を行うようにすれば、
負荷の相対的減少傾向により脱調のおそれのないことを
確認した上で積極的な増速制御を推し進めることができ
ることとなり、より一層の高速運転が可能となる。ま
た、前記パルスモータに加わる負荷が相対的に減少する
傾向にあるときは所定の最高増速率で増速制御を行よう
にすれば、更に一層の高速運転が可能となる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照してこの発明の一実施
例を詳細に説明しよう。図1はこの発明を適用した刺繍
ミシンの一実施例を示す制御系統の全体構成ブロック図
である。コントローラ1はこの刺繍機の全体の動作を制
御するもので、CPU2,ROM3,RAM4等を含む
マイクロコンピュータによって構成される。操作パネル
5は刺繍ミシンの動作を制御するための各種操作スイッ
チや刺繍柄の設定・制御を行うための各種スイッチ等を
具えるものである。テープリーダー6は刺繍柄データを
記録した紙テープから該刺繍柄データを読取るためのも
のである。ミシン主軸モータ7はミシン主軸を駆動する
モータである。ミシン主軸回転検出用ロータリエンコー
ダ8はミシン主軸の回転角度を検出するものである。こ
れらの周辺入出力機器5,6,7,8がインタフェース
9〜12を介してコントローラ1のマイクロコンピュー
タに接続される。
【0015】周知のように、刺繍柄データは所望の刺繍
柄を実現するための多数のステッチの縫幅データからな
っており、1ステッチ毎の縫幅データは刺繍枠15のX
軸移動量を指示する成分とY軸移動量を指示する成分と
からなり、コントローラ1からインタフェース13を介
してX−Yパルスモータドライバ回路14に与えられ
る。X軸移動量を指示する縫幅データに応じて刺繍枠1
5のX軸を駆動するためのパルスモータ16が回転駆動
され、Y軸移動量を指示する縫幅データに応じて刺繍枠
15のY軸を駆動するためのパルスモータ17が回転駆
動される。公知のように、ミシンヘッドにおける針棒駆
動機構が主軸モータ7の回転に応じて駆動され、針棒の
1縫いの動作の間で、x軸及びy軸パルスモータ16,
17の回転に応じて刺繍枠15が1縫幅分だけx−y移
動され、こうして所望の縫幅の1縫いが実現される。
【0016】M軸パルスモータ18はミシンのM軸(飾
り糸の巻軸)を駆動するパルスモータである。M軸検出
用ロータリエンコーダ19は、M軸パルスモータ18の
回転軸の回転位置を検出するものであり、一例としてイ
ンクリメンタルパルス発生型のロータリエンコーダから
なる。この実施例においては、M軸パルスモータ18を
駆動制御するために、この発明が適用される。
【0017】M軸パルスモータ18を駆動するための指
令パルス列は、コントローラ1からインタフェース20
を介して与えられる。この指令パルス列はM軸パルスモ
ータドライバ回路21に与えられ、これに応じてM軸パ
ルスモータ18が駆動される。パルスモータ18を駆動
するための指令パルス列は、周知のように、任意の目標
位置と設定速度Vsと任意の加減速度特性に応じた所定
の速度パターンで発生される。図2は、そのような指令
パルス列の周知の速度パターンの一例を示す。周知のよ
うに、指令パルス列において順次インクリメントする個
々のパルスが順次インクリメントする個々の(時々刻々
の)指令位置に対応し、このパルス数の合計が到達目標
位置に対応する。そして、パルスの発生速度つまりパル
ス発生時間間隔が、パルスモータの駆動速度に対応す
る。この実施例では、指令パルス列を所定の速度パター
ンで発生する指令パルス発生手段は、コントローラ1の
内部に含まれている。そのような指令パルス発生手段そ
れ自体は公知であるので詳細は特に示さない。
【0018】アップダウンカウンタ22は、インタフェ
ース20から与えられる指令パルスを加算カウントし、
M軸検出用ロータリエンコーダ19から与えられるM軸
パルスモータ18の位置検出パルスを減算カウントす
