JPH0640939A - 良性前立腺肥大の処置に用いる薬剤配合物 - Google Patents

良性前立腺肥大の処置に用いる薬剤配合物

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JPH0640939A
JPH0640939A JP5080753A JP8075393A JPH0640939A JP H0640939 A JPH0640939 A JP H0640939A JP 5080753 A JP5080753 A JP 5080753A JP 8075393 A JP8075393 A JP 8075393A JP H0640939 A JPH0640939 A JP H0640939A
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JP5080753A
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Nava Zisapel
ナヴァ・ジサペル
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Neurim Pharmaceuticals 1991 Ltd
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Neurim Pharmaceuticals 1991 Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良性前立腺肥大(BPH)の処置に用いるメ
ラトニンを含有する薬剤配合物を提供する。 【構成】 男性のBPHの処置に用いる薬剤配合物にお
いて、キャリヤー、希釈剤またはアジュバントと共に、
(1)BPHの処置に有効な量のメラトニン;ならびに
(2)アンチアンドロゲン、アンチエストロゲン、成長
ホルモン、および/または前立腺テストステロンレダク
ターゼ抑制薬;ならびに/あるいは(3)オキサゼパム
または他のメラトニン受容体プロフィル調節薬を含む配
合物を開示する。本発明は、男性におけるBPHの処置
に用いる薬剤の製造におけるメラトニンの使用、および
薬剤として使用されるメラトニンをも開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良性前立腺肥大(BP
H)の処置法およびこの目的に用いる薬剤配合物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】メラトニンはすべての脊椎動物において
松果腺により分泌される主ホルモンである。ヒトを含め
て今日までに調べられたすべての哺乳動物において、そ
の哺乳動物が夜行性であるか、昼行性であるかにかかわ
らず、夜間に松果腺によるメラトニン産生の上昇が顕著
であり、逆に身体によるメラトニン産生は光によって急
激に抑制される。メラトニンは光周期と生理学的過程の
同調に関与しており、たとえばそれらの体温調節および
生殖を時間調整するために光周期の変化を利用する動物
においては、体温調節系および生殖系に対する一時的信
号は暗相におけるメラトニン滞留時間の1日のリズムに
より制御される。多数の研究が、メラトニンは生殖腺の
活動に有効な影響をもつことを示している。
【0003】メラトニン投与のタイミングがその生物学
的活性にとって重要であることが示された。たとえば定
常的な明所においてその概日リズムが乱れ、または不規
則になっているラットの場合は、定常的な暗所において
自由に運動しているラットの場合と同様に、それらのリ
ズムは毎日のメラトニン注射により同調されるが、これ
に対し循環状態のメラトニンが絶えず得られる状態、ま
たは午前中のメラトニン注射は午後のメラトニンに対す
る生殖腺の反応を時に妨害することが認められた。本発
明者は、たとえばジザペル(Zisapel)ら、Ne
uroendocrinology 40:102(1
985)に、ラット視床下部からのドーパミンの刺激放
出のメラトニンによる抑制は光周期の初期に最高であ
り、午後の初めに最低であることを示した。
【0004】メラトニン信号に対する動物またはヒトの
反応性はメラトニン受容体に依存すると思われる。たと
えば明14時間/暗10時間の1日スケジュール下にあ
るラットおよびシリアハムスターにおいて、別個の脳領
域(視床下部、橋−延髄(medulla−pons)
および海馬)におけるメラトニン結合部位の密度は24
時間にわたって異なるパターンおよび位相で有意に変動
することが示されたが、他の脳領域(線条体、頭頂骨皮
質、小脳)においてはこのような変動は見られなかっ
た。メラトニン結合部位の山または谷のタイミングと組
織メラトニン含量の頂点と底の間にはわずかな重なりが
