JPH0670571A - インバータ装置の制御装置 - Google Patents

インバータ装置の制御装置

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JPH0670571A
JPH0670571A JP4220333A JP22033392A JPH0670571A JP H0670571 A JPH0670571 A JP H0670571A JP 4220333 A JP4220333 A JP 4220333A JP 22033392 A JP22033392 A JP 22033392A JP H0670571 A JPH0670571 A JP H0670571A
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current
motor
command
inverter
voltage
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JP4220333A
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Inventor
Takayuki Matsui
孝行 松井
Satoru Horie
堀江  哲
Hideji Saito
秀治 斉藤
Toshiaki Okuyama
俊昭 奥山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 交流電動機の磁束と電流とを、交流電動機の
回転速度の変化範囲の全てに渡って、電流制御により高
精度に制御する。 【構成】 電流制御器8は、電圧指令演算器5からの交
流電動機の磁束を制御するd軸電圧指令とトルク電流を
制御するq軸電圧指令に、インバータに対する一次角周
波数指令ω1*、すなわち、電動機の回転速度の大きさに
応じて、回転磁界座標系の励磁電流成分を振り分けて加
算する。これは、交流電動機の電圧−電流特性を回転磁
界座標系の励磁成分(d軸)とトルク電流成分(q軸)
で表すと、交流電動機の回転速度の低い運転範囲で、磁
束を作る励磁電流がd軸の電圧によって流れるのに対し
て、回転速度の高い運転範囲で、励磁電流がq軸の電圧
によって流れるという発見に基づく制御であり、これに
より、インバータの入力電圧の変動、電動機の回転速度
に影響されることなく、交流電動機の磁束と電流とを高
精度に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インバータ装置の制御
装置に係り、特に、交流誘導電動機の磁束と電流とをそ
れぞれ独立に高精度に制御するために使用して好適なイ
ンバータ装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電動機を高応答高精度にトルク制御
する方法として、交流電動機の磁束と電流とを独立に制
御するベクトル制御が提案されている。ベクトル制御
は、磁束と電流とを独立に制御するために、交流電動機
の磁束を一定に制御するする必要があり、かつ、予めそ
の交流電動機の等価回路定数を知る必要がある。
【0003】特に、交流電動機は、2次側の温度上昇に
よる2次抵抗の変化が滑り周波数の変化となり、電動機
の磁束と電流との干渉を発生させるため、その制御を行
う際には、この補償法が重要である。
【0004】このような制御を行う従来技術として、例
えば、特開昭59−156184号公報等に記載された
技術が知られている。
【0005】この従来技術は、交流電動機を制御してい
るインバータの出力電圧を検出して、この電圧検出信号
に基づいて2次抵抗の設定値を修正し、滑り周波数を補
償するというものである。
【0006】また、磁束の変化についても、インバータ
の出力電圧を検出して、この電圧検出信号に基づいて励
磁電流指令を修正するという提案がなされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来技術
は、交流電動機の磁束と電流とを制御するために、電流
制御手段を備えているが、この電流制御が、交流電動機
の回転速度の変化範囲の一部でのみ機能し、全ての回転
速度の範囲に渡って充分に機能するものではなく、不安
定な制御となるという問題点を有している。
【0008】本発明の目的は、前記従来技術の問題点を
解決し、交流電動機の磁束と電流とを、交流電動機の回
転速度の変化範囲の全てに渡って、電流制御により高精
度に制御することができるインバータ装置の制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、交流電動機の1次電流を励磁成分(d軸)とトルク
