JPH0662695A - 原乳の加工方法 - Google Patents

原乳の加工方法

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JPH0662695A
JPH0662695A JP5149360A JP14936093A JPH0662695A JP H0662695 A JPH0662695 A JP H0662695A JP 5149360 A JP5149360 A JP 5149360A JP 14936093 A JP14936093 A JP 14936093A JP H0662695 A JPH0662695 A JP H0662695A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細菌含量が低下した加工乳を得るための原乳
加工方法を提供する。 【構成】 乳を均質化し、この均質化から約5分間以内
に動的マイクロ濾過を実施して、初期原乳よりも細菌含
量の低い濾液を得る。この乳は無菌であり、通常は冷蔵
中に乳品質を低下させるセレウス菌(Bacillus cereus)
を含まない。この乳は非冷蔵条件下でも腐敗せずに長期
間輸送することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】本発明は細菌含量を減じた、全乳又
は脱脂乳のいずれかである乳の製造方法と、前記方法の
生成物と、乳を消費者に分配する方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】乳に含まれる細菌を殺すために周知の低
温殺菌法が数十年間用いられている。残念なことには、
低温殺菌プロセスに用いられる比較的高い温度が乳のフ
レーバーに不利な影響を与える。さらに、このような高
い温度を用いても、低温殺菌プロセスは好ましくない細
菌を全て除去する訳ではなく、大抵の乳製品の短期間の
貯蔵安定性を生ずることになる。バチルス セレウス
Bacillus cereus)は低温殺菌プロセ
スに耐えることができ、低温で生長し、乳の腐敗を促進
させるので、しばしば、比較的時間の経過した、通常に
加工された乳に含まれる主要な細菌である。製品の貯蔵
安定性を高め、低温殺菌プロセスの排除によって乳のフ
レーバーを改良するために、全乳と脱脂乳の両方の乳の
細菌含量を減ずる方法が一般的に必要とされている。消
費者の手に乳を渡すために現在必要である、非常に費用
がかかり、労力を要する分配方法を除去する必要性も、
経済的に非常に重要である。あらゆる乳製品工場にとっ
て、均質化工程及びその他の工程を通して原乳を加工し
た後に、消費者への分配のために、その乳を容器に満た
して、冷蔵条件下でそのミルクを運搬することが現在必
要である。このことはあらゆる乳製品工場が加工乳を消
費者に分配する箇所にまで運搬するために、かなりの数
の冷蔵トラックを購入して、維持することを必要とす
る。無菌又は殆ど無菌の乳製品を提供することによっ
て、このような冷蔵条件下で乳を運搬する必要性を除く
ことが可能になる。残念ながら、低温殺菌プロセスは細
菌数を減じた乳を製造するのみで、無菌製品を製造する
ことはできない。
【0003】さらに、無菌乳製品を製造することができ
るならば、分配箇所で乳を冷蔵条件下に貯蔵する必要性
を除去することも可能になる。代表的な食品販売店にお
けるような、大きな冷蔵コンパートメントの必要性を除
去することは、強大な経済的利益でもある。
【0004】現在の低温殺菌プロセスを用いる場合に
も、場合によっては、低温殺菌の前に細菌含量を減じた
乳を得ることが特に重要である。例えば、原乳の特定の
バッチが非常に汚染されていて、単なる低温殺菌では現
在の規格による充分な貯蔵寿命さえ生じないこともあ
る。
【0005】さらに、或る用途では、細菌含量が非常に
減少した、例えば初期値(original valu
e)の約百分の一にまで減少した加工乳を提供できるこ
とが重要である。チーズの製造には、不適切な細菌培養
物がチーズを破壊することができるので、比較的低い細
菌含量の乳を提供することが特に重要である。チーズ製
造に用いるために充分な程度に乳を単に熱処理すること
は、通常は不適切である、この理由はこのような熱処理
がチーズの低い収量をもたらし、凝固時間に不利な影響
を与えることがあるからである。この問題を軽減するた
めに、通常は、添加剤が用いられる。しかし、多くの場
合に、このような添加剤の使用を避けることが好まし
い。
【0006】濾過の使用によって細菌含量を減じた乳を
製造するための種々な方法が技術上公知であるが、いず
れの方法も広範囲な受容性を見い出していない。先行技
術方法は一般に不良な流量を生じて、大規模ではこの方
法を不経済にするか、又は乳の性質に不利な影響を与え
て、製品を消費者に受容され難くするかのいずれかであ
る。
【0007】細菌含量の減じた乳を製造するための通常
の濾過手段が試みられている。スウェーデン特許公報第
380,422号は全乳をマイクロ濾過によって濾液画
分と濃縮物画分とに分割する方法を開示する。フィルタ
ーの孔(孔度は大体0.1〜10μの範囲である)を通
過する濾液は、脂肪含量が実質的に減少した乳から成
り、フィルター面によって保留される画分である濃縮物
は、フィルターによって、細菌のみでなく、脂肪小球体
をも実質的に保留されるので、クリームから成る。
【0008】スウェーデン公開特許出願第SEA671
5081号は、脂肪が最初に脱脂乳から分離される乳の
殺菌方法を開示する。次に、この脂肪画分を熱によって
殺菌し、脱脂乳画分を細菌濾過によって殺菌する(フィ
ルター孔度は記載されず)。最後に、殺菌された脂肪画
分と脱脂乳画分とを再混合して、無菌乳製品を得る。脱
脂乳画分を細菌濾過によってこのように殺菌するため
に、フィルターの孔度は細菌が通過できないほど小さく
なければならず、この結果、不良な生産速度と、乳から
の脂肪小球体と蛋白質含量との保留が生ずる。
【0009】米国特許第5,064,674号は約5k
Da以下の分子量を有する分子を通過させる膜を用いる
限外濾過方法による低アレルゲン性乳の製造方法に関す
る。膜によって捕捉される排除成分は乳蛋白質、生存細
菌もしくは非−生存細菌、細菌蛋白質抗原、及び乳脂肪
を含む。それ故、限外濾過プロセスから回収される濾液
は細菌と細菌蛋白質抗原とを含まないのみでなく、脂肪
と乳蛋白質をも含まず、乳自体としての使用に不適切な
製品を製造する。
【0010】乳の殺菌に有効である、技術上用いられる
細菌フィルターの孔が細菌のみではなく、脂肪小球体
と、蛋白質の少なくとも一部をも除去することは明らか
である。このようなフィルターは捕捉物質によって迅速
に閉塞するので;そのため、フィルターを通る流量が急
速に低下し、フィルターをしばしば洗浄するか、又は交
換しなければならない。このような不充分なプロセスの
高い費用も一般に妨害となる。さらに、フィルターは脂
肪小球体と蛋白質を保留するので、乳の品質も不利に影
響される。
【0011】上記考察から、改良された貯蔵寿命を有す
る、無菌もしくは殆ど無菌の製品を製造することがで
き、乳の品質に不利な影響を与えない、改良された乳濾
過処理方法が依然として必要であることは明らかであ
る。
【0012】乳の加工に交差流又は接線流濾過装置を用
いることが今までに試みられており、このような装置は
技術上公知である。
【0013】このような交差流又は接線流濾過の実現を
可能にする、幾つかの種類の濾過装置が開示されてい
る。1961年にZhevnovatyi,A.I.に
付与されたロシア特許第142,626号に述べられて
いる、このような公知装置の中で恐らく最も古い装置は
第2管の内側に固定された孔質物質の管によって形成さ
れ、濾過されるべき懸濁液は2管の間の環状空間内を荷
重下で高速度において通過し、濾液は孔質管内を流れ
る。同様な構造の改良装置は2個の同心シリンダーを用
い、内部シリンダーは微孔質膜によって形成され、液体
はこのような内部シリンダーの周囲の強制らせん状流に
さらされる。
【0014】他の交差流装置はプレート又はディスクの
形状の重ね合わされた、一連の濾過要素を含み、その両
面には例えば濾液回収管の周囲に微孔質膜が配置され、
濾過されるべき懸濁液はらせん状路のディスクの間を順
次通過する。
【0015】交差流濾過系に関する他の多くの変化が開
発されている。例えば、米国特許第5,009,781
号は、幾つかの長軸方向濾液室とこれらの濾液室を横断