あったにすぎず、従ってメラトニン結合部位におけるリ
ズムは内在性ホルモンによる受容体の自動制御によるも
のではないと思われる。これに関して外来性メラトニン
を若いラットまたはハムスターに午前または午後遅く注
射しても、大部分の脳領域においてメラトニン結合部位
の密度または昼間変動に影響がなく;海馬および中脳に
おいては午前中に注射されたメラトニンが午後遅く見ら
れる通常のメラトニン結合部位増加を阻止し、これに対
し午後遅く注射されたメラトニンは夜間のメラトニン結
合部位増加を中脳のみにおいて抑制することも示され
た。
【0005】外から投与されるメラトニンは、午後遅く
投与された場合はハムスターおよび未成熟ラットにおい
て抗生殖腺反応を引き起こし、かつテストステロンの血
清中濃度を低下させ、これに対し長期間維持された松果
体切除ハムスターにおいては、長期間の10時間注入が
ハムスターにおいて生殖腺退行を引き起こし、一方では
予め短期間暴露したのちには4−6時間のメラトニン注
入が生殖腺を刺激するという点で、メラトニン投与期間
が決定的であることも知られている。
【0006】さらに、ラットおよびヒトを含めた数種に
おいて、松果腺における夜間のメラトニン産生が年齢と
共に減少することも知られている。さらに、プローブと
して125I−メラトニンを用いて示されたように、高齢
ラット脳の別個の領域においてメラトニン結合部位の2
4時間平均値の低下および概日変動の喪失が起こること
が認められた(ロードン(Laudon)ら、Neur
oendocrinology 48:577,198
8)。メラトニンリズムはラット脳において記録された
125I−メラトニン結合リズムの原因ではないと思われ
るが、メラトニンリズムの振幅の低下が位相の分散をも
たらし、その結果脳のメラトニン結合部位のリズム性が
消失したという可能性はある。すなわち年齢に関連した
メラトニン水準および結合部位密度の低下は、神経内分
泌系が光周期メッセージに反応する能力を低下させると
思われる。
【0007】メラトニンが被験者に静脈内または経口的
に投与されたが、有意の毒性は認められなかった。各種
の研究により、メラトニン仲介による疲労および時には
抑うつまたは睡眠が証明された。メラトニンは催眠性で
はないが、概日体制に対するその作用により睡眠−覚醒
サイクルのタイミングを変化させると思われる。たとえ
ば最近の研究により、夜間の睡眠ゲートのタイミングが
夜間のメラトニン分泌増加に一時的に関連することが示
された。睡眠ゲートの″開放″はメラトニンの臨界蓄積
を表し、これが脳のソモゲニック(somogeni
c)構造を活性化すると思われる。
【0008】メラトニンを各種の療法の目的に用いるこ
とは、多数の特許および特許出願の対象である。たとえ
ば米国特許第4,600,723号明細書には、たとえ
ば労働パターンを日中から夜間へ移行する際に起こる可
能性のある、または時差ぼけの場合に、身体の動作また
は機能の概日リズムの乱れのマイナスの影響を緩和また
は予防するためにメラトニンを投与することが示されて
いる。
【0009】さらに米国特許第4,654,361号明
細書には、ヒトにおいて眼内圧が異常に高い場合にこれ
を低下させるためにメラトニンを投与することが示さ
れ、一方米国特許第4,945,103号明細書には、
月経前症候群を克服するのに十分な用量水準でメラトニ
ンを投与することによりこの症候群を処置する方法が示
されている。
【0010】国際特許出願公開第87/00432号明
細書には、乾せんを治療または予防するためのメラトニ
ンまたは関連化合物を含有する組成物が記載されてい
る。国際特許出願公開第88/07370号明細書に
は、女性において排卵を抑制し、これにより避妊を行う
ために、また女性において乳癌を予防するために、メラ
トニンを投与することが示されている。老化の影響に対
処するための薬剤組成物の1成分としてメラトニンまた
は関連化合物を用いることは、国際特許出願公開第89
/04659号明細書に示されている。欧州特許出願公
開第0330625A2号明細書には、エイズの処置の
ためにメラトニンをアジドチミジンと組み合わせて投与
することを含めて、各種の療法の目的でメラトニンおよ
びその同族体を製造することが示されている。
【0011】本出願人による米国特許出願第07/69
7,714号明細書(1991年5月9日出願)の優先
権に基づく先の出願は、対象者におけるメラトニン欠乏
症または血漿メラトニンの水準およびプロフィルのひず
みを矯正する方法、およびメラトニンを含有する制御放
出型薬剤組成物に関するものである。
【0012】米国特許第4,600,723号、米国特
許第4,654,361号、米国特許第4,945,1
03号、国際特許出願公開第87/00432号、国際
特許出願公開第88/07370号、国際特許出願公開
