JPH0653707B2 - ケテン誘導体の製造方法 - Google Patents

ケテン誘導体の製造方法

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JPH0653707B2
JPH0653707B2 JP21640587A JP21640587A JPH0653707B2 JP H0653707 B2 JPH0653707 B2 JP H0653707B2 JP 21640587 A JP21640587 A JP 21640587A JP 21640587 A JP21640587 A JP 21640587A JP H0653707 B2 JPH0653707 B2 JP H0653707B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、反応液にケテンガスを吸収させ、連続的にケ
テン誘導体を製造する方法に関するものであり、とく
に、アセトン、メチルエチルケトン等の脂肪族ケトン類
とケテンを反応させる方法に関するものである。
(従来技術及びその問題点) 以下、アセトンとケテンを反応させイソプロペニルアセ
テートを製造する方法を例にとり具体的に説明する。
ケテンとアセトンを反応させイソプロペニルアセテート
を得ることは公知であるが、とくに使用する触媒に関
し、硫酸、リン酸、過塩素酸を用いる公知の方法の他リ
ン、イオウ、ヒ素又はアンチモンの塩化物、或はイオ
ウ、アンチモンの酸塩化物を用いる方法(特公昭31-411
6)オルトリン酸或は亜リン酸と無水酢酸或はケテンと
の反応生成物を用いる方法(特公昭52-18173)ジフルオ
ルリン酸等を用いる方法(特公昭37-9463)、ナフタレ
ンジスルホン酸を用いる方法(米国特許第2684980号)
の他アセチルスルホ酢酸、スルホカルボン酸等数多く提
案されている。
かかる触媒の目的は、いづれもアセトンをエノール化さ
せるためのものであり、いずれの触媒も強いブレンステ
ッド酸である。このような触媒のいづれかを選び反応を
行なうことにより、イソプロペニルアセテート反応液が
得られる。反応液中の含有成分は、未反応アセトン、イ
ソプロペニルアセテートの他に無水酢酸、ジケテン及び
タール等の副生物から成る。
この反応を回分式で行なう場合、アセトンの転化率が7
0%に達する迄ケテンガスを吹込んで反応させることは
比較的容易であり、かつ比較的良い選択率を得られる
が、これに対し連続反応にて高い転化率を得ようとする
と、種々の問題が起きる。
まず、高いアセトンの転化率下では、ジケテンやタール
の副生が顕著となり、高いケテン収率を得られないこと
が挙げられる。これは連続反応条件では常にアセトン濃
度の低いところで反応が進行することになるわけであ
り、アセトンの高い転化率下ではどうしてもイソプロペ
ニルアセテート生成速度が遅くなり溶存ケテンの重合等
の影響が強くなるためである。
又、反応設備として、通気撹拌槽や気泡塔を用いると液
柱圧力のためガス吹込口では高温、正圧となりケテンガ
スの重合により閉塞してしまう問題がある。さらに吸収
率も悪いことから特に大型反応設備としては適さない。
ケテンガス吸収塔及び反応槽の組み合わせによる反応設
備は、これに対し吸収率が高い他にケテンガス吹込口で
の閉塞トラブルが起きない。しかしながら、吸収塔内で
ケテンガス濃度が高くなるためであると考えられるが、
ケテン重合によるジケテンやタールの生成が比較的低転
化率下でも進み、良好な成績が得られない欠点がある。
一方、アセトン転化率を低くして反応させるとジケテン
やタールが少なくなるが、アセトンの縮重合や、これに
よって生じる水に起因すると考えられる無水酢酸の生成
のため、必ずしも高い収率を得られない。
(問題点を解決するための手段) 而して本発明者は、連続反応に於て高いアセトン転化率
下でもジケテンやタールの生成を抑制し、好収率を得る
こと、ケテンガスライン閉塞の問題、を解決すること、
そして高い吸収率を保つことを目的として鋭意検討を重
ねた結果、非常に有効でかつ単純な設備及び操作条件を
見出すに至った。即ち本発明は反応液にケテンガスを吸
収させ、連続的にケテン誘導体を製造する方法におい
て、液エジェクターを用いて反応液を循環させるととも
に、ケテンガスを吸引し、反応液中へ吸収させることを
特徴とするケテン誘導体の製造方法である。
本発明者は、アセトンとケテンの反応が、ケテンの重合
によるジケテンやタールの生成する副反応に対し、その
反応速度式における溶存ケテンガス濃度項の次数が主反
応に比べ、副反応の方が大きな値を示すことを見出し
た。即ち、ケテンガスを大量に吹込むより、少量ずつ吹
込む方が成績としては有利であり、この傾向が特に連続
反応でアセトン濃度の低い場合に非常に顕著となること
を発見したのである。
