JPH0665645A - 高延性熱延高張力鋼板の製造方法 - Google Patents
高延性熱延高張力鋼板の製造方法Info
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- JPH0665645A JPH0665645A JP24548592A JP24548592A JPH0665645A JP H0665645 A JPH0665645 A JP H0665645A JP 24548592 A JP24548592 A JP 24548592A JP 24548592 A JP24548592 A JP 24548592A JP H0665645 A JPH0665645 A JP H0665645A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 十分に優れた強度,延性,溶接性及び穴拡げ
性を兼備し、かつ表面性状も良好な熱延高張力鋼板を安
定して製造できる手段を確立する。 【構成】 C:0.05〜0.25%,Si:0.05%以下,Mn:0.8
〜 2.5%,sol.Al:1.0〜2.5%を含有するか、或いは更
にCa:0.0002〜0.0100%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素:0.002〜0.10%,Nb:0.005〜0.10%,Ti:0.005〜0.10
%,V: 0.005〜0.20%の1種以上をも含み残部がFe及
び不可避不純物から成る熱延鋼板を、 850℃以上に加熱
すると共に、その後の冷却に際し、 650〜 800℃の温度
に15秒〜15分間保持した後、更に 300〜 500℃の温度に
30秒〜40分保持し、次いで空冷或いはそれ以上の冷却速
度で室温まで冷却することにより、“体積率で5%以上
の残留オ−ステナイトを含んだフェライトとベイナイト
が主体の組織”を有した、延性,穴拡げ性,表面性状に
優れる高延性熱延高張力鋼板を得る。
性を兼備し、かつ表面性状も良好な熱延高張力鋼板を安
定して製造できる手段を確立する。 【構成】 C:0.05〜0.25%,Si:0.05%以下,Mn:0.8
〜 2.5%,sol.Al:1.0〜2.5%を含有するか、或いは更
にCa:0.0002〜0.0100%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元
素:0.002〜0.10%,Nb:0.005〜0.10%,Ti:0.005〜0.10
%,V: 0.005〜0.20%の1種以上をも含み残部がFe及
び不可避不純物から成る熱延鋼板を、 850℃以上に加熱
すると共に、その後の冷却に際し、 650〜 800℃の温度
に15秒〜15分間保持した後、更に 300〜 500℃の温度に
30秒〜40分保持し、次いで空冷或いはそれ以上の冷却速
度で室温まで冷却することにより、“体積率で5%以上
の残留オ−ステナイトを含んだフェライトとベイナイト
が主体の組織”を有した、延性,穴拡げ性,表面性状に
優れる高延性熱延高張力鋼板を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車や産業機械等
における高強度部材用鋼板として好適な延性と穴拡げ性
に優れた加工用高張力熱延鋼板の製造方法に関する。
における高強度部材用鋼板として好適な延性と穴拡げ性
に優れた加工用高張力熱延鋼板の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】今日、連続熱間圧延によって製
造される所謂“熱延鋼板”は比較的安価な構造材料とし
て自動車を始めとする各種の産業機器類に広く適用され
るようになったが、その用途にはプレス加工で成形され
る部材が多く、従って「高強度と高延性の両立」に対す
る要求が強い。
造される所謂“熱延鋼板”は比較的安価な構造材料とし
て自動車を始めとする各種の産業機器類に広く適用され
るようになったが、その用途にはプレス加工で成形され
る部材が多く、従って「高強度と高延性の両立」に対す
る要求が強い。
【0003】強度と延性が共に優れる鋼材としては、例
えば特開昭55−44551号公報に記載されているよ
うなDP鋼(Dual Phase鋼:フェライト+マルテンサイ
ト2相組織鋼)が知られている。このDP鋼の特徴は
「降伏比が低く延性が高い」ことであるとされている
が、それでも引張強さ:60kgf/mm2 の材料でその伸び
は約30%というのが現状であり、延性の面でより一層
改善された材料が望まれていた。
えば特開昭55−44551号公報に記載されているよ
うなDP鋼(Dual Phase鋼:フェライト+マルテンサイ
ト2相組織鋼)が知られている。このDP鋼の特徴は
「降伏比が低く延性が高い」ことであるとされている
が、それでも引張強さ:60kgf/mm2 の材料でその伸び
は約30%というのが現状であり、延性の面でより一層
改善された材料が望まれていた。
【0004】ところで、高強度鋼板の延性改善手段とし
て、残留オ−ステナイトのTRIP(変態誘起塑性)を
利用する方法が開発されている(例えば特開昭55−1
45121号公報参照)。そして、この方法によれば、
引張強さが110kgf/mm2 以上で伸びが22%以上を示
し、「〔引張強さ〕×〔伸び〕の値」として2400を
超す高延性高強度鋼板の製造が可能である。しかし、こ
の方法ではC含有量を0.35〜0.85%(以降、 成分割合を
表す%は重量%とする)と高めに調整する必要があるこ
とから得られる鋼板は溶接性の点で劣り、自動車用鋼板
としての適用範囲は狭いものであった。
て、残留オ−ステナイトのTRIP(変態誘起塑性)を
利用する方法が開発されている(例えば特開昭55−1
45121号公報参照)。そして、この方法によれば、
引張強さが110kgf/mm2 以上で伸びが22%以上を示
し、「〔引張強さ〕×〔伸び〕の値」として2400を
超す高延性高強度鋼板の製造が可能である。しかし、こ
の方法ではC含有量を0.35〜0.85%(以降、 成分割合を
