JPH0656883A - ヒト血清アルブミンの脱脂方法 - Google Patents

ヒト血清アルブミンの脱脂方法

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JPH0656883A
JPH0656883A JP4205636A JP20563692A JPH0656883A JP H0656883 A JPH0656883 A JP H0656883A JP 4205636 A JP4205636 A JP 4205636A JP 20563692 A JP20563692 A JP 20563692A JP H0656883 A JPH0656883 A JP H0656883A
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一哉 竹島
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昭典 鷲見
Takao Omura
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 HSA、特に遺伝子操作により産生されるH
SAをキレート樹脂、具体的にはポリオール基、ポリア
ミン基またはチオ尿素基から選ばれたキレート能を有す
る交換基をリガンドとして有するキレート樹脂で処理す
ることを特徴とする、HSAの脱脂方法。 【効果】 本発明によれば、HSA、特に遺伝子操作に
より産生されるHSAについて、それに吸着、結合して
いる原料由来のまたは微生物が分泌する脂肪酸またはそ
のエステル類を効率良く除去することができる。従っ
て、脂肪酸またはそのエステル類が混入しないHSAを
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒト血清アルブミン、特
に遺伝子操作により発現されるヒト血清アルブミンの脱
脂方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルブミン、特にヒト血清アルブミン
(以下、HSAという)は血漿タンパク質の主要な構成
成分である。この蛋白質は肝臓中で作られ、主として血
流中で正常な浸透圧を維持したり、また種々の血清分子
のキャリアーとしての機能を持っている。このため、臨
床におけるHSA投与の基本的意義は、通常アルブミン
の減少に起因するとされる血液中血漿タンパク量の著し
い減少状態を改善することにある。これを目的として、
例えばショック患者や熱傷患者に対してHSAの頻回投
与が実施されており、この結果減少した血液量は元に戻
り、更に外傷に関連するいくつかの症状をも改善する。
また、低蛋白血症や胎児性赤芽球症に罹っている患者に
対してもHSAによる治療が有効とされている。
【0003】現在、HSAは主として人から採取した血
液を分画することによって製造されているが、この方法
は血液の供給が困難であること、不経済であること、ま
た肝炎ウイルス等の夾雑物質の混入などといった様々な
欠点を有している。従って、HSAの代替の原料を開発
することは臨床上極めて有益なことと考えられる。
【0004】近年、多種多様の有用なポリペプチドが組
換DNA技術によって種々の微生物から取得されている
が、HSAについても同様であり、遺伝子操作の技術に
より大量のHSAが生産され、それを高度精製する技術
も確立されつつある。
【0005】ところが遺伝子操作においては、発現され
るHSAは培地に起因するあるいは宿主由来の、または
宿主が分泌する脂肪酸またはそのエステル類と吸着また
は結合するという現象が見られる。高い純度のHSAを
得るためには、HSAへの脂肪酸の結合量を減少せしめ
ることが要求される。従来血漿由来のHSAに関して
は、その脱脂方法として活性炭などを用いる方法(特開
昭53−127809号)、陰イオン交換体を用いる方
法(特開平3−81290号)が知られている。しかし
これらの方法は、HSAの回収率、脱脂効果の度合いな
どの点で充分満足される効果を与えず、特に遺伝子操作
により産生されたHSAに対しても、充分効果があると
は言えないのが実情である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はHSA、特に
遺伝子操作により産生されるHSAに関して、従来の血
漿由来HSAの精製方法では充分に除去することができ
なかった多種類の脂肪酸またはそのエステル類を効率良
く除去する方法を提供するものである。また、本発明方
