JPH0654900A - プラズマ重合膜被覆眼内レンズ - Google Patents

プラズマ重合膜被覆眼内レンズ

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JPH0654900A
JPH0654900A JP4232626A JP23262692A JPH0654900A JP H0654900 A JPH0654900 A JP H0654900A JP 4232626 A JP4232626 A JP 4232626A JP 23262692 A JP23262692 A JP 23262692A JP H0654900 A JPH0654900 A JP H0654900A
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JP
Japan
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plasma
intraocular lens
polymerized film
lens
hydrogen
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Application number
JP4232626A
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English (en)
Inventor
Kenji Yasuda
健二 安田
Hajime Mita
肇 三田
Kenji Yanagihara
健児 柳原
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 眼内レンズ表面への細胞成分や生体成分の付
着を抑制することができ、術後早期に良好な視力回復を
もたらすことができる生体適合性に優れた眼内レンズを
提供する。 【構成】 透明なレンズ基体の表面を、実質的に炭素
(C)、水素(H)、ハロゲン(X)および酸素(O)
からなり、下記原子数比の平均組成を有するプラズマ重
合膜で被覆したことを特徴とする眼内レンズ。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマ重合膜被覆眼
内レンズに関し、さらに詳しくは、実質的に炭素、水
素、ハロゲンおよび酸素からなるプラズマ重合膜で被覆
した、白内障の手術後に挿入される眼内レンズに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ヒト水晶体は、外傷、糖尿病あるいは加
齢等の種々の要因により混濁し、これが原因となって、
視力の著しい低下あるいは喪失に到る場合がある。この
ような疾病は総称して白内障といわれているが、この白
内障に対する治療法としては、混濁した水晶体を外科的
に摘出したのち、透明な基材からなる眼内レンズを挿入
する方法のほか、混濁した水晶体を外科的に摘出し、眼
内レンズを挿入しないでコンタクトレンズや眼鏡を着用
する方法等が行なわれている。これらの治療法のうち、
後者の眼内レンズを挿入しないでコンタクトレンズや眼
鏡を着用する方法では、コンタクトレンズや眼鏡の装着
位置が本来の水晶体の位置とは異なることから、矯正視
力が本来のものとはほど遠いものとなり、白内障患者の
術後の生活に非常な不都合を招くことが避けられない。
したがって、今日では、特殊な症例を除いて、水晶体の
摘出後に眼内レンズを挿入する治療法が一般に行われて
いる。これは、眼内レンズを水晶体本来の位置に挿入す
ることが可能で、網膜上の結像がほぼ正常に近いものと
なるため、術後に、良好な視力回復を患者に提供するこ
とができ、また、一旦挿入された眼内レンズは、コンタ
クトレンズ等とは異なり、基本的には日々の管理が不要
である等の理由によるものである。そして、前記眼内レ
ンズのための透明基材としては、現在のところ、ポリメ
チルメタクリレート樹脂(以下、「PMMA樹脂」とい
う。)が一般的に用いられている。この従来から用いら
れているPMMA樹脂製眼内レンズは優れた光学的特性
を有しており、概ね良好な治療効果を得ることができる
が、その反面、眼内に挿入後にレンズ表面に種々の異物
の付着が認められる場合があり、この異物の付着が、ひ
いては術後の視力回復を阻害する大きな要因ともなって
いる。このような異物の種類は多岐にわたっており、そ
の例には、眼内炎症に由来するマクロファージ、異物巨
細胞、線維芽細胞様細胞等の細胞成分や、房水中タンパ
ク質等の生体成分がある。そして、これらの異物の種類
と付着物の量については、眼内レンズの素材、形状、表
面性状等が関係するとされ、これらの要因と水晶体上皮
