JPH0649612B2 - 高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体およびその製造方法 - Google Patents

高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体およびその製造方法

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JPH0649612B2
JPH0649612B2 JP62035233A JP3523387A JPH0649612B2 JP H0649612 B2 JPH0649612 B2 JP H0649612B2 JP 62035233 A JP62035233 A JP 62035233A JP 3523387 A JP3523387 A JP 3523387A JP H0649612 B2 JPH0649612 B2 JP H0649612B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は軸受部材、耐摩耗部材あるいは摺動部材等に有
用な高硬度且つ高緻密な熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体
およびその製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、窒化珪素焼結体は次のように製造している。
まず窒化珪素粉末原料と焼結助剤を混合し、粉砕、混合
した後、粉砕時に用いる玉石の破片等の異物除去のた
め、通常44μmの篩を通している。次に、篩通し後バ
インダーを添加した原料混合物をスプレードライヤーな
どにより乾燥造粒した後、ねかし或いは水分添加により
造粒原料中の水分量をコントロールして更に篩を通した
後、金型プレス又は冷間静水圧プレスにて成形し所定温
度で焼成することにより焼結体を得ている。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上記した従来の窒化珪素焼結体の製造方
法により製造された窒化珪素焼結体を軸受部材、耐摩耗
部材あるいは摺動部材等に適用した場合、決して満足す
る耐久性が得られなかった。
発明者等は、特に使用条件の厳しい軸受用のスラスト型
軸受試験機で転がり疲労試験をした窒化珪素焼結体につ
いて解析した結果、残存する気孔の径が寿命に大きく影
響することを見い出した。
そして、この気孔の発源は乾燥造粒原料中の粗大造粒粒
子や、バインダーのクズなどの異物及び造粒粒子の水分
の不均一性にあることをつき止めた。即ち、従来におい
ては、乾燥造粒後の粗大粒子及び造粒粒子中に含まれる
異物(バインダーのクズ)の排除や造粒粒子中の水分の
均一化を積極的には実施していないため、粗大造粒粒子
及び造粒粒子中に含まれる異物(バインダーのクズ)の
混入や造粒粒子中の水分量のバラツキが生じるという場
合があった。その結果、粗大造粒粒子及び造粒粒子中に
含まれる異物の混入や水分量のバラツキによる不均一な
粒子崩壊により成形体中に気孔が生じて、それが焼結後
に残留し、緻密で高硬度な窒化珪素焼結体を得ることが
できないという欠点があった。
一般的にスプレードライヤーにより乾燥造粒した粒子径
は30〜120μm、水分量は約0.7重量%程度であ
る。なお、本願でいう水分の不均一性とは、大きな粒子
と小さな粒子の水分量のバラツキや粒子の内部と外表面
の水分量の差を指すものである。
とりわけ、軸受部材、耐摩耗部材あるいは摺動部材に適
用する場合には、それらの寿命に対して気孔や硬度の値
が大きく影響するため、従来よりも長寿命のものを得る
には気孔径や面積率が小さく、高硬度なものを製造する
必要があった。中でも、軸受材料として使用する場合に
は、材料の転がり疲れ寿命を把握することが重量である
ことが知られており、転がり疲れ寿命向上のため緻密で
高硬度な材料を開発する必要があった。
[問題点を解決するための手段] 従って本発明の目的は、上記従来の欠点を解消した、緻
密で且つ高硬度な窒化珪素焼結体とその製造方法を提供
することである。そしてその目的は、本発明によれば、
最大気孔径が10μm以下、面積率が0.3%以下で、
かつヌープ硬度が15.5GPa以上であり、軸受部
材、耐摩耗部材または摺動部材として用いられることを
特徴とする高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体、およ
