JPH0662958B2 - 重質油の熱分解法 - Google Patents

重質油の熱分解法

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JPH0662958B2
JPH0662958B2 JP60040103A JP4010385A JPH0662958B2 JP H0662958 B2 JPH0662958 B2 JP H0662958B2 JP 60040103 A JP60040103 A JP 60040103A JP 4010385 A JP4010385 A JP 4010385A JP H0662958 B2 JPH0662958 B2 JP H0662958B2
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照勝 宮内
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
    • C10GCRACKING HYDROCARBON OILS; PRODUCTION OF LIQUID HYDROCARBON MIXTURES, e.g. BY DESTRUCTIVE HYDROGENATION, OLIGOMERISATION, POLYMERISATION; RECOVERY OF HYDROCARBON OILS FROM OIL-SHALE, OIL-SAND, OR GASES; REFINING MIXTURES MAINLY CONSISTING OF HYDROCARBONS; REFORMING OF NAPHTHA; MINERAL WAXES
    • C10G47/00Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions
    • C10G47/24Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions with moving solid particles
    • C10G47/30Cracking of hydrocarbon oils, in the presence of hydrogen or hydrogen- generating compounds, to obtain lower boiling fractions with moving solid particles according to the "fluidised-bed" technique

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 技術分野 本発明は、流動層を用いて重質炭化水素油(以下単に重
質油という)を熱分解して、主として常温下で液状の軽
質炭化水素類(以下単に軽質油という)を得る方法に関
する。さらに詳しくは、本発明は、水蒸気含有ガスによ
って流動化している多孔質体の微粉状物に重質油を接触
させて熱分解する熱分解工程と、この工程からの該微粉
物を分子状酸素含有ガスないし水蒸気含有ガスによって
流動化させながら該微粉状物に付着しているコークを燃
焼ないしガス化させて除去する再生工程とを両工程の間
に該微粉状物を循環させながら実施する方法の改良に関
する。
先行技術 さきに本発明者らの一部は、流動層による重質油の熱分
解において、その流動粒子として重量平均径が0.04
〜0.12mmであり、0.044mm以下の粒子が5〜2
0重量%含まれ、かつ実質的に球形なものであるような
微粉状物を用いることによって、この熱分解を良好な流
動状態の下で効率よく実施できることを示した(特開昭
56−10587号公報参照)〔本発明者らは、この方
法を流動熱分解法(Fluid Thermal Cracking法或いは単
にFTC法)と命名した〕。
また、同様な方法において該微粉状物をその細孔容積が
0.1〜1.5m3/gであり、比表面積が50〜1,5
00m2/gであり、かつ重量平均径が0.025〜0.
25mmであり、熱的に安定なものとすることによって、
この熱分解を一層効率よく実施し得ることを示し、多孔
質体が有する細孔が重質油を液状で吸蔵することによっ
て、熱分解反応の促進や高炭素質固形物(以下、単にコ
ークと呼ぶ)の生成抑制などの優れた作用を示すことを
見出し、これを容量効果と呼んだ(特開昭57−187
83号公報参照)。
さらに同様な方法において重質油を熱分解する熱分解工
程と、この熱分解工程から抜き出した多孔質体の微粉状
物を酸素含有ガスと接触させて該微粉状物に付着してい
るコークをガス化除去するガス化工程(本発明ではこれ
を再生工程という)とを両工程の間に該微粉状物を循環
させながら実施する方法において、熱分解工程で少なく
とも3個の流通画室を有する垂直反応器を用いる効果的
な態様(特開昭58−180590号公報参照)および
再生工程をガス化部と燃焼部とに分けてそれぞれの発生
ガスを別々に取り出す効果的な態様(特開昭59−11
5387号公報参照)などを示した。
ところで、原料重質油は通常CCR(コンラドソン残留
炭素)や硫黄化合物と共に比較的多量のニッケル、バナ
ジウムおよび鉄というような重金属類を含有している。