法は血漿由来のHSAの脱脂方法としても優れている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事情を
鑑みて鋭意研究を進めた結果、HSA、特に遺伝子操作
により産生されるHSAをキレート樹脂で処理すること
により、試料中の脂肪酸またはそのエステルが除去で
き、純度の高いHSAが高い回収率をもって得られるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、HSA、特に遺伝子操作に
より産生されるHSAをキレート樹脂で処理することを
特徴とする、HSAの脱脂方法に関する。
【0009】本発明が対象とするHSAは、血漿由来の
もの、また遺伝子操作によって得られるもののいずれで
もよい。
【0010】遺伝子操作で得られるHSAに関して、用
いられる遺伝子組換え操作、例えば発現システム(例え
ば宿主、HSA発現ベクターなど)、発現方法、培養シ
ステム、及び培養方法等については特に制限されない。
一般に遺伝子操作によるHSA産生方法は、基本的にH
SA発現ベクターの構築、形質転換体の作成、形質転換
体の培養等の工程からなり、この結果得られたHSA
は、培養濾液または菌体、細胞からそれぞれ公知の分離
手段により採取される。具体的には、特願平4−137
250号記載の発現システム、発現方法、培養システム
及び培養方法が使用できる。
【0011】かくして得られたHSAは、精製工程に移
されるが、本発明の脱脂方法による処理はこの精製工程
において、単独でまたは他の精製方法と組み合わせて使
用される。例えば下記の精製工程と組み合わせることが
好ましい。他の精製方法と組み合わせる場合、本発明の
精製方法はその任意の工程において行えばよい。最も好
適には、下記の精製工程の最後に行われる。
【0012】(1) HSAの精製 従来、遺伝子操作により産生されたHSAの精製方法と
して、各種分画法、吸着クロマトグラフィー、アフィニ
ティクロマトグラフィー、ゲル濾過、密度勾配遠心分離
法、透析等の公知方法が採用されている。本発明のHS
Aの脱脂方法による処理は、上記精製工程のいずれの段
階において実施されてもよいが、好ましくはその最後に
行われる。
【0013】当該精製工程としては、例えば以下の〜
を含む工程が好適に挙げられる。 ヒト血清アルブミン産生宿主の培養によって、ヒト
血清アルブミンを含む画分(培養上清、または培養細胞
を破砕したのち得られる画分)を分画分子量10万〜5
0万、及び1000〜5万の限外濾過膜を用いて処理す
る。 50〜70℃で30分〜5時間加熱処理する。 pH3〜5で酸処理する。 分画分子量10万〜50万の限外濾過膜を用いて処
理する。 pH3〜5、塩濃度0.01〜0.2Mの条件下で
陽イオン交換体に接触させた後にpH8〜10、塩濃度
0.2〜0.5Mの条件下で溶出する。 pH6〜8、塩濃度0.01〜0.5Mの条件下で
疎水性クロマト用担体に接触させて、非吸着画分を回収
する、そして pH6〜8、塩濃度0.01〜0.1Mの条件下で
陰イオン交換体に接触させて、非吸着画分を回収する。
【0014】また、前記工程の代わりに、pH6〜
8、塩濃度1〜3Mの条件下で疎水性クロマト用担体に
接触させた後に、pH6〜8、塩濃度0.01〜0.5
Mの条件下で溶出する工程、または前記工程の代わり
に、pH6〜8、塩濃度0.001〜0.05Mの条件
下で陰イオン交換体に接触させた後に、pH6〜8、塩
濃度0.05〜1Mの条件下で溶出する工程、さらには
前記工程との間、との間、またはの後で、p
H3〜5、塩濃度0.5〜3Mの条件下で塩析処理し、
沈澱画分を回収する工程をさらに含むものであってもよ
い。
【0015】また血漿由来のHSAに関して、血漿から
のHSA調製方法は通常の方法を用いることができる。
本発明の脱脂方法による処理は、その調製、精製工程の
いずれの段階において実施されてもよく、好適にはその
最後に行われる。
【0016】(2)HSAの脱脂 本発明のHSAの脱脂方法は、精製工程において得られ
るHSA試料を特定のリガンド部を有するキレート樹脂
と接触することにより行われる。本発明でいう処理と
は、当該キレート樹脂との接触操作を意味する。
【0017】キレート樹脂の担体部分は疎水性を有する
担体であることが好ましく、例えばスチレンとジビニル
ベンゼンの共重合体、アクリル酸とメタクリル酸の共重
合体等が挙げられる。一方、リガンド部は、N−メチル
グルカミン基等のポリオール基、イミノ基、アミノ基、
エチレンイミノ基等を分子内に複数個有するポリアミン
基(この中にはポリエチレンポリアミン等のポリアルキ
レンポリアミン基も含まれる)、およびチオ尿素基が挙
げられる。上記担体部分とリガンド部を有するキレート