表す%は重量%とする)と高めに調整する必要があるこ
とから得られる鋼板は溶接性の点で劣り、自動車用鋼板
としての適用範囲は狭いものであった。
【0005】なお、低いC含有量の下で残留オ−ステナ
イトを確保して鋼に高延性を得る手段として、高Si含有
鋼を低温オ−ステナイト域で大圧下する方法が提案され
ている(特開昭63−4017号)。このように、Siの
添加は残留オ−ステナイトを得るのには有効であり、そ
のため適量のSi添加で鋼材に高延性を確保することがで
きるが、一方で粗大なベイナイトが生成しやすく、また
Si添加量が高くなると硬質のマルテンサイトも生成しや
すくなるため、自動車用鋼板として重要な加工性の一つ
である穴拡げ性が低かった。特に、上述のように低温オ
−ステナイト域で大圧下を施すと、粗大なベイナイトが
バンド状に生成しやすくなって著しく穴拡げ性を劣化さ
せる。更に、高Si添加鋼では島状スケ−ルと呼ばれる熱
延鋼板の表面性状不良も大きな問題となった。
イトを確保して鋼に高延性を得る手段として、高Si含有
鋼を低温オ−ステナイト域で大圧下する方法が提案され
ている(特開昭63−4017号)。このように、Siの
添加は残留オ−ステナイトを得るのには有効であり、そ
のため適量のSi添加で鋼材に高延性を確保することがで
きるが、一方で粗大なベイナイトが生成しやすく、また
Si添加量が高くなると硬質のマルテンサイトも生成しや
すくなるため、自動車用鋼板として重要な加工性の一つ
である穴拡げ性が低かった。特に、上述のように低温オ
−ステナイト域で大圧下を施すと、粗大なベイナイトが
バンド状に生成しやすくなって著しく穴拡げ性を劣化さ
せる。更に、高Si添加鋼では島状スケ−ルと呼ばれる熱
延鋼板の表面性状不良も大きな問題となった。
【0006】そこで、本発明者等は、先に、適量のAlを
添加した低C,低Si鋼を熱間圧延して780〜940℃
で仕上げた後、特定の条件で加速冷却し巻取ることによ
って優れた穴拡げ性や表面性状を有した熱延高張力鋼板
が得られることを新たに見出し、特願平3−24061
8号として提案した。しかし、その後の更なる検討によ
って、この方法では低温オ−ステナイト域で仕上圧延を
行うために圧延荷重が大きくなり、圧延機によってはそ
の荷重制約のために薄物,広幅等といった荷重が更に大
きくなるような鋼板の製造ができないことが問題となっ
た。
添加した低C,低Si鋼を熱間圧延して780〜940℃
で仕上げた後、特定の条件で加速冷却し巻取ることによ
って優れた穴拡げ性や表面性状を有した熱延高張力鋼板
が得られることを新たに見出し、特願平3−24061
8号として提案した。しかし、その後の更なる検討によ
って、この方法では低温オ−ステナイト域で仕上圧延を
行うために圧延荷重が大きくなり、圧延機によってはそ
の荷重制約のために薄物,広幅等といった荷重が更に大
きくなるような鋼板の製造ができないことが問題となっ
た。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、十分に優れた強度,延性,溶接性及び穴拡げ性を
兼備し、かつ表面性状も良好な熱延高張力鋼板を、薄
物,広幅のものであっても容易に安定して製造できる手
段を確立することであった。
のは、十分に優れた強度,延性,溶接性及び穴拡げ性を
兼備し、かつ表面性状も良好な熱延高張力鋼板を、薄
物,広幅のものであっても容易に安定して製造できる手
段を確立することであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上記目的を達成すべく、溶接性面での満足が得られるC
含有量範囲でもって自動車用等としても十分な高強度を
示し、かつ“優れた延性と穴拡げ性につながるTRIP
効果を利用するに十分な量”のオ−ステナイトを含有す
る高延性熱延高張力鋼板を実現できる簡易な手法を求め
て種々の検討を重ねた。
上記目的を達成すべく、溶接性面での満足が得られるC
含有量範囲でもって自動車用等としても十分な高強度を
示し、かつ“優れた延性と穴拡げ性につながるTRIP
効果を利用するに十分な量”のオ−ステナイトを含有す
る高延性熱延高張力鋼板を実現できる簡易な手法を求め
て種々の検討を重ねた。
【0009】そして、前記特願平3−240618号の
提案に際して得られた知見事項、即ち、 a) 低C範囲で残留オ−ステナイトを確保するのに有効
な“Si”を低減して島状スケ−ルによる表面性状の劣化
を抑えた低Si含有鋼においても、 1.0%以上の割合でAl
を含有させるとオ−ステナイトを残留させることが可能
であり、これによって優れた引張強さ・伸びバランスが
得られる, b) 従来のSi添加残留オ−ステナイト型高張力鋼では、
引張試験においては高い伸びが得られるものの穴拡げ試
験ではDP鋼なみの穴拡げ率しか得られないのに対し、
Al添加残留オ−ステナイト型高張力鋼の場合には、予想
に反して優れた伸びと高い穴拡げ率とを同時に満足でき
る, c) また、Alはフェライト安定化元素であるためオ−ス
テナイトを残留させるのにAl添加は不利であると考えら
れたが、適量のAl添加を行うと製品の伸びが向上する
上、第2相が均一に分散されて穴拡げ性の向上にも有効
である, d) 従って、溶接性が顕著に劣化しないC含有量範囲の
低Si鋼に1%以上のAlを含有させると体積率で5%以上
の残留オ−ステナイトを含む組織が得られ、自動車用鋼
板等に要求される強度,延性,穴拡げ性等の諸性質を十
分に満足する熱延高張力鋼板が得られる, という技術的事項を踏まえた上で、この“優れた強度,
延性,穴拡げ性等を有した熱延高張力鋼板”の製造が一
層容易に行える方法を求めて更に研究を続けた結果、次
の新知見を得るに至った。
提案に際して得られた知見事項、即ち、 a) 低C範囲で残留オ−ステナイトを確保するのに有効
な“Si”を低減して島状スケ−ルによる表面性状の劣化
を抑えた低Si含有鋼においても、 1.0%以上の割合でAl
を含有させるとオ−ステナイトを残留させることが可能
であり、これによって優れた引張強さ・伸びバランスが
得られる, b) 従来のSi添加残留オ−ステナイト型高張力鋼では、
