JPH0665295A - 免疫抑制物質およびその分画方法 - Google Patents

免疫抑制物質およびその分画方法

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JPH0665295A
JPH0665295A JP4220280A JP22028092A JPH0665295A JP H0665295 A JPH0665295 A JP H0665295A JP 4220280 A JP4220280 A JP 4220280A JP 22028092 A JP22028092 A JP 22028092A JP H0665295 A JPH0665295 A JP H0665295A
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JP4220280A
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Masao Kobayashi
正雄 小林
Shigeaki Ishizaka
重昭 石坂
Yoshio Furusawa
良雄 古澤
Kenji Tamaki
健二 玉木
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Aska Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Teikoku Hormone Manufacturing Co Ltd
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  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 現在までに唾液腺中に免疫活性を有する物質
が存在することが知られているウシやマウス以外の動物
から、新規な免疫抑制物質を見い出し、単離する。 【構成】 ラットの顎下腺から得られ、白色粉末状で、
SDS−10%ポリアクリルアミドのディスク電気泳動
法及びセファデックスG−100のゲル濾過法により測
定した分子量は、15〜45kD(キロダルトン)の範
囲内にあり、等電点が、pH4.5〜6.5の範囲内に
あり、水および生理食塩水に可溶、アセトンに不溶で、
ニンヒドリン反応、ビウレット反応、ミロン反応、坂口
反応、モリッシュ反応、アンスロン反応、エルソン・モ
ーガン反応は、全て陽性であり、分配係数(Kav値)
が、約0.25〜0.85の範囲内にあることを特徴と
する免疫抑制物質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はラットの顎下腺から得ら
れる新規な免疫抑制物質及びその分画方法に関する。
【0002】
【先行技術】哺乳動物の唾液腺、特に耳下腺には唾液腺
ホルモンが含まれ、この唾液腺ホルモンは間葉性組織に
作用し、特に硬組織の発育促進作用、血清カルシウム低
下作用、細網内皮系刺激作用、白血球増加作用等の生理
作用を有しており、医薬として広範に使用されている。
【0003】1974年に、青沼らは、ウシ耳下腺由来
の唾液腺ホルモン活性を有する分子量45,000の唾
液腺ホルモンサブユニットを単離した[Folio.E
ndocrinol.Jpn.,50,1468(19
74)参照]。引き続いて青沼らは、1977年に唾液
腺ホルモンサブユニットを酵素分解し、白血球増加作用
を示すFrAA−1およびヒトカルシウム低下作用を示
すFrH−1を分離し、その構造を決定した[Che
m.Pharm.Bull.,28,417(198
0)及び特公昭57−35958号公報参照]。
【0004】また、1983年に、石坂らは、ウシ耳下
腺由来の唾液腺ホルモンまたはそのサブユニットおよび
FrAA−1にマウスおよびヒトにおいてリンパ球を刺
激して非特異的に抗体産性を亢進させる作用があること
を見い出した[Immunopharmacolog
y,,133(1983)]。
【0005】また、マウスの唾液腺中に遅延アレルギー
(delayed hypersensitivit
y)応答に影響を与える因子が存在することが知られて
おり(M.Hiramatsu et al.,Imm
unology,1979,37,869)、近年、マ
ウスの顎下腺抽出物中の免疫抑制活性を有する物質に関
する研究が進められている[羽室ら,1990年臨床免
疫学会要旨集,D80;村上ら,第64回日本細菌学総
会要旨集,F−III −14;羽室ら,日本細菌学雑誌,
42(2),1992等]。
【0006】
