JPH0665122A - tert−ブチルヒドロペルオキシド及びtert−ブチルアルコールの回収方法 - Google Patents

tert−ブチルヒドロペルオキシド及びtert−ブチルアルコールの回収方法

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JPH0665122A
JPH0665122A JP2407191A JP40719190A JPH0665122A JP H0665122 A JPH0665122 A JP H0665122A JP 2407191 A JP2407191 A JP 2407191A JP 40719190 A JP40719190 A JP 40719190A JP H0665122 A JPH0665122 A JP H0665122A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 tert- ブチルアルコール溶液中、可溶性モリ
ブデン触媒の存在下、プロピレンをtert- ブチルヒドロ
ペルオキシドと反応させることによって形成される反応
混合物を分けてプロピレンオキシド及びtert- ブチルア
ルコールを回収する。 【構成】 重質液状蒸留分の5〜10重量%の1〜3個
の炭素原子を有する低級脂肪族と重質液状蒸留分との混
合物を、流下薄膜型エバポレータ中、20〜150℃の
温度及び1〜200mm Hg の圧力下で分離して、tert-
ブチルヒドロペルオキシド、tert- ブチルアルコール等
を含む液状残留分ならびに、重質液状蒸留分のうち80
〜95重量%からなり、仕込まれた低級脂肪族アルコー
ルtert- ブチルアルコール60〜90重量%等を含有す
る蒸発塔頂分を得て、低級脂肪族アルコールを蒸発塔頂
分の他の成分から分離し、分離された低級脂肪族アルコ
ールを、低級脂肪族アルコールとして、流下薄膜型エバ
ポレータに再循環させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、tert- ブチルアルコー
ル溶液中、可溶性モリブデン触媒の存在下、プロピレン
をtert- ブチルヒドロペルオキシドと反応させることに
よってプロピレンオキシド及びtert- ブチルアルコール
を製造する際に形成される反応混合物を成分に分ける方
法における改良に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】上述の反応混合物は、
通常、未反応プロピレン、プロピレンオキシド、未反応
tert- ブチルヒドロペルオキシド、可溶性モリブデン触
媒及び、C1 〜C4 脂肪族カルボン酸をはじめとする不
純物を含むであろう。この反応混合物は、通常、再循環
プロピレン分、プロピレンオキシド生成分、tert- ブチ
ルアルコール生成分及び重質液状蒸留分をはじめとする
複数の留分へと蒸留によって分離される。最後に挙げた
重質留分は、一般に、tert- ブチルアルコール、未反応
tert- ブチルヒドロペルオキシドならびに溶解したモリ
ブデン触媒の実質的全部及び脂肪族カルボン酸不純物の
一部をはじめとする不純物を含有するであろう。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、1〜3
個の炭素を有する脂肪族アルコール5〜10重量%を重
質液状蒸留分に加える。
【0004】得られる混合物は、流下薄膜型エバポレー
タに仕込まれ、その中で、20〜150℃の温度及び
0.13〜20.66KPa の圧力をはじめとする作業条
件下、脂肪族アルコールの実質的全部及び流下薄膜型エ
バポレータに仕込まれた重質留出分のうち80〜95重
量%を含む塔頂蒸発分へと分離される。塔頂分は、脂肪
族アルコール5〜10重量%、tert- ブチルアルコール
60〜90重量%、tert- ブチルヒドロペルオキシド1
〜20重量%及び、C1 〜C4 カルボン酸不純物の少な
くともいくらかをはじめとする不純物3〜15重量%か
らなるであろう。
【0005】また、本発明を実施することにより、tert
- ブチルヒドロペルオキシド、tert- ブチルアルコール
及び、重質液状留分に含まれていたモリブデンの実質的
全部をはじめとする不純物を含む明澄な液状残留分が得
られる。
【0006】塔頂蒸発分は、蒸留域に仕込まれ、軽質の
脂肪族アルコール留出分及び、tert- ブチルアルコー
