JPH066739B2 - 低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法 - Google Patents
低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法Info
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- JPH066739B2 JPH066739B2 JP20712987A JP20712987A JPH066739B2 JP H066739 B2 JPH066739 B2 JP H066739B2 JP 20712987 A JP20712987 A JP 20712987A JP 20712987 A JP20712987 A JP 20712987A JP H066739 B2 JPH066739 B2 JP H066739B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はタンク用鋼、パイプ用鋼、圧力容器用鋼、ボル
ト用鋼等あるいは厳しい曲げ加工を必要とし、かつ表層
での高い延性を要求されるような鏡板、胴板等に適した
低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法に関するもので
ある。
ト用鋼等あるいは厳しい曲げ加工を必要とし、かつ表層
での高い延性を要求されるような鏡板、胴板等に適した
低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、この種の分野へは、低合金高張力鋼、特に引張強
度60Kgf/mm2級鋼が多く使用されている。しかし、引張
強度60Kgf/mm2級鋼は、通常、焼入−焼戻処理により製
造するため、表面硬度が高く応力腐食割れを生じやすい
ことが、問題となっている。
度60Kgf/mm2級鋼が多く使用されている。しかし、引張
強度60Kgf/mm2級鋼は、通常、焼入−焼戻処理により製
造するため、表面硬度が高く応力腐食割れを生じやすい
ことが、問題となっている。
このような耐応力腐食割れ性の改善には鋼板表面硬度を
低下させるのが有効である。さらに、表面硬度を低下さ
せることにより、厳しい曲げ加工が必要とされる場合も
非常に有効である。特に、耐応力腐食割れ性に対して
は、鋼板表面硬度が、Hv≦210であれば、応力腐食割れ
を防止できることが知られている。
低下させるのが有効である。さらに、表面硬度を低下さ
せることにより、厳しい曲げ加工が必要とされる場合も
非常に有効である。特に、耐応力腐食割れ性に対して
は、鋼板表面硬度が、Hv≦210であれば、応力腐食割れ
を防止できることが知られている。
このような背景から、低表面硬度を有する高張力鋼材へ
のニーズは、非常に高い。これまで、低表面硬度鋼材を
製造する方法としては、(1)表面脱炭,(2)クラッド鋼
板,(3)特殊限定成分鋼の焼入−高温焼戻等が提案され
ている。表面脱炭の方法は特開昭61−27931伸べ
られているように表面脱炭により、鋼板表面近傍の炭素
濃度を低下させ、焼入れ性を低下させて、引き続いて行
われる焼入れ処理においても、マルテンサイト等の硬質
な組織を生じさせないことによって、表面硬度を低下さ
せる方法である。
のニーズは、非常に高い。これまで、低表面硬度鋼材を
製造する方法としては、(1)表面脱炭,(2)クラッド鋼
板,(3)特殊限定成分鋼の焼入−高温焼戻等が提案され
ている。表面脱炭の方法は特開昭61−27931伸べ
られているように表面脱炭により、鋼板表面近傍の炭素
濃度を低下させ、焼入れ性を低下させて、引き続いて行
われる焼入れ処理においても、マルテンサイト等の硬質
な組織を生じさせないことによって、表面硬度を低下さ
せる方法である。
クラッド鋼板による方法は、確実に表面軟化鋼材を製造
する方法ではある。具体的には、軟鋼、あるいは純鉄に
近い低成分の鋼と、強度を確保するための母材とを接合
して、クラッドとするものである。
する方法ではある。具体的には、軟鋼、あるいは純鉄に
近い低成分の鋼と、強度を確保するための母材とを接合
して、クラッドとするものである。
特殊限定成分鋼の焼入−高温焼戻の方法は特開昭59−
1267に述べられているように、Mo,Nb,V,B,A
l,Ti等のいくつかを必須の元素として添加した鋼を焼
入−高温焼戻処理によって、表層の硬度を低下させるも
のである。熱処理としては、焼入れ後の焼戻温度は、65
0〜700℃(あるいは、650〜690℃)と、高めにする必要
がある。この方法では、鋼材表面では鋼材内部よりも焼
戻し軟化が生じやすい傾向を活用し、鋼材表面のみを軟
化させるものである。
1267に述べられているように、Mo,Nb,V,B,A
l,Ti等のいくつかを必須の元素として添加した鋼を焼
入−高温焼戻処理によって、表層の硬度を低下させるも
のである。熱処理としては、焼入れ後の焼戻温度は、65
0〜700℃(あるいは、650〜690℃)と、高めにする必要
がある。この方法では、鋼材表面では鋼材内部よりも焼
戻し軟化が生じやすい傾向を活用し、鋼材表面のみを軟
化させるものである。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、前述した従来の方法では、以下の問題点
がある。
がある。
(1)表面脱炭の方法では、スラブ、あるいは、鋼板を酸
化雰囲気中で、高温長時間加熱を行う必要がある。しか
も、安定して、表面下数mmを脱炭させるには例えば、10
