JPH0656402B2 - 地絡障害箇所同定方法及び装置 - Google Patents

地絡障害箇所同定方法及び装置

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JPH0656402B2
JPH0656402B2 JP61302733A JP30273386A JPH0656402B2 JP H0656402 B2 JPH0656402 B2 JP H0656402B2 JP 61302733 A JP61302733 A JP 61302733A JP 30273386 A JP30273386 A JP 30273386A JP H0656402 B2 JPH0656402 B2 JP H0656402B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は送電網内での障害箇所を同定するための方法及
び装置に関し、電力の供給が、保護されるべき送電線に
対して少くとも実質的にその送電線の一方の端からなさ
れ保護対象内である電力網内の送電線の両端には変電所
等の計測点を備えている送電網内での障害箇所を同定す
るための方法及び装置に関する。
配送電網は、地絡障害や相関短絡障害に対して保護され
ていなければならず、故障部品や送電線は例えば遮断器
によつて自動的に分離されなければならない。人身事故
や火災の危険を最少にするためにこのことは必要であ
る。
これも又非常に重要なことであるが、障害が発生し、検
出された後、障害を除去できなければならない。このこ
とは送電線上での障害発生箇所を送給に同定する方法を
前提としている。本発明はこの問題を解決するための方
法及び装置に関する。
[従来の技術] 障害箇所を同定する方法には、それに先立つて障害の発
生を検出する方法がなければならない。障害の発生を検
出するには種々の方法があつて、個々には述べないが、
その中でも本発明による障害箇所同定方法及び装置の条
件となる特定の方法についてのみ紹介する。この検出方
法については本発明の詳細説明に関連して述べることに
する。
送電線上の障害箇所同定に関しては複数の異なる方法が
知られている。
そのような方法の1つは英国特許第2,036,478
号である。この中では、障害箇所を想定し、送電網の簡
略化された定数を仮定して障害箇所の電流及び電圧を決
定する方法が述べられている。この方法を電流と電圧の
位相が一致する所まで繰り返す、すなわち、位相が一致
する点が障害箇所である。
別の方法は米国特許第4,559,491号に記載され
ている。この方法は3相電力線の1区間上の故障箇所同
定方法に関するものである。
その区間の一方の端における電流と電圧を測定した後、
最初に故障の種類が決定され、その後に方程式システム
のある種のパラメータが決定される。このシステムは、
その区間内のインピーダンスの複素値、区間に近い終端
及び遠い終端部の送電網でのインピーダンス、及び障害
抵抗値、電流及び電圧の測定値、及び零相分等の関係を
記述している。この方程式の解は、その区間から障害発
生点までの距離を与える。
日本国特許明細書第128440/85は障害点箇所同
定に関する方法及び装置が記述されており、この方法は
計測点から障害発生点に向つて放射される電圧波と、こ
れに対応する障害点からの反射波とを基本としており、
これらの波は送電線の進行波モデル内に含まれている。
この発明は、ある一定の時間間隔で送電線の終端部、例
えば変電所において電流及び電圧の瞬時値を測定してい
る。これらの測定値と進行波モデルとを基に、送電線に
沿つた多くの制御点での電圧を算出することができる。
もし送電線が行きていて、2つの連続した制御点におけ
る制御電圧の計算値の符号が常に異なつていたら、これ
ら2点間の送電線上に障害がある。問題の2点間の距離
と算出された制御電圧とから、障害点は補間方によつて
求められる。
本発明に基づく障害箇所同定方法は、上記に述べた特許
の例で使われている進行波モデルを基本としている。
[発明の要約] 第1図は2つの変電所又は計測点P及びQの間の送電線
を示す。図示された例において、送電線には2つの電源
A及びBから給電されている。
第2図は障害が無い場合の送電線沿いの実電圧分布を示
す。EA及びEBはそれぞれ、電源での起電力であり、
U′P及びU′Qはそれぞれ、P及びQにおいて測定さ
れた電圧である。
先に述べた特許出願128440/85において、送電
線の進行波モデルを用いていかにして、送電線沿いの電
圧分布を計算するかが示されている。変電所P及びQに
おいて測定された電流及び電圧の値と進行波モデルとか
ら、障害が無い場合の変電所Pから変電所Qに向う送電