ル、tert- ブチルヒドロペルオキシド及び不純物をはじ
めとする塔頂蒸発分の他の成分を含有する重質の蒸留分
に分離される。脂肪族アルコール分は、所望により、原
料混合物の低級脂肪族アルコール成分の少なくとも一部
として流下薄膜型エバポレータに再循環させてもよい。
【0007】
【従来の技術】可溶性モリブデン触媒の存在下、プロピ
レンをtert- ブチルヒドロペルオキシドと反応させて、
プロピレンオキシド及びtert- ブチルアルコールを含む
反応生成物を得ることが公知である。例えば、米国特許
第3,350,422号、第3,351,635号及び
第3,418,340号を参照するとよい。
【0008】また、例えば米国特許第3,480,56
3号、第4,607,113号、第4,626,596
号、第4,650,886号及び第4,703,027
号に開示されているように、その反応に触媒として作用
する可溶性モリブデン触媒を製造することも公知であ
る。
【0009】米国特許第3,860,662号は、酸性
であるとされる反応生成物からのアルコールの回収に関
する塩基による方法であって、塩基性物質、例えばアル
カリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物を反応混合
物に加える方法に関している。米国特許第3,947,
500号は、有機ヒドロペルオキシドとオレフィンとの
反応によって形成される反応生成物を処理する方法であ
って、有機アルコールが副生成物として形成される方法
を開示している。アルコールは脱水する傾向にあり、こ
の問題を少なくとも部分的にでも解消するためには、酸
化生成物をアルカリ金属又はアルカリ土類金属の化合物
で処理するということが述べられている。アルカリ金属
又はアルカリ土類金属の化合物は、エポキシ化反応容器
又は反応生成物に加えることができる。
【0010】米国特許第3,573,226号は、金属
モリブデンをエポキシ化反応生成物の留出釜残分に組み
込んだのち、得られる混合物を加熱することにより、エ
ポキシ化反応に触媒として作用しうる可溶性モリブデン
含有反応生成物を形成する方法を開示している。
【0011】α−オレフィン及びα置換オレフィンをte
rt- ブチルヒドロペルオキシドより不安定なヒドロペル
オキシドによってモリブデンを触媒として使用しながら
エポキシ化する方法は、米国特許第3,862,961
号に従って、臨界量のC3 〜C6 sec-又はtert- 一価ア
ルコール、例えばtert- ブチルアルコールを安定剤とし
て用いることによって実施することができる。米国特許
第3,928,393号によって教示される同様なオキ
シラン製造方法においては、クエン酸を用いて、ヒドロ
ペルオキシドとオレフィンとの反応に悪影響を与えるこ
となく、有機ヒドロペルオキシドの鉄を触媒とする分解
を最小限にしている。米国特許第4,217,287号
の発明者は、酸化バリウムが反応混合物中に存在するな
らば、比較的低いオレフィン:ヒドロペルオキシドのモ
ル比を使用する場合、転換されたヒドロペルオキシドを
基準として良好なエポキシドへの選択性とともに、有機
ヒドロペルオキシドでのオレフィンの接触エポキシ化を
首尾よく実施しうるということを見いだした。α−オレ
フィン系不飽和化合物を有機ヒドロペルオキシドに漸進
的に添加すべきである。
【0012】米国特許第3,931,076号は、過酸
化反応生成物から貴重なモリブデン触媒を回収して再循
環させる方法に関している。3種の技術が開示されてい
る。第一の実施態様に従うと、残留分を焼成して三酸化
モリブデンを得たのち、これを水性アンモニアと反応さ
せることによって可溶性モリブデン化合物を製造する。
第二の実施態様においては、モリブデン含有留分を、焼
成することなく、水性アンモニアで処理してモリブデン
酸アンモニウムを形成し、これをポリアルコールで処理
してモリブデン酸エステルを得る。第三の実施態様にお
いては、モリブデン含有分を気体アンモニアで処理して
モリブデン酸アンモニウムの沈殿物を形成し、これをろ
過によって回収することができる。
【0013】米国特許第3,449,217号は、tert
- ブチルヒドロペルオキシド、tert- ブチルアルコール
及び有機酸ならびに、イソブタンの液相酸化から得られ
るエステルを含む混合物からtert- ブチルヒドロペルオ
キシドを回収する、ヒドロペルオキシドの分解を最小限
に留める方法に関している。これは、生成物が9未満の