する1個以上の濾液チャンネルとを含む、濾液ネットワ
ークを有する交差流濾過装置に関する。米国特許第5,
035,799号は濾過物質の上方に流体の乱流の交差
流を生ずるための加圧入口を有するフィルタータンク内
に平行に配置されるフィルターリーフアセンブリを有す
る交差流フィルターアセンブリに関する。
【0016】米国特許第5,015,397号は、らせ
ん状に巻かれたくさびワイヤー(wedge wir
e)の管を含む交差流濾過装置と濾過方法に関する。汚
染された流入液は1端から入り、これが管を通って流れ
るにつれて、汚染物質によってますます濃厚になり、清
澄化液体は管壁を通って浸透する。米国特許第5,04
7,154号は交差流濾過系の流量速度を促進させる方
法と装置に関する。米国特許第4,569,759号は
接線濾過装置とこのような装置を含むプラントに関す
る。
【0017】交差流濾過は貫流濾過とは、液体供給流が
フィルター面に平行に導入され、供給流の方向に垂直な
方向で濾過が生ずる点で、本質的に異なる。交差流濾過
系では、一般に、供給流の方向が膜面に対して接線方向
であり、濾材上に濾過された固体の蓄積は流れの剪断作
用によって減少する。従って、交差流濾過は駆動圧力差
を一定に維持する場合に、殆ど一定の流量による準定常
状態操作の可能性を与える。しかし、残念ながら、この
理論的な可能性は実際には達成されていない。従って、
濾過流量低下の問題は従来の交差流濾過系を悩ませてい
た。懸濁固体の大部分は管壁上に保留され、迅速に動的
膜(dynamic membrane)(“フィルタ
ーケーキ”又は“スラッジ層”とも呼ばれる)を形成す
る。この動的膜はこの後に生ずる濾過に大きく関係す
る。
【0018】初期に壁マトリックス中に入る粒子は、孔
構造の不規則性と曲がりくねった性質のために、結局は
マトリックス中に捕捉される。マイクロ濾過が進行する
につれて、壁マトリックス中への付加的小粒子の浸透が
動的膜の存在のために抑制される。動的膜の形成は、捕
捉粒子による管の孔構造の可能な閉塞と共に、濾過流量
の低下を生ずる。通常の系では、この低下は濾過時間に
ほぼ指数関数的に比例する。
【0019】乳の交差流濾過が試みられてきたが、これ
は上記問題のためにまだ一般に受容されていない。米国
特許第5,028,436号は、脂質もしくはペプチド
の水溶液、分散液又はエマルジョンによって前処理され
た、0.1〜2ミクロンの範囲内の孔度を有する微孔質
膜を用いた、乳の溶解成分と不溶成分との分離と、前処
理膜で分離された乳とに関する。この特許の方法では、
接線流方式で微孔質膜を用いた第1濾過工程を用いる。
透明な濾液と濃厚に流れる濃縮物とが得られる。濾液は
全ての塩、ラクトース、アミノ酸、オリゴペプチド及
び、純粋な非変性形の低分子量ポリペプチドを含み、濾
液は乳の実際に全てのカゼインと脂肪成分とを含む。従
って、濾液は脂肪物質が全てそれから除去されているの
で、“乳”であると見なすことができない。
【0020】米国特許第4,876,100号は細菌含
量を減じた乳を製造するための交差流濾過方法に関す
る。原乳を遠心分離によってクリームから成る1画分と
脱脂乳から成るもう一つの画分とに分割する。脱脂乳画
分はマイクロフィルターに導き、そこで脂肪小粒子、蛋
白質及び細菌の一部が分離される。マイクロフィルター
から、脂肪、蛋白質及び細菌含量を減じた脱脂乳から成
る濾液と、脂肪、蛋白質及び細菌含量を高めた濃縮物と
が得られる。この濃縮物を次に殺菌する。従って、米国
特許第4,876,100号の濾過方法は、濾液中の細
菌レベルを減ずる他に、濾液の脂肪と蛋白質の含量をも
減じて、その特性を本来の脱脂乳の特性から変えること
になる。
【0021】交差流濾過の使用が今まで、乳の細菌汚染
を減ずるための受容される方法を提供していないことは
明らかである。
【0022】動的マイクロ濾過として公知の、典型的な
交差流濾過テクノロジーに付随する問題の一部を克服す
るための1手段が出現している。動的濾過プロセスは、
濾過されるべき液体が膜表面上を接線方向に単純に案内
されるのではないので、典型的な交差流テクノロジーに
おける欠点を克服する。膜表面又は膜表面近くの固体は
移動するので、回転子と固定子との間の界面における流
体は剪断作用を受けることになる。この剪断作用は膜表
面を“スクラブ(scrub)”し、これを粒状物質が
比較的存在しないように維持し、フィルターケーキが膜
表面に形成されるのを阻止する傾向がある。さもなくば
膜表面に集積する粒状物質は懸濁状態に留まり、結局、
一般に濃縮物流と呼ばれる第2流中に除去される。
【0023】動的マイクロ濾過系は種々な形態をとりう
る。例えば、米国特許第5,037,562号、第3,
997,447号、及び第4,956,102号は動的
マイクロ濾過ディスク系に関する。
【0024】シリンダー状動的マイクロフィルター装置
は米国特許第4,956,102号、第4,900,4
40号、第4,427,.552号、第4,093,5
52号、第4,066,554号、及び第3,797,
662号並びにその他の多くの特許に教示されている。
本出願で参照した特許は全て、ここに参考文献として関
係する。
【0025】動的マイクロ濾過は乳の加工に適用された
ことはかつてなく、乳の交差流濾過の使用は限定されて
おり、原則として乳を脂肪含量に基づいて成分に分画す
るために用いられている。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】本発明の方法の実施に
よって、乳品質の劣化、早期フィルター閉塞、不充分な
細菌除去といった先行技術問題なしに、乳の動的濾過が
上首尾に達成されることが、今回意外にも判明した。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明によると、全乳又
は脱脂乳のいずれかである乳を最初に均質化してから、
濾過する。均質化工程を最初に実施することによって、
乳の脂肪小粒子と他の大きい懸濁成分との粒度は顕著に
減少して、脂肪と他の成分とを有意に除去及び捕捉する
ことなく、乳のマイクロ濾過を可能にする。
【0028】乳は脂肪粒子と蛋白質粒子との水中懸濁液
である。均質化は、エマルジョン粒度を適当なサイズの
微孔質膜を通過させて、細菌を微孔質膜に保留させ、乳
の脂肪含量と蛋白質含量とを好ましくなく除去すること
のないように減少させる。
【0029】均質化後の乳を動的濾過によって濾過す
る。従って、本発明は、低温殺菌の必要なく、細菌含量
の減少した乳の改良製造方法を提供する。マイクロフィ
ルターによって保留される部分(濃縮物画分)は供給材
料の一部として再循環することができる、又は廃棄す
る、又は他のプロセスに用いることもできる。
【0030】従って、本発明は1態様として、原乳より
も細菌含量の低い加工乳を製造するための原乳加工方法
を提供する。この方法は乳を均質化し、この均質化から
約5分間以内に、それを貫流する乳の細菌含量を減ずる
ために充分な平均孔度を有するマイクロフィルターに乳
を通すことによって乳に動的マイクロ濾過を実施して、
初期原乳よりも低い細菌含量を有する濾液と初期原乳よ
りも高い細菌含量を有する濃縮物とを生ずることを含
む。生ずる乳は例えば約103細菌/ml以下のよう
な、非常に低い細菌含量を有し、同じ細菌数を有する低
温殺菌乳に見られるよりも多くの器官感覚受容性成分を
保有する。
【0031】本発明の方法の結果として得られる乳は一
般に、通常の低温殺菌の結果として得られる乳よりも大
きく貯蔵安定性である。乳は本来或る程度の細菌を含
み、これらの細菌は低温殺菌プロセスに耐えるので、低
温殺菌後に、乳中にかなりの残留細菌が残る。従って、
低温殺菌乳は細菌増殖と腐敗とを減ずるためになお冷蔵
しなければならない。
【0032】残念ながら、原乳中に存在する細菌の一部
は、例えばバチルス セレウスのように、抗熱性(低温
殺菌に耐える細菌)かつ低温増殖性(psychrot
rophic)(15℃未満の低温において生長する細
菌)である。包装された乳製品中の抗熱性、低温増殖性
細菌の存在は、これらの細菌が冷蔵条件下でも非常に迅
速に増殖し、乳の腐敗を生ずるので、非常に不利であ
る。
【0033】本発明は室温においても、例えば30日間
以上のような、長期間貯蔵可能である無菌乳を製造する
ことができる。本発明の無菌乳は一般に細菌の不存在を
特徴とし、特に例えば下記のような、細菌及び病原菌の
