JPH0670752A - グルタチオン高含有酵母及びその製造法 - Google Patents

グルタチオン高含有酵母及びその製造法

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JPH0670752A
JPH0670752A JP18732592A JP18732592A JPH0670752A JP H0670752 A JPH0670752 A JP H0670752A JP 18732592 A JP18732592 A JP 18732592A JP 18732592 A JP18732592 A JP 18732592A JP H0670752 A JPH0670752 A JP H0670752A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、γ−グルタミルシステイン合成酵
素遺伝子を導入したグルタチオン高生産酵母に変異処理
を行ってアザセリン耐性株を造成し、得られたアザセリ
ン耐性株を好気的培養することによって菌体内にグルタ
チオンを著量に生成することを特徴とするグルタチオン
高含有酵母の製造法である。 【効果】 本発明によれば、従来の製法よりもグルタチ
オンの含有量の高い酵母をアミノ酸(L−システイン)
を添加することなく取得することができ、また、変異処
理によって得られたアザセリン耐性株を接合、さらには
細胞融合処理することによって高度にグルタチオンを含
有する酵母を取得できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルタチオン高含有酵
母、及びその製造法に関する。さらに詳しくは、遺伝子
導入をしてグルタチオン生産能を増強した酵母に変異処
理を行い、菌体内にグルタチオンを著量生成して蓄積さ
せる酵母、及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】グルタチオンは、グルタミン酸、システ
イン及びグリシンから成るペプチドであり、肝疾患の治
療薬、あるいは試薬として広く利用されている重要な化
合物である。従来、グルタチオンは、有機合成法や酵母
から抽出する方法によって製造されている。しかし、有
機合成法は反応工程の長さと工程の複雑さの点で、また
酵母からの抽出方法においては菌体から抽出されるグル
タチオンの量に限界があるという点で問題があった。
【0003】これらの欠点を解決すべく、これまで数々
の改良がなされてきている。例えばグルタチオン生成に
関係するアミノ酸を添加することによるグルタチオン製
造法(特公昭47−26314、特開昭53−94089、特公昭54−
997、特開昭48−44487、特開昭51−36357)などがあ
る。しかしながら、これらの方法はグルタチオンの生産
量の点で満足のいくものではない。また、突然変異株取
得によるグルタチオン製造法(特公昭56−46826、特開
昭48−61689、特公昭53−31956、特開昭61−209583) な
どがある。さらに、遺伝子操作を利用した微生物による
グルタチオン製造法(特開昭58−20188、特開昭58−201
96、特開昭61−52299、特開昭62−275685、特開昭64−5
1098)がある。
【0004】これらは、グルタチオン合成能を向上させ
てはいるが、グルタチオン合成に必要でかつ律速となる
L−システインの供給が十分に改良されておらず、グル
タチオン高生産には同アミノ酸添加が必要と考えられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
酵母に変異処理を行いアザセリン耐性株を造成すること
によって、律速となるL−システインの菌体内合成系を
強化し、従来の製法よりもグルタチオンの含有量の高い
酵母をアミノ酸(L−システイン)を添加することなく
取得することを目的とする。
【0006】また、変異処理によって得られたアザセリ
ン耐性株を接合、さらには細胞融合処理することによっ
て高度にグルタチオンを含有する酵母を取得することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、γ−グルタミ
ルシステイン合成酵素遺伝子を導入したグルタチオン高