従来の触媒粒子を用いる接触分解において、これらの重
金属類を多く含む原料油を用いる場合には、触媒上にこ
れらの重金属類が蓄積し、分解反応に対し、悪影響を与
えることはよく知られているところである。即ち、ニッ
ケルやバナジウムなどはそれら自身が脱水素反応の触媒
能を有するので、原料油の分解反応を過度に進行させ、
水素生成量の増大およびコーク生成量の増大をもたら
し、その結果取得分解油の収率および品質の低下をもた
らす。
このような汚染重金属による影響は、本発明のような実
質的に触媒作用を要しない多孔質体の微粉状物を用いる
重質油の熱分解においても、程度の差こそあれ、やはり
回避できない問題である。
この問題を解決するために、重金属類を含有する原料油
の接触分解においては、アンチモン成分その他の遷移金
属成分を触媒に被覆して触媒上の重金属類を不動態化す
ることが提案されている(例えば特開昭53−1045
88号公報参照)。また再生工程から抜出された触媒
を、汚染金属の影響を打消すための適当な条件下で、水
素含有還元ガスと接触させた後に分解工程に循環すると
いう方法も提案されている(特開昭57−123289
号公報参照)。
しかしながら、本発明のように、特にCCRが多く且つ
重金属含有量も大きい重質油を対象とする場合には、ア
ンチモンその他の遷移金属成分の添加による蓄積重金属
の不動態化は、汚染重金属の悪影響を抑制するのに、多
量の不動態化成分の添加を必要とするという難点があ
り、また再生触媒の還元ガス処理は別に一工程設置しな
ければならないという欠点がある。
なお重質油の分解方法として、重質油を高温下、粒状担
体材料の流動床を有し、垂直に重ねて配置された多帯域
と接触させながら水素分圧2.5〜14.1kg/cm2(好
ましくは5.3〜10.5kg/cm2)且つ全圧10.5〜
56.2kg/cm2−G(好ましくは17.6〜45.7kg
/cm2−G)または全圧14.1〜56.2kg/cm2−G若
しくはそれ以上のガス状雰囲気で処理する方法および装
置が提案されている(特公昭34−2172号公報また
は特開昭58−149989号公報参照)が、これら方
法では分解工程と再生工程で発生したガスを別々に取出
すことができないという難点がある。
発明の概要 要旨 本発明は上記の点に解決を与えることを目的とし、微粉
流動層によって重質油を熱分解するに当り、熱分解工程
における水素分圧および全圧を適当な値に保持すること
によって、この目的を達成しようとするものである。
すなわち、本発明による重質油の熱分解法は、流動化ガ
スによって変動化している多孔質体の微粉状物に重質油
を接触させて熱分解して主として軽質油を得る熱分解工
程と、この熱分解工程から抜き出した微粉状物を分子状
酸素含有ガスないし水蒸気含有ガスによって流動化させ
ながら該微粉状物に付着しているコークをガス化して除
去する再生工程とを、この両工程間に該微粉状物を循環
させながら実施する方法において、該微粉状物として、
細孔容積が0.2〜1.5cm3/gであり、比表面積が
5〜1500m2/gであり、平均細孔径が10〜10,
000Åであり、重量平均径が0.025〜0.25mm
であるような微小球状粒子であり、しかもこれらの性状
が使用温度においても安定に維持されるもの、を使用す
ること、および熱分解工程に水素ガスを存在させて水素
分圧を約0.5〜約5kg/cm2に保持し且つ同工程の全圧
を約1〜約10kg/cm2−Gに保持して、使用重質油中の
重金属に基因する重質油の過分解反応を抑制すること、
を特徴とするものである。
効果 本発明は、本発明者らの一部による先行発明と同じく多
孔質体の微粉状物を用いることの利点に加えて、次のよ
うな著しい効果を奏する。
(イ)流動化粒子に蓄積された重金属類による重質油の
過分解反応(即ち脱水素反応)が抑制されるので、コー
ク生成量および分解ガス生成量が少なく、従って分解油
の収率が高い。
(ロ)重質油の脱水素反応が抑制される上に、脱硫や脱
窒素反応が促進されるので、良質な分解油が得られる。
(ハ)流動化粒子上に蓄積される重金属類量を高く保持
できるので、流動化粒子の補給量を減少することができ
また重金属類を多く含有する重質油を使用することがで
きる。
(ニ)熱分解工程で副生する非凝縮性分解ガスまたは再
生工程で副生する還元性ガス化ガス(またはその精製ガ
ス、その水蒸気変性ガス)を熱分解工程の流動化ガスの
少なくとも一部として使用することができるため、従来
法の如く流動化に多量の水蒸気を用いる必要がなくな
る。従って、流動化用の水蒸気の消費量を減少または皆
無にできる。
本発明は、重質油を多孔質微粉状粒子の流動層に接触さ
せて熱分解する熱分解工程と、ここから抜出した微粉状
粒子を流動状態で水蒸気含有ガスないし分子状酸素含有
ガスと接触させて該微粉状粒子に付着しているコークを
ガス化して除去する再生工程とを、この両工程間に該微
粉状粒子を循環させながら実施する方法において、熱分
解工程におけるガスの水素分圧を約0.5〜約5kg/cm2
および全圧を約1〜約10kg/cm2−Gに保持すると、重
質油の水素添加反応による水素の消費をもたらすことな
く、重質油中の重金属類に基因する重質油の過分解反応