【発明が解決すべき課題】本発明の目的は、現在までに
唾液腺中に免疫活性を有する物質が存在することが知ら
れているウシやマウス以外の動物から、新規な免疫抑制
物質を見い出し、単離することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の報告
に基づき、ウシ、マウスとともにブタ、ラット、モルモ
ット、ウサギなどの各種動物の唾液腺中に免疫活性を有
する物質が存在するか否かについて検討を行った。
【0008】各種動物の唾液腺は、耳下腺と顎下腺とに
分けられ、それぞれの免疫活性を、PBA活性試験によ
り測定した。
【0009】PBA活性試験とは、ある物質(試料)の
ポリクロ−ナルB細胞に対する賦活活性を測定すること
により、その物質が免疫活性を有するか否かを知ること
ができる試験法のである。脾臓中のB細胞は、ある種の
抗原に対して非特異的に活性化され、IgM抗体の産生
が誘発されるが、ここに免疫活性を有するか否かを調べ
たい物質を加え、IgM抗体の産生が亢進されたか否か
により免疫活性の有無を判定する方法である。即ち、摘
出したマウスの脾臓細胞と試料溶液を混合して37℃で
培養した後、この培養細胞にプロテインA被覆ヒツジ赤
血球、モルモット補体および抗IgM血清を添加混合
し、さらに、0.5%寒天上にこの混合物を添加した
後、37℃で培養し、形成された溶血斑(プラ−ク)の
数を測定する。このプラ−ク数と試料を添加せずに同様
に処理した寒天上のプラ−ク数とを比較し、その試料の
免疫活性(抑制および賦活の両方を含む)の有無を判定
する。
【0010】PBA活性試験は、それぞれの動物の耳下
腺及び顎下腺の水または塩を含む水による抽出物を遠心
分離(18000rpm,10分間)して得られた上清
を1N塩酸でpH4.5に調整し、生成した沈殿を除去
し、1N水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に調整した
溶液を用いて実施した。
【0011】その結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】一般に分類学的に近縁なラット、マウス、
モルモット、ウサギ等の唾液腺には、同等の性質の免疫
活性物質が存在するのではないかと推測されるが、上記
表1の結果から、この推測は成り立たないことが明らか
となった。
【0014】本発明者らは、各種の動物から得られた免
疫活性物質について個々に検討を行った。その結果、表
1より明らかなように、ラット顎下腺中に、非特異的に
抗体産生を抑制する作用をもつ物質が存在することを確
認し、その分離精製について鋭意研究を重ね、この物質
を分画できる方法を見い出し、その物理化学的性質を解
明し、本発明を完成するに至った。
【0015】本発明の免疫抑制物質(以下、「本発明物
質」と略す。)は、以下に示す物理化学的性質を有する
タンパク質である。
【0016】(1)性状:白色粉末 (2)分子量:SDS−10%ポリアクリルアミドのデ
ィスク電気泳動法及びセファデックスG−100のゲル
濾過法により測定した分子量は15〜45kD(キロダ
ルトン)の範囲内にある。 (3)等電点:pH4.5〜6.5の範囲内にある。 (4)溶解性:水および生理食塩水に可溶、アセトンに
不溶。 (5)呈色反応:ニンヒドリン反応 陽性 ビウレット反応 陽性 ミロン反応 陽性 坂口反応 陽性 モリッシュ反応 陽性 アンスロン反応 陽性 エルソン・モーガン反応 陽性 (6)分配係数(Kav値):約0.25〜0.85の
範囲内にある。ここに、分配係数(Kav値)は、ゲル
濾過におけるゲル層と液層との間の分配係数であり、下
記式により算出される。 Kav=(Ve−Vo)/(Vt−Vo) Vt=ゲルベッドの総容積 Ve=溶出液量 Vo=ゲル粒子外部の溶媒量
【0017】なお、ゲル濾過材としてSephadex
G−100(PharmaciaFine Chem
icals製)を使用し且つ溶出液としてpH7.4の
0.2Mトリス緩衝液を用いた。
【0018】本発明物質は、ラットの顎下腺の水または
塩を含む水による抽出物を遠心分離し、得られた上清液
をpH約4.5に調整し、生成した沈殿を除去した溶液
を分子篩クラマトグラフィーに付し、分子量15〜45
kDの画分を捕集する工程を含むことを特徴とする分画
方法により得られる。
【0019】ここで、塩を含む水としては、約0.1M
(約1.0重量%)の塩化ナトリウム、塩化カリウム、
硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【0020】本発明物質は分子量15〜45kDの画分
