JPH0651555U - シール付玉軸受 - Google Patents

シール付玉軸受

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JPH0651555U
JPH0651555U JP092198U JP9219892U JPH0651555U JP H0651555 U JPH0651555 U JP H0651555U JP 092198 U JP092198 U JP 092198U JP 9219892 U JP9219892 U JP 9219892U JP H0651555 U JPH0651555 U JP H0651555U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シール板15を外輪4の内周面に係止する部分
の幅寸法を小さく抑える。これによって、玉軸受の幅寸
法を小さくしたり、或はシール板15の内側に充填可能
なグリースの量を多くする。 【構成】外輪4の端部に形成した係止凹溝14にシール
板15の外周縁を係止する。このシール板15は、補強
板17の片面に弾性材18を添着して成る。弾性材18
の外周縁部で、補強板17の外周縁部よりも突出した外
周側弾性突出部19を、上記係止凹溝14に圧入してい
る。この圧入により、上記シール板15を上記外輪4に
支持している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案に係るシール付玉軸受は、例えばコンピューター機器、オーディオ・ ビジュアル機器等に組み込んで、各種回転部分を支持するのに利用する。
【0002】
【従来の技術】
例えばオーディオ・ビジュアル機器のキャプスタン等の回転部材を支持する為 、ミニチュア軸受、小径軸受等と呼ばれる小型の玉軸受が使用されている。この 玉軸受は、例えば図9に示す様に、外周面に内輪軌道1を有する内輪2と、内周 面に外輪軌道3を有し、上記内輪2と同心に配置された外輪4と、上記内輪軌道 1と外輪軌道3との間に転動自在に設けられた複数の玉5とを備えている。各玉 5は保持器9により、転動自在に保持されている。
【0003】 上記外輪4の内周面の両端部2箇所位置には係止凹溝6、6を、それぞれ全周 に亙って形成し、各係止凹溝6、6に、円輪状のシール板7、7の外周縁部を支 持している。各シール板7、7は、ステンレス鋼板等、十分な剛性を有する板材 により造られた補強材10と、ゴム、合成樹脂等の弾性材11とから成る。この 弾性材11の内外両周縁部は、上記補強材10の内外両周縁よりも突出している 。そして、外周側の突出部を上記係止凹溝6、6に嵌着して、各シール板7、7 を外輪4の両端部内側に支持している。この状態で上記弾性材11の内周縁は、 上記内輪2の両端部外周面に摺接する。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案のシール付玉軸受は、シール板を外輪又は内輪の周面に装着にする部分 の構造を簡略化する事により、このシール板の設置スペースの減少を図り、玉を 設けた空間内に充填可能なグリースの量を増大したり、或はシール付玉軸受の小 型軽量化を図るものである。
【0005】 シール板を外輪又は内輪の周面に装着する為に従来は、例えば実開昭49−1 40548号公報に記載されている様に、係止凹溝6と弾性材11の周縁部との 形状を所定通りに仕上げ、この周縁部を上記係止凹溝6に、十分な強度で嵌合さ せている。
【0006】 即ち、図10に示す様に、シール板7に添着した弾性材11の周縁部12を係 止凹溝6に、この周縁部12を弾性変形させる事で押し込み自在としている。
【0007】 ところが、この様な従来構造の場合、シール板7の周縁部12を係止凹溝6に 装着する作業を容易に行なえ、しかも装着したシール板7が外れにくくする為に は、上記周縁部12並びに係止凹溝6の形状寸法を正確に仕上げなければならず 、シール付玉軸受の製作費が嵩んでしまう。
【0008】 又、同様の理由により、上記係止凹溝6の幅寸法を大きくせざるを得ない。こ の為、玉5、5を設けた空間8(図9)の容積を確保しようとした場合には、シ ール付玉軸受の幅寸法が大きくなり、この幅寸法を一定とした場合には、上記空 間8の容積が小さくなってしまう。この空間8の容積が小さくなる事は、空間8 内に充填出来るグリースの量が少なくなる事に繋がり、軸受寿命の短縮に結び付 く為、好ましくない。
