JPH0640728B2 - 回転電機の電機子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機の電機子及びその製造方法

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JPH0640728B2
JPH0640728B2 JP63046314A JP4631488A JPH0640728B2 JP H0640728 B2 JPH0640728 B2 JP H0640728B2 JP 63046314 A JP63046314 A JP 63046314A JP 4631488 A JP4631488 A JP 4631488A JP H0640728 B2 JPH0640728 B2 JP H0640728B2
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勢武夫 阿部
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は回転電機の電機子に係わり、特に絶縁性及び接
着性の良好なワニスのスロット絶縁を有する回転電機の
電機子に関する。
〔従来の技術〕
回転電機の電機子は、複数のスロットを形成した回転子
コアを有し、回転子コアの各スロットにはコイルが巻線
されている。このスロット内に巻線されたコイルはスロ
ット内面から隔離することによりスロット絶縁すること
が必要であり、従来はそのために種々の方策を講じてい
た。例えば実開昭61−41346号に記載の従来例で
は、第6図に示すように、電機子コア1の各スロット2
の内面に絶縁紙3を敷き、コイル4を埋設して巻線完了
後、ワニス5を含浸させ、硬化形成していた。また他の
従来例では、第7図に示すように、スロット2の内面に
粉体樹脂層6を形成し、コイル4を埋設して巻線完了
後、ワニス5を含浸硬化するか、同種の粉体樹脂を付着
させていた。さらに特開昭59−110355号では、
液体樹脂をスロット内面にコーティングすると共に、ス
ロットのコア端面出口のエッジ部分に絶縁紙を装着して
いた。
〔発明が解決しようとする課題〕
第6図に示す従来例では、第8図に示すようにコイル4
を巻線作業する場合、絶縁紙3を敷いてあるので、スロ
ット2のコア端面出口のエッジ部分7でコイルの被膜の
剥離が生じる可能性は少なく、絶縁不良は低減できる。
しかしながら、コア1がスタータのような30000rpm程度
の高速で回転する場合は、コイル4に遠心力が生じるた
め、硬化したワニス5と絶縁紙3との境界面でこの力を
保持しなければならず、始動停止を繰り返すスタータ
は、高温時の熱収縮の違いで境界面に隙間を生じ、接着
強度が著しく低下するので、遠心力が保持できなくなる
という問題があった。またその双方の材質の違いによる
高温時の熱収縮の違いにより、絶縁性が低下するという
問題もあった。一方、第7図に示す従来例では、スロッ
ト内面に形成された粉体絶縁層6とワニス5とが材質が
異なるため、上記従来例と同様の問題を生じるし、ワニ
ス5の代わりに同種の粉体樹脂を充填する場合には、粉
体樹脂をスロット深部まで十分浸透させることが困難で
あるという問題があった。また特開昭59−11035
5号に記載のスロット出口のエッジ部分のみに絶縁紙を
装着する従来例では、スロットエッジ部分で絶縁紙とワ
ニスとの材質の違いにより上記従来例と同様、接着強度
が低下するだけでなく、コア端面側で絶縁紙の厚み分だ
けコイルの占積率が低下し、電機子が大型化するという
問題もあった。
本発明の目的は、コイルの巻線作業時に絶縁不良を生じ
ることがなく、接着強度や絶縁性能の向上が図れ、スロ
ット深部までワニスを浸透させることができ、かつコイ
ルの占積率を向上させ小形化を図れる回転電機の電機子
及びその製造方法を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的は、電機子コアのスロット内にコイルを埋設す
る前に、電機子コアを回転させながら無機質フィラーを
含む液状耐熱性樹脂をスロット内面及びコア端面に付着
させ、電機子コアを回転させながらその液状耐熱性樹脂
を加熱硬化した後、スロット内にコイルを巻線し、同一
の液状耐熱性樹脂をスロット内に充填し、加熱硬化する
という製造方法によって作られた回転電機の電機子によ
って達成される。
スロット内面及びコア端面に付着させる液状耐熱性樹脂
は、常温で粉体の樹脂を液相に変化する温度に加熱した
ものであり、この液状耐熱性樹脂の加熱硬化はそれより
もさらに高い温度に加熱して行なわれる。
スロット内面及びコア端面に付着させる液状耐熱性樹脂
は、例えば、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の粉体に無
機質フィラーとしてアルミナ、シリカ、タルクの1つを
含ませたものを加熱して液相に変化させたものとするこ
とができる。
上記回転電機の電機子は、構造的には、電機子コアのス
ロットの内面と、コア端面の少なくとものため高速回転
時の遠心力による保持力低下が防止されると共に、絶縁
性が向上する。また両耐熱性樹脂は、液相に加熱された
状態で付着、充填されるので、スロット深部まで浸透す
る。さらに、コア端面エッジ部分の被覆層の確保により
絶縁紙を装着する必要がなく、コイルの占積率が向上
し、小形化できる。
〔実施例〕
以下、本発明の好適実施例を図面を参照して説明する。
第1図及び第2図はスロット内にコイルを巻線する前の