引張試験においては高い伸びが得られるものの穴拡げ試
験ではDP鋼なみの穴拡げ率しか得られないのに対し、
Al添加残留オ−ステナイト型高張力鋼の場合には、予想
に反して優れた伸びと高い穴拡げ率とを同時に満足でき
る, c) また、Alはフェライト安定化元素であるためオ−ス
テナイトを残留させるのにAl添加は不利であると考えら
れたが、適量のAl添加を行うと製品の伸びが向上する
上、第2相が均一に分散されて穴拡げ性の向上にも有効
である, d) 従って、溶接性が顕著に劣化しないC含有量範囲の
低Si鋼に1%以上のAlを含有させると体積率で5%以上
の残留オ−ステナイトを含む組織が得られ、自動車用鋼
板等に要求される強度,延性,穴拡げ性等の諸性質を十
分に満足する熱延高張力鋼板が得られる, という技術的事項を踏まえた上で、この“優れた強度,
延性,穴拡げ性等を有した熱延高張力鋼板”の製造が一
層容易に行える方法を求めて更に研究を続けた結果、次
の新知見を得るに至った。
【0010】先にも述べた如く、これまでの知見では上
記“優れた強度,延性,穴拡げ性等を有した熱延高張力
鋼板”の実現には低温オ−ステナイト域での仕上圧延を
必要とし、薄物,広幅の鋼板は圧延荷重が高くなって製
造できなかった。ところが、鋼の変形抵抗はその変形温
度が高くなると低下することから、圧延時の仕上温度を
上げて低い変形抵抗の下で前記組成の薄物,広幅鋼板を
製造し、その後、この“高温仕上圧延を行って得られた
熱延鋼板”に特定条件の熱処理を施すと適量の残留オ−
ステナイトを含有した組織が現れ、前述の優れた特性を
有する残留オ−ステナイト型高張力熱延鋼板を得ること
ができる。
記“優れた強度,延性,穴拡げ性等を有した熱延高張力
鋼板”の実現には低温オ−ステナイト域での仕上圧延を
必要とし、薄物,広幅の鋼板は圧延荷重が高くなって製
造できなかった。ところが、鋼の変形抵抗はその変形温
度が高くなると低下することから、圧延時の仕上温度を
上げて低い変形抵抗の下で前記組成の薄物,広幅鋼板を
製造し、その後、この“高温仕上圧延を行って得られた
熱延鋼板”に特定条件の熱処理を施すと適量の残留オ−
ステナイトを含有した組織が現れ、前述の優れた特性を
有する残留オ−ステナイト型高張力熱延鋼板を得ること
ができる。
【0011】つまり、高温仕上げの熱延のみによっては
残留オ−ステナイトが十分に得られないだけでなく、多
量のマルテンサイトを含む組織となって高延性は得られ
ないが、この熱延鋼板に更に特定の熱処理を施すと、適
量の残留オ−ステナイトを含有する延性,穴拡げ性の優
れた熱延高張力鋼板が安定製造できることを見出したの
である。
残留オ−ステナイトが十分に得られないだけでなく、多
量のマルテンサイトを含む組織となって高延性は得られ
ないが、この熱延鋼板に更に特定の熱処理を施すと、適
量の残留オ−ステナイトを含有する延性,穴拡げ性の優
れた熱延高張力鋼板が安定製造できることを見出したの
である。
【0012】本発明は、上記知見事項等を基に更なる研
究を重ねて完成されたものであり、「C:0.05〜0.25
%, Si:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.
Al: 1.0〜 2.5%を含有するか、 或いは更にCa:0.0002
〜0.0100%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元素:0.002〜0.
10%,Nb: 0.005〜0.10%,Ti: 0.005〜0.10%,V:
0.005〜0.20%の1種以上をも含み残部がFe及び不可避
不純物から成る熱延鋼板を、 850℃以上に加熱すると
共に、 その後の冷却に際し、 650〜800℃の温度に
15秒〜15分間保持した後、 更に300〜500℃の
温度に30秒〜40分保持し、 次いで空冷或いはそれ以
上の冷却速度で室温まで冷却することにより、 “体積率
で5%以上の残留オ−ステナイトを含んだフェライトと
ベイナイトが主体の組織”を有した延性,穴拡げ性,表
面性状に優れる高延性熱延高張力鋼板を安定して製造し
得るようにした点」に大きな特徴を有している。
究を重ねて完成されたものであり、「C:0.05〜0.25
%, Si:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.
Al: 1.0〜 2.5%を含有するか、 或いは更にCa:0.0002
〜0.0100%,Zr:0.01〜0.10%,希土類元素:0.002〜0.
10%,Nb: 0.005〜0.10%,Ti: 0.005〜0.10%,V:
0.005〜0.20%の1種以上をも含み残部がFe及び不可避
不純物から成る熱延鋼板を、 850℃以上に加熱すると
共に、 その後の冷却に際し、 650〜800℃の温度に
15秒〜15分間保持した後、 更に300〜500℃の
温度に30秒〜40分保持し、 次いで空冷或いはそれ以
上の冷却速度で室温まで冷却することにより、 “体積率
で5%以上の残留オ−ステナイトを含んだフェライトと
ベイナイトが主体の組織”を有した延性,穴拡げ性,表
面性状に優れる高延性熱延高張力鋼板を安定して製造し
得るようにした点」に大きな特徴を有している。
【0013】
【作用】次に、本発明において鋼板の成分組成並びにそ
の製造条件を前記の如くに限定した理由を、その作用と
共に詳述する。 A) 鋼板の化学組成C Cは、熱延巻取り後の熱処理過程において、フェライト
変態の進行に伴い未変態オ−ステナイト中に濃縮してオ
−ステナイトを安定化させると共に、鋼板の強化に寄与
する作用を有しているが、その含有量が0.05%未満では
強度の確保とオ−ステナイトの安定化効果が十分でな
く、一方、0.25%を超えてCを含有させると溶接性が顕
著に劣化する上、フェライト量が減少してベイナイト量
が増加し過ぎるために穴拡げ性も劣化する。従って、C
含有量は0.05〜0.25%と定めた。
の製造条件を前記の如くに限定した理由を、その作用と
共に詳述する。 A) 鋼板の化学組成C Cは、熱延巻取り後の熱処理過程において、フェライト