効果的なpH値を有している間に蒸留を実施することに
よって行なわれる。反応容器の流出液を中和剤、例えば
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物で処理す
る。
【0014】米国特許第3,819,663号は、この
性質の重質蒸留分を処理して、濃縮された釜残分からモ
リブデンを回収し、それを触媒補充としてエポキシ化反
応域に再循環させる方法に関している。薄膜払拭型蒸発
方法を華氏550〜650度(273〜330℃)の温
度及び大気圧で実施し、触媒の補充として再循環させる
残留分及び、重質蒸留分のうち85%以上を含む留出分
を得る。このようにして得られた留出分は、炉燃料とし
て使用するか、その中に含まれる個々の成分を回収する
ために処理することができる。しかし、米国特許第3,
819,663号は、留分中の個々の成分をいかにして
回収するかについての教示を何ら含んでいない。
【0015】
【実施態様の詳細な説明】本発明は、プロピレンオキシ
ド及びtert- ブチルアルコールを製造する方法であっ
て、tert- ブチルアルコールに溶解したプロピレン及び
tert- ブチルヒドロペルオキシドを、エポキシ化反応域
中、可溶性モリブデン触媒の存在下で反応させて、未反
応プロピレン、未反応tert- ブチルヒドロペルオキシ
ド、tert- ブチルアルコール、溶解したモリブデン触媒
及び、脂肪族C1 〜C4 カルボン酸をはじめとする不純
物を含むエポキシ化反応生成物を得て、このエポキシ化
反応生成物を蒸留域中で分解して、留出プロピレン分、
留出プロピレンオキシド分、留出tert- ブチルアルコー
ル分ならびにtert- ブチルヒドロペルオキシド、tert-
ブチルアルコール、溶解したモリブデン触媒及び、低級
脂肪族C1 〜C4 カルボン酸をはじめとする不純物から
主になる重質液状留出分を得る方法を提供する。本発明
に従うと、該重質液状蒸留分の重量を基準として5〜1
0重量%の1〜3個の炭素原子を有する低級脂肪族アル
コールを該重質液状蒸留分に加え、得られる混合物を、
流下薄膜型エバポレータ中、20〜150℃の温度及び
1〜200mmHg (0.133〜26.7KPa )の圧力
下で分解して、tert- ブチルヒドロペルオキシド、tert
- ブチルアルコール及び該重質液状留分中に含まれてい
たモリブデンの実質的全部をはじめとする不純物を含む
液状残留分ならびに、仕込まれた重質液状蒸留分のうち
80〜95重量%からなり、該流下薄膜型エバポレータ
に当初仕込まれた低級脂肪族アルコールの実質的全部を
含有し、tert- ブチルアルコール60〜90重量%、te
rt- ブチルヒドロペルオキシド1〜20重量%及び、従
って、該脂肪族C1 〜C4 カルボン酸不純物の一部をは
じめとする不純物3〜15重量%を含有する蒸発塔頂分
を得る。該低級脂肪族アルコールを該蒸発塔頂分の他の
成分から分離し、低級脂肪族アルコールの少なくとも一
部として該流下薄膜型エバポレータに再循環させる。
【0016】一つの実施態様に従うと、蒸発塔頂分は1
2未満の酸価を有し、これを該エポキシ化反応域に再循
環させる。
【0017】もう一つの実施態様に従うと、12を超え
る酸価を有する蒸発塔頂分を中和域に仕込み、その中
で、塔頂分に含まれる該脂肪族C1 〜C4 カルボン酸不
純物の当量あたり1/2〜1当量の酸化カルシウム及び
/又は水酸化カルシウムで処理し、該C1 〜C4 カルボ
ン酸不純物のカルシウム塩を含む沈殿した固形分のスラ
リーを得る。このスラリーを分離域に仕込み、その中で
分離して、該低級脂肪族カルボン酸のカルシウム塩を含
む固形分ならびに、12未満の酸価を有し、tert- ブチ
ルヒドロペルオキシド、tert- ブチルアルコール及び減
量された該カルボン酸不純物を含む実質的に固形分を含
まないろ液を得て、そして、このろ液を該エポキシ化反
応域に再循環させる。
【0018】重質蒸留分を、1〜3個の炭素原子を有す
る脂肪族アルコール5〜10重量%と混合し、記載した
蒸発条件下、記載の方法で減圧蒸留にかけると、凝縮器
の表面に通常予期される着氷が実質的に抑制されるとい
うことが、本発明に従って思いがけなく見いだされた。
【0019】プロピレンを、エポキシ化反応域中、可溶
性モリブデン触媒の存在下、tert-ブチルヒドロペルオ
キシドと、tert- ブチルアルコールに溶解した状態で反
応させると、エポキシ化反応混合物が形成される。この