不存在を特徴とする: 抗熱性細菌 ミクロコッカス属 ミクロコッカス ルテウスM.luteus (Micrococus) ミクロコッカス ロセウスM.roseus) 連鎖球菌属 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae) (Streptococus)乳連鎖球菌(S.lactis) 糞便連鎖球菌(S.faecalis) 乳酸杆菌属 デルブリュック菌(L.delbruecki (Lactobacillus) )、乳酸杆菌(L.lactis)、ヘル ベチカス菌(L.helveticus)、 カセイ菌(L.casei)、毛状乳酸杆菌 (L.trichodes) ブドウ球菌属 黄色ブドウ球菌(S.aureus) (Staphylococus) 表皮ブドウ球菌(S.epidermidi ) バチルス属 バチルス セレウスB.cereus) (Bacillus) 枯草菌(B.subtilis)、バチルス マセランスB.macerans) クロストリジウム属 酪酸菌(C.butyrium)、 (Clostridium) クロストリジウム パストイリアヌムC.pa steurianum)、ボツリヌス菌(C.b otulinum)、ウェルチ菌(C.perf ringens)、破傷風菌(C.tetani ) 低温増殖性細菌 シュードモナス属 緑膿菌(P.aeruginosa)、 (Psuedmonas) シュードモナス フルオレッセンスP.flu orescens)、偽鼻疽菌(P.pseud omallei) アルキノモバクター属(Archnomobacter) アルカリゲネス属(Alcaligenes) アシエントバクター属 アシエントバクター リグニエレッシA.li (Acientbacter)gnieressii)、アシエントバクター エクイールリA.equirli) フラボバクテリウム属 フラボバクテリウム アクアチルF.a (Flavobacterium) quatile)、フラボバクテリウム メニゴセプチカムF.menigose pticum)、 バチルス属 バチルス セレウスB.cereus) (Bacillus) 枯草菌(B.subtilis)、バチルス マセランスB.macerans)、 バチルス ステアロサーモフィルスB.s tearothermophilus) 大腸菌型細菌 エンテロバクター属 大腸菌(E.coli)、サルモネラ チフ (Enterobacter) ス菌(Salmonella Typhi) 志賀赤痢菌(Shigella Dysen teriae)、肺炎杆菌(Klebsie lla Pneumoniae) その他 リステリア属 リステリア菌(L.monocytogen (Listeria) es) 従って、本発明の乳は、標準方法で測定して、30,0
00/mlの細菌平板計数及び10/ml以上の大腸菌
型計数を越えないことを乳に要求する等級A低温殺菌乳
の必要条件を満たすことができ、典型的には越えること
ができる。
【0034】他の実施態様では、本発明は、原乳よりも
細菌含量の低い加工乳を製造するための原乳の加工方法
において、次の工程:(1)前記乳を約10%の最低脂
肪含量を有する脂肪画分と脱脂乳画分とに分離する工程
と;(2)脱脂乳画分を均質化し、この均質化から約5
分間以内に、それを貫流する乳の細菌含量を減ずるため
に充分な平均孔度を有するマイクロフィルターに脱脂乳
画分を通すことによって脱脂乳画分に動的マイクロ濾過
を実施して、初期脱脂乳画分よりも低い細菌含量を有す
る濾液と初期脱脂乳画分よりも高い細菌含量を有する濃
縮物とを生ずる工程と;(3)別に、脂肪画分の細菌含
量を減ずる工程と;(4)続いて、マイクロ濾過後の脱
脂乳画分と細菌含量を減じた脂肪画分とを一緒にする工
程とを含む方法を提供する。
【0035】さらに他の実施態様では、本発明は約2%
の脂肪含量を有する乳の製造方法において、(1)脱脂
乳画分を均質化する工程と;この均質化から約5分間以
内に、(2)それを貫流する乳の細菌含量を減ずるため
に充分な平均孔度を有するマイクロフィルターに脱脂乳
画分を通すことによって脱脂乳画分に動的マイクロ濾過
を実施して、初期脱脂乳画分よりも低い細菌含量を有す
る濾液と初期脱脂乳画分よりも高い細菌含量を有する濃
縮物とを生ずる工程と;(3)約10%の最低脂肪含量
を有するクリーム画分の細菌含量を減ずる工程と;
(4)続いて、マイクロ濾過後の脱脂乳画分と細菌含量
を減じたクリーム画分とを一緒にする工程とを含む方法
を提供する。
【0036】本発明はまた、消費者による消費のための
乳の加工方法において、原乳を入手し、乳を均質化し、
この均質化から約5分間以内に、それを貫流する乳の細
菌含量を減ずるために充分な平均孔径を有するマイクロ
フィルターに乳を通すことによって乳に動的交差流マイ
クロ濾過を実施して、初期原乳よりも低い細菌含量を有
する濾液を得て、消費者による使用のための容器に該乳
を包装し、該乳を冷蔵なしに消費者への分配箇所まで運
搬することを含む方法を提供する。
【0037】最も一般的には、本発明は消費者による消
費のための乳の分配方法であって、原乳を入手し、該乳
の細菌含量を103細菌/ml以下のレベルにまで減少
させ、消費者による使用のための容器に該乳を包装し、
該乳を冷蔵なしに消費者への分配箇所まで運搬すること
を含む方法を提供する。これは冷蔵運搬と冷蔵分配用乗
り物の必要性を除去する。
【0038】出発物質は、例えば雌牛のような家畜から
の新鮮な、未加工原乳である。本発明の方法は、既に低
温殺菌を受けたような加工乳にも適用することができる
が、低温殺菌されていない乳に比べた場合に、改良され
た器官感覚受容性を有する乳の製造のような、完全な利
益を得ることはできない。
【0039】加工すべき原乳を最初に熱交換器に通し
て、それを適切な温度に調節し、次に、望ましい場合に
は、遠心分離機に通して、クリーム画分の全て又は一部
を通常のように除去することもできる。
【0040】概観として、原乳を均質化し、妥当な速さ
で動的マイクロフィルターに通して、濾液画分と濃縮物
画分とを得る。マイクロフィルターの孔は細菌の少なく
とも一部を保留するようなサイズである。マイクロフィ
ルターの保留面を通過する乳画分の一部は細菌含量を全
く有さないか又は低下した細菌含量(マイクロ濾過前の
乳に比べて)を有し、脂肪含量と蛋白質含量は本質的に
変化しない乳から成る。次に、濾液画分を例えば粉ミル
クのような、他の製品の製造に直接用いることができ
る、又はもはや処理を加えずに包装することができる。
【0041】濾液画分は多くの理由から、通常の低温殺
菌によって得られる乳よりも望ましい。この乳は低温殺
菌された乳よりも多くの器官感覚受容性成分を保留し、
このことがこの乳を消費者の観点からより好ましく、よ
り望ましいものにする。さらに、例えば低温増殖性細菌
のような細菌、特にバチルス セレウスは本発明によっ
て完全に除去されることができるが、通常の低温殺菌を
用いては不可能であるので、本発明によって得られる乳
は非常に大きい貯蔵寿命を有する。
【0042】マイクロフィルターの保留膜表面によって
保留され、それから回収される部分である濃縮物画分は
細菌含量が増加し(マイクロ濾過の前の乳供給材料に比
べて)、脂肪小粒子と蛋白質含量が本質的に変化しない
乳から成る。この後に、濃縮物画分を廃棄するか、又は
他のプロセスに用いることができる。
【0043】濾液は若干の細菌を含むことができるが、
細菌含量が低ければ低いほど、製品は大きい貯蔵安定性
を有する。完全殺菌が望ましいが、低い残留濃度の細菌
の初期増殖速度は通常、充分に低く、得られる乳製品の
貯蔵寿命は非常に大きい。
【0044】本発明の方法によって得られる乳の貯蔵寿
命は、バチルス セレウス菌の濃度が特に非常に減少す
るので、通常の低温殺菌乳の貯蔵寿命よりも実質的に大
きい。
【0045】本発明の乳は無菌にされるが、通常の低温
殺菌法の使用によって得られる乳は実際に無菌ではあり
えないので、本発明の乳は冷蔵条件下又は室温条件下
で、特に該乳を無菌条件下で容器に入れるならば、非常
に長い貯蔵寿命を有する。これを実施するための1手段
はパッケージング業界で現在公知であるフォームー充填
ーシール(form−fill−seal)方法の使用
である。この方法は製薬業界のためのような、無菌溶液
等の包装にしばしば用いられる。本発明によって製造さ
れる乳はフォームー充填ーシール方法を用いて包装され
ることができ、このような乳は室温においても非常に長
い貯蔵寿命を有することができる。
【0046】充填(filling)を実施するために