成分(q軸)とに分離して電流制御するベクトル制御に
おいて、インバータの出力周波数が所定値以下の場合、
励磁電流制御の出力をd軸の電圧指令に加算し、インバ
ータの出力周波数が所定値以上の場合、励磁電流制御の
出力をq軸の電圧指令に加算するようにすることにより
達成される。また、前記目的は、電流の制御を、トルク
成分(q軸)あるいは1次電流の大きさを閉ループ制御
する周波数制御を併用して行うことにより達成される。
【0010】
【作用】一般に、交流電動機の電圧−電流特性は、その
回転速度に依存して変化する。そして、本発明発明者等
は、交流電動機の電圧−電流特性を回転磁界座標系の励
磁成分(d軸)とトルク電流成分(q軸)で表すと、交
流電動機の回転速度の低い運転範囲で、磁束を作る励磁
電流がd軸の電圧によって流れるのに対して、回転速度
の高い運転範囲で、励磁電流がq軸の電圧によって流れ
ることを発見した。
【0011】そこで、本発明は、前述の発見に基づき、
磁束を制御する電圧成分に着目し、励磁電流を制御する
電流制御の出力を、交流電動機の回転速度あるいはイン
バータ周波数の大きさに応じて、d軸電圧指令とq軸電
圧指令とに連続的に切り替えて、あるいは、振り分けて
加算するようにした。
【0012】この結果、本発明は、交流電動機の励磁電
流を励磁電流指令に一致させ、磁束も指令値に一致させ
て一定となるように制御することができる。また、磁束
が一定に制御されている状態では、トルク電流が滑り周
波数に比例して流れるため、トルク成分(q軸)あるい
は1次電流の大きさを閉ループ制御する周波数制御を行
い、1次周波数を制御することにより、2次側の温度上
昇による2次抵抗の変化に伴う滑り周波数の変化を補償
することができる。これにより、本発明は、交流電動機
のトルク電流をトルク電流指令に一致するように制御す
ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明によるインバータ装置の制御装
置の実施例を図面により詳細に説明する。
【0014】図1は本発明の第1の一実施例の構成を示
すブロック図、図2は電圧指令演算器の構成を示すブロ
ック図、図3は電流制御器の構成を示すブロック図、図
4はインバータの出力周波数と磁束に寄与する電圧成分
との特性を説明する図である。図1〜図3において、1
はPWMインバータ、2は交流電動機、3はPWM信号
演算器、4、9は座標演算器、5は電圧指令演算器、6
は制御指令演算器、7は速度調節器、8は電流制御器、
10はスベリ周波数指令演算器、16は速度検出器、5
00、502、504、507はゲインを与える定数
器、801、805、811は関数発生器、804、8
07、810は電流調節器である。
【0015】図1に示す本発明の第1の実施例は、イン
バータ1に対する直流電力の供給が、パンタグラフ1
1、直流リアクトル12及びフイルタコンデンサ13を
介して架線より行われる電車駆動用インバータとして示
されているが、本発明は、これに限定されるものではな
く、交流電動機を制御するインバータであれば、どのよ
うな用途に使用されるものにも適用することができる。
【0016】図1に示す本発明の一実施例において、P
WMインバータ1は、直流電圧を可変電圧可変周波数の
交流電圧に変換し、交流電動機2に3相の交流電圧を供
給するものであり、トランジスタ、IGBT、GTO等
の自己消弧素子により構成される。そして、このPWM
インバータ1は、出力電圧指令Vu*、Vv*、Vw*と
搬送波信号とを比較して作られるPWM信号演算器3か
らのオン、オフパルスにより制御される。
【0017】座標変換器4は、励磁電流成分、トルク電
流成分に対する出力電圧指令Vd**、Vq**と座標基準
信号sinω1*t、cosω1*tとにより、3相交流電
圧指令Vu*、Vv*、Vw* を演算し、これらの指令を
PWM信号演算器3に与える。速度検出器16からの速
度信号ωrは、加算器17、18に入力される。また、
電流検出器15u〜15wは、PWMインバータ1の出
力電流iu、iv、iwを検出してその検出値を座標変
換器9に与える。座標変換器9は、座標基準信号sin
ω1*t、cosω1*tに基づいて、検出されたインバー
タ1の出力電流iu、iv、iwを回転磁界座標系の励
磁電流成分Id、トルク電流成分Iqに変換し、これら
の電流成分Id、Iqを電流制御器8に入力する。
【0018】滑り周波数指令演算器10は、制御指令発
生器6からの回転磁界座標系の励磁電流指令Id*とト
ルク電流指令Iq*とからすべり周波数ωs*を演算し、
加算器18に入力する。加算器18は、速度信号ωrと
