JPH0660343B2 - 精錬容器における底吹き羽口の保護方法 - Google Patents

精錬容器における底吹き羽口の保護方法

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JPH0660343B2 JP30772387A JP30772387A JPH0660343B2 JP H0660343 B2 JPH0660343 B2 JP H0660343B2 JP 30772387 A JP30772387 A JP 30772387A JP 30772387 A JP30772387 A JP 30772387A JP H0660343 B2 JPH0660343 B2 JP H0660343B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、吹錬用の酸素ガスの一部又は全部を溶融金
属浴の浴面下に位置する羽口を通して底吹きする形式の
転炉製鋼法において、吹錬作業に支障をきたすことなく
該羽口の効果的な寿命延長を実現しようとするものであ
る。
(従来の技術) 溶銑のような溶融金属の精錬を行う転炉において、とく
に転炉の底部に設けた羽口から精錬用の酸素ガスを吹き
込み溶融金属の撹拌を行う、いわゆる底吹き形式になる
転炉では、該羽口の溶損等が不可避であり、耐久性に問
題があった。そのため従来では、羽口を同心円状の二重
管とし、内管から酸素ガスを吹込み、一方内管と外管と
の間にはプロパンガスなどの炭化水素を流し、該炭化水
素の熱分解による吸熱反応熱を利用して羽口を冷却する
のが一般的であった。
上記の方法は、純酸素ガスを、転炉の底部に設けた羽口
を通して溶融浴中に安定して吹き込むことを可能とした
優れた方法であり、我国では底吹形式になる転炉のすべ
てがこの方法を採用している。しかしながら、転炉の耐
火物にかかる費用の削減、とくに炉底耐火物に要する費
用の削減を図るためには、該炉底耐火物の寿命を決定す
る羽口の寿命を向上させることが強く望まれ、この点に
関し従来の技術では満足のいくレベルに至っていないの
が現状であった。
羽口の寿命延長を図る試みとして、発明者らは先に、酸
素又は酸素を含む気体を羽口入口において少なくとも30
kgf/cm2の高圧下に供給する気体吹き込み方法を提案し
た(特開昭61-87810号公報参照)。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、上記公報に開示の技術は、溶融金属中へ吹き
込むべき気体を、吹き込みの全期間にわたり高圧に維持
する方式なので、昇圧のための設備費が増大しまたエル
ネギー消費量が大きいので、羽口の寿命を延長させるの
には有利であるが経済性に問題を残していた。
上述したような従来の問題を解消し、精錬容器の底部に
設けた羽口の耐久性の向上を図ることが可能で、しかも
溶融金属の精錬効果にも良好な結果を与える効果的な方
法を提案することがこの発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) 発明者らは、転炉の如き精錬容器の底部における羽口の
耐久性を、設備コストやエルネギー消費量の増大を招く
ことなしに向上させるべく種々実験、検討を重ねた結果
吹錬中において、羽口における供給ガス圧を適正範囲に
調整することが極めて有効であることを突き止めた。
すなわちこの発明は、容器底部に設けた羽口から精錬容
器内の溶融金属浴中に精錬ガスを底吹きする精錬方法に
おいて、吹錬の後期における溶融金属の温度が、すくな
くとも1500℃になった時点で、上記羽口からその入口に
おける気圧が絶対圧で30気圧以上の酸素ガスを供給する
ことを特徴とする精錬容器における底吹き羽口の保護方
法(第1発明)であり、また、この発明容器底部に設け
た羽口から精錬容器内の溶融金属浴中に精錬ガスを底吹
きする精錬方法において、 吹錬の前期は上記羽口から不活性ガスを供給し、次いで
吹錬後期において溶融金属の温度が少なくとも1500℃に
なった時点で該羽口からその入口における気圧が絶対圧
で30気圧以上の酸素ガスを供給することを特徴とする精
錬容器における底吹き羽口の保護方法(第2発明)であ
る。
羽口の耐久性を決定する因子は、溶融金属の温度、羽口
の寸法、酸素ガスと炭化水素ガスの流量比あるいは酸素
ガスの圧力、流量等があるが、なかでも羽口の寸法と酸
素ガスの吹込圧力は羽口寿命に大きな影響を及ぼすこと
が下記に説明する実験より明らかになった。勿論吹錬中
の溶融金属の温度が羽口の耐久性を決定する一番大きな
因子であるけれども、溶融金属の温度は、精錬と鋳造の
工程全体から決まるので、羽口の耐久性を向上させるた
めだけに該温度を低下させることはできない。また酸素
ガス流量については精錬反応特性を改善するために所望
の撹拌を行う観点からきまるものであり、上記同様、羽
口の耐久性の点で一義的にきまるものではない。
そこで、この発明においては、まず容器の底部にサイズ
の異なる羽口を種々取付けた5トン規模の試験転炉を用