00℃以上で数時間以上の熱処理が必要である。そのた
め、この方法では、加熱処理によるコスト上昇は避けら
れず、また、生産能率も著しく低下する。
化雰囲気中で、高温長時間加熱を行う必要がある。しか
も、安定して、表面下数mmを脱炭させるには例えば、10
00℃以上で数時間以上の熱処理が必要である。そのた
め、この方法では、加熱処理によるコスト上昇は避けら
れず、また、生産能率も著しく低下する。
(2)クラッド鋼板による方法では、目的達成に対して、
有効な手法であるが、クラッド鋼板製造には専用の設備
と高い技術力が必要な上に、コスト上昇も避けられな
い。また、大量生産には適していない。
有効な手法であるが、クラッド鋼板製造には専用の設備
と高い技術力が必要な上に、コスト上昇も避けられな
い。また、大量生産には適していない。
(3)特殊限定成分鋼の焼入−焼戻処理の方法では、Mo,
V,Nb,B,Ti,Al等の元素のいくつかを必然的に添加
しなければならず、高価な成分になってしまう。又、同
時に、常に適切な成分調整と成分バランスが要求され
る。また、この方法で、表面が軟化する根拠の重要な前
提条件として、「鋼板表面近傍の焼きの入った部分の焼
戻軟化が顕著である傾向を活用する」としている。しか
しながら、一般的には、この傾向は正しいと考えられる
が、安定して低表面硬度鋼材を製造するための技術とし
ては、あまりにも不確かである。
V,Nb,B,Ti,Al等の元素のいくつかを必然的に添加
しなければならず、高価な成分になってしまう。又、同
時に、常に適切な成分調整と成分バランスが要求され
る。また、この方法で、表面が軟化する根拠の重要な前
提条件として、「鋼板表面近傍の焼きの入った部分の焼
戻軟化が顕著である傾向を活用する」としている。しか
しながら、一般的には、この傾向は正しいと考えられる
が、安定して低表面硬度鋼材を製造するための技術とし
ては、あまりにも不確かである。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされ
たもので、応力腐食割れを生じなかいかつ厳しい曲げ加
工性にすぐれた引張強度60Kgf/mm2級以上の高張力鋼の
製造方法を提供することを目的とする。
たもので、応力腐食割れを生じなかいかつ厳しい曲げ加
工性にすぐれた引張強度60Kgf/mm2級以上の高張力鋼の
製造方法を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、(1)低炭素鋼、または低炭素低合金鋼を熱間
圧延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入れ
し、組織ろベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテン
サイト)主体の組織とした鋼を加工し、鋼表層に変態
歪,熱歪以上の歪を残存させ、その後Ac1温度以下で焼
戻処理または応力除去焼鈍のいずれか一方か、あるいは
両方の処理を行い鋼表層の組織のみをフェライトの組織
にすることを特徴とする、低表面硬度を有する高張力鋼
の製造方法である。
圧延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入れ
し、組織ろベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテン
サイト)主体の組織とした鋼を加工し、鋼表層に変態
歪,熱歪以上の歪を残存させ、その後Ac1温度以下で焼
戻処理または応力除去焼鈍のいずれか一方か、あるいは
両方の処理を行い鋼表層の組織のみをフェライトの組織
にすることを特徴とする、低表面硬度を有する高張力鋼
の製造方法である。
そして更に、(2)低炭素鋼、または低炭素低合金鋼を熱
間圧延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入
れし、組織ろベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテ
ンサイト)主体の組織とした鋼を、Ac1温度以下で焼戻
処理した後に加工し、鋼表層に変態歪,熱歪以上の歪を
残存させ、その後Ac1温度如何で焼鈍処理または応力除
去焼鈍のいずれか一方か、あるいは両方の処理を行い鋼
表層の組織のみをフェライトの組織にすることを特徴と
する低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法である。
間圧延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入
れし、組織ろベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテ
ンサイト)主体の組織とした鋼を、Ac1温度以下で焼戻
処理した後に加工し、鋼表層に変態歪,熱歪以上の歪を
残存させ、その後Ac1温度如何で焼鈍処理または応力除
去焼鈍のいずれか一方か、あるいは両方の処理を行い鋼
表層の組織のみをフェライトの組織にすることを特徴と
する低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法である。
本発明に使用する低炭素鋼、または低炭素低含金鋼は、
概略次に示すような成分系を前提としているが、これに
限定されるものではない。
概略次に示すような成分系を前提としているが、これに
限定されるものではない。
C:0.03〜0.40%,Si:0.02〜0.70%、Mn:0.30〜2.