用いられる、正確な方法又は装置は重要ではない。単な
る1実施例として、またこのようなフォームー充填ーシ
ール方法を如何に使用することができるかに関する説明
として、以下の記載を用意する。
【0047】或る種の垂直フォーム、充填及びシール装
置は、ロールから解き出され、チューブ形成セクション
内で長軸方向エッジを一緒にシールすることによって、
連続チューブに形成される、合成熱可塑性フィルムのフ
ラットウェブを用いる。他の装置では、チューブを使用
時に樹脂溶融物から押出成形する。このようにして形成
されたチューブを充填台まで前進させて、そこでチュー
ブは充填台の下方のシーリング装置における横断面の位
置において横断面の全域で潰れる。チューブの潰れた箇
所において、シーリング装置によって横断ヒートシール
が形成される。横断シールの形成後に、包装されるべき
物質量、例えば液体量が充填台においてチューブに入れ
られ、上記横断シールから上方にチューブを充填する。
次に、チューブを下方に所定の距離だけ移動させ、シー
ルし、第2横断面において横に切断される。
【0048】上記種類のこのような垂直フォーム、充
填、シール装置の一つは、商標PREPACで販売され
ており。他の装置は米国特許第5,038,550号に
開示される。
【0049】均質化 乳画分を遠心分離(用いる場合に)後にかつ均質化の前
に、好ましくは最初に均質化に適した温度に加熱又は冷
却する。次に、乳をホモゲナイザーに通し、ここで脂肪
エマルジョンサイズを膜を通過しうるために充分なサイ
ズに縮小する。好ましくは、全ての懸濁粒子のサイズは
約1ミクロン未満である。均質化後の乳を均質化後に比
較的迅速に濾過することが重要である。濾過は好ましく
は約5分間未満に、より好ましくは約2分間未満に、最
も好ましくは約30秒未満に実施する。
【0050】この場合にも、重要な要素は濾過前の保持
時間ではなく、約1ミクロンより大きい粒子の実質的な
数を形成する、小粒子の実質的な凝固の前に濾過が生ず
るという事実である。
【0051】乳の脂肪成分、その他の成分を適当に乳化
させ、懸濁させ、充分にサイズを減じて、適当な濾過を
達成するためには、シリンダー状動的マイクロ濾過ユニ
ットでの濾過の前に脱脂乳又は全乳を均質化することが
絶対に必要である。しかし、回転ディスクフィルターは
回転ディスクの表面のすぐ近くで有意な剪断速度(sh
ear rate)を発生させる。このため、乳の或る
程度の均質化は濾過と本質的に同時に生ずることができ
る。動的マイクロフィルターの作用による乳のこのよう
な“自己”乳化は、別のホモゲナイザーを必要とするこ
となく、回転ディスクフィルターによる脱脂乳の加工を
可能にする。
【0052】実際に、回転ディスク環境は乳を均質化し
かつ同時に濾過するように作用するが、これは回転シリ
ンダー状フィルターユニットでは達成されない。回転デ
ィスクフィルターは約200,000秒-1の剪断速度を
発生させるが、回転シリンダー状ユニットは僅か10,
000秒-1の剪断速度を発生させることができる。回転
ディスクフィルターユニットでは剪断力は実質的に存在
するが、これが全乳を適切に均質化するために、大抵の
場合に、充分であるとは考えられない。
【0053】動的濾過 本発明では、濾過が動的濾過として実施される、すなわ
ち濾材自体が一定運動に維持されるので、濾材を横切る
乳の有効流量は非常に高い。動的膜の特定の物理的形状
は重要ではない。従って、膜濾材は例えばディスク形又
はシリンダー形をとりうる。このような動的マイクロ濾
過装置は今までに考察されており、本発明の実施に適す
る。一般に、動的マイクロフィルターは外側の不透性シ
リンダーの内側で回転するシリンダー又はディスク膜要
素を含む。シリンダー動的マイクロフィルターでは、濾
過されるべき流体を固定子と回転膜との間隙に導入する
と、回転膜からの運動量が流体に与えられる。内部シリ
ンダー近くの流体は外部シリンダー近くの流体よりも大
きい遠心力を受ける。或る一定の条件下では、この現象
はTaylor渦として知られる流れパターンを発生さ
せ、この現象は膜表面上の実質的な残留物の発生を阻止
する。
【0054】この場合に、動的濾過プロセスはTayl
or渦の発生を利用して、膜表面を可能な残留物なく維
持し、この場合に残留物の成分は濾過されるべき流体中
に懸濁して留まる。このプロセスは供給材料を濾液(膜
を透過する流体部分)と濃縮物(通常は膜表面に付着し
て、膜を閉塞させる懸濁粒子を含む画分)とに分割す
る。このような方法では、膜を通る高い流量(flux
rate)が長期間維持することができる。供給材料
と濃縮物との量は安定な流体流を生ずるように制御され
なければならない。濃縮物の低い流量によっても、膜の
表面に安定な流体流を維持することが可能である。
【0055】動的マイクロ濾過は乳供給材料に応じて濾
材に対する広範囲な有効表面速度を可能にする。例え
ば、約3m/秒〜約50m/秒、特に約5m/秒〜約3
0m/秒、最も好ましくは約8m/秒〜約20m/秒の
有効表面速度が有用である。
【0056】所望の表面速度を得るためには、約2.5
インチの直径を有するシリンダーとしての代表的な濾材
を約1,000〜約6,000回転/分(rpm)の速
度で、典型的には約5,000rpmの速度で回転させ
る必要がある。
【0057】動的ディスク濾過装置を用いる場合には、
典型的なディスク濾材は約2〜約48インチ直径の寸法
を有する。このようなディスクは、用いる特定の動的マ
イクロフィルターの設計に依存して、例えば1,000
rpm〜約8,000rpm、典型的には約1,000
rpm〜約6,000rpmの速度で回転されることが
できる。好ましくは、このようなディスクフィルターの
剪断速度は約1,000秒-1〜約400,000秒-1
ある。好ましいディスクフィルターには、1991年1
2月24日に出願の同時継続米国特許出願第07/81
2,123号に開示される種類のフィルターがあり、こ
の出願の明細書はここに参考文献として関係する。
【0058】マイクロフィルターの孔は乳中に存在する
細菌を保留するが、マイクロフィルターを通る受容され
る流量をなお維持するようなサイズである。有用な膜に
は、良好な流動特性、狭い孔度分布、問題の細菌に対す
る一貫した細菌除去性能を有する親水性微孔質膜があ
る。この微孔質膜の孔度等級は技術上公知の方法、“バ
ブル点”(ASTM F−316−86)及びKL方法
(米国特許第4,340,479号)として公知の試験
による測定によって、約0.01〜約5.0,ミクロン
であるべきである。好ましくは、孔度等級は約0.1〜
約1ミクロンである。最も好ましくは、約0.2〜約
0.5ミクロンの孔度等級を有するフィルターが用いら
れる。このような微孔質フィルターは周知であり、容易
に入手可能である。
【0059】本発明によって用いることができる、好ま
しい微孔質膜には、商標Ultipor N66、Flu
orodyne及びPosidyneでPall Co
rporationから販売されているもの、商標Ze
taporでCuno Corporationから販
売されているもの、及び商標DuraporeでMil
liporeからはんばいされているものがある。
【0060】本発明に用いられるシリンダー膜要素に
は、技術上公知の方法によってサポートに漏れ防止式に
取り付けることができるものがある。
【0061】最後に、細菌は供給材料の約5%未満であ
る流れ中に濃縮されるべきであり、乳中に通常検出され
る固形分と蛋白質との約95%より多くが膜を長期間通
過すべきである。
【0062】動的マイクロフィルターは、濃縮物を再循
環させる必要なく、1回通過で操作されることができ
る。望ましい場合には、濃縮物を供給材料に再循環させ
ることもできる。シリンダー動的マイクロフィルターを
用いる場合には、濾液流/総供給材料流の種々な比(濃
縮率)で操作されることができる。しかし、シリンダー
動的マイクロフィルターは、所望の生成物として非常に
低い細菌含量の濾液を優先的に製造するために、約90
%を越える、特に約95%の、特に98%を越える濾液
/供給材料比で有利に操作される。
【0063】同様に、回転ディスク動的マイクロフィル
ターを用いる場合には、これも濾液流/総供給材料流の
種々な比で操作されることができる。しかし、回転ディ
スク動的マイクロフィルターは広範囲にわたる濾液流/
供給材料流比で操作されることができる。高い比を選択
すると、単純に処理量が低下し、低い比での操作は処理
量を高める。フィルターを通る安定な流量を維持するた