生産酵母に、変異処理を行ってアザセリン耐性株を造成
し、得られたアザセリン耐性株を好気的培養することに
よって、好ましくは流加培養することによって、菌体内
にグルタチオンを著量に生成することを特徴とするグル
タチオン高含有酵母の製造法である。
【0008】また、好ましくは、本発明はγ−グルタミ
ルシステイン合成酵素遺伝子を導入したグルタチオン高
生産酵母に、変異処理を行ってアザセリン耐性株を造成
し、得られたアザセリン耐性株の1倍体を他のグルタチ
オン高生産株の1倍体と接合して、多倍数体を造成し、
得られた株を胞子形成させグルタチオン生産能及び成育
能の優れた株をスクリーニングして、得られた株を好気
的培養することによって、好ましくは流加培養すること
によって、菌体内にグルタチオンを著量に生成すること
を特徴とするグルタチオン高含有酵母の製造法である。
【0009】さらに好ましくは、本発明はγ−グルタミ
ルシステイン合成酵素遺伝子を導入したグルタチオン高
生産酵母に、変異処理を行ってアザセリン耐性株を造成
し、得られたアザセリン耐性株の1倍体を他のグルタチ
オン高生産株の1倍体と接合して多倍数体を造成し、得
られた株を胞子形成させ、スクリーニングして得られた
グルタチオン生産能及び成育能の優れた1倍体株の2株
を細胞融合させて得られた株を好気的培養することによ
って、好ましくは流加培養することによって、菌体内に
グルタチオンを著量に生成することを特徴とするグルタ
チオン高含有酵母の製造法である。
【0010】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いる遺伝子導入グルタチオン高生産酵母は、大
竹らが確立した手法(1990年度日本農芸化学会大会要旨
集、145 頁、1990年) によって得られる酵母を用いるこ
とができる。すなわち、酵母由来のグルタチオン生合成
系酵素の一つであるγ−グルタミルシステイン合成酵素
遺伝子をサッカロミセス・セレビジエの強発現プロモー
タ△P8に接続し、サッカロミセス・セレビジエの染色
体trp1部位へ導入することによって遺伝子導入グル
タチオン高生産酵母を造成することができる。
【0011】このような酵母としてはブタペスト条約に
定める国際寄託当局に受託番号微工研条寄第13012号に
よって寄託されたものが好ましい。アザセリン耐性株を
得るため変異源は、通常変異源として一般的に用いられ
る方法であればよく、紫外線、エチルメタンスルフォン
酸、ニトロソグアニジン、X線等を用いることができ
る。
【0012】本発明でいうアザセリン耐性株とは、シス
テイン生合成に必要なセリン供給系が強化されることに
よりシステインの生合成が強化された変異株であり、本
発明においては、YPD培地に対して25μg/ml濃度にな
るようにアザセリンを添加した培地で成育可能な株をい
う。本発明で得られるアザセリン耐性株は、通常システ
インを培地に添加して培養した場合と同じようにグルタ
チオン生産量が増加する特徴を示した。
【0013】スクリーニングしたアザセリン耐性株の生
育能をさらに改良するための方法としては、アザセリン
耐性株との接合が可能な接合型の1倍体グルタチオン生
産優良株を得て、その1倍体とアザセリン耐性株を接合
して多倍数体を得ることができる。さらには、得られた
アザセリン耐性株の多倍数体を胞子形成させ、グルタチ
オン生産優良株をスクリーニングすることが可能であ
る。アザセリン耐性株との接合可能な1倍体優良株を得
るには、1倍体の優良株2株を接合させ、多倍数体株を
造成したのち胞子形成を行うという通常の方法をとるこ
とが出来る。
【0014】また、さらに、得られたアザセリン耐性株
のグルタチオン生産性を高めるために多倍数体を造成す
ることができる。多倍数体造成の手法としては、接合、
あるいは細胞融合によって行うことができる。本発明の
菌株の培養条件としては、一般に行われているように、
培養温度20〜34℃、培養pH4.5 〜6.5 で好気的に培養す
れば特段の限定はされないが、特にグルタチオンの生産
性を高めるには流加培養を行うのが望ましい。流加培養
の条件は、ジャーファメンターを用い、グルコース、尿
素、酵母抽出物および無機塩からなる培地に植菌し、通
気量1vvm、温度30℃、DOレベルを最少1〜5ppm とし