(即ち接触脱水素反応)のみが抑制される、ということ
の知見に基づくものである。
そして、熱分解工程におけるガスの水素分圧を約0.5
〜約5kg/cm2に保持することは、全圧を上昇させると共
に、熱分解工程に導入する流動化ガスの水素濃度を高め
ることによって達成される。そのためには、熱分解工程
の流動化ガスとして、従来法で用いられている水蒸気含
有ガスの一部または全部を、水素含有ガスで置換すれば
よい。
なお、熱分解工程の流動化ガスについては、前述した本
発明者らの一部の先行発明に係る特開昭58−1805
90号公報には、水蒸気含有ガスの他に炭酸ガス、一酸
化炭素、水素、炭化水素、窒素などのガスまたはそれら
の混合物が、また特開昭59−115387号公報に
は、純水蒸気に炭酸ガス、一酸化炭素、水素、炭化水
素、窒素およびそれらの混合物などを混合したものが、
使用できるとは述べられている。しかしながらこれらの
公報では、水蒸気以外の上記ガスの中、水素に関する特
殊な効果およびその効果を与えるための特定された条件
などについては、全くふれていない。
発明の具体的説明 熱分解工程 原料重質油 本発明で「重質油」という場合は、CCRが3以上程度
の炭化水素(ふつうは混合物)を意味し、常温で固体で
あるものをも包含する。
本発明の効果をよく享受することができる原料重質油
は、CCRが比較的多いもの、例えば約5以上のもの、
好ましくは約10以上のもの、である。適当な原料重質
油の具体例としては、重質原油、原油の常圧蒸留で得ら
れる残渣油(以下単に常圧残渣油という)、同じく減圧
蒸留によって得られる残渣油(以下単に減圧残渣油とい
う)、脱れき油、油母頁炭油、タールサンド油、石炭液
化油などがある。
微粉状物 本発明で使用する微粉状物は、前記した通りに定義され
たものである。
すなわち、本発明で使用する微粉状物は、その細孔容積
が0.2〜1.5cm3/g、好ましくは0.2〜0.8c
m3/g、である。細孔容積は、充分な容量効果をもつと
いう点で重要である。それが0.2cm3/g未満では容
量効果が不充分となり、1.5cm3/gを超えると容量
効果は充分であるけれども粒子が脆弱となるので、実用
的ではない。
なお、微粉状物の比表面積は、平均細孔径との対応にお
いて5〜1500m2/g、好ましくは20〜500m2
g、が適切な値となる。また、微粉状物の平均細孔径は
10〜10,000Å、好ましくは20〜2,000
Å、である。それが10Å未満では析出コークによる閉
塞が起り易く、10,000Åを超えるような著しく大
きい細孔では毛管圧による重質油の細孔内への吸引力が
不充分となるとともに粒子が脆弱となるので、不適当で
ある。
さらに、本発明で使用する微粉状物は、重量平均径が
0.025〜0.25mm、好ましくは0.04〜0.1
2mmで、実質的に球形のものである。しかも、本発明で
使用する微粉状物は、これらの性状が使用温度において
も安定に保たれるものであることが要求される。
このような微粉状物による流動層は、いわゆる微粉流動
層と呼ばれるもので、それ以上の大きな粒子よりなるい
わゆる粗粒流動層に比して、流動層内に発生する気泡が
小さく、流動層の圧力変動も少なく、きわめて均一な流
動状態を示すものである〔池田米一:「化学機械技
術」、18巻191−218頁(1966)およびMiya
uchiet al:〔Advances in Chem.Eng.」、Vol.11p 275〜44
8(1981)参照〕。このような均一な流動状態において
は、熱分解やガス化反応に際して、熱や物質の移動が促
進され、かつ運転操作が容易であり、粒子および装置の
摩耗がきわめて少なくなる。
本発明に適した微粉状物の具体例としては、主としてア
ルミナ質およびシリカ質の流動触媒用の担体、FCC法
で使われているシリカ−アルミナ質触媒の劣化品、同じ
くアルミノシリケートゼオライ質触媒の劣化品、特殊な
球状活性炭、天然の多孔質鉱物の破砕品粒子などおよび
それらの混合物などが挙げられる。しかし、本発明での
微粉状物は前述したような性状をもつものであればよ
く、これらに限られるものではない。しかも、重質油の
分解反応に対して該微粉状物が触媒作用をもつ必要性は
ない。
以上の微粉状物の中で特に好ましいものは、アルミナ質
の流動触媒用担体である。これは、耐熱性に優れてお
り、使用時の粒子性状の変化がきわめて僅かである。
なお、本発明ではこの微粉状粒子の「細孔容積」とは、
単位重量の多孔質体に含まれる細孔の全容積をいい、通
常は水などの液体中で多孔質体を加熱煮沸したのち取出
して、表面がちょうど乾いた状態で測定した重量増を液
体の比重で除することによって求められる。
熱分解工程 熱分解用の反応器は、微粉流動層を収容する垂直容器で
あり、通常は縦長の円筒である。反応器の下端には流動
化ガスの送入口、中間には原料油の送入口、上端にはサ
イクロンおよびディップレッグ等の飛散粒子の回収設備
を通って熱分解生成物の排出口がある。反応器には、ま
た、主として再生工程からの循環粒子の流入口および主
として再生工程への循環粒子の排出口が設けられてい
る。なお、反応器内には適宜熱交換器や多孔板等の内挿
物を設けても差支えない。
本発明の特色は、熱分解工程のガスの水素分圧を約0.