る。従って、指令パルス列によって指示される現在の指
令位置とM軸パルスモータ18の実際位置との差mが、
該アップダウンカウンタ22で求められる。この差mを
示すデータは、インタフェース23を介してCPU2に
与えられる。容易に理解できるように、アップダウンカ
ウンタ22はコントローラ1内に内蔵されていてもよい
のは勿論である。また、M軸検出用ロータリエンコーダ
19としてアブソリュート位置センサを使用することも
でき、その場合は、アップダウンカウンタ22の代わり
に、現在の指令位置のアブソリュート値から実際に検出
したモータ位置のアブソリュート値を引算する演算回路
を使用するように変更されるのは勿論である。
【0019】一例として、M軸パルスモータ18は、ロ
ータ歯が50歯、ステータが5相であり、ハーフステッ
プ駆動により指令パルス1個当り0.36度の分解能で
駆動する例について、以下説明する。この場合、パルス
モータを駆動制御するための電気角1サイクルに対応す
る回転角度は7.2度であり、指令パルス20個に対応
する。M軸検出用ロータリエンコーダ19は、M軸パル
スモータ18の分解能に対応して、0.36度の分解能
で1パルスを発生するものとする。
【0020】図3により、パルスモータのトルクについ
て説明する。図3の(a)は、パルスモータのステータ
歯とロータ歯が一致している状態を示しており、これ
は、指令パルスによって指示された現在の指令位置と実
際のロータ位置とが完全に一致している状態を象徴的に
示しているものである。すなわち、パルスモータの駆動
力に対する相対的な負荷が0であることを示している。
この場合、現在の指令位置とパルスモータ18の実際位
置との差mは0である。
【0021】一方、このような相対的負荷0の状態に対
して、パルスモータにおいてトルクが最大となるのは、
現在の指令位置に対して実際のロータ位置が電気角でπ
/2ずれている位置であることが知られている。図3の
(b)は、そのようなトルク最大のときのステータとロ
ータの関係を象徴的に示しているものである。すなわ
ち、現在の指令位置に対して実際のロータ位置が電気角
でπ/2だけずれているとき、図3の(a)のような位
置関係に引き戻そうとする力が最大に作用し、トルクが
最大となる。この場合、パルスモータの回転方向Rに対
して、負荷の方向はLで示されている。なお、これより
もずれると脱調を引き起こす。電気角のπ/2は、指令
パルス数に換算すると、上記設例では5パルスである。
換言すれば、現在の指令位置とパルスモータ18の実際
位置との差mが0〜4の範囲内であれば脱調を起こして
いず、また、そのときm=4であればトルク最大である
ことになる。
【0022】上述から理解できるように、パルスモータ
駆動力に対する相対的な負荷(つまり図3のaのような
相対的負荷0の状態に吸引しようとする力に対して反し
てロータに作用する力)が図のL方向に作用するとき、
モータの実際の回転に遅れが生じる。つまり、現在の指
令位置とパルスモータ18の実際位置との差mが正とな
る。パルスモータ駆動力に対する相対的な負荷が図のR
方向に作用するとき、モータの実際の回転位置が指令位
置よりも進み、その差mが負となる。従って、許容され
る差mの範囲は、−4≦m≦+4であり、差mが±5を
超えると脱調を起こしたことになる。そのため、m≦−
5又は+5≦mのとき、脱調アラーム処理を行うように
している。
【0023】なお、この実施例では、上記差mは、アッ
プダウンカウンタ22により、指令パルス列と位置検出
インクリメンタルパルス列との直接的な加減算カウント
により求めるようにしているため、M軸位置検出用ロー
タリエンコーダ19の取付原点合わせは図3のaのよう
な相対的負荷0の状態に一致するように正確に行ってお
くものとする。勿論、M軸位置検出用ロータリエンコー
ダ19の取付原点合わせは機械的な原点合わせに限ら
ず、適当な原点オフセット数値の加減算によっても行う
