JPH0649430A - 低温加硫カルボランシロキサン接着剤及びその製造方法 - Google Patents

低温加硫カルボランシロキサン接着剤及びその製造方法

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JPH0649430A
JPH0649430A JP5137873A JP13787393A JPH0649430A JP H0649430 A JPH0649430 A JP H0649430A JP 5137873 A JP5137873 A JP 5137873A JP 13787393 A JP13787393 A JP 13787393A JP H0649430 A JPH0649430 A JP H0649430A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】異なる熱膨脹係数の基板の熱履歴の間に接着を
持続する低弾性率材料の接着剤層を提供する。 【構成】(a)カルボラン基当たり3ないし30%の濃
度で主鎖に結合されたビニル基を有するポリカルボラン
シロキサンポリマー、(b)二官能価のシラン硬化剤、
および(c)遷移金属錯体を含む触媒を含有する低温加
硫カルボランシロキサン接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、一般的にカルボランシロキサンポリマーの架
橋の方法に係り、特に、光化学的に透明で熱的に安定な
複数の基板間の接着結合の形成が可能な架橋されたゴム
状材料を提供することに関する。宇宙環境に使用される
材料は、厳しい条件例えば、長時間例えば10年間、−
70℃から120℃までの温度にさらされること、及び
宇宙の真空状態にさらされること等に耐えられなければ
ならない。さらに、宇宙における材料は、高エネルギー
の紫外線照射、高エネルギープロトン、及び高エネルギ
ー電子線にさらされ、その全てが重大な損傷を起こし得
る。宇宙で用いられる太陽電池の場合、通常シリカで作
られるカバーグラスが各セルの前面に付けられ、光電池
の接合点を照射及び粒子の損傷から保護している。ま
た、このカバーグラスは、熱制御結合として作用し、太
陽電池を低温で操作せしめる。しかしながら、このよう
なグラスのカバーを用いても、高エネルギー電子による
損傷が起こる。電子線照射の影響は、電池を高温で働か
せるか、もしくは高温に周期的に循環させると、最小限
にし得ることがわかった。シリコン太陽電池の場合、電
子線による損傷をアニールし得、電池を60℃ないし1
00℃に加熱することにより、電池を効果的に最大限に
利用できる。このような温度において、カバーグラスの
結合に使用される既知の接着剤例えばジメチルシリコン
樹脂は十分である。しかしながら、ひ化ガリウム半導体
技術に基づく太陽電池が近年開発されており、この電池
は、高温においてシリコン太陽電池よりも非常に効果的
である。ヒ化ガリウム電池をアニールするためには、約
250ないし350℃の温度が必要である。宇宙ハード
ウェア環境に近年使用される市販の接着システムは、D
C−93−500を含み、ダウコーニング社製の二液型
の室温加硫ジメチルシリコン樹脂が、カバーグラスを太
陽電池に接着するために使用される。一般的な電気の室
温加硫(RTV)樹脂は、太陽電池のバッキングシステ
ムの結合に用いられる。これらの市販の材料は、接着剤
層の加熱範囲を200ないし300℃にせしめるので、
低温加硫の利点を有する少なくとも350℃までの温度
のアニールに耐えられる接着剤の必要性がまだ残ってい
る。その熱安定性のためにすでに研究されている1つの
材料は、D.D.スチュワートらにより「D2−m−カ
ルボランシロキサン.7.超高分子ポリマーの合成及び
特性」マクロモレキュールズ第12巻、No.3、第3
373ないし377頁(1979年5月−6月)に記載
されているような超高分子カルボランシロキサンポリマ
ー類である。スチュワートらの方法の中で、カルボラン
シロキサンポリマーは、以下のようにして形成される。 (1)乾燥されたクロロベンゼンを用いてカルボランビ
スメチルシラノールのスラリーを形成し、このスラリー
を−10±5℃に冷却する。 (2)このスラリーに、ジメチルビスウレイドシラン及
びメチルフェニルビスウレイドシランの反応混合物を添
加し、−10±5℃で反応混合物を形成する。 (3)反応混合物からポリカルボランシロキサンポリマ
ーのシラノール末端カップリングプレポリマーを分離す
る。 (4)プレポリマーをクロロベンゼン中に溶解し、溶液
を形成する。 (5)このプレポリマー溶液に上述のビスウレイドシラ