び、窒化珪素原料と焼結助剤を混合、粉砕、造粒後成形
し、次いで該成形体を焼成することにより窒化珪素焼結
体を製造する方法において、好ましくは原料粉砕後従来
より目開きの小さな篩により篩通しをし、噴霧乾燥器を
用いて作製した乾燥造粒後の粉体をさらに強制的に乾燥
した後成形し、次いで、得られた成形体に予備処理を施
し、窒素雰囲気下で熱間静水圧プレス処理を行うことを
特徴とする高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体の製造
方法、により達成される。
本発明における最大気孔径および面積率は、焼結体の表
面を鏡面研摩し、光学顕微鏡を用い、400倍の倍率で
測定した。気孔径はその気孔の最大長さを測定して気孔
径とし、さらに最大気孔径は気孔数を1000個測定
し、その中の最大径を最大気孔径とした。また、面積率
は測定した1000個の気孔の面積を実測することによ
り、全気孔面積を求め、その全気孔面積を測定し要した
全視野面積で除した値である。
本発明に係る高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体にお
いては、その最大気孔径が10μm以下、好ましくは6
μm以下、更に好ましくは4μm以下である。最大気孔
径が10μmを超えると、軸受材料の評価法の一つであ
る転がり疲れ寿命が低下し好ましくない。
また、面積率(気孔率)は0.3%以下、好ましくは
0.2%以下、更に好ましくは0.1%以下である。面
積率(気孔率)が0.3%を超えると、転がり疲れ寿命
が低下し好ましくない。
最大気孔径が10μm以下、面積率が0.3%以下でな
いと転がり疲れ寿命が低下するのは、これより気孔径あ
るいは面積率が大きくなると素地の不均質性が増大し、
転がり疲労試験による破壊が起こりやすくなるためであ
る。このような素地は軸受材料として必要な寿命や特性
を満足せず、好ましくない。
さらに本発明の高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体で
は、そのヌープ硬度が15.5GPa以上であること
が、転がり疲れ寿命および耐摩耗性が向上することから
好ましく、16.0Gpa以上であることが特に好まし
い。
以上のような特性を有する高緻密熱間静水圧焼結窒化珪
素焼結体は、好ましくは原料粉砕後、造粒前に32μm
以下の篩通しをし、次に乾燥造粒後の粉体をさらに強制
的に乾燥した後必要に応じて水分を添加し篩通しをした
後成形し、次いで、得られた成形体に予備処理を施し、
窒素雰囲気下に熱間静水圧プレス処理を行うことにより
製造することができる。すなわち、本発明の高緻密熱間
静水圧焼結窒化珪素焼結体の製造方法において特に重要
なポイントは、噴霧乾燥器(スプレードライヤー)を用
いて作製した乾燥造粒粉体の強制乾燥である。噴霧乾燥
器により乾燥造粒された粉体は、粒径が30〜120μ
m程度で、粉体全体として水分量は約0.7重量%程度
に乾燥されている、個々の造粒粒子を比較すると、大き
な造粒粒子と小さな造粒粒子で含水量が異なり、また1
個の粒子においてもその外表面と内部で水分量の差が生
じている。そこで、その水分量の不均一分布を解消する
ため、噴霧乾燥器により乾燥造粒した粉体をさらにもう
一度乾燥させる(強制乾燥工程)のである。
一方、この強制乾燥を行なわない場合、後続の成形工程
において、成形圧力による造粒粉体の均質な崩壊が起こ
らないため、均質で気孔の少ない成形体が得られず、そ
のため熱間静水圧プレス処理(HIP)後も粗大な気孔
が残留し、面積率(気孔率)の小さな焼成体が得られな
い。
また、造粒粉体を強制乾燥した後、必要に応じて水分を
添加しさらに篩通しすることは、造粒粉末表面に形成さ
れたバインダー膜の表面に水分が均一に分散され、造粒
粉体間に水分量の差がなくなりより均一な造粒粉体を得
ることができることから好ましい。
さらに、粉砕後の原料を造粒前に32μm以下の篩に通
すと好ましいのは、これ以上の大きさの目開きの篩を使
用すると粉砕後の粗大粒子及び原材料中に含まれる異物
を有効に排除できず、造粒粉体の均一性を保持すること
が難しいためである。
また、本発明では前記の強制乾燥後に成形を行ない、次
いで予備処理さらに熱間静水圧プレス処理を行なうが、
このうち予備処理工程は、成形体を一次的に焼成する工
程(一次焼結工程)あるいは、成形体をカプセルに封入
する工程(カプセル処理工程)の2通りに分けることが
できる。予備処理工程のうち、一次焼結工程において
は、成形体を、好ましくは常圧の窒素雰囲気下、140