第89/04659号および欧州特許出願公開第033
0625A2号ならびに本出願人による先の米国特許出
願明細書の内容全体をここに参考としてそのまま引用す
る。
【0013】前立腺、アンドロゲンおよびメラトニン 大量の精液漿が前立腺、精のうおよび球尿道(カウパ
ー)腺により産生されることは知られているが、前立腺
の詳細な生物学的機能はまだ未知である。前立腺の病的
状態により引き起こされる疾病は男性における最も一般
的な悲惨な疾病の幾つかである。ヒト前立腺の過剰増殖
(肥大)(BPH)は80歳になる前に男性人口の80
%において起こり、25%はこの過剰増殖により引き起
こされる尿閉を軽減するために時には外科処置を必要と
するであろう(総説に関してはエスターリング(Oes
terling,J.E.),J.Andrology
12,348−55,1991年12月を参照された
い)。BPHの正確な原因は十分には解明されていない
が、適したホルモン環境、詳細にはアンドロゲンの存在
下での上皮−間質相互作用の結果として起こると考えら
れる。前立腺切除がBPHに対して現在選ばれる処置で
あるが、肥大した前立腺の縮小を目標とした医療が他の
選択手段として開発されつつある。
【0014】前立腺の分化およびその後の生後組織増殖
は共に、精巣で合成されるアンドロゲンホルモンにより
制御され、これは前立腺内でジヒドロテストステロンに
変換される。無調節なジヒドロテストステロンの作用が
肥大性の前立腺増殖を引き起こすと考えられる。アンド
ロゲンを取り去ると、ラットの腹側前立腺においてプロ
グラムされた細胞死(アポプトーシス、apoptos
is)を生じることが示された。
【0015】テストステロン欠乏症は急速な前立腺退縮
をもたらす。アンドロゲンの減少がアンドロゲン依存性
の前立腺細胞の増殖を抑制し、これらの細胞に細胞萎縮
(すなわち細胞の高さおよび分泌機能の低下)および一
連の生化学的事象の活性化の双方を誘発し、結果的にこ
れらの細胞にエネルギー依存性のプログラムされた死を
もたらすからである。すなわちアンドロゲン依存性前立
腺細胞内においてアンドロゲンが作用する細胞反応は少
なくとも3種類ある:分泌、増殖、および死の抑制。前
立腺内においてこれらの反応それぞれに関与するアンド
ロゲンの特異的部分は完全には解明されていない。量的
には血液中の主要な循環アンドロゲンはテストステロン
である。前立腺内においてテストステロンは急速に一連
の代謝産物に変換され、その主要なものは5α−ジヒド
ロテストステロン(DHT)であり、これはアンドロゲ
ン依存性前立腺細胞内における活性な細胞内アンドロゲ
ンである。ヒトBPHにおいては、アンドロゲン代謝酵
素は正常な組織と比較して、より低い3α−ヒドロキシ
ステロイドレダクターゼおよびより高い3−ケトステロ
イド−5α−レダクターゼに変化することが知られてい
る。
【0016】最近開発されたBPH処置法には、たとえ
ば黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)同族体によ
り化学的に去勢し、その結果アンドロゲン欠損を生じる
ものが含まれるが、これにはテストステロン依存性機
能、たとえば筋肉量、リビドおよび勃起の損傷を引き起
こす欠点がある。
【0017】BPHにおいて前立腺間質細胞中の5α−
レダクターゼ活性が上昇すること、および5α−レダク
ターゼ抑制薬を用いる処置によりBPHを伴う動物およ
びヒトにおいて前立腺の大きさが縮小することが知られ
ている。前立腺内のすべてのアンドロゲンを減少させる
去勢とは異なり、5α−レダクターゼ抑制薬を用いる処
置はDHTおよびその代謝産物の水準を低下させ、一方
では前立腺内のテストステロンを増加させる。この前立
腺内テストステロンの大幅な増加は競合性5α−レダク
ターゼ抑制薬による初期抑制の一部を克服し得たが、前
立腺増殖の不完全な抑制をもたらす。これに関して、メ
ラトニンはヒトにおける循環テストステロン水準を上昇
させないことが注目される。前立腺の発育および増殖に
対するメラトニンの作用様式は5α−レダクターゼ抑制
薬のものと異なると思われる。メラトニンはBPH組織
試料において3α−レダクターゼ活性を刺激するが、5
α−レダクターゼ活性には影響を及ぼさないことが示さ
れ(ホルストおよびアダム(Horst,Adam),
Horm.metab.Res.14,54,198
2)、これはメラトニンがDHTを3α−アンドロスタ
ンジオールに変換することにより前立腺のDHT水準を
低下させ得たことを示唆する。
【0018】他の方法、たとえばテストステロン水準を
低下させることなくテストステロン仲介による反応を遮
断する非ステロイド系抗アンドロゲンの使用は、まだ実
験段階である。
【0019】メラトニンは生殖生理の制御に際し、特に
