JPH0643323B2 - ニンニクの加工法 - Google Patents

ニンニクの加工法

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JPH0643323B2
JPH0643323B2 JP60268177A JP26817785A JPH0643323B2 JP H0643323 B2 JPH0643323 B2 JP H0643323B2 JP 60268177 A JP60268177 A JP 60268177A JP 26817785 A JP26817785 A JP 26817785A JP H0643323 B2 JPH0643323 B2 JP H0643323B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 技術分野 本発明は、血小板凝集抑制作用を有するアホエン(Ajoe
ne)をニンニクから効率よく得るためのニンニクの加工
法に関する。別の観点からすれば、本発明は、アホエン
を生産する方法に関する。
先行技術 ニンニクは、中国、朝鮮、日本その他各国で栽培されて
いる多年生草木で、一般に強精強壮薬として知られてお
り、古くから健胃、発汗、利尿、去痰、整腸、殺菌およ
び駆虫薬として用いられている。
近年、ニンニクの薬効として血小板凝集抑制作用が注目
され、ニンニクの揮発成分(いわゆるガーリックオイ
ル)中に存在するメチルアリルトリスルフィドにその活
性があることが明らかにされた〔ランセット(Lance
t)、1(8212)、150-151(1981)〕。また、ニンニク中の
アリシンにも同様な活性があることが報告されている
〔ファイトケミストリー(Phytochemistry)、24、1593
-1594(1985)〕。
一方、ブロック(Block)らは、ニンニクより下記の構
造式(I)で示される含硫化合物(アホエン(Ajoen
e))を単離し、これに血小板の凝集を抑制する作用が
あることを報告している〔ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカル・ソサエティー(J.Amer.Chem.Soc.)、10
6、8295〜8296(1984))。
また、上記アホエンの血小板凝集抑制作用機構は、従来
報告されているアリウム(Allium)属から得られた上記
化合物(メチルアリルトリスルフィドおよびアリシン)
の作用機構とは異なることが示され〔スロンボシス・リ
サーチ(Thrombosis Research)、32、155〜169(198
3)〕、アホエンの脳血栓あるいは動脈硬化症等、循環器
領域への応用が期待されている。
しかしながら上記アホエンは、天然のニンニク中に微量
にした存在せず、これを多量に得ることは困難であっ
た。
〔発明の概要〕
要 旨 本発明は、血小板凝集抑制作用を有するアホエンをニン
ニクから効率よく得るための加工法に関するものであ
る。
すなわち、本発明によるニンニクの加工法は、ニンニク
をpH2〜6の酸性条件下かつ水性条件下に低級脂肪族
アルコールと接触させてこの含水低級脂肪族アルコール
中にアホエンを蓄積させること、を特徴とするものであ
る。
効 果 本発明によるニンニクの加工法によれば、後記実験例に
も示すように、極めて簡単にしかも高含量で(ニンニク
重量に対して、アホエン含量を約0.1%程度)血小板
凝集抑制作用を有するアホエンを含有するニンニク組成
物を収得することができる。従って、本発明は、医薬品
原料あるいは食品原料の供給に多大な貢献ゆなすものと
思われる。
なお、本発明は単にニンニクを抽出に付してニンニク中
のアホエンを抽出するのではなくて、主としてアホエン
前駆体化合物からアホエンを生産する技術に関するもの
である。
〔発明の具体的説明〕
ニンニク 本発明でいうニンニクは、ゆり科(Liliaceae)、アリ
ウム(Allium)属に属するアリウム・サティバム・リン
ネ(Allium sativum L.)を指し、例えばオオニンニク
(Allium sativum L.forma pekinese Makino)がこれに
あたる。
目的画分を取得すべく材料となる部分はとりわけ鱗茎部
(内部に分裂してできた通常5〜20個の割球状形の小
鱗茎が入っている)が好ましく、これを乾燥するか、ま
たはそのままの状態で抽出に供することができる。
アホエン 本発明でいうアホエン(Ajoene)とは、上記ニンニクよ
り得られる無色のオイル状物質で、前記構造式(I)で
示される化合物を指す。この化合物にはE−アホエンお
よびZ−アホエンの幾何異性体が存在するが、本発明で
はいずれをも含むものである。
ニンニクの加工法 ニンニクを反応しやすいように粉砕、好ましくはホモジ
ネートした後、リン酸、塩酸、酢酸、クエン酸あるいは
酒石酸等薬学上許容できる任意の有機または無機の酸を
用いてpH2〜6(さらに好ましくはpH3〜4)に調
節した含水の炭素数1〜4程度、好ましくは1〜2、の
低級脂肪族アルコール(通常は1価アルコール)に加
え、室温あるいは加温下で反応を行う。
本発明による低級脂肪族アルコールによるニンニクの加
工は、含水条件下に行なわれる。ここで含水条件下とい
うときの水は、ニンニク由来の水分をも考慮するものと
する。従って、生ニンニクを使用する場合は、無水アル
コールを使用する場合であっても含水条件下の加工と考
えるものとする。このような意味での「含水条件」は、
アルコール濃度が5〜95%程度、好ましくは20〜9
0%程度、であることが適当である。