細胞や房水中リンパ球等の細胞との相互作用により、術
後に炎症が惹起され、前記したような細胞成分や生体成
分の付着が加速されると考えられている。これらの要因
のうち、特に眼内レンズ表面の性状が、眼内レンズ挿入
後の水晶体嚢の混濁に対する影響と同時に、細胞成分や
生体成分の付着を左右する要因として重要であり、従来
からさまざまの改良研究が試みられてきた。例えば、眼
内レンズ表面にヘパリンを被覆したヘパリン表面改質眼
内レンズや、特殊な化学反応により表面を不活性化(s
urface passivated)した眼内レンズ
が開発され、使用に供されている。また、メタン等のア
ルカンをプラズマ重合することにより、PMMA樹脂表
面にダイヤモンド状炭素膜を被覆した眼内レンズも提案
されている(例えば特開昭63−203163号公報、
NEW DIAMOND,(3),21−25参
照)。しかしながら、適用症例の増加や治療効果の向上
への要請等に伴って、眼内レンズについて、手術の簡便
性、生体適合性等について、より一層の改良が求められ
ているのが現状であり、また、前記ダイヤモンド状炭素
膜被覆眼内レンズは、炭素膜が脆いため、手術前および
手術時の取扱にかなりの注意が必要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、白内障手術後に挿入される眼内レンズにおい
て、特にレンズ基体表面の性状を改良することにより生
体適合性を著しく改善し、もって眼内レンズ表面への細
胞成分や生体成分の付着を抑制し、術後早期に良好な視
力回復をもたらすことができる眼内レンズを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、透明な
レンズ基体の表面を、実質的に炭素(C)、水素
(H)、ハロゲン(X)および酸素(O)の各原子から
なり、且つ下記に示す原子数比の平均組成を有するとと
もに、単結合のみを有する炭素原子に結合する水素原子
の数に対する二重結合を有する炭素原子に結合する水素
原子の数の比が0〜0.1であるプラズマ重合膜で被覆
したことを特徴とする眼内レンズに関する。
【化1】
【0005】ここで、単結合のみを有する炭素原子に結
合する水素原子とは、式
【化2】 で表される水素原子を意味し、また、二重結合を有する
炭素原子に結合する水素原子とは、式
【化3】 で表される水素原子を意味する。
【0006】本発明において、透明なレンズ基体の表面
を被覆するプラズマ重合膜は、例えばハロゲン化アルカ
ン(a)、アルカン(b)、水素(c)あるいはハロゲ
ン(d)の各モノマー化合物からなり、下記(1)〜
(10)のいずれかの組合せから選ばれる成分を含有す
るガスであって、ガス中の全ハロゲン原子数/全水素原
子数の比が0.1〜5であるガスのプラズマ重合帯域内
に前記レンズ基体を配置して、前記ガスをプラズマ重合
することにより形成することができる。 (1) aのみ(但し、aがパーフルオロアルカンの場
合を除く); (2) aおよびb; (3) aおよびc; (4) aおよびd; (5) a、bおよびc; (6) a、bおよびd; (7) a、cおよびd; (8) a、b、cおよびd; (9) bおよびd; (10)b、cおよびd。
【0007】本発明においては、前記(1)〜(10)
の組合せの選定、2種以上のモノマー化合物を組み合わ
せる(2)〜(10)の場合の各モノマー化合物間の割
合等のガス組成条件は、プラズマ重合膜の所望の平均組
成に応じて決定されるものであり、適切なガス組成条件
は、実験により設定することができる。
【0008】本発明においては、前記a〜dのモノマー
化合物としては、後述するプラズマ重合条件下で気体状
であれば、いずれも使用することができる。
【0009】前記ハロゲン化アルカンは、アルカン即ち
飽和脂肪族炭化水素の水素原子の少なくとも1つが、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子から選
ばれる少なくとも1つのハロゲン原子により置換された
化合物であり、好ましいハロゲン化アルカンは炭素数1
〜4、さらに好ましくは炭素数1〜2のものである。
【0010】このようなハロゲン化アルカンとしては、
例えばモノフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフ
ルオロメタン、テトラフルオロメタン、モノクロロメタ
ン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、テトラクロロ
メタン、モノフルオロモノクロロメタン、モノフルオロ