季節交配動物、たとえばハムスターおよびヒツジにおい
て主要な役割を果たし(タマルキン(Tamarki
n)ら,Science 227,714−720,1
985)、その際これは短い光周期が生殖腺の生理に及
ぼす作用を仲介する。脳の特定の部分、特に視床下部は
メラトニンの抗生殖腺活性および神経内分泌活性の部位
として暗示されている(グラス(Glass),Pi
n.Res.Rev.6,219−259,198
8)。雄ラットにおいて、去勢または精巣ライディッヒ
細胞の変性は、特に視床下部および海馬においてメラト
ニン結合部位の顕著な減少を生じた;この効果は外来性
テストステロンの注射により逆行した(ジサペルおよび
アニス(Zisapel,Anis),Mol.Cel
l.Endocrinol.60,119−126,1
988)。シリアハムスターにおいては、去勢は同様に
脳のメラトニン結合部位にテストステロン可逆性の減少
をもたらした;この反応は長期間ではなく短期間維持さ
れた動物において明瞭であった(アニスおよびジサペル
(Anis,Zisapel),Molec.Cel
l.Endocrinol.76,23−34,199
1)。
【0020】さらに下記のことが知られている:メラト
ニンはラットにおいて精巣におけるテストステロン合成
を抑制し(ピートおよびキンソン(Peat,Kins
on),Steroids 17,251−264,1
971)、精巣の間質細胞および細管の双方においてア
ンドロゲン合成を低下させ(エリス(Ellis),E
ndocrinology 90,17−28,197
2)、ラットの肝臓および視床下部においてδ−4−レ
ダクターゼ活性を刺激し(フレーン(Frehn),
J.Endocrinol.60,507−515,1
974)、プロゲステロンおよびテストステロンの双方
につき細精管の5α−レダクターゼを増加させ(エリス
(Ellis),Endocrinology 90,
17−28,1972)、雌ラットにおいて減少したス
テロイド代謝産物の副腎分泌を高め(オグレおよびキテ
イ(Ogle,Kitay),Neuroendocr
inology 23,113−120,1977)、
かつ定常的な暗所に保持された松果体切除した雄ラット
において、テストステロン代謝を抑制することなく副生
殖腺の大きさを縮小する(シラマ(Shirama)
ら,J.Endocrinology 95,87−9
4,1982)。経口投与されたメラトニンは、松果体
切除した雄ラットの腹側前立腺および貯精のうの重量を
減少させ、腹側前立腺および貯精のうの5α−レダクタ
ーゼではなく3β−ヒドロキシステロイドレダクターゼ
を増加させた(ホルスト(Horst)ら,Exper
imentia 388,968−970,198
2)。前立腺アンドロゲン受容体に対するメラトニンの
作用は、動物の年齢および光サイクル暴露に依存する
(メラー(Moeller)ら,Res.Exp.Me
d.183,157−165,1983)。メラトニン
は、黄体化ホルモンまたは絨毛ゴナドトロピンが誘発し
た顆粒膜細胞からのエストロゲンおよびプロゲステロン
の分泌増加をインビトロで促進し(フィスケ(Fisk
e)ら,Endocrinology 114,407
−410,1984)、インビトロでヒトおよびウシの
顆粒膜細胞によるプロゲステロンの分泌を刺激する(ウ
ェブレイおよびラック(Webley,Luck),
J.Reprod.Fert.78,711−717,
1986;ウェブレイ(Webley)ら,J.Rep
rod.Fert.84,669−677,198
8)。
【0021】高用量(750mcg)のメラトニンの皮
下投与は、去勢ラットにおいて外来性テストステロンの
存在下で腹側前立腺の退行を促進し(デベルジャク(D
ebeljuk)ら,Endocrinology
,1358−1360,1970)、下垂体切除動物
において精巣および腹側前立腺の双方の重量を減少させ
ることが示された(デベルジャク(Debeljuk)
ら,Endocrinology 89,1117−1
119,1971)。(ちなみにデベルジャクらがラッ
トに投与したものに相当する量のメラトニンは80kg
のヒトへの投与については200mg以上になると記載
しうる。)他の研究は、16−40mcg/日の経口投
与が雄および雌のラットの青春期の発育−−雄における
前立腺の発育を含む−−を遅延させることを示している
(ジサペルおよびラウドン(Zisapel,Laud
on),Eur.J.Pharmacol.136,2
59−60,1987;ラウドン(Laudon)ら,
J.Endocrinology 116,43−5
3,1988)。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】メラトニン受容体が前