樹脂の市販品としては、担体部分がいずれもスチレンと
ジビニルベンゼンの共重合体であるDIAION CRB02(リガ
ンド部;N−メチルグルカミン基、三菱化成株式会社
製)、DIAION CR20 (リガンド部;−NH(CH2 -C
2 -NH)nH、三菱化成株式会社製)、LEWATIT TP
(リガンド部;−NHCSNH2 、バイエル社製)、ア
ンバライトCG4000好適に使用される。
【0018】当該キレート樹脂による処理条件は、好適
には次の通りである。 pH条件: 酸性または中性(pH3〜9、好ましくは
pH4〜7) 。 時間: 少なくとも1時間以上、好ましくは6時間以
上。 イオン強度: 50mho以下、好ましくは1〜10m
ho。 混合比: HSA250mgに対して樹脂0.1〜10
0g、好ましくは1〜10g(湿重量)。
【0019】本発明のキレート樹脂処理により、HSA
の脂肪酸吸着量は上記〜および塩析処理、さらにキ
レート樹脂処理を含む工程を経て得られたHSAの脂肪
酸吸着量に対してその1/10以下、好ましくは1/1
00以下に低減される。
【0020】HSAに対する脂肪酸またはそのエステル
類の吸着量は、公知方法によって測定することができ
る。この方法としては例えば、Duncombeの抽出法、アシ
ル−CoAシンセターゼ(ACS)とアシル−CoAオ
キシターゼ(ACOD)を使用したACS−ACOD法
などが挙げられる。
【0021】Duncombeの抽出法は、脂肪酸を銅試薬によ
って銅塩とし、クロロホルムで抽出後、バンクプレイン
で発色させることを測定原理とするものであり、測定キ
ット例えば、NEFA−テストワコー(和光純薬株式会
社製)等を使用することにより簡便に実施できる。ま
た、ACS−ACOD法は、アシル−CoAシンセター
ゼ及びアシル−CoAオキシターゼと脂肪酸が反応して
生じたH22 を、ペルオキシダーゼが色素の酸化縮合
に利用して発色させることを測定原理とするものであ
り、測定キット例えば、NEFAC−テストワコー(和
光純薬株式会社製)等を使用することにより簡便に実施
できる。
【0022】本発明の脱脂方法が対象とするものは、脂
肪酸またはそのエステルであり、それらは特にHSA製
造のための原料に基づくものであり、例えば、血液、培
養基、宿主に由来するもの、または宿主が分泌するもの
を含む。脂肪酸としては、炭素数8〜20からなる飽和
脂肪酸(例えば、パルミチン酸、ステアリン酸)及び炭
素数16〜20からなる不飽和脂肪酸(例えば、オレイ
ン酸、リノール酸、アラキドン酸)が挙げられる。本発
明の方法は、上記の脂肪酸またはそのエステルの除去に
有効であり、故にHSAの由来に限定されることなく、
それら脂肪酸またはそのエステル類と結合しているHS
Aの脱脂に利用できる方法である。
【0023】本発明方法で処理されたHSAを例えば臨
床使用するにあたっては、該HSAは公知の手法(限外
濾過、安定化剤の添加、除菌濾過、分注、凍結乾燥等)
により製剤化される。このHSA製剤は十分臨床使用上
適合しうる製剤であり、注射剤として血漿由来HSA製
剤と同様に用いることができる。また、医薬品の安定化
剤あるいは担体、運搬体としても利用可能である。
【0024】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために、実施例
を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるも
のではない。
【0025】参考例1 HSA産生宿主の培養 (1) 使用菌株:Pichia pastoris GCP101株 特開平2−104290号に述べられている方法によ
り、ピキアパストリス(Pichia pastoris)GTS115
(his4)のAOX1 遺伝子領域に、AOX1プロモ
ーター支配下にHSAが発現する転写ユニットを持つプ
ラスミドpPGP1のNot1で切断した断片を置換し
て、PC4130が得られている。この株はAOX1
伝子が存在しないためにメタノールを炭素源とする培地
での増殖能が低くなっている(Mut−株)。
【0026】PC4130をYPD培地(1%イースト
エキストラクト、2%バクトペプトン、2%グルコー
ス)3mlに植菌し、24時間後に初期OD540 =0.1
となるようにYPD培地50mlに植菌した。3日間30
℃で培養後に初期OD540 =0.1となるようにYPD
培地50mlに植菌した。さらに3日毎に同様の継代を繰
り返した。継代毎に菌体を107 cells/plate になるよ
うに滅菌水で希釈して2%MeOH−YNBw/oa.