ことができるが、ここでは詳しく説明しない。
【0024】この実施例では、パルスモータ18の負荷
の相対的増減変動傾向と、現在の指令位置に対する実際
のモータ回転位置の遅れ又は進み状態とをパラメータと
して、指令パルス列のパルス発生速度を増速するための
速度調整データを発生し、この速度調整データによって
コントローラ1から発生する指令パルス列のパルス発生
速度を増速制御するようにしている。すなわち、図2に
示すような所定の速度パターンに規定されるパルス発生
速度(これを基準速度Pとする)を部分的に随時増速制
御するようにしている。一例として、パルスモータ18
の負荷の相対的増減変動傾向と、現在の指令位置に対す
る実際のモータ回転位置の遅れ又は進み状態とをパラメ
ータとして、増率nを発生する。そして、この増率nを
そのときの基準速度Pに掛算して、速度調整データαを
発生する。ここで、 α=P・n である。そして、この速度調整データαをそのときの基
準速度Pに加算して、増速制御したパルス発生速度P’
を発生する。ここで、 P’=P+α である。こうして増速制御したパルス発生速度P’に従
ってコントローラ1から指令パルス列を発生する。
【0025】パルスモータ18の負荷の相対的増減変動
傾向を検出するために、一例として、アップダウンカウ
ンタ22により求めた現在の指令位置と実際位置との差
mを利用し、時間経過に伴う前記差mの変化により、パ
ルスモータ18における相対的負荷の増減傾向を判定す
るようにしている。また、現在の指令位置に対する実際
のモータ回転位置の遅れ又は進み状態は、アップダウン
カウンタ22により求めた現在の指令位置と実際位置と
の差mによって示されている。従って、アップダウンカ
ウンタ22により求めた現在の指令位置と実際位置との
差mのデータがコントローラ1に取り込まれ、パラメー
タとして若しくは所定のパラメータを作成するために利
用される。差mのデータに基づきパルスモータ18の相
対的負荷の増減変動傾向の判定を行う場合、例えば、定
期的に差mのデータを取り込み、前回の差mのデータ
(これをm0とする)と今回の差mのデータ(これをm1
とする)との差m0−m1(これをcとする)を演算す
る。c=m0−m1が正であれば、現在の指令位置に対す
る実際位置の差mが前回よりも減少しており、負荷が減
少傾向にあることを意味する。c=m0−m1が負であれ
ば、現在の指令位置に対する実際位置の差mが前回より
も増大しており、負荷が増加傾向にあることを意味す
る。
【0026】この実施例では、負荷の増減変動傾向と現
在の指令位置に対する実際のモータ回転位置の遅れ又は
進み状態とをパラメータとして、概ね、次のような制御
態様I〜IVで増速制御を行うようにしている。図4は各
制御態様I〜IVの模式図である。なお、許容される差m
の範囲が−4≦m≦+4であるから、cは−8≦c≦+
8の値をとり得るが、極端な負荷変動のときはn=0と
して特に増速制御は行わず、負荷変動が−4≦c≦+4
の範囲のとき下記制御態様I〜IVに従う制御を行うよう
にしている。
【0027】制御態様I(図4a): 負荷パラメータ条件:負荷変動無し(c=0)、又は負
荷が増大傾向にある(−4≦c<0)。 実際位置の進み/遅れパラメータ条件:実際位置が指令
位置より遅れている(1≦m≦4)か、若しくは実際位
置が指令位置に一致している(m=0)。 制御内容:この場合は下記の5通りの制御がなされる。 m=4であれば、最大トルクの位置関係にあり、増速す
ると、実際の回転が指令に追い着けずに脱調するおそれ
があるので、増速の余地がない。従って、増率n=0と
する。m=3であれば、最大トルクの1つ手前であり、
増速の余地が少しある。従って、増率n=0.05とす
る。これにより、最大トルクの位置になるように、適量
の遅れを設定することにもなる(高速化と高トルク化の
達成)。m=2であれば、最大トルクの2つ手前であ
り、増速の余地がもう少しある。従って、増率n=0.