滑り周波数指令ωs*とを加算して1次角周波数指令ω0
*を演算し、加算器24に出力する。加算器24は、与
えられた1次角周波数指令ω0*と電流制御器8からの偏
差Δω1*とを加算して、1次角周波数指令ω1*を演算
し、この結果を積分器20、制御指令発生器6、出力電
圧指令演算器5、電流制御器8に出力する。
【0019】積分器20は、1次角周波数指令ω1*から
座標基準信号ω1*tを演算し、発振器21に出力する。
制御指令発生器6は、速度調節器7からのトルク指令T
*、インバータの直流電源回路のフイルタ・コンデンサ
13の電圧及び加算器24からの1次角周波数指令ω1*
により、回転磁界座標系の励磁電流成分指令Id*、ト
ルク電流成分指令Iq*を演算し、すべり周波数指令演
算器10、出力電圧指令演算器5、及び、電流制御器8
に出力する。
【0020】出力電圧指令演算器5は、1次角周波数指
令ω1*と、制御指令発生器6からの励磁電流成分指令I
d*、トルク電流成分指令Iq*と、定数として与えられ
る交流電動機2に対する磁束指令φd*とに基づいてイン
バータ1の励磁出力電圧指令Vd*、トルク出力電圧指
令Vq*を演算し、加算器22、23に出力する。加算
器22、23は、この出力電圧指令演算器5からの出力
電圧指令Vd*、Vq*と電流制御器8から出力電圧指令
の偏差ΔVd*、ΔVq*をそれぞれ加算し、励磁電流成
分、トルク電流成分に対する出力電圧指令Vd**、Vq
**として座標変換器4に出力する。
【0021】加算器17は、速度指令器19からの速度
指令ωr*と速度検出器16からの速度信号ωrとの偏
差を演算し、その結果を速度調節器7に出力する。速度
調節器7は、加算器17からの速度偏差に基づいてトル
ク指令T*を演算して、制御指令発生器6に出力する。
【0022】出力電圧指令演算器5は、図2に示すよう
に、入力される信号にゲインを与える定数器500、5
02、504、507と、加算器501、506、50
8と、乗算器505、508とを備えて構成される。
【0023】図2に示すように、出力電圧指令演算器5
は、励磁電流指令Id*、トルク電流指令Iq*、1次角
周波数指令ω1*、及び、磁束指令φd*が入力され、これ
らから回転励磁座標系の電圧指令Vd*、Vq*を出力す
る。励磁電流指令Id*は、定数器500、504に入
力され、トルク電流指令Iq*は、定数器502、50
7に入力され、所定のゲインが与えられる。定数器50
2の出力は、乗算器503に加えられ、1次角周波数指
令ω1*と掛け算され加算器501に出力される。また、
定数器504の出力は、加算器506で磁束指令φd*
と加算された後、乗算器505で1次角周波数指令ω1*
と掛け算されて加算器508に出力される。
【0024】加算器501は、定数器500の出力と乗
算器503の出力とを加算して回転磁界座標系の励磁電
圧指令Vd*を生成し加算器22へ出力する。また、加
算器508は、定数器506の出力と乗算器505の出
力とを加算して回転磁界座標系のトルク電圧指令Vq*
を生成し加算器23へ出力する。
【0025】電流制御器8は、図3に示すように、関数
発生器801、805、811と、電流調節器804、
807、810と、乗算器803、806、809と、
加算器802、808とを備えて構成される。なお、関
数発生器801、805、811は、交流電動機2の
正、逆両方向の制御が可能なように構成されている。
【0026】そして、この電流制御器8は、励磁電流指
令Id*、励磁電流Id、トルク電流指令Iq*、トルク
電流Iq及び1次角周波数指令ω1*を入力とし、これら
に基づいて、回転磁界座標系の励磁電圧指令の偏差ΔV
d*、トルク電圧指令の偏差ΔVq*及び1次角周波数指
令の偏差Δω1*を出力する。
【0027】1次角周波数指令ω1*は、関数発生器80
1、805、811に入力され、励磁電流指令Id*、
励磁電流Idは、加算器802に入力される。加算器8
02は、励磁電流指令Id*と励磁電流Idの偏差を演
算して乗算器803、806に出力する。乗算器803
は、関数発生器801の出力信号と励磁電流の偏差とを
掛け算して電流調節器804に出力する。電流調節器8
04は、乗算器803の出力をゼロとするように、回転
磁界座標系の励磁電圧指令の偏差ΔVd*を演算して加
算器22へ出力する。乗算器806は、関数発生器80
5の出力信号と励磁電流の偏差とを掛け算して電流調節
器807に出力する。電流調節器807は、乗算器80
6の出力をゼロとするように回転磁界座標系のトルク電
圧指令の偏差ΔVq*を演算して加算器23へ出力す
る。
【0028】トルク電流指令Iq*、トルク電流Iq