混合物は、未反応原料成分ならびに目的とするプロピレ
ンオキシド及びtert- ブチルアルコールだけでなく、溶
解したモリブデン触媒、酸素含有不純物、例えばジ-ter
t-ブチルペルオキシド、脂肪族C1 〜C4 カルボン酸、
例えばギ酸、酢酸、イソ酪酸など、アルコール、例えば
メタノール、イソプロピルアルコール、tert- ブチルア
ルコールなど、エステル、例えばギ酸メチル、酢酸メチ
ル、イソ酪酸メチルなど、ケトン、例えばアセトンな
ど、アルデヒド、例えばイソブチルアルデヒドなど、及
びプロピレンの望ましくない副反応から得られる炭化水
素不純物、例えば6個以上の炭素原子を有する炭化水素
をはじめとする不純物をも含有するであろう。
【0020】不純物の大部分は元来エポキシ化反応混合
物中に痕跡量で存在するが、エポキシ化反応混合物が蒸
留によってプロピレン再循環分、プロピレンオキシド生
成分及びtert- ブチルアルコール生成分(いずれも留出
分)に分解されるにつれ、不純物は、より重質の蒸留
分、例えば表Iに掲げる組成を有する蒸留分中で漸進的
に濃縮されてゆく。
【0021】 表I 重質蒸留分の組成 成分 濃度(重量%) TBAよりも軽質の不純物 0.1〜2 tert- ブチルアルコール(TBA) 70〜90 TBAよりも重質かつTBHPよりも軽質の不純物 1〜4 tert- ブチルヒドロペルオキシド(TBHP) 2〜20 TBHPよりも重質の不純物 3〜12 モリブデン 500〜5,000ppm
【0022】この留分を、以下場合により、特に実施例
において、「触媒釜残」と言う。
【0023】本発明に従うと、重質液状蒸留分を、重質
液状蒸留分の重量を基準として5〜10重量%の1〜3
個の炭素原子を有する脂肪族アルコールと混合して仕込
み混合物を得て、この仕込み混合物を、20〜150℃
の温度及び0.133〜26.66KPa (1〜200mm
Hg )の圧力下で作動する流下薄膜型エバポレータへの
仕込み原料として使用する。仕込み混合物を流下薄膜型
エバポレータ中で分解して、脂肪族アルコールの実質的
全部及び重質液状残留分のうち80〜95重量%を含む
塔頂分を得る。
【0024】本発明の方法によって流下薄膜型エバポレ
ータから得られる明澄な液状残留分は、その処理に関す
るかぎり、比較的容易に取り扱うことができる液状分で
ある。通常、この残留分は、炭化水素留分から金属を回
収し、その中に含まれるモリブデンを回収して再利用す
る企業に販売されるであろう。
【0025】流下薄膜型エバポレータ中で得られる蒸発
塔頂分は、通常、仕込み混合物中に含まれていた脂肪族
アルコールの実質的全部ならびに、tert- ブチルアルコ
ール60〜90重量%、tert- ブチルヒドロペルオキシ
ド1〜20重量%及び、従って、不純物3〜15重量%
を含有するであろう。通常含まれるであろう不純物に
は、ギ酸、酢酸及びイソ酪酸がある。
【0026】本発明に従うと、流下薄膜型エバポレータ
からの蒸発塔頂分を蒸留域に仕込み、その中で、脂肪族
アルコールを蒸発塔頂分の他の成分から分離して、所望
により系から除去するか、又は、再循環させて重質蒸留
分と混合し、流下薄膜型エバポレータに供給する仕込み
混合物の一部にあてる。
【0027】蒸発塔頂分(すなわち、脂肪族アルコール
が除去されている、モリブデンを含まない留出分)が1
2未満の酸価を有する、つまりC1 〜C4 カルボン酸含
量が1重量%以下であるならば、これを、所望により、
エポキシ化反応域に再循環させてもよい。しかし、蒸発
塔頂分が不純物をより多く含む留分、例えばC1 〜C4
カルボン酸をより高濃度で含有する留分であり、それに
もかかわらず、エポキシ化反応域に再循環されるなら
ば、エポキシ化反応が悪影響を被るおそれがある。過剰
量のカルボン酸の存在は、反応混合物の酸性度の増大が
プロピレンオキシドと、エポキシ化反応混合物中に含ま
れるアルコール、例えばtert- ブチルアルコールとの副
反応を促進する傾向にあるため、プロピレンのプロピレ
ンオキシドへの選択性を低下させる傾向にある。また、
TBHPからPO(プロピレンオキシド)への選択性が
低下する。
【0028】この状態では、不純物をより多く含む、モ
リブデンを含まない留出分を処理して、エポキシ化反応
域に再循環させるに可能となるまでの量の酸性不純物を
除去するとよい。
【0029】したがって、不純物をより多く含む軽質の
蒸発凝縮分を、係属中の欧州特許出願第9030854