1とする。これにより、最大トルクの位置になるよう
に、適量の遅れを設定することにもなる(高速化と高ト
ルク化の達成)。m=1であれば、最大トルクの3つ手
前であり、増速の余地が更にもう少しある。従って、増
率n=0.15とする。これにより、最大トルクの位置
になるように、適量の遅れを設定することにもなる(高
速化と高トルク化の達成)。m=0であれば、最大トル
クの4つ手前であり、増速の余地が更にある。従って、
最高増率n=0.2とする。これにより、最大トルクの
位置になるように、適量の遅れを設定することにもなる
(高速化と高トルク化の達成)。
【0028】制御態様II(図4b): 負荷パラメータ条件:負荷変動無し(c=0)、又は負
荷が増大傾向にある(−4≦c<0)。 実際位置の進み/遅れパラメータ条件:実際位置が指令
位置より進んでいる(−4≦m≦−1)。 制御内容:この場合は、実際位置が指令位置より進んで
おり、かつ負荷が変動無しか若しくは増大傾向にあるの
で、回転とは反対方向Lに負荷がかかっている。このよ
うに回転とは反対方向Lに負荷がかかっており、かつ実
際位置が指令位置より進んでいるので、増速余地が十分
にある。すなわち、指令位置の変化を十分に速めること
ができる。従って、最高増率n=0.2とする。これに
より、高速化を図ることができる。
【0029】制御態様III(図4c): 負荷パラメータ条件:負荷が減少傾向にある(1≦c≦
4)。 実際位置の進み/遅れパラメータ条件:実際位置が指令
位置に一致している(m=0)か、若しくは実際位置が
指令位置より遅れている(1≦m≦4)。 制御内容:この場合は、負荷が減少傾向にあるので、速
度を適度に上げても脱調のおそれがなく、増速の余地が
ある。従って、0≦m≦4であれば、最高増率n=0.
2とする。これにより、最大トルクの位置関係m=4に
ある場合は、その位置を保持して高速化を更に押し進め
ることができることになる。また、最大トルクの位置関
係に達していない場合も、高速化を更に押し進めること
ができることになり、減少傾向にある負荷変動に対して
現在のトルク位置を保持するか若しくは指令位置の先行
によって最大トルクの位置関係(m=4)の方に近づけ
るようにすることもできる(高速化と高トルク化の達
成)。
【0030】制御態様IV(図4d): 負荷パラメータ条件:負荷が減少傾向にある(1≦c≦
4)。 実際位置の進み/遅れパラメータ条件:実際位置が指令
位置より進んでいる(−4≦m≦−1)。 制御内容:この場合は、実際位置が指令位置より進んで
おり、かつ負荷が減少傾向にあるので、回転方向Rに負
荷がかかっている(負の負荷がかかっている)。このよ
うに回転方向Rに負荷がかかっている場合、m=−4の
位置関係が最大トルクの位置関係に対応する。この場
合、下記の4通りの制御がなされる。 m=−4であれば、最大トルクの位置関係にあるので、
増速せずに、この位置関係を保持する。従って、増率n
=0とする。m=−3であれば、最大トルクの1つ手前
であり、増速の余地が少しある。従って、増率n=0.