ンを過剰に添加する。 スチュワートらは、このようにして得られたポリマー
は、106 以上の分子量を有し、このことは、クロロベ
ンゼン中におけるビスウレイドシランのカルボランジシ
ラノールへの逆添加の技術に基づくものと考えられると
報告している。しかしながら、スチュワートらにより第
375頁右欄の第1段落第2段落全般に開示されている
ように、一貫した信頼性のある結果は得られない。1つ
の問題は、ポリマーを精製する信頼性のある方法が見つ
からないことであり、この結果として、プレポリマー
は、アミン副生成物と反応することにより、品質が下が
る。他の問題は、多くのプレポリマーサンプルが高分子
ポリマーになり得ないことであり、なぜ困難なのかはわ
からない。さらに、スチュワートらの実験を繰り返すこ
とを試みたが、スチュワートらによって報告された一番
高い分子量のポリマーは得られなかった。スチュワート
らによって述べられているように、これらのポリマーの
最適な機械的および熱的特性は高分子量においてのみ起
こるものである。スチュワートらのカルボランシロキサ
ンポリマーは、高分子量で望ましい高温特性を有するの
で、宇宙環境に有用であり得、本発明者は、非常に高い
分子量のポリカルボランシロキサンポリマーの再現性の
良い方法を開発した。これらの方法は、同じ出願人によ
り1991年12月16日に出願された継続中の米国出
願07/807,364号に開示されている。この新規
の方法は、スチュワートらよりもかなり改良されたポリ
マーを与えるが、このベースポリマーは、これを宇宙で
安定な構造を有する接着結合に利用せしめるための、高
温で、要求される機械的に完全な状態に欠ける。このた
め、このベースポリマーに比べて改良された高温安定性
を提供することが望まれる。本発明の目的は、異なる熱
膨脹係数の基板の熱履歴の間に接着を持続する低弾性率
材料の接着剤層を提供することにある。上述の本発明の
目的は、米国出願07/807,364号に開示された
カルボランシロキサンポリマーの制御された架橋によっ
て達成される。特に、架橋は、ポリマーの主鎖中のビニ
ル基を置換することにより、このポリマーを修飾するこ
とによって成される。このビニル基は、下記の硬化剤及
び触媒と配合されると、接着剤を低温加硫せしめる。本
発明にしたがって製造される接着剤は、太陽電池とカバ
ーグラスとの結合及び太陽電池とバッキングシステムと
の結合に有用である。この接着剤は、600℃を越える
温度で、失敗なく熱履歴され得る。このようにして、こ
の接着剤は、接着結合の形成に使用され得、最近の市販
の材料から作られる接着結合よりも厳しい非常に高い温
度に耐え得る。本発明によって得られる接着剤は、低弾
性率で、フレキシブルで熱安定性の材料が要求されるど
のような適用にも使用できる。この接着剤の製造におい
て、硬化剤が用いられる。使用され得る1つの硬化剤
は、新規の化合物であるカルボランビス(3−ヒドリド
ヘキサメチルトリシロキサン)を含む。このトリシロキ
サンは、ジメチルビスウレイドシランとm−カルボラン
ビスジメチルジシラノールを溶液中で反応させることに
よって製造される。化合物のうち後者に比べて前者を過
剰に用いる。反応が完了した後、水を添加して、全ての
ウレイド成分を加水分解する。どのような副生成物も除
去され、残った内容物を乾燥して水を除去する。脱水さ
れた溶液に過剰のカップリング剤、ジメチルウレイドシ
ランを添加し、新規のトリシロキサンを得る。高分子ポ
リカルボランシロキサンポリマーは、米国出願第07/
807,364号に述べられているように超高純度の反
応体を用いることによって得られる。特に、カルボラン
ビスジメチルシラノール、ジメチルビスウレイドシラン
(またはビス(N−フェニル−N´−ピロリジニル)ジ
メチルシランとして知られる)、およびメチルフェニル
ビスウレイドシラン(またはビス(N−フェニル−N´
−ピロリジニル)メチルフェニルシランとして知られ
る)は、特定の溶媒中で一連の再結晶方法を行なうこと
により各々精製され得る。反応体は以下の通りである。 (1)下記化学式のカルボランビスジメチルシラノール
【0001】
【化1】 式中、−(C−B1010−C)−はカルボラン成分を表
す。 (2)下記化学式のジメチルビスウレイドシラン
【0002】
【化2】 (3)下記化学式のメチルフェニルビスウレイドシラン
【0003】
【化3】
【0004】カルボランビスジメチルシラノールをヘキ
サン/トルエンから連続的な再結晶を行なうことにより
精製する。連続的な再結晶が完了した後、白色の結晶生
成物を、真空中、高温で乾燥し、その後使用するまでの