0〜1600℃で一次的に焼成する。焼成温度が140
0℃より低いと焼成後も開気孔が消失せず、熱間静水圧
プレス処理後にも緻密な焼結体が得られない。また、焼
成温度が1600℃より高いと、窒化珪素の分解反応が
進行し、熱間静水圧プレス処理後にも緻密で高硬度な焼
結体が得られなくなる。
一方、カプセル処理工程においては、成形体を、好まし
くはSiO2を主成分とするガラス中に、真空脱気した
後封入する。カプセルとしてガラスが好ましいのは、熱
間静水圧プレス時のカプセルとしての変形能力および密
封性に優れているためである。
これらの予備処理を施した後、熱間静水圧プレス処理
を、好ましくは200〜1500気圧の窒素雰囲気下、
1500〜1900℃で行なう。
以上のような造粒粉体の強制乾燥工程と、それにより得
られる成形体の予備処理工程および熱間静水圧プレス処
理工程を組合わせ、さらに好ましくは、原料粉砕後の篩
通し工程を施すことによって、本発明のような特性を有
する高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体を製造するこ
とができたのである。
なお、本発明に用いる焼結助剤としては特にその種類を
限定されるものではなく、一般に知られている焼結助剤
を用いることができる。
[実施例] 以下、本発明を実施例に基き詳細に説明するが、本発明
はこれら実施例に限定されるものではない。
図面は本発明の高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体の
製造方法の一実施例を示すフローチャートである。な
お、図面に示すように各工程をステップ1からステップ
9で表わした。
まず、窒化珪素原料と焼結助剤を混合し、粉砕した(ス
テップ1)後、好ましくは粉砕時に用いる玉石の破片等
の異物および粗大粒子除去のため、好ましくは32μm
以下の篩通しをして粒子の平均粒径が1μm以下の原料
を得る(ステップ2)。
次いで噴霧乾燥器を用いて乾燥造粒(ステップ3)後、
その造粒粉体を好ましくは60〜100℃の温度で強制
乾燥して造粒粉体の水分量の差を少なくし均質な造粒粉
体とする(ステップ4)。次に、必要に応じて0.5〜
5.0重量%の水分を造粒粉体に加え(ステップ5)水
分量の均一な造粒粉体を得た後、さらに篩通しをして水
分添加により凝集した粗大粒子を除去する(ステップ
6)。得られた造粒粉体を通常の方法で成形(ステップ
7)後、該成形体に予備処理を施し(ステップ8)、次
いで熱間静水圧プレス処理により焼成する(ステップ
9)ことにより本発明の高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素
焼結体を製造することができる。
以下、さらに具体的な実施例を説明する。
(実施例1) 平均粒径0.5μmのα型窒化珪素粉末に焼結助剤とし
てMgO、ZrO2、Y23の各粉末をそれぞれ4重量
%、2重量%、7重量%の割合で混合し、それに水分6
0%を加え、バッチ式粉砕機により混合粉砕した後、目
開き20μmの篩通しをして、平均粒子径0.7μmの
スラリーを得た。このスラリーにポリビニルアルコール
(PVA)2重量%を添加し、噴霧乾燥器を用いて造粒
粉体とした。
さらに、恒温乾燥器を用い、第1表の強制乾燥温度に示
す温度で24時間造粒粉体を乾燥および必要に応じて水
分添加を実施した後、第1表の水分添加後の篩目開きに
示すごとく、JIS標準篩を用いて篩分けをし、試料番
号1〜9の造粒粉体を得た。この造粒粉体を5トン/cm
2の圧力で冷間静水圧プレス成形することにより、65m
m(φ)×50mm(長さ)の成形体を作製した。
その後、温度500℃で3時間脱脂した後、窒素
(N2)雰囲気下、温度1460℃で6時間常圧焼結を
行なった(一次焼結工程)。次いで、この一次焼結体
を、N2雰囲気下、圧力400atm、温度1700℃
で熱間静水圧プレス(HIP)処理することにより、本
発明の焼結体を得た(試料番号1〜9)。また、これと
は別に、本発明の比較例として第1表に示す強制乾燥を
実施しない製造条件により作製した焼結体(試料番号1
0〜12)を作製した。
得られた焼結体試料の特性を第1表に示す。
転がり疲れ寿命は、焼結体試料より50mm(φ)×10
mm(厚さ)の円板を切り出して鏡面研磨した後、6球式
スラスト型軸受試験機によりヘルツ応力500Kg/mm2
にて転がり疲労試験を実施して評価した。
第1表から明らかなように、本発明の強制乾燥後、必要