変態の進行に伴い未変態オ−ステナイト中に濃縮してオ
−ステナイトを安定化させると共に、鋼板の強化に寄与
する作用を有しているが、その含有量が0.05%未満では
強度の確保とオ−ステナイトの安定化効果が十分でな
く、一方、0.25%を超えてCを含有させると溶接性が顕
著に劣化する上、フェライト量が減少してベイナイト量
が増加し過ぎるために穴拡げ性も劣化する。従って、C
含有量は0.05〜0.25%と定めた。
【0014】Si 一般に、Siはフェライトの生成を促進してCの未変態オ
−ステナイトへの濃縮を助け、またセメンタイトの析出
を遅らせる作用を有しているのでオ−ステナイトを残留
させるために極めて有効な元素とされており、通常、こ
の種の鋼板には1%程度含有されている。しかしなが
ら、このSiは島状スケ−ルと呼ばれる鋼板表面の“見栄
えの劣化”を引起し、またGA処理性(合金化溶融亜鉛
メッキ処理性)を劣化させる元素でもある上、粗大なベ
イナイトや硬質のマルテンサイトが生成するのを促進し
て穴拡げ性の劣化を引起しやすい。そして、これらの不
都合はSi含有量が0.05%を超えると顕著化することか
ら、本発明においては特にSi含有量を0.05%以下と制限
した。
−ステナイトへの濃縮を助け、またセメンタイトの析出
を遅らせる作用を有しているのでオ−ステナイトを残留
させるために極めて有効な元素とされており、通常、こ
の種の鋼板には1%程度含有されている。しかしなが
ら、このSiは島状スケ−ルと呼ばれる鋼板表面の“見栄
えの劣化”を引起し、またGA処理性(合金化溶融亜鉛
メッキ処理性)を劣化させる元素でもある上、粗大なベ
イナイトや硬質のマルテンサイトが生成するのを促進し
て穴拡げ性の劣化を引起しやすい。そして、これらの不
都合はSi含有量が0.05%を超えると顕著化することか
ら、本発明においては特にSi含有量を0.05%以下と制限
した。
【0015】Mn Mnはオ−ステナイト安定化元素であって、未変態オ−ス
テナイトのMs 点を低下させると共に焼入れ性を向上さ
せ、未変態オ−ステナイトがパ−ライト変態するのを抑
制する作用を発揮する。しかし、Mn含有量が 0.8%未満
では前記作用による所望の効果が得られず、一方、 2.5
%を超えて含有させると熱処理により十分な量のフェラ
イトを生成させることが困難となり、そのため未変態オ
−ステナイト中へのCの濃縮が不十分となってオ−ステ
ナイトを安定化させることができない。従って、Mnの含
有量は 0.8〜 2.5%と定めた。
テナイトのMs 点を低下させると共に焼入れ性を向上さ
せ、未変態オ−ステナイトがパ−ライト変態するのを抑
制する作用を発揮する。しかし、Mn含有量が 0.8%未満
では前記作用による所望の効果が得られず、一方、 2.5
%を超えて含有させると熱処理により十分な量のフェラ
イトを生成させることが困難となり、そのため未変態オ
−ステナイト中へのCの濃縮が不十分となってオ−ステ
ナイトを安定化させることができない。従って、Mnの含
有量は 0.8〜 2.5%と定めた。
【0016】sol.Al Alは本発明において特に重要な成分である。即ち、Alは
Siと同様にフェライト安定化元素であり、フェライトの
生成を促進してCの未変態オ−ステナイトへの濃縮を促
し、かつセメンタイトの析出を遅らせる作用を通じてオ
−ステナイトの残留を促進する。しかも、その作用は同
じ重量割合でSiを添加した場合よりも顕著である。その
上、フェライトの均一・微細な生成を促進し、穴拡げ性
を劣化させる粗大ベイナイトの生成を抑制する作用をも
有しているほか、Al添加では島状スケ−ルの生成が起こ
らないので良好な鋼板表面性状が得られる。しかし、Al
含有量がsol.Alとして 1.0%を下回ると前記作用による
所望の効果が得られず、一方、 2.5%を超えて添加させ
てもその効果が飽和する上、介在物の生成を促進して延
性・穴拡げ性が劣化することから、本発明ではsol.Al含
有量を 1.0〜 2.5%と定めた。
Siと同様にフェライト安定化元素であり、フェライトの
生成を促進してCの未変態オ−ステナイトへの濃縮を促
し、かつセメンタイトの析出を遅らせる作用を通じてオ
−ステナイトの残留を促進する。しかも、その作用は同
じ重量割合でSiを添加した場合よりも顕著である。その
上、フェライトの均一・微細な生成を促進し、穴拡げ性
を劣化させる粗大ベイナイトの生成を抑制する作用をも
有しているほか、Al添加では島状スケ−ルの生成が起こ
らないので良好な鋼板表面性状が得られる。しかし、Al
含有量がsol.Alとして 1.0%を下回ると前記作用による
所望の効果が得られず、一方、 2.5%を超えて添加させ
てもその効果が飽和する上、介在物の生成を促進して延
性・穴拡げ性が劣化することから、本発明ではsol.Al含
有量を 1.0〜 2.5%と定めた。
【0017】Ca,Zr,及び希土類元素 これらの成分は何れも介在物の形状を調整して冷間加工
性を改善する作用を有しているため、必要により1種又
は2種以上の添加がなされるが、Caの場合ではその含有
量が0.0002%未満、Zrの場合ではその含有量が0.01%未
満、希土類元素の場合ではその含有量が 0.002%未満で
あると前記作用による所望の効果が得られず、一方、Ca
が0.0100%を、Zrが0.10%を、そして希土類元素が0.10
%をそれぞれ超えて含有されると、鋼中の介在物が多く
なり過ぎ逆に加工性が劣化する。従って、Ca含有量は0.
0002〜0.0100%、Zr含有量は0.01〜0.10%、そして希土
類元素含有量は 0.002〜0.10%とそれぞれ定めた。
性を改善する作用を有しているため、必要により1種又
は2種以上の添加がなされるが、Caの場合ではその含有
量が0.0002%未満、Zrの場合ではその含有量が0.01%未
満、希土類元素の場合ではその含有量が 0.002%未満で
あると前記作用による所望の効果が得られず、一方、Ca
が0.0100%を、Zrが0.10%を、そして希土類元素が0.10
%をそれぞれ超えて含有されると、鋼中の介在物が多く
なり過ぎ逆に加工性が劣化する。従って、Ca含有量は0.