間ドライボックスに貯蔵する。
【0005】特に、カルボランジメチルシラノールを、
乾燥したヘキサンとトルエンとの無酸素混合物中で、不
活性雰囲気中約70℃に加熱して溶解することにより溶
液を形成し、この溶液を濾過し、冷却して結晶生成物を
形成する。溶解、濾過、及び冷却を、全部で2ないし5
回繰返す。
【0006】また、ビス(N−フェニル−N´−ピロリ
ジニル)ジメチルシランを連続的に再結晶することによ
り精製する。この場合、再結晶の好ましい溶媒システム
は、ジイソプロピルエーテル/テトラヒドロフランであ
る。
【0007】特に、ジメチルビスウレイドシランは、ジ
イソプロピルエーテル及びテトラヒドロフランの乾燥し
た無酸素混合物中で、不活性雰囲気で約60℃に加熱す
ることにより溶解して溶液を形成し、溶液をろ過し、こ
の溶液を冷却することにより結晶生成物を形成する。溶
解、ろ過、及び冷却を1回繰り返す。
【0008】また、ビス(N−フェニル−N´−ピロリ
ジニル)メチルフェニルシランを連続的な再結晶により
精製する。この場合、結晶の好ましい溶媒システムは、
ジイソプロピルエーテル/ヘキサンである。
【0009】特に、メチルフェニルビスウレイドシラン
は、これを乾燥した無酸素ジイソプロピルエーテル中
で、不活性雰囲気で約60℃に加熱することにより溶解
して溶液を形成し、乾燥したヘキサンを添加し、溶液を
ろ過して混合物を形成し、この溶液を冷却することによ
り結晶生成物を形成する。溶解、ろ過、及び冷却をさら
に2回繰り返す。
【0010】精製後、上記反応体を、最初に作ったプレ
ポリマーまたはポリカルボランシロキサンのシラノール
末端カップリング低分子量オリゴマーと反応させ、その
後プレポリマーの分子量を高分子化する。反応の詳細は
上述の継続中の米国出願第07/807,364に与え
られており、その反応の流れ、概略は以下の工程を含
む。
【0011】(1)超高純度カルボランビスジメルシラ
ノールを乾燥したクロロベンゼン溶媒中でに入れ、スラ
リーを形成し、このスラリーを−10±5℃に冷却す
る。 (2)このスラリーに、超高純度ジメチルビスウレイド
シラン及び超高純度メチルフェニルビスウレイドシラン
との混合物を添加し、−10±5℃で反応混合物を形成
する。
【0012】(3)反応混合物から、ポリカルボランシ
ロキサンポリマーのシラノール末端カップリングプレポ
リマーを分離する。 (4)このプレポリマーをクロロベンゼン中に溶解し、
溶液を形成する。
【0013】(5)このプレポリマー溶液にジメチルビ
スウレイドシラン、メチルフェニルビスウレイドシラン
およびその混合物から選択されるビスウレイドシランを
過剰に添加し、非常に高い分子量のポリカルボランシロ
キサンポリマーを形成する。分子料は、約120,00
0ないし175,000の範囲であり、通常分子量1
4,000ないし47,000である従来のこのような
ポリマーの形成方法よりも非常に多い。
【0014】均一な高分子量が60ないし70℃の温度
で工程(5)を行うことによって得られる。得られたポ
リマーは、約600,000の分子量を有する。上述の
二段階の方法でなければ、一段階の方法があり、この方
法では、(2)の工程で、ビスウレイドシラン反応体を
カルボランビスジメチルシラノールに初めに添加するこ
とが完了した後、反応混合物を−15°ないし−20°
の範囲の温度に約6ないし20時間維持する。このよう
にして、(3)ないし(5)の工程をを省く。得られた
ポリマーは約400,000の分子量を有する。
【0015】本発明の方法の実施において、上述のよう
に、高分子量カルボランシロキサンポリマーが、ビニル
基がポリマーの主鎖中で置換されるような変種とともに
得られる。このビニル基は、以下のような硬化剤および
触媒に適切に配合されたとき、接着剤を低温加硫せしめ
る。本発明の接着剤は、適切な配合および工程の後、他
のどのような材料から予め得られたものよりも機械的熱
的に優れた安定性の低弾性率接着結合を形成する。
【0016】ポリマーの主鎖上のビニル基の置換は、工
程(2)における混合物に下記化学式で表される化合物
ビニルメチルビスウレイドシランモノマーを添加するこ
とにより達成される。
【0017】
【化4】
【0018】ビニルメチルビスウレイドシランを上述の
メチルフェニルビスウレイドシランと同様にして精製す
る。3つのシランを含む配合された混合物を、工程
(2)におけるように、その後スラリーに添加し、反応
混合物を形成する。工程(5)は、任意に好適に変形さ
れ、ビニルメチルビスウレイドと上述の両方のビスウレ
イドシランとの混合物をと過剰に含む。