に応じて水分を添加し、さらに篩通しを実施した調整原
料を用いたHIP焼結体は、比較例に比べて最大気孔径
が小さく、転がり疲れ寿命特性の優れた焼結体であるこ
とが判明した。
(実施例2) 粉砕後の篩通しおよび粉砕後の平均粒子径の影響を調べ
るため、焼結助剤の種類及び添加量を第2表のように変
えたほかは実施例1と同様の方法で造粒粉体を80℃で
24時間強制乾燥した後、4重量%の水分添加を行な
い、さらに目開き149μmの篩を通過させ、試料番号
13〜17の造粒粉体を得た。
この造粒粉体を実施例1と同様に成形・脱脂をした後、
シリカガラス製カプセルに真空封入した。次いで、この
カプセルをHIP装置内に装入し、圧力1500at
m、温度1600℃でHIP処理を行ない、試料番号1
3〜17の窒化珪素焼結体を得た。
耐摩耗試験においては、試料No.13〜17の焼結体を
15mm(φ)×15mm(長さ)の円柱状に切り出し、#
140のダイヤモンド砥石を用いて研磨した後、ボール
ミルを用いて耐摩耗試験を行なった。試験条件として、
容器は内径120mm(φ)のアルミナ製を用い、120
rpmで回転させた。
また、スリラー液は#100の炭化珪素粉末と水を重量
比で1:1に配合し、容器の半分になるまで加えた。そ
の中に前記において作製した15mm(φ)×15mm(長
さ)の焼結体を5個加え、24時間耐摩耗試験を行なっ
た。
摩耗量は試験前後の重量及び寸法により求めた。結果を
第2表に示す。
第2表から、本発明品の中でも、粉砕後32μm以下の
篩を通したもの、粉砕後の平均粒子径が1μm以下のも
のがより好ましいことが判明した。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、乾燥造粒粉体の
強制乾燥およびそれに引続く予備処理、HIP処理を組
合わせ、さらに好ましくは原料粉砕後の篩通しを施すこ
とによって、最大気孔径および面積率が小さく高硬度な
窒化珪素焼結体を得ることができる。従って、本発明の
窒化珪素焼結体は軸受部材のほか耐摩耗部材、摺動部材
等として極めて有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の製造方法の一実施例を示すフローチャー
トである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最大気孔径が10μm以下、面積率が0.
    3%以下で、かつヌープ硬度が15.5GPa以上であ
    り、軸受部材、耐摩耗部材または摺動部材として用いら
    れることを特徴とする高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼
    結体。
  2. 【請求項2】窒化珪素原料と焼結助剤を混合、粉砕、造
    粒後成形し、次いで該成形体を焼成することにより窒化
    珪素焼結体を製造する方法において、噴霧乾燥器を用い
    て作製した乾燥造粒後の粉体をさらに強制的に乾燥した
    後成形し、次いで、得られた成形体に予備処理を施し、
    窒素雰囲気下で熱間静水圧プレス処理を行うことを特徴
    とする高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】乾燥造粒後の粉体をさらに強制的に乾燥し
    た後、必要に応じて水分を添加し、該粉体を篩通しする
    ことにより、所定の水分量を有する均一な造粒粉体とす
    る特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】粉砕後の原料を造粒前に32μm以下の篩
    を通過させる特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】粉砕後の平均粒子径が1μm以下である特
    許請求の範囲第2項記載の製造方法。
  6. 【請求項6】予備処理が、窒素雰囲気下、1400〜1
    600℃で一次的に焼成するものである特許請求の範囲
    第2項記載の製造方法。
  7. 【請求項7】予備処理が成形体をカプセルに封入するも
    のである特許請求の範囲第2項記載の製造方法。
JP62035233A 1986-12-16 1987-02-18 高緻密熱間静水圧焼結窒化珪素焼結体およびその製造方法 Expired - Lifetime JPH0649612B2 (ja)

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