0002〜0.0100%、Zr含有量は0.01〜0.10%、そして希土
類元素含有量は 0.002〜0.10%とそれぞれ定めた。
【0018】Nb,Ti,及びV Nb,Ti及びVは何れもフェライト地に炭窒化物として析
出し鋼板の更なる高強度化に有効な元素であり、そのた
め必要により1種又は2種以上の添加がなされるが、何
れの場合も含有量が 0.005%未満では所望の効果が得ら
れず、一方、NbやTiではそれぞれ0.10%を超えて、また
Vの場合は0.20%を超えて含有されてもその効果は飽和
してしまうため経済的でない。従って、Nb含有量は 0.0
05〜0.10%、Ti含有量は 0.005〜0.10%、そしてV含有
量は 0.005〜0.20%とそれぞれ定めた。
出し鋼板の更なる高強度化に有効な元素であり、そのた
め必要により1種又は2種以上の添加がなされるが、何
れの場合も含有量が 0.005%未満では所望の効果が得ら
れず、一方、NbやTiではそれぞれ0.10%を超えて、また
Vの場合は0.20%を超えて含有されてもその効果は飽和
してしまうため経済的でない。従って、Nb含有量は 0.0
05〜0.10%、Ti含有量は 0.005〜0.10%、そしてV含有
量は 0.005〜0.20%とそれぞれ定めた。
【0019】なお、鋼中に不可避的に混入する「不可避
不純物」としてはP,S,Cu,Ni,Cr,Mo等が挙げられ
るが、例えばP,Sについては出来ればその含有量を以
下のように規制するのが望ましい。P Pは溶接性に悪影響を及ぼす不純物元素であるため、そ
の含有量は0.05%以下に抑えるのが望ましいが、フェラ
イトをより均一に分散させようとの観点からは0.010%
以下に規制するのが良い。S Sは硫化物系介在物を形成して加工性を低下させる不純
物元素であるため、その含有量は0.05%以下に抑えるの
が望ましいが、一段と優れた加工性を確保しようとの観
点からは 0.003%以下とすることがより好ましい。
不純物」としてはP,S,Cu,Ni,Cr,Mo等が挙げられ
るが、例えばP,Sについては出来ればその含有量を以
下のように規制するのが望ましい。P Pは溶接性に悪影響を及ぼす不純物元素であるため、そ
の含有量は0.05%以下に抑えるのが望ましいが、フェラ
イトをより均一に分散させようとの観点からは0.010%
以下に規制するのが良い。S Sは硫化物系介在物を形成して加工性を低下させる不純
物元素であるため、その含有量は0.05%以下に抑えるの
が望ましいが、一段と優れた加工性を確保しようとの観
点からは 0.003%以下とすることがより好ましい。
【0020】ところで、上述の如き成分組成の鋼は、例
えば転炉,電気炉,又は平炉等により溶製される。鋼種
もリムド鋼,キャップド鋼,セミキルド鋼又はキルド鋼
の何れでも良い。また、熱延に供する鋼片の製造につい
ても、“造塊−分塊圧延”或いは“連続鋳造”の何れの
手段によっても構わない。
えば転炉,電気炉,又は平炉等により溶製される。鋼種
もリムド鋼,キャップド鋼,セミキルド鋼又はキルド鋼
の何れでも良い。また、熱延に供する鋼片の製造につい
ても、“造塊−分塊圧延”或いは“連続鋳造”の何れの
手段によっても構わない。
【0021】B) 熱延鋼板の製造条件 さて、前述の如き成分組成を有し、体積率で5%以上の
残留オ−ステナイトを含んだフェライトとベイナイトが
主体の組織を有する熱延高張力鋼板は、上記成分組成の
鋼片を熱間圧延して得た鋼板をまず850℃以上に加熱
した後、650〜800℃の温度に15秒〜15分間保
持し、次いで300〜500℃の温度に30秒〜40分
保持し、続いて空冷或いはそれ以上の冷却速度で室温ま
で冷却することによって製造することが可能である。
残留オ−ステナイトを含んだフェライトとベイナイトが
主体の組織を有する熱延高張力鋼板は、上記成分組成の
鋼片を熱間圧延して得た鋼板をまず850℃以上に加熱
した後、650〜800℃の温度に15秒〜15分間保
持し、次いで300〜500℃の温度に30秒〜40分
保持し、続いて空冷或いはそれ以上の冷却速度で室温ま
で冷却することによって製造することが可能である。
【0022】ここで、熱延鋼板をまず850℃以上の温
度に加熱するのは、硬質なマルテンサイト相等を消失さ
せてオ−ステナイトを生成させることにより次の処理に
備えるためであって、加熱温度が850℃を下回るとオ
−ステナイト化が十分になされない。
度に加熱するのは、硬質なマルテンサイト相等を消失さ
せてオ−ステナイトを生成させることにより次の処理に
備えるためであって、加熱温度が850℃を下回るとオ
−ステナイト化が十分になされない。
【0023】そして、上記加熱に続く冷却過程において
650〜850℃の温度で15秒〜15分間の保持が行
われるが、この1段目の保持はフェライトを生成させる
ためのものであり、それと共に未変態オ−ステナイトへ
のCの濃縮が促進する。なお、1段目の保持温度が80
0℃を超えるとフェライトが十分に生成せず、また65
0℃未満の場合にはパ−ライトが生成し、何れの場合も
最終的に十分な量の残留オ−ステナイトを得ることがで
きない。また、保持時間が15秒未満であるとフェライ
トの生成が不十分であって最終的に十分な量の残留オ−
ステナイトが得られず、一方、15分を超えて保持して
も格別の効果が期待できる訳でなく、いたずらにエネル
ギ−を浪費するのみである。
650〜850℃の温度で15秒〜15分間の保持が行
われるが、この1段目の保持はフェライトを生成させる
ためのものであり、それと共に未変態オ−ステナイトへ
のCの濃縮が促進する。なお、1段目の保持温度が80
0℃を超えるとフェライトが十分に生成せず、また65
0℃未満の場合にはパ−ライトが生成し、何れの場合も
最終的に十分な量の残留オ−ステナイトを得ることがで
きない。また、保持時間が15秒未満であるとフェライ
トの生成が不十分であって最終的に十分な量の残留オ−
ステナイトが得られず、一方、15分を超えて保持して
も格別の効果が期待できる訳でなく、いたずらにエネル
ギ−を浪費するのみである。
【0024】この1段目の保持の後に、300〜500
℃の温度で30秒〜40分間の保持を行うが、この2段
目の保持は、1段目の保持で未変態であったオ−ステナ
イトをベイナイト変態させ、これにより残留オ−ステナ