【0019】工程(5)は、上述の米国出願第07/8
07,364号と同様にして、変形され、約60ないし
70℃の範囲内の温度で行われる。そうでなければ、一
段階に類似すること、すなわち約−15ないし−20℃
の範囲の温度で反応混合物を維持する工程(2)の後
に、利用し得る。
【0020】ビニル−置換ポリマーの製造において、カ
ルボラン基毎のビニル基の濃度は、約3ないし30%で
あり、100%とは1つのカルボラン基につき1つのビ
ニル基のときに定義される。約3%未満であると、十分
な高架橋密度を提供せず、硬化された材料は、十分な機
械的強度を持たず、高温で粘着性である。約30%より
多いと、接着剤として使用するには高すぎる架橋密度が
提供され、硬化された材料は、脆すぎ、かつ非常に早く
硬化される。好ましくは、ポリマーは、約5%のビニル
基を含み、この濃度は、硬化前の材料の十分な流動性を
もたらし、所望の機械的特性を有する硬化された材料を
提供する。このポリマーは、以下の化学式で示される。
【0021】
【化5】
【0022】式中、Rは、メチル、フェニル、及びビニ
ルのうちの1つである。低温加硫のための適切な温度で
融点を有するポリマーをもたらすことから、このポリマ
ー中のメチル対フェニルの比は、好ましくは約2:1で
ある。
【0023】メチル含有量が非常に高いことを表す非常
に高い比は、非常に高すぎる融点を生じ、一方、フェニ
ル含有量が非常に高いことを表す非常に低い比は、ポリ
マーの熱安定性における増加を生じる。好ましくは、R
は約63%メチル、約32%フェニル、及び約5%ビニ
ルである。
【0024】ビニル含有ポリマーの低温加硫フィルム
は、好適な溶媒中で、ポリマーとシラン含有硬化剤と触
媒とを混合することにより製造される。溶媒の蒸発によ
って、接着フィルムが形成され、同様または異なる表面
を接着するために使用される。シラン含有硬化剤は二官
能価のシランである。「シラン−含有」は、ここでは下
記官能基を有することを意味する。
【0025】
【化6】
【0026】特に、硬化剤は熱的安定性及びポリマーと
の相溶性のために少なくとも1つのカルボラン基を含
む。好ましい硬化剤は、m−カルボランビス(2−ヒド
リドテトラメチルジシロキサン)、m−カルボランビス
(3−ヒドリドヘキサメチルトリシロキサン)、及びカ
ルボランビスジメチルシランを含む。m−カルボランビ
ス(2−ヒドリドテトラメチルジシロキサン)は、下記
化学式を有する。
【0027】
【化7】 一方、m−カルボランビス(3−ヒドリドヘキサメチル
トリシロキサン)は、下記化学式を有する。
【0028】
【化8】
【0029】他の可能な硬化剤は、テトラメチルジシロ
キサンおよび高分子または環状のメチルヒドロシロキサ
ンを含む。好ましい硬化剤は、上述のカルボラン含有硬
化剤、カルボランビス(2−ヒドリドテトラメチルジシ
ロキサン)である。
【0030】上述のm−カルボランビス(3−ヒドリド
ヘキサメチルトリシロキサン)で知られるカルボラン−
含有ジシランを本発明の接着剤の製造中に合成する。こ
のトリシロキサン化合物は、新規なものと考えられ、ジ
メチルビスウレイドシランをm−カルボランビスジメチ
ルジシラノールと溶液中で反応することによって製造さ
れる。この化合物の前者は後者に比べ過剰に添加され
る。この反応が終了した後、水を添加して全てのウレイ
ド成分を加水分解する。どのような副生成物も除去さ
れ、残った含有物を、乾燥して水を除去する。脱水され
た溶液に、過剰の末端カップリング剤、ジメチルウレイ
ドシランを過剰に添加し、新規のトリシロキサンを生成
する。
【0031】シラン含有硬化剤中のビニル基の数に対す
るシラン基のモル比は、1よりわずかに少ない。好まし
くは、この比は、85ないし95%である。ポリマー結
合ビニル基のわずかに過剰な比は、ジシラン化合物を完
全に反応すると考えられる。もし完全な反応が起らない
と、未反応のジシラン化合物が、高温で不所望なガス発
生を与える。
【0032】この触媒は、ビニル基に対する触媒作用の
加水分解に知られるものである。このような触媒は、代
表的にはプラチナ、パラジウム、またはロジウムを含
む。プラチナ触媒は、本発明の接着フィルムの製造に好
適に使用される。クロロプラチナ酸(H2 PtCl6
溶液は、これらのシステム中に利用され得る。
【0033】遷移金属ビニル錯体を、この反応に使用し
得る。この例として、プラチナ(0)ジビニル錯体例え
ばプラチナジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、プ
ラチナビストリフェニルホスフィンエチレン錯体、及び