ジクロロメタン、モノフルオロエタン、ジフルオロエタ
ン、トリフルオロエタン、テトラフルオロエタン、ペン
タフルオロエタン、ヘキサフルオロエタン、モノクロロ
エタン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラク
ロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタ
ン、モノフルオロモノクロロエタン、モノフルオロジク
ロロエタン、ジフルオルモノクロロエタン、ジフルオロ
ジクロロエタン、トリフルオロモノクロロエタン、トリ
フルオロジクロロエタン、トリフルオロトリクロロエタ
ン、モノフルオロプロパン、ジフルオロプロパン、トリ
フルオロプロパン、テトラフルオロプロパン、ペンタフ
ルオロプロパン、ヘキサフルオロプロパン、パーフルオ
ロプロパン、モノクロロプロパン、ジクロロプロパン、
トリクロロプロパン、テトラクロロプロパン、ペンタク
ロロプロパン、ヘキサクロロプロパン、パークロロプロ
パン、モノフルオロモノクロロプロパン、モノフルオロ
ジノクロロプロパン、ジフルオロモノクロロプロパン、
ジフルオロジクロロプロパン、トリフルオロモノクロロ
プロパン、トリフルオロジクロロプロパン、テトラフル
オロモノクロロプロパン、テトラフルオロジクロロプロ
パン、モノフルオロn−ブタン、ジフルオロn−ブタ
ン、トリフルオロn−ブタン、テトラフルオロn−ブタ
ン、ペンタフルオロn−ブタン、ヘキサフルオロn−ブ
タン、オクタフルオロn−ブタン、モノフルオロイソブ
タン、ジフルオロイソブタン、トリフルオロイソブタ
ン、テトラフルオロイソブタン、ペンタフルオロイソブ
タン、ヘキサフルオロイソブタン、オクタフルオロイソ
ブタン、モノクロロn−ブタン、ジクロロn−ブタン、
トリクロロn−ブタン、テトラクロロn−ブタン、モノ
クロロイソブタン、ジクロロイソブタン、トリクロロイ
ソブタン、テトラクロロイソブタン、モノフルオロモノ
クロロn−ブタン、モノフルオロジクロロn−ブタン、
ジフルオロモノクロロn−ブタン、ジフルオロジクロロ
n−ブタン、トリフルオロモノクロロn−ブタン、トリ
フルオロジクロロn−ブタン、テトラフルオロモノクロ
ロn−ブタン、テトラフルオロジクロロn−ブタン、モ
ノフルオロモノクロロイソブタン、モノフルオロジクロ
ロイソブタン、ジフルオロモノクロロイソブタン、ジフ
ルオロジクロロイソブタン、トリフルオロモノクロロイ
ソブタン、トリフルオロジクロロイソブタン、テトラフ
ルオロモノクロロイソブタン、テトラフルオロジクロロ
イソブタン、モノブロモメタン、ジブロモメタン、トリ
ブロモメタン、テトラブロモメタン、モノブロモエタ
ン、ジブロモエタン、トリブロモエタン、テトラブロモ
エタン、ペンタブロモエタン、モノヨードメタン、ジヨ
ードメタン等を挙げることができる。特に好ましいハロ
ゲン化アルカンは、トリフルオロメタン、テトラフルオ
ロメタン、ジフルオロエタン、トリフルオロエタン、テ
トラフルオロエタンおよびヘキサフルオロエタンであ
る。これらのハロゲン化アルカンは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0011】前記アルカン、即ち飽和脂肪族炭化水素
は、好ましくは炭素数1〜10、さらに好ましくは炭素
数1〜4のものであり、その例としては、メタン、エタ
ン、n−プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘ
キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n
−デカンおよびこれらの異性体等を挙げることができ
る。特に好ましいアルカンは、メタン、エタン、プロパ
ン、n−ブタンおよびイソブタンである。これらのアル
カンは、単独でまたは2種以上を混合して使用すること
ができる。
【0012】前記ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素また
はヨウ素であり、なかでもフッ素および塩素が好まし
い。これらのハロゲンは、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。
【0013】本発明においてプラズマ重合に供されるガ
スは、前記(1)〜(10)のいずれかの組合せからな
るものである。これらの組合せにおいては、ガス中の全
ハロゲン原子数/全水素原子数の比は、0.1〜5の範
囲であり、好ましい比は0.2〜3である。前記全ハロ
ゲン原子数/全水素原子数の比が0.1未満である場
合、プラズマ重合膜は高密度、かつ高硬度となるが、逆
に靱性に乏しくなり、破損しやい傾向があり、また5を