線沿いの制御電圧又は電圧分布、又は変電所Qから変電
所Pに向う送電線沿いの制御電圧又は電圧分布をそれぞ
れ求めることができる(第3図参照)。このことは第2
図に示すように、測定用変換器の誤差や、未知のパラメ
ータで決まる誤差の範囲内で同一の電圧分布が得られる
ことを示している。
理想的な送電系統においては障害が無い場合零相電圧と
逆相電圧とは共に零である。実際上もこれらの値は非常
に小さいと考えられる。このことは零相電圧と、逆相電
圧とが監視対象である送電線の非対称によつて生じる場
合には特に正しいと言える。地絡障害の結果生じる電圧
変化は、ヘルムホルツ・テブナンの定理によれば回路網
上の互いに異なる点間において生じる差電圧△U又はこ
の変化中の零相又は逆相分と考えることができる。この
結果はすべての△Uの解釈に対して可能であり、従つ
て、障害がない場合には、全計測点において△U=0で
ある。
第1図に示す送電線に内部障害、すなわち、計測点P及
びQの間に或る障害(第4図参照)が発生した場合、実
際の電圧分布は第5図に示すようになる。最大の電圧変
化△UFは障害発生点Fで生じる。計測点P及びQにお
ける実際の測定電圧はU″P及びU″Qで示されてい
る。
以下の説明中符号(′)は障害が発生する前の値を示
し、符号(″)は障害発生後の値を示している。さらに
発明内容を説明するために、各々の値の表記方法を定め
る必要がある。
Pを含む表記はその値が計測点Pにおける測定値に基づ
いて計算されていることを示す。
Qを含む表記はその値が計測点Qにおける測定値に基づ
いて計算されていることを示す。
pを含む表記は、その値が計測点Pに対して計算された
ものであることを示す。
qを含む表記は、その値が計測点Pに対して計算された
ものであることを示す。
すなわち、例えばUPqは計測点Pにおいて測定された値
に基づいて計算された計測点Qの電圧を意味している。
この表記方法を用いて下記の差電圧を定義する: △UPp=U′P−U″P (1) △UQq=U′Q−U″Q (2) △UPq=U′Pq−U″Pq (3) △UQp=U′Qp−U″Qp (4) 変化における零相分は各相電圧U′P、U′S及びU′
Tの和として求められる。地絡障害発生前は、U″R+
U′S+U″T=0であり(△UPp)0、(△
UQq)0、(△UPq)0及び(△UQp)0の単純計算
は、すべて (△U)0=U′0=U′R+U′S+U′Tで求めら
れる。
逆相分はなんらかの既知の逆相分濾波器を用いて得るこ
とができる。
第6図には、式(1) 、(2) 、(3) 及び(4) で求められた
電圧が図示されている。計測点Pにおいて計測点Pから
Qに向けての電圧分布を算出するための装置はPからF
の間は正しいが、点Fでは正しくない送電線モデルを有
していると考えることができる。従つてFQの間の電圧
分布の計算結果は正しくない。同様に計測点Qにおける
装置はQ及びFの間では正しい電圧分布を示すがF及び
Pの間の電圧分布は正しく示さない。この2つの装置を
共に用いることによつてPF及びQFで分割された正し
い電圧分布が得られる。Fこそは2つの装置が同一のモ
デル電圧を示す唯一の点である。
第6図に示されているように電圧差△P及び△Qは、 △P=△UQp−△UPp (5) △Q=△UPq−△UQq (6) であり、障害が無い場合は△P及び△Qが共に零である
ので、これらの値は地絡障害の検出に用いることができ
る。△Pは計測点Qでの計測値に基づいて推定した計測
点Pにおける電圧変化の実際値との誤差、そして△Qは
計測点Pでの測定値に基づいて推定した計測点Qにおけ
る電圧変化の実際値との誤差であり、これは地絡障害が
点Fにおいて発生している状態ではモデルが全送電線に
対しては正しくは適用できないために生じるものであ
る。従つて△P及び△Qはモデル誤差電圧と見なすこと
ができ、この誤差電圧は実際の送電線とモデルとが一致
している場合には常に零となるものである。
△P及び△Qを計算するための式(5) 及び(6) には、差
電圧の平均値、実効値又はピーク値を使用できる。
本発明による障害箇所同定方法及び装置は、モデル誤差
電圧△P及び△Qの解析を基本としている。△P及び△
Qに値が生じると、これは障害が発生したことを意味し
ている。第6図の図形を参照すると障害の発生箇所は簡
単に基まる。計測点PとQとの距離をPQであらわす
と、計測点Pから障害発生点Fまでの距離は下記のよう
になる。
以上述べた電圧差を用いれば計測点の後方にある障害箇
所も同様に容易に検出できる。これは計測点Pについて
言えば障害が電源Aと計測点Pとの間に位置している場
合であり、計測点Qについて言えば障害が電源Bと計測
点Qとの間に位置している場合である。
