JPH0649712A - 耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊維 - Google Patents

耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊維

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JPH0649712A
JPH0649712A JP19879492A JP19879492A JPH0649712A JP H0649712 A JPH0649712 A JP H0649712A JP 19879492 A JP19879492 A JP 19879492A JP 19879492 A JP19879492 A JP 19879492A JP H0649712 A JPH0649712 A JP H0649712A
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久 黒田
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秀夫 坂倉
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 床面に衝突したときに、摩擦熱によって生地
が溶融し破損あるいは皮膚の裂傷などの問題点を解消す
る耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊維を提供する。 【構成】 芯成分ポリマーが、鞘成分よりも低融点、か
つ、融解熱量が90J/g以上を有するポリマーである
耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、おもに合成繊維を使用
した織物及び編物が体育館などの木材を使用した床面に
衝突したときに、摩擦熱によって生地が溶融し破損ある
いは皮膚の裂傷などの問題点を解消する耐摩擦溶融性能
を有する芯鞘型複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルやナイロン等の合成繊維か
らなり、スポーツ衣料として用いられる布帛は、床面に
スライディングし、過度の摩擦が生じたときには、発生
する摩擦熱により溶融して穴があいてしまうという問題
があり、各種の耐摩擦溶融加工が施されている。
【0003】シリコーンを主成分とした仕上剤付与等に
より布の平滑性を高めるなどの表面処理が行われている
が、このような特殊加工法は良好な耐摩擦溶融性を示す
が、スナッギング等、布帛としての物性が悪化し、また
洗濯により性能劣化はまぬがれないものである。
【0004】また、綿との交編、交織又は綿との複合糸
(単なる撚糸、精紡交撚等)とすることにより合成繊維
を熱から補強する方法もとられている。しかしながらこ
の場合摩擦により表層の合成繊維が溶融することには違
いなく、さらに綿の耐色性、あるいは加工工賃にもとづ
くコスト高などの問題点をも抱えている。
【0005】そこでこれらのような後加工による機能付
与ではなく原糸そのものが性能を発現するものとして、
芯成分に鞘成分の重合体より低融点のポリマーを使用す
る芯鞘型複合紡糸繊維が特開平4−11006号公報で
提案されている。すなわち、この繊維は、鞘成分として
ポリエチレンテレフタレート、芯成分としてポリプロピ
レンあるいはナイロン12を配した複合紡糸繊維であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】さらに、耐摩擦溶融性
を改善するため、芯成分ポリマーとしてナイロン12よ
りも低い融点を示す可塑化低融点ナイロン12あるいは
ナイロン6/12共重合体を採用した場合、その耐摩擦
溶融性能は、あまり、発現しないことが明らかとなっ
た。本発明は、特開平4−11006号公報で開示され
た従来の技術を改善し、さらに、耐摩擦溶融性を高め、
接圧摩擦させても溶融跡がほとんどみられない繊維を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、芯成分
ポリマーが、鞘成分よりも低融点、かつ、融解熱量が9
0J/g以上を有するポリマーであることを特徴とする
耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊維である。
【0008】従来から、鞘部にポリエチレンテレフタレ
ートを配し、芯部にポリプロピレンあるいはナイロン1
2を配した芯鞘型複合紡糸繊維が良好な耐摩擦溶融性を
発現することが知られていた。