超えると、プラズマ重合膜の形成が困難となる場合があ
る。したがって、例えばモノマー化合物として、テトラ
フルオロメタンとメタンとを使用する場合は、両者の体
積比を、標準状態で1:10〜5:1とするのが適当で
あり、また、ヘキサフルオロエタンとメタンとを使用す
る場合は、両者の体積比を、標準状態で3.3:1〜
1:15とするのが適当である。
【0014】本発明におけるプラズマ重合膜の形成に際
して、前記(2)〜(10)のように、2種以上のモノ
マー化合物を組合せて使用する場合は、混合ガスとして
プラズマ重合帯域に導入してもよく、また各モノマー化
合物を別々に導入してプラズマ重合帯域内で混合させて
もよい。
【0015】本発明において、プラズマ重合帯域におけ
るプラズマの電子温度は、例えばプラズマ重合膜を形成
させるレンズ基体表面から垂直方向に1〜3cm離れた
位置において、好ましくは6,000〜30,000°
K、特に好ましくは10,000〜28,000°Kで
ある。この電子温度が高過ぎると、形成されるプラズマ
重合膜は高密度、かつ高硬度となるが、基体との接着性
が低下して剥離しやすくなる傾向がある。また、プラズ
マの電子温度が低過ぎても、表面に凹凸のあるプラズマ
重合膜が形成されるおそれがある。ここでいう電子温度
とは、特開昭54−135574号公報に記載されたプ
ラズマ特性測定用探針を用いる方法により測定されるも
のであり、プラズマ励起のための放電電力、放電電流、
モノマー化合物を含むガス圧、該ガスの流量、電極の構
造、基体の位置等を調節することにより、所望の値に制
御することができる。
【0016】プラズマ重合における他の条件は、通常の
プラズマ重合と本質的に特に変わるものではなく、例え
ば真空度は1×10-3〜1Torr程度、反応器に流入
するモノマー化合物を含むガスの流量は、反応器の内容
積100リットル当たり0.1〜100cc(標準状
態)/分程度で十分である。
【0017】前記モノマー化合物のガスを反応器に導入
する際には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン等
の不活性ガスをキャリヤーガスとして使用することもで
きる。
【0018】プラズマ重合時のレンズ基体の温度は、該
基体が変質しない温度であれば特に制約はなく、レンズ
基体の種類、モノマー化合物の種類、前記(1)〜(1
0)の組合せ等に応じて、例えば0〜300°Cの範囲
から適宜選定することができる。
【0019】プラズマの発生に用いる放電方式および放
電装置は、特に制約されるものではなく、放電方式は、
例えば直流放電、低周波放電、高周波放電、マイクロ波
放電等のいずれでもよく、また、放電装置も内部電極方
式、外部電極方式、無電極方式等のいずれでもよい。さ
らに、電極やコイルの形状、マイクロ波放電の場合のキ
ャビティやアンテナの構造等も適宜選定することができ
る。
【0020】本発明において、レンズ基体の表面を被覆
するプラズマ重合膜の厚さは、薄過ぎると、基体表面の
異物の付着を十分抑制することが困難となる場合があ
り、また、かなり厚くても、一般に性能的には問題はな
いが、工業的な生産性の観点から得策ではなく、通常、
患者の症例、モノマー化合物の種類等に応じて、10〜
10,000Åの範囲から選択される。プラズマ重合膜
の好ましい厚さは、30〜3,000Å、さらに好まし
くは100〜3,000Åである。
【0021】本発明において、このようにして形成され
るプラズマ重合膜は、実質的に炭素(C)、水素
(H)、ハロゲン(X)および酸素(O)の各原子から
なり、且つ下記に示す原子数比の平均組成を有するとと
もに、単結合のみを有する炭素原子に結合する水素原子
の数に対する二重結合を有する炭素原子に結合する水素
原子の数の比が0〜0.1であり、本質的にアモルファ
ス構造を有するものである。
【化1】このプラズマ重合膜の平均密度は、通常1.6
〜3.5g/cm3 程度である。
【0022】前記平均組成のうち、プラズマ重合膜のレ
ンズ基体との接着性、眼内の細胞成分や生体成分の付
着、吸着等の低減等の観点から、原子数比が
【化4】 であることが好ましく、特に
【化5】 であることが好ましい。
【0023】本発明においては、プラズマ重合に際して
は、通常は、プラズマ重合帯域に酸素を積極的に導入す
る必要はなく、プラズマ重合膜中の酸素原子は、反応器
からプラズマ重合膜で被覆された基体を取り出すとき
に、該プラズマ重合膜中に残留する活性ラジカルが大気
中の酸素と反応することにより、導入されるものと推定
される。また、本発明においては、場合により、プラズ
マ重合帯域に酸素を別途導入することも可能である。本