第7図に示すように障害がAとPとの間に生じると実際
の電圧分布は第8図に示すようになる。P及びQの間の
進行波モデルを基に計算された差電圧分布は第9図に示
す通りである。図より明らかなように、計測点P及びQ
における装置は全送電線域にわたつて同じ電圧分布を示
している。これは障害が計測点の後方で生じた場合には
下記の関係が成り立つていることを示す。
|△UPq|−|△UQp|=0 (8) |△UQp|−|△UPp|=0 (9) 式(8) 及び(9) が障害がB及びQの間で発生した場合に
も成り立つことは明らかである。障害がAとPの間又は
BとQの間で生じたことの見分け方は、それぞれ、例え
ばAとPとの間に生じた障害の場合には、 |△UPq|−|△UPp|<0 (10) であり、BとQとの間に生じた障害の場合には |△UPq|−|△UPp|>0 (11) となる。
図では送電線に沿つた差電圧分布は直線で示されてい
る。これは電源及び送電線の複素インピーダンスの偏角
の差が小さい場合に相当する。このことは障害箇所同定
方程式(7) の必要条件であるが、電源と送電線の偏角の
差が普通の値であれば、式(7) は良好な結果を与える。
このことはもし偏角の差があまり大きくなければ変電所
Qからただ2つの計算結果、すなわち△UQqと△UQpの
みを変電所Pに伝送すれば良いことを示している。
一般的な、そして厳密な計算方法で、電源の不定なイン
ピーダンスに適用できるものは、障害箇所同定装置が必
要とする3つの変量を常に通信回路を介して伝送する必
要がある。一般的な場合の基本については以下に述べ
る。複素電流と複素電圧の定常状態を基本として説明す
る。△Iは定常故障電流であり、障害発生前の状態に重
ねあわされて、障害点を流れる電流を構成する。この電
流は計測点Pを流れる電流として下記のように分配でき
る。
K1P△I1=△I1P 正相分 K2P△I2=△I2P 逆相分 K0P△I0=△I0P 零相分である。
Kは障害発生点を流れる電流の各成分の分配係数であ
る。
Z1A、Z2A及びZ0Aは保護装置の計測点Pから見た電源
インピーダンスである。
Z1及びZ0は(Z2=Z1)距離PQに対する送電線
のインピーダンスである。
U′は障害発生前の計測点での電圧である。
位相R内の単相地絡障害が送電線で発生したと仮定す
る。
この場合、△I1=△I2=△I0=△Iである。各相
について、計測点における電圧は、障害発生後は下記の
ように表わされる。
URPp =U′RPp −△I(K1PZ1A+K2PZ2A +K0PZ0A) (12) USPp =U′SPp −△I(a2K1PZ1A+ aK2PZ2A+K0PZ0A) (13) UTPp =U′TPp −△I(aK1PZ1A+ a2K2PZ2A+K0PZ0A) (14) 遠隔終端点における制御電圧の計算値は下記のようにな
る。
URPq =U′RPq −△I[K1P(Z1A+Z1)+ K2P(Z2A+Z1)+K0P(Z0A+ Z0)] (15) USPq =U′SPq −△I[a2K1P(Z1A+Z1) +aK2P(Z2A+Z1)+K0P(Z0A +Z0)] (16) UTPq =U′TPq −△I[aK1P(Z1A+Z1) +a2K2P(Z2A+Z1)+K0P (Z0A+Z0)] (17) 電圧変化分を求めるための差分演算を行なう過程でU′
は消去される。又、障害発生後の第1周期か又は半周期
目か、又差分演算をいかに行なうかによつて以下の関係
が成り立つ。
△URPp =−△I(K1PZ1A+K2PZ2A+ K0PZ0A) (18) △USPp =−△I(a2K1PZ1A+aK2PZ2A +K0PZ0A) (19) △UTPp =−△I(aK1PZ1A+a2K2PZ2A +K0PZ0A) (20) 及び △URPq =−△I[K1P(Z1A+Z1)+ K2P(Z2A+Z1)+K0P(Z20+ Z0)] (21) △USPq =−△I[a2K1P(Z1A+Z1)+ aK2P(Z2A+Z1)+K0P(Z0A +Z0)] (22) △UTPq =−△I[aK1P(Z1A+Z1)+ a2K2P(Z2A+Z1)+ K0P(Z0A+Z0)] (23) である。
零相分及び逆相分の変化、すなわち総電圧の3分の1は
地絡検出にとつて特に重要である。障害発生前はU0=
0が成り立つと仮定したから、U0に値が生じると、送
電網に障害が発生したことを意味する。従つて、さらに
相電圧の総和さえ求めれば△U0を求めるための特別な
差分演算は不要である。そして又障害発生前は△U0=
0であつた。仮にK0P△I=△I0Pを使うと、総和電圧
は次のように表わされる。
そして、 実際の障害点に対しては、PFの零相インピーダンスを
