JPH0638665A - パン等の製造法 - Google Patents

パン等の製造法

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JPH0638665A
JPH0638665A JP3361499A JP36149991A JPH0638665A JP H0638665 A JPH0638665 A JP H0638665A JP 3361499 A JP3361499 A JP 3361499A JP 36149991 A JP36149991 A JP 36149991A JP H0638665 A JPH0638665 A JP H0638665A
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dextran
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パン及び洋菓子類の保存による品質劣化を抑
制する。 【構成】 パン及び洋菓子類の製造において、生地調整
時にデキストラン又はそれとデキストラン合成酵素を添
加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パン等(本願において
パン等とは、小麦粉を主原料とするドウをばい焼又は蒸
したものをいう。)の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】パン等は、経時的にちょう密度、食感等
の物性が劣化し、商品価値が低下する。例えば、食パン
では5〜10日間、スポンジケーキでは10〜20日間
でそれらの脆弱性が増し、パサツキなど明らかな食感の
変化がみられる。尚、この商品価値の低下は、一般に5
〜10℃の低温の方が、常温(20℃付近)より激し
い。
【0003】このような食品において、劣化を防止また
は遅延させるために従来より多くの試みがなされてい
る。
【0004】例えば、生地の調整の段階で、脂肪酸モノ
グリセライド、レシチン、ステアリル−2−乳酸エステ
ルなどの乳化剤、ソルビット、砂糖などの糖類あるいは
これらを含んだ油脂、キサンタンガム、プルランなどの
増粘多糖類又はα化加工澱粉などを添加することが挙げ
られる。
【0005】
【本発明が解決しようとする問題点】しかしながら、劣
化を防止するために上記の物質をパン等に添加しても、
期待する効果が得られなかったり、却って添加物の味が
パン等の味質に悪影響をあたえたりしていた。
【0006】本願発明者は、上記問題点を解決するため
に、鋭意研究を重ねた結果、以下の手段により期待する
効果を得ることができた。
【0007】
【課題を解決するための手段】パン等には、例えば、食
パン、バターロール、フランスパン、蒸しパン、カステ
ラ、スポンジケーキ又は饅頭の皮が該当する。
【0008】本発明に使用されるデキストランとは、一
般に定義されるデキストランである。その分子量は5万
〜5000万であり、グルコースの65%以上がα−
1,6結合を有するグルカンをいう。
【0009】そのなかでも分子量100万以上のテキス
トランが好ましく使用される。
【0007】本発明で使用するデキストラン合成酵素
は、澱粉又はしょ糖より上記に定義されるデキストラン
を合成する能力があればよい。
【0008】本発明で使用するデキストラン合成酵素と
して、例えば、しょ糖からデキストランを合成するデキ
ストランシュクラーゼ(E.C.2.4.1.5)又は
澱粉からデキストランを合成するデキストリンデキスト
ラナーゼ(E.C.2.4.1.2)がある。また、ア
ミラーゼ又はプルラナーゼなどの酵素と併存してもよ
い。
【0009】本発明で使用するデキストラン及びデキス
トラン合成酵素は、必ずしも精製処理した高純度品であ
る必要はなく、原料又は酵素反応副産物に由来する夾雑
物質の併存したものを用いてもよい。
【0010】生地調整時に添加するデキストラン又はデ
キストラン合成酵素の添加方法は、それらが生地中に均
一に分散する方法であれば制限はない。例えば、小麦粉
等のいずれかの原料と同時に加えてもよいし、予め、水
に溶解し加えてもよい。
【0011】本発明にいう一定時間保温とは、おおよそ
30分以上20〜50℃で保温することをいう。たとえ
ば、パン類などの製造のように、醗酵工程を有する場
合、醗酵工程がこれに該当する。
【0012】デキストラン及びデキストラン合成酵素の
生地調整時における添加量は、焼成後の生地中のデキス
トラン含量が小麦粉100部に対して、0.5〜10部
好ましくは2〜5部である。
【0013】本発明において、上記以外の手段は、通常
のパン等の製造法と同じである。
【0014】
【作用】生地調整時にデキストランを添加することによ
り、パン等の保存中における経時的な食感の変化を抑制
する(実験1)。
【0015】その機構は、次のように考察ができる。パ