a.プレート(0.7%イーストナイトロジエンベース
ウイズアウトアミノアシッド、2%メタノール、1.5
%寒天末に塗布し、30℃5日間培養してコロニーの有
無を判断した。その結果、12日間継代後に塗布した2
%MeOH−YNBw/oa.a.プレートから20個
のコロニーが生じた。このプレートではMut−株はほ
とんど生育できず、Mut+株は生育できる。すなわ
ち、このプレートではコロニーが生じるということはメ
タノールの資化性が上昇し、Mut+に変換した株が得
られたことを示している。生じたコロニーの内の1つを
適当に滅菌水で希釈して2%MeOH−YNBw/o
a.a.プレートに拡げシングルコロニーに単離した。
その1つをGCP101と名付けた。
【0027】(2) 菌株の培養 (前々培養)グリセロール凍結ストック菌株1mlを20
0mlのYPD培地(表1)を含むバッフル付1,000
ml容三角フラスコに植菌、30℃にて24時間振盪培養
した。
【0028】
【表1】
【0029】(前培養)YPD培地5Lを含む10L容
ジャーファーメンターに前々培養液を植菌し、24時間
通気攪拌培養した。培養温度は30℃、通気量は5L/
分とした。また、前培養においてはpHの制御は実施し
なかった。
【0030】(本培養)バッチ培養用培地(表2)25
0Lに前培養液を植菌し、1,200L容ファーメンタ
ーを用いて通気攪拌培養した。槽内圧は0.5kg/c
m2 、最大通気量を800N−L/min として溶存酸素濃
度が飽和溶存酸素濃度の50%〜30%程度を保持する
ように、攪拌速度を制御しながら回分培養を開始した。
回分培養において培地中のグリセロールが消費された時
点よりフィード培地(表3)の添加を開始した。このフ
ィード培地の添加にはコンピューターを使用し、培地中
にメタノールが蓄積しないように制御しながら高密度培
養を実施した。pHは28%アンモニア水を添加するこ
とにより、pH5.85に定値制御した。消泡は消泡剤
(Adecanol、旭電化工業製) を回分培養開始時に0.3
0ml/L添加しておき、その後は必要に応じて少量添加
することで実施した。
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】参考例2 参考例1のGCP101株から単離した変異型AOX2
プロモーター [天然型AOX2プロモーター(YEAST,
5, 167-177 (1988)またはMol. Cell, Biol., 9,1316-13
23 (1989))中、開始コドン上流の255番目の塩基がT
からCに変異したもの] を用いてHSA発現用プラスミ
ドpMM042を構築し、ピキアパストリス(Pichia pa
storis) GTS115株に導入し、形質転換体UHG4
2−3株を得た(特願平3−63599号)。参考例1
に準じてこのUHG42−3株を培養し、HSAを産生
させた。
【0034】参考例3 HSAの精製 [i] 培養上清の分離〜膜分画(II) 参考例1、または参考例2で得られた培養液約800L
を圧搾することにより培養上清を分離した。培養上清を
分画分子量が30万の限外濾過膜で処理した。次いで、
分画分子量が3万の限外濾過膜を用いて液量を約80L
に濃縮した〔膜分画(I)〕。この濃縮液を60℃、3
時間の加熱処理後、急速に約15℃に冷却し、pH4.