このことから、ケテンガスを液中へうまく吸収させると
同時に分散させることが不可欠であろうと考え、液エジ
ェクターをイソプロペニルアセテート製造に用いる検討
を行なった。この結果反応槽に、液エジェクターを取付
け反応液を循環することによりケテンガスを吸引するこ
と、或は効果的に液中に分散吸収できたことから高収率
が得られ、操作上も長時間の定常運転が可能となったの
である。
液エジェクターによる吸引でケテンガスを吸収させる
が、ガス側の操作圧は700mmHg以下の負圧になるよう
に運転することが望ましい。この結果、通気撹拌槽や汎
用の気泡塔でみられたようなガス吹込口の閉塞の問題は
完全に解消された。
この装置は、高いアセトン転化率下での連続反応に於て
も高収率を得るが、さらに反応槽へ撹拌設備を取付ける
か、別途反応槽内の循環混合ラインを取付けることが好
しい。このことにより、70%以上の高い転化率下での
反応に於ても高い選択率が得られ、ケテンガスの吹込量
を調節することにより、高い吸収率と共に高い選択率を
得ることができる。
回分法で反応を行なったり、低い転化率で反応させる
と、アセトンの縮合物やこれによって生じる水に起因す
る無水酢酸の生成のため成績はそれ程高くない。高いア
セトン転化率下で連続反応を行なうとこのようなアセト
ンの縮合が抑えられる。そのため、本反応装置に於て高
い転化率の下でジケテンやタールの生成を抑制しつつ反
応できたことから、その選択率は95%に達する非常に
高い数値が得られた。
転化率は、本発明者の検討によると85%迄は操作が可
能であるが、これを超えると反応速度が遅くなりすぎて
かなり大型の反応槽が必要となってしまう。従って転化
率は80%あたりで操作するのが最も有利である。
反応槽は、例えば転化率80%で運転する場合は反応液
の反応槽内滞留時間は4時間以上、転化率70%では2.
5時間以上が好しい。これ以下では、吸収率が悪くなっ
てしまう他ジケテンの生成も増す。
反応液の循環量は、使用するエジェクターの仕様に従っ
て決めればよいがその値より多めの循環量をとってガス
ラインが負圧となるように工夫することが望ましい。
反応温度は60℃以上で、反応液の沸点(例えば転化率
80%の時の沸点は85℃)より少なくとも10℃低い
温度で行なわれる。温度が低いと反応が遅くなってしま
う一方、高くなって沸点に近づくと充分にエジェクター
によるガス吸引能力が得られなくなる。
触媒は前述のものいずれも使用できるが、本発明者の検
討ではナフタレン1,5−ジスルホン酸が最も高収率を得
た。
得られた反応液は一時ホールドタンクに貯めておくこと
もできるが、触媒の種類によっては長時間放置によって
スケーリングを起こすこともあるので、抜取后直ちに塩
基で中和する方が好ましい。なお回分式や低いアセトン
転化率下で反応させた場合、逆に熟成させた方が収率が
向上する。中和された液は常法により、アセトン分や高
沸分と蒸留分離することにより、イソプロペニルアセテ
ートを得る。
以上、アセトンとケテンの反応に関して、本発明を具体
的に説明したが、本発明はこの反応に限定されるもので
はない。
(発明の効果) (1)不安定なケテンガスを連続的に反応させるにあた
り、ジケテンやタール分の生成をおさえた効率的な反応
方法が提供できた。
(2)例えば、アセトンとケテンを反応させてイソプロペ
ニルアセテートを得るに当り、液エジェクターを用いる
ことにより、高いアセトンの転化率下でも高い選択率を
得、操作的にも閉塞等がなく長期間の連続運転が可能と
なった。
実施例1 撹拌機還流冷却器を備えたジャケット付のガラス製フラ
スコへガラスアスピレーターを取付け、65℃に保たれ
たイソプロペニルアセテート反応液を毎時約400の
流量でポンプ循環し、ケテンガスを毎時260の速度
で供給した。この時のガス側の圧力は、640mmHgを示
した。
アセトンを毎時731gの速度で供給し、反応液を反応
槽内の液面が7を保つように抜取った。反応温度は6
5℃とし、アセトン中には0.8重量%のナフタレン−1,5
−ジスルホン酸が溶解してある。
ケテンガスは約90%の純度で、不純物としてアレン、
一酸化炭素、窒素が含まれていた。排ガスは水による吸
収塔へ導かれており、連続運転20時間后の吸収塔液の
酸分析結果から、吸収率は99.1%であることが判った。
反応液は平均すると毎時1160g抜取られ、組成を分
析してみたところ、アセトン12.3%イソプロペニルアセ
テート82.8%の他ジケテン0.6%無水酢酸2.7%タール分
1.4%であった。
以上の結果からアセトンの転化率は80.3%変化したアセ
トンに対するイソプロペニルアセテートの選択率は95.5
%吸収されたケテンガスに対するイソプロペニルアセテ
ートの収率は94.2%であった。
実施例2 実施例1の操作で、ケテンガスの吹込みを、毎時225
の流量とする以外同様の操作を行なった。ケテンガス