プラチナシクロビニルメチルシロキサン錯体(本発明の
実施における好ましい利用は「遅延」触媒である)等、
プラチナ(2)ビニル錯体例えばプラチナジクロリドの
ビスエテン等があげられる。有用な触媒の他の例は、テ
トラキストリフェニルホスフィンパラジウム及びある種
のロジウム錯体例えばトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ロジウムクロリドを含む。好ましい触媒は、プラチ
ナシクロビニルシロキサンを含み、この触媒は溶融され
たフィルムの接着剤を硬化前に流動性にせしめる。
【0034】使用される触媒の量は、ポリマーの量に対
し、5ないし75ppmである。硬化された接着剤は、
上述のように、フィルムの形に簡単に製造される。接着
剤のフィルムは、2つの基板の表面の間におかれ、共に
接着される。一定時間に熱と圧力を適用することは、2
つの基板の間に強い機械的結合を生じ、少なくとも約6
00℃の熱履歴に耐え得る。
【0035】結合において使用される温度は、中ぐらい
であると考えられ、約100ないし140℃の範囲であ
る。圧力の量は、結合を促進するために十分であり、代
表的には1平方インチ当たり約5ないし50ポンド(1
平方センチメートル当たり約351ないし3,515グ
ラム)であり、好ましくは1平方インチ当たり約20ポ
ンド(1平方センチメートル当たり1,400グラム)
である。
【0036】前述の温度および圧力における硬化の時間
は、約4ないし24時間であり、接着剤の溶融、流動、
及びその後の硬化を提供する。 実施例 実施例1 本実施例は、ビニル含有カルボランシロキサンベースポ
リマーの生成に関する。ビニル基の数は、約10%であ
る。
【0037】このポリマーを、前述の2段階の重合方法
に従って合成した。さらにウレイドモノマー、ビニルメ
チルビスウレイドシランモノマーの合成及び精製が必要
であった。このモノマーを継続中の米国出願第07/8
07,364号に述べられているフェニルメチルビスウ
レイドシランと同様にしてジイソプロピルエーテル/ヘ
キサン溶媒システムから再結晶することにより精製し
た。この生成された試薬を以下のように反応させた。
【0038】カルボランジシラノール(20.4g)を
250mlの3つ口丸底フラスコにいれた。このフラス
コは、セプタム攪拌機と、メチルフェニルビスウレイド
シラン(10.01g)及びジメチルビスウレイドシラ
ン(17.6g)及びメチルビニルビスウレイドシラン
(3.0g)で充填された固体添加漏斗とを有してい
た。フラスコを−15℃に冷却し、この間、クロロベン
ゼン(21ml)をフラスコに添加した。フラスコをバ
スの温度まで冷却させた後、3つのウレイドモノマー
を、固体混合物として、数回に分けて添加した。添加に
は約2時間かかった。このフラスコを攪拌しながらさら
に2時間冷却した。このアイスバスを取り外し、反応混
合物を一晩攪拌した。翌日、反応混合物をクロロベンゼ
ン(100ml)で希釈し、焼結ガラス漏斗を通して
(不溶性の副生成物を除去するために)、攪拌されたメ
タノール中に注いだ。沈殿したポリマー(20.2G,
83%の理論収量)を真空中で乾燥した。
【0039】乾燥されたプレポリマーを、その後、前述
の継続中の米国出願第07/807,364号中のプレ
ポリマーのように分子量を増加させた。この様にして得
られたポリマーを、本発明の課題である薄膜接着剤の生
成に使用した。
【0040】実施例2 本実施例は、実施例1と同様にビニル含有カルボランシ
ロキサンベースポリマーの生成に関する。しかしなが
ら、ビニル基の数は、約5%である。
【0041】カルボランジシラノール(20.4g,
0.070モル)を250mlの3つ口丸底フラスコに
入れた。このフラスコをセプタム攪拌機と、ジメチルビ
スウレイドシラン(18.53g,0.042モル)、
メチルフェニルビスウレイドシラン(10.58g,
0.02モル)、及びメチルビニルビスウレイドシラン
(1.5g,0.0033モル)で充填された固体添加
漏斗とを有していた。
【0042】このフラスコを−15℃に冷却し、その
間、クロロベンゼン(21ml)をフラスコに添加し
た。フラスコをバスの温度まで冷却させた後、3つのウ
レイドモノマーを、固体混合物として、数回に分けて添
加した。添加には約2時間かかった。このフラスコを攪
拌しながらさらに2時間冷却した。このアイスバスを取
り外し、反応混合物を一晩攪拌した。翌日、反応混合物
をクロロベンゼン(100ml)で希釈し、焼結ガラス
漏斗を通して(不溶性の副生成物を除去するために)、