発明において、プラズマ重合膜中に存在する酸素は、結
果的に生体適合性を高めていると考えられる。
【0024】本発明において、単結合のみを有する炭素
原子に結合する水素原子の数に対する二重結合を有する
炭素原子に結合する水素原子の数の比は、プラズマ重合
膜の赤外線吸収スペクトルをフーリエ変換赤外スペクト
ル(FTIS)法で測定したときの、3010〜304
0cm-1にある吸収ピーク( =C-H結合に対応)の面積と
2840〜3000cm-1にある吸収ピーク(-C-H結合
に対応)の面積との比として定義される。また、炭素
(C)に対するハロゲン(X)または酸素(O)の原子
数比(X/CまたはO/C)は、例えばX線光電子スペ
クトル(ESCA)法により測定することができ、炭素
(C)に対する水素(H)の原子数比(H/C)は、例
えば元素分析装置を用いて測定することができる。
【0025】本発明におけるプラズマ重合膜は、それを
構成する元素のうち、炭素が極めて多いものであるが、
水素、ハロゲンおよび酸素も共存する点に特徴があり、
また、ほとんどの炭素原子が単結合のみを有するもので
ある。このため、プラズマ重合膜は、極めて高密度で高
硬度である。しかしながら、水素、ハロゲンおよび酸素
が共存することにより、プラズマ重合膜が極めて優れた
生体適合性を有するとともに、適度の靱性を有するもの
となる。
【0026】本発明において使用されるレンズ基体とし
ては、光学的に透明であり、眼内レンズに適合しうるも
のであれば、特に制約されるものではなく、硬質でも軟
質でもよく、また含水性でも非含水性でもよい。このよ
うなレンズ基体としては、プラスチック、ガラス等を問
わず、各種材質を適宜に選定することができるが、通
常、PMMA樹脂、アクリル系エラストマー、シリコー
ン樹脂、シリコーンエラストマー、フルオロアルキルア
クリレート系ポリマー等の特殊フッ素系重合体等、これ
らの構成モノマー相互の共重合体、あるいはこれらの重
合体相互の混合物等が使用される。
【0027】本発明のプラズマ重合膜被覆眼内レンズの
形状、寸法等は、白内障の症例等に応じて選定される
が、プラズマ重合膜で被覆する際には、通常、光学部を
構成するレンズ基体に対して必要な周辺部材を付設した
形で処理される。これにより、プラズマ重合膜による被
覆が光学部と周辺部との双方に行われることになり、眼
内レンズ全体が十分な生体適合性を有するものとなる。
この周辺部材を付設した眼内レンズ成形物の例を挙げる
と、図1および図2に示すものがある。ここで、1は光
学部、2は周辺部である。
【0028】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではない。各実施例におけるプラズマ重合膜の厚
さは、プラズマ重合膜被覆処理後の眼内レンズ成形物を
液体窒素中で十分冷却したのち破断し、その断面を走査
型電子顕微鏡で観察して、測定した。 実施例1 眼内レンズホルダーを備えたベルジャー型プラズマ重合
反応器にPMMA樹脂から製作した眼内レンズ成形物
(光学部の直径4mm、周辺部を含む全長9mm。図1
参照)を装着し、テトラフルオロメタンとメタンとの混
合ガスを、それぞれ8cc/分(標準状態)の流量で流
しながら、ベルジャー内圧力45mTorrおよび放電
電流140mAで、重合時間を表1に示すように0.3
〜19.5分の間で変化させて、プラズマ重合膜被覆処
理(No.1〜7)を行った。形成されたプラズマ重合
膜の厚さ、および炭素に対する水素、フッ素または酸素
の原子数比、並びに単結合のみを有する炭素原子に結合
する水素原子の数に対する二重結合を有する炭素原子に
結合する水素原子の数の比を表1に示す。
【0029】実施例2 実施例1と同様の眼内レンズ成形物および重合反応器を
使用し、ヘキサフルオロエタンと水素との混合ガスを、
それぞれ18cc/分(標準状態)および6cc/分
(標準状態)の流量で流しながら、ベルジャー内圧力5
5mTorrおよび放電電流210mAで、重合時間を
表1に示すように0.5〜12.3分の間で変化させ
て、プラズマ重合膜被覆処理(No.8〜10)を行っ
た。形成されたプラズマ重合膜の厚さ、および炭素に対
する水素、フッ素または酸素の原子数比、並びに単結合
のみを有する炭素原子に結合する水素原子の数に対する
二重結合を有する炭素原子に結合する水素原子の数の比
を表1に示す。
【0030】実施例3 実施例1と同様の眼内レンズ成形物および重合反応器を
使用し、ヘキサフルオロエタンとエタンとの混合ガス
を、それぞれ9cc/分(標準状態)および6cc/分
(標準状態)の流量で流しながら、ベルジャー内圧力9
5mTorrおよび放電電流90mAで、重合時間を表