めには、約40%の比での操作が有利であると考えられ
るが、他の比も使用可能である。
【0064】新たに均質化された乳の濾過は、乳脂肪の
高融点成分の約40℃の結晶化温度又はこれより幾らか
高い温度である、40℃〜60℃において熱間実施され
る。これは通常の加熱低温殺菌で用いられる温度よりも
低い。或いは、流量を若干低下させて、乳を非常に低温
において、例えば約15〜約35℃、特に約20〜約2
5℃において濾過することもできる。
【0065】一般 マイクロ濾過後に、濃縮物を受容される方法で廃棄する
か、さらに加工するか、又は直接用いることができる。
【0066】本発明の方法は、所望の最終生成物が全
乳、標準化乳又は脱脂乳のいずれかである場合に、有利
に用いられる。
【0067】脂肪含量が低下した乳の細菌保留膜を通る
流量は通常は、脂肪含量が大きい乳の流量よりも高い。
或る状況では、濾過した脱脂乳を濾過した脂肪含量と組
み合わせることによって、例えば2%脂肪乳のような、
脂肪含量の大きい乳を製造することが経済的に有利であ
る。この脂肪画分は約10%の最低脂肪含量を有するク
リーム画分でありうる。
【0068】クリーム画分の濾過は例えば出願第07/
952,337号の方法によって又は一端を閉じた細菌
保留濾過カートリッジを用いて実施することができる。
この濾過は業界に受容されるやり方で脂肪組成物を、そ
れが液体状態であり、微孔質膜を通して濾過されやすい
ような温度にまで加熱することによって実施することが
できる。予熱した脂肪を濾過の前に均質化することがで
きる。或いは、脂肪組成物に低温殺菌を実施して、その
細菌含量を低下させることができる、又は低温殺菌とマ
イクロ濾過との組合せを用いることができる。
【0069】さらに、この方法の目的が例えばトランス
ジェニック雌牛のようなトランスジェニック動物の乳か
ら蛋白質濃縮物を得ることである場合には、約0.2ミ
クロン以下のような孔度等級を有する微孔質膜を用い
て、マイクロ濾過を実施して、高濃度の濃縮物を得る。
【0070】本発明の方法を実施するための適当な装置
は、遠心分離機、マイクロフィルター、殺菌ユニット、
熱交換噐及びポンプを含む通常の装置を相互連結するこ
とによって構成することができる。当業者はこのような
装置を操作可能にし、特定のケースでの必要に応じてこ
のような装置にさらに通常の改良を加えるために、流動
及び圧力制御弁、その他の必要なサポート装備を備える
ことが容易にできるであろう。
【0071】上記参考文献は全て、ここに参考文献とし
て関係する。
【0072】下記実施例はさらに特定の実施態様を説明
するが、特許請求の範囲で定義する本発明の範囲を限定
することを決して意図しないものである。
【0073】一般的方法 実施例で用いた一般的方法は下記の通りであった。
【0074】方法A:乳の温度調節 他に指示しないかぎり、下記実施例に用いる乳は小売店
から入手した市販乳であった。濾過の前に、乳の温度を
適当なプロセス温度に調節した。好ましい操作温度(4
0〜60℃)を用いた、この理由は乳中の脂肪の大部分
がこのような温度において結晶化形ではないからであ
る。35リットルジャケット付き発酵器(Chemap
A.G.からの型3000)を加工器(proces
s vessel)として用いた。加工器に乳を充填
し、内容物を他に指示しないかぎり約50℃に、熱水ジ
ャケットによって加熱した。この加熱プロセス中に乳を
撹拌して、熱伝達を促進させた。
【0075】乳が所望のプロセス温度に達したならば、
乳を約1リットル/分の速度でホモゲナイザーに供給し
た。
【0076】方法B:乳の均質化 ホモゲナイザー(APV Gaulin,Inc.から
のモデル15MR)に入ると、乳は2段階均質化プロセ
スを受けた、その第1段階は約2500psiにおいて
であり、第2段階は約500psiにおいてであった。
このユニットのAPV Gaulin操作マニュアルに
述べられた、通常の始動及び操作方法に従った。典型的
には、均質化後に、乳をジャケット付きで所望のプロセ
ス温度に維持される中間サージタンクに移した。このタ
ンクはホモゲナイザー出口とフィルターへの供給材料と
の間の流体バッファーとして機能した。望ましい場合に
は、均質化乳をホモゲナイザーを通して再循環させて、
サージタンク内の一定量を維持することができる。
【0077】方法C:乳供給流中への細菌の導入 幾つかの実験では、細菌による乳の人為的接種を用い
て、本発明によって可能な、非常に高いタイター(ti
ter)低下を実証した。細菌接種物を加工器とホモゲ
ナイザーとの間で、計量ポンプによって供給流に加え
た。乳 1mlにつき約106細菌の所望の細菌濃度レ
ベルに達するように、接種物流量を維持した。細菌はホ
モゲナイザーの前に導入されるので、細菌は濾過装置に
入る前のプロセス流体中に充分に混合された。大抵の実
施例では、大腸菌(E.coli)菌株ATCC152
24を用いた。
【0078】乳に細菌を接種するための代替え方法で
は、細菌を所望の濃度で加工器に直接添加する。このよ
うな方法は周囲温度よりも高い温度に長時間、細菌を暴
露させるので、好ましくない。これは、使用する菌株に
依存して、濾過装置に入る前に細菌を好ましくなく増殖
させるか、又は過度に殺すことになる。
【0079】方法D:細菌分析試験 中温細菌:サンプルを連続希釈し、適当な希釈物を無菌
0.2ミクロン膜に通し、Mueller−Hinto
n寒天上で32℃において24時間培養することによっ
て、細菌濃度を測定した。これらの方法は“臨床微生物
学マニュアル(Manual of Clinical
Microbiology),第2版,1974,A
SM,ワシントン”なるタイトルの刊行物にに詳述され
ている。
【0080】リステリア菌(Listeria mon
ocytogenes)ATCC43256は供試病原
菌であった。サンプル中の集団レベルをAgello等
が用いた方法によって測定した(Agello,G.、
Hayes,P.、Feeley、J.Abstrac
ts of the Annual Meeting
1986,ASM,ワシントン、5頁)。
【0081】方法E:クリーニング方法 全ての実験の前に、0.1N水酸化ナトリウムを用いて
消毒と殺菌を実施した。殺菌プロセスでは、膜と関連装
置の全てを水で最初にフラッシュし、その後に50℃の
0.1N水酸化ナトリウムによって約1/2時間処理し
た。次に、苛性(caustic)溶液をリン酸によっ
て中和した。次にこの中和溶液を用いて、全ての部分が
中性になるまで、系をフラッシュした。この処置の直後
に濾過試験を実施した。装置の全体と膜要素とを、各試
験の終了時に、殺菌方法を用いて消毒した。
【0082】方法F:完全性(integrity)検
細菌試験の前に各膜要素を完全性に関して検査した。刊
行物NM900a,“The Pall Ultipo
r membrane filter guide”,
版権1980、Pall Corporationから
入手可能,に述べられている前進流試験を完全性検査に
用いた。
【0083】濾過装置の説明 1.シリンダー動的マイクロフィルター これらの実験に用いたシリンダー動的マイクロフィルタ
ー(シリンダーDMF)はSulzer Brothe
rs Limited,スイス,ウインテルトゥールに
よって製造されたBDF−01であった。この装置はR
ebsamen等によって述べられている(Dynam
ic Microfiltrationand Ult
rafiltration in Biotechno
logy),第IV回世界濾過会議,1986,(ベル
ギー,オステンド)の会報)。米国特許第4,066,
554号と第4,093,552号(これらはここに参
考文献として関係する)をも参照のこと。
【0084】2.膜フィルター要素の説明 これらの実験に用いる膜フィルター要素は典型的に種々
な等級のナイロン膜であり、Pall Corpora
tion(ニューヨーク州グレンコーブ)から商業的に
入手可能な、Ultipor N66とPosidyne
であった。用いた孔度は0.2,0.30,0.45,
0.65ミクロンであった。この膜要素は表面積0.0
4m4を有した。
【0085】3.ディスク形の動的マイクロフィルター ディスク形は中空シャフトに取り付けられ、必要な入口
と出口接続を備えた漏れ防止性ハウジング内に含まれる
6インチ直径膜サポートディスクから成る。サポートデ
ィスクはその面に漏れ防止式に膜シートをシールするた
めの設備を有し、膜とディスクを通して濾液流を流し、