中間状態にある回転電機の電機子の構造を示し、第3図
は完成後の電機子のスロット断面を示すものである。
第1図及び第2図において、電機子10は回転軸11
と、この回転軸11に装着された積層構造のコア12を
有し、コア12には複数のスロット13が形成されてい
る。スロット内面14及びコア端面15の少なくともス
ロット出口のエッジ部分15Aには、無機質フィラーを
含む液状耐熱性スロット出口のエッジ部分とに、無機質
フィラーを含む液状耐熱性樹脂を加熱硬化した被覆層が
設けられ、スロット内のこの被覆層の上にコイルが巻線
され、スロット内のこのコイルの周囲に被覆層と同一の
液状耐熱性樹脂を加熱硬化した絶縁物が充填されてい
る。
〔作用〕
電機子コアを回転させながら無機質フィラーを含む液状
耐熱性樹脂をスロット内面及びコア端面に付着させ、電
機子コアを回転させながらその液状耐熱性樹脂を加熱硬
化するので、液状耐熱樹脂はスロット内面だけでなく、
コア端面の少なくともスロット出口のエッジ部分にも被
覆される。これによりコア端面エッジ部分に液状耐熱性
樹脂を加熱硬化した被覆層が形成され、この被覆層によ
り、コイルの巻線作業時に当該エッジ部分で絶縁不良が
生じることが防止される。この被覆層は、その後スロッ
ト内に充填される絶縁物の樹脂と同一のものであるた
め、密着性が良く、高温時の熱収縮の違いがなく、境界
面に隙間を生じない。こ樹脂を加熱硬化した被覆層1
6,17が設けられている。電機子10は、この後、ス
ロット13内にコイル18が巻線され、第3図に示すよ
うに、スロット13内のコイル18の周囲に、被覆層1
6と同一の液状耐熱性樹脂を加熱硬化した絶縁物19が
充填され、電機子として完成される。なお、本願明細書
で「同一」とは、耐熱性樹脂自体が同一であり、無機質
フィラーの有無又はその割合で異なるものも含む意味で
使用する。
電機子10は以下のようにして製造される。
無機質フィラーを含む常温で粉体の耐熱性樹脂を液相に
変化させる温度に加熱し、この液状耐熱性樹脂を電機子
コア12を回転させながらスロット13の内面14及び
コア端面15に塗布する。塗布厚さは約200μで、塗
布方法は滴下、浸漬、スプレー等により行う。滴下によ
り行う場合は、第4図(A)に示すように、2つの滴下ノ
ズル20をコア12の両端面位置の上方に配置して行
う。浸漬により行う場合は、第5図に示すように、コア
12の下側を液状樹脂を21の中に漬けて行う。液状耐
熱樹脂の層を厚くするには、組成や温度を適宜選定して
粘性を大きくするか、塗布回数を増せばよい。次いで、
その後第4図(B)に示すように、さらにコア13を回転
させながらその耐熱性樹脂を加熱硬化する。
ここで耐熱性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、油変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキ
ド樹脂、フェノール変性アルキド樹脂、フェノール樹
脂、油変性フェノール樹脂、ビニルホルマール樹脂、エ
ポキシエステル樹脂、ポリプタジエン樹脂、ウレタン樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂などを用い
ることができる。また無機質フィラーは耐熱性を増すた
めのものであるが、被覆層を硬くする役目もする。無機
質フィラーとしては、シリカ、アルミナ、タルクなどを
用いることができる。
実例としては、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の粉体に
アルミナの無機質フィラーを入れ、これを約100〜1
50℃程度に加熱すると液状になる。このワニスを、同
程度に加熱したコア12を50rpm程度で回転させなが
ら、前述した第4図(A)に示す方法で滴下すると、コア
12の両端面位置でスロット13内に滴下した液状耐熱
性樹脂は、円周方向にはスロット側壁があり流動できな
いので、スロット13内を軸方向左右に流動する。この
ときコア端面15に向かって流動した液状耐熱性樹脂
は、コア端面15のエッジ部分15Aを超えてコア端面
15上に滴下、付着するが、コア12は回転しているの
で、コア端面15に付着した液状耐熱性樹脂は遠心力に
より半径方向外側に移動し、一定量以上の液状耐熱性樹
脂がコア端面15に付着することが阻止される。一方ス
ロット13内でコア中央部に向かって流動した液状耐熱
性樹脂も同様に遠心力により半径方向外側に移動し、ス
ロット内面14を覆う。以上のことがくり返され、2つ
の滴下ノズル20より滴下した液状耐熱性樹脂はコア1
2のスロット内面14とコア端面15に付着する。滴下
完了後は同じ50rpm程度の回転を続けながら約200
〜250℃程度に加熱すると、約30分で硬化する。
この加熱硬化時においても、コア12の端面15に塗布
された樹脂は遠心力により半径方向外方の力を受け、コ
ア端面15の平面部よりもスロット出口のエッジ部分1
5Aの方が厚くなり、ここに溜まりを生じる。この際、
特に液状耐熱性樹脂中に入っている比較的重い無機質フ
ィラーは遠心力によりこの部分に集中する。この溜まり
は硬化後に上述した端面エッジ部分の被覆層17とな
る。これによりコイル巻線作業時にコイル屈曲部に当た
るコア12のエッジ部分15Aが硬い組織の被覆層17
によって絶縁強化され、絶縁性が向上すると共に、エッ
ジ部分15Aで曲げによりコイル被膜の剥離も防止で
き、絶縁不良を防止することができる。
コイル18の巻線完了後、被覆層16,17と同一の耐
熱性樹脂を液状に加熱したものをスロット13内に含浸