ン等は澱粉、グルテン、脂質、糖質及び水分等から成る
複合体である。パン等を保存すると澱粉から水分が遊離
し、澱粉が老化する、さらにグルテンからも水分が遊離
しグルテンが硬化する等の現象が生ずる。
【0016】しかし、デキストランをパン等に添加する
と、デキストラン分子中のα−1,6結合により、澱粉
中のアミロース、アミロペクチンの構造及びグルテンの
網目構造に作用し、その網目構造をより強固なものとし
て水分の遊離を遅延させていると考えられる。
【0017】また、デキストランが食感の変化を抑制す
るのは、グルテンを含有する小麦粉を主体とするパン等
について見られる現象である。グルテンを含まない粳米
又は糯米から成るもち生地では、相当量添加しないとそ
の効果が得られない。
【0018】本発明に使用されるデキストランは、脂肪
酸モノグリセライド、レシチン、ステアリル−2−乳酸
エステルのようにエグ味や渋味を与えることもなく、ソ
ルビットや砂糖を添加した場合のように甘味を増したり
することもない。また、キサンタンガム、プルラン等の
他の増粘多糖類やα化加工澱粉よりも、少量で物性の劣
化を防止する効果を発揮するため、パン等の味質への影
響が少ない(実験4、実験5)。
【0019】醗酵工程を有するパン類などの製造におい
て、デキストラン合成酵素を用いてもよいのは、醗酵期
間中にも0.5〜10部のデキストランを生産する場合
があるからである(実験2)。
【0020】デキストラン合成酵素に、アミラーゼ、プ
ルラナーゼなどの酵素と併存させてよいのは、デキスト
ラン合成能力を向上させるためである(実験2)。
【0021】分子量が100万以上のデキストランを使
用するともちもちした食感のパン等が製造できる(案験
3)
【0022】(実験1)デキストラン添加の効果を確認
するテスト 70%中種法により、小麦粉に対し、デキストランを2
%及び4%置換し、常法により食パンを製造した。使用
したデキストランの平均分子量は1000万であった。 〔製法〕 (Lは低速攪拌、Hは高速攪拌をあらわす) 〔ソフトさの測定方法〕焼成翌日、フードレオメーター
で圧縮抗力を測定し、対照品(無添加品)の硬さを10
0とし、2週間経過後の変化を見た。食パンは、焼成後
ポリ袋に入れ、5℃にて保管した。食パンは、予め3c
m厚にし、各試料2回ずつ測定し、3個の平均をとっ
た。 〔結果〕図1に示すように、明らかに硬化する速度が遅
延されていた。官能的にも、対照区は、7日目以後、明
らかにボソボソとした食感を有する状態となっていたの
に対し、デキストラン2%及びデキストラン4%置換品
は、しっとりした良好な食感を有していた。
【0023】(実験2)デキストラン合成酵素添加の効
果を確認するテスト 以下の要領でバターロールを試作した。 プルラナーゼはAerobacter aerogen
es由来のものを使用した。 〔製法〕常法により、生地を調整した。 マーガリン以外を投入し、ミキシング L2分、
H4分 マーガリン投入後、 ミキシング L3分、
H3分 一次醗酵 30分(30℃) 分割 35〜40g/個 ベンチタイム 15分 成型、仕上げ醗酵 30分(30℃) オーブン 10〜12分(180℃) (Lは低速攪拌、Hは高速攪拌をあらわす) 〔結果〕焼成したバターロールを5℃にて10日間ポリ
袋に入れ保存し、20名のパネラーが評価した。 以上のように酵素添加をしたバターロールの方が明らか
に食感の劣化を防止する効果があらわれた。
【0024】(実験3)デキストランの分子量の違いに
よる効果を確認するテスト。 以下の配合及び製法によりフランスパンを製造した。こ
のとき、用いたデキストランは分子量 1万、7万、5
0万及び500万であった。 〔製法〕 混ねり時間 L4分、M7分 ねり上温度 25℃ 醗酵室温度 26℃ 醗酵時間 90分 パンチ1回 フロアータイム 60分(28℃) ホイロ 36℃、35分 焼成 240℃、35分 (Lは低速攪拌、Mは中速攪拌をあらわす) 〔結果〕焼成したフランスパンをポリ袋に入れ、常温で
1週間保存し評価した。
【0025】(実験4)他の多糖類との効果の差を確認
するテスト 以下の配合、製法によりスポンジケーキを製造した。こ
のとき、用いたプルラン及びデキストランの平均分子量
は20万であった。 〔製法〕全原料を混合攪拌し、比重を0.45とした。
これを8mm厚に均一に伸ばし、180℃で12〜14
分焼成し、水分18%とした。 〔結果〕焼成したスポンジケーキをカビを抑制するため
の脱酸素剤とともにアルミ包材に密封包装し、5℃にて
2ヶ月保存した。それを20名のパネラーが評価した。 以上のように、保存後の試食の結果、対照品に比べ、増
粘多糖類添加品は明らかに食感の劣化を抑制しているこ
とがわかる。また、他の増粘多糖類に比べても、優位性
があった。
【0026】(実験5)他の増粘多糖類との効果の差を