は、加算器808に入力されて、トルク電流指令Iq*
とトルク電流Iqとの偏差が演算され、その偏差が乗算
器809に入力される。乗算器809は、関数発生器8
11の出力信号とトルク電流の偏差とを掛け算して電流
調節器810に出力する。電流調節器810は、乗算器
809の出力をゼロとするように1次角周波数指令の偏
差Δω1*を演算して加算器24へ出力する。
【0029】次に、インバータの出力周波数と磁束に寄
与する電圧成分との特性を説明するための図4を参照し
て、前述のように構成される本発明の一実施例によるイ
ンバータの制御方法を説明する。
【0030】図1に示す本発明の一実施例の構成は、交
流電動機2の磁束とこれに直交するトルク電流成分を独
立に制御するもので、電車駆動用に使用するものであ
る。このため、インバータ1の直流電源は、架線よりパ
ンタグラフ11、直流リアクトル12及びフィルタコン
デンサ13を介して供給されるが、この架線の電圧は、
他の電車の力行、回生の動作のために、その電圧変動が
大きく、図示実施例は、交流電動機2の磁束を所定値に
保つことが、トルク制御を行う上で極めて重要である。
【0031】そして、交流電動機の磁束とこれに直交す
るトルク電流成分とを独立に制御するためには、磁束の
大きさを所定の値に保ち、適正なすべり周波数を与えて
トルク電流の大きさを制御する必要がある。
【0032】そこで、本発明の第1の実施例は、交流電
動機の磁束の大きさを制御するために、回転磁界座標系
の電圧成分と磁束との関係を交流電動機の回転周波数に
対して求め、磁束の制御に有効な方の電圧成分を制御す
るようにしている。また、この実施例は、磁束の大きさ
の変動によって生じる電流変化が、回転磁界座標系の磁
束に平行な励磁電流成分Idとして検出されることを利
用し、電流制御器8内に、機能要素801〜807によ
る電流制御系を構成し、その出力信号ΔVd*、ΔVq*
を回転周波数ωrあるいはインバータに対する1次角周
波数指令ω1*に応じて演算するようにしている。
【0033】さらに、交流電動機の磁束が所定の値に制
御される結果、すべり周波数の変化による電流変化は、
回転磁界座標系の磁束に垂直なトルク電流成分Iqとし
て検出される。そこで、本発明の第1の実施例は、この
トルク電流成分Iqに基づく周波数制御系を機能要素8
08〜811により構成し、その出力信号Δω1*をイン
バータの出力周波数に加算するようにしている。
【0034】次に、前述した本発明の一実施例の動作を
数式を用いて説明する。
【0035】交流電動機の回転磁界座標系(d−q軸)
の磁束成分φd、φqと、電圧成分Vd、Vq及び電流調
節器804、807の出力信号ΔVd*、ΔVq*との間
には次式に示すような関係が成立する。電圧成分Vd、
Vqは、電圧指令演算器5で演算されて出力される電圧
成分指令Vd*、Vq*と電流調節器804、807の出
力信号の和としてインバータ1から供給される。
【0036】 φd=〔M/Z(s)〕・(Vd+ω1・ls・Iq+ω1・φq) ……(1) φq=〔M/Z(s)〕・(Vq−ω1・ls・Id−ω1・φd−r1・Iq) ……(2) Vd=Vd*+ΔVd* ……(3) Vq=Vq*+ΔVq* ……(4) Z(s)=r1・(1+T2・s)・(1+Tsa・s) ……(5) ここに、Mは励磁インダクタンス、lsは漏れインダク
タンス、ωrは回転周波数、ω1はインバータ出力周波
数、T2は2次時定数、Tsaは漏れ時定数、sはラプラ
ス演算子である。
【0037】また、電圧指令演算器5の出力信号Vd
*、Vq*は次式で表わされる。
【0038】 Vd*=r1・Id*−ω1*・ls・Iq* ……(6) Vq*=r1・Iq*+ω1*・ls・Id*+ω1*・φd* ……(7) 図1に示す実施例において、平衡状態(定常状態)にあ
る場合、電流成分Id、Iqは、指令値Id*、Iq*に
一致するように、電圧指令演算器5の出力信号Vd*、
Vq*によって制御される。このとき、ΔVd*=0、Δ
Vq*=0であり、交流電動機の磁束成分φd、φqは、
前述の(1)〜(7)式より、次式に示すように求めら
れる。
【0039】 φd=〔M/Z(s)〕・(r1・Id*+ω1*・φq) ……(8) φq=〔M/Z(s)〕・〔ω1*・(φd*−φd)〕 ……(9) (8)、(9)式をφdについて整理すると次式を得る
ことができる。
【0040】 φd=〔M・r1・Id*/Z(s)〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 + 〔{M・ω1*/Z(s)}2・φd*〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 ……(10) この(10)式の右辺第1項はd軸の電圧成分による磁