いて、代表成分がC:4.3%,Si:0.23%,Mn:0.32
%、P:0.11%、S:0.021%になる高炉溶銑を、炭素濃
度が0.08%以下、温度が1670〜1780℃の溶鋼にすべく比
較的高温な精錬を25チャージ連続的に行い、精錬の終了
後羽口を回収してその残長を測定し25チャージの平均と
して、1チャージ当りの羽口の損耗量を調査した。ま
た、これと同様の吹錬であるが、吹錬後期の溶鋼温度が
上昇する時期に、転炉の上方からスクラップを投入し、
該温度が過度に上昇することを防止しつつ吹錬して吹錬
終了時の溶鋼温度が1580〜1610℃といたって比較的低温
な吹錬を25チャージ連続的に実施した場合の羽口損耗量
についても調査した。
なお、実験に使用した羽口は、全て同心円状の2重管羽
口であって、内管からは酸素ガスを、外管と内管の間に
は羽口保護用として流量が酸素ガス流量の5%になるプ
ロパンガスを流した。
その結果を羽口サイズおよび酸素ガス圧力とともに表−
1に示す。
第1図は、実験において得られたデータをグラフとして
示したものであるが、図より、高温吹錬では羽口1本当
たりの酸素ガス流量が一定の場合(1.5Nm3/min)には、羽
口の直径を小さくするなどしてガス圧力を増大させるこ
とが羽口の耐久性の向上に有利であり、とくに供給圧力
が30気圧以上では、10気圧未満の通常の吹込み方法と比
較して羽口損耗量が約50%以下になることがわかり、ま
た、溶鋼温度を1580℃〜1610℃に調整する低温吹錬で
は、供給圧力3.8〜45気圧の範囲において損耗量が0.65
〜0.40であり、羽口損耗量に対するガス圧力の依存性が
小さいことがわかった。
従って、溶融金属の温度が上昇する吹錬に気圧の高い酸
素ガスを用いるのが極めて有効である。
(作用) この発明では、溶融金属の温度が上昇し、とくに羽口の
寿命に大きな影響を与える吹錬後期においてのみ所定の
気圧(30気圧)以上になる酸素ガスを、また羽口の寿命
に対する影響が比較的小さい吹錬前期から中期に至るま
での比較的低温の区間では通常の気圧になる酸素ガス又
はこれに換えて不活性ガスを供給するので、所期した目
的を有利に達成し得るのである。
ここに、高圧酸素ガスを、吹錬後期における溶融金属の
温度が少なくとも1500℃になった時期に吸込むのは、溶
融金属の炭素温度が0.5%以下まで低減し、炭素の酸化
反応に加え鉄の酸化反応が活発になり溶融金属の温度が
急上昇する時期であり、これにより羽口の損耗等に影響
を与えるのを防止する他、撹拌効果を高めて溶融金属の
精錬に良好な結果を与えるのに有利だからである。
また、この発明では、吹錬後期に至るまでの間に通常の
気圧になる酸素ガスに換えて不活性ガスを用いるが、そ
の理由は、後述の実施例で示すように羽口の損耗量が一
番少なく、また、スラグ中の酸化鉄量も少ないといった
利点がある。ただし、この場合には、酸素ガスと比較し
て直接の精錬作用のない不活性ガスを用いるので、不活
性ガスの費用を要することとなる。
(実施例) 炉底に内径が6.5mmの酸素ガス流路を有し、羽口保護用
のプロパンガスを酸素流量の5%の流量で流す仕組にな
る同心二重管羽口を4本備えた容量100tonの上底吹き転
炉に、スクラップを5〜8tonと高炉からの溶銑を95〜9
8ton装入し、下記に述べる条件にて通常の脱炭精錬を行
い、吹錬終了後に羽口の損耗量を調査した。なお、上記
精錬における溶銑の吹錬開始温度は1230〜1260℃、吹錬
終了時の溶鋼温度は1650〜1710℃、また溶鋼の炭素濃度
は0.02〜0.05%に、さらに上吹きランスからの酸素ガス
流量は0.5%Cまでは200Nm3/minとし、0.5%C以下にお
いては150Nm3/minとした。まず、処理No.1として溶銑
温度が比較的低い吹錬開始から吹錬中期に至るまでの区
間において、羽口入口の酸素ガス圧力を3〜7気圧、羽
口1本当りの流量1.5〜2.1Nm3/minの範囲に設定し、そ
して、溶銑の炭素濃度が0.5%以下となり、温度が1500
℃以上になったと予想される時期に上記ガス圧を35〜41
気圧、羽口1本当りの酸素流量を11〜12Nm3/minに設定
した。このような吹錬の実施率が93%であった250チャ
ージの連続的な吹錬後に、羽口の長さを測定したところ
1チャージ当りの羽口の損耗量が、0.65mmであった。
次に、処理No.2として、上記処理No.1と同様の条件
で、吹錬の全期間にわたり羽口入口の圧力を3〜7気
圧、羽口1本当りの酸素流量を1.5〜2.1Nm3/minに設定
した場合の吹錬では、250チャージの平均損耗量が0.93m
m/チャージであった。
以上の結果から、この発明に従い溶鋼温度が高くなる吹
錬後期とくに末期において羽口入口の酸素ガス圧力を増
大させると羽口保護効果が高いことが確かめられた。次
に、処理No.3として吹錬の全期間にわたり羽口入口の
酸素ガス圧力を35〜41気圧、羽口1本当りの酸素流量を
11〜12Nm3/minに設定した場合では、250チャージの連続