の吸収率は、排ガス吸収塔液の酸分析結果から、99.6%
であることが判った。
反応液は平均すると毎時1110g抜取られ組成を分析
したところアセトン分が18.2%イソプロペニルアセテー
ト76.7%ジケテン0.3%無水酢酸3.1%タール分1.2%で
ありアセトンの転化率は72.3%変化したアセトンに対す
るイソプロペニルアセテートの選択率は93.9%吸収され
たケテンガスに対するイソプロペニルアセテートの収率
は93.1%であった。
比較例1 撹拌機還流冷却器を備えた1のジャケット付ガラス製
フラスコ内に65℃のイソプロペニルアセテート反応液
を900mlの液面を保ちながら底部よりケテンガスを毎
時40吹込んだ。
アセトンへ0.8重量パーセントのナフタレン−1,5−ジス
ルホン酸を溶解した液を毎時100gづつ反応槽へ添加
した。
反応継続2時間又は3時間毎にケテン吹込口にて閉塞し
たため窒素ガスを吹込んだり運転を停止して清掃する作
業がくり返された。排ガス吸収塔液の酸分析によりケテ
ンガスの吸収率は87%であることが判った。
反応液は平均すると毎時155gづつ抜取られ、組成を
分析すると、アセトン19.0%イソプロペニルアセテート
73.0%ジケテン1.5%無水酢酸3.8%タール分2.2%であ
った。
アセトンの転化率は70.5%であり、変化したアセトンに
対するイソプロペニルアセテートの選択率は90.7%であ
り吸収したケテンガスに対するイソプロペニルアセテー
トの収率は89.0%であった。
比較例2 撹拌機還流冷却器を備えた1のジャケット付ガラス製
フラスコ内に65℃のイソプロペニルアセテート反応液
を一定の液面に保ちつつ、該反応液を内径30mm高さ3
00mmの充填塔頂部へ毎時30の量をポンプ循環し
た。循環液は充填塔を通ってU字管を経た後再び反応槽
へ戻る。この充填塔の底部よりケテンガス35吹込ん
だところ98%以上という高い吸収率でケテンが吸収さ
れた。運転中、特にガス配管での閉塞といったトラベル
もなく継続できた。
アセトン0.8重量パーセントのナフタレン−1,5−ジスル
ホン酸を溶解した液を毎時100gづつ反応槽へ添加
し、反応液を反応系内(即ち反応槽の他に配管塔のホー
ルドアップを含む)1.2を維持するように抜取ったと
ころ、平均165gづつ抜取られた。
抜取液の組成を分析してみたところ、アセトンが13.2%
イソプロペニルアセテートが68.1%ジケテン6.7%無水
酢酸5.0%タール分7.0%であった。
アセトンの転化率は78.2%で、変化したアセトンに対す
るイソプロペニルアセテートの選択率は83.4%であり、
吸収したケテンガスに対するイソプロペニルアセテート
の収率は72.6%であった。
実施例3 実施例1と同じ装置に0.8重量パーセントのナフタレン
−1,5−ジスルホン酸を溶解したメチルエチルケトンを
毎時905gの速度で供給すること以外同様に処理し
た。
排ガス吸収塔液の酸分析結果から、ケテンガス吸収率
は、ほぼ100%であることが判った。
反応液は平均すると毎時1346gづつ抜取られ、組成
を分析してみたところ、未反応メチルエチルケトン11.8
%、1−メチル−1−プロペニルアセテート70.6%、1
−エチルビニルアセテート15.4%、無水酢酸1.2%、ジ
ケテン0.6%、タール分が0.4%であり、メチルエチルケ
トンの転化率は82.5%、1−メチル−1−プロペニルア
セテートと1−エチルビニルアセテートの選択率は合わ
せて吸収ケテンガスに対し96.7%、反応したメチルエチ
ルケトンに対し98.0%であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ケテンと反応する化合物とから誘導された
    ケテン誘導体を連続的に製造する方法において、液エジ
    ェクターを用いて反応槽中の反応液を循環させるととも
    に、該液エジェクターのガス吸引部からケテンを仕込
    み、反応液中え吸収させることを特徴とするケテン誘導
    体の製造方法
  2. 【請求項2】脂肪族ケトン類とケテンを反応させるきと
    を特徴とする特許請求範囲第1項記載のケテン誘導体の
    製造方法
JP21640587A 1987-09-01 1987-09-01 ケテン誘導体の製造方法 Expired - Fee Related JPH0653707B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110511142A (zh) * 2019-08-29 2019-11-29 青岛科技大学 一种乙酸异丙烯酯的连续化生产系统及生产工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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