を、アプロチニン−アフィニティークロマトカラムによ
るアフィニティークロマトグラフィーに付し、カラムに
吸着しない画分を捕集する工程を含むことを特徴とする
分画方法により、更に分画される。
【0021】本発明物質のうち、アプロチニン−アフィ
ニティクロマトカラムに吸着しない画分も、吸着する画
分もいずれも免疫抑制活性を有しているが、カラムに吸
着しない画分はプロテアーゼ活性を有していない点でカ
ラムに吸着する画分と異なる。
【0022】以下、本発明物質の分画方法について詳説
する。ラットの顎下腺をホモジネートしたものを水で抽
出し、得られた水抽出物を遠心分離(通常5000〜2
0000rpm、5〜40分間、好ましくは15000
〜18000rpm、20〜30分間)し、上清液を分
離する。この上清液に塩酸、酢酸等の酸を加えてpH約
4.5に調整し、再度遠心分離(通常5000〜200
00rpm、5〜40分間、好ましくは15000〜1
8000rpm、20〜30分間)して生成した沈殿を
除去する。沈殿を除去した後の溶液を、分子篩クロマト
グラフィーに付し、分子量15〜45kDの画分を得
る。
【0023】分子篩クロマトグラフィーによる分子篩操
作は、デキストラン及びポリアクリルアミドなどのゲル
粒子をカラムに充填して実施する。本発明で用いること
ができるデキストランゲルとしては、例えばSepha
dex G−75、G−100、G−200およびSe
phacryl S−200(PharmaciaFi
ne Chemicals製)、ポリアクリルアミドゲ
ルとしては、例えばBio−Gel P−60およびP
−100(Bio−Rad Laboratories
製)が挙げられる。また、分子篩用充填カラムとして
は、例えばTSK gel G3000 SW、G20
00 SW(東ソー製)、Asahipak GS−3
10、GS−510(旭化成製)などが挙げられる。ま
た展開に使用し得る緩衝液としては、ゲル粒子を平衡化
させるのに用いた緩衝液を使用するのが好ましく、例え
ば0.2Mトリス緩衝液(pH7.4)などが挙げられ
る。分子篩操作はそれ自体公知の方法で行うことがで
き、上記分子篩操作を単独、または、それらの操作を相
互に組み合わせて、目的とする分子量15〜45kDの
画分を容易に得ることができる。
【0024】上記で得られた本発明物質である分子量1
5〜45kDの画分は溶液の形態で保存することが可能
であるが、凍結及び/又は乾燥して保存するのが好まし
い。乾燥は通常の方法例えば、減圧乾燥、凍結乾燥、ア
セトン乾燥等により行うことができる。
【0025】本発明物質である分子量15〜45kDの
画分は、次に示すアプロチニン−アフィニティクロマト
担体によるアフィニティクロマトグラフィーに付すこと
により更に分画することもできる。
【0026】前記の如く、分子篩操作によって得られた
分子量15〜45kDの本発明物質を、更にアプロチニ
ン−アフィニティクロマトカラムによるアフィニティク
ロマトグラフィーに付し、カラムに吸着しない画分を捕
集する。アフィニティクロマトグラフィーに使用するア
プロチニン−アフィニティクロマト担体としては、例え
ば、アプロチニン−アガロース樹脂、アプロチニン−ア
クリル樹脂などを挙げることができる。アフィニティク
ロマトグラフィーの実施に先立ち、上記したアプロチニ
ン−アフィニティクロマト担体を緩衝液で平衡化させ
る。緩衝液としては従来より用いられている各種の緩衝
液を使用することができ、例えば、0.02Mトリス緩
衝液(pH8.0)などが挙げられる。
【0027】平衡化した上記アプロチニン−アフィニテ
ィクロマト担体をカラムに充填し、次いで前記の分子篩
操作により得られた本発明物質含有液をカラムに添加
し、緩衝液を用いてアプロチニン−アフィニティカラム
に吸着しない画分を溶出させる。そしてこの画分を含有
する溶出液を、透析等により脱塩したのち凍結乾燥する
ことによりアプロチニン−アフィニティカラムに吸着し
ない画分を得ることができる。なお、アプロチニン−ア
フィニティカラムに吸着した画分は塩化ナトリウムを含
む酢酸緩衝液(pH4.0)を用いて溶出、捕集され
る。
【0028】かくして得られた本発明物質(分子篩クロ
マトグラフィーにより得られた物質および同物質をさら
にアフィニティクロマトグラフィーに付して、得られた
物質の両者を含む)は、必要に応じて、それ自体公知の
陰イオン交換体による吸着クロマトグラフィー、電気泳
動による等電点分画、陰イオン交換体による等電点分
画、多孔質ガラスを用いるクロマトグラフィー、疎水性
