JPH0660808B2 - 微小変位測定方法および微小変位測定装置 - Google Patents

微小変位測定方法および微小変位測定装置

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JPH0660808B2
JPH0660808B2 JP18134586A JP18134586A JPH0660808B2 JP H0660808 B2 JPH0660808 B2 JP H0660808B2 JP 18134586 A JP18134586 A JP 18134586A JP 18134586 A JP18134586 A JP 18134586A JP H0660808 B2 JPH0660808 B2 JP H0660808B2
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真 猪城
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、回折格子を用いて物体の微小な変位測定を行
なう方法およびそのための装置に関するものである。
〔従来の技術〕
LSIの高集積化に伴い、微細化する集積回路パタンを
高精度で露光,転写する紫外線またはX線露光装置、あ
るいは高精度でパタン描画する電子ビーム露光装置等に
おいては、ステージの精密位置検出ならびに位置決めを
行なう移動量(変位)測定技術の進展は不可欠のものと
なっている。
従来より回析格子を用いて微小な変位測定を行なう方法
として、光ヘテロダイン干渉を利用するものが提案され
ており、第5図にそのような回折格子と光ヘテロダイン
干渉とを組み合わせた微小変位測定装置の一例を示す。
第5図において符号1は、周波数が互いにわずかに異な
り、かつ偏光面が互いに直交する2波長の単色光を発す
る2波長直交偏光レーザ光源、2はビームスプリッタ
ー、3a,3bは集光レンズ、4a,4bは偏光板、5
a,5bは光検出器、6a,6bはプレアンプ、7a,
7b,7c,7dは平面ミラー、8は偏光ビームスプリ
ッター、9は反射型回折格子、10は移動ステージ、1
1はステージ駆動部、12は検出信号処理部、13は変
位表示部、14,15は入射光、16は合成回折光であ
る。
この装置においては、2波長直交偏光レーザ光源1から
発したレーザ光の一部をビームスプリッター2を介して
取り出し、集光レンズ3aでレーザ光を集光し、偏光板
4aを用いて光ヘテロダイン干渉させ、光検出器5aで
検出してプレアンプ6aを通し、基準ビート信号として
検出信号処理部12に入力する。一方、2波長直交偏光
レーザ光源1から発した光の一部は、ビームスプリッタ
ー2,平面ミラー7aを介して偏光ビームスプリッター
8に入る。偏光ビームスプリッター8により偏光面が互
いに直交し周波数がわずかに異なる二つの単色光、すな
わちP偏光の入射光14とS偏光の入射光15に分割
し、これらを平面ミラー7b,7cを介して後述する所
定の入射角で反射型回折格子9に入射する。回折格子9
から得られる2波長の回折光を光学的に合成し、合成回
折光16として平面ミラー7d,集光レンズ3b,偏光
板4bを通し、光ヘテロダイン干渉させて光検出器5b
で検出し、回折光ビート信号としてプレアンプ6bを通
して上記の検出信号処理部12に入力する。検出信号処
理部12では、回折格子9の変位に対応した基準ビート
信号と回折光ビート信号との位相差を検出し、その位相
差を変位量に換算して変位表示部13で回折格子9の変
位量を表示する。また、位相差があらかじめ設定した任
意の値で一定となるように、検出信号処理部12よりス
テージ駆動部11に制御信号を送り、回折格子9を定め
られた位置にサーボ制御することもできる。
ここで、回折格子9の変位量ΔXと、基準ビート信号お
よび回折光ビート信号の位相差Δφとの関係について第
6図を参照して説明する。第6図において符号17は反
射型回折格子、18a,18bは波長λの入射光、1
9a,19bは波長λの入射光、20a,20bは合
成回折光である。
偏光面が互いに直交し、かつ周波数が互いにわずかにず
れている波長λ,波長λの入射光18a,19a
が、回折格子17の格子面の法線方向に対してそれぞれ
n次回折角θn,θnで回折格子17の例えばA点
に入射した場合、回折格子17のA点から格子面の法線