5〜約5kg/cm2におよび全圧を約1〜約10kg/cm2−G
に保持する点にある。なお、ここで言う水素分圧および
全圧は、熱分解反応器の頂部における値を意味する。
前述したように、熱分解工程のガスの水素分圧を約0.
5〜約5kg/cm2に保持することにより、重質油への水素
添加反応を殆んど進行させることなしに、即ち水素の消
費を伴うことなしに、重質油中の前記重金属類に基因す
る重質油の接触的脱水素反応を抑制することができる。
熱分解工程のガス中の水素分圧が約5kg/cm2超過、特に
7kg/cm2前後、になると重質油の水素添加反応が進行し
易くなり、更に約10kg/cm2以上になると水素添加反応
が主体になる。また、水素分圧が約0.5kg/cm2未満、
特に0.3kg/cm2前後、になると、前記重金属類による
重質油の接触的脱水素反応を抑制できなくなる。
本発明の実施に当って、熱分解工程のガスの水素分圧を
前記範囲内に保持するには、全圧を上昇させると共に流
動化ガスとして水素含有ガスを用いる必要が生じる。全
圧の上昇は機器の耐圧が要求されると共に運転操作が困
難となるので、それをあまり高めることは好ましいこと
ではない。本発明では熱分解工程の全圧は約1〜約10
kg/cm2−Gに保持すれば充分である。
流動化ガスとして用いられる水素含有ガスとしては、熱
分解工程の水素分圧を前記範囲内に保持できるものであ
ればよく、高純度水素ガスの外に、高純度水素ガスと水
蒸気、炭酸ガス、一酸化炭素、炭化水素、窒素およびそ
れらの混合物との混合ガスが挙げられる。例えば、特に
有利なものとしては、本工程での熱分解生成物から分解
油、水蒸気その他の凝縮性成分を除去した非凝縮性分解
ガスが挙げられる。また、後記再生工程で得られる還元
性ガス化ガスの一部を使用することもできる。なお、こ
の還元性ガス化ガスは未反応水蒸気、一酸化炭素、硫化
水素その他のガスを含むので、脱水、一酸化炭素の水性
ガス転換、脱炭酸、脱硫などの少なくとも一つの操作を
行なうことによって水素濃度を高めたものを使用するの
が好ましい。
また本発明を効果的に実施するには、流動化粒子上にあ
る程度、即ち約0.5重量%、以上の重金属類の蓄積が
必要である。重金属類の蓄積量がそれ未満である場合に
は、重金属類による脱水素作用が少ないので、本発明を
実施する必要はない。しかしながら、重金属蓄積量が少
ないときは本発明の実施によって分解油の硫黄含有量や
窒素含有量の著しい低下がみられる(後記表1参照)の
で、Ni、V、Fe等の重質油中に含まれている遷移金
属類の適当量を予め流動化粒子に付着させたものを用い
て、本発明を実施することもできる。本発明がその効果
を発揮するためには、粒子上に析出した重金属類の量が
約0.5重量%以上、特に約1重量%以上、であること
が好ましい。なお析出重金属量の増大は脱水素作用を増
大させるが、本発明の実施条件下ではその抑制作用も増
大させるので、重金属析出量の上限については、特に厳
しい制限はない。しかし、例えば30重量%超過という
ような著しく多量の重金属類の蓄積は、粒子の細孔容積
を減少させて本発明の本来の機能を与える微粉状粒子の
容量効果が失なわれるので、避けるべきである。粒子上
の析出金属量が約2〜約20重量%の範囲内で操業する
のが特に好ましい。重金属重量%は粒子重量基準であ
る。
熱分解を行なう流動層の温度は、約380〜600℃が
適当である。好ましい温度は430〜550℃であっ
て、この温度範囲において生成油の収率が最高となる。
原料油や水素含有ガス等は適宜予熱して送入されること
が好ましい。
流動化ガスとしての水素含有ガスの送入量は、良好な流
動状態保持のため、水蒸気含有ガスを使用する従来法と
同一の流動層内ガス上昇速度を保つように調節するのが
好ましい。即ち、流動層内ガス上昇速度を空塔速度とし
て5〜160cm/秒程度にするのがよく、特に10〜8
0cm/秒程度とするのが好ましい。
なお本発明では、微粉状物上の析出コークがその細孔内
に留ることから、析出コーク量が増大しても良好な流動