吸着体を用いるクロマトグラフィー、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどに付すことによりさらに精製するこ
とができる。
【0029】電気泳動による等電点分画による方法は、
通電によって自由溶液あるいは適当なゲル中にあらかじ
め安定なpH勾配を形成させ、そのpH勾配に対して、
本発明物質をその等電点と同一のpH層まで泳動させ、
そのpH層内に目的物を濃縮させたのち、該濃縮分画よ
り抽出する方法である。自由溶液又はゲルとしては、シ
ョ糖の密度勾配溶液またはポリアクリルアミドゲルを用
いることができ、本発明物質をpH層内に濃縮するため
には自由溶液の場合は約48時間、ゲルの場合は約6時
間通電する必要がある。尚、本発明物質はpH4.5〜
6.5層内から得ることができる。
【0030】多孔質ガラスを用いるクロマトグラフィー
による方法は、本発明物質を含む水溶液を酸性、好まし
くはpH4.5〜6.5としたのち、CPG−10(C
PG,INC.製)などの多孔質ガラスと接触させ、次
いでグリシンまたはプロリンなどのアミノ酸を加えてア
ルカリ性、好ましくはpH7.5以上とした水溶液を用
いて本発明物質を溶出させる方法である。
【0031】疎水性吸着体を用いるクロマトグラフィー
による方法は、例えば疎水性吸着体として、ブチル−セ
ファロースCL−6B、オクチル−セファロースCL−
6Bまたはフェニル−セファロースCL−6B(Pha
rmacia Fine Chemicals製)など
をカラムに充填し、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウム
などの無機塩を約10〜20%含有する溶液に本発明物
質を加え、この混合液をカラムに流すことによって精製
する方法である。
【0032】陰イオン交換体による等電点分画による方
法としては、タンパク質の水溶液をタンパク質の等電点
の差を利用して分画するクロマトフォーカシングを用い
る方法が挙げられる。クロマトフォーカシングに用いる
イオン交換体としては、例えば、PBE94陰イオン交
換体(Pharmacia Fine Chemica
ls製)などが挙げられる。陰イオン交換体をカラムに
充填し、本発明物質含有液を添加し、溶出液を用いて本
発明物質を更に精製した形で溶出することができる。溶
出液としては例えばポリバッファー74(Pharma
cia Fine Chemicals製)などが用い
られる。
【0033】かくして得られた本発明の免疫抑制物質
は、膠原病、リウマチ疾患、臓器移植などの免疫抑制剤
として有用である。
【0034】本発明物質は、かかる治療剤等として、経
口投与及び非経口投与のいずれの方法によっても投与す
ることができる。本発明物質は各種投与形態に調剤する
ことができ、例えば、経口剤(錠剤、顆粒剤、散剤、カ
プセル剤など)、経粘膜剤(坐剤、経鼻剤など)、注射
剤(溶剤、凍結乾燥剤など)とすることができる。調剤
の際に使用しうる補助剤としては例えば、塩化ナトリウ
ム、グリシン、乳糖、マンニトール、ソルビトール、シ
ョ糖、でんぷん、デキストラン、ゼラチンなどが挙げら
れる。
【0035】本発明物質を臨床治療剤として使用する際
の有効投与量は、疾病の種類、投与経路、症状の軽重、
患者の年令等により適宜変動させるべきであるが、一般
に1日につき約0.01〜10mg/kgで用いること
ができる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に説明す
る。
【0037】実施例1(本発明物質の分画例) SD系ラット(7〜10週令)の顎下腺100gをホモ
ジネートし、水400mlで抽出した。得られた水抽出
物を18000rpm、20分間遠心分離し、上清液を
分離した。上清液に1.0N塩酸を加えて上清液のpH
を4.5に調整し、沈殿を形成させ、さらに18000
rpm、20分間遠心分離し、上清液を分離した。次い
で分離した上清液(以下、「分離液」と呼ぶ。)にアセ
トン1200mlを添加し、免疫活性画分をアセトン沈
殿として濃縮・回収した。
【0038】得られた免疫活性画分のアセトン沈澱を
0.2Mトリス緩衝液(pH7.4)60mlに溶解
し、同緩衝液で平衡化したSephadex G−10
0カラム(Pharmacia Fine Chemi
cals製)に添加した。同緩衝液で溶出を行い、分子
量15〜45kDの本発明物質を含む画分の溶液を回収
した。回収した画分溶液を透析により脱塩した後、凍結
乾燥して本発明物質の画分(A)3.0g(収率:3
%)を得た。
【0039】得られた免疫抑制活性を有する画分(A)