【0009】 本考案のシール付玉軸受は、上述の様な事情に鑑みて考案されたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案のシール付玉軸受は、前述した従来のシール付玉軸受と同様に、外周面 に内輪軌道を有する内輪と、内周面に外輪軌道を有し、上記内輪と同心に配置さ れた外輪と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の玉と 、上記内輪外周面の端部と外輪内周面の端部との一方の端部にその一方の周縁部 を支持し、その他方の周縁部を他方の端部に近接若しくは摺接させた円輪状のシ ール板とを備えている。
【0011】 特に、本考案のシール付玉軸受に於いては、上記一方の端部には係止凹溝が、 全周に亙って形成されており、上記シール板は十分な剛性を有する補強板とこの 補強板の片面に添着された弾性材とから成り、この弾性材の周縁部は、少なくと も上記一方の周縁部の側で上記補強板の周縁部よりも突出する事で、弾性突出部 を構成しており、この弾性突出部を上記係止凹溝に圧入する事により、上記シー ル板を上記内輪又は外輪に支持した事を特徴としている。
【0012】
【作用】
上述の様に構成される本考案のシール付玉軸受の場合、特に係止凹溝やこの係 止凹溝に嵌合する弾性突出部の形状を複雑化したり、或は幅を広くする事なく、 シール板を係止凹溝に支持出来る。
【0013】 この為、製作費の低廉化を図れるだけでなく、シール付玉軸受の幅寸法を一定 とした場合には、玉を設けた空間部分の容積を増大して、この空間内へのグリー スの充填量を増し、上記空間部分の容積を同じとした場合には、シール付玉軸受 の幅寸法を小さくして、このシール付玉軸受の小型化を図れる。
【0014】
【実施例】
本考案のシール付玉軸受は、前記図9に示す様に、外周面に内輪軌道1を有す る内輪2と、内周面に外輪軌道3を有し、上記内輪2と同心に配置された外輪4 と、上記内輪軌道1と外輪軌道3との間に転動自在に設けられ、保持器9により 保持された、複数の玉5とを備えている。
【0015】 本考案のシール付玉軸受の場合、図1に示す様に、外輪4の内周面端部に係止 凹溝14を、全周に亙って形成し、この係止凹溝14に、全体を円輪状に形成さ れたシール板15の外周縁を係止している。上記外輪4の内周面端部には、中間 部よりも内径が大きくなった段部16が形成されており、上記係止凹溝14はこ の段部16の中央寄り半部に形成されている。
【0016】 一方、上記シール板15は、図2に示す様に、十分な剛性を有する金属製の補 強板17と、この補強板17の片面に添着された、ゴム、合成樹脂等の弾性材1 8とから成る。そして、この弾性材18の内外両周縁部は、上記補強板17の内 外両周縁部よりも突出して、外周側弾性突出部19と内周側弾性突出部20とを 構成している。
【0017】 この様な形状を有するシール板15は、例えば特開昭54−132045号公 報に記載されている様に、上記補強板17を構成する金属板の片面に弾性材18 を被覆した板材を円輪状に打ち抜く事で構成される。上記外周側、内周側、両弾 性突出部19、20の大きさは、打ち抜き用の雄型(ポンチ)と雌型(ダイ)と のクリアランス(両型の嵌合時に於ける直径方向隙間)、打ち抜き方向(ポンチ を金属板に突き当てるか、或は弾性材に突き当てるか)、打ち抜き時に於ける弾 性材の圧縮度合い等により調節する。
【0018】 そして、上述の様なシール板15は、上記外周側弾性突出部19を、前記係止 凹溝14に圧入する事により、前記外輪4の内周面両端部に支持する。
【0019】 上述の様に構成される本考案のシール付玉軸受の場合、特に外輪4の内周面両 端部に形成する係止凹溝14の断面形状や、この係止凹溝14に嵌合する外周側 弾性突出部19の形状を複雑化したり、或は係止凹溝14や外周側弾性突出部1 9の幅を広くする事なく、上記シール板15を係止凹溝14に支持出来る。