05とする。m=−2であれば、最大トルクの2つ手前
であり、増速の余地がもう少しある。従って、増率n=
0.1とする。m=−1であれば、最大トルクの3つ手
前であり、増速の余地が更にもう少しある。従って、増
率n=0.15とする。従って、この場合も、高速化と
高トルク化を追及するのに相応しい制御を行うことがで
きる。
【0031】上述の制御はコントローラ1内のCPU2
によって実行される。その場合のM軸パルスモータ駆動
速度補正制御ルーチンの一例は図5,図6のようであ
る。図5において、ステップS1では、M軸パルスモー
タ18を運転中であるかをチェックする。次のステップ
S2では、カウンタ22の出力データmを「m0」とし
て内部レジスタに取り込む。次のステップS3では、指
令位置に対する実際位置の差mのデータをサンプリング
するための時間(m0−m1=cの引算を行う時間間隔)
を設定する所定のタイマTをスタートする。
【0032】次のステップS4では、取り込んだ差mの
値が−5以下であるかを調べる。m≦−5であれば、実
際位置が進み過ぎており、脱調を起こしているので、ス
テップS5に行き、アラームを発音して、運転を停止
し、この制御ルーチンを終了する。ステップS4の結果
がNOであれば、ステップS6に行き、取り込んだ差m
の値が所定の許容範囲−4≦m≦+4であるかを調べ
る。ステップS6の結果がNOであれば、+5≦mであ
り、実際位置が遅れ過ぎており、脱調を起こしているの
で、ステップS5に行き、アラームを発音して、運転を
停止し、この制御ルーチンを終了する。ステップS6の
結果がYESであれば、ステップS7に行き、処理を続
ける。ステップS7では、現在のルーチンがM軸パルス
モータ18を起動した直後の最初のルーチンかをチェッ
クする。YESであれば、ステップS8に行き、基準速
度P(これは前述の通り、所定の速度パターンに従う基
準速度である)で指令パルスを発生するよう指示する。
NOであれば、ステップS9に行き、そのときに決定さ
れている増率nをそのときの基準速度Pに掛算して、速
度調整データαを発生し、この速度調整データαをその
ときの基準速度Pに加算して、増速制御したパルス発生
速度P’を発生する。そして、このパルス発生速度P’
に従って指令パルスを発生するよう指示する。ステップ
S8又はS9で指示された速度P又はP’で指令パルス
列を発生するための処理は、指令パルス列発生処理ルー
チンによって行われるが、その点については図示しな
い。
【0033】次のステップS10では、タイマTがタイ
ムアップしたかを調べる。タイマTの設定時間が到来し
たら、ステップS11に行き、カウンタ22の出力デー
タmを「m1」として内部レジスタに取り込む。次のス
テップS12では、次のサンプリングのために、タイマ
Tを再スタートする。次のステップS13では、レジス
タにストアした前回サンプリングタイミングの差データ
m0から今回サンプリングタイミングの差データm1を引
算し、その引算結果c=m0−m1を内部レジスタにスト
アする。ステップS13の後、図6のステップS14に
進む。
【0034】図6において、ステップS14では、上記
レジスタにストアしたデータcを用いて、前述の負荷パ
ラメータ条件の「1≦c≦4」が成立しているかを調べ
る。「1≦c≦4」が成立している(すなわち、負荷が
減少傾向にある)ならば、ステップS15に分岐し、ス
テップS15〜S23の処理を行う。「1≦c≦4」が
成立していないならば、ステップS24に行き、前述の
負荷パラメータ条件の「−4≦c≦0」が成立している
かを調べる。「−4≦c≦0」が成立している(すなわ
ち、負荷が増加傾向にあるかまたは変動無し)ならば、
ステップS25に分岐し、ステップS25〜S33の処
理を行う。
【0035】「1≦c≦4」が成立している(すなわ
ち、負荷が減少傾向にある)場合について説明すると、
ステップS15〜S18では、今回サンプリングタイミ
ングの差データm1を用いて、前述の制御態様III又はIV
における実際位置の進み/遅れパラメータ条件のうちど
れが成立しているかを調べる。0≦m1≦4が成立して