Z0PFとして表わすと、以下の和電圧が計算できる。
同様の計算を計測点Qにある保護装置について行なうと
下記の関係式が得られる。
そして、 である。
又、次のように変形できる。
△U0Pq =−3・(Z0A+Z0PF)・△I0P− 3・Z0QF ・△I0P=△U0Pf − 3・Z0QF ・△I0P (30) △U0Pp =−3・(Z0A+Z0PF)・△I0P+ 3・Z0PF ・△I0P=△U0Pf + 3・Z0PF ・△I0P (31) 又△U0PF =△U0QF であるから以下の関係が成り立
つ。
△U0Qp =△U0Pf −3・Z0PF ・△I0Q (32) そして △U0Qq =△U0Pf +3・Z0QF ・△I0Q (33) である。ここで次の式 △P0=△U0Qp −△U0Pp (34) △Q0=△U0Pq −△U0Qq (35) を用いると、式(30)−(33)から が求まる。
式(36)右辺のインピーダンスの割算結果(商)は実数で
あるので△P0及び△Q0は同じ偏角を有していると言
える。Z0PF とZ0QF とは同一の送電線PQの一部であ
るので偏角は同じである。簡単のために電源及び送電線
の複素インピーダンスが同じ偏角を有していると仮定す
ると、 △U0Qp 、△U0Pq 及び△0Qq の位相角は同じとなり、
式(5) から(7) の簡易計算式が使える。この結果先にも
述べたように、送電線の障害箇所を解析するためには、
変電所Qから変電所Pに2つの平均値|△UQq|及び|
△UQp|をデータ伝送すれば良いように限定できる。一
般化された場合には、さらに障害箇所同定のために△U
Qpと△UQqとの間の位相角を求める必要がある。
電源インピーダンスが不定であるような一般化された場
合の問題は、部分電圧△Pと△Qの間の位相差を先に求
めないと、△P及び△Qの量が決まらない点にある。電
源インピーダンスの偏角とは関係なく、一般的な方法
は、先述の計算された終端電圧に加えて、下記の式で与
えられる差電圧を使用して構成されている。その方法
は、従つて、ピーク値か平均値しか使用しない。
△U0Ppq=△U0Pq −△U0Pp (37) △U0Qqp=△U0Qp −△U0Qq (38) この厳密な決定方法においては、先にも述べたように、
3つの変量が、障害箇所同定装置に対して常にデータ通
信線を介して伝送されていることを前提としている。
変量の表記及び活字を簡略化するために、計測点Pにお
いて計算される変量に次の値を導入する。
|△U0Pp |=ap (39) |△U0Pq |=bp (40) |△U0Ppq|=cp (41) そして計測点Qにおいて計算される変量に次の値を導入
する。
|△U0Qq |=aq (42) |△U0Qp |=bq (43) |△U0Qqp|=cq (44) 第10図、及び第11図のベクトル関係から明らかなよ
うに、a、b及びcは頂点Cp、Bp、Ap及びCq、
Bq、Aqを有する三角形の3辺を構成しており、これ
ら2つの三角形はxy座標の直角座標形の中にCp及び
Cqを原点と一致させ、辺CpBp及びCqBqをx軸
と一致させて置かれている。三角形のすべての辺は既知
であるから余弦定理を用いてすべての頂角を求めること
ができる。特に角γp及びγqはそれぞれ次の式で求め
られる。
第10図より、△P及び△Qの大きさも明かである。一
方式(36)に示すように、正確な△P及び△Qを求めるた
めには、これらが同じ偏角でなければならない。すなわ
ち、2つは平行でなければいけない。例えば三角形Cq
BqBqを△Pが△Qと平行になるように角度δだけ回
転させるとこれらの正確な値が得られる。このことは第
11図より明らかである。
第11図において、頂点Aq、Bp、Ap及びBqの座
標は下記のようになる。
Aq:[bq・cos (γq+δ); bq・sin (γq+δ)] Bp:[ap;0] Ap:[bp・cos γp;bp・sin γp] Bq:[aq・cos δ;aq・sin δ] △P//△Qの条件は下記のように表現できる: この式から角δを求められる、その後各三角形の各頂点
が求められて△P及び△Qの値も計算できる。
A=bp・bq・sin (γp−γq) (47) B=ap・aq−bp・bq・ cos (γp−γq) (48) および C=aq・bq・sin γq−ap・bp・ sin γp (49) を求めて、式(45)は次のように表現できる: A・cos δ+Bsin δ+C=0 (50) この式はさらに簡単化できて、次の2次式が得られる。
この解は(A2+B2−C20かつA−C≠0の時) A≠C (52) となる。
2つの解のうちベクトルBp・Aq及びBq・Apが反
対向きとなる解はすてる。解は次の条件を満足する。