【0020】 この為、製作費の低廉化を図れるだけでなく、シール付玉軸受の幅寸法を一定 とした場合には、玉5を設けた空間8(図9)部分の容積を増大して、この空間 8内へのグリースの充填量を増し、玉軸受の寿命を延ばす事が出来る。又、上記 空間8部分の容積を同じとした場合には、シール付玉軸受の幅寸法を小さくして 、このシール付玉軸受の小型化を図れる。
【0021】 次に、シール板15の外周側弾性突出部19を係止凹溝14に嵌合する作業を 十分に行ない易く、且つ、嵌合後にはこの外周側弾性突出部19が係止凹溝14 から抜けにくくする条件を求める為、本考案者が行なった実験に就いて説明する 。
【0022】 実験では、上記係止凹溝14の形状並びに寸法、上記外周側弾性突出部19の 寸法等を各種変え、この外周側弾性突出部19を係止凹溝14内に押し込む為に 要する力(板圧入力値)、並びに一度押し込んだ外周側弾性突出部19を係止凹 溝14から抜き出し力(板脱力値)を求めた。
【0023】 実験は、図3に示した係止凹溝14の口元部の内径D14、係止凹溝14の深さ d14、補強板17の外径D17、補強板17の厚さT17、弾性材18の厚さT18、 係止凹溝14の幅W14、係止凹溝14の口元部側内側面の傾斜角度θ、弾性材1 8の弾性K、図4に示した上記外周側弾性突出部19の容積S19と上記係止凹溝 14の容積S14との関係を種々変える事で、各要素が上記板圧入力値と板脱力値 とに及ぼす影響に就いて調べた。尚、補強板17はステンレス鋼板製とし、その 弾性変形量は無視出来るものとした。
【0024】 先ず、上記外周側弾性突出部19を係止凹溝14に押し込み、この外周側弾性 突出部19の一部を、上記補強板17の外周縁と係止凹溝14の口元部との間の 隙間21から突出させた場合に、この隙間21の幅W21と上記弾性材18の厚さ T18との比(W21/T18)である、この弾性材18の絞り量(弾性圧縮量)が、 上記板圧入力値及び板脱力値に及ぼす影響を求めたところ、図5に示す様な関係 を得られた。尚、この際に於ける弾性材18としては、伸び率が100%以上で ある、ニトリルブタジエンゴム(NBR)を使用した。
【0025】 この図5に示した2本の曲線a、bの内、曲線aは上記絞り量と板脱力値との 関係を、曲線bは上記絞り量と板圧入力値との関係を、それぞれ表わしている。 そしてこの図5から、弾性体の伸び率が100%以上の場合、上記絞り量を1/ 3〜1/2の範囲にすれば、板圧入力値をあまり大きくする事なく、板脱力値を 十分に大きな値に出来る事が解る。
【0026】 次に、図6は上記板脱力値と玉軸受の外径との関係を示している。この図6の 関係を得る場合に於いて、弾性材18は、伸び率が100%以上のNBRとし、 先ず例1に於いては、軸受の外径4.5mmの場合、 係止凹溝14の深さd14は0 .05mmとし、補強板17の厚さT17は0.1mmとし、弾性材18の厚さT18は 0.13mmとし、係止凹溝14の幅W14は0.2mmとし、係止凹溝14の口元部 内側面の傾斜角度θは10°とし、外周側弾性突出部19の容積S19と上記係止 凹溝14の容積S14との比S14/S19は60%とした。又、例2に於いては、軸 受の外径は9.525mm、d14は0.06mm、T17は0.1mm、T18は0.17 mm、W14は0.25mm、θは15°、S14/S19は60%とした。更に、例3に 於いては、軸受の外径は22mm、d14は0.1mm、T17は0.15mm、T18は0 .2mm、W14は0.3mm、θは15°、S14/S19は60%とした。
【0027】 この図6で実線は本考案品の場合を、破線は従来品の場合を、それぞれ表わし ている。この図6の記載から明らかな通り、本考案のシール付玉軸受の場合、従 来のシール付玉軸受の場合に比べて、玉軸受の外径が大きくなるに従って、シー ル板15の板脱力値が大きくなる。従って、玉軸受の外径が大きくなる場合でも 、係止凹溝14の幅寸法W14をあまり大きくする必要がなく、玉軸受の幅寸法を 抑える事が出来る。
【0028】 図7は、前記実施例に於いて、例1では、板脱力値は400gf以上、例2では 、1.21kgf 以上、例3では3.6kgf 以上を示したが、これらの場合に於け る、玉軸受の外径と係止凹溝14の幅寸法W14との関係を示している。この図7 からも、玉軸受の外径が大きくなる場合でも、係止凹溝14の幅寸法W14をあま り大きくする必要がなく、玉軸受の幅寸法を抑えられる事が解る。この図7に於 いても、実線が本考案の玉軸受を、破線が従来の玉軸受を、それぞれ示している 。