いる(実際位置が指令位置より遅れているか、または一
致している)ならば、ステップS15がYESであり、
ステップS20に行き、増率nを最高値n=0.2にセ
ットする。これにより、前述の制御態様IIIに対応する
制御が行われる。実際位置が指令位置より進んでいる場
合は、m1=−1が成立していれば、ステップS16が
YESであり、ステップS21に行き、増率nをn=
0.15にセットする。また、m1=−2が成立してい
れば、ステップS17がYESであり、ステップS22
に行き、増率nをn=0.1にセットする。また、m1
=−3が成立していれば、ステップS18がYESであ
り、ステップS23に行き、増率nをn=0.05にセ
ットする。また、m1=−4であれば、ステップS18
がNOであり、ステップS19に行き、増率nをn=0
にセットする。これにより、前述の制御態様IVに対応す
る制御が行われる。
【0036】「−4≦c≦0」が成立している場合(す
なわち、負荷が増加傾向にあるか又は変動無しの場合)
について説明すると、ステップS25〜S28では、今
回サンプリングタイミングの差データm1を用いて、前
述の制御態様I又はIIにおける実際位置の進み/遅れパ
ラメータ条件のうちどれが成立しているかを調べる。−
4≦m1≦−1が成立している(実際位置が指令位置よ
り進んでいる)ならば、ステップS25がYESであ
り、ステップS30に行き、増率nを最高値n=0.2
にセットする。これにより、前述の制御態様IIに対応す
る制御が行われる。m1=0が成立している(実際位置
が指令位置に一致している)場合も、ステップS25が
YESであり、ステップS30に行き、増率nを最高値
n=0.2にセットする。これにより、前述の制御態様
Iに対応する制御が行われる。実際位置が指令位置に遅
れている場合は、m1=1が成立していれば、ステップ
S26がYESであり、ステップS31に行き、増率n
をn=0.15にセットする。また、m1=2が成立し
ていれば、ステップS27がYESであり、ステップS
32に行き、増率nをn=0.1にセットする。また、
m1=3が成立していれば、ステップS28がYESで
あり、ステップS33に行き、増率nをn=0.05に
セットする。また、m1=4であれば、ステップS28
がNOであり、ステップS29に行き、増率nをn=0
にセットする。これにより、前述の制御態様Iに対応す
る制御が行われる。
【0037】ステップS19〜S23,S29〜S33
で増率nをそれぞれ所定値にセットする処理を行った後
は、ステップ35に行く。また、ステップS14,S2
4の判定結果がいずれもNOの場合、つまり、負荷変動
が−8≦c<−4または+4<c≦+8の範囲の場合、
ステップS34に行き、増率nをn=0にセットする。
その後、ステップS35に行く。ステップS35では、
タイマTがタイムアップしたかを調べる。タイムアップ
した場合は、1処理サイクルが終了し、図5のステップ
S1に戻る。図5のステップS1に戻ると、前述と同様
の処理が繰り返されて、次の処理サイクルが行われる。
こうして、実際位置と指令位置との差mに基づき負荷の
変動傾向を示すデータcが絶えず求められ、このcと現
在の差mを示すm1に応じて、速度の増率nが決定さ
れ、速度調整データαが発生される。そして、所定の指
令パルス発生速度パターンに従って決定される現在の基
準速度Pが、そのときの速度調整データαによって変更
され、指令パルス列の発生速度が増率nに応じて増速制
御されることになる。
【0038】なお、指令パルス列の発生速度パターンが
減速領域にあるときは、上述の増速制御は行わないよう
にするのがよい。なお、図5,図6の実施例では、1処
理サイクルがタイマTの2サイクルに対応しており、各
タイマ時間終了時にカウンタ22の出力mをそれぞれサ
ンプリングして前回値m0と今回値m1としてレジストす
るようにしているが、これに限らず、1処理サイクルが
タイマTの1サイクルに対応するように処理してもよ
い。その場合、例えば、ステツプS10,S11,S1
2を省略し、ステップS2でカウンタ22の出力mを今
回値m1としてレジストし、そのとき、それまでの今回