の物理化学的性質を測定した結果を以下に示す。
【0040】(1)性状:白色粉末 (2)分子量:15〜45kD (3)等電点:pH4.5〜6.5 (4)溶解性:水および生理食塩水に可溶、アセトンに
不溶。 (5)呈色反応:ニンヒドリン反応、ビウレット反応、
ミロン反応、坂口反応、モリッシュ反応、アンスロン反
応、エルソン・モーガン反応は、いずれも陽性である。 (6)分配係数(Kav値):約0.25〜0.85 (なお上記物理化学的性質(1)〜(6)の測定方法の
うち、測定方法が本明細書に記載のあるものはこの記載
方法により、また記載のないものは常法による。)
【0041】次に、上記工程で得られた画分(A)を
0.02Mトリス緩衝液(pH8.0)20mlに溶解
し、同緩衝液で平衡化したアプロチニン−アガロースカ
ラム(Sigma製)に添加した。同緩衝液で溶出を行
い、カラムに吸着しない画分の溶液を捕集した。捕集し
た画分溶液を透析により脱塩した後、凍結乾燥して本発
明物質のうち、アプロチニン−アガロースカラムに吸着
しない画分(B)1.2g(収率:1.2%)を得た。
【0042】得られた免疫抑制活性を有する画分(B)
の物理化学的性質を測定した結果、画分(B)は画分
(A)と同様の物理化学的性質を有していた。
【0043】上記工程で得られた画分(B)を、イミダ
ゾール緩衝液(pH7.0)20mlに溶解し、同緩衝
液で平衡化したPEG94陰イオン交換体カラム(Ph
armacia Fine Chemicals製)に
添加した。ポリバッファー74緩衝液(pH4.0)
(Pharmacia Fine Chemicals
製)で溶出を行い、免疫抑制活性を有する画分を捕集し
た。なお、免疫抑制活性は、PBA活性試験法により判
定した(以下、同様である。)。捕集した画分に硫酸ア
ンモニウム水溶液を加えて溶解し、この溶液の硫酸アン
モニウム濃度が10重量%となるように調整した。この
溶液を、10%硫酸アンモニウムを含むリン酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化したブチル−セファロースCL
−Bカラム(Pharmacia Fine Chem
icals製)に添加し、同緩衝液でカラムを洗浄した
後、10%硫酸アンモニウムから水へのグラジェント
(濃度勾配)溶出し、免疫抑制活性を有する画分を含む
溶液を捕集した。得られた免疫抑制活性を有する画分の
溶液を、透析により脱塩した後、凍結乾燥して、免疫抑
制活性を有する画分(C)600mg(収率:0.6
%)を得た。
【0044】得られた画分(C)の物理化学的性質を測
定した結果、画分(C)は画分(B)と同様の物理化学
的性質を有していた。
【0045】実施例2 実施例1と同様にして得た本発明物質のうちアプロチニ
ン−アガロースカラムに吸着しない画分(B)の凍結乾
燥物1.0gを0.02Mトリス緩衝液(pH6.5)
20mlに溶解した。得られた溶液を、同緩衝液で平衡
化したDEAE−Sephadexカラム(Pharm
acia Fine Chemicals製)に添加
し、同緩衝液でカラムを洗浄し、カラムに吸着せずに溶
出した、免疫抑制活性を有する画分の溶液を捕集した。
なお、免疫抑制活性は、PBA活性試験法により判定し
た(以下、同様である。)。得られた免疫抑制活性を有
する画分の溶液を透析により脱塩した後、凍結乾燥で濃
縮した。次いで、この濃縮液を高速液体クロマトグラフ
ィーのTSK gel ODS−120Tカラム(東ソ
ー製)に添加し、0.1%TFAを含む10%アセトニ
トリルから0.1%TFAを含む50%アセトニトリル
へのリニアグラジエント(線状濃度勾配)溶出した。免
疫抑制活性を有する画分の溶液を捕集し、減圧濃縮し、
得られた濃縮液を透析により脱塩した後、凍結乾燥し、
免疫抑制活性を有する画分(D)300mg(収率:
0.3%)を得た。
【0046】得られた画分(D)の物理化学的性質を測
定した結果、画分(D)は画分(B)と同様の物理化学
的性質を有していた。
【0047】ここで得られた免疫抑制活性を有する画分
(D)を用いて、下記の実施例3において免疫抑制活性
試験を実施した。
【0048】実施例3(本発明物質の免疫抑制活性試験
例) 本発明物質の免疫抑制活性の測定は次の方法でIgM、
IgG、IgAの3種類の抗体産生細胞数を測定するこ
とにより行った。
【0049】すなわち、生後6〜8週令のDBA/2マ
ウスを脱臼殺し、脾臓を摘出した。摘出した脾臓から調
製した脾臓細胞懸濁液と上記実施例2に示す方法で得ら
れた本発明物質(画分(D))との混合物を37℃で3
〜5日間培養した。培養した脾臓細胞懸濁液中の抗体産