て、そこへグルコースと酵母抽出液の殺菌した混合液を
0.05 l/hの速度で植菌後12時間流加する。流加時間は約
12時間で初発液量の約1/40量を添加する。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、従来の製法よりもグル
タチオンの含有量の高い酵母をアミノ酸(L−システイ
ン)を添加することなく取得することができ、また、変
異処理によって得られたアザセリン耐性株を接合、さら
には細胞融合処理することによって高度にグルタチオン
を含有する酵母を取得できる。
【0016】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳しく説明す
るが、これに限定されるものではない。 (1) 遺伝子導入グルタチン高生産酵母の造成 グルタチオン生合成系の遺伝子群を効率よく発現させる
ために、まず、酵母の染色体から強転写プロモーターの
クローニングを行った。クローニングには、プロモータ
ー検出ベクターpMC1585 を用いて、β−ガラクトシダー
ゼ活性を指標に行った。その結果、活性の高いDNA断
片としてP8プロモーター断片(約3.8kb)が得られた。
このP8プロモーター断片から、機能領域のみの△P8(約
0.4kb)を作成した。
【0017】次に、酵母のγ−グルタミルシステイン合
成酵素遺伝子のクローニングを行った。すなわち、S. c
erevisiae YNN27 株 (α trp1 ura3) から、上記2種
の酵素の欠損変異株を習得した。次にγ−グルタミルシ
ステイン合成酵素欠損株(YH1)を用いてγ−グルタミル
システイン合成酵素遺伝子のクローニングを行った。YH
1 株をYEp24 をベクターとする遺伝子ライブラリーで形
質転換し、ニトロプルシッドソーダを用いてスクリーニ
ングを行ったところ、目的の遺伝子と思われる1種のプ
ラスミド (pYOG1001) が得られた。更に得られた遺伝子
のサブクローニングを行ったところ約4.4kb の断片上に
目的の遺伝子(GSH1)が存在した。そこでこの遺伝子断
片の全塩基配列を決定したところ、この断片は4.410 塩
基からなっていた。
【0018】このクローニングしたGSH1遺伝子の転写プ
ロモーターを△P8と交換し、強発現化した△P8−GSH1
片をYNN27 株の染色体上のtrp1に挿入したYHT178 株
を作製した。YHT178 株のGSH-1 活性とグルタチオン
含量を測定したところ、GSH-1 活性は、0.29ユニットで
あり、グルタチオン含量は約1.5 %であった。
【0019】(2) アザセリン耐性株の造成 YPD寒天培地(酵母エキス1%、ペプトン1%、グル
コース2%、寒天1.5%)上で30℃、3日間培養したサ
ッカロミセス・セレビジェYHT178 株をYPD液体培
地(YPD寒天培地から寒天を除いたもの)100ml の入
った500 ml容振盪フラスコに一白金耳接種し、30℃、一
晩振盪培養した。菌体を遠心分離(3000rpm、10分) で集
め、50mlの蒸留水で洗浄した。続いて20mlの燐酸バッフ
ァー(pH7.5、0.1M)に懸濁し、エチルメタンスルフォン
酸 600μl を添加した。30℃で1時間振盪した後、20ml
の5%チオ硫酸ナトリウム溶液を加え5分間放置した。
遠心分離で菌体を集め、20mlの蒸留水に再度懸濁した。
この懸濁液をアザセリン25μg/mlを含むSD寒天培地
(ディフコ社製イーストナイトロジェンベースW/Oア
ミノ酸0.67%、グルコース2%、ディフコ社製寒天 1.5
%) に接種し、30℃で3日間培養した。生育してきたコ
ロニーを選択し、5mlのYPD培地の入った試験管に接
種し30℃、30時間振盪培養した。遠心分離で菌体を集
め、蒸留水で洗浄後1mlの蒸留水に懸濁した。この懸濁
液を100 ℃、5分間加熱した後、遠心分離にて上清を得
た。上清中の抽出されたグルタチオンを比色定量に供し
た。
【0020】0.7mM のEDTAを含む0.36M 、pH7の燐
酸バッファー2.5ml に、ジチオビス(2−ニトロ安息香
酸)4mg/ml 溶液100 μl 、NADPH 4mg/ml 溶液50
μl、グルタチオンリダクターゼ(オリエンタル酵母社