させ、加熱硬化する。これにより絶縁物19が形成され
る。この絶縁物19と被覆層16とは同一のものである
ので、高温時の熱収縮の違いは小さく、絶縁性及び接着
性は向上する。
〔発明の効果〕
本発明によれば、電機子コアを回転させながら無機質フ
ィラーを含む液状耐熱性樹脂をスロット内面及びコア端
面に付着させ、電機子コアを回転させながらその液状耐
熱性樹脂を加熱硬化したので、コア端面エッジ部分に液
状耐熱性樹脂を加熱硬化した被覆層が形成され、この被
覆層により、コイルの巻線作業時に当該エッジ部分で絶
縁不良が生じることが防止される。またこの被覆層は、
スロット内に充填される絶縁物と同一のものであるた
め、高温時の熱収縮の違いがなく、高速回転時の遠心力
による保持力抵抗が防止されると共に、絶縁性が向上す
る。また同一の樹脂を使用するため生産設備の簡素化が
図られ、作業も容易となる。また両耐熱性樹脂は、液相
に加熱された状態で付着、充填されるので、スロット深
部まで浸透する。さらに、コア端面エッジ部分の被覆層
の確保により絶縁紙を装着する必要がなく、コイルの占
積率が向上し、小形化できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における回転電機の回転子の
製造過程中間状態における斜視図であり、第2図は第1
図のII−II線に沿った断面図であり、第3図は完成後の
回転子のスロット断面図であり、第4図(A) 及び(B)
は、それぞれ滴下により液状耐熱性樹脂を塗布する工程
及びその後の加熱硬化工程を示す図であり、第5図は浸
漬により液状耐熱性樹脂を塗布する工程を示す図であ
り、第6図は従来方法によるスロット絶縁を示すスロッ
ト断面図であり、第7図は他の従来方法によるスロット
絶縁を示すスロット断面図であり、第8図は巻線作業を
する際のスロット出口のコア端面エッジ部分の平面図で
ある。 符号の説明 10……電機子、12……コア 13……スロット、14……スロット内面 15……コア端面 15A……コア端面のエッジ部分 16,17……被覆層、18……コイル 19……絶縁物
フロントページの続き (72)発明者 鎌田 直樹 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 阿部 勢武夫 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 渡辺 康明 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 小野 良道 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所佐和工場内 (72)発明者 田原 和雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 大森 英二 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電機子コアのスロット内にコイルを埋設す
    る前に、電機子コアを回転させながら無機質フィラーを
    含む液状耐熱性樹脂をスロット内面及びコア端面に付着
    させ、電機子コアを回転させながらその液状耐熱性樹脂
    を加熱硬化した後、スロット内にコイルを巻線し、同一
    の液状耐熱性樹脂をスロット内に充填し、加熱硬化して
    できたことを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 【請求項2】前記スロット内面及びコア端面に付着させ
    る液状耐熱性樹脂は、常温で粉体の樹脂を液相に変化す
    る温度に加熱したものであり、この液状耐熱性樹脂の加
    熱硬化をそれよりもさらに高い温度に加熱して行うこと
    を特徴とする請求項1記載の回転電機の電機子。
  3. 【請求項3】前記スロット内面及びコア端面に付着させ
    る液状耐熱性樹脂は、エポキシ樹脂とフェノール樹脂の
    粉体に無機質フィラーとしてアルミナ、シリカ、タルク
    の1つを含ませたものを加熱して液相に変化させたもの
    であることを特徴とする請求項1記載の回転電機の電機
    子。
  4. 【請求項4】電機子コアのスロットの内面と、コア端面
    の少なくともスロット出口のエッジ部分とに、無機質フ
    ィラーを含む液状耐熱性樹脂を加熱硬化した被覆層を設
    け、スロット内のこの被覆層の上にコイルを巻線し、ス
    ロット内のこのコイルの周囲に被覆層と同一の液状耐熱
    性樹脂を加熱硬化した絶縁物を充填したことを特徴とす
    る回転電機の電機子。
  5. 【請求項5】電機子コアのスロット内にコイルを埋設す
    る前に、電機子コアを回転させながら無機質フィラーを
    含む液状耐熱性樹脂をスロット内面及びコア端面に付着
    させ、電機子コアを回転させながらその液状耐熱性樹脂
    を加熱硬化した後、スロット内にコイルを巻線し、同一
    の液状耐熱性樹脂をスロット内に充填し、加熱硬化した
    ことを特徴とする回転電機の電機子の製造方法。
JP63046314A 1987-12-14 1988-02-29 回転電機の電機子及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH0640728B2 (ja)

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