状態が維持されるので、熱分解工程と再生工程との間の
循環粒子量は通常の方式に比べて著しく低下させること
ができ、原料重質油の供給量に対して通常1〜6重量部
で充分である。
熱分解生成物 本発明の熱分解工程から得られる生成油は、常温で液状
であって、たとえばナフサ留分(沸点170℃以下)、
灯軽油留分(沸点、170〜340℃)、軽油留分(沸
点、340〜540℃)および重質油留分(沸点、54
0℃以上)からなるものである。生成油は、本発明方法
が多孔質体粒子の容量効果を利用した熱分解反応に基づ
くものであることから、従来の触媒分解法と異なってナ
フサ留分が少なく、灯軽油留分や軽油留分などの中間留
分が多い。また、重質油留分は極めて少ない。
このような常温液状の油の外に、熱分解によって発熱量
が約5,000〜10,000Kcal/Nm3の水素を含有す
る分解ガスが発生する。この分解ガスは、好ましい態様
において、前述したように、分解油、水蒸気その他の凝
縮性成分を除去した後、熱分解工程の流動化ガスとして
循環・使用することができる。
再生工程 再生操作 この工程の目的は、主として、微粉状物細孔内の析出コ
ークのガス化除去および微粉状物に対して熱分解工程で
必要な熱量の賦与にある。使用済み微粉状物の再生は、
使用済み微粉状物を流動状態で分子状酸素含有ガスおよ
び水蒸気含有ガスと接触させることからなる。
再生用の反応器は、微粉流動層を収容する垂直容器であ
って、通常は縦長の円筒である。反応器の下端には分子
状酸素含有ガスおよび水蒸気含有ガスの送入口、上端に
はサイクロンおよびディップレグ等を通って生成ガスの
排出口、ならびに熱分解工程からの循環粒子の流入口お
よび熱分解工程への循環粒子の排出口が設けられてい
る。なお、反応器内には適宜熱交換器や多孔板等の内挿
物を設けても差支えない。
従来再生工程では流動化ガスとして空気のみが送入され
るのが通例であったが、本発明では流動化ガスとして酸
素含有ガスに適当量の水蒸気を併用して、還元性ガス化
ガスを生成させてもよい。
本発明の実施に当っては、ガス化反応を充分に進行さ
せ、COおよびHの含量の高い還元性ガス化ガスを得
るのが有利である。還元反応を充分に進行させるため
に、微粉状物に対してコークの付着量を約5〜約20重
量%とすることが好ましい。また同じ理由から、微粉状
物の流動化している温度を高めて反応速度を大きくする
ことが好ましく、反応温度は約700℃以上、特に75
0〜1,000℃程度、とすることが好ましい。
さらに、生成ガスは還元反応が充分に進行する時間流動
層内に滞在する必要があるので、流動層高は出来るだけ
高く保つべきであり、生成ガスの見掛け接触時間(即ち
流動層高/ガス空塔速度比)は約5〜約50秒であるこ
とが好ましい。
また、ガス化ガス中の不活性成分(例えば窒素)の含量
を低くする、即ちCOおよびHの含量を高くするた
め、流動化ガスとして高濃度酸素含有ガスを使用するこ
とが好ましい。
流動化ガスは、適宜予熱して送入されることが好まし
い。流動化ガスは、少量の水素、一酸化炭素、二酸化炭
素、窒素、炭化水素およびそれらの混合物などを混合し
たものでもよい。
流動層内のガス成分の上昇速度は、空塔速度として5〜
160cm/秒、好ましくは10〜80cm/秒、程度であ
る。圧力は熱分解工程の圧力と同程度とするのがよく、
約1〜約10kg/cm2−Gの範囲に保持される。
流動層における反応は、流動状態によって著しく進行状
態が異なるものである。たとえば、流動層内に大気泡が
発生すると、その気泡は充分に粒子と接触することな
く、未反応のまま流動層を吹き付けてしまう。従って、
流動層で還元反応を充分に進行させるためには、大気泡
が発生せず、小気泡が流動層内に均一に分散した良好な
流動状態が必要となる。
本発明は典型的な微粉流動物であり、極めて均一で良好
な流動状態を示すので、強還元性ガスを得るに充分な程
度にまで容易に還元反応を進行させることができる。
また、本発明では再生工程を、特開昭58−18059
0号公報に提案されているように、微粉状物に付着した