製) 0.5 ユニットを加え、光路長1cmのガラス製キュベ
ットへ入れ、25℃に加温した。そのキュベットへ適宜稀
釈しグルタチオンを測定レンジ濃度含むサンプルを10μ
l 添加して反応を開始した。日立自記分光光度計320 型
を用いて412nm の吸光度を連続的に1分間記録した。同
様にして濃度既知のグルタチオン標準溶液をサンプルと
して反応させ吸光度の増加を連続的に記録し、増加曲線
の勾配を用いて検量線を作り、サンプルの勾配からサン
プル中のグルタチオン含有を算出した。
【0021】約1000株のコロニーを処理しグルタチオン
生産量が多かった60株を選択した。選択した株を100ml
のYPD培地の入った500ml 容振盪フラスコに接種し、
30℃で3日間振盪培地した。培地終了後、試験管を用い
て培養した場合と全く同様にして、各菌株のグルタチオ
ン生産量を比較した。その結果、菌体あたりのグルタチ
オン含量が最も高い ASR6-32株を選択した。表1にYH
T178 と ASR6-32の比較を示す。
【0022】
【表1】 数値は、100ml YPD培地を含む 500ml容坂口フラスコ
で30℃、3日間培養した時の値である。
【0023】(3) アザセリン耐性株 ASR6-32の改良1
倍体株の造成 次に、この変異株の生育能を改善するために接合によっ
て多倍体株とすることを試みた。まず、YHT178 株と
サッカロミセス・セレビジェの実験室株 AH22 株(ATCC
38626)を接合させた。前者はトリプトファン、ウラシル
要求性であり、後者はヒスチジン、ロイシン要求性を有
しているので、両者が接合した株は最少培地(SD培
地)で生育できるが、接合していない株は生育できない
ことを利用して接合株を選択した。得られた株を胞子形
成培地(酵母エキス 0.1%、グルコース0.05%、酢酸カ
リウム1.0 %、寒天2.0 %) に接種し、30℃で約10日間
培養した。胞子を形成している接合株を一白金耳取り、
0.1mg/mlのザイモリエース(生化学工業、10万ユニット
/g) 水溶液1mlに懸濁し、30℃で15分間静置した。この
懸濁液をナリシゲ株式会社製マイクロマニュピレータ、
MN-188/MD-188 型を用いて形成している胞子を分離し
た。分離した胞子の中から接合型がaでありかつグルコ
ース生産性がYHT178 同程度の株YHT182 を選択し
た。YHT182 とASR6-32を同様にして接合、胞子形
成、胞子分離を行い、得られた株約100 株をYPD培地
で培養して、グルタチオン生産能及び生育を比較した。
しかして、生育とグルタチオン生産能の両方を満足する
株 62D株を習得した。両株を100ml のYPD培地の入っ
た 500ml容フラスコに接種し、30℃で3日間振盪培養
し、実施例1に示した方法と全く同様にしてグルタチオ
ン含量、菌体量等を比較した。結果を表2に示した。表
2は、YHT178 株と62D株の比較を示す。62D株は微
工研条寄第13010号によって寄託された。
【0024】
【表2】
【0025】(4) アザセリン耐性株 62D株の多倍体株
の造成 得られたグルタチオン高生産酵母62D株(ura3、 his
3)をさらに改変した。まず、プラスミド YEp24を制限
酵素 HindIIIで、またプラスミド YIo1 を制限酵素 Bam
HIで各々完全消化した。アガロースゲル電気泳動に供し
URA3 遺伝子断片を含むDNA断片及び HIS3 遺伝子を
除去した残りの YIp1 プラスミド断片を分離した。マニ
アチス(Maniatis、T.) ら、{モレキュラー・クローニ
ング(Molecular cloning) 、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(Cold SpringHarbor Laboratory)
、1982年}の方法に準処して URA3 遺伝子を HIS3 遺
伝子を除去した YIpベクターへ連結してプラスミド pYI
-U3 を作製した。
【0026】62D株をYPD培地に接種し、30℃、16時
間振盪培養し、遠心分離にて菌体を集めた。洗浄後、菌
濃度約1×1010cells/mlになるように氷冷した1Mソル
ビトールに懸濁した。この懸濁液40μl に先に調製した