50%,P:0.025%以下,S:0.025%以下,Sol.Al0.00
2〜0.15%を含有し、残部はFe,及び不可避不純物より
成る鋼を基本成分とし、必要に応じて、Cu:0.1〜2.0
%,Ni:0.1〜10.0%,Cr:0.05〜2.50%,Mo:0.03〜
2.00%,V:0.01〜0.15%,Nb:0.005〜0.10%,Ti:
0.003〜0.200%B:0.0003〜0.01%,のうち一種もしく
は二種以上を含有する成分系。
50%,P:0.025%以下,S:0.025%以下,Sol.Al0.00
2〜0.15%を含有し、残部はFe,及び不可避不純物より
成る鋼を基本成分とし、必要に応じて、Cu:0.1〜2.0
%,Ni:0.1〜10.0%,Cr:0.05〜2.50%,Mo:0.03〜
2.00%,V:0.01〜0.15%,Nb:0.005〜0.10%,Ti:
0.003〜0.200%B:0.0003〜0.01%,のうち一種もしく
は二種以上を含有する成分系。
熱間圧延に関しては、通常の操業が可能であれば、特に
規定しない。例えば、スラブ加熱温度:1000〜1250℃,
仕上温度:板厚,スラブ加熱温度等によって異なるが80
0〜1000℃である。
規定しない。例えば、スラブ加熱温度:1000〜1250℃,
仕上温度:板厚,スラブ加熱温度等によって異なるが80
0〜1000℃である。
本発明においては、焼入れ後の鋼の組織がベイナイトあ
るいは(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織であ
ることが必要である。
るいは(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織であ
ることが必要である。
これは本発明の対象としている高張力鋼が引張強度60Kg
f/mm2程度以上であり、溶接性の向上、合金元素低減に
よる低コスト化等の点から鋼の組織をベイナイトあるい
は(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織とする必
要がある。そのためには、焼入れ処理は、鋼をオーステ
ナイト温度域まで加熱焼入れる。冷却速度は、特に規定
しないが、焼入れ後の鋼の組織が、ベイナイト組織ある
いは(ベイナイト+マルテンサイト)組織主体になるよ
うな冷却速度であればよい。
f/mm2程度以上であり、溶接性の向上、合金元素低減に
よる低コスト化等の点から鋼の組織をベイナイトあるい
は(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織とする必
要がある。そのためには、焼入れ処理は、鋼をオーステ
ナイト温度域まで加熱焼入れる。冷却速度は、特に規定
しないが、焼入れ後の鋼の組織が、ベイナイト組織ある
いは(ベイナイト+マルテンサイト)組織主体になるよ
うな冷却速度であればよい。
次に、本発明では最も大きな特徴の一つである「ベイナ
イト組織等とした鋼」を「加工」することが必要であ
る。加工とは温間加工,冷間加工のどちらか一方か、両
方(温度加工,冷間加工を行う順番は、どちらからでも
良い。また、それぞれを適宜数回くりかえしても何ら差
しつかえない)を実施することである。また、ここでの
加工の目的はベイナイト組織あるいは(ベイナイト+マ
ルテンサイト)主体の組織を、フェライト組織にかえる
のを促進させることである。従って、鋼材を均一に加工
する必要はなく、少なくとも表層近傍に歪を蓄積できれ
ば良い。
イト組織等とした鋼」を「加工」することが必要であ
る。加工とは温間加工,冷間加工のどちらか一方か、両
方(温度加工,冷間加工を行う順番は、どちらからでも
良い。また、それぞれを適宜数回くりかえしても何ら差
しつかえない)を実施することである。また、ここでの
加工の目的はベイナイト組織あるいは(ベイナイト+マ
ルテンサイト)主体の組織を、フェライト組織にかえる
のを促進させることである。従って、鋼材を均一に加工
する必要はなく、少なくとも表層近傍に歪を蓄積できれ
ば良い。
この場合、鋼表層の歪は、変態歪,熱歪以上の歪が残存
していなければならない。変態歪,熱歪未満の場合は、
鋼の表層をベイナイト等の組織からフェライト組織にか
えるのが困難である。上記において、冷間加工は常温で