5に調整し、再度分画分子量が30万の限外濾過膜を用
いて除去した〔膜分画(II)〕。次いで、分画分子量
が3万の限外濾過膜を用いてアルブンミン溶液中の緩衝
液を50mM塩化ナトリウムを含む50mM酢酸緩衝
液,pH4.5に交換した。
【0035】[ii]陽イオン交換体処理 50mM塩化ナトリウムを含む50mM酢酸緩衝液,p
H4.5で平衡化したS−セファロース充填カラムにア
ルブミンを吸着させ、同緩衝液で十分洗浄したのち、
0.3M塩化ナトリウムを含む0.1Mリン酸緩衝液、
pH9でアルブミンの溶出を行った。
【0036】[iii] 疎水性クロマト処理 S−セファロース充填カラムから溶出されたアルブミン
溶液を0.15M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸
緩衝液,pH6.8で平衡化したフェニルセルロファイ
ンを充填したカラムに添加した。この条件ではアルブミ
ンはフェニルセルロファインを吸着することなく、カラ
ムを通過した。カラムを通過したアルブミンは、分画分
子量3万の限外濾過膜を用いて液量を約50Lに濃縮す
るとともに、アルブミン溶液中の緩衝液を50mMリン
酸緩衝液、pH6.8に交換した。
【0037】[iv]陰イオン交換体処理 疎水クロマト処理後、濃縮及び緩衝液交換を行ったアル
ブミン溶液を50mMリン酸緩衝液,pH6.8で平衡
化したDEAE−セファロースを充填したカラムに添加
した。この条件ではアルブミンはDEAE−セファロー
スに吸着することなく、カラムを通過した。
【0038】[v] HSAの塩析処理 5%濃度のHSAに塩化ナトリウムを添加して最終濃度
1Mとした溶液を、酢酸でpH3.5に調整し、HSA
を沈澱させた。この沈澱を遠心により上清と分離し、不
純物を除去した。
【0039】実施例1 参考例1及び3(または2)を経て得られた精製20%
組換えHSA1mlにDIAION CRB02(三菱
化成株式会社製)を1gを加え、pH6.8、イオン強
度5mmhoの条件下、室温で24時間攪拌した。DI
AION CRB02はスチレン−ジビニルベンゼン共
重合体からなる担体部にリガンドとしてN−メチルグル
カミン基が結合してなるキレート樹脂である。その後、
樹脂を蒸留水で洗浄後、回収されたHSAの結合脂肪酸
またはエステル類の量を測定した。また、対照として精
製工程において上記キレート樹脂処理を施さなかった組
換えHSAを用い、同様に結合脂肪酸量を求めた。結合
脂肪酸量の測定はNEFA−テストワコー(和光純薬社
製)を用いて行った。結果を表4に示す。尚、表におい
てrHSAとは、遺伝子操作由来のHSAを意味する。
【0040】
【表4】
【0041】実施例2 実施例1に行った20%組換えHSA1mlに対する処
理において、キレート樹脂DIAION CRB0 2
の代わりにDIAION CR20(三菱化成株式会社
製)を使用した以外は実施例1と同様の処理を行った。
DIAIONCR20は、スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体からなる担体部にリガンドとして -NH(CH2 CH2
NH)n H 基が結合してなるキレート樹脂である。この処
理によって実施例1と同様な結果が得られた。
【0042】実施例3 実施例1に行った20%組換えHSA1mlに対する処
理において、キレート樹脂DIAION CRB0 2
の代わりにLEWATIT TP214(バイエル社
製)を使用した以外は実施例1と同様の処理を行った。
LEWATITTP214は、スチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体からなる担体部にリガンドとして -NHCSNH
2 基が結合してなるキレート樹脂である。この処理によ
って実施例1と同様な結果が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、HSA、特に遺伝子操
作により産生されるHSAについて、それに吸着、結合
している原料由来のまたは微生物が分泌する脂肪酸また
はそのエステル類を効率良く除去することができる。従
って、脂肪酸またはそのエステル類が混入しないHSA
を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 大村 孝男 大阪府枚方市招提大谷2丁目25番1号 株 式会社ミドリ十字中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒト血清アルブミンをキレート樹脂で処
    理することを特徴とする、ヒト血清アルブミンの脱脂方
    法。
  2. 【請求項2】 キレート樹脂がポリオール基、ポリアミ
    ン基及びチオ尿素基から選ばれたキレート生成能を有す
    る交換基をリガンドとして有する請求項1記載のヒト血
    清アルブミンの脱脂方法。
JP4205636A 1992-05-20 1992-07-31 ヒト血清アルブミンの脱脂方法 Expired - Lifetime JPH0733398B2 (ja)

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