プラスミド pYI-U3 を約20μl/ml濃度含む溶液5μl を
加え、氷冷した。氷冷しておいたエレクトロポレーショ
ン用キュベット(バイオラッド社製165-2086) へ菌及び
プラスミドが混合している懸濁液を入れた。このキュベ
ットをジーンパルサー(バイオラッド社製)ヘセットし
た。装置を1kV、25μF に設定し、パルスコントローラ
ーを 200Ωとした。タイムコンスタントを4msecとして
エレクトロポレーションを行った。氷冷しておいた1M
ソルビトール溶液1mlをキュベットへ添加し、良く攪拌
した。その後、ヒスチジンを20μg/ml含むSD寒天培地
に接種し、30℃で約3日間培養した。生育してきたコロ
ニーをYPD寒天培地へ移植した。同様にして、62D株
にYIp1を導入し、形質転換を行った。しかして、62D(h
is3)及び 62D (ura3)を得た。
【0027】3台の5Lジャーファメンター(丸菱バイ
オエンジ社 MDL500 型) に、グルコース2%、尿素
0.6 %、酵母抽出物(ミースト、アサヒビール社製)0.4
%、KH2PO4 0.15 %、MgSO4・7H2O 0.05%、Na2SO4 0.
2%、CaCl2・2H2O 0.03%、ZnSO4・7H2O 1.32ppm、Fe
Cl3・6H2O 1.45ppm、CuSO4・5H2O 0.2ppm からなる培
地2400mlを入れ、120 ℃、15分間殺菌した。上記種菌液
1750mlを3000rpm 、5分間遠心分離後、上清を捨て、殺
菌水500ml で洗浄し、再度同条件で遠心分離した。得ら
れた沈澱物に殺菌水を加え875ml とし、この2倍濃縮種
菌液を3台のジャーファメンターに各々125 ml、250 m
l、500 ml、接種した。接種時の生菌数は各々2.75×107
cells/ml、6.25×107cells/ml、9.00×107cells/ml
であった。通気量1.0vvm、攪拌数600rpm、30℃、2%ア
ンモニア水によりpH5.0 に制御し、1%のシリコーン消
泡剤(東芝シリコーン社 TSA737F)を使用し、48時間培
養した。培養中、グルコース15%、ミースト3%からな
る培地 600mlを接種後12時間より0.05 l/hの速度で12時
間流加した。
【0028】酵母菌体を含む培養液1mlを熱水抽出処理
し、遠心分離後得られた菌体抽出液のグルタチオン生産
量は、Titze 法 (Anal. Biochem., 27, 502 (1969)) に
従い412nm の吸収増加で測定した。凍結乾燥により乾燥
菌体重量を測定し、グルタチオン生産量からグルタチオ
ン含有率を算出した。培養48時間のグルタチオン生産
量、グルタチオン含有率、乾燥菌体重量は、表3に示
す。表3は62D/62D株のグルタチオン生産量を示す。
【0029】
【表3】 次に作成した上記2株の細胞融合を行った。YPD培地
100mlを含む 500ml容振盪フラスコに上記の菌株を接種
し、30℃で約16時間培養した。菌を遠心分離で集め無菌
水で洗浄後、STEバッファー(1Mソルビトール、20
mMEDTA、10mMトリス−塩酸(pH7.4)) 100ml に懸濁
した。そこへβ−メルカプトエタノール39μl を加え30
℃で10分間処理した。遠心分離で集菌し、0.1mg/ml濃度
のザイモリエース(生化学工業製、10万ユニット/g) を
含むSTバッファー(1Mソルビトール、10mMトリス−
塩酸(pH7.4))10mlに懸濁し30℃で20分間反応させてプ
ロトプラストとした。遠心分離で集菌し、STバッファ
ーで1回洗浄した。その後、10mMのCaCl2 を含むSTバ
ッファー(STCバッファー)10mlに懸濁した。各々の
懸濁液中の細胞数を血球計算盤で数え、1×107 個を混
合した。遠心分離で集菌した後、10mM CaCl2を含むST
バッファー1mlに懸濁し、30℃で15分間加温した。再
び、遠心分離で集菌し、1mlのPCTバッファー(35%
PEG4000、10mMトリス−塩酸(pH7.4)、10mM CaCl2)
に懸濁し30℃、10分間融合を行わせた。集菌し、STバ
ッファーで洗浄し、1mlのSTCバッファーに懸濁し
た。1Mソルビトールを含むSD寒天培地へ、この懸濁
液 100μl を接種、30℃で約5日間培養した。生育して