方向に入射光18a,19aのn次回折光それぞれが出
射する。それらのn次回折光は、格子面の法線方向にお
いて光学的に合成されて合成回折光20aとなり、光ヘ
テロダイン干渉ビート信号検出が可能となる。ここで、
回折格子17が格子ラインに直交する方向に変位量ΔX
移動してA点がA′点に変位した場合、同様に入射光1
8b,19bに対してそれぞれのn次回折光が出射し、
それらが光学的に合成されて合成回折光20bとなる。
回折格子17の格子ピッチをPとすると、n次回折角θ
,θn、波長λ,λの間にはsin θn=n・λ/P(nは正の整数)……(1)sin θn=n・λ/P( 〃 )……(2) の関係がある。回折格子17がΔXだけ変位することに
より、入射光18aと18bとにはΔX・sinθn
入射光19aと19bとには−ΔX・sinθnの光路
長差がそれぞれ生じる。したがって、合成回折光20a
と20bとから得られる光ヘテロダイン干渉ビート信号
には、位相差Δφが生じ、このΔφは、 Δφ=(2π・ΔX・sinθn/λ) +(2π・ΔX・sinθn/λ)…(3) となる。(3)式に(1),(2)式を代入すると、 となり、位相差Δφは、回折格子17の変位ΔXに対し
P/2nを周期として変化する。
すなわち、前記第5図における回折格子9からの合成回
折光16が入射光14,15のn次回折光の合成回折光
である場合、前記光検出器6a,6bで検出される基準
ビート信号と回折光ビート信号との位相差Δφは、回折
格子9の格子ピッチをPとすると、回折格子9の変位量
P/2nを1周期として変化する。したがって、検出信
号処理部12において例えば位相検波し、位相差をDC
信号に変換し、例えば位相差0゜ごとにDC信号からパ
ルス信号を生成し、そのパルス信号をカウントすること
によって、分解能P/2nの精度で回折格子9の変位測
定が可能である。さらに、位相差0゜から360゜まで
のDC信号変化を例えば1/360に補間して位相差の
検出分解能を1゜に設定し、前記パルス間の回折格子の
変位を位相差検出することにより、回折格子9の変位を
分解能P/(2n・360)で検出することができる。
なお、回折格子9の変位の方向は、基準ビート信号に対
する回折光ビート信号の位相差の正負を弁別することに
より容易に判定することができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、上記従来の微小変位測定装置においては、回
折格子面の法線方向についての微小変位を検出できない
という欠点があった。
このことについて、第7図を参照して説明する。第7図
において符号21は反射型回折格子、22a,22bは
波長λの入射光、23a,23bは波長λの入射
光、24a,24bは合成回折光である。波長λ,λ
のレーザー光の入射角はそれぞれn次回折角θn
θnである。
入射光22a,23aが回折格子21のB点に入射した
場合、格子面の法線方向に入射光22a,23aのn次
回折光がそれぞれ出射し、それらが光学的に合成されて
合成回折光24aとなる。ここで、回折格子21が法線
方向に変位量ΔZ移動してB点がB′点に変位した場
合、同様に入射光22b,23bに対してn次回折光が
それぞれ出射して合成回折光24bとなる。入射光22
aと22bとには−ΔZ(1+cos θn),入射光2
3aと23bとには−ΔZ(1+cos θn)の光路長
差がそれぞれ生じるので、合成回折光24aと24bと
から得られる光ヘテロダイン干渉ビート信号には位相差
Δφが生じ、このΔφは、 Δφ={2π・ΔZ(1+cos θn)/λ} −{2π・ΔZ(1+cos θn)/λ} =2π・ΔZ・{(λ−λ) +(λcos θn−λcos θn)} /λλ ……(5) となる。
ところが、波長λ,λのレーザ光の周波数差Δfす
なわちビート信号の周波数は、例えば数十KHz〜数M
Hz程度であって光の周波数に比べて非常に小さく、 |λ−λ|=(Δf/C)・λ・λ ≒0 (Cは光速) ……(6) となり、λ≒λ,θn≒θnとなって、(5)
式の位相差ΔφはΔZの値に関係なく常に0となってし
まう。
このように、従来の微小変位測定装置においては回折格
子面の法線方向についての微小変位ΔZを検出できない
ものであった。したがって紫外線露光装置における焦点
合わせ、あるいはX線露光装置におけるマスク・ウエハ
間のギャップ設定等のウエハ面の法線方向の制御が必要