このような酸性条件下および含水条件下において、室温
下では半日〜2日(好ましくは約1日)と反応時間が長
く、加温下(系の沸点以下が好ましい)では数分〜数十
時間(好ましくは40〜90℃で30分〜10時間程
度)と反応時間が短いのが通常である。なお必要に応じ
てニンニクの粉砕あるいはホモジネート時にアリナーゼ
の補酵素、例えばリン酸ピリドキシン、塩酸ピリドキシ
ン等をあらかじめ添加しておくのもよい。
この様にして得られた反応液は、過後、液を減圧濃
縮することにより、アホエンを高濃度に含有するニンニ
ク組成物を得ることができる。また、残渣は、任意の有
機溶媒、例えばクロロホルム、酢酸エチル、低級アルコ
ール(炭素数1〜3の1価アルコール)あるいは、アセ
トン等で2〜3回抽出することにより、残渣中に残存し
ているアホエンをさらに回収することができる。
アホエン含量の確認 上記処理法により得られたニンニク組成物中のアホエン
含量は、この組成物をメタノールに溶かした後、HPL
Cで分析することにより容易に測定することができる。
実験例 アホエンの生成の条件検討例を示す。
1. pHの検討 凍結ニンニク600gに塩酸ピリドキシン4mgを加え、
ホモジネートした。水にて全量1000mlとし、これよ
り各々100mlをとり、塩酸にてpH1、クエン酸にて
pH3、4および5、無添加の状態でpH7、および水
酸化ナトリウムにてpH9、の計6種の試料を作製し、
各々100mlのエタノールを加えた。反応混合物は65
℃湯浴中にて4時間加熱した。
アホエンの定量は、下記の通りに行なった。反応混合液
30mlをとり、遠心分離(3000rpm/10分)後、
上清液をとり、水で希釈後、酢酸エチルにて抽出し、酢
酸エチル層を減圧濃縮後、得られた残渣をメタノールに
溶して、試料溶液とした。また、アホエン標準品を同様
にメタノールに溶して標準溶液とし、HPLCにて分析
した。
測定条件は、下記の通りである。
分離カラム:TSKゲルLS410、3.9mm 内径×30cm(東洋曹達工業(株)) 溶離液:37%アセトニトリル 検出波長:254nm 結果は、下表の通りである。
以上より、pHは、弱酸性、特に2〜6程度、就中pH
3〜4が望ましいといえる。
2. 反応温度および反応時間の検討 凍結ニンニク300gに塩酸ピリドキシン2mgを加え、
ホモジネートした。水にて全量500mlとし、クエン酸
を加えてpH3〜4に調節した。これより150mlを3
検体とり、250mlのエタノールを加え、室温、65℃
および85℃の湯浴中にて加熱した。これらの試料より
経時的(室温:10分後、1日、4日、7日、65℃ま
たは85℃:10分、1時間、2時間、3時間、4時
間、6時間)に試料を採取し、1と同様に抽出処理して
分析を行った。結果は、添付の図面に示す通りである。
以下により、65℃および85℃加熱では、4時間後に
アホエンの生成が最大となることがわかった。また、室
温でも、徐々ではあるが、アホエンの生成がみとめら
れ、1日目には、加熱時の最大量に比べ約1/2量のアホ
エンの生成が確認された。
3. エタノール濃度の検討 凍結ニンニク202gに塩酸ピリドキシン2mgを加え、
ホモジネートした。水にて全量400mlとし、クエン酸
を加えてpH3〜4に調整した。これより、75ml、1
00mlおよび150mlをとり、各々にエタノール150
ml、100mlおよび75mlを加え、65℃の℃湯浴中に
て加熱した。反応液より、1時間および4時間後に反応
混合液5mlをとり、1と同様に抽出処理して分析を行な
った。結果を、下表2に示す。
以上より、エタノール濃度が高いほどアホエン生成量が
高いことがわかった。
4. pH調整における酸の種類の検討 凍結ニンニク520gに塩酸ピリドキシン4mgを加え、
ホモジネートした。水にて全量1000mlとし、これに
より200mlづつを4検体とり、クエン酸、酢酸、リン
酸、塩酸にてpH3〜4に調整した。これらにエタノー
ル200mlを各々加え、65℃湯浴中にて加熱した。反
応液より、1時間および4時間後に反応混合液5mlをと
り、1と同様に抽出処理して、分析を行った。結果を表
3に示す。
以上により、酸としてリン酸、クエン酸および塩酸がア
ホエン生成量が高いことがわかった。
5.反応残渣中のアホエンの回収 凍結ニンニク260gに塩酸ピリドキシン2mgを加え、
ホモジネートした。水にて全量500mlとし、クエン酸
を加えてpH3〜4に調整した。これより200mlをと
り、エタノール200mlを加え、65℃湯浴中にて4時
間加熱した。反応後、反応混合液10mlをとり、遠心分
離(2000rpm/5分)し、上清は1と同様に抽出処
理し、溶媒を留去し、遠心分離した残渣は、酢酸エチル
5mlにて2回振とう抽出後、溶媒を留去し、残渣をメタ
ノールに溶し、HPLC分析した。この結果、反応中生
成したアホエンの約34%を残渣から回収することがで
きた。
【図面の簡単な説明】 図面は、アホエン生成に対する温度の影響を示すグラフ
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニンニクをpH2〜6の酸性条件下かつ水
    性条件下に低級脂肪族アルコールと接触させてこの含水
    低級脂肪族アルコール中にアホエンを蓄積させることを
    特徴とする、ニンニクの加工法。
  2. 【請求項2】接触を加温下に行なう、特許請求の範囲第
    1項のニンニクの加工法。
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