JPH0671769A - 自己スキン層付きポリウレタンフォームの製造方法及び製造装置 - Google Patents

自己スキン層付きポリウレタンフォームの製造方法及び製造装置

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JPH0671769A
JPH0671769A JP3277285A JP27728591A JPH0671769A JP H0671769 A JPH0671769 A JP H0671769A JP 3277285 A JP3277285 A JP 3277285A JP 27728591 A JP27728591 A JP 27728591A JP H0671769 A JPH0671769 A JP H0671769A
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polyurethane material
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彰 馬淵
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修 山中
Naoyuki Kumagai
直幸 熊谷
Satoru Ono
悟 小野
Motoji Matsuura
元司 松浦
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 問題のあるフロンその他の発泡剤を使用せず
に、フロンを使用したときより優れた外観と感触と物性
とを備えた自己スキン層付きポリウレタンフォームを、
少ない材料損失で、しかも高い効率で製造する。 【構成】 発泡剤を実質的に加えないポリウレタン材料
Mを、減圧した成形用金型1のキャビティ4に注入し、
発泡流動させる。ポリウレタン材料Mのポリオール混合
成分中の水分含有率を0.4重量%未満に制限し、キャ
ビティ4を50Torr以下に減圧することが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面部に低発泡の緻密
な自己スキン層を備えたポリウレタンフォームの製造方
法とその方法に使用する製造装置に関し、例えば、自動
車のステアリングホイール、ステアリングホイールパッ
ド、インストルメントパネル、コンソールボックスやグ
ローブボックスの蓋体、ヘッドレスト、アームレスト、
エアスポイラー等のポリウレタンフォームを反応射出成
形(以下、RIM成形という。)するのに好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にインテグラルスキンフォームと呼
ばれている自己スキン層付きの半硬質ポリウレタンフォ
ームは、分子量数千程度の長鎖ポリオール、分子量数十
から数百の低分子ポリオール、触媒、顔料、及び、発泡
剤としてのトリクロロモノフルオロメタン(フロン1
1。以下、単にフロンという。)を予備混合したポリオ
ール混合成分と、イソシアネート成分とをミキシングヘ
ッドにより一定比率で混合してポリウレタン材料とし、
該ポリウレタン材料を熱伝導性の高い素材を用いて形成
された型のキャビティに注入して発泡流動させることに
より製造される。
【0003】すなわち、前記ポリウレタン材料をキャビ
ティに注入すると、ポリオール混合成分とイソシアネー
ト成分とのウレタン反応が始まり、発熱が起こる。この
熱によりポリウレタン材料中のフロンが揮発して無数の
泡となるため、ポリウレタン材料は徐々に発泡してキャ
ビティ内を流動し始める。キャビティのベント部に到達
したポリウレタン材料の流動先端部は、該ベント部から
キャビティ内の空気を押し出しながら吹き出す。
【0004】このとき、ポリウレタン材料のうちキャビ
ティ面から離れた内部では、ポリウレタン材料の反応硬
化とフロンの揮発とが同時に進行し、無数のフロン泡が
そのままの大きさで保持されるため、該内部には高発泡
のコア部が形成される。
【0005】また、ポリウレタン材料のうちキャビティ
面に接した表面部では、熱が型に逃げて冷却するため、
内部と比べて相対的にウレタン反応が遅れ、発熱量が少
なくなる。そのため、フロンの揮発が抑制され、少数の
フロン泡しか発生しない。また、このフロン泡は内部か
らの発泡圧により押し潰されて、消失又は縮小する。従
って、この表面部には低発泡の緻密な自己スキン層が形
成される。通常、この発泡圧を高めて自己スキン層を形
成しやすくするために、さらには材料回り込み不良の防
止とエア排出不良の防止のために、ポリウレタン材料を
キャビティにオーバーパックすることが行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のフロン
発泡による自己スキン層付きポリウレタンフォームの製
造方法には、次のような問題点があった。 (1) 発泡剤として使用されていたフロンは、大気中に放
出されると成層圏のオゾン層を破壊して健康な生活環境
を悪化させる等の理由から、使用が禁止あるいは制限さ
れつつある。そのため、フロンを使用しないポリウレタ