の加工であり、温間加工はAc1温度以下に加熱してから
空冷中に加工することである。加工量は、目的とす表面
軟化層の深さ、及び加工に引続いて行う焼戻しやPWH
T等の熱処理条件によって異なる。また、温冷間加工の
繰返し数によっても異なるが、それぞれ単独に実施する
場合には、表層近傍での歪量は少なくとも温間加工では
5%程度以上、冷間加工では2%程度以上とするのが望
ましく、温間加工では10%以上、冷間加工では5%以上
が効果的である。
していなければならない。変態歪,熱歪未満の場合は、
鋼の表層をベイナイト等の組織からフェライト組織にか
えるのが困難である。上記において、冷間加工は常温で
の加工であり、温間加工はAc1温度以下に加熱してから
空冷中に加工することである。加工量は、目的とす表面
軟化層の深さ、及び加工に引続いて行う焼戻しやPWH
T等の熱処理条件によって異なる。また、温冷間加工の
繰返し数によっても異なるが、それぞれ単独に実施する
場合には、表層近傍での歪量は少なくとも温間加工では
5%程度以上、冷間加工では2%程度以上とするのが望
ましく、温間加工では10%以上、冷間加工では5%以上
が効果的である。
本発明においては、焼窓とPWHTのどちらかあるいは
両方を、必ず実施しなければならない。また、両方、あ
るいは、片方を適宜繰返して実施することは、何ら問題
ない。
両方を、必ず実施しなければならない。また、両方、あ
るいは、片方を適宜繰返して実施することは、何ら問題
ない。
焼戻、PWHTは、焼入処理後行う。母材の強度水準
等、基本的な材質を安定して確保するための焼戻処理は
加工の前後どちらでもよいが、表面軟化層を形成させる
ための焼戻、PWHT等の熱処理は少なくともどちらか
を、加工後に実施したほうが効果的である。冷間加工を
行った場合は、加工後焼戻か、またはPWHTの少なく
ともどちらか一方を実施する必要がある。
等、基本的な材質を安定して確保するための焼戻処理は
加工の前後どちらでもよいが、表面軟化層を形成させる
ための焼戻、PWHT等の熱処理は少なくともどちらか
を、加工後に実施したほうが効果的である。冷間加工を
行った場合は、加工後焼戻か、またはPWHTの少なく
ともどちらか一方を実施する必要がある。
焼戻、PWHTの条件は、目的とする表面軟化層の深
さ、及び、前加工熱履歴によって此なる。両者とも、Ac
1以下の温度とし、表面軟化層の深さを深くする場合、
及び、加工歪量が少ない場合は、比較的高温(650℃程
度以上)での処理が望ましい。その逆の場合は比較的低
い温度での処理でも十分である。つまり加工歪量と熱処
理温度の組合せによって表面軟化層の深さを適切に、且
つ自由に制御できる。
さ、及び、前加工熱履歴によって此なる。両者とも、Ac
1以下の温度とし、表面軟化層の深さを深くする場合、
及び、加工歪量が少ない場合は、比較的高温(650℃程
度以上)での処理が望ましい。その逆の場合は比較的低
い温度での処理でも十分である。つまり加工歪量と熱処
理温度の組合せによって表面軟化層の深さを適切に、且
つ自由に制御できる。
本発明では最も大きな特徴の一つである「鋼表層のみが
フェライト組織になっている」ことが必要である。
フェライト組織になっている」ことが必要である。
鋼表層のみをフェライト組織にしたのは、本発明の対象
としている鋼の組織の大部分はベイナイト、または(ベ
イナイト+マルテンサイト)主体の組織にして、その特
性を活かしながら、かつ鋼表面硬度がHv≦210になるよ
うにし、応力腐食割れを防止し、曲げ加工等にすぐれた
特性を付与させることによる。
としている鋼の組織の大部分はベイナイト、または(ベ
イナイト+マルテンサイト)主体の組織にして、その特
性を活かしながら、かつ鋼表面硬度がHv≦210になるよ
うにし、応力腐食割れを防止し、曲げ加工等にすぐれた
特性を付与させることによる。
[実施例] 以下に本発明の実施例を述べる。第1表に供試鋼化学成
分(%)を示す。その処理条件とその結果を第2表に示
す。この場合、試作鋼板の圧延条件は、スラブ加熱温度
1200℃、仕上温度850〜950℃の範囲とした。
分(%)を示す。その処理条件とその結果を第2表に示
す。この場合、試作鋼板の圧延条件は、スラブ加熱温度