立腺内に存在することは科学文献には示唆されていな
い。さらに、メラトニンを主題とする科学文献にも、前
記の特許明細書または特許出願公開明細書にも、メラト
ニンをヒトにおいてBPHの処置に使用する可能性は開
示または示唆されていない。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は1観点において
は、良性前立腺肥大(BPH)の処置に用いる薬剤配合
物において、BPHの処置に有効な量の有効成分として
のメラトニン、および少なくとも1種の薬剤学的に許容
しうるキャリヤー、希釈剤またはアジュバントを含む配
合物を提供する。
【0024】1形態においては、配合物は成長ホルモ
ン、ならびに前立腺テストステロンレダクターゼ、アン
チエストロゲンおよびアンチアンドロゲンの抑制薬より
なる群から選ばれる少なくとも1種の員子をも含む。ま
た、あるいは配合物はさらにオキサゼパムおよび/また
は他のメラトニン受容体プロフィル調節薬をも含有しう
る。
【0025】本発明の配合物は、好ましくはメラトニン
1ngから80mgの範囲内の量のメラトニンを含有す
る。配合物が経口、非経口、直腸内または経皮投与に適
した用量単位の形である場合、各用量単位がメラトニン
1ngから80mgの範囲内の量のメラトニンを含有す
ることが好ましい。
【0026】特定の観点においては、本発明は男性にお
けるBPHの処置に用いる薬剤の製造に使用されるメラ
トニンに関するものである。
【0027】特定の観点においては、本発明は男性にお
けるBPHの処置に用いる薬剤として使用されるメラト
ニンに関するものである。
【0028】前記のように、本発明による配合物はたと
えば経口、非経口、直腸内および経皮投与から選ばれる
投与様式に用いるものとして配合され、たとえば用量単
位当たり1ng−80mgのメラトニンを含有しうる。
単位用量は、たとえば1日1回、たとえば午前、午後も
しくは夕方、または1日2回、たとえば午前および夕方
の両方投与することができる。
【0029】特定の形態においては、本発明による配合
物は徐放性剤形であり、これは正常な内在性メラトニン
リズムを模したものであってもよいが、正常なリズムを
模したものである必要はない。この形態においては、メ
ラトニンがコーティングされた粒子からなる粒状であ
り、その際目的とする放出プロフィルが下記特性のうち
少なくとも1種、すなわち: (a)メラトニンの粒度の変更により; (b)人体内において異なる速度で溶解する少なくとも
2種の異なるコーティング材料の使用により;および (c)コーティング材料(1種または2種以上)の厚さ
を変更し、これによって異なる厚さのコーティング材料
(1種または2種以上)でコーティングされた粒状メラ
トニンが人体内において異なる速度で溶解することによ
り達成される。
【0030】本発明のこの形態においては、配合物はた
とえば天然および合成の高分子コーティング材料から選
ばれる少なくとも1種の高分子コーティング材料でコー
ティングされた粒状メラトニンを含む。
【0031】本発明の配合物は好ましくはその日の終わ
り近くに投与され、従ってメラトニンは系内において、
それに対して内分泌系が最高に関与する時点で利用され
るであろう。当業者は薬剤配合物を調製するための既知
の原理と合わせて、本明細書に示した情報に基づいて、
制御放出型配合物を配合することができるであろう。さ
らに本発明によるメラトニンの投与には、メラトニン受
容体プロフィルの位相配置または形状を変化させる物質
1種または2種以上をそれと同時投与することが含まれ
る。この種のメラトニン受容体プロフィル調節薬の限定
ではない一例はオキサゼパムであり、これは受容体の位
相配置に影響を及ぼすことによりメラトニンに対する反
応を高めうる。本発明の1形態によれば、この種の調節
薬少なくとも1種、たとえばオキサゼパムを本発明の薬
剤配合物に含有させることができる。
【0032】
【実施例】ヒト良性前立腺肥大組織からの上皮細胞における細胞質
メラトニン受容体の立証 ホルモンはターゲット器官における受容体蛋白質に結合
することによりそれらの作用を及ぼすことが知られてい
るので、特定のホルモンに対するターゲット細胞はその
特定のホルモンがそれにより作用される特異的受容体を
含むはずである。従って本発明者はヒト前立腺組織検体
におけるメラトニン結合部位の存在を調べた。
【0033】2種類のメラトニン受容体が科学文献に記
載されている:膜結合型部位および細胞質ゾル型部位
(ジサペル(Zisapel),Journal of
Neural Transmission,73:1
(1988))。ヒト前立腺からの間質細胞ではなく上
皮細胞中に細胞質ゾル型部位の存在に対する証拠をここ
に提示する。
【0034】方法 良性前立腺肥大による尿閉を伴う患者から切開外科処置