イトを形成させるために実施される。2段目の保持温度
が500℃を超える場合にはパ−ライトが生成して残留
オ−ステナイトが残らず、一方、300℃未満の温度で
はマルテンサイトの生成が促進されて延性と穴拡げ性が
劣化する。また、保持時間が30秒未満であると、ベイ
ナイト変態の進行が不十分で未変態オ−ステナイトへの
Cの濃縮が不十分であり、未変態オ−ステナイトの殆ど
は引続き行われる室温への冷却途中でマルテンサイトに
変態してしまい、高延性が得られない。これに対して、
保持温度が40分を超えるとセメンタイトが生成して十
分な量の残留オ−ステナイトが得られない。
℃の温度で30秒〜40分間の保持を行うが、この2段
目の保持は、1段目の保持で未変態であったオ−ステナ
イトをベイナイト変態させ、これにより残留オ−ステナ
イトを形成させるために実施される。2段目の保持温度
が500℃を超える場合にはパ−ライトが生成して残留
オ−ステナイトが残らず、一方、300℃未満の温度で
はマルテンサイトの生成が促進されて延性と穴拡げ性が
劣化する。また、保持時間が30秒未満であると、ベイ
ナイト変態の進行が不十分で未変態オ−ステナイトへの
Cの濃縮が不十分であり、未変態オ−ステナイトの殆ど
は引続き行われる室温への冷却途中でマルテンサイトに
変態してしまい、高延性が得られない。これに対して、
保持温度が40分を超えるとセメンタイトが生成して十
分な量の残留オ−ステナイトが得られない。
【0025】2段目の保持温度から室温までの冷却は空
冷或いはそれ以上の冷却速度で行われるが、この時の冷
却速度が空冷よりも極端に遅いと冷却中にセメンタイト
が生成し、十分な残留オ−ステナイトが得られない。な
お、冷却速度の上限は特に制限されるものではない。
冷或いはそれ以上の冷却速度で行われるが、この時の冷
却速度が空冷よりも極端に遅いと冷却中にセメンタイト
が生成し、十分な残留オ−ステナイトが得られない。な
お、冷却速度の上限は特に制限されるものではない。
【0026】なお、前述したフェライト生成或いはベイ
ナイト変態の進行は、成分と温度及び時間に支配され、
成分と保持温度により最適時間が変動することは言うま
でもない。
ナイト変態の進行は、成分と温度及び時間に支配され、
成分と保持温度により最適時間が変動することは言うま
でもない。
【0027】
【発明の効果】さて、本発明に係わる熱延鋼板は、C含
有量が0.05〜0.25%であるために高強度部材用鋼板とし
て要求されるレベルの溶接性を具備し、更にTRIPを
利用するに十分な量のオ−ステナイトを含有する。しか
も、Si含有量が0.05%以下であるため島状スケ−ルのな
い優れた表面性状を有している。従って、本発明に従う
と、溶接性が良好であるにもかかわらず残留オ−ステナ
イトが存在していて引張強さ・伸びバランスが良好で、
しかも表面性状と穴拡げ性の優れた熱延鋼板を実現する
ことができる。なお、本発明鋼板に溶融亜鉛メッキ,合
金化溶融亜鉛メッキ,電気メッキ等の表面処理を施した
場合には、更に優れた表面性状,延性,穴拡げ性を備え
た表面処理鋼板が得られる。
有量が0.05〜0.25%であるために高強度部材用鋼板とし
て要求されるレベルの溶接性を具備し、更にTRIPを
利用するに十分な量のオ−ステナイトを含有する。しか
も、Si含有量が0.05%以下であるため島状スケ−ルのな
い優れた表面性状を有している。従って、本発明に従う
と、溶接性が良好であるにもかかわらず残留オ−ステナ
イトが存在していて引張強さ・伸びバランスが良好で、
しかも表面性状と穴拡げ性の優れた熱延鋼板を実現する
ことができる。なお、本発明鋼板に溶融亜鉛メッキ,合
金化溶融亜鉛メッキ,電気メッキ等の表面処理を施した
場合には、更に優れた表面性状,延性,穴拡げ性を備え
た表面処理鋼板が得られる。
【0028】続いて、本発明の効果を実施例によって更
に具体的に説明する。
に具体的に説明する。
【実施例】まず、表1に示す化学成分組成の鋼A乃至Y
を熱間圧延し、板厚:2.3mmの熱延鋼板を得た。次に、こ
れら各熱延鋼板に対して表2及び表3に示す種々条件の
熱処理を施した。
を熱間圧延し、板厚:2.3mmの熱延鋼板を得た。次に、こ
れら各熱延鋼板に対して表2及び表3に示す種々条件の
熱処理を施した。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】そして、このようにして得られた各鋼板か
らJIS5号引張試験片を採取し、その機械的性質を調
査した。また、寸法が 2.3mm厚×120mm幅×120mm
長の鋼板試験片に14mmφの孔をクリアランス:15%
で打ち抜き、これらにつき円錐ポンチを用いて穴拡げ性
を調査した。更に、鋼板中央部よりX線試験用の試験片
を採取し、残留オ−ステナイト量の調査も実施した。こ
れらの結果を表2及び表3に併せて示す。
らJIS5号引張試験片を採取し、その機械的性質を調
査した。また、寸法が 2.3mm厚×120mm幅×120mm
長の鋼板試験片に14mmφの孔をクリアランス:15%
で打ち抜き、これらにつき円錐ポンチを用いて穴拡げ性
を調査した。更に、鋼板中央部よりX線試験用の試験片
を採取し、残留オ−ステナイト量の調査も実施した。こ
れらの結果を表2及び表3に併せて示す。
【0033】表2及び表3に示される結果から明らかな
ように、本発明に従って製造された熱延鋼板は引張強
さ:60kgf/mm2 以上の高強度と伸び:30%以上の優
れた延性を備えると同時に、穴拡げ率:100%以上の
優れた打抜き加工性を示し、高強度かつ高加工性を同時
に満足していることが分かる。更に、本発明熱延鋼板は
島状スケ−ルの発生もなく、良好な表面状態を呈してい
ることも確認できる。
ように、本発明に従って製造された熱延鋼板は引張強
さ:60kgf/mm2 以上の高強度と伸び:30%以上の優
れた延性を備えると同時に、穴拡げ率:100%以上の
優れた打抜き加工性を示し、高強度かつ高加工性を同時
に満足していることが分かる。更に、本発明熱延鋼板は
島状スケ−ルの発生もなく、良好な表面状態を呈してい
ることも確認できる。
【0034】一方、C含有量が本発明の規定範囲を超え
る鋼種Uを用いた試験番号28では、伸びは比較的高いも
のの穴拡げ性が劣っている。sol.Al含有量が本発明の規
定範囲を下回る鋼種Vを用いた試験番号29では、残留オ