攪拌されたメタノール中に注いだ。沈殿したポリマー
(20.2G,83%の理論収量)を真空中で乾燥し
た。このポリマーのサンプルをゲル濾過クロマトグラフ
ィー(SEC)及び/または希釈溶液粘度測定により分
析し、分子量を測定した。
【0043】その後、ポリマーを前述のように分子量を
増加させた。ジメチルは、簡便に用いられるけれども、
3つのウレイドのうち1つだけがこの増加に必要であ
る。さらに、ウレイドの混合物は、非常によく作用す
る。
【0044】実施例3 本実施例は、シラン含有カルボラン硬化剤であるm−カ
ルボランビス(2−ヒドリド−テトラメチルジシロキサ
ン)の合成に関する。
【0045】シラン硬化剤の合成のために、さらにウレ
イドモノマー、ジメチルウレイドシランを、スチュワー
トらにより他のウレイド試薬のために述べられているよ
うに、ジメチルクロロシランから2段階で合成した。
【0046】ジメチルウレイドは以下のようなスペクト
ル特性を有する。1 H−NMR(CDCl3 ):7.5-7.1 (m,5H),
4.72(m,1H),3.09(m,4H),1.90(m,4
H),0.55(d,6H);13 C−NMR(CDCl3 ):160.66,142.71,128.8
4,127.92,124.98,47.52,27.17 ,-1.74 。 上述の値は、決められた構造に一致する。
【0047】カルボランジシラノール(6.0g,0.
02モル)を乾燥エチルエーテル(100ml)中に溶
解した。ウレイド末端カップリング剤ジメチルウレイド
シラン(12.0g、0.048モル)をエチルエーテ
ル(75ml)及びテトラヒドロフラン(25ml)中
に溶解した。ウレイド溶液を、カルボランジシアノール
に室温で一時間で添加した。反応混合物を一晩攪拌し
た。翌日、反応混合物に水(5ml)を添加し、スラリ
ーを濾過し、(Na2 SO4 上で)乾燥した。透明な溶
液を脱水し、残渣を蒸留したところ、留分沸点90−9
5℃/−0.1Torr(4.1g,理論収量48%,
ガスクロマトグラフィーによる純度99%)であった。1 H−NMR(CDCl3 ):4.70(7重項(septe
t), 2H,J=2.8 Hz)、0.18(d,12H,J=
2.8 Hz)、0.17(s,12H);13 C−NMR(CDCl3 ):0.866 (brd m)、-4.2
5 (7重項(septets )のd ,J(Si,H)=206.9
Hz,J(Si,CH3 )=7.0 Hz); IR(ニート):2958,2596,2129,1258,1084,910.
4 cm-1 この液状化合物を後述の接着フィルムの製造におけるシ
ラン−含有硬化剤として使用した。
【0048】実施例4 本実施例は、シラン含有カルボラン硬化剤であるm−カ
ルボランビス(3−ヒドリド−ヘキサメチルトリシロキ
サン)の合成に関する。
【0049】ジメチルビスウレイドシラン(14.7
g,0.04モル)をクロロベンゼン(150ml)中
に溶解し、−20℃に冷却した。これに、3時間にわた
りm−カルボランビスメチルジシラノール(4.9g,
0.0017モル)を添加した。反応混合物を1時間攪
拌せしめ、その後水(5ml)を添加した。攪拌をさら
に1時間続けた後、反応混合物を濾過し、硫酸ナトリウ
ム上で乾燥した。乾燥された溶液をドライボックスに入
れ、末端カップリング剤であるジメチルウレイドシラン
(10g,過剰に)を1時間にわたり添加した。攪拌を
1時間続けた。翌日、溶液をドライボックスから取り除
き、水(5ml)を加えることにより活性化し、1時間
攪拌した。この不均質溶液を濾過し、濃縮し、クロマト
グラフィー(ヘキサン溶離液を有するシリカゲル)にか
け、無色の移動液として生成物(2.0g,収量30
%)を得た。1 H−NMR(CDCl3 ):4.69,(7重項(septe
t), 2H,J=2.7Hz),0.19(s,12H),
0.18(d,12H,J=2.7Hz),0.06(s,12
H);29 C−NMR(CDCl3 ):-0.84 (brd m),
-6.57 (7重項(septets )のd,J=204.0 ,7.2 H
z),-18.42(7重項(septet),J=7.4 Hz)IR
(ニート)2962,2596,2126,1261,1088,1057,910
,857 ,826 ,798 cm-1 実施例5 本実施例は、カルボランベースポリマー、カルボランシ
ラン含有硬化剤、及びプラチナ触媒の低温加硫フィルム
の形成を示す。
【0050】実施例1で得られたカルボランベースポリ
マー(2.00g,0.00055 モル ビニル基)の混合物、実施