コークの水蒸気によるガス化と分子状酸素による燃焼と
からなるようにし、しかも生成した還元性ガス化ガスと
燃焼ガスとを別々に取出す態様を採取することもでき
る。
再生工程生成ガス 再生工程では、COおよびHの含量の高い還元性のガ
ス化ガスが得られる。このガス化ガスは、発熱量が約
2,000Kcal/Nm3以上と高く、燃料および合成用原料
ガスとして有用なものである。なお、この還元性ガス化
は、前述したように、そのまままたは必要に応じ脱水、
一酸化炭素の水性ガス転換、脱CO、脱HSなどの
少なくとも一つの処理を受けた後に、熱分解工程での流
動化ガスとして使用することができる。
フローシート 図は、本発明による熱分解を実施するためのフローシー
トの一例を示すものである。
図において1は重質油を熱分解するための熱分解反応器
であり、2が熱分解反応で微粉状物に付着したコークを
ガス化除去するための再生反応器である。3が熱分解に
よる生成物を冷却して生成油と分解ガスとに分離するた
めの冷却器である。
管路4からの水素または水素含有ガスが、所望により管
路5からの水蒸気または水蒸気含有ガスと混合されて、
所定の水素分圧を有する水素含有ガスとして管路6から
熱分解反応器1の底部に送入される。また熱分解反応器
には管路7から原料重質油が単独または水蒸気などと共
に送入される。熱分解反応器内に充填された微粉状物は
上記送入物によって流動化し、所定の圧力下に主として
原料重質油の送入位置の上方では熱分解反応が進行し、
それより下方では多孔板8を通過して流動降下しなが
ら、微粉状物の細孔内に保持されている生成油がストリ
ッピングされる。
熱分解生成物は、塔頂に設けられたサイクロン9および
ディップレッグ10によって同伴する微小粒子を除去さ
れて、管路11を通って冷却器3に至る。そこで凝縮し
た液状物すなわち生成油は受器12に分離され、非凝縮
性ガスすなわち分解ガスは管路13を経て系外に取出さ
れる。
好ましい態様においては、管路13を経て取出された非
凝縮性分解ガスが、水素含有ガスとして、所定の圧力下
に管路28を通って管路4に入り、管路6から熱分解反
応器の底部に(循環)送入される。
熱分解の結果コークスが付着した微粉状物は底部の管路
14から排出され、管路15からの窒素または水蒸気等
のガスによるエゼクター16により管路17を通ってサ
イクロン18およびディップレッグ19を経て再生反応
器2に送られ、窒素または水蒸気等のガスは管路20か
ら系外へ排出される。
管路21からの水蒸気または水蒸気含有ガスおよび管路
22からの分子状酸素含有ガス、すなわち高濃度酸素含
有ガスまたは純酸素は混合されて、管路23から再生反
応器底部に送入される。熱分解反応器から送られてき
て、再生反応器に充填されたコーク付着微粉状物は、管
路23からの送入ガスによって流動化されて、付着コー
クの一部がガス化される。生成した還元性ガス化ガス
は、再生反応器の頂部に設けられたサイクロン24およ
びディップレッグ25によって同伴する微小粒子を除か
れて、管路26から系外に取出される。ガス化反応を受
けた微粉状物は、溢流管27を通って熱分解反応器へ循
環される。
また、所望により、管路28からの非凝縮性分解ガスの
循環使用に代えて、管路26から抜出された還元性ガス
化ガスの一部が、管路29を通ってガス処理装置30に
導かれて、ここで脱水、COの水性ガス転換、脱C
2、脱H2Sなどの少なくとも一つの処理を受けた後、
管路31を通り、管路4を経て管路6から熱分解反応器
の底部に(循環)送入される。
実施例 (1)実験装置 図示したものと同様な実験装置を用いた。熱分解反応器
は内径が5.4cm、流動層部の高さが約1.8mの円筒
状であり、原料重質油の送入管は下端より0.6mの位
置にあり、その上方1.2mが主として熱分解反応域で
あり、その下方約0.6mがストリップ域になってい
る。ストリップ域には、開孔面積が流動層水平断面積に
対して約20%の多孔板を10cm間隔で5枚設置した。
再生反応器は内径が8.1cm、流動層部の高さが約1.