により摘出した前立腺から、組織検体を採取した。ステ
ンレス鋼金網を通した濾過により組織から上皮細胞およ
び間質細胞を分離した。次いで細胞を食塩液で洗浄し、
遠心分離(1000g、5分)により採取した。組織学
的染色およびこれに続く光学顕微鏡検査により、上皮細
胞調製物が80%以上の上皮細胞を含み、間質細胞調製
物は大部分が間質細胞であるが、無定形アミロイド、平
滑筋細胞、および残留上皮細胞(<10%)をも含むこ
とが示された。これら2種類の調製物を別個に4℃で
0.05Mトリス−HCl(pH7.4)中においてホ
モジナイズした。各ホモジネートを100,000gで
4℃において1時間遠心分離し、上澄液をパスツールピ
ペットで取り出した。蛋白質約20mcgを含有する上
澄液300μlを無キャリヤー125I−メラトニン(濃
度0−1nM)と共に37℃で1時間、0.05%トラ
イトンX−100の存在下にインキュベートすることに
より、メラトニンの結合を測定した。このインキュベー
ション期間後にポリエチレンイミンで飽和したGFFガ
ラス繊維フィルターを用いて真空濾過することにより、
結合125I−メラトニンを遊離125I−メラトニンから分
離した。蛋白質濃度は、ローリー(Lowry)ら
(J.Biol.Chem.,193:265,195
1)の方法により、ウシ血清アルブミンを基準として用
いて測定された。非特異的結合は、上澄液試料を上記濃
度の125I−メラトニンと共に、ただし大過剰(10μ
M)の非放射性メラトニンの存在下にインキュベートす
ることにより測定された。これらの実験を4人の異なる
患者からの検体を用いて4回反復し、同様な結果を得
た。
【0035】結果 非標識メラトニンの不在化および存在下における結合の
相異により定められるメラトニンの特異的結合がヒト前
立腺の上皮細胞からの上澄液中に検出されたが、これに
対し間質細胞調製物における結合は極めて低かった(表
1)。結合の濃度依存性の分析により、解離定数0.6
nMおよび結合部位密度140fmol/mg(細胞質
ゾル蛋白質)を有する飽和可能な高アフィニティー結合
が示された。間質細胞の細胞質ゾルにおける結合部位濃
度はこれより約10倍低く、調製物中の残留上皮細胞の
細胞質ゾルへの結合を表すものと思われる。
【0036】
【表1】ヒトBPH組織(4人の患者)の上皮細胞およ
び間質細胞からの細胞質ゾル調製物への125I−メラト
ニンの特異的結合* * 結合の平均値および標準偏差値(fmol/mg蛋
白質)結論 これらの結果は、前立腺における特異的高アフィニティ
ーメラトニン結合の最初の証拠を示し、かつこれらの部
位が細胞タイプ特異性であることを示す。さらに前立腺
におけるメラトニン反応は上皮細胞中の細胞質ゾル受容
体に付随すると思われた。
【0037】以下の実験は本発明の方法および配合物に
関するものである。
【0038】インビボ実験実験1 経口投与したメラトニンが去勢ラット成体のアンドロゲ
ン依存性前立腺再増殖に及ぼす作用を調べた。雄ラット
(2カ月令)を麻酔下に去勢した。7日後に−−この間
に前立腺の平均重量は約60%減少した−−ラットに毎
日4日間、油ビヒクル(対照)またはプロピオン酸テス
トステロン(1mg/kg体重/日)を含有する油ビヒ
クルを消灯の1時間前に皮下注射した。テストステロン
を皮下注射した半数の動物のサブグループの飲料水は、
100mcgエタノール/l水に溶解したメラトニン1
0mgを含有していた;メラトニンを与えたこのサブグ
ループのラットはそれぞれ、1日当たり約4mlの溶
液、すなわち約40mcgのメラトニンを摂取したと推
定された。関連器官の重量を測定するために、ラットを
最初の7日間ののち4日間の終了時に屠殺した。結果を
図1に示す。これは本実験において、メラトニンの存在
下または不在下でのテストステロンの作用を示す。図面
から明らかなように、テストステロンは去勢した動物に
おいての貯精のうおよび腹側前立腺の重量を増加させた
が、上皮には影響を及ぼさなかった。これに対しテスト
ステロン存在下でのメラトニンは、テストステロン仲介
による前立腺の再増殖を阻止したが、貯精のうの再増殖
には有意の作用を示さず、上皮にはほとんど影響を及ぼ
さなかった。これらの研究は、メラトニンがラットの青
春期発育に対して最初の(前青春期)40日間の生活期
間中のみ影響を及ぼしうるという説(ラング(Lan
g)ら,Endcrinology,112,1578
−1584,1983)に反して、経口投与されたメラ
トニンがラット成体における前立腺増殖に及ぼす直接的
抑制効果を示す。
【0039】実験2 デキストロース250mgをも含有するゼラチンカプセ
ル中におけるメラトニン5mg/日の経口投与(ほぼ午
後10時)がBPHを伴う男性ボランティアに及ぼす影
響についてのプラシーボ−対照連続研究において、予備