[bq・cos (γq+δ)−ap]・ [bp・cos γp−aq・cos δ]0 (53) 又、[bq・sin (γq+δ)]・ [bp・sin γp−aq・sin δ]0 (54) △P及び△Qは解析幾何の距離の公式を用いて計算でき
る。
この結果障害発生点までの距離PQは式(7) に依つて計
算できる。
送電線沿いの制御電圧又は電圧分布を求めるための数学
モデルは正しく、測定誤差程度の誤差しか含まないの
で、障害箇所も高い精度で求められる。
先に述べたように、完全な進行波モデルを用いれば、全
送電線に渡つての制御電圧が求められる。しかしなが
ら、発明の詳細な説明からも明らかなように、障害箇所
同定のために必要なのは保護対象である送電線の両端で
の、互いに相手側での測定値に基づいて推定計算された
制御電圧と、P及びQの間の通信線のみである。これは
簡略化された進行波モデルを用いることが可能であるこ
とを意味し、本発明に基づく方法を実現するための装置
も、完全な電圧分布を必要とするものに比べてかなり簡
単にできることを示している。
本発明に基づく方法ならびに装置は、主電圧、相電圧又
同様に零相分及び逆相分電圧に適用できる。
[実施例] 説明からも明らかなように、障害発生箇所の同定方法の
最初の部分は地絡障害検出で用いたのと同じモデル障害
電圧△P及び△Qを求めることである。障害検出装置に
加えて一方の変電所と障害発生箇所との距離推定用の装
置を含むので必然的に電圧差△P及び△Qの発生装置は
含んでいる。
電源と送電線との複素インピーダンスの偏角が等しいと
仮定できる場合に本発明による方法を実現するための装
置は第12図に示すとうりである。先の説明から明白な
ように、このように仮定すれば1つの変電所から他の変
電所へはただ2つの変量を伝送するだけで済む。
変電所Pにおいて測定された電圧及び電流URP、USP、
UTP、iRP、iSP及びiTPは、測定値変換器1におい
て、アナログ信号からデイジタル信号に変換される。同
様の変換は変電所Qの変換器2において行なわれる。デ
イジタル化された測定値はそれぞれの進行波モデル3及
び4に入力される。
先に説明したように、本方法では障害箇所の同定は、相
電圧、主電圧又は零相若しくは逆相の電圧を用いて行な
う。従つて進行波モデルから導かれる電圧値Uはこれら
の電圧のいずれか1つで良い。しかしながら、式の中で
すべては同一の電圧を用いなければならない。例えばす
べてのUは主電圧を用いる。
U″Pを1周期又は半周期の間の平均電圧とすると、こ
の値は加減算器5でU′P、すなわち、同一電圧の一回
前の1周期又は半周期での平均値と比較される。障害が
無く定常的な状態ではその差△UPpは零となる。次の1
周期又は半周期における新しい測定値が入つて来ると、
すでに在るU″Pは新しくU′Pとなり新測定値が新し
くU″Pとなる。このデータの移動量及び更新は継続的
に障害が発生するまで、すなわち△UPpが零以外の新し
い値をとるまで続けられる。
Pにおける電圧及び電流の測定値をもとに、電圧U″Pq
すなわち変電所Qにおける電圧が進行波モデルを用いて
計算できる。同様にU′Pqすなわち1周期又は半周期前
の値も計算できる。これら2つの値は互いに加減算器6
で比較されその差又は和である△UPqが出力される。
式(5) 及び(6) を実行するために、すなわち、差電圧△
P及び△Qを求めるためには、電圧値△UQq及び△UQp
が変電所Pに伝送される必要がある。この伝送は送信器
9および受信器10を介して行なわれる。演算はもちろ
ん変電所Qで行なうこともできて、その場合には電圧値
△UPp及び△UPqが変電所Pから変電所Qへ伝送される
必要がある。
モデル障害電圧△Pは式(5) に依つて加算器11で演算
され、同様に△Qは加算器12で演算される。障害箇所
同定方法の詳細説明によれば△P及び△Qを求め、保護
対象である送電線の長さPQが判かれば式(7) に従つ
て、変電所Pから障害発生点までの距離が求められる。
△Pと△Qの和は加算器15で求められる。次に割算器
16において、△Pを△Pと△Qとの和、すなわち加算
器15の出力で割り算する。掛算器17において割算器
1の商と送電線の長さPQとを掛けると、変電所Pと障
害発生点Fとの距離PFが得られる。
もし電源の偏角が互いに大きく違つていて、△P及び△
Qを求めるために一般的な方法を使用しなければならな
い場合には、先に述べたように、3つのデータを1つの
変電所から相手側に対して送らなければならない。仮に
△P及び△Qの演算が変電所Pにおいて行なわれるとす
ると、Pに対して伝送しなければならないデータは式(4
2)、(43)及び(44)に従つて変電所Qにおいて求められる