束であり、右辺第2項はq軸の電圧成分による磁束であ
る。
【0041】図4はインバータの出力周波数指令である
1次角周波数指令ω1*に対する(10)式の右辺第1
項、第2項及び第1項と第2項の和を示しており、この
図より、磁束に寄与する電圧成分は、インバータの1次
角周波数指令ω1*に応じて変化することがわかる。すな
わち、インバータの1次角周波数指令ω1*が小さい低速
範囲では(10)式右辺第1項が主であり、中〜高速域
では(10)式右辺第2項が主である。
【0042】従って、磁束を高精度に制御するために
は、磁束の変動に伴う励磁電流Idを検出し、Idがそ
の指令Id*に一致するように、電流調節器804、8
07により出力信号ΔVd*、ΔVq*を生成し、この出
力信号ΔVd*、ΔVq*を、回転周波数ωrあるいはイ
ンバータに対する1次角周波数指令ω1*に応じてd軸あ
るいはq軸の電圧成分に加算すればよい。この切り換え
を行うのが関数発生器801、805である。
【0043】これを式で表わすと次式のようになる。
【0044】 φd=〔M・(r1・Id*+ΔVd*)/Z(s)〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 + 〔M・{ω1*/Z(s)}2・(M・φd*+ΔVq*)〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 ……(11) 次に、トルク電流の制御動作について説明する。
【0045】本発明の第1の実施例は、前述のような磁
束制御を行うことにより交流電動機2の磁束を所定の値
φd*に制御することができる。そして、交流電動機2の
温度変化に伴う交流電動機2の2次抵抗の変化、あるい
は、速度検出器16の検出遅れ等による、すべり周波数
指令の誤差が発生すると、その変化は、磁束に垂直なト
ルク電流成分Iqの変化となる。
【0046】そこで、前述の本発明の一実施例は、この
トルク電流の変化を加算器808で偏差値として演算
し、この偏差値が0となるように電流調節器810で1
次角周波数指令の偏差Δω1*を演算する。加算器24
は、この1次角周波数指令の偏差Δω1*と、すべり周波
数指令ωs*と、回転周波数ωrとを加算して、1次角
周波数指令ω1*を決定する。
【0047】本発明の第1の実施例は、これにより、交
流電動機2のすべり周波数の誤差を補正することができ
る。
【0048】前述した本発明の第1の実施例は、前記イ
ンバータの出力周波数である1次角周波数指令が所定値
以下の場合、前記励磁成分を制御する電流制御の出力を
前記励磁成分の電圧指令に加算するとしてが、本発明
は、この場合、前記インバータの出力周波数である1次
角周波数が所定値以下の場合、前記励磁成分を制御する
電流制御を比例と積分とによる制御とし、インバータの
出力周波数が所定値以上の場合、前記励磁成分を制御す
る電流制御を比例制御とするようにすることができる。
【0049】図5は本発明の第2の実施例の構成を示す
ブロック図、図6は電圧指令演算器の構成を示すブロッ
ク図、図7は電流制御器の構成を示すブロック図であ
る。図5〜図7において、5aは電圧指令演算器、8a
は電流制御器、509は加算器、807aは磁束調節器
であり、他の符号は図1〜図3の場合と同一である。
【0050】図5に示す本発明の第2の実施例が、図1
に示す第1の実施例と相違する点は、回転磁界座標系の
磁束に平行な励磁電流成分Idが、その指令Id*に一
致するように磁束調節器を設けて、交流電動機の中〜高
速域で、この磁束調節器の出力信号によつて磁束指令φ
d*を修正するようにした点である。
【0051】次に、図6、図7を参照して本発明の第2
の実施例の電圧指令演算器5a及び電流制御器8aの構
成を説明する。
【0052】図6に示す電圧指令演算器5aが、図2に
示す第1の実施例の電圧指令演算器5と相違する点は、
加算器509を設けて、磁束指令φd*と後述する磁束
調節器807aの出力信号Δφd*とを加算し、加算器5
09の出力信号φd**を加算器506に入力するように
した点である。
【0053】また、図7に示す電流制御器8aが、図3
に示す第1の実施例の電流制御器8と相違する点は、電
流調節器807の代わりに磁束調節器807aを設け
て、磁束調節器807aの出力信号Δφd*によって、
磁束指令φd*の修正を行うようにした点である。
【0054】次に、この本発明の第2の実施例の動作を
式数を用いて説明する。
【0055】交流電動機2の磁束成分φdは前述の(1
0)式で表わされ、インバータ出力周波数ω1*に応じ