不可欠な場合には、上記のような従来の装置は適用でき
ないものであった。このため従来においては、2方向の
変位を測定するためには他の測定装置を用いなければな
らず、装置が大型化,複雑化するという問題を有してい
た。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、回折格子
面の法線方向の微小変位についても測定することのでき
る方法およびそのための装置を提供することを目的とし
ている。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明の微小変位測定方法は、周波数が互いにわずか
に異なる2波長の単色光を合成し光ヘテロダイン干渉さ
せて基準ビート信号を生成するとともに、前記2波長の
単色光のいずれか一方を分光してそれら分光した単色光
をそれぞれ互いに異なる方向から物体上に固定した回折
格子に対して入射させ、かつ前記2波長の単色光の他方
を前記回折格子に対して入射させて前記一方の単色光の
それぞれの分光の回折光と前記他方の単色光の回折光と
をそれぞれ合成して第1および第2の光ヘテロダイン干
渉ビート信号を生成し、前記基準ビート信号と前記第1
の光ヘテロダイン干渉ビート信号との位相差、および前
記基準ビート信号と前記第2の光ヘテロダイン干渉ビー
ト信号との位相差をそれぞれ検出することによって、そ
れら位相差から前記物体の前記回折格子の格子ラインに
直交する方向の微小変位およびその回折格子の法線方向
の微小変位をそれぞれ測定することを特徴としている。
また、この発明の微小変位測定装置は、物体上に固定さ
れた回折格子と、周波数が互いにわずかに異なる2波長
の単色光を発生する光源と、その光源から発せられた2
波長の単色光を合成し光ヘテロダイン干渉させて基準ビ
ート信号を生成する第1の光合成検出手段と、前記光源
から発せられた2波長の単色光のいずれか一方を分光す
る分光手段と、前記分光されたそれぞれの単色光および
前記他方の単色光を前記回折格子に所定の角度を有した
方向からそれぞれ入射させる入射角調整手段と、前記一
方の単色光のそれぞれの分光の回折光と前記他方の単色
光の回折光とをそれぞれ合成して第1、第2の光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号を生成する第2、第3の光合成検
出手段と、前記第1および第2の光合成検出手段によっ
てそれぞれ生成された基準ビート信号および第1の光ヘ
テロダイン干渉ビート信号とから第1の位相差信号を算
出処理して前記物体の前記回折格子の格子ラインに直交
する方向の変位量に換算する第1の信号処理装置と、そ
の第1の信号処理装置によって算出処理された第1の位
相差信号および前記第1、第3の光合成検出手段によっ
てそれぞれ生成された基準ビート信号、第2の光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号とから第2の位相差信号を算出処
理して前記物体の前記回折格子の法線方向の変位量に換
算する第2の信号処理装置とを具備してなることを特徴
としている。
〔作用〕
本発明では、2波長の単色光の一方を分光することによ
って合計3本の単色光を回折格子に対して入射させ、そ
れらの回折光から第1、第2の光ヘテロダイン干渉ビー
ト信号を生成する。そして、それら第1、第2の光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号と基準ビート信号に基づいて、
回折格子の微小変位を2方向すなわち回折格子の格子ラ
インに直交する方向と回折格子の法線方向の双方に対し
て検出する。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を第1図ないし第4図を参照して
説明する。
第1図は本発明に係る微小変位測定装置の第1実施例を
示す。第1図において符号25は2波長直交偏光レーザ
光源(光源)、26a,26bはビームスプリッター、
27は偏光ビームスプリッター、28a,28b,28
c,33a,33b,34a,34b,34c,34d
は平面ミラー、29a,29b,29cは集光レンズ、
30a,30b,30cは偏光板、31a,31b,3
1cは光検出器、32a,32b,32cはプレアン
プ、35は反射型回折格子、36はZ移動ステージ、3