的な吹錬後の羽口損耗量が0.59mm/チャージであった。
処理No.3を適用した場合では、昇圧に要するエネルギ
ーを消費する高圧力の酸素ガスを多量に使用するにもか
かわらず、羽口損耗量の改善効果は処理No.1と比較し
て小さいことが明らかである。
さらに処理No.4として、吹錬開始から溶銑の温度が150
0℃になるまでの間に、羽口入口圧力を6〜9気圧、羽
口1本当りの流量を1.5〜2.1Nm3/minに設定した窒素ガ
スを用い、その後窒素ガスを35〜41気圧、羽口1本当り
の流量が11〜12Nm3/minになる酸素ガスに変更した場合
につき、同じく250チャージの平均損耗量を調査したと
ころ0.51mm/チャージであった。なお、処理No.4で
は、窒素ガスの吹込み中は羽口冷却用のプロパンガスに
換え、内管流量の5〜10%相当の窒素ガスを流した。
処理No.4は、羽口の損耗量が上記No.1〜3と比較し一
番小さく優れた方法であることが確かめられた。これは
不活性ガスの吹込み期間が長いために、羽口の溶損が少
ないこと、及び高温吹錬時には、酸素ガス圧力が高いの
で羽口の損耗が防止されることによる。
なお処理No.1〜4では底吹きの酸素流量がそれぞれ異
なるために当然の結果として鋼浴の撹拌力も異なり、ま
た冶金反応効果も異なる。冶金反応効果の代表特性値と
して吹錬終了時のスラグ中の鉄酸化物としての鉄濃度
(%T.Fe)を比較すると、No.1では16.7%、No.2では
19.5%、No.3では15.9%、No.4では16.1%であった。
以上の結果をわかりやすく表−2にまとめて示す。
スラグ中の鉄濃度は、各処理No.における底吹きガスの
流量に対応しているが、処理No.1及び4は高圧の酸素
ガスの使用量が比較的少ないのにもかかわらず、羽口の
保護効果、酸化鉄の生成抑制効果においてNo.2より優
れ、しかも高圧の酸素ガスの使用量が多い反面、比較的
良好な結果が得られるNo.3に非常に近いことがわか
る。なお、この発明を実施するに当たっては、冶金反応
の改善効果の観点から必要な底吹きガスの流量が得られ
るよう羽口の直径や本数を適切に選び30気圧以上の圧力
においても所望のガス流量が得られるようにすることが
肝要である。
また、この発明では第2発明として、低圧力のガスを用
いる吹錬の大部分の期間において、不活性ガスを用いる
が、この期間に酸素ガスを用いるか不活性ガスを用いる
かについてはそのコストおよび羽口寿命の延長効果を勘
案して決定すべきである。すなわち酸素ガスは溶鋼の脱
炭用のガスとして使用されるので撹拌用のガスとしての
費用増加はないが、窒素ガスなどの不活性ガスは鋼浴と
の反応がないので撹拌用のガスとして費用を要すること
となるからである。
なお、吹錬の後期において用いる高圧酸素ガスに換え、
不活性ガスを用いることも考えられるがこのような方法
では、吹錬の後期とくにその末期においては吹込むべき
ガスは大流量を必要とする時期にあるので不活性ガスの
使用量が増大すること、また価格の比較的安価な窒素ガ
スを用いた場合には溶鋼の窒素濃度が上昇する懸念か
ら、高価なアルゴンガスを用いる必要があり、経済性の
点に問題がある。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、溶融金属中へ吹込むガスの
高圧化のための設備費やエネルギー費用の大幅な増大を
伴うことなしに底吹き羽口の耐久性を有利に高めること
ができる。しかもこの発明によれば溶融金属の精錬にお
いて、酸化鉄の生成抑制効果が極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は、羽口入口におけるガス圧力と羽口損耗量の関
係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 康夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 高橋 幸雄 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器底部に設けた羽口から精錬容器内の溶
    融金属浴中に精錬ガスを底吹きする精錬方法において、 吹錬の後期における溶融金属の温度が、すくなくとも15
    00℃になった時点で、上記羽口からその入口における気
    圧が絶対圧で30気圧以上の酸素ガスを供給することを特
    徴とする精錬容器における底吹き羽口の保護方法。
  2. 【請求項2】容器底部に設けた羽口から精錬容器内の溶
    融金属浴中に精錬ガスを底吹きする精錬方法において、 吹錬の前期は上記羽口から不活性ガスを供給し、次いで
    吹錬後期において溶融金属の温度が少なくとも1500℃に
    なった時点で該羽口からその入口における気圧が絶対圧
    で30気圧以上の酸素ガスを供給することを特徴とする 精錬容器における底吹き羽口の保護方法。
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