きたコロニーを約 100株、YPD培地へ移し、さらに7
日間30℃で培養した。
【0030】上記の約 100株を5mlのYPD培地を含む
試験管で30℃、3日間振盪培養し、グルタチオン含量及
び生育を選択指標として優良株を選択した。しかして、
62D/62D株を選んだ。62D/62D株は微工研条寄第13
011号で寄託された。表4に各菌株をYPD培地を用い3
0℃、3日間振盪培養した時の結果を示す。
【0031】
【表4】
【0032】(5) グルタチオン高含有酵母の培養、そ
の1 グルコース2%、イーストイクストラクト(ディフコ社
製)1%、バクトペプトン(ディフコ社製)1%よりな
る培地を調製し、500 ml振盪フラスコに100mlにて24時
間振盪培養し、種菌液とした。5Lジャーファメンター
(丸菱バイオエンジ社 MDL500 型) に、グルコース
2%、尿素0.6 %、酵母抽出物(ミースト、アサヒビー
ル社製)0.4 %、KH2PO4 0.15%、MgSO4・7H2O 0.05
%、Na2SO4 0.2%、CaCl2・2H2O 0.03 %、ZnSO4・7H
2O 1.32ppm 、FeCl3・6H2O 1.45ppm 、CuSO4・5H2O
0.2ppmからなる培地2400mlを入れ、120 ℃、15分間殺菌
後、上記種菌液100mlを接種し、通気量1.0vvm、攪拌数4
00rpm、30℃、2%アンモニア水によりpH5.0 に制御
し、1%のシリコーン消泡剤(東芝シリコーン社、TSA7
37F)を使用し、48時間培養した。培養中、グルコース15
%、ミースト3%からなる培地600ml を接種後8時間よ
り0.05l/hの速度で12時間流加した。
【0033】酵母菌体を含む培養液1mlを熱水抽出処理
し、遠心分離後、得られた菌体抽出液のグルタチオン生
産量は、Titze 法 (Anal. Biochem., 27, 502 (1969))
に従い412nm の吸収増加で測定した。凍結乾燥により乾
燥菌体重量を測定し、グルタチオン生産量からグルタチ
オン含有率を算出した。培養35時間のグルタチオン生産
量は、700mg/L、グルタチオン含有率は、4.22%、乾燥
菌体重量16.6mg/ml であった。同様な条件によるYHT
178 株との比較は表5に示す。表5は62D/62D株とY
HT178株の比較を示す。
【0034】
【表5】 (6) グルタチオン高含有酵母の培養、その2 グルコース2%、イーストイクストラクト(ディフコ社
製)1%、バクトペプトン(ディフコ社製)1%よりな
る培地を調製し、2000ml振盪フラスコに500ml注入し
た。120 ℃、15分間殺菌後、62D/62D株を接種し、30
℃にて24時間振盪培養し、種菌液とした。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】次に、酵母のγ−グルタミルシステイン合
成酵素遺伝子のクローニングを行った。すなわち、S. c
erevisiae YNN27 株 (α trp1 ura3) から、上記2種
の酵素の欠損変異株を得した。次にγ−グルタミルシ
ステイン合成酵素欠損株(YH1)を用いてγ−グルタミル
システイン合成酵素遺伝子のクローニングを行った。YH
1 株をYEp24 をベクターとする遺伝子ライブラリーで形
質転換し、ニトロプルシッドソーダを用いてスクリーニ
ングを行ったところ、目的の遺伝子と思われる1種のプ
ラスミド (pYOG1001) が得られた。更に得られた遺伝子
のサブクローニングを行ったところ約4.4kb の断片上に
目的の遺伝子(GSH1)が存在した。そこでこの遺伝子断
片の全塩基配列を決定したところ、この断片は4.410 塩
基からなっていた。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】
【表2】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】次に作成した上記2株の細胞融合を行っ
た。YPD培地 100mlを含む 500ml容振盪フラスコに上
記の菌株を接種し、30℃で約16時間培養した。菌を遠心
分離で集め無菌水で洗浄後、STEバッファー(1Mソ
ルビトール、20mMEDTA、10mMトリス−塩酸(pH7.