シャフトを通して搬出させるための排水スペースを含有
した。有効膜面積は0.014m2であり、4500r
pmまでの回転速度が利用可能であった。
【0086】既述された動的ディスクマイクロ濾過ユニ
ットのいずれも本発明の実施に使用可能である。本発明
の実施に使用可能であるディスク形の他の動的マイクロ
濾過装置の説明に関して、1991年12月24日出願
の米国特許出願第07/812,123号をも参照のこ
と。
【0087】4.膜フィルター要素の説明 この膜フィルター要素はシリンダーDMFの項で述べた
膜と同じ等級であった。典型的には、膜はディスクDM
Fに適合するように切断された、環状フラットシート
“ドーナツ”であった。動的マイクロフィルターに組み
込むと、O−リングの使用によって、濾液室が供給材料
からシールされた。この膜フィルター要素は0.014
2の表面積を有する。
【0088】方法G1:シリンダー動的マイクロフィル
ターの操作 濾過の前に、フィルターアセンブリーの項で述べたよう
な、フィルター要素をシリンダー動的マイクロフィルタ
ー(DMF)に組み入れた。方法Eに述べた方法を用い
て、消毒と殺菌を実施した。方法G2に述べた始動方法
を観察した後に、濾過されるべき乳をサージタンクから
シリンダーDMF中に容量型ポンプによって供給した。
濃縮物の量は第2ポンプ又は、濃縮物口に取り付けた圧
力リリーフ弁によって制御した。供給材料、濾液及び濃
縮物の温度と流量、及び供給圧力は実験過程の種々な時
点において、典型的には10分間間隔で測定した。シリ
ンダーDMFの標準操作条件は5000rpmの回転速
度、95%より大きい濾液/供給材料比、約1.3〜
2.0バールの供給圧力であった。この装置による全て
の実験は一定の供給流量で実施した。
【0089】方法G2:動的フィルターの始動 乳を動的フィルターに導入する前に、0.2ミクロンフ
ィルター処理した脱イオン温水を系に通して、関連装置
を始動させた。動的フィルターの回転速度は系を流れる
水によって操作速度にされた。系が平衡に達した時に、
乳の流れを開始させた。乳は系の中の水を排除し、濾過
が開始した。
【0090】方法H:ディスク動的フィルターの操作 フィルターアセンブリーの項で述べたディスクDMFフ
ィルター要素をディスクDMFに組み入れた。方法Eに
述べた方法を用いて、消毒と殺菌とを実施した。方法G
2に述べた始動方法を観察した後に、濾過されるべき乳
をサージタンクからディスクDMF中に供給した。濃縮
物量と供給圧力は濃縮物口に配置した弁によって制御し
た。供給材料、濾液及び濃縮物の温度と流量、及び供給
圧力は実験過程の種々な時点において、典型的には10
分間間隔で測定した。全ての実験に対して約960ml
/分の供給速度を維持した。報告した濾液流量は濾過ユ
ニット内で流れが安定化した時に得られたものである。
【0091】
【実施例】
実施例1 0.45ミクロンUltipor N66膜を備えたシリ
ンダーDMFに、室温の脱脂乳を約600ml/分の速
度で供給した。DMF中の操作条件は方法G1に指定
し、表1に要約するように維持した。供給圧力は試験の
開始後数分間で急速に上昇し始め、このことは微孔質膜
の閉塞を示唆した。
【0092】実施例2 脱脂乳を方法Aに従って50℃に加熱し、方法Bによっ
て均質化した。この均質化乳をサージタンク中に約4時
間貯蔵し、この期間に乳の温度を約50℃に維持した。
この4時間の遅延期間後に、乳を0.45ミクロンUl
tipor N66膜を備えたシリンダーDMFに、約6
00ml/分の供給速度で供給した。方法G1に指定し
たような、DMF操作の好ましい条件を維持した。供給
圧力は試験の開始後僅か数分間で急速に上昇し始め、こ
のことは微孔質膜の閉塞を示唆した。
【0093】実施例3 方法Aに従って50℃に加熱し、方法Bによって均質化
した脱脂乳を0.45ミクロンUltipor N66
を備えたシリンダーDMFに供給した、均質化は5分間
以内であった。方法G1に述べたような、DMF操作の
好ましい条件を維持した。乳の供給が停止するまで10
80リットル/時/m2の安定な濾液流量が得られた。
この実験の過程中に供給圧力の上昇は観察されなかっ
た。
【0094】全ての乳を加工した時に、系の操作を中断
することなく、供給材料を50℃の非均質化乳に切り替
えた。数分間内に、乳濾液流量は急速に低下し、系の圧
力は上昇し、膜の閉塞が生じたことを示唆した。この実
施例はマイクロ濾過膜を通る有意な流れをえるために、
乳の均質化が必要であることを明白に示す。
【0095】実施例1〜3は濾過の前に、乳に充分な剪
断を与えることが(この場合には均質化によって)、乳
のエマルジョン粒度を充分に減じて、微孔質膜の通過を
可能にし、適当な濾過を実施するために必要であること
を実証する。特に、実施例2は均質化後の短時間内に粒
度分布が大きい粒度に戻ることを実証する。このため、
適当な濾過のためには、濾過前の短時間内に、例えば濾
過前5分間未満内に又は好ましくはさらに短時間内に、
均質化を実施しなければならない。
【0096】実施例4 脱脂乳を方法Aによって予熱してから、0.45ミクロ
ンUltipor N66膜を備えたディスクDMFに供
給した。方法Hに述べた方法を用いた。濾液の定常な流
量が確立され、乳の供給が停止するまで、約100分間
維持された。ディスクDMF操作条件は回転ディスクと
膜との間の界面間隙において約200,000秒-1の算
出剪断速度を生ずる。この剪断は方法Bの条件によって
ホモゲナイザーによって生ずる剪断の範囲内である。
【0097】この実施例は、濾過前に必要な剪断が1工
程で、すなわち別の均質化装置を必要とせずに、得られ
ることを実証する。この実施例は膜が乳中の固形分によ
って閉塞されないこと、及びディスクの回転によって生
ずる、約200,000秒-1の剪断が脱脂乳の粒度を減
じてマイクロフィルター膜を通過させ、それによって適
当な濾過を達成させるために充分であることを明白に実
証した。
【0098】表1は実施例1〜4の結果を要約する;こ
のデータは、濾過前の短時間内に乳に充分な剪断が与え
られる場合に膜を通る定常状態濾液流量が得られること
を示す。
【0099】
【表1】 実施例5 粒度と均質化後の時間との関係を調べるために、脱脂乳
を方法Aに従って加熱し、方法Bに述べた方法を用いて
均質化した。均質化後の時間に関する粒度分布を測定し
た。Particle Measurement Sy
stem(コロラド)から入手可能な、Integra
ted Micro−OpticalLiquid V
olumetric Senser(IMOLV−.
2)を用いて粒度分布を測定した。このレーザー粒子カ
ウンターは約0.1〜5.0ミクロンの範囲内の粒度分
布を測定するように設計されている。
【0100】乳サンプルを1:300,000に希釈
し、IMOLV装置の操作マニュアルによって指定され
たように分析を実施した。乳サンプルの希釈には50未
満粒子数/mlの0.04ミクロンフィルター処理18
メガーオームDI水を用いた。
【0101】図2は、粒子分析の結果を示す。図には粒
度に対する5秒目の粒子数に比較した粒子数のプロット
を示す。明らかに、この図は均質化後の時間が増加する
につれて、大きい粒子の数が増加することを実証する。
これに応じて小さい粒子の数はこの期間に減少するの
で、小さい粒子が時間の経過と共に凝集して、大きい粒
子を形成することは明らかである。
【0102】実施例6〜9 シリンダーDMFに関して種々な孔度の膜と細菌保留性
を試験して、達成されうる乳の定常濾液流量の大きさを
調べた。実施例6〜9に用いた一般方法を下記に示す。
【0103】1.好ましい膜フィルター要素をシリンダ
ーDMFに組み入れた。
【0104】2.方法Fに述べたような完全性検査を実
施した。この検査に合格しない膜フィルター要素は廃棄
した。
【0105】3.装置を方法Eに従って消毒した。
【0106】4.濾過されるべき乳を方法Aに述べた方
法によって予熱した。
【0107】5.乳を方法Bに従って均質化した。
【0108】6.方法G2に述べた始動方法を実施し
た。
【0109】7.乳をサージタンクからシリンダーDM
Fに任意の流量で移した。
【0110】8.方法G1のガイドラインを用いて操作
パラメーターを設定した。
【0111】9.適当な測定を実施した。
【0112】典型的に、シリンダーDMFはフィルター
内での約10,000秒-1に対応する5000rpmで
操作された。供給温度は50℃であり、供給圧力は1.