て、(10)式の右辺第1項と右辺第2項とが磁束に寄
与する割合が変化する。そこで、本発明の第2の実施例
は、インバータに対する1次角周波数指令ω1*が小さい
低速範囲ではΔVd*によって、また、中〜高速域では
Δφd*によって、磁束成分φdを制御するようにしてい
る。すなわち、本発明の第2の実施例によれば、磁束成
分φdは、次式で表わされる。
【0056】 φd=〔M・(r1・Id*+ΔVd*)/Z(s)〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 + 〔{M・ω1*/Z(s)}2・(φd*+Δφd*)〕/〔1+{M・ω1*/Z(s)}2〕 ……(12) 以上が、本発明の第2の実施例による磁束制御の動作で
ある。
【0057】図8は本発明の第3の実施例の構成を示す
ブロック図である。図8において、25は主幹制御器で
あり、他の符号は図1の場合と同一である。
【0058】この本発明の第3の実施例が、図1に示す
本発明の第1の実施例と相違する点は、制御指令発生器
6の入力信号を、主幹制御器25から与えるようにした
点である。
【0059】主幹制御器25は、制御指令発生器6にノ
ッチ指令N*、電車進行方向指令D*を出力する。制御指
令発生器6は、フィルタコンデンサ電圧を電圧検出器1
4により検出し、このフィルタコンデンサ電圧、インバ
ータ出力周波数ω1*、ノッチ指令N*及び電車進行方向
指令D*に基づいて、交流電動機2に対する励磁電流指
令Id*、トルク電流指令Iq*を演算する。
【0060】この本発明の第3の実施例によれば、速度
調節器を用いない電車の運転装置に対しても本発明を適
用することができる。
【0061】図9は本発明の第4の実施例の構成を示す
ブロック図である。図9において、26は速度推定器で
あり、他の符号は図1の場合と同一である。
【0062】この本発明の第4の実施例が、図1に示す
本発明の第1の実施例と相違する点は、交流電動機2の
速度を検出する速度検出器16を用いる代わりに、速度
推定器26を設け、この速度推定器26の出力信号ωr
に基づいて、インバータ出力周波数である1次角周波数
指令ω1*を演算するようにした点である。
【0063】この本発明の第4の実施例は、電流制御器
8の出力信号Δω1*に、交流電動機2の温度変化に伴う
2次抵抗の変化及び速度推定器26の推定誤差を補償す
る信号が含まれる。そして、電動機に負荷が接続されて
いる場合、その速度は、トルクが与えられても負荷の慣
性に従ってのみ変化する。従って、速度推定器26は、
簡単な1次遅れ回路により構成することができ、速度指
令器19からの信号により、電動機速度を推定すること
ができる。
【0064】本発明の第4の実施例は、これにより、速
度検出器16を使用することなく、交流電動機2の磁束
とトルクとを制御することができる。
【0065】前述した本発明の実施例は、インバータの
出力周波数により、励磁成分とトルク成分の電圧指令を
制御するとしたが、本発明は、これらの制御を、交流電
動機の回転速度により行うようにすることもできる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
車制御用のインバータ装置のように直流電源電圧変動が
大きい場合でも、駆動される交流電動機の磁束を指令値
に一致させるように制御することができ、さらに、すべ
り周波数の設定誤差をインバータ出力電流の変化により
補償することができるので、電圧検出器を使用すること
なく、高応答高精度に電動機のトルク制御を行うことが
でき、特に、電車等に適用した場合、加速性能の向上を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の一実施例の構成を示すブロック
図である。
【図2】電圧指令演算器の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】電流制御器の構成を示すブロック図である。
【図4】インバータの出力周波数と磁束に寄与する電圧
成分との特性を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図6】電圧指令演算器の構成を示すブロック図であ
る。
【図7】電流制御器の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施例の構成を示すブロック図
である。
【図9】本発明の第4の実施例の構成を示すブロック図
である。
【符号の説明】