7はXY移動ステージ、38はX変位検出信号処理部
(第1の信号処理装置)、39はZ変位検出信号処理部
(第2の信号処理装置)、40はX変位表示部、41は
Z変位表示部、42はZステージ駆動部、43はXYス
テージ駆動部、44,45,46は入射光、47,48
は合成回折光である。
この第1実施例の装置においては、2波長直交偏光レー
ザ光源25から発したレーザ光の一部をビームスプリッ
ター26a,平面ミラー28a,集光レンズ29a,偏
光板30aを介して光検出器31a(第1の光合成検出
手段)で検出し、光ヘテロダイン干渉の基準ビート信号
としてプレアンプ32aを通してX変位検出信号処理部
38、およびZ変位検出信号処理部39に入力する。一
方、2波長直交偏光レーザ光源25から発したレーザ光
は、ビームスプリッター26aを介して偏光ビームスプ
リッター27に入り、ここでP偏光,S偏光の2つのレ
ーザ光に分離され、P偏光成分は平面ミラー33a,3
4bを介して後述する所定の入射角で入射光44として
反射型回折格子35に入射する。S偏光成分はビームス
プリッター26b(分光手段)によりさらに分割され、
平面ミラー34cを介して入射光45として、また平面
ミラー33b,34aを介して入射光46として、それ
ぞれ反射型回折格子35に入射する。入射光44,45
により回折格子35から得られる合成回折光47を平面
ミラー28b,集光レンズ29b,偏光板30bを介し
て光検出器31b(第2の光合成検出手段)で検出し、
第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号としてプレアンプ
32bを通してX変位検出信号処理部38に入力する。
さらに、入射光44,46により回折格子35から得ら
れる合成回折光48を平面ミラー34d,28c,集光
レンズ29c,偏光板30cを介して光検出器31c
(第3の光合成検出手段)で検出し、第2の光ヘテロダ
イン干渉ビート信号としてプレアンプ32cを通してZ
変位検出信号処理部39に入力する。X変位検出信号処
理部38では、回折格子面内で格子ライン方向に直交す
る方向(第1図において左右方向。以後X方向という)
についての回折格子35の変位に対応した基準ビート信
号と第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号との位相差を
検出し、その位相差を変位量に換算し、X変位表示部4
0で変位量を表示する。Z変位検出信号処理部39で
は、基準ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート
信号との位相差を検出し、さらにX変位検出信号処理部
38より基準ビート信号と第1の光ヘテロダイン干渉ビ
ート信号との位相差信号(第1の位相差信号)を入力し
て加算処理することにより、回折格子面の法線方向(第
1図において上下方向。以後Z方向という)についての
回折格子35の変位に対応した位相差信号(第2の位相
差信号)を生成し、その位相差を変位量に換算してZ変
位表示部41で表示する。また、位相差があらかじめ設
定した任意の値で一定となるように、XおよびZ変位検
出信号処理部38,39よりZおよびXYステージ駆動
部42,43に制御信号を送り、回折格子35を定めら
れた位置にサーボ制御する。
この装置では、入射光44,45をZ方向に対してそれ
ぞれn次回折角で入射した場合、回折格子35のX方向
の変位量ΔXと、基準ビート信号と第1の光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号との位相差Δφxとの関係は、第6図
および第7図で説明した従来の装置による場合と同様
に、 となり、また、Z方向の変位量ΔZに対して位相差は変
化せず一定となる。
一方、回折格子35の変位量ΔX,ΔZと、基準ビート
信号および第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との位
相差Δφzxとは次のような関係にあり、それについて
第2図および第3図を参照して説明する。第2図におい
て符号49は反射型回折格子、50a,50bは波長λ
の入射光、51a,51bは波長λの入射光、52
a,52bは合成回折光である。
偏光面が互いに直交し周波数が互いにわずかにずれた波
長λ,λの入射光50a,51aが、Z方向に対し