4)) 100ml に懸濁した。そこへβ−メルカプトエタノー
ル39μl を加え30℃で10分間処理した。遠心分離で集菌
し、0.1mg/ml濃度のザイモリエース(生化学工業製、10
万ユニット/g) を含むSTバッファー(1Mソルビトー
ル、10mMトリス−塩酸(pH7.4))10mlに懸濁し30℃で20
分間反応させてプロトプラストとした。遠心分離で集菌
し、STバッファーで1回洗浄した。その後、10mMのCa
Cl2 を含むSTバッファー(STCバッファー)10mlに
懸濁した。各々の懸濁液中の細胞数を血球計算盤で数
え、1×107 個を混合した。遠心分離で集菌した後、10
mM CaCl2を含むSTバッファー1mlに懸濁し、30℃で15
分間加温した。再び、遠心分離で集菌し、1mlのPCT
バッファー(35%PEG4000、10mMトリス−塩酸(pH7.
4)、10mM CaCl2) に懸濁し30℃、10分間融合を行わせ
た。集菌し、STバッファーで洗浄し、1mlのSTCバ
ッファーに懸濁した。1Mソルビトールを含むSD寒天
培地へ、この懸濁液 100μl を接種、30℃で約5日間培
養した。生育してきたコロニーを約 100株、YPD培地
へ移し、さらに7日間30℃で培養した。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】上記の約 100株を5mlのYPD培地を含む
試験管で30℃、3日間振盪培養し、グルタチオン含量及
び生育を選択指標として優良株を選択した。しかして、
62D/62D株を選んだ。62D/62D株は微工研条寄第13
011号で寄託された。表3に各菌株をYPD培地を用い3
0℃、3日間振盪培養した時の結果を示す。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【表3】 (5) グルタチオン高含有酵母の培養、その1 グルコース2%、イーストイクストラクト(ディフコ社
製)1%、バクトペプトン(ディフコ社製)1%よりな
る培地を調製し、500 ml振盪フラスコに100mlにて24時
間振盪培養し、種菌液とした。5Lジャーファメンター
(丸菱バイオエンジ社 MDL500 型) に、グルコース
2%、尿素0.6 %、酵母抽出物(ミースト、アサヒビー
ル社製)0.4 %、KH2PO4 0.15%、MgSO4・7H2O 0.05
%、Na2SO4 0.2%、CaCl2・2H2O 0.03 %、ZnSO4・7H
2O 1.32ppm 、FeCl3・6H2O 1.45ppm 、CuSO4・5H2O
0.2ppmからなる培地2400mlを入れ、120 ℃、15分間殺菌
後、上記種菌液100mlを接種し、通気量1.0vvm、攪拌数4
00rpm、30℃、2%アンモニア水によりpH5.0 に制御
し、1%のシリコーン消泡剤(東芝シリコーン社、TSA7
37F)を使用し、48時間培養した。培養中、グルコース15
%、ミースト3%からなる培地600ml を接種後8時間よ
り0.05l/hの速度で12時間流加した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】酵母菌体を含む培養液1mlを熱水抽出処理
し、遠心分離後、得られた菌体抽出液のグルタチオン生
産量は、Titze 法 (Anal. Biochem., 27, 502 (1969))
に従い412nm の吸収増加で測定した。凍結乾燥により乾
燥菌体重量を測定し、グルタチオン生産量からグルタチ
オン含有率を算出した。培養35時間のグルタチオン生産
量は、700mg/L、グルタチオン含有率は、4.22%、乾燥
菌体重量16.6mg/ml であった。同様な条件によるYHT
178 株との比較は表4に示す。表4は62D/62D株とY
HT178株の比較を示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【表4】 (6) グルタチオン高含有酵母の培養、その2 グルコース2%、イーストイクストラクト(ディフコ社