6.2号において開示及び請求された方法で、酸化カル
シウム及び/又は水酸化カルシウムによって処理するこ
とができる。これを行なう場合、不純物をより多く含む
軽質の蒸発凝縮分を中和域に仕込み、凝縮分のカルボン
酸含量を基準として1/2〜1当量の酸化カルシウム及
び/又は水酸化カルシウムで処理し、部分的に沈殿した
カルボン酸不純物のスラリーを形成する。この沈殿物を
被処理生成物から適当な手段、例えば遠心分離、ろ過な
どによって分離して、エポキシ化反応域に再循環させる
に適したろ液を得るとよい。
【0030】
【実施例】唯一の図面は、本発明の実施において使用す
ることができる好ましい反応及び精製手順の該略図であ
る。
【0031】この図面は、本発明の方法を実施する好ま
しい方法を説明する概略流れ図である。
【0032】ライン12によってプロピレンを、ライン
14によって可溶性モリブデン触媒を、そしてライン1
6によってtert- ブチルヒドロペルオキシドとtert- ブ
チルアルコールの溶液を、それぞれ、エポキシ化反応域
10に仕込む。
【0033】エポキシ化反応は、米国特許第3,35
1,653号に開示され、例えば英国特許第12982
53号でさらに詳細に述べられているタイプのエポキシ
化反応であり、82〜149℃の温度及び2.17〜
6.99MPa (300〜1,000psig)の圧力、より
好ましくは104〜138℃の温度及び3.55〜5.
62MPa (500〜800psig)の圧力下、プロピレン
をtert- ブチルヒドロペルオキシドと反応させる。
【0034】ライン14によってエポキシ化反応域に仕
込まれる可溶性モリブデン触媒は、当技術、例えば上述
の米国特許第3,351,653号又は英国特許第12
98253号あるいは、モリブデン/アルカノール錯
体、例えばモリブデンを高濃度で含有し、例えば50〜
180℃の温度及び0.9:1〜3.0:1のプロピレ
ン:tert- ブチルヒドロペルオキシドの比でのエポキシ
化反応の触媒として特に有用である、モリブデン化合物
のエチレングリコール溶液に関する米国特許第4,62
6,596号、第4,650,886号、第4,65
4,427号又は第4,758,681号において公知
のタイプのエポキシ化触媒であってもよい。
【0035】ライン16によってエポキシ化反応域10
に仕込まれるtert- ブチルヒドロペルオキシドは、tert
- ブチルヒドロペルオキシド40〜75重量%のtert-
ブチルアルコール溶液であることが適当である。触媒
は、仕込まれる反応体の総量を基準としてモリブデン5
0〜1,000 ppm、より好ましくは200〜600pp
m が含まれる量を、仕込みライン14によってエポキシ
化反応域10に仕込む。反応は、過圧下、例えば300
〜1,000psig(2.17〜6.99MPa )で実施す
ることが好ましい。
【0036】反応を図に示すような連続法で実施する場
合、原料物質は、反応体の所望の濃度を維持するに充分
な速度でライン12、14及び16を介してエポキシ化
反応域に仕込み、当量のエポキシ化反応混合物を排出ラ
イン18によってエポキシ化反応域10から回収する。
ライン18によって排出される反応混合物は、通常、未
反応プロピレン、少量の未反応tert- ブチルヒドロペル
オキシド、プロピレンオキシド、tert- ブチルアルコー
ル(tert- ブチルヒドロペルオキシドとプロピレンの反
応によって形成されるtert- ブチルアルコールを含
む)、モリブデン触媒ならびに不純物、例えばプロパ
ン、プロピオンアルデヒド、アセトン、メタノール、イ
ソプロパノール、水、アセトアルデヒド、ギ酸メチル、
酢酸、ギ酸、イソ酪酸、6個以上の炭素原子を有する炭
化水素及び高沸点残留成分を含むであろう。
【0037】反応生成物18は、エポキシ化反応生成物
蒸留域20に仕込まれ、その中で、当業者に公知である方
法、例えば英国特許第1298253号に開示された蒸
留手順に従って、目的とする留分へと蒸留によって分離
される。
【0038】蒸留域20において回収される留出生成物
の一つはプロピレン分であり、これは、弁24によって
制御され弁28によって制御されるライン26が分岐し
ているライン22によって排出され、未反応プロピレン
をプロピレン仕込みライン12を介してエポキシ化反応
域10に再循環させることが可能になる。
【0039】得られるもう一つの留出分は、プロピレン
オキシド生成分30であり、ライン30によって排出さ
れる。