てそれぞれn次回折角θn、n次回折角の3倍の角度
3θnで回折格子49の例えばA点に入射した場合、
回折格子49のA点からZ方向に対してn次回折角の2
倍の角度2θnの方向に入射光50aの+n次回折
光、入射光51aの−n次回折光がそれぞれ出射する。
上述したように、式(6)よりθn≒θnとなり、
入射光50a,51aのそれぞれ+n次,−n次回折光
は光学的に合成されて合成回折光52aとなり、光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号検出が可能となる。
ここで、回折格子49が変位量ΔX移動してA点がA′
点に変位した場合、同様に入射光50b,51bに対し
てそれぞれの+n次,−n次回折光が光学的に合成され
合成回折光52bとなる。回折格子49がΔX変位する
ことにより、入射光50aと50bとにはΔX・(sin
θnsin2θn),入射光51aと51bとには
ΔX・(sin3θnsin2θn)の光路長差がそれ
ぞれ生じる。したがって合成回折光52aと52bとか
ら得られる光ヘテロダイン干渉ビート信号には、位相差
Δφ′zxが生じ、このΔφ′zxは Δφ′zx=2π・ΔX・{(sinθnsin2θn)/λ−(sin3θnsin2θn)/λ} ……(8) となる。ここでθn≒θnsin3θn≒3sinθ
,λ≒λであるから(8)式は、 となり、ΔXに対する基準ビート信号と第2の光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号との位相差Δφ′zxは、式
(7)で示されている基準ビート信号と第1の光ヘテロ
ダイン干渉ビート信号との位相差Δφxと位相のずれ方
向が反対となる。
一方、第3図において符号53は反射型回折格子、54
a,54bは波長λの入射光、55a,55bは波長
λの入射光、56a,56bは合成回折光である。波
長λ,λの入射光54a,55aがZ方向に対して
それぞれn次回折角θn、n次回折角の3倍の角度3
θnで回折格子53の例えばB点に入射した場合、Z
方向に対してn次回折角の2倍の角度2θnの方向に
入射光54aの+n次回折光、入射光55aの−n次回
折光が出射して合成回折光56aとなり、光ヘテロダイ
ン干渉ビート信号が検出可能となる。ここで、回折格子
53が変位量ΔZ移動してB点がB′点に変位した場
合、同様に入射光54b,55bに対してそれぞれ+n
次,−n次回折光が光学的に合成されて合成回折光56
bとなる。回折格子53がΔZ変位することにより、入
射光54aと54bとには−ΔZ・(cos θn+cos
2θn),入射光55aと55bとには−ΔZ・(co
s 3θn+cos 2θn)の光路長差がそれぞれ生じ
る。したがって、合成回折光56aと56bとから得ら
れる光ヘテロダイン干渉ビート信号には、位相差Δφ″
zxが生じ、 Δφ″zx=2π・ΔZ{(cos 3θn +cos 2θn)/λ−(cos θn −cos 2θn)/λ} ……(10) となる。λ≒λ,θn≒θnを考慮すると、 Δφ″zx≒2π・ΔZ・(cos 3θn −cos θn)/λ ……(11) となり、 ΔZ=λ/(cos 3θn−cos θn) の周期で位相が変化することがわかる。
したがって、式(9),(11)より、前記回折格子3
5(第1図参照)の微小変位ΔX,ΔZに対して、基準
ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との
位相差Δφzxは、 Δφzx=Δφ′zx+Δφ″zx =−Δφx+2π・ΔZ・ (cos 3θn−cos θn)/λ……(12) となる。すなわち、前記Z変位検出信号処理部39にお
いて、基準ビート信号と第2の光ヘテロダイン干渉ビー
ト信号との位相差Δφzxを検出し、前記X変位検出信
号処理部38において検出した基準ビート信号と第1の
光ヘテロダイン干渉ビート信号との位相差Δφxとの加
算処理を行なうことにより、次式(13)に示すよう
に、回折格子35の微小変位ΔZに対応した位相差信号
Δφzを検出することができる。
Δφz=Δφzx+Δφx=2π・ΔZ・ (cos 3θn−cos θn)/λ……(13) したがって、検出信号処理部38,39において、例え
ば位相検波し、位相差信号Δφx,ΔφzをDC信号に
変換し、例えば位相差0゜ごとにDC信号からパルス信