値m1を前回値m0としてシフトしてレジストするように
すればよい。
【0039】また、パルスモータの相数は5相に限定さ
れるものではなく、3相等その他適宜の相数であっても
よく、歯数も適宜であってよい。パルスモータの仕様が
異なれば、最大トルクに対応する実際位置と指令位置と
の差mの値(上記ではm=4)も異なり、図5,図6に
おける具体的数値も異なるものとなるのは勿論である。
また、増率nの値及びその設定の態様も上記実施例に示
されたものに限定されないのは勿論である。コントロー
ラ1における増速制御のための処理は、図5,図6のよ
うなマイクロコンピュータのソフトウェアプログラムに
よる実施に限定されるものではなく、同等の機能を実現
するハードウェア回路によって実施するようにしてもよ
い。また、パルスモータドライバ回路21におけるドラ
イブ方式はどのようなものであってもよく、要するに与
えられた指令パルス列に従ってパルスモータを駆動する
ものであればよい。この発明に係るパルスモータ駆動制
御装置及び方法の範囲は、上記実施例に示した制御をそ
っくり全部実施することに限定されるものではなく、有
効な効果を生じる制御のみを部分的に実施するようにす
ることをも含む。この発明に係るパルスモータ駆動制御
装置及び方法は、上記実施例に示したM軸パルスモータ
に限らず、刺繍機におけるX−Y駆動パルスモータやそ
の他のミシンにおける駆動機構において使用されるパル
スモータに適用することができる。また、同様の高負
荷、負荷変動、ガタツキ等の問題点を有する駆動機構に
使用するパルスモータにおいても応用可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、この発明によれば、パルス
モータの負荷の増減変動傾向と、現在の指令位置に対す
る実際のモータ回転位置の遅れ又は進み状態とをパラメ
ータとして、指令パルス列のパルス発生速度を増速した
り/しなかったりの制御を行うようにしたので、現在の
指令位置に対する実際のモータ回転位置の遅れ又は進み
状態が同じであっても、負荷の増減変動傾向に応じて異
なる増速制御を行うことができるようになり、効率的な
増速を図ることができ、これにより高速運転が可能とな
る。例えば、現在の指令位置に対する実際のモータ回転
位置の遅れが最大トルクを生じる遅れ量であるとき、該
相対的な負荷が増加傾向にあるならば増速制御を行わ
ず、他方、減少傾向にあるならば増速制御を行うように
するように制御が可能である。すなわち、現在の指令位
置に対する実際のモータ回転位置の遅れの程度が同じで
あっても、そのときの相対的な負荷の増減変動傾向に応
じて異なる増速制御が行われる。これにより、効率的に
増速制御を行うことができ、パルスモータの高速運転が
可能となる。また、現在の指令位置に対する実際のモー
タ回転位置の遅れ又は進み状態に応じて、段階的な増速
制御を行うことにより、高トルク運転と高速運転を実現
することができる。従って、ミシンの高速運転が可能と
なり、刺繍縫いその他縫い作業の生産性を高めることが
できる。
【0041】また、この発明のパルスモータ駆動制御方
法によれば、現在の指令位置と実際の回転位置とのずれ
(m)が、最大トルクを生じる所定の位置ずれ(m=
4)よりも小さくなるほど増速率を高めるよう、パルス
モータの駆動速度を増速する制御を行うので、位置ずれ
の小さい場合ほど増速によって大きな遅れが生じること
になり、どのような場合でも常に最大トルクを生じる遅
れに近い遅れを維持するように制御することができるよ
うになり、従って、高トルク運転を維持しつつ、可及的
な高速運転が可能となる。また、パルスモータに加わる
負荷が相対的に減少する傾向にあるときは、前記ずれが
前記所定の位置ずれに対応していても増速率を高めるよ
う(例えば最高増率n=0.2で)増速制御を行うこと
により、負荷の相対的減少傾向により脱調のおそれのな
いことを確認した上で積極的な増速制御を推し進めるこ
とができることとなり、より一層の高速運転が可能とな
る。また、前記パルスモータに加わる負荷が相対的に減
少する傾向にあるときは所定の最高増速率(n=0.