【0040】プロピレンオキシド分を、プロピレンオキ
シド精製域(図示せず)において、公知の技術、例えば
米国特許第3,715,284号、第3,909,36
6号、第3,881,996号、第3,607,669
号、第3,843,488号又は第4,140,588
号に開示されたものによって精製してもよい。
【0041】蒸留域20から回収されるもう一つの生成
物は、tert- ブチルアルコール留出生成物40であり、
これを、所望により、例えば米国特許第4,704,4
82号、第4,705,903号又は第4,742,1
49号に開示された接触処理によってさらに精製して、
酸素添加不純物を除去してもよい。
【0042】通常は釜残分である重質蒸留分50もま
た、蒸留域20から排出される。米国特許第3,81
9,663号及び第4,455,283号に記載のよう
に、重質蒸留分は、ライン14によってエポキシ化反応
域10に当初に仕込まれたモリブデン触媒の実質的全部
を含有するであろう。重質留分50は、他の生成物、例
えばtert- ブチルヒドロペルオキシド、tert- ブチルア
ルコールならびに、tert-ブチルアルコールよりも軽質
の酸素含有有機化合物、例えばアセトアルデヒド、アセ
トン、イソプロピルアルコールなど、tert- ブチルアル
コールよりも重質かつtert- ブチルヒドロペルオキシド
よりも軽質の酸素含有有機化合物及びtert-ブチルヒド
ロペルオキシドよりも重質の残留成分、例えばプロピレ
ングリコール-tert-ブチルエーテル、6個以上の炭素原
子を有する炭化水素などをはじめとする不純物を含有す
るであろう。先に述べたように、重質蒸留分50はま
た、カルボン酸、例えばギ酸、酢酸及びイソ酪酸をも含
有するであろう。
【0043】本発明に従うと、重質液状蒸留分の重量を
基準として5〜10重量%の1〜3個の炭素原子を有す
る脂肪族アルコール、例えばメタノール、エタノール、
n-プロパノール又はイソプロパノール、好ましくはn-プ
ロパノールを、弁73によって制御される仕込みライン
72を介してライン50に仕込み、流下薄膜型エバポレ
ータ60に供給する。
【0044】また、本発明に従うと、薄膜払拭型エバポ
レータであることが好ましい流下薄膜型エバポレータ6
0を、20〜150℃の温度及び0.13〜26.66
KPa(1〜200mm Hg )の圧力下で作動させる。仕込
み混合物が流下薄膜型エバポレータ60中に滞留する平
均時間は、ライン50を介して仕込まれる物質の80〜
95重量%がライン62を介して蒸留分として塔頂へ運
ばれる程度である。ライン50を介して仕込まれる物質
のうち残る5〜20重量%は、釜残排出ライン64を介
して流下薄膜型エバポレータ60から排出される。留分
64は、エポキシ化反応域10から当初に排出されたモ
リブデンの実質的全部を含有するであろう。
【0045】仕込み混合物50を記載の方法及び条件の
下で流下薄膜蒸発にかける場合、少量の低級アルコール
(5〜10重量%)を添加することによって、凝縮器壁
部へのTBAの着氷を防止しうるということが、本発明
に従って思いがけなく見いだされた。
【0046】ライン62によって薄膜払拭型エバポレー
タから排出される蒸発分は、ライン50を介して薄膜払
拭型エバポレータ60に仕込まれたプロパノールを実質
的にすべて含有し、また、tert- ブチルアルコール60
〜90重量%、tert- ブチルヒドロペルオキシド1〜2
0重量%及び不純物3〜15重量%からなるであろう。
【0047】本発明に従うと、流下薄膜型エバポレータ
60からの蒸発分62は蒸留域80に仕込まれ、その中
で、モリブデンを含まない留出分が分離され、これが、
弁86によって制御されるライン84によって排出さ
れ、系から除去されるか、又は弁89によって制御され
る分岐ライン88を介してプロパノール仕込みライン7
2へと再循環される。重質蒸留分(例:釜残分82)
は、プロパノールを実質的に含まず、tert- ブチルアル
コール、tert- ブチルヒドロペルオキシド及びライン6
2によって蒸留カラム80に仕込まれた他の不純物を含
む。
【0048】ライン82によって蒸留域80から排出され
たモリブデンを含まない留出分が12以下の酸価を有す
る(すなわち、C1 〜C4 脂肪族カルボン酸1重量%以
下を含有する)ならば、これを、弁68によって制御さ
れるtert- ブチルヒドロペルオキシド再循環ライン66
によってtert- ブチルヒドロペルオキシド仕込みライン