3〜2.0バールの範囲で変動した。これらの各実施例
で、濾液/供給材料比は95%を越えるように維持され
た。表2に報告する流量は濾過の開始から典型的に15
分間後に得られた、定常状態濾液流量である。乳の濾過
量は常に30リットルであったので、全実験時間は各場
合に変化した。
【0113】実施例6 この実施例には0.2ミクロンUltipor N66
を用いた。250ml/分の供給速度を用いて、330
リットル/時/m2の定常状態濾液流量を得た。濾過は
加工器中にもはや乳が存在しなくなるまで約130分間
続き、濾液流量の明白な低下はなかった。
【0114】実施例7 この実施例には0.30ミクロンUltipor N66
膜を用いた。約550ml/分の供給速度を用いて、7
75リットル/時/m2の定常状態濾液流量を得た、約
60分間で、実験は終了した。
【0115】実施例8 この実施例には0.45ミクロンUltipor N66
膜を用いた。740ml/分の供給速度を用いて、10
80リットル/時/m2の定常状態流量を得た。濾過は
流量の明白な低下なく約40分間続き、この時点で乳の
供給は停止し、実験は終了した。
【0116】実施例9 この実施例には0.65ミクロンUltipor N66
膜を用いた。1100ml/分の供給速度を用いて、1
680リットル/時/m2の定常状態流量を得た。濾過
は約30分間続き、この時点で乳の供給は停止し、実験
は終了した。
【0117】実施例6〜9は表2に要約する。このデー
タは、本発明の濾過プロセスを用いることによって、種
々な等級の細菌保留膜を用いて安定な濾液流量が得られ
ることを示す。この表は、本発明のプロセスでは、小さ
い孔を有し、従って細菌保留率が増加した膜は、濾液流
量を犠牲にして、使用することができることを示す。
【0118】
【表2】 実施例10 この実施例では、正の表面電荷を有する0.2ミクロン
Ultipor N66膜を用いた。用いた膜は第4アン
モニウム基が存在するその孔表面を有し、生物学的物質
に対して高い吸収能力を有する。
【0119】260ml/分の供給速度を用いて、36
0リットル/時/m2の定常状態流量を得た。濾液流量
は実施例6に述べた非帯電膜によって得られた流量と同
じ大きさであった。濾過は加工器中にもはや乳は存在し
なくなるまで約120分間続き、流量の明白な低下はな
かった。約97%を越える濾液/供給材料比が実験を通
して維持された。この他の実験条件は表3に記載する。
【0120】乳からの多量の蛋白質が膜表面に結合し、
結局は、膜を閉塞することが考えられる。この実施例
は、動的形式では通常は蛋白質親和性を示す膜が良好に
作動することを示した。
【0121】実施例11 全乳の740ml/分の供給速度を用いて、1130リ
ットル/時/m2の安定な濾液流量を得た。他の実験条
件は表3に記載する。濾過は約40分間続き、この時点
で乳の供給は停止し、実験は終了した。
【0122】この実施例は、本発明の方法を用いて全乳
を濾過することができることを示す。全乳と脱脂乳(実
施例9と同様)との間の濾液流量の観察された差は主と
してそれらの粘度の差によると思われる。全乳/脱脂乳
の濾液流量の比は全乳/脱脂乳の粘度の比にほぼ等し
い。
【0123】
【表3】 実施例12〜16 種々の細菌保留膜を通る濾液流量を測定するための実施
例を、ディスク動的マイクロフィルターを用いて繰り返
した。実施例12〜16の一般的方法を下記に示す。記
載条件は、特に他に述べない限り、各実施例に一般的に
適用される。
【0124】1.好ましい膜フィルター要素をディスク
DMFに組み入れた。
【0125】2.方法Fに述べたような完全性検査を実
施した。この検査に合格しない膜フィルター要素は廃棄
した。
【0126】3.装置を方法Eに従って消毒した。
【0127】4.濾過されるべき乳を方法Aに述べた方
法によって予熱した。
【0128】5.乳を方法Bに従って均質化した。
【0129】6.方法G2に述べた一般的始動方法を実
施した。
【0130】7.乳をサージタンクからディスクDMF
に任意の流量で移した。
【0131】8.適当な測定を実施した。
【0132】典型的に、ディスクDMFはフィルター内
での約200,000秒-1算出剪断速度に対応する35
00rpmで操作された。供給温度は50℃であり、供
給圧力は約0.2バールに維持された。膜を横切る高い
交差流速度を維持するために、乳は960ml/分の速
度でフィルターに供給された。濾液/供給材料比は特に
膜孔度、供給温度及び回転子rpmに対して調節され
た。供給材料の未濾過部分は加工器中に再循環された。
下記表に報告される流量は、典型的に濾過の開始から1
/2時間後に濾液として膜を通過して得られる定常状態
流量である。
【0133】実施例12 この実施例では、0.2ミクロンUltipor N66
膜を用いた。850リットル/時/m2の定常状態濾液
流量が得られた。
【0134】実施例13 この実施例では、0.45ミクロンUltipor N
66膜を用いた。1600リットル/時/m2の定常状態
濾液流量が得られた。
【0135】実施例14 この実施例では、0.45ミクロンUltipor N
66膜を用いた。1600リットル/時/m2の定常状態
濾液流量が得られた。
【0136】表4に示すデータは実施例11〜13を要
約する。このデータは、本発明の濾過プロセスを用いる
ことによって、種々な等級の細菌保留膜を用いて、ディ
スクDMFによって、安定な濾液流量が得られることを
示す。この表は、本発明では、小さい孔を有し、従って
細菌保留率が増加(タイター低下)した膜は、濾液流量
を犠牲にして、使用することができることを示す。
【0137】
【表4】 実施例15 方法Bによって均質化した、18℃の脱脂乳を0.45
ミクロンUltipor N66膜を備えたディスクDM
F中に供給した。濾過は860ml/分の供給速度で実
施した、この供給速度において膜を通る約860リット
ル/時/m2の定常状態濾液流量が得られた。濾過され
た乳を25℃において測定した。この実施例の他の条件
は表5に記載する。
【0138】この実施例は、冷蔵された脱脂乳が約18
℃において本発明の方法によって細菌保留膜に通して加
工されうることを実証する。この低温における低い濾液
流量は、高温に比べて、この温度における乳の粘度が高
いことを反映すると考えられる。
【0139】実施例16 ディスクDMFに0.45ミクロンUltipor N
66膜を備えた。全乳をディスクDMFに900ml/分
の速度で供給し、膜を通して約850リットル/時/m
2の定常状態濾液流量を得た。実験は供給材料の未濾過
部分の再循環なしに実施した。
【0140】この実施例は、全乳が本発明の方法によっ
て、ディスクDMFを用いて濾過されうることを実証す
る。本質的に同じ条件下で脱脂乳は約1600リットル
/時/m2のほぼ定常状態の濾液流量を生じた。脱脂乳
と全乳との間の濾液流量の観察された差は、流体粘度の
比、差にほぼ対応する。
【0141】実施例17 既述した方法を用いて、濾液/供給材料の高い比を維持
しながら、濾過実験をディスクDMFで実施した。脱脂
乳の供給量は115ml/分に維持した。460リット
ル/時/m2の濾液流量が得られた。
【0142】
【表5】 実施例18 長時間操作を実証するために、多量(500リットル)
の低温殺菌されない未加工の脱脂乳を用いて実験を実施
した。この乳をプレート熱交換噐に通して50℃に予熱
した。次に、これを方法Bによって均質化し、0.65
ミクロン膜を装備したシリンダーDMFに供給した。こ
の実施例では、典型的に動的マイクロフィルターを50
00rpmに維持した。約1300ml/分の供給速度
において供給圧力は1.3〜1.5バールの範囲内で変
動した。濾液/供給材料比は95%を越えるように維持
された。約1680リットル/時/m2の定常状態濾液
流量が得られた。濾過された乳の流れの低下はなく、5
00リットルを処理するために必要な6時間の連続操作
中に供給圧力の上昇もなかった。
【0143】この実施例は本発明の濾過方法を長期間用
いることも可能であることを実証する。
【0144】実施例19 この実施例は、本発明の方法が乳から蛋白質を回収する
ために、ディスクDMFを用いた乳の濾過に使用可能で
あることを実証する。乳中の蛋白質は一般に約0.02
〜約0.30ミクロンのサイズ範囲である(D.G.S
chmit,P.Walstra,W.Buchhei
m、Neth.Milk DairyJ.27(197
3):128)、このことが本発明の方法によってそれ
らを回収されやすくする。このことは、技術上既に公知
の方法によって、生物学的に重要な蛋白質の産生を刺激
するように遺伝的に変えられた、例えばトランスゲニッ
ク雌牛、羊等のような、トランスゲニック動物からこの
ような蛋白質を回収するために特に重要である。
【0145】0.2ミクロンナイロンフィルターを装備
したディスクDMFを用いた。乳の濾過は840ml/
分の供給速度で実施した、この供給速度において、35
00rpmの回転子速度で、膜を通しての約850リッ
トル/時/m2の定常状態パーミエート(permea
te)流量が得られた、本発明の方法では、レテンテー
ト(retentate)は再循環させ、パーミエート
は廃棄した。供給材料、パーミエート及びレテンテート