【0009】しかしながら、より融点の低い可塑化低融
点ナイロン12(融点=171.5℃,融解熱量=4
7.6J/g)あるいはナイロン6/12共重合体(融
点=147.1℃,融解熱量=43.4J/g)を芯成
分ポリマーとした芯鞘型複合紡糸繊維は、耐摩擦溶融性
能があまり改善されず、芯成分ポリマーとして融点が低
く、かつ、融解熱量が90J/g以上であるポリマーを
用いることによって、本発明の目的とする耐摩擦溶融性
能に優れた繊維となる。
【0010】本発明の鞘成分ポリマーにはポリエチレン
テレフタレート(融点=256℃,融解熱量=41J/
g)、ナイロン66(融点=265℃,融解熱量=67
J/g)およびナイロン6(融点=224℃,融解熱量
=67J/g)を用いることができるが、主たる繰返し
単位がポリエチレンテレフタレートの繰り返し単位から
構成されるポリエステル重合体が好ましく用いられる。
一方芯成分ポリマーとして該鞘成分ポリマーよりも低融
点を示しかつ融解熱量が90J/g以上を有する高密度
ポリエチレン(融点=130℃,融解熱量=135J/
g)を用いることができる。芯成分として、低密度ポリ
エチレン(融点114℃,融解熱量77J/g)、ポリ
プロピレン(融点=168℃,融解熱量=81J/g)
あるいはナイロン12(融点=182℃,融解熱量=5
5J/g)などを用いると耐摩擦溶融性能は、ある程度
発現するものの、本発明の目的とする接圧摩擦させても
溶融跡がほとんどみられない繊維とはならない。
【0011】このようにして製造された繊維は、ロータ
ー型摩擦溶融試験により6kgの荷重にて3秒間の接圧
摩擦させても溶融跡がほとんど見られない。
【0012】本発明の複合繊維が何故優れた耐摩擦溶融
性を発揮するのか、その理由は明確ではないが、摩擦に
よって生じた熱で芯部がその融点付近まで温度上昇して
溶融しようとし、この際に生じる融解吸熱作用により鞘
部の温度上昇が抑制されるためと考えられ、芯成分とし
て融解熱量の小さい可塑化ナイロン12あるいは共重合
物を有するよりも融解熱量の大きいナイロン12のほう
がその性能がより発揮されることからも十分理解でき
る。
【0013】さらにこのことから、より性能発現性を大
きくする方法として芯成分ポリマーには鞘成分ポリマー
よりも低融点かつ大きな融解熱量(90J/g以上)を
有するポリマーが有効であり、たとえば高密度ポリエチ
レンはポリプロピレンあるいはナイロン12よりも融解
熱量が大きく性能発現性も大きい。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、実施例中の摩擦溶融試験はJIS・L105
6B法(ローター型摩擦溶融試験機を用いる方法)によ
るものである。 [実施例1]相対粘度1.6,密度1.38g/c
3 ,融点256℃のポリエチレンテレフタレート重合
体(PET)を鞘部に、MI(メルトフローインデック
ス)が20g/10min,密度0.96g/cm3
融点130℃,融解熱量135J/gの高密度ポリエチ
レン重合体(PE)を芯部に用い、芯鞘複合比率(容積
比):高密度PE/PET=1/4として290℃で複
合紡糸し、234.2dの未延伸糸を得た。次に公知の
2段型延伸機で延伸し、87.6d/24fの原糸が得
られ安定性も良好であった。次に得られた原糸を使用し
2段ヒーター付き仮撚加工を実施した。この時のヒータ
ー温度はポリエステル100%原糸の場合より低めの1
40℃を採用したが仮撚プロセスは糸切れもなく安定し
ていた。この仮撚加工糸を使用し20G丸編機でスポー
ツ衣料に使用する場合の代表的組織であるモックロディ
で編成しポリエステル繊維使用時に採用する通常の染色
工程で染色仕上げを実施した。色の鮮明性および風合い
など良好な生地が得られた。得られた生地についてロー
タ型摩擦溶融テスト(荷重6kg,3秒間)を実施した
ところ、溶融跡はほとんど認められず、穴あき現象は全
く見られなかった。
【0015】[比較例1]実施例1における芯成分とし
て、MIが45g/10min,密度0.92g/cm
3 ,融点170℃,融解熱量81J/gのポリプロピレ
ン重合体(PP)を芯部に用い、芯鞘複合比率(容積
比):PP/PET=1/4として290℃で複合紡糸
し、236.0dの未延伸糸を得た。以下同様に延伸加
工を行い、90.4d/24fの原糸が得られ安定性も
良好であった。次に得られた原糸を使用し、ヒーター温
度:150℃にて仮撚加工を実施した。以下同様に編
成、染色を行い、摩擦テスト(荷重6kg,3秒間)を
実施したところ、引っ張っても糸切れは生ぜず、穴あき
現象は見られないものの、溶融跡が見られた。
【0016】[比較例2]実施例1における芯成分とし