16に回してもよい。先に述べたように、モリブデンを
含まない留出分82の酸価が12を超え、それをエポキ
シ化反応域10に再循環させるならば、プロピレンのプ
ロピレンオキシドへの選択性及びTBHPのプロピレン
オキシドへの選択性が悪影響を被るおそれがある。この
状態では、モリブデンを含まない留出分82を、弁20
3によって制御される分岐ライン202によって系から
破棄してもよい。しかし、本発明の好ましい実施態様に
従うと、モリブデンを含まない留出分82を弁205に
よって制御される分岐ライン204によって中和域20
8に回し、酸価を許容しうる12以下の値にまで低下さ
せる。
【0049】この実施態様に従うと、モリブデンを含ま
ない留出分82を、欧州特許出願第90308546.
2号に記載され、請求されている方法によって処理す
る。
【0050】このため、適当な撹拌手段、例えば羽根車
を207 を備えたオートクレーブ208を用いてもよい。
弁205を介して留分204をオートクレーブ208に
連続的に仕込み、それとともに、留分204に含まれる
カルボン酸を基準として1/2〜1当量の粉末状の酸化
カルシウム及び/又は水酸化カルシウムを、仕込みライ
ン206を介してオートクレーブ208に連続的に仕込
む。適当な中和条件、例えば70〜100℃の温度、1
/4〜5時間の滞留時間及び大気圧などの圧力をオート
クレーブ208中に設定する。その結果、酸化カルシウ
ム及び/又は水酸化カルシウムがオートクレーブ208
中に含まれるカルボン酸と部分的に反応して沈殿物を形
成する。得られるスラリーをオートクレーブ排出ライン
210によってオートクレーブ208から排出して分離
域220(例:遠心分離域、ろ過域など)220に回
し、この中でスラリーを分離して、ライン222によっ
て排出される沈殿したカルボン酸のカルシウム塩を含む
固形分ならびに、tert- ブチルアルコールとtert- ブチ
ルヒドロペルオキシドとの部分的に精製された液流を含
む、12以下の酸価を有するろ液分を得て、このろ液分
を排出ライン224によって貯蔵タンク230に排出す
る。所望により、tert- ブチルアルコール及びtert- ブ
チルヒドロペルオキシドを含む部分的に精製されたろ液
分224を、弁234によって制御されるライン232
によって貯蔵タンク230から排出し、tert- ブチルヒ
ドロペルオキシド再循環ライン66を介してエポキシ化
反応域10に再循環させてもよい。所望により、ろ液分
224を、弁238によって制御されるライン236に
よって貯蔵タンク230から排出し、別の目的に、例え
ばボイラー燃料として使用してもよい。
【0051】本発明を以下の具体的な実施例によってさ
らに説明する。
【0052】実施例 表II及びIII には、条件及び結果をまとめる。
【0053】実験No. 1は、標準の回転式エバポレータ
中、表IIに記載の原料及び条件を用いて実施した比較対
照用の蒸発である。この比較対照実験においては、塔頂
のTBAが広範囲に凍結及び結晶化したことに注目する
こと。純TBAは約25℃で凍結する。これは市販レベ
ルで深刻な問題を呈する。実験2〜5においては、n-プ
ロパノールを原料(エポキシ化触媒釜残)に添加した。
5%又はそれを超える値(4.26%)では、凝縮器の
コイル又は受槽フラスコの口部に凍結は見られなかっ
た。このn-プロパノールの添加は、酸価によって測定さ
れる他の物質収支、例えばTBHP収支、モリブデン収
支又は酸収支に悪影響を及ぼさないように思われた。
【0054】要約すると、最終的な蒸発及び触媒の濃縮
の前にn-プロパノールをエポキシ化触媒釜残に添加する
と、市販目的の操業を深刻に損なうであろう、凝縮器
(熱交換器)中の凍結を回避することができるであろ
う。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施において使用することができる好
ましい反応及び精製手順の該略図である。
【符号の説明】
10 エポキシ化反応域 20 蒸留域 60 流下薄膜型エバポレータ 80 蒸留域 208 中和域 220 分離域 230 貯蔵タンク
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 301/32 (72)発明者 ケネス・パトリック・キーティング アメリカ合衆国、テキサス 78626、オー スチン、オークウッド・ドライブ 204 (72)発明者 ロバート・アレン・メイヤー アメリカ合衆国、テキサス 78731、オー スチン、スート237、ドライ・クリーク・ ドライブ 3839 (72)発明者 ジョン・ロナルド・サンダーソン アメリカ合衆国、テキサス 78641、リー ンダー、ピー・オー・ボックス 587