5mである。装置は全てステンレス鋼製である。
(2)実験条件 共通事項 流動化粒子として流動触媒担体用のアルミナ質多孔質体
の微粉状物または該微粉状物にNiおよびV成分を付着
させたもの約3kgを熱分解反応器に充填した。熱分解反
応器の底部の送入管から約400℃に予熱した水蒸気ま
たは(および)純水素を所定量送入し、原料油の送入管
から約300℃に予熱した重質油600g/時間を約4
00℃に予熱した水蒸気50g/時間とともに噴霧して
送入した。熱分解反応器の底部からコークの析出した微
粉状物を連続的に排出させ、窒素によって再生反応器へ
約2.5kg/時間で輸送した。
再生反応器の底部の送入管からは約400℃に予熱した
水蒸気および常温の酸素を所定量送入した。ガス化反応
によって析出コークが除去された微粉状物は溢流管を通
して、熱分解反応器に循環した。
外部からの電気加熱により、熱分解反応器の流動層温度
を450℃に、また再生反応器の流動層温度を820℃
に、夫々維持した。なお圧力は後記するように約2〜約
5kg/cm2−Gの範囲内の一定値に保持した。熱分解反応
器におけるガス空塔速度は約12cm/秒である。
熱分解生成物は水およびブラインで常温まで冷却し、水
ともに生成油を凝縮させて、分解ガスと分離した。
原料重質油は減圧残渣油であり、次のような性状のもの
である。
比重=1.026、重質油留分(融点540℃以上)=
93重量%、CCR=21.9重量%、硫黄分=5.9
重量% 比較例1 流動化粒子として流動触媒担体用のアルミナ質多孔質体
の微粉粒子を用い、熱分解反応器の底部の送入管から水
蒸気778g/時間を送入し、該反応器頂部圧2kg/cm2
−Gで重質油の熱分解を実施した。また再生反応器の底
部の送入管からは水蒸気600g/時間および酵素7N
リットル/時間を送入した。
熱分解反応器の頂部水素分圧は0.01kg/cm2であっ
た。なお、使用した微粉状物は、次の性状を示すもので
ある。
嵩密度=0.39g/cm3、細孔容積=1.36cm3
g、比表面積=320m2/g、平均細孔径=260Å、
重量平均径=0.068mm 比較例2 重質油の熱分解に対する重金属類の影響を調べるため、
比較例1で使用したのと同じ物性のアルミナ質多孔質体
の微粉状物に、Ni成分を1.5重量%およびV成分を
4.0重量%(何れも微粉状物基準)通常の含浸法によ
り沈着させたものを、流動化粒子として用い、比較例と
同一の反応条件下に重質油の熱分解を実施した。
なお、熱分解反応器の頂部水素分圧は、熱分解時の重金
属類の影響による脱水素反応により0.39kg/cm2に上
昇した。
実施例1 比較例2で使用したのと同じ微粉状物を流動化粒子とし
て用い、熱分解反応器の底部の送入管から水蒸気226
g/時間および純水素690Nリットル/時間を送入
し、該反応器頂部圧2kg/cm2−Gで重質油の熱分解を実
施した。また再生反応器の底部の送入管からは水蒸気6
00g/時間および純酸素110Nリットル/時間を送
入した。
なお、熱分解反応器の頂部水素分圧は2.0kg/cm2であ
った。
実施例2 流動化ガスとして熱分解反応器の底部の送入管から純水
素970Nリットル/時間を送入(従って該反応器への
送入水蒸気は重質油と同時に送入された50g/時間の
み)した点以外は実施例1と同一の反応条件下に重質油
の熱分解を実施した。ただ、再生反応器の底部の送入管
からは水蒸気600g/時間および純酸素70Nリット
ル/時間を送入した。
なお、熱分解反応器の頂部水素分圧は2.7kg/cm2であ
った。
実施例3 比較例2で使用したのと同じ微粉状物を流動化粒子とし
て用い、熱分解反応器の底部の送入管から純水素1,3
10Nリットル/時間を送入し(従って、該反応器への
送入水蒸気は重質油とともに送入された50g/時間の
み)、該反応器頂部圧3kg/cm2−Gで重質油の熱分解を
実施した。また再生反応器の底部の送入管からは水蒸気
800g/時間および純酸素50Nリットル/時間を送
入した。
なお、熱分解反応器の頂部水素分圧は3.7kg/cm2であ
った。
比較例3 比較例2で使用したのと同じ微粉状物を流動化粒子とし
て用い、熱分解反応器の底部の送入管から純水素2,0
00Nリットル/時間を送入し(従って、該反応器への
送入水蒸気は重質油とともに送入された50g/時間の
み)、該反応器頂部圧5kg/cm2−Gで重質油の熱分解を
実施した。また再生反応器の底部の送入管からは水蒸気
1,000g/時間および純酸素60Nリットル/時間
を送入した。
なお、熱分解反応器の頂部水素分圧は5.7kg/cm2であ
った。
(3)実験結果 前記各実験例において、重質油供給開始後約5時間を経