例3で得られたシラン硬化剤(0.075g,0.00035モル シ
ランSi−H官能性)、及びプラチナシクロビニルシロ
キサン触媒は、ハイドロシレーション反応(0.006 g,
乾燥されたフィルム中30ppm のプラチナ)で知られてお
り、クロロベンゼン(2g)を良く混合してすべての成
分を溶解する。この粘性溶液を真空雰囲気でガス抜きし
てエントラップトエアを除去する。その後、溶液を、ポ
リテトラフルオロカーボンプレート上の溶液の薄層中に
広げる。溶媒を空気中に1時間でゆっくり蒸発し、その
後真空中で4時間蒸発して溶媒を除去した。この様にし
て得られた薄膜は、下記実施例6に述べられているよう
な基板の接着に好適に用いられる。
【0051】実施例6 本実施例に、本発明の接着剤を用いた基板の接着結合を
示す。実施例5で形成された接着フィルムを結合される
2つの基板例えばソーラーセルとカバーグラスとの間に
置いた。熱(100ないし140℃)及び圧力(1イン
チ当り5ないし50ポンド、1平方センチメートル当り
351〜3515グラム)を4ないし24時間与えるこ
とにより、溶融及びその後の硬化が行われる。
【0052】以下の機械的試験を(1)接着剤(「本発
明」)、(2)ベースポリマーからできた同等のフィル
ム但し硬化剤及び触媒を含有しないもの(「本発明の範
囲外」)、及び(3)市販の接着剤、DC−93−50
0について行なった。表.温度に対する重ねせん断強度 試験温度 重ねせん断強度,psi ℃ 本発明 本発明の範囲外 DC93500 25 110 110 130 200 40 0 0 300 40 0 0 この表は、本発明の接着剤が少なくとも300℃(この
試験器具で得られる最高温度)まで所望の機械的強度を
有する。さらに、この接着剤は、短時間であれば600
℃まで耐えられることがわかった。このように、高温で
の作用に有用な低温加硫カルボランシロキサン接着剤が
開示された。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)カルボラン基当たり3ないし30
    %の濃度で主鎖に結合されたビニル基を有するポリカル
    ボランシロキサンポリマー、(b)二官能価のシラン硬
    化剤、および(c)遷移金属錯体を含む触媒を含有する
    低温加硫カルボランシロキサン接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 前記濃度は、約5%である請求項1に記
    載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 前記触媒は、クロロプラチナ酸、遷移金
    属錯体、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム
    およびロジウム錯体からなる群から選択される請求項1
    に記載の接着剤組成物。
  4. 【請求項4】 前記触媒は、前記ポリマーに対し、約5
    ないし75ppmの範囲の量で存在する請求項1に記載
    の接着剤組成物。
  5. 【請求項5】 前記二官能価のシラン硬化剤の前記ポリ
    マーに対するモル比は、前記ビニル基の数で約85ない
    し95%である。
  6. 【請求項6】 前記硬化剤は、ジフェニルシラン、m−
    カルボランビス(2−ヒドリドテトラメチルジシロキサ
    ン)、m−カルボランビス(3−ヒドリドヘキサメチル
    トリシロキサン)、カルボランビスジメチルシラン、テ
    トラメチルジシロキサン、ポリメリックメチルヒドロシ
    ロキサン類、及び環状メチルヒドロシロキサン類からな
    る群から選択される請求項1に記載の接着剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項6のm−カルボランビス(3−ヒ
    ドリドヘキサメチルトリシロキサン)化合物。
  8. 【請求項8】 (a)溶液中で、過剰のジメチルビスウ
    レイドシランをm−カルボランビスジメチルジシラノー
    ルと反応させる工程、(b)水を添加し、全てのウレイ
    ド成分を加水分解する工程、(c)どのような副生成物
    を除去する工程、(d)残った含有物を乾燥し、水を除
    去し、これにより脱水された溶液を形成する工程、及び
    (e)前記脱水された溶液に、過剰のカップリング剤、
    ジメチルウレイドシランを添加し、トリシロキサンを生
    成する工程を含む請求項7に記載の化合物の製造方法。
  9. 【請求項9】 (a1)乾燥されたクロロベンゼン溶媒