試験結果は若干の患者において直ちに尿流の改善を示し
た。
【0040】実験3 外から投与したメラトニンが高齢のラットにおいて中枢
メラトニン結合部位および血清テストステロンに及ぼす
影響を調べた。その際、23カ月令の雄ラットを飲料水
を介して30日間、メラトニンで処置した。高齢ラット
におけるこのメラトニン補給は、視床下部、橋−延髄、
視床および皮質におけるメラトニン結合部位を顕著に増
加させ、ステロイド依存性領域(視床下部および海馬)
におけるメラトニン結合部位に対するテストステロンの
抑制作用を減衰させた。メラトニン処置動物における血
清テストステロン水準は、未処置対照における値と有意
差がなかった。
【0041】実験4 8−10カ月令の成体ラットにおいて、飲料水(4mg
/l)を介した長期間の(約18カ月)メラトニン投与
が、生存、中枢メラトニン結合部位、および血清テスト
ステロンに及ぼす影響を調べた。メラトニン補給は、2
4−29カ月令時に生存していたラットの数を顕著に増
加させた。より詳細には、動物16匹の対照群のうちわ
ずか8匹が26−28カ月令時に生存し、7匹が27−
29カ月令時に生存していた。これに対し動物15匹の
メラトニン処置群のうち13匹が26−28カ月令時に
生存し、これらは27−29カ月令時に生存し続けた。
この時点で動物の屠殺により実験を終了した。生存にお
けるこの相異の有意性は2×2パーソンズχ2試験によ
ればP=0.01であった。さらにメラトニン処置動物
は肺炎を伴わないか、またはごく弱い症状を示したにす
ぎない;対照群においては、生存動物7匹中の5匹が重
症の肺炎を伴っていた。メラトニン補給は高齢ラットに
おいて橋−延髄および視床下部のメラトニン結合部位を
顕著に増加させ、動物が高齢であるにもかかわらずメラ
トニン結合領域の概日変動が依然として明瞭であった。
メラトニン処置動物における血清テストステロン水準は
未処置対照における数値より有意に高かった。
【0042】実験3および4の結果は、高齢動物におけ
る短期間のみの処置と比較して、高齢動物の概日系が障
害を起こす前に開始した長期メラトニン処置の利点を証
明する。
【0043】実験5 短期作用性のベンゾジアゼピンオキサゼパムの14日間
にわたる毎日の注射が、松果腺の存在下および不在下の
双方においてラットの脳のメラトニン結合部位に及ぼす
影響を調べた。虚偽手術を施したラットにおいて、すべ
ての脳領域における125I−メラトニンの特異的結合を
調べたところ、明瞭な昼間変動を示した。しかしこれら
の脳領域における結合部位の密度は、未処置ラットの場
合に記録された点灯の13時間後におけるピークと対比
して、オキサゼパム処置の場合は真夜中(すなわち点灯
の19時間後)に最高であった。松果体切除ラットにお
いては、視床下部、海馬および橋−延髄のメラトニン結
合部位が同様に明瞭な昼間変動を示したが、無傷または
虚偽手術ラットと比較して位相がずれていた;これらの
脳領域における結合部位の密度は、1日の他の時期より
点灯の13時間後の方が低かった。毎日のオキサゼパム
注射はメラトニン結合部位を点灯の19時間後に低下さ
せたが、1日の他の時期における結合には有意の影響を
及ぼさなかった。
【0044】飲料水を介したメラトニン投与は、記録さ
れたいかなる時期においても松果体切除ラットの種々の
脳領域における125I−メラトニン結合に影響を及ぼさ
なかった。虚偽手術を施したラットの場合、メラトニン
投与は海馬および中脳において点灯の13時間後に記録
された125I−メラトニン結合に低下をもたらした。
【0045】これらの結果は下記のことを示す:(a)
ラット脳における125I−メラトニン結合部位の昼間変
動は松果腺により発せられるものではない;(b)オキ
サゼパムは松果腺の存在下ではラット脳における125
−メラトニン結合部位の昼間変動を調節し、その不在下
ではより効果が低い;(c)松果腺の不在下では、ラッ
ト脳におけるメラトニン結合部位の昼間リズムは概日時
計と同調しない;(d)松果体切除ラットに対する飲料
水を介したメラトニン補給は125I−メラトニン結合部
位のリズムの位相前進を逆転させない。
【0046】メラトニンを含有する薬剤組成物 粉末状材料、すなわち2mgのメラトニン(スイス、バ
イオシンス社)、およびアクリル樹脂系キャリヤー(ロ
ーム・ファルマ)、すなわちユードラギット(Eudr
agit)RS100(配合物SR−Ms)またはユー
ドラギットRSPO(配合物SR−Mf)を下記の他成
分と乾式混合したのち、7mmの円筒形パンチにおいて
2.5トンで圧縮することにより、制御放出配合物を調
製した。
【0047】配合物SR−Ms:ユードラギットRS1
00 48.8%、乳糖50%、メラトニン1.2%; 配合物SR−Mf:ユードラギットRSPO 35.3