差電圧信号である。
一般的な場合についての△P及び△Qを算出する本発明
の方法の詳細説明は式(25)から(56)に依つて零相電圧の
変化を基に行なつた。又先にも述べたように、零相電圧
以外の逆相電圧、相電圧及び主電圧を用いても△P及び
△Qの算出は行なえる。これらの電圧のいずれを用いて
も可能であることを示すために、一般化された方法の実
施例の記述から、零相又は逆相の電圧、相電圧及び主電
圧に関する部分を削除する。これは実施例が以下の式を
用いて記述できることを意味している。
|△UPp|=|U′P−U″P|=ap (1) |△UQq|=|U′Q−U″Q|=aq (2) |△UPq|=|U′Pq−U″Pq|=bp (3) |△UQp|=|U′Qp−U″Qp|=bq (4) |△UPpq |=|△UPq−△UPp|=cp(57) |△UQqp |=|△UQp−△UQp|=cq(58) 第12図に示す実施例には、上記のCp及びCqを演算
するための装置18及び19が追加されている。ここで
は伝送器9及び受信器10は3つの値aq、bq及びc
qを送信し、これらの信号はap、bp及びCpと共に
演算器20に入力されて、△P及び△Qが演算される。
障害発生箇所の距離PFの計算は第12図に示すのと同
じ方法で行なわれる。
第14図には演算器20のフロー図が示されている。こ
の図にはγp及びγqの演算器21及び22、補助量
A、B及びCの演算器23、δ演算器24、△P及び△
Qの演算器25及び26が含まれている。
演算器21から26で行なう演算は簡単な算術処理であ
り、いろいろな手段で実現できるものである。式(44)に
従つてγp及びγqを求める演算器21及び22は原理
的には第15図に示すように掛算器27及び28、二乗
演算器29、加算器30、割算器31及び逆余弦関数
(arccos)を用いて角度を求めるための関数発生器32
とで構成できる。
式(47)、(48)及び(49)に従つて補助量A、B及びCを求
める演算器23は、原理的には、第16図に示すよう
に、掛算器33〜39、加算器4,41及び42、正弦
発生器43,44及び45及び余弦発生器46とで構成
できる。
式(52)に従つて角δを求めるための演算器24は第17
図に示すように加算器46,47,48、二乗演算器4
9、開平演算器50、割算器51、逆正接関数を用いた
角度検出器52とで構成できる。
式(55)に従つて△Pを求めるための演算器25は、第1
8図に示すように、加算器53,54及び55、掛算器
56,57、二乗演算器58,59、開平演算器60、
それに正弦発生器61、余弦発生器62とで構成でき
る。
式(56)に従つて△Qを求めるための演算器26は、第1
9図に示すように、加算器63,64,65、掛算器6
6,67,68,69、二乗演算器70,71、開平演
算器72それに、正弦発生器73,74、余弦発生器7
5,76とで構成できる。
電源インピーダンスと、送電線インピーダンスの偏角が
ほぼ等しいと仮定して構成された障害箇所同定装置の実
施例においても、偏角が不定であるような一般化された
実施例においても、内に含まれる部品、例えば、アナロ
グデイジタル変換器、進行波モデル、加算器、比較器等
は、最新のアナログ又はデイジタル技術を用いて、さら
に集積化して設計することも可能であろう。
方法の詳細説明でも述べたように、いずれの方法に対し
ても、PとQとの間の全送電線についての電圧分布を与
える完全な進行波モデルでも、又それぞれの相手側変電
所の制御電圧のみを与える簡略化されたモデルでも同じ
ように適用できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は2つの電源A及びBから給電される2つの変電
所P及びQ間の無障害時の送電線を示す図、 第2図は第1図に示す送電線の電源間での実際の電圧分
布図、 第3図は同じ電圧分布図を示し、この電圧は1つの進行
波モデルを用い、変電所P及び変電所Qにおいて、それ
ぞれでの測定された電圧値及び電流値を基に計算された
値を示す図、 第4図は第1図と同じ送電線の変電所P及びQの間で障
害が発生している状態を示す図、 第5図は高抵抗地絡障害発生後の送電線沿いの測定電圧
を示す図、 第6図は障害発生前に測定又計算で求められた電圧値
と、障害発生後に進行波モデルを基に計算された電圧と
の差電圧△Uを送電線に沿つて示している図、 第7図は、第1図と同じ送電線において、障害Fが、変
電所P電源Aの間で発生した場合を示す図、 第8図は、第7図に示す障害が発生した時の送電線沿い
の実測又は計算された電圧分布図、 第9図は、障害発生前の電圧の実測又は計算値と、第7
図に示す障害が発生した後に進行波モデルを用いて算出