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 tert- ブチルアルコールに溶解したプロ
    ピレン及びtert- ブチルヒドロペルオキシドを、エポキ
    シ化反応域中、可溶性モリブデン触媒の存在下で反応さ
    せて、未反応プロピレン、未反応tert- ブチルヒドロペ
    ルオキシド、tert- ブチルアルコール、溶解したモリブ
    デン触媒及び、脂肪族C1 〜C4 カルボン酸をはじめと
    する不純物を含むエポキシ化反応生成物を得て、このエ
    ポキシ化反応生成物を蒸留域中で分離して、留出プロピ
    レン分、留出プロピレンオキシド分、留出tert- ブチル
    アルコール分ならびにtert- ブチルヒドロペルオキシ
    ド、tert- ブチルアルコール、溶解したモリブデン触媒
    及び、低級脂肪族C1 〜C4 カルボン酸をはじめとする
    不純物から主になる重質液状蒸留分を得る、プロピレン
    オキシド及びtert- ブチルアルコールの製造方法であっ
    て、 該重質液状蒸留分の重量を基準として5〜10重量%の
    1〜3個の炭素原子を有する低級脂肪族アルコールを該
    重質液状蒸留分に加え、得られる混合物を、流下薄膜型
    エバポレータ中、20〜150℃の温度及び1〜200
    mm Hg (0.133〜26.7KPa )の圧力下で分離し
    て、tert- ブチルヒドロペルオキシド、tert- ブチルア
    ルコール及び該重質液状蒸留分中に含まれていたモリブ
    デンの実質的全部をはじめとする不純物を含む液状残留
    分ならびに、仕込まれた重質液状蒸留分のうち80〜9
    5重量%からなり、該流下薄膜型エバポレータに当初仕
    込まれた低級脂肪族アルコールの実質的全部を含有し、
    また、tert- ブチルアルコール60〜90重量%、tert
    - ブチルヒドロペルオキシド1〜20重量%及び、従っ
    て、該脂肪族C1 〜C4 カルボン酸不純物の一部をはじ
    めとする不純物3〜15重量%を含有する蒸発塔頂分を
    得て、該低級脂肪族アルコールを該蒸発塔頂分の他の成
    分から分離し、分離された該低級脂肪族アルコールを、
    低級脂肪族アルコールの少なくとも一部として、該流下
    薄膜型エバポレータに再循環させることを特徴とする方
    法。
  2. 【請求項2】 流下薄膜型エバポレータが薄膜払拭型エ
    バポレータである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 低級脂肪族アルコールがプロパノールで
    ある請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 蒸発塔頂分が12以下の酸価を有し、か
    つ、該エポキシ化反応域に再循環される請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 12を超える酸価を有する蒸発塔頂分を
    中和域に仕込み、その中で、蒸発塔頂分に含まれる該脂
    肪族C1 〜C4 カルボン酸不純物の当量あたり1/2〜
    1当量の酸化カルシウム及び/又は水酸化カルシウムで
    処理して、該C1 〜C4 カルボン酸不純物のカルシウム
    塩を含む沈殿した固形分のスラリーを得て、このスラリ
    ーを分離域に仕込み、その中で分離して、該低級脂肪族
    カルボン酸のカルシウム塩を含む固形分ならびに、12
    未満の酸価を有し、tert- ブチルヒドロペルオキシド、
    tert- ブチルアルコール及び減量された該カルボン酸不
    純物を含む実質的に固形分を含まないろ液を得て、そし
    て、このろ液を該エポキシ化反応域に再循環させる請求
    項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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