生細胞数の測定は、E.Gronowieg、A.Co
utinho、Eur.J.Immunol.,,5
88(1976)に記載された方法によった。即ち、培
養した脾臓細胞懸濁液をプロティンA被覆ヒツジ赤血
球、モルモット補体及び抗Igサブクラス抗血清と共に
37℃、4時間培養した。さらに、0.5%寒天上にこ
の混合物を添加した後、37℃で培養し、出現する溶血
斑の数を測定し、106 個の脾臓生細胞数当りの溶血斑
形成細胞数(PFC)を計算した。測定結果を表2に示
した。
【0050】
【表2】
【0051】表2の結果から、本発明物質が免疫抑制活
性を有することは明らかである。
【0052】
【発明の効果】本発明により、ラット顎下腺中に、新規
な免疫抑制物質が存在することを見出し、この免疫抑制
物質を分画することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また、1983年に、石坂らは、ウシ耳下
腺由来の唾液腺ホルモンまたはそのサブユニットおよび
FrAA−1にマウスおよびヒトにおいてリンパ球を刺
激して非特異的に抗体産を亢進させる作用があること
を見い出した[Immunopharmacolog
y,6,133(1983)]。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】PBA活性試験とは、ある物質(試料)の
ポリクロ−ナルB細胞に対する賦活活性を測定すること
により、その物質が免疫活性を有するか否かを知ること
ができる試験法である。脾臓中のB細胞は、ある種の抗
原に対して非特異的に活性化され、IgM抗体の産生が
誘発されるが、ここに免疫活性を有するか否かを調べた
い物質を加え、IgM抗体の産生が亢進されたか否かに
より免疫活性の有無を判定する方法である。即ち、摘出
したマウスの脾臓細胞と試料溶液を混合して37℃で培
養した後、この培養細胞にプロテインA被覆ヒツジ赤血
球、モルモット補体および抗IgM血清を添加混合し、
さらに、0.5%寒天上にこの混合物を添加した後、3
7℃で培養し、形成された溶血斑(プラ−ク)の数を測
定する。このプラ−ク数と試料を添加せずに同様に処理
した寒天上のプラ−ク数とを比較し、その試料の免疫活
性(抑制および賦活の両方を含む)の有無を判定する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】PBA活性試験は、それぞれの動物の耳下
腺及び顎下腺の水または塩を含む水による抽出物を遠心
分離(18000rpm,10分間)して得られた上清
を0.1N水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に調整し
た溶液を用いて実施した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【表1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】ここで、塩を含む水としては、約0.1M
(約0.6重量%)の塩化ナトリウム、塩化カリウム、
硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】疎水性吸着体を用いるクロマトグラフィー
による方法は、例えば疎水性吸着体として、ブチル−セ
ファロース4B、オクチル−セファロースCL−4B
たはフェニル−セファロースCL−4B(Pharma
cia Fine Chemicals製)などをカラ
ムに充填し、硫酸アンモニウム、塩化ナトリウムなどの
無機塩を約10〜20%含有する溶液に本発明物質を加
え、この混合液をカラムに流すことによって精製する方
法である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】上記工程で得られた画分(B)を、イミダ
ゾール緩衝液(pH7.0)20mlに溶解し、同緩衝
液で平衡化したPEG94陰イオン交換体カラム(Ph
armacia Fine Chemicals製)に
添加した。ポリバッファー74緩衝液(pH4.0)
(Pharmacia Fine Chemicals
製)で溶出を行い、免疫抑制活性を有する画分を捕集し
た。なお、免疫抑制活性は、PBA活性試験法により判
定した(以下、同様である。)。捕集した画分に硫酸ア
ンモニウム水溶液を加えて溶解し、この溶液の硫酸アン
モニウム濃度が10重量%となるように調整した。この
溶液を、10%硫酸アンモニウムを含むリン酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化したブチル−セファロース4B