製)1%、バクトペプトン(ディフコ社製)1%よりな
る培地を調製し、2000ml振盪フラスコに500ml注入し
た。120 ℃、15分間殺菌後、62D/62D株を接種し、30
℃にて24時間振盪培養し、種菌液とした。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】3台の5Lジャーファメンター(丸菱バイ
オエンジ社 MDL500 型) に、グルコース2%、尿素
0.6 %、酵母抽出物(ミースト、アサヒビール社製)0.4
%、KH2PO4 0.15 %、MgSO4・7H2O 0.05%、Na2SO4 0.
2%、CaCl2・2H2O 0.03%、ZnSO4・7H2O 1.32ppm、Fe
Cl3・6H2O 1.45ppm、CuSO4・5H2O 0.2ppm からなる培
地2400mlを入れ、120 ℃、15分間殺菌した。上記種菌液
1750mlを3000rpm 、5分間遠心分離後、上清を捨て、殺
菌水500ml で洗浄し、再度同条件で遠心分離した。得ら
れた沈澱物に殺菌水を加え875ml とし、この2倍濃縮種
菌液を3台のジャーファメンターに各々125 ml、250 m
l、500 ml、接種した。接種時の生菌数は各々2.75×107
cells/ml、6.25×107cells/ml、9.00×107cells/ml
であった。通気量1.0vvm、攪拌数600rpm、30℃、2%ア
ンモニア水によりpH5.0 に制御し、1%のシリコーン消
泡剤(東芝シリコーン社 TSA737F)を使用し、48時間培
養した。培養中、グルコース15%、ミースト3%からな
る培地 600mlを接種後12時間より0.05 l/hの速度で12時
間流加した。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】酵母菌体を含む培養液1mlを熱水抽出処理
し、遠心分離後得られた菌体抽出液のグルタチオン生産
量は、Titze 法 (Anal. Biochem., 27, 502 (1969)) に
従い412nm の吸収増加で測定した。凍結乾燥により乾燥
菌体重量を測定し、グルタチオン生産量からグルタチオ
ン含有率を算出した。培養48時間のグルタチオン生産
量、グルタチオン含有率、乾燥菌体重量は、表5に示
す。表5は62D/62D株のグルタチオン生産量を示す。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:865)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−グルタミルシステイン合成酵素遺伝
    子を導入したグルタチオン高生産酵母に変異処理を行っ
    てアザセリン耐性株を造成し、得られたアザセリン耐性
    株を好気的培養することによって菌体内にグルタチオン
    を著量に生成することを特徴とするグルタチオン高含有
    酵母の製造法。
  2. 【請求項2】 遺伝子導入グルタチオン高生産酵母が、
    サッカロミセス・セレビジエ(Saccaromyces cerevisi
    e)YHT178 株(微工研条寄第13012号)であることを
    特徴とする請求項1に記載のグルタチオン高含有酵母の
    製造法。
  3. 【請求項3】 グルタチオン高含有酵母が、サッカロミ
    セス・セレビジエ62D株(微工研条寄第13010号)であ
    ることを特徴とする請求項1のグルタチオン高含有酵母
    の製造法。
  4. 【請求項4】 グルタチオン高含有酵母が、サッカロミ
    セス・セレビジエ62D/62D株(微工研条寄第13011
    号)であることを特徴とする請求項1のグルタチオン高
    含有酵母の製造法。
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