【0029】 又、前記外周側弾性突出部19の容積S19と係止凹溝14の容積S14との関係 S14/S19は、0.5〜0.95の範囲、好ましくは0.6〜0.9の範囲とす る。
【0030】 尚、本考案のシール付玉軸受を構成する場合、前記図1、3に示す様に、係止 凹溝14の内側の段部16は必ずしも必要ではなく、例えば図8に示す様な形状 の係止凹溝14でも、十分にシール板15を保持出来る。
【0031】
【考案の効果】
本考案のシール付玉軸受は、以上に述べた通り構成され作用するので、シール 板を外輪又は内輪の周面に装着にする部分の構造を簡略化して、このシール板の 設置スペースの減少を図り、シール板の内側に存在する空間内に充填可能なグリ ースの量を増大して玉軸受の寿命増大を図ったり、或はシール付玉軸受の小型軽 量化を図れる。
【提出日】平成6年3月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 尚、本考案のシール付玉軸受を構成する場合、前記図1、3に示す様に、係止 凹溝14の内側の段部16は必ずしも必要ではなく、例えば図8に示す様な形状 の係止凹溝14でも、十分にシール板15を保持出来る。更に、シール板15を 構成する補強板17の片面で弾性材18により覆われない面を、赤、青、黄等の 目立つ色に着色する事も出来る。この様な着色により、補強板17側と弾性材1 8側との方向性を明瞭にすれば、当該シール板15を玉軸受に組み付ける際に、 組み付け方向を間違える事がなくなる。更に、玉軸受の軸方向一端に組み付けた シール板15と他端に組み付けたシール板15とで、上記片面の色を異ならせれ ば、この色の違いによりグリースの封入方向を識別する事も出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のシール板付玉軸受の部分拡大断面図。
【図2】シール板の断面図。
【図3】各部の寸法を説明する為の図1と同様の断面
図。
【図4】係止凹溝の容積と外周側弾性突出部の容積との
関係を説明する為の断面図。
【図5】弾性材の絞り量が、板脱力値及び板圧入力値に
及ぼす影響を示す線図。
【図6】軸受外径と板脱力値との関係を示す線図。
【図7】軸受外径と係止凹溝の幅寸法との関係を示す線
図。
【図8】本考案のシール付玉軸受の別形状を示す部分断
面図。
【図9】従来のシール付玉軸受の1例を示す部分断面
図。
【図10】図9のA部拡大断面図。
【符号の説明】
1 内輪軌道 2 内輪 3 外輪軌道 4 外輪 5 玉 6 係止凹溝 7 シール板 8 空間 9 保持器 10 補強材 11 弾性材 12 周縁部 14 係止凹溝 15 シール板 16 段部 17 補強板 18 弾性材 19 外周側弾性突出部 20 内周側弾性突出部 21 隙間

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周面に内輪軌道を有する内輪と、内周
    面に外輪軌道を有し、上記内輪と同心に配置された外輪
    と、上記内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けら
    れた複数の玉と、上記内輪外周面の端部と外輪内周面の
    端部との一方の端部にその一方の周縁部を支持し、その
    他方の周縁部を他方の端部に近接若しくは摺接させた円
    輪状のシール板とを備えたシール付玉軸受に於いて、上
    記一方の端部には係止凹溝が、全周に亙って形成されて
    おり、上記シール板は十分な剛性を有する補強板とこの
    補強板の片面に添着された弾性材とから成り、この弾性
    材の周縁部は、少なくとも上記一方の周縁部の側で上記
    補強板の周縁部よりも突出する事で、弾性突出部を構成
    しており、この弾性突出部を上記係止凹溝に圧入する事
    により、上記シール板を上記内輪又は外輪に支持した事
    を特徴とするシール付玉軸受。
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