カラム(Pharmacia Fine Chemic
als製)に添加し、同緩衝液でカラムを洗浄した後、
10%硫酸アンモニウムから水へのグラジェント(濃度
勾配)溶出し、免疫抑制活性を有する画分を含む溶液を
捕集した。得られた免疫抑制活性を有する画分の溶液
を、透析により脱塩した後、凍結乾燥して、免疫抑制活
性を有する画分(C)600mg(収率:0.6%)を
得た。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】実施例2 実施例1と同様にして得た本発明物質のうちアプロチニ
ン−アガロースカラムに吸着しない画分(B)の凍結乾
燥物1.0gを0.02Mトリス緩衝液(pH6.5)
20mlに溶解した。得られた溶液を、同緩衝液で平衡
化したDEAE−Sephadexカラム(Pharm
acia Fine Chemicals製)に添加
し、同緩衝液でカラムを洗浄し、カラムに吸着せずに溶
出した、免疫抑制活性を有する画分の溶液を捕集した。
なお、免疫抑制活性は、PBA活性試験法により判定し
た(以下、同様である。)。得られた免疫抑制活性を有
する画分の溶液を透析により脱塩した後、凍結乾燥で濃
縮した。次いで、この濃縮液を高速液体クロマトグラフ
ィーのTSK gel ODS−120Tカラム(東ソ
ー製)に添加し、0.1%TFAを含む20%アセトニ
トリルから0.1%TFAを含む80%アセトニトリル
へのリニアグラジエント(線状濃度勾配)溶出した。免
疫抑制活性を有する画分の溶液を捕集し、減圧濃縮し、
得られた濃縮液を透析により脱塩した後、凍結乾燥し、
免疫抑制活性を有する画分(D)300mg(収率:
0.3%)を得た。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】すなわち、生後6〜8週令のDBA/2マ
ウスを脱臼殺し、脾臓を摘出した。摘出した脾臓から調
製した脾臓細胞懸濁液と上記実施例2に示す方法で得ら
れた本発明物質(画分(D))との混合物を37℃で3
〜5日間培養した。培養した脾臓細胞懸濁液中の抗体産
生細胞数の測定は、E.Gronowieg、A.Co
utinho、Eur.J.Immunol.,6,5
88(1976)に記載された方法によった。即ち、培
養した脾臓細胞懸濁液をプロティンA被覆ヒツジ赤血
球、モルモット補体及び抗Igクラス抗血清と共に0
5%寒天上に添加した後、37℃で4時間培養し、出現
する溶血斑の数を測定し、106個の脾臓生細胞数当り
の溶血斑形成細胞数(PFC)を計算した。測定結果を
表2に示した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラットの顎下腺から得られ、下記の物理
    化学的性質を有することを特徴とする免疫抑制物質。 (1)性状:白色粉末 (2)分子量:SDS−10%ポリアクリルアミドのデ
    ィスク電気泳動法及びセファデックスG−100のゲル
    濾過法により測定した分子量は、15〜45kD(キロ
    ダルトン)の範囲内にある。 (3)等電点:pH4.5〜6.5の範囲内にある。 (4)溶解性:水および生理食塩水に可溶、アセトンに
    不溶。 (5)呈色反応:ニンヒドリン反応 陽性 ビウレット反応 陽性 ミロン反応 陽性 坂口反応 陽性 モリッシュ反応 陽性 アンスロン反応 陽性 エルソン・モーガン反応 陽性 (6)分配係数(Kav値):約0.25〜0.85の
    範囲内にある。ここに、分配係数(Kav値)は、ゲル
    濾過におけるゲル層と液層との間の分配係数であり、下
    記式により算出される。 Kav=(Ve−Vo)/(Vt−Vo) Vt=ゲルベッドの総容積 Ve=溶出液量 Vo=ゲル粒子外部の溶媒量
  2. 【請求項2】 ラットの顎下腺の水または塩を含む水に
    よる抽出物を遠心分離し、得られた上清液をpH約4.
    5に調整し、生成した沈殿を除去した溶液を分子篩クラ
    マトグラフィーに付し、分子量15〜45kDの画分を
    捕集する工程を含むことを特徴とする免疫抑制物質の分
    画方法。
  3. 【請求項3】 分子量15〜45kDの画分を、アプロ
    チニン−アフィニティークロマトカラムによるアフィニ
    ティークロマトグラフィーに付し、カラムに吸着しない
    画分を捕集する工程を含むことを特徴とする請求項2に
    記載の方法。
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