    中に超高純度カルボランビスジメチルシラノールを入
    れ、スラリーを形成し、前記スラリーを−10±5℃に
    冷却する工程、(b1)前記スラリーに、超高純度ジメ
    チルビスウレイドシランと超高純度メチルフェニルビス
    ウレイドシランとの混合物を添加する工程、(c1)前
    記反応混合物から、前記ポリカルボランシロキサンポリ
    マーのシラノール末端カップリングプレポリマーを分離
    する工程、(d1)クロロベンゼン中にプレポリマーを
    溶解し、溶液を形成する工程、(e1)前記プレポリマ
    ー溶液に、超高純度ジメチルビスウレイドシラン、超高
    純度メチルフェニルビスウレイドシラン、及びその混合
    物から選択されるビスウレイドシランを、過剰に添加
    し、前記非常に高分子ポリカルボランシロキサンポリマ
    ーを形成する工程を具備する非常に高い分子量を有する
    請求項1に記載のポリカルボランシロキサンポリマーの
    製造方法において、(i)前記(b1)工程で、前記混
    合物に、超高純度ビニルメチルビスウレイドシランを添
    加する工程、任意に、(ii)前記(e1)工程で、前
    記混合物に、超高純度ビニルメチルビスウレイドシラン
    を添加する工程を含む改良を有し、これにより、前記ポ
    リカルボランシロキサンポリマーが120,000を越
    える分子量を得るか、あるいは(a2)超高純度カルボ
    ランビスメチルシラノールを乾燥されたクロロベンゼン
    溶媒中に入れ、スラリーを形成し、前記スラリーを−1
    0±5℃に冷却する工程、(b2)前記スラリーに、超
    高純度ジメチルビスウレイドシランと高純度メチルフェ
    ニルビスウレイドシランの混合物を添加し、反応混合物
    を形成する工程、及び(c2)前記反応混合物を−15
    ないし−20℃の範囲の温度で6ないし20時間維持す
    る工程を具備する非常に高い分子量を有する請求項1に
    記載のポリカルボランシロキサンポリマーの製造方法に
    おいて、工程(b2)で前記混合物に超高純度ビニルメ
    チルビスウレイドシランを添加する工程を含む改良を有
    し、これにより前記ポリカルボランシロキサンポリマー
    が120,000を越える分子量を得るか、そのいずれ
    かの工程を含む非常に高い分子量を有する請求項1のポ
    リカルボランシロキサンポリマーの製造方法。
  10. 【請求項10】 60ないし70℃の範囲の温度で(e
    1)工程を行なうことにより、前記ポリカルボランシロ
    キサンポリマーの分子量を500,000を越える値ま
    でさらに増加する工程をさらに含む請求項9に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 ビニルビスウレイドシランを乾燥した
    無酸素ジイソプロピルエーテル中に溶解して溶液を形成
    する工程、前記溶液を濾過する工程、前記濾過された溶
    液に乾燥ヘキサンを添加して混合物を形成する工程、前
    記混合物を室温に冷却して結晶生成物を形成する工程、
    及び前記結晶生成物の溶解、濾過、前記ヘキサンの添加
    及び冷却の工程をさらに2回繰返す工程により、前記ビ
    ニルビスウレイドシランを精製する請求項9の方法。
  12. 【請求項12】 主鎖に結合したビニル基と前記二官能
    価の硬化剤により提供されるビニル基の間の架橋とを有
    する架橋されたポリカルボランシロキサンポリマーを有
    する請求項1に記載の硬化された低温加硫カルボランシ
    ロキサン接着化合物。
  13. 【請求項13】 (i)主鎖に結合されたビニル基を有
    する非常に高分子量のポリカルボランシロキサンポリマ
    ーと、(ii)前記ポリマーにおけるビニル基の数より
    も僅かに少ないモル比の前記二官能価のシラン硬化剤
    と、(iii)前記触媒とを含む固体混合物を形成する
    工程を含む請求項1に記載の低温加硫カルボランシロキ
    サン接着剤の製造方法。
  14. 【請求項14】 各成分を溶媒中に溶解し、溶液を形成
    する工程、前記溶液の層を提供する工程、前記層から前
    記溶媒を蒸発して前記接着剤のフィルムを形成する工程
    により、前記混合物を形成する請求項13に記載の方
    法。
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