1200℃、仕上温度850〜950℃の範囲とした。
第2表から明らかなように、本発明のA1,2,B1〜
B8,C1,2D1,2(ここで、A1とは、鋼種符号
AのNo.1を示す)は、TS(引張強度)が60〜70Kgf/m
m2と所定の値が得られており、且つ、表面Hvは、210
以下であり本発明で、目的としている表面硬度を十分に
満足する。さらに低表面硬度層の深さはすべて1.5mm
以上である。
B8,C1,2D1,2(ここで、A1とは、鋼種符号
AのNo.1を示す)は、TS(引張強度)が60〜70Kgf/m
m2と所定の値が得られており、且つ、表面Hvは、210
以下であり本発明で、目的としている表面硬度を十分に
満足する。さらに低表面硬度層の深さはすべて1.5mm
以上である。
B1〜3,C1,D2は、焼入後焼戻処理を行わずにそ
のまま温間、冷間加工を実施し、引き続いて焼戻処理ま
たはPWHTを行った鋼であり、その他のA1,2,B
4〜8,C2,D1は、焼入−焼戻処理後、温間、冷間
加工のどちらか、あるいはB8のように両方を実施して
から、焼戻、PWHTをおこなった鋼である。本発明に
おいては、加工を適宜数回繰り返すことも何ら問題ない
し、加工後の熱処理(焼戻、PWHT)に関しても、焼
戻あるいは、PWHTのどちらかを、少なくとも実施す
る必要があるが、B7のように、両方を行っても全く問
題ない。さらに、必要に応じて数回繰り返してもよい。
のまま温間、冷間加工を実施し、引き続いて焼戻処理ま
たはPWHTを行った鋼であり、その他のA1,2,B
4〜8,C2,D1は、焼入−焼戻処理後、温間、冷間
加工のどちらか、あるいはB8のように両方を実施して
から、焼戻、PWHTをおこなった鋼である。本発明に
おいては、加工を適宜数回繰り返すことも何ら問題ない
し、加工後の熱処理(焼戻、PWHT)に関しても、焼
戻あるいは、PWHTのどちらかを、少なくとも実施す
る必要があるが、B7のように、両方を行っても全く問
題ない。さらに、必要に応じて数回繰り返してもよい。
一方、比較法のB9,C3,D3は、温間、冷間加工を
行っておらず、本発明の範囲外になっているため、TS
は十分であるが、表面硬度が著しく高く、Hv>210とな
っている。また、比較法のA3,B10は、焼入温度が低
く完全にオーステナイト変態を終了してあないため、焼
入後の組織がベイナイト組織あるいは(ベイナイト+マ
ルテンサイト)組織ではなく(フェライト+ベイナイ
ト)組織であり本発明を満足しない。組織が(フェライ
ト+ベイナイト)組織であるため表面硬度は当然低くな
っているが、鋼材としての引張強度は60Kgf/mm2以下で
あり本発明鋼に比較してTSが約10Kgf/mm2低
くなっている。
行っておらず、本発明の範囲外になっているため、TS
は十分であるが、表面硬度が著しく高く、Hv>210とな
っている。また、比較法のA3,B10は、焼入温度が低
く完全にオーステナイト変態を終了してあないため、焼
入後の組織がベイナイト組織あるいは(ベイナイト+マ
ルテンサイト)組織ではなく(フェライト+ベイナイ
ト)組織であり本発明を満足しない。組織が(フェライ
ト+ベイナイト)組織であるため表面硬度は当然低くな
っているが、鋼材としての引張強度は60Kgf/mm2以下で
あり本発明鋼に比較してTSが約10Kgf/mm2低
くなっている。
この結果において、本発明のB2と比較法のB9の板厚
方向硬度分布を図1に示す。付から明らかなように、本
発明のB2の表層近傍の硬度は約2.5mmの範囲がHv≦
210となっている。比較法のB9では表面硬度は250に達
している。
方向硬度分布を図1に示す。付から明らかなように、本
発明のB2の表層近傍の硬度は約2.5mmの範囲がHv≦
210となっている。比較法のB9では表面硬度は250に達
している。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、鋼の組織の大部分がベイナイト
又は(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織で、そ
の表層のみをフェライト組織にすることによって、応力
腐食割れがなく、かつ厳しい曲げ加工性にすぐれた引張
強度60Kgf/mm2以上の高張力鋼を容易に製造することが