2)で増速制御を行ようにすれば、更に一層の高速運転
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用した刺繍ミシンの一実施例を示
す制御系統の全体構成ブロック図。
【図2】パルスモータに対する指令パルス列の速度パタ
ーンの一典型例を示す図。
【図3】パルスモータに生じるトルクを説明するために
ステータ歯とロータ歯の位置関係を示す図。
【図4】負荷の増減変動傾向と現在の指令位置に対する
実際のモータ回転位置の遅れ又は進み状態とをパラメー
タとして、この発明の一実施例に従って行われる増速制
御の一例を説明するための模式図。
【図5】この発明に従う増速制御の一実施例を実行する
ために図1のコントローラによって実行される処理プロ
グラムの一例を前半部分について示すフローチャート。
【図6】この発明に従う増速制御の一実施例を実行する
ために図1のコントローラによって実行される処理プロ
グラムの一例を後半部分について示すフローチャート。
【符号の説明】
1…コントローラ、2…CPU、18…M軸パルスモー
タ、19…M軸検出用ロータリエンコーダ、21…M軸
パルスモータドライバ回路、22…アップダウンカウン
タ。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指令位置に対応する指令パルス列を所定
    の速度パターンで発生する指令パルス発生手段と、この
    指令パルス列に従ってパルスモータを駆動するドライバ
    手段とを具備するミシンにおけるパルスモータ駆動制御
    装置において、 前記パルスモータの回転位置を検出する位置検出手段
    と、 前記パルスモータの駆動力に対する該モータ回転軸の相
    対的な負荷が増加する傾向にあるか、若しくは減少する
    傾向にあるかを検出するための負荷変動傾向検出手段
    と、 前記位置検出手段と前記負荷変動傾向検出手段の出力に
    応答して、前記負荷の増減変動傾向と、現在の指令位置
    に対する実際の位置の遅れ又は進み状態とをパラメータ
    として、前記指令パルス列のパルス発生速度を増速する
    ための速度調整データを発生するパルス速度調整手段と
    を具え、前記速度調整データによって前記指令パルス発
    生手段から発生する前記指令パルス列のパルス発生速度
    を制御するようにしたことを特徴とするミシンにおける
    パルスモータ駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記負荷変動傾向検出手段は、前記指令
    パルス発生手段により指示される現在の指令位置と前記
    位置検出手段により検出された実際位置との差を求める
    演算手段と、時間経過に伴う前記差の変化により、前記
    パルスモータの回転軸に加わる負荷の増減傾向を判定す
    る判定手段とを有するものである請求項1に記載のミシ
    ンにおけるパルスモータ駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記パルス速度調整手段は、前記判定手
    段により判定された負荷増減傾向と前記演算手段により
    求められた前記差の値とをパラメータとして、前記速度
    調整データを発生するものである請求項2に記載のミシ
    ンにおけるパルスモータ駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記パルス速度調整手段は、現在の指令
    位置に対する実際の位置のずれが所定の範囲内のとき、
    該ずれに応じた複数段階の速度調整データを発生するも
    のである請求項1に記載のミシンにおけるパルスモータ
    駆動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記パルス速度調整手段は、現在の指令
    位置に対する実際の位置のずれが最大トルクをもたらす
    状態を基準にして、該ずれがそれよりも小さくなるにつ
    れて増速率を段階的に増すように速度調整データを発生
    するものである請求項4に記載のミシンにおけるパルス
    モータ駆動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記指令パルス発生手段から発生する指
    令パルス列の速度パターンが少なくとも減速領域にある
    ときは、前記パルス速度調整手段による速度調整を行わ
    ないようにした請求項1乃至5のいずれかに記載のミシ
    ンにおけるパルスモータ駆動制御装置。
  7. 【請求項7】 パルスモータを駆動するための指令パル
    ス列を発生する第1のステップと、 パルスモータの回転位置を検出する第2のステップと、 前記指令パルスによって指示される現在の指令位置と実
    際の回転位置とのずれを検出する第3のステップと、 最大トルクを生じるときの現在の指令位置と実際の回転
    位置との所定の位置ずれを基準とし、前記第3のステッ
    プで検出した前記ずれが該所定の位置ずれよりも小さく
    なるほど増速率を高めるよう、前記パルスモータの駆動
    速度を増速する制御を行う第4のステップとを具えたミ
    シンにおけるパルスモータ駆動制御方法。
  8. 【請求項8】 前記パルスモータに加わる負荷が相対的
    に減少する傾向にあるときは、前記第3のステップで検
    出した前記ずれが前記所定の位置ずれに対応していても
    増速率を高めるよう増速制御を行う第5のステップを具
    えた請求項7に記載のミシンにおけるパルスモータ駆動
    制御方法。
  9. 【請求項9】 前記パルスモータに加わる負荷が相対的
    に減少する傾向にあるときは所定の最高増速率で増速制
    御を行う第6のステップを具えた請求項7又は8に記載
    のミシンにおけるパルスモータ駆動制御方法。
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Cited By (6)

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JP2004321771A (ja) * 2003-04-08 2004-11-18 Brother Ind Ltd ミシン及びパルスモータ制御プログラム
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