て、密度1.02g/cm3 ,融点182℃,融解熱量
55J/gのナイロン12(N12)を芯部に用い、芯
鞘複合比率(容積比):N12/PET=1/4として
290℃で複合紡糸し、236.0dの未延伸糸を得
た。以下同様に延伸加工を行い、90.4d/24fの
原糸が得られ安定性も良好であった。次に得られた原糸
を使用し、ヒーター温度:150℃にて仮撚加工を実施
した。以下同様に編成、染色を行い、摩擦テスト(荷重
6kg,3秒間)を実施したところ、引っ張っても糸切
れは生ぜず、穴あき現象は見られないものの、溶融跡が
見られた。
【0017】[比較例3]実施例1における芯成分とし
て、密度1.02g/cm3 ,融点172℃,融解熱量
48J/gの可塑低融点化ナイロン12を芯部に用い、
芯鞘複合比率(容積比):可塑低融点化N12/PET
=1/4として290℃で複合紡糸し、218.1dの
未延伸糸を得た。以下同様に延伸加工を行い、90.4
d/24fの原糸が得られ安定性も良好であった。次に
得られた原糸を使用し、ヒーター温度:160℃にて仮
撚加工を実施した。以下同様に編成、染色を行い、摩擦
テスト(荷重6kg,3秒間)を実施したところ、あま
り、耐摩擦溶融性能がなかった。
【0018】[比較例4]実施例1における芯成分とし
て、密度1.02g/cm3 ,融点147℃,融解熱量
43J/gの可塑低融点化ナイロン12を芯部に用い、
芯鞘複合比率(容積比):可塑低融点化N12/PET
=1/4として290℃で複合紡糸し、243.0dの
未延伸糸を得た。以下同様に延伸加工を行い、92.0
d/24fの原糸が得られ安定性も良好であった。次に
得られた原糸を使用し、ヒーター温度:160℃にて仮
撚加工を実施した。以下同様に編成、染色を行い、摩擦
テスト(荷重6kg,3秒間)を実施したところ、あま
り、耐摩擦溶融性能がなかった。
【0019】[比較例5]実施例1における芯成分とし
て、融点114℃,融解熱量77J/gの低密度ポリエ
チレンを芯部に用い、芯鞘複合比率(容積比):低密度
PE/PET=1/4として290℃で複合紡糸し、2
43.0dの未延伸糸を得た。以下同様に延伸加工を行
い、92.0d/24fの原糸が得られ安定性も良好で
あった。次に得られた原糸を使用し、ヒーター温度:1
40℃にて仮撚加工を実施した。以下同様に編成、染色
を行い、摩擦テスト(荷重6kg,3秒間)を実施した
ところ、引っ張っても糸切れは生ぜず、穴あき現象は見
られないものの、溶融跡が見られた。
【0020】
【発明の効果】スポーツ用衣料として、近年、木の床面
を有した屋内競技場及び人工芝の球技場など増加にとも
ない、耐摩擦溶融性能の高い繊維の開発が望まれていた
が、本発明の繊維は、床面にスライディングし、過度の
摩擦が生じたときにも発生する摩擦熱により溶融しない
繊維であり、スポーツ用衣料に最適な繊維である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯成分ポリマーが、鞘成分よりも低融
    点、かつ、融解熱量が90J/g以上を有するポリマー
    であることを特徴とする耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型
    複合繊維。
  2. 【請求項2】 主たる繰返し単位がポリエチレンテレフ
    タレートの繰り返し単位から構成されるポリエステル重
    合体を鞘部に配し、該ポリエステル重合体よりも低融点
    かつ融解熱量が90J/g以上を有する重合体を芯部に
    配した請求項1記載の耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複
    合繊維。
  3. 【請求項3】 高密度ポリエチレン重合体を芯部に用い
    る請求項1記載の耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型複合繊
    維。
  4. 【請求項4】 ローター型摩擦溶融試験により6kgの
    荷重にて3秒間の接圧摩擦させても溶融跡がほとんどみ
    られない請求項1記載の耐摩擦溶融性能を有する芯鞘型
    複合繊維。
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KR20160143634A (ko) 2014-04-18 2016-12-14 케이비 세렌 가부시키가이샤 복합섬유, 그것으로 이루어지는 가연가공사 및 그 제조방법, 및 포백

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