確認するテスト 以下の配合、製法により蒸しパンを製造した。 〔製法〕全原料を混合、4分間攪拌、及び型入れ(直径
100mm容器)し、15分間蒸した。 〔結果〕上記蒸しパンをカビを抑制するための脱酸素剤
とともにアルミ包材に密封包装し、5℃にて2ヶ月保存
した。それを20名のパネラーが評価した。 以上のように、保存後の試食の結果、デキストラン添加
の蒸しパンは、他の増粘多糖類添加のものよりも、食感
劣化の抑制がみられた。
【0027】
【効果】本発明により、パン等の食感等の劣化を抑制
し、長期間、焼き立ての状態に維持できる。また、従来
使用された添加物のように、味質の変化を与えることは
ない。さらに、焼成後の生地のボリュームが増すことに
よる歩留り向上やもちもちとした食感を与えることもで
きる。
【0028】
【実施例】
(実施例1)食パンの製造 70%中種法により、小麦粉に対し、デキストランを4
%置換し、常法により食パンを製造した。使用したデキ
ストランの平均分子量は1000万であった。 〔結果〕本品は、14日経ても、しっとりした良好な食
感を有していた。
【0029】(実施例2)バターロールの製造 以下の要領でバターロールを試作した。 デキストランデキストラナーゼはGluconobac
teroxydans由来、プルラナーゼはAerob
acter aerogenes由来のものを使用し
た。 〔製法〕常法により、生地を調整した。 マーガリン以外を投入し、ミキシング L2分、
H4分 マーガリン投入後、 ミキシング L3分、
H3分 一次醗酵 30分(30℃) 分割 35〜40g/個 ベンチタイム 15分 成型、仕上げ醗酵 30分(30℃) オーブン 10〜12分(180℃) (Lは低速攪拌、Hは高速攪拌をあらわす) 〔結果〕焼成したバターロールをポリ袋に入れ5℃にて
10日間保存したあと、試食評価した。配合1及び配合
2はともにパサツキがなく、しっとりとして旨かった。
【0030】(実施例3)フランスパンの製造 以下の配合及び製法によりフランスパンを製造した。こ
のとき、用いたデキストランは分子量500万であっ
た。 〔製法〕 混ねり時間 L4分、M7分 ねり上温度 25℃ 醗酵室温度 26℃ 醗酵時間 90分 パンチ1回 フロアータイム 60分(28℃) ホイロ 36℃、35分 焼成 240℃、35分 (Lは低速攪拌、Mは中速攪拌をあらわす) 〔結果〕焼成したフランスパンをポリ袋に入れ、常温に
て1週間保存した。本品は、保存後もパサツキがなく、
さらにもちもちした食感があった。
【0031】(実施例4)スポンジケーキの製法 以下の配合、製法によりスポンジケーキを製造した。こ
のとき用いたデキストランの平均分子量は20万であっ
た。 〔配合〕 (g) 上白糖 150 超薄力粉 142.5 デキストラン 7.5 全卵 250 スポンジ用油脂 40 脱脂粉乳 5 膨張剤 2 〔製法〕全原料を混合攪拌し、比重を0.45とした。
これを8mm厚に均一に伸ばし、180℃で12〜14
分焼成し、水分18%とした。 〔結果〕焼成したスポンジケーキをカビの抑制のための
脱酸素剤とともにアルミ包材に密封包装し、5℃にて2
ヶ月保存した。本品は保存後もしっとりとして美味しか
った。
【0032】(実施例5)蒸しパンの製造 以下の配合、製法により蒸しパンを製造した。 〔配合〕 (g) 薄力粉 100 デキストラン(分子量500万) 1 全卵 25 重曹 1.5 ベーキングパウダー 1.5 糖液(黒砂糖50%) 15 〔製法〕全原料を混合、4分間攪拌し、型(直径100
mm容器)に入れた後、15分間蒸した。 〔結果〕これを、カビを抑制するための脱酸素剤ととも
にアルミ包材に密封包装し、5℃にて2ヶ月保存した。
本品は保存後もしっとりとして美味しかった。
【0033】
【図面の簡単な説明】
【図1】 デキストラン置換品と対照品との経時的な圧
縮抗力を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生地調整時にデキストランを添加するこ
    とを特徴とするパン等の製造法。
  2. 【請求項2】 生地調整時にデキストラン合成酵素のみ
    又はデキストランとデキストラン合成酵素とを添加した
    後、一定時間保温することを特徴とするパン等の製造
    法。
  3. 【請求項3】 焼成後の生地中のデキストラン含量が小
    麦粉100部に対して0.5〜10部よりなることを特
    徴とする請求項1又は請求項2に記載のパン等の製造
    法。
  4. 【請求項4】 分子量100万以上のデキストランを使
    用することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項
    3に記載のパン等の製造法。
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