された電圧値との差△Uを送電線沿いに示す図、 第10図及び第11図は、電圧差の関係をベクトル表示
した図、 第12図は本発明に基づく地絡障害の障害箇所同定装置
の1つの実施例を示し、電源と送電線の複素インピーダ
ンスの偏角がほぼ等しい場合に適用できる実施例の構成
図、 第13図は本発明に基づく地絡障害の障害箇所同定装置
の1つの実施例を示し、電源と送電線の複素インピーダ
ンスの偏角が異なる場合に適用できる実施例の構成図、 第14図は本発明の実施例のうち障害箇所までの距離を
計算するための補助量△P及び△Qを計算するための流
れ図、 第15図は補助量γp及びγqを算出するための実施例
の構成図、 第16図は補助量A、B及びCを算出するための実施例
の構成図、 第17図は、補助量δを算出するための実施例の構成
図、 第18図は、各種の補助量を基に△Pを算出する実施例
の構成図、 第19図は、各種の補助量を基に△Qを算出する実施例
の構成図を示す。 1,2……A/D変換器 3,4……進行波モデル 5,6,7,8,11,12,15,18,19……加
算器 9……送信器 10……受信器 16……割算器 17……掛算器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相配送電系統内の第1変電所(P)及び
    第2変電所(Q)との間にある送電線上の障害箇所同定
    方法であつて、前記送電線の前記2つの終端点におい
    て、各相における電流及び電圧の瞬時値の測定を行な
    い、対応するデイジタル値に変換し、これらの値はそれ
    ぞれの変電所内にて進行波モデル(2,3)に入力さ
    れ、前記進行波モデルを基に第1変電所及び第2変電所
    の両側から見た送電線沿いの分布を求める前記障害箇所
    同定方法において、 ap=|△UPp|を第1の変電所内において測定される
    か又は進行波モデルを基に計算された電圧(U′p)
    と、それに対応する1周期又は半周期前の電圧
    (U″p)との差として求め、 aq=|△UQq|を第2の変電所内において測定される
    か又は進行波モデルを基に計算された電圧(U′Q)
    と、それに対応する1周期又は半周期半周期前の電圧
    (UQ)″との差として求め、 bp=|△UPq|を第1の変電所内で測定した電流及び
    電圧を用いて第1の変電所内で進行波モデルを基に求め
    た第2の変電所内の電圧(U′Pq)と、それに対応する
    1周期又は半周期前の電圧(U″Pq)との差電圧として
    求め、 bq=|△UQp|を第2の変電所内で測定した電流及び
    電圧を用いて第2の変電所内で進行波モデルを基に求め
    た第1の変電所内の電圧(U′Qp)と、それに対応する
    1周期又は半周期前の電圧(U″Qp)との差電圧として
    求め、 Cpをapとbpに対応する電圧のベクトル差として求
    め、 Cqをaqとbqに対応する電圧のベクトル差として求
    め、下記の式 及び ここで そして A=bp・bq・sin (γp−γq) B=ap・aq−bp・bq・cos(γp−γq) C=aq・bq・sin γq−ap・bp・sin γp で求め、相互距離(PQ)の第1変電所及び第2変電所
    間の送電線上の障害箇所(F)と第1変電所との距離を で求めることを特徴とする地絡障害箇所同定方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項において、電源と送
    電線との複素インピーダンスの偏角差が10度以下の場
    合、前記(△P)及び(△Q)が、それぞれ、 △P=△UQp−△UPp 及び△Q=△UPq−△UQq と表わされることを特徴とする地絡障害箇所同定方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項において、使用され
    る前記進行波モデルによつてそれぞれの変電所から見た
    全送電線沿いの電圧分布が計算できることを特徴とする
    地絡障害箇所同定方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1項において、使用され
    る前記進行波モデルによつて、計算で求められるのが、
    第1及び第2変電所における電圧のみであることを特徴
    とする地絡障害箇所同定方法。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項において、前記進行
    波モデルから導き出される電圧が相電圧であることを特