号を生成し、そのパルス信号をカウントすることによ
り、分解能P/2n,λ/(cos 3θn−cos θn
)でそれぞれ回折格子35のX方向,Z方向の変位測
定が可能である。さらに、位相差0゜から360゜まで
のDC信号変化を例えば1/360に補完して位相差の
検出分解能を1゜に設定し、前記パルス間に回折格子3
5の変位を位相差検出することにより、回折格子35の
X方向,Z方向の変位をそれぞれ分解能,P/2n・3
60,λ/(cos 3θn−cos θn)・360で
検出することができる。なお、X方向,Z方向の変位の
方向は、基準ビート信号に対する第1あるいは第2の光
ヘテロダイン干渉ビート信号の位相差の正負を弁別する
ことにより容易に判定することができる。
以上で第1実施例を説明したが、次に第4図を参照して
第2実施例を説明する。
第4図は、本発明に係る微小変位測定装置の第2実施例
を示すもので、第4図において符号57は2波長直交偏
光レーザ光源(光源)、58a,58bはビームスプリ
ッター、59a,59b,59c,59d,65a,6
5b,65cは平面ミラー、60a,60b,60cは
集光レンズ、61a,61b,61c,61dは偏光
板、62a,62b,62cは光検出器、63a,63
b,63cはプレアンプ、64は1/2波長板、66は
反射型回折格子、67はZ移動ステージ、68はXY移
動ステージ、69はZステージ駆動部、70はXYステ
ージ駆動部、71はX変位検出信号処理部(第1の信号
処理装置)、72はZ変位検出信号処理部(第2の信号
処理装置)、73はX変位表示部、74はZ変位表示
部、75a,75bは偏光ビームスプリッター、76
a,76bは入射光、77a,77bは回折光である。
この第2実施例の装置は、第1図で示した第1実施例の
装置とはレーザ−ビームの回折格子66への入射方向が
一部逆となっており、回折格子66には2波長直交偏光
レーザ光がビームスプリッター58a,58bを介して
Z方向から入射光76aとして入射する。回折格子66
からの±n次回折光77a,77bは、それぞれ互いに
直交する偏光面をを有した2波長のP偏光、S偏光から
なる。回折光77aから平面ミラー65b,59c、偏
光ビームスプリッター75aを介してS偏光の単色光を
取り出し、回折光77bから平面ミラー65c、偏光ビ
ームスプリッター75b,75aを介してP偏光の単色
光を取り出し、両偏光の単色光を光学的に合成して平面
ミラー59b、集光レンズ60b、偏光板61bを介し
て光ヘテロダイン干渉させて光検出器(第2の光合成検
出手段)62bにより第1の光ヘテロダイン干渉ビート
信号を検出する。
一方、ビームスプリッター58b(分光手段)で分割し
たレーザ光を平面ミラー59d、偏光板61dを介して
P偏光の単色光を取り出し、1/2波長板64により偏
光面を90゜回転させて平面ミラー65aを介し、Z方
向に対してn次回折角の2倍の角度より入射光76bと
して回折格子66に入射させる。入射光76bの−n次
回折光は回折光77bと同一の方向に回折し、入射光7
6aの+n次回折光77bのS偏光の単色光と光ヘテロ
ダイン干渉する。入射光76bの−n次回折光と回折光
77bのS偏光との合成回折光を平面ミラー65c、偏
光ビームスプリッター75bを介して取り出し、集光レ
ンズ60c、偏光板61cを介して光ヘテロダイン干渉
させ、光検出器62c(第3の光合成検出手段)により
第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号を検出する。
さらに、ビームスプリッター58aによりレーザ光の一
部を取り出し、平面ミラー59a、集光レンズ60a、
偏光板61aを介して光ヘテロダイン干渉させて光検出
器62a(第1の光合成検出手段)より基準ビート信号
を検出する。基準ビート信号、第1および第2の光ヘテ
ロダイン干渉ビート信号をそれぞれプレアンプ63a,
63b,63cを通し、X変位検出信号処理部71へ基
準ビート信号と第1の光ヘテロダイン干渉ビート信号を
入力し、Z変位検出信号処理部72へ基準ビート信号と
第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号を入力する。検出
信号処理部71,72では第1実施例の場合と同様に、
それぞれ位相検波して位相差をΔφx,Δφzを回折格