−ステナイトが生成せず伸びが劣っている。C含有量が
本発明の規定範囲を下回る鋼種Wを用いた試験番号30で
は、強度が大幅に劣っている。Si含有量が本発明の規定
範囲を超える鋼種Xを用いた試験番号31では、強度,伸
び,穴拡げ性が共に比較的良好であるが、鋼板の表面性
状が劣っている。また、Si含有量及びsol.Al含有量が本
発明の規定範囲を外れる鋼種Yを用いた試験番号32で
は、穴拡げ性と鋼板表面性状が劣っている。
る鋼種Uを用いた試験番号28では、伸びは比較的高いも
のの穴拡げ性が劣っている。sol.Al含有量が本発明の規
定範囲を下回る鋼種Vを用いた試験番号29では、残留オ
−ステナイトが生成せず伸びが劣っている。C含有量が
本発明の規定範囲を下回る鋼種Wを用いた試験番号30で
は、強度が大幅に劣っている。Si含有量が本発明の規定
範囲を超える鋼種Xを用いた試験番号31では、強度,伸
び,穴拡げ性が共に比較的良好であるが、鋼板の表面性
状が劣っている。また、Si含有量及びsol.Al含有量が本
発明の規定範囲を外れる鋼種Yを用いた試験番号32で
は、穴拡げ性と鋼板表面性状が劣っている。
【0035】更に、1段目保持温度が本発明で規定する
範囲の下限を外れた条件で製造された試験番号21では、
1段目保持の時にパ−ライトが生成するために残留オ−
ステナイトが生成せず、伸びが劣っている。1段目保持
温度が本発明で規定する範囲の上限を外れた条件で製造
された試験番号22や、1段目保持時間が本発明で規定す
る範囲の下限を外れた条件で製造された試験番号23で
は、1段目保持によるフェライトの生成が不十分なため
2段目保持時にマルテンサイトが生成し、残留オ−ステ
ナイトが十分に生成しない。そして、このため高強度で
あるが伸びは低く、また穴拡げ性も良好でない。
範囲の下限を外れた条件で製造された試験番号21では、
1段目保持の時にパ−ライトが生成するために残留オ−
ステナイトが生成せず、伸びが劣っている。1段目保持
温度が本発明で規定する範囲の上限を外れた条件で製造
された試験番号22や、1段目保持時間が本発明で規定す
る範囲の下限を外れた条件で製造された試験番号23で
は、1段目保持によるフェライトの生成が不十分なため
2段目保持時にマルテンサイトが生成し、残留オ−ステ
ナイトが十分に生成しない。そして、このため高強度で
あるが伸びは低く、また穴拡げ性も良好でない。
【0036】2段目保持温度が本発明で規定する範囲の
上限を外れた条件で製造された試験番号24では、2段目
保持の時にパ−ライトが生成するために残留オ−ステナ
イトが生成せず、伸びが劣っている。2段目保持時間が
本発明で規定する範囲の下限を外れた条件で製造された
試験番号25では、2段目保持によるベイナイトの生成が
十分ではないため残留オ−ステナイトが十分に生成せず
に伸びが低下し、また穴拡げ性も良好でない。
上限を外れた条件で製造された試験番号24では、2段目
保持の時にパ−ライトが生成するために残留オ−ステナ
イトが生成せず、伸びが劣っている。2段目保持時間が
本発明で規定する範囲の下限を外れた条件で製造された
試験番号25では、2段目保持によるベイナイトの生成が
十分ではないため残留オ−ステナイトが十分に生成せず
に伸びが低下し、また穴拡げ性も良好でない。
【0037】2段目保持時間が本発明で規定する範囲の
上限を外れた条件で製造された試験番号26では、2段目
保持時間が長いためにセメンタイトが生成し十分な量の
残留オ−ステナイトが得られず、伸びが劣っている。2
段目保持温度が本発明で規定する範囲の下限を外れた条
件で製造された試験番号27では、2段目保持温度が低い
ために1段目の保持で未変態であったオ−ステナイトが
マルテンサイト変態し残留オ−ステナイトの生成が不十
分であり、そのため高強度であるが伸びが低く、また穴
拡げ性が良好でない。
上限を外れた条件で製造された試験番号26では、2段目
保持時間が長いためにセメンタイトが生成し十分な量の
残留オ−ステナイトが得られず、伸びが劣っている。2
段目保持温度が本発明で規定する範囲の下限を外れた条
件で製造された試験番号27では、2段目保持温度が低い
ために1段目の保持で未変態であったオ−ステナイトが
マルテンサイト変態し残留オ−ステナイトの生成が不十
分であり、そのため高強度であるが伸びが低く、また穴
拡げ性が良好でない。
【0038】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、強度,延性、穴拡げ性,溶接性並びに表面性状が共
に優れる高延性高張力熱延鋼板を安定して提供すること
ができ、自動車足廻り部品等の産業機器部材に適用して
それら製品の性能や寿命を一段と改善することが可能と
なるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
ば、強度,延性、穴拡げ性,溶接性並びに表面性状が共
に優れる高延性高張力熱延鋼板を安定して提供すること
ができ、自動車足廻り部品等の産業機器部材に適用して
それら製品の性能や寿命を一段と改善することが可能と
なるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
Claims (4)
- 【請求項1】 重量割合にてC:0.05〜0.25%, S
i:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.Al: 1.0
〜 2.5%を含み残部がFe及び不可避不純物から成る熱延
鋼板を、850℃以上に加熱すると共に、その後の冷却
に際し、650〜800℃の温度に15秒〜15分間保
持した後、更に300〜500℃の温度に30秒〜40
分保持し、次いで空冷或いはそれ以上の冷却速度で室温
まで冷却することを特徴とする、体積率で5%以上の残
留オ−ステナイトを含んだフェライトとベイナイトが主
体の組織を有した表面性状と延性,穴拡げに優れる高延
性熱延高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 重量割合にてC:0.05〜0.25%, S
i:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.Al: 1.0
〜 2.5%を含有し、更にCa:0.0002〜0.0100%,Zr:0.