1 PWMインバータ 2 交流電動機 3 PWM信号演算器 4、9 座標変換器 5 電圧指令演算器 6 制御指令発生器 7 速度調節器 8、8a 電流制御器 10 スベリ周波数指令演算器 16 速度検出器 801、805、811 関数発生器 804、807、810 電流調節器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥山 俊昭 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電動機の1次電流を回転磁界座標系
    の励磁成分とトルク成分とに分離して電流制御し、可変
    電圧可変周波数の交流を前記交流電動機に供給するイン
    バータ装置の制御装置において、前記励磁成分を制御す
    る電流制御の出力を、前記インバータの出力周波数また
    は交流電動機の回転速度の大きさに応じた割合で、前記
    励磁成分の電圧指令と、前記トルク成分の電圧指令とに
    振り分けて加算することを特徴とするインバータ装置の
    制御装置。
  2. 【請求項2】 交流電動機の1次電流を回転磁界座標系
    の励磁成分とトルク成分とに分離して電流制御し、可変
    電圧可変周波数の交流を前記交流電動機に供給するイン
    バータ装置の制御装置において、前記インバータの出力
    周波数または交流電動機の回転速度が所定値以下の場
    合、前記励磁成分を制御する電流制御の出力を前記励磁
    成分の電圧指令に加算し、インバータの出力周波数また
    は交流電動機の回転速度が所定値以上の場合、前記励磁
    成分を制御する電流制御の出力を前記トルク成分の電圧
    指令に加算するようにしたことを特徴とするインバータ
    装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 交流電動機の1次電流を回転磁界座標系
    の励磁成分とトルク成分とに分離して電流制御し、可変
    電圧可変周波数の交流を前記交流電動機に供給するイン
    バータ装置の制御装置において、前記インバータの出力
    周波数または交流電動機の回転速度が所定値以下の場
    合、前記励磁成分を制御する電流制御の出力を前記励磁
    成分の電圧指令に加算し、インバータの出力周波数また
    は交流電動機の回転速度が所定値以上の場合、磁束指令
    を前記トルク成分の電圧指令に加算するようにしたこと
    を特徴とするインバータの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記インバータの出力周波数または交流
    電動機の回転速度が所定値以下の場合、前記励磁成分を
    制御する電流制御を比例と積分とによる制御とし、イン
    バータの出力周波数または交流電動機の回転速度が所定
    値以上の場合、前記励磁成分を制御する電流制御を比例
    制御とすることを特徴とする請求項1、2または3記載
    のインバータ装置の制御装置。
  5. 【請求項5】 インバータを制御する制御指令発生器
    に、主幹制御器からのノッチ指令と進行方向指令を入力
    するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のう
    ち1記載のインバータ装置の制御装置。
JP4220333A 1992-08-19 1992-08-19 インバータ装置の制御装置 Pending JPH0670571A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6762581B2 (en) * 2001-06-14 2004-07-13 Nissan Motor Co., Ltd. Control system of electric motor
KR100486586B1 (ko) * 2002-10-24 2005-05-03 엘지전자 주식회사 영구 자석형 동기 모터 구동장치의 보호방법
KR100639606B1 (ko) * 2001-07-19 2006-10-27 마쯔시다덴기산교 가부시키가이샤 세탁기 모터 구동 장치
KR20240026659A (ko) * 2022-08-22 2024-02-29 주식회사 현태 철도차량 비접촉식 주간제어기

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KR100486586B1 (ko) * 2002-10-24 2005-05-03 엘지전자 주식회사 영구 자석형 동기 모터 구동장치의 보호방법
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