子66の変位量ΔX,ΔZに換算し、変位表示部73,
74により表示する。また位相差が一定となるように検
出信号処理部71,72よりそれぞれステージ駆動部7
0,69に制御信号を送り、回折格子66を定められた
位置にサーボ制御する。
この第2実施例においては、上述と同様の解析を行なう
ことにより、回折格子66の変位ΔX,ΔZと位相差信
号Δφx,Δφzとの間には、次のような関係式が成り
立つことは明らかである。
Δφz=2π・ΔZ・(cos 2θn−1) (θnはn次回折角)……(15) 以上で本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施
例に限定されるものではない。たとえば、上記第1,第
2実施例においては2波長の単色光光源として2波長直
交偏光レーザ光源を用いたが、2波長の単色光としてブ
ラッグセルなどの音響光学素子を用いて生成した光を用
いても同様の効果を得ることができる。また、第1図に
おいては、偏光板を使用せずに回折格子面において2波
長の単色光の偏光面の方向が一致するように、2波長の
単色光のいずれか一方の光路系に1/2波長板を組み込
むことによっても干渉性のよい光ヘテロダイン干渉ビー
ト信号が得られ、同様の効果を得ることができる。
また、上記実施例では、回折格子への入射光の方向およ
び回折格子からの回折光の方向が、回折格子面に垂直な
Z方向を含み格子ラインの方向に垂直な面内にある場合
について述べたが、前記Z方向を含み格子ラインの方向
に垂直な面に対して所定の角度を有した方向から2波長
の単色光を入射して、所定の角度を有した方向において
回折光を検出し、光学的に合成して光ヘテロダイン干渉
ビート信号を生成する方法を用いても同様の効果を得る
ことができる。
また、本発明において用いる回折格子としては、吸収型
回折格子,位相型回折格子のいずれを用いてもよく、さ
らにバイナリー回折格子に限定されることなく、正弦波
状回折格子,フレーズ回折格子などの種々の回折格子を
用いることも可能である。また、反射型回折格子の他に
透過型回折格子を用いることも可能である。
さらに、上記実施例では、周波数の異なる2つの波長の
レーザー光のそれぞれの1次回折光どうしが2方向にお
いて合成回折光となるように設定したが、2つの合成回
折光を得る方法としては、高次の回折光、あるいは異な
る次数の回折光の合成回折光を用いても良く、その場合
には位相差信号の周期が変わるだけであり、位相差信号
に応じた検出信号処理を行なうことによってX,Z方向
の変位を検出でき、同様の効果を得ることができる。
なお、2つの回折格子を用いてそれらの格子ライン方向
が互いに直交するように物体上に設置すれば、互いに直
交するX,Y,Zの3軸について高精度の微小変位測定
を行なうことが可能となる。
〔発明の効果〕
以上で詳細に説明したように、本発明の微小変位測定方
法によれば、周波数が互いにわずかに異なる2波長の単
色光のうちいずれか一方を分光して回折格子に入射し、
それらの分光のそれぞれの回折光と他方の単色光の回折
光とをそれぞれ合成することによって第1、第2の光ヘ
テロダイン干渉ビート信号を生成させるようにしたこと
により、回折格子の2方向の微小変位、すなわち回折格
子の格子ラインに直角な方向の微小変位と回折格子の法
線方向の微小変位を、それぞれ第1、第2の光ヘテロダ
イン干渉ビート信号の位相変化として測定できる。しか
も、光源の強度変動や回折格子の回折効率が変動するこ
と等によって回折光強度が変動したような場合であって
も、回折光のビート信号の振幅が変動するのみで位相変
化に影響はないので、位相差検出を高安定かつ高精度で
行うことができる。したがって、物体の2方向の微小変
位をそれぞれ高精度で測定することが可能であるという
効果を奏する。
また、本発明の微小変位測定装置は、検出光学系を一体
にまとめることにより小型簡便なものと構成できるの
で、上記方法の実施に用いて有効である。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本発明の実施例を示す図である。
第1図ないし第3図は第1実施例を示すもので、第1図
はこの第1実施例の装置の概略構成図、第2図および第
3図はそれぞれ回折格子の拡大図である。第4図は第2
実施例の装置の概略構成図である。 第5図ないし第7図は従来の微小変位測定装置を示すも