1に示すように0.4〜6.4分の間で変化させて、プ
ラズマ重合膜被覆処理(No.11〜13)を行った。
形成されたプラズマ重合膜の厚さ、および炭素に対する
水素、フッ素または酸素の原子数比、並びに単結合のみ
を有する炭素原子に結合する水素原子の数に対する二重
結合を有する炭素原子に結合する水素原子の数の比を表
1に示す。
【0031】実施例4 実施例1と同様の眼内レンズ成形物および重合反応器を
使用し、ジフルオロエタンガスを、25cc/分(標準
状態)の流量で流しながら、ベルジャー内圧力50mT
orrおよび放電電流45mAで、重合時間を表1に示
すように0.5〜7.9分の間で変化させて、プラズマ
重合膜被覆処理(No.14〜16)を行った。形成さ
れたプラズマ重合膜の厚さ、および炭素に対する水素、
フッ素または酸素の原子数比、並びに単結合のみを有す
る炭素原子に結合する水素原子の数に対する二重結合を
有する炭素原子に結合する水素原子の数の比を表1に示
す。
【0032】
【表1】
【0033】試験例 各実施例で得た本発明のプラズマ重合膜被覆レンズ16
種と、コントロールとしての同一形状の未処理PMMA
樹脂製眼内レンズ成形物とを、超音波乳化吸引により水
晶体を摘出したそれぞれの家兎(日本白色種、オス、ヘ
ルシー、体重約3Kg)の眼内に挿入して、2か月にわ
たり、フォトスリットカメラにより、組織反応および眼
内レンズ表面の状態を観察した。その結果、未処理PM
MA樹脂製眼内レンズ成形物を挿入した家兎では、術後
数日間で、眼内炎症に起因すると推定されるフィブリン
様物質の析出が認められ、観察を行った数週間にわたり
虹彩炎症も所見された。また挿入された未処理PMMA
樹脂製眼内レンズ成形物の光学部表面の周辺数カ所に、
術後数日から観察を行った2か月にわたり、伸展した異
物巨細胞および線維芽細胞様細胞の付着が認められ、同
時に光学部表面の数カ所にタンパク質様物質の吸着が認
められた。一方、前記プラズマ重合膜被覆レンズ16種
をそれぞれ挿入した家兎では、そのすべてについて、フ
ィブリン様物質の析出、虹彩炎症とも、コントロールに
比較して極度に軽微であった。また術後2か月にわたり
観察したところ、実験No.1、8、11の3例におい
て、実用上問題ない程度に光学部表面に極く僅かに線維
芽細胞様細胞の付着が認められた以外は、細胞の付着お
よびタンパク質様物質の吸着は全く認められなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明のプラズマ重合膜被覆レンズは、
レンズ基体表面の生体適合性が極めて高く、眼内挿入後
の炎症を強く抑えることができるとともに、細胞成分や
生体成分の付着、吸着も顕著に軽減することができ、術
後に、良好な視力回復が短期間に得られる。しかも、そ
のプラズマ重合膜が適度の靱性を有するため、手術前お
よび手術中の取扱も容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】眼内レンズ成形物の1例の正面図である。
【図2】眼内レンズ成形物の他の例の正面図である。
【符号の説明】
1 光学部 2 周辺部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なレンズ基体の表面を、実質的に炭
    素(C)、水素(H)、ハロゲン(X)および酸素
    (O)の各原子からなり、且つ下記に示す原子数比の平
    均組成を有するとともに、単結合のみを有する炭素原子
    に結合する水素原子の数に対する二重結合を有する炭素
    原子に結合する水素原子の数の比が0〜0.1であるプ
    ラズマ重合膜で被覆したことを特徴とする眼内レンズ。 【化1】
JP4232626A 1992-08-10 1992-08-10 プラズマ重合膜被覆眼内レンズ Pending JPH0654900A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5618316A (en) * 1993-12-14 1997-04-08 Hoffman; Allan S. Polyethylene oxide coated intraocular lens

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5618316A (en) * 1993-12-14 1997-04-08 Hoffman; Allan S. Polyethylene oxide coated intraocular lens

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