01〜0.10%,希土類元素: 0.002〜0.10%の1種以上を
も含み残部がFe及び不可避不純物から成る熱延鋼板を、
850℃以上に加熱すると共に、その後の冷却に際し、
650〜800℃の温度に15秒〜15分間保持した
後、更に300〜500℃の温度に30秒〜40分保持
し、次いで空冷或いはそれ以上の冷却速度で室温まで冷
却することを特徴とする、体積率で5%以上の残留オ−
ステナイトを含んだフェライトとベイナイトが主体の組
織を有した表面性状と延性,穴拡げに優れる高延性熱延
高張力鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 重量割合にてC:0.05〜0.25%, S
i:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.Al: 1.0
〜 2.5%を含有し、更にNb: 0.005〜0.10%,Ti: 0.0
05〜0.10%,V: 0.005〜0.20%の1種以上をも含み残
部がFe及び不可避不純物から成る熱延鋼板を、850℃
以上に加熱すると共に、その後の冷却に際し、650〜
800℃の温度に15秒〜15分間保持した後、更に3
00〜500℃の温度に30秒〜40分保持し、次いで
空冷或いはそれ以上の冷却速度で室温まで冷却すること
を特徴とする、体積率で5%以上の残留オ−ステナイト
を含んだフェライトとベイナイトが主体の組織を有した
表面性状と延性,穴拡げに優れる高延性熱延高張力鋼板
の製造方法。 - 【請求項4】 重量割合にてC:0.05〜0.25%, S
i:0.05%以下, Mn: 0.8〜 2.5%,sol.Al: 1.0
〜 2.5%を含有し、更にCa:0.0002〜0.0100%,Zr:0.
01〜0.10%,希土類元素: 0.002〜0.10%の1種以上、
並びにNb: 0.005〜0.10%,Ti: 0.005〜0.10%,V:
0.005〜0.20%の1種以上をも含み残部がFe及び不可避
不純物から成る熱延鋼板を、850℃以上に加熱すると
共に、その後の冷却に際し、650〜800℃の温度に
15秒〜15分間保持した後、更に300〜500℃の
温度に30秒〜40分保持し、次いで空冷或いはそれ以
上の冷却速度で室温まで冷却することを特徴とする、体
積率で5%以上の残留オ−ステナイトを含んだフェライ
トとベイナイトが主体の組織を有した表面性状と延性,
穴拡げに優れる高延性熱延高張力鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24548592A JPH0665645A (ja) | 1992-08-22 | 1992-08-22 | 高延性熱延高張力鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP24548592A JPH0665645A (ja) | 1992-08-22 | 1992-08-22 | 高延性熱延高張力鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0665645A true JPH0665645A (ja) | 1994-03-08 |
Family
ID=17134366
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP24548592A Pending JPH0665645A (ja) | 1992-08-22 | 1992-08-22 | 高延性熱延高張力鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0665645A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100470049B1 (ko) * | 2000-10-30 | 2005-02-04 | 주식회사 포스코 | 용접열영향부 인성이 우수한 용접구조용 강재의 제조방법 |
| KR100470672B1 (ko) * | 2000-11-02 | 2005-03-07 | 주식회사 포스코 | 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용 강재의제조방법 |
| JP2005264328A (ja) * | 2004-02-19 | 2005-09-29 | Jfe Steel Kk | 加工性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 |
| KR100568362B1 (ko) * | 2001-12-26 | 2006-04-05 | 주식회사 포스코 | 대입열 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용강재의 제조방법 |
| WO2008044659A1 (en) | 2006-10-06 | 2008-04-17 | Kaneka Corporation | Highly absorbable composition for oral administration containing oxidized coenzyme q10 |
| US8657690B2 (en) | 2009-08-27 | 2014-02-25 | Exedy Corporation | Torque limiter device |
-
1992
- 1992-08-22 JP JP24548592A patent/JPH0665645A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100470049B1 (ko) * | 2000-10-30 | 2005-02-04 | 주식회사 포스코 | 용접열영향부 인성이 우수한 용접구조용 강재의 제조방법 |
| KR100470672B1 (ko) * | 2000-11-02 | 2005-03-07 | 주식회사 포스코 | 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용 강재의제조방법 |
| KR100568362B1 (ko) * | 2001-12-26 | 2006-04-05 | 주식회사 포스코 | 대입열 용접열영향부 인성이 우수한 고강도 용접구조용강재의 제조방법 |
| JP2005264328A (ja) * | 2004-02-19 | 2005-09-29 | Jfe Steel Kk | 加工性に優れた高強度鋼板およびその製造方法 |
| WO2008044659A1 (en) | 2006-10-06 | 2008-04-17 | Kaneka Corporation | Highly absorbable composition for oral administration containing oxidized coenzyme q10 |
| US8657690B2 (en) | 2009-08-27 | 2014-02-25 | Exedy Corporation | Torque limiter device |
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