から定期的にサンプル採取し、Kjeldhal方法に
よって総蛋白質に関して分析した。レテンテート中の蛋
白質含量が初期には供給材料の蛋白質含量と同じである
が、レテンテートの再循環が持続するにつれて増加する
(4.9%レテンテート、3.1%供給材料)ことが判
明した。
【0146】孔度のより小さい膜を用いるならば、濃縮
物流中への蛋白質のより良好な濃縮が生ずる筈である。
【0147】実施例20と21 これらの実施例は、本発明の濾過プロセス中に乳成分の
分画が生じないことを確認するために実施した。これら
の実施例では、濾過中の種々な時点において濾液と濃縮
物とを分析して、Kjedahl法によって蛋白質濃度
を、蒸発によって全固形分を確認した。
【0148】実施例20 実施例18に述べた試行中の種々な時点において供給材
料、濾液、濃縮物を採取して、各流れの全固形分に関し
て分析した。表6のデータは、0.65ミクロン膜を用
いた場合に、濾液からの全固形分の有意な消耗がないこ
とを示す。
【0149】実施例21 実施例13を実施しながら、種々な時点において供給材
料、濾液、濃縮物のサンプルを採取して、各流れの全固
形分と蛋白質とに関して分析した。データは表6に示
す。0.45ミクロン膜を用いた場合に、この場合にも
濾液乳からの固形分又は蛋白質の有意な消耗がなかっ
た。
【0150】
【表6】 実施例22〜28 本発明が乳から細菌を除去することができることを実証
するために、実施例22〜28を実施した。一般的操作
方法は実施例6〜18の実験と同様に維持した;但し、
この場合には、方法Cによって加工流に細菌を加えた。
乳中に通常検出される大腸菌(E.coli)を、他に
指定しない限り、これらの実験の接種に用いた。供給材
料、濾液及び細菌濃縮物のサンプルを濾過中の種々な時
点において、無菌法を用いて採取した。これらのサンプ
ルを方法Dに述べた方法を用いて細菌に関して分析し、
結果を表7に報告する。この表に示すように、本発明は
乳の細菌含量を明白に低下させることができる。大腸菌
の高い除去率から、直接バチルス セレウス菌の高い除
去率を知ることができ、セレウス菌は通常の低温殺菌法
では完全には除去されることができない。大腸菌は約
1.1〜1.5μmx2〜6μmのサイズを有するロッ
ド状構造を有することは知られており、セレウス菌のよ
うなバチルス属菌も同様なサイズを有し、約1.0〜
1.2μmx3〜5μmのサイズのロッド状構造を有す
る。従って、表7に示すように大腸菌を除去できること
は、この方法が非常に好ましくないセレウス菌をも除去
して、室温においても非常に長い貯蔵寿命を有する乳を
生ずることを意味する。
【0151】実施例22、23及び24 方法Cによって加工流に大腸菌を導入したこと以外は、
実施例6、8、9を繰り返した。供給材料、濾液及び濃
縮物のサンプルを細菌分析のために採取した。表7には
タイター低下データを示す。
【0152】実施例25 方法Cによって供給流に細菌を導入し、細菌濃縮物を加
工器に再循環させなかったこと以外は、実施例13を繰
り返した。約1600リットル/時/m2の定常状態乳
流量が得られた。微生物学的データを表7に示す。
【0153】濾過された乳は7〜10細菌/乳mlの非
常に低いレベルのみを含み、これは106/mlの供給
材料レベルよりも明らかに低い。この場合のタイター低
下は105より大であった。比較として、乳の通常の低
温殺菌中には僅か約102〜103のタイター低下が得ら
れるに過ぎない。
【0154】実施例26 方法Cによって供給流に大腸菌を導入し、濃縮物を加工
器に再循環させなかったこと以外は、実施例12の実験
条件と方法とを繰り返した。約850リットル/時/m
2の定常状態乳流量が得られた。供給材料、濾液及び濃
縮物のサンプルを細菌分析のために採取した。表7に示
すデータは106より大きいタイター低下を実証する。
濾過された乳には細菌が検出されなかったので、無菌乳
が得られた。この実施例は、本発明の方法がディスクD
MFと適当に選択した膜とを用いて、乳から細菌を完全
に除去できることを実証する。従って、無菌乳を得るこ
とができる。
【0155】実施例27 低温殺菌されない原乳は、大腸菌のような大腸菌型細
菌、リステリア菌とカンピロバクター菌(campyl
obacteria)のような病原菌、セレウス菌を含
めた、広範囲な微生物を含む。この実施例では、原乳に
外部から細菌接種を行わずに、乳を固有のもしくは“ネ
イティブ”細菌に関して試験した。
【0156】実施例18の実施中に、供給材料、濾液及
び濃縮物のサンプルを細菌分析のために採取し、方法D
によってネイティブ細菌に関して分析した。
【0157】濾液中には14細菌/mlのみが検出され
た。供給材料は2500細菌/mlを有し、濃縮物は2
x104細菌/mlを有した。さらに、濾液中に好冷菌
は検出されなかった。好冷菌は低温で増殖し、冷蔵乳の
腐敗を生ずるような細菌である。
【0158】表7は実験22〜27を要約する。データ
はシリンダー形式とディスク形式の両方の場合に大きな
タイター低下が濾液流量を犠牲にして得られることを示
す。この表はまた、適切な膜を選択することによって無
菌乳濾液を得ることができることを示す。
【0159】
【表7】 実施例28 タイター低下を試験した細菌(大腸菌)を別にして、酪
農産業に実際に関係する、リステリア菌のような病原菌
も乳中に存在する。これらの病原菌は、動的フィルター
で試験された大腸菌型細菌よりも重大な問題を与える。
用いた膜フィルター要素がこれらの病原菌を効果的に除
去するかどうかを知るために、方法Dに述べた方法によ
って試験を実施した。この試験はオフーライン試験装置
で実施し、動的フィルターでは実施しなかった。
【0160】表8に示すデータは、特定のバブル点(A
STM F316−86)を有する0.45μmUlt
ipor N66膜がリステリア菌を絶対的に除去するこ
とを示す。
【0161】
【表8】 実施例29 実施例16の方法によって得られた濾過済み脱脂乳を無
菌法で採取する。
【0162】商業的に入手可能なクリームを65℃に加
熱し、Pall Corporation(ニューヨー
ク州、イーストヒル)から入手される、大腸菌では10
6の最低タイター低下を示す、0.2ミクロンUlti
por N66膜を通して濾過する。この濾過されたクリ
ームは実質的に細菌の減少を示す、これを無菌法で採取
する。
【0163】濾過済み脱脂乳と濾過済みクリームとを混
合し、均質化して、細菌含量の低下した2%脂肪乳を得
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって用いられる装置の概略
図。
【図2】均質化後の乳中の粒度のプロット。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トニー・アレックス アメリカ合衆国ニュージャージー州08824, ケンドール・パーク,ヘンダーソン・ロー ド 58 (72)発明者 ジョセフ・ダブリュー・ディーン,ジュニ アー アメリカ合衆国ニューヨーク州11023,グ レート・ネック,バークシャー・ロード 52

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原乳よりも細菌含量の低い加工乳を製造
    するための原乳の加工方法において、次の工程: (1)前記乳を約10%の最低脂肪含量を有する脂肪画
    分と脱脂乳画分とに分離する工程と; (2)脱脂乳画分を均質化し、この均質化から約5分間
    以内に、それを貫流する乳の細菌含量を減ずるために充
    分な平均孔度を有するマイクロフィルターに脱脂乳画分
    を通すことによって脱脂乳画分に動的マイクロ濾過を実
    施して、初期脱脂乳画分よりも低い細菌含量を有する濾
    液と初期脱脂乳画分よりも高い細菌含量を有する濃縮物
    とを生ずる工程と; (3)別に、脂肪画分の細菌含量を減ずる工程と; (4)続いて、マイクロ濾過後の脱脂乳画分と細菌含量
    を減じた脂肪画分とを一緒にする工程と を含む方法。
  2. 【請求項2】 脂肪画分の細菌含量を動的マイクロ濾過
    によって減ずる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 脂肪画分の細菌含量を低温殺菌法によっ
    て減ずる請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 約2%の脂肪含量を有する乳の製造方法
    において、次の工程: (1)脱脂乳画分を均質化する工程と;この均質化から
    約5分間以内に、 (2)それを貫流する乳の細菌含量を減ずるために充分
    な平均孔度を有するマイクロフィルターに脱脂乳画分を
    通すことによって脱脂乳画分に動的マイクロ濾過を実施
    して、初期脱脂乳画分よりも低い細菌含量を有する濾液
    と初期脱脂乳画分よりも高い細菌含量を有する濃縮物と
    を生ずる工程と; (3)約10%の最低脂肪含量を有するクリーム画分の
    細菌含量を減ずる工程と; (4)続いて、マイクロ濾過後の脱脂乳画分と細菌含量
    を減じたクリーム画分とを一緒にする工程と を含む方法。
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