    徴とする地絡障害箇所同定方法。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項において、前記進行
    波モデルから導き出される電圧が主電圧であることを特
    徴とする地絡障害箇所同定方法。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項において、前記進行
    波モデルから導き出される電圧が逆相電圧又は零相電圧
    であることを特徴とする地絡障害箇所同定方法。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項において、前記の値
    (ap)、(bp)、(cp)及び(aq)、
    (bq)、(cq)が、対応する電圧の整流化された平
    均値、有効値又はピーク値であることを特徴とする地絡
    障害箇所同定方法。
  9. 【請求項9】多相配送電系統内に含まれる第1変電所
    (P)と第2変電所(Q)との間の送電線上の地絡障害
    箇所同定装置であつて、アナログ・デイジタル変換器
    (1,2)と、進行波モデル(3,4)と、加算器
    (5,6,7,8,15,18,19)と、割算器(1
    6)と、掛算器(17)と、送信器(9)と、受信器
    (10)とそれに演算器(20)とで構成され、 第1の加算器(5)は、第1の変電所内において測定さ
    れるか又は進行波モデルを基に計算された電圧
    (U′p)と、それに対応する1周期又は半周期前の電
    圧(U″p)との差に等しい差電圧ap=|△UPp|を
    算出するために備えられ、 第2の加算器(7)は第2の変電所内において測定され
    るかまたは進行波モデルを基に計算された電圧
    (U′Q)と、それに対応する1周期又は半周期前の電
    圧(U″Q)との差に等しい差電圧aq=|△UQq|を
    算出するために備えられ、 第3の加算器(6)は第1の変電所内で測定した電流及
    び電圧を用いて第1の変電所内で進行波モデルを基に求
    めた第2の変電所内の電圧(U′Pq)と、 それに対応する1周期又は半周期前の電圧(U″Pq)と
    の差に等しい差電圧bp=|△UPp|を算出するために
    備えられ、 第4の加算器(8)は第2の変電所内で測定した電流及
    び電圧を用いて第2の変電所内で進行波モデルを基に求
    めた第1の変電所内の電圧(U′Qp)と、それに対応す
    る1周期又は半周期前の電圧(U″Qp)との差に等しい
    差電圧bq=|△UQp|を算出するために備えられ、 第5の加算器(18)は(ap)と(bp)に対応する
    電圧のベクトル差(cp)を算出するために備えられ、 第6の加算器(19)は(aq)と(bq)に対応する
    電圧のベクトル差(cq)を算出するために備えられ、 差電圧(aq)、(bq)及び(cq)は第2の変電所
    (Q)から第1の変電所(P)へ、送信器及び受信器を
    介して伝送されるように適合され、 差電圧(ap)、(bp)及び(cp)は、第1の変電
    所に送信された信号(aq)、(bq)及び(cq)と
    共に前記演算器に入力され、該演算器は 及び ここで そしてA=bp・bq・sin (γp−γq) B=ap・aq−bp・bq・cos(γp−γq) C=aq・bq・sin γq−ap・bp・sin γp で表わされる△P、△Qを演算し、 第7の加算器(15)は(△P)及び(△Q)の和を算
    出するために備えられ、 (△P)を(△P)と(△Q)との和で割算するように
    割算器(16)が備えられ、 相互間の距離が(PQ)である第1及び第2の変電所間
    の送電線上の障害発生点(F)と第1の変電所との間の
    距離(PF)を掛算器(17)によつて(△P)を(△
    P)たす(△Q)で割算する割算出(16)の商に(P
    Q)を掛けて求めることを特徴とする地絡障害箇所同定
    装置。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第9項において、電源
    と、送電線の複素インピーダンスの偏角間の差が10度
    以下の場合には、(△P)は前記第8の加算器(11)
    で(△UQp)と(△UPp)の差として求め、(△Q)は
    前記第9の加算器(12)で(△UPq)と(△UQq)と
    の差として求めることを特徴とする地絡障害箇所同定装
    置。
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