て、略々定常状態に達したと思われる1時間にわたって
実験データを得た。分解油収率とその組成、分解ガス収
率とその組成およびコーク収率を夫々表1〜3に示す。
なお、再生工程においては、全実験例を通じて乾ガス基
準でCO20〜40容量%、CO20〜40容量%、
30〜50容量%およびHS2〜3容量%の組成
のガスが550〜800Nリットル/時間生成した。
また、微粉状粒子に付着した炭素は常法で測定したとこ
ろ熱分解反応器内で約15〜約20重量%、再生反応器
内で約5〜約10重量%(何れも微粉状物基準)であ
り、1時間の実験前後の変化は約1重量%以内に保持さ
れた。
表1より、分解油生成収率において、流動化粒子の付着
重金属類の影響により、比較例2では比較例1と比べ約
8%もの収率低下がみられるが、熱分解反応器内をある
範囲の水素分圧下におくことによって、流動化粒子の重
金属汚染前の収率と略々同程まで回復することがわか
る。また水素の存在により、常法より硫黄分や窒素分の
少ない良質な分解油の得られることがわかる。
表2より、流動化粒子の付着重金属類の影響により、比
較例2では比較例1と比べ約35倍量のHの発生がみ
られるが、熱分解反応器内をある範囲の水素分圧下にお
くことによって、流動化粒子の重金属汚染前の程度ま
で、H発生量を抑制し得ることがわかる。また比較例
3から、熱分解反応器の水素分圧がある範囲を超える
と、逆に水素の消費がはじまり、分解油の水素添加反応
の発生が明らかになる。
コークの収率 表3より、流動化粒子の付着重金属類の影響により、比
較例2では比較例1と比べコーク収率が約1.5倍増加
しているが、熱分解反応器内をある範囲の水素分圧下に
おくことによって、流動化粒子の重金属汚染前の程度ま
で、コーク収率を抑制し得ることがわかる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の一実施態様を示すフローチャートであ
る。 1…熱分解反応器、2…再生反応器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−10587(JP,A) 特開 昭57−18783(JP,A) 特開 昭58−180590(JP,A) 特開 昭53−104588(JP,A) 特開 昭57−123289(JP,A) 特開 昭56−4686(JP,A) 特公 昭29−7321(JP,B1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動化ガスによって流動化している多孔質
    体の微粉状物に重質油を接触させて熱分解して主として
    軽質油を得る熱分解工程と、この熱分解工程から抜き出
    した微粉状物を分子状酸素含有ガスないし水蒸気含有ガ
    スによって流動化させながら該微粉状物に付着している
    コークをガス化して除去する再生工程とを、この両工程
    間に該微粉状物を循環させながら実施する方法におい
    て、該微粉状物として、細孔容積が0.2〜1.5cm3
    /gであり、比表面積が5〜1500m2/gであり、平
    均細孔径が10〜10,000Åであり、重量平均径が
    0.025〜0.25mmであるような微小球状粒子であ
    り、しかもこれらの性状が使用温度においても安定に維
    持されるもの、を使用すること、および熱分解工程に水
    素ガスを存在させて水素分圧を約0.5〜約5kg/cm2
    保持し且つ同工程の全圧を約1〜約10kg/cm2−Gに保
    持して、使用重質油中の重金属に基因する重質油の過分
    解反応を抑制すること、を特徴とする、重質油の熱分解
    法。
  2. 【請求項2】熱分解工程の流動化ガスの少なくとも一部
    として、熱分解工程で発生した熱分解ガス中の非凝縮性
    ガスを使用する、特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】熱分解工程の流動化ガスの少なくとも一部
    として、再生工程で発生した還元性ガス化ガス、その精
    製ガスまたはその水蒸気変性ガスの一部を使用する、特
    許請求の範囲第1〜2項のいずれか1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】熱分解工程での微粉状物が、重金属を0.
    5〜30重量%担持させたものである、特許請求の範囲
    第1〜3項のいずれか1項に記載の方法。
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