%、乳糖16.7%、リン酸水素カルシウム41.4
%、タルク1.3%、ステアリン酸マグネシウム4%、
メラトニン1.3%。
【0048】配合物SR−Mfと同様にして、ただしキ
ャリヤーとしてユードラギットの代わりに乳糖を用い
て、通常の剤形(RM)を調製した。
【0049】これらの例は本発明による配合物の具体例
であり、本発明を限定するものではない。
【0050】以上に本発明の特定の形態につき詳述した
が、当業者に自明のとおり多様な変更および修正が可能
であるので、本発明はそれらに限定されないことは明ら
かであろう。ここに詳述しなかったそれらの変更および
修正は本発明の均等物であると解される。たとえば人体
内でメラトニンの機能を実質的に模するメラトニン同族
体はメラトニンの明らかな均等物であると解される。本
発明の本質的な概念、精神および範囲は特許請求の範囲
の記載からより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】去勢ラットの特定の副生殖器官の再増殖に対し
て、メラトニンを含む、または含まないテストステロン
が及ぼす影響を示す。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 良性前立腺肥大(BPH)の処置に用い
    る薬剤配合物において、BPHの処置に有効な量の有効
    成分としてのメラトニン、および少なくとも1種の薬剤
    学的に許容しうるキャリヤー、希釈剤またはアジュバン
    トを含む配合物。
  2. 【請求項2】 成長ホルモン、ならびに前立腺テストス
    テロンレダクターゼ、アンチエストロゲンおよびアンチ
    アンドロゲンの抑制薬よりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の員子をも含む、請求項1に記載の配合物。
  3. 【請求項3】 さらにオキサゼパムおよび他のメラトニ
    ン受容体プロフィル調節薬よりなる群から選ばれる少な
    くとも1種の員子をも含む、請求項1または2に記載の
    配合物。
  4. 【請求項4】 メラトニン1ngから80mgの範囲内
    の量のメラトニンを含有する、請求項1−3のいずれか
    に記載の配合物。
  5. 【請求項5】 経口、非経口、直腸内または経皮投与に
    適した用量単位で配合された、請求項1−3のいずれか
    に記載の配合物。
  6. 【請求項6】 用量単位当たりメラトニン1ngから8
    0mgの範囲内の量のメラトニンを含有する、請求項5
    に記載の配合物。
  7. 【請求項7】 患者に投与したのち、予め定められた期
    間にわたってメラトニンを放出するのに適した、請求項
    1−6のいずれかに記載の配合物。
  8. 【請求項8】 患者に投与したのち、予め定められた期
    間にわたってメラトニンを放出するのに適しており、そ
    の際メラトニンの放出が正常な内在性メラトニンプロフ
    ィルを有するヒトの血漿中におけるプロフィルを模した
    プロフィルに従って起こる、請求項7に記載の配合物。
  9. 【請求項9】 患者に投与したのち、予め定められた期
    間にわたってメラトニンを放出するのに適しており、そ
    の際メラトニンの放出が、既存のプロフィルを考慮し
    て、正常な内在性メラトニンプロフィルを有するヒトの
    血漿中におけるプロフィルを模したプロフィルに従って
    起こる、請求項7に記載の配合物。
  10. 【請求項10】 メラトニンがコーティングされた粒子
    からなる粒状であり、目的とする放出プロフィルが下記
    特性のうち少なくとも1種、すなわち:(a)メラトニ
    ンの粒度の変更により;(b)人体内において異なる速
    度で溶解する少なくとも2種の異なるコーティング材料
    の使用により;および(c)コーティング材料(1種ま
    たは2種以上)の厚さを変更し、これによって異なる厚
    さのコーティング材料(1種または2種以上)でコーテ
    ィングされた粒状メラトニンが人体内において異なる速
    度で溶解することにより達成される、請求項8または9
    に記載の配合物。
  11. 【請求項11】 少なくとも1種の高分子コーティング
    材料でコーティングされた粒状メラトニンを含む、請求
    項10に記載の配合物。
  12. 【請求項12】 男性におけるBPHの処置に用いる薬
    剤の製造におけるメラトニンの使用。
  13. 【請求項13】 男性におけるBPHの処置に用いる薬
    剤として使用されるメラトニン。
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