出来、その結果としてタンク用鋼等に適した鋼を提供す
ることが出来、産業上非常に価値の高い発明である。
又は(ベイナイト+マルテンサイト)主体の組織で、そ
の表層のみをフェライト組織にすることによって、応力
腐食割れがなく、かつ厳しい曲げ加工性にすぐれた引張
強度60Kgf/mm2以上の高張力鋼を容易に製造することが
出来、その結果としてタンク用鋼等に適した鋼を提供す
ることが出来、産業上非常に価値の高い発明である。
【図面の簡単な説明】第1図は本発明における板厚方向
硬度分布を示す図である。 1…本発明による試作材,2…比較材。
硬度分布を示す図である。 1…本発明による試作材,2…比較材。
Claims (2)
- 【請求項1】低炭素鋼、または低炭素低合金鋼を熱間圧
延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入れ
し、組織をベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテン
サイト)主体の組織とした鋼を加工し、鋼表層に変態
歪,熱歪以上の歪を残存させ、その後Ac1温度以下で焼
戻処理または応力除去焼鈍のいずれか一方か、あるいは
両方の処理を行い鋼表層の組織のみをフェライトの組織
にすることを特徴とする、低表面硬度を有する高張力鋼
の製造方法。 - 【請求項2】低炭素鋼、または低炭素低合金鋼を熱間圧
延し、その後オーステナイト域まで再加熱して焼入れ
し、組織をベイナイトあるいは(ベイナイト+マルテン
サイト)主体の組織とした鋼を、Ac1温度以下で焼戻処
理した後に加工し、鋼表層に変態歪,熱歪以上の歪を残
存させ、その後Ac1温度以下で焼戻処理または応力除去
焼鈍のいずれか一方か、あるいは両方の処理を行い鋼表
層の組織のみをフェライトの組織にすることを特徴とす
る低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20712987A JPH066739B2 (ja) | 1987-08-20 | 1987-08-20 | 低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20712987A JPH066739B2 (ja) | 1987-08-20 | 1987-08-20 | 低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6452019A JPS6452019A (en) | 1989-02-28 |
| JPH066739B2 true JPH066739B2 (ja) | 1994-01-26 |
Family
ID=16534674
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20712987A Expired - Lifetime JPH066739B2 (ja) | 1987-08-20 | 1987-08-20 | 低表面硬度を有する高張力鋼の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH066739B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6455333A (en) * | 1987-08-25 | 1989-03-02 | Nippon Kokan Kk | Production of high-tensile steel having excellent arresting characteristic |
| CN118854030B (zh) * | 2024-08-12 | 2026-07-31 | 攀钢集团攀枝花钢铁研究院有限公司 | 一种贝氏体铁路用钢及其残奥稳定控制的生产方法 |
-
1987
- 1987-08-20 JP JP20712987A patent/JPH066739B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6452019A (en) | 1989-02-28 |
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