ので、第5図はこの従来の装置の概略構成図、第6図お
よび第7図はそれぞれ回折格子の拡大図である。 25……2波長直交偏光レーザー光源(光源)、 26b……ビームスプリッター(分光手段)、 31a……光検出器(第1の光合成検出手段)、 31b……光検出器(第2の光合成検出手段)、 31c……光検出器(第3の光合成検出手段)、 33a,33b,34a,34b,34c……平面ミラ
ー(入射角調整手段)、 35,49,53……回折格子、 36……Z移動ステージ(物体)、 37……XY移動ステージ(物体)、 38……X変位検出信号処理部(第1の信号処理装
置)、 39……Z変位検出信号処理部(第2の信号処理装
置)、 57……2波長直交偏光レーザー光源(光源)、 58b……ビームスプリッター(分光手段)、 63a……光検出器(第1の光合成検出手段)、 63b……光検出器(第2の光合成検出手段)、 63c……光検出器(第3の光合成検出手段)、 59d,65a……平面ミラー(入射角調整手段) 66……回折格子、 67……Z移動ステージ(物体)、 68……XY移動ステージ(物体)、 71……X変位検出信号処理部(第1の信号処理装
置)、 72……Z変位検出信号処理部(第2の信号処理装
置)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数が互いにわずかに異なる2波長の単
    色光を合成し光ヘテロダイン干渉させて基準ビート信号
    を生成するとともに、前記2波長の単色光のいずれか一
    方を分光してそれら分光した単色光をそれぞれ互いに異
    なる方向から物体上に固定した回折格子に対して入射さ
    せ、かつ前記2波長の単色光の他方を前記回折格子に対
    して入射させて前記一方の単色光のそれぞれの分光の回
    折光と前記他方の単色光の回折光とをそれぞれ合成して
    第1および第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号を生成
    し、前記基準ビート信号と前記第1の光ヘテロダイン干
    渉ビート信号との位相差、および前記基準ビート信号と
    前記第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号との位相差を
    それぞれ検出することによって、それら位相差から前記
    物体の前記回折格子の格子ラインに直交する方向の微小
    変位およびその回折格子の法線方向の微小変位をそれぞ
    れ測定することを特徴とする微小変位測定方法。
  2. 【請求項2】物体上に固定された回折格子と、周波数が
    互いにわずかに異なる2波長の単色光を発生する光源
    と、その光源から発せられた2波長の単色光を合成し光
    ヘテロダイン干渉させて基準ビート信号を生成する第1
    の光合成検出手段と、前記光源から発せられた2波長の
    単色光のいずれか一方を分光する分光手段と、前記分光
    されたそれぞれの単色光および前記他方の単色光を前記
    回折格子に所定の角度を有した方向からそれぞれ入射さ
    せる入射角調整手段と、前記一方の単色光のそれぞれの
    分光の回折光と前記他方の単色光の回折光とをそれぞれ
    合成して第1、第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号を
    生成する第2、第3の光合成検出手段と、前記第1およ
    び第2の光合成検出手段によってそれぞれ生成された基
    準ビート信号および第1の光ヘテロダイン干渉ビート信
    号とから第1の位相差信号を算出処理して前記物体の前
    記回折格子の格子ラインに直交する方向の変位量に換算
    する第1の信号処理装置と、その第1の信号処理装置に
    よって算出処理された第1の位相差信号および前記第
    1、第3の光合成検出手段によってそれぞれ生成された
    基準ビート信号、第2の光ヘテロダイン干渉ビート信号
    とから第2の位相差信号を算出処理して前記物体の前記
    回折格子の法線方向の変位量に換算する第2の信号処理
    装置とを具備してなることを特徴とする微小変位測定装
    置。
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