ンフォームの製造方法の開発が待たれていた。
【0007】(2) 表面部のフロン泡を内部からの発泡圧
で押し潰すことにより自己スキン層を形成していたた
め、該自己スキン層には微小なフロン泡が不可避的に残
存し、これが表面に現われて外観を損ねることがあっ
た。
【0008】(3) その発泡圧を高めるためにポリウレタ
ン材料をオーバーパックし、多量の余剰ポリウレタン材
料をベント部から吹き出させていたため、材料損失が大
きかった。
【0009】(4) 1ショットの所要時間を短縮して製造
効率を高めるには、ポリウレタン材料の反応速度を速く
し、キュア時間を短縮するのが有効であり、それには、
触媒の混合割合を増やす方法と、注入時のポリウレタン
材料の温度を高める方法とがある。前者の方法はコスト
アップになるため、できれば後者の方法が好ましい。し
かし、従来のフロン発泡において後者の方法を採用する
と、注入前にフロンが揮発してしまうことから、実際に
は採用することができなかった。また、従来のフロン発
泡においては、注入後のポリウレタン材料の反応熱がフ
ロンの気化熱として奪われてしまうため、ポリウレタン
材料の温度上昇が遅れ、キュア時間が長くなっていた。
【0010】(5) また、キャビティに芯金を配置して従
来のフロン発泡を行うと、該芯金によりポリウレタン材
料に乱流が起こり、空気が巻き込まれてピンホール、ボ
イド、欠肉等の欠陥が生じやすかった。この問題は、ス
テアリングホイールの芯金のように、長いリング部をキ
ャビティに配置する場合に、特に顕著であった。そこ
で、ゲートを乱流の起こりにくい位置に設けたり、ベン
ト部を複数箇所に設けて巻き込まれた空気を該ベント部
から排出したりする必要があった。
【0011】そこで、本発明の目的は、問題のあるフロ
ンその他の発泡剤を使用しなくても、フロンを使用した
ときより優れた外観と感触と物性とを備えた自己スキン
層付きポリウレタンフォームを製造することができると
ともに、ポリウレタン材料の損失を低減し、製造効率を
高めることもできる新規な製造方法及び製造装置を提供
することにある。
【0012】ところで、下記の公報〜には、減圧を
利用したポリウレタンフォームの製造技術が記載されて
いるが、いずれの技術も本発明の目的、構成及び効果を
開示又は示唆するものとはいえない。 特開昭55−63237号公報と特開昭55−63
238号公報には、成形型に形成した細孔溝から真空引
きを行い、成形型の隅々まで均一にポリウレタン材料を
発泡させる方法が開示されている。しかし、その目的は
専ら、表層にボイド、ブリスター等の欠陥がない均質な
硬質ポリウレタンフォームを得ることにあり、発泡剤に
関する記載は何も無い。
【0013】 特開昭56−111648号公報に
は、ポリウレタン材料の発泡を減圧雰囲気下で行う方法
が開示され、その効果の一つとしてフロン等の発泡剤の
量を減少できることが挙げられている。しかし、この方
法は、フロン等による発泡を利用した製造方法であるこ
とに変わりはなく、依然として前記オゾン層の破壊につ
ながるものであるから、フロンに全く依存しない本発明
とは基本的に異なるものである。
【0014】 特開昭62−164709号公報に
は、発泡剤としての水を加えたポリウレタン材料を減圧
雰囲気下で発泡させて、低密度のポリウレタンフォーム
を製造する方法が開示されている。しかし、この方法
は、本発明のように自己スキン層付きポリウレタンフォ
ームを製造するものではなく、逆に、スキン層の形成を
表面性状の劣化として評価するものである。また、発泡
剤として水を加えるとしているのであるから、本発明の
特徴である発泡剤の不使用を開示又は示唆するものでは
ない。
【0015】 特開昭63−268624号公報に
は、ポリウレタン材料に窒素ガス等を均一微細気泡分散
体として容積比2〜30%捕捉させ、これを減圧雰囲気
下で膨脹発泡させる方法が開示されている。しかし、こ
の方法も、本発明のように自己スキン層付きポリウレタ
ンフォームを製造するものではなく、また、窒素ガス等
の微細気泡分散体が発泡剤として加えられるのであるか
ら、やはり発泡剤の不使用を開示又は示唆するものでも
ない。
【0016】 特公昭64−5528号公報には、約
50〜500mmHgに減圧した型に、硬質ポリウレタ
ン材料をパック率約150〜450%で注入し、型の温
度を約10〜45℃に保持しながら発泡させる方法が開
示されている。しかし、その硬質ポリウレタン材料には
フロン等の発泡剤が含有されるから、やはり発泡剤の不
使用を開示又は示唆するものではない。
【0017】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明の自己ス
キン層付きポリウレタンフォームの製造方法は、前記課
題を解決するために、発泡剤を実質的に加えないポリウ
レタン材料を、減圧した型のキャビティにおいて発泡さ
せる、という手段をとったものである(請求項1)。
【0018】ここで、「発泡剤を実質的に加えない」と
は、フロン、塩化メチレン、水、微細気泡等の各種発泡
剤を、ポリウレタン材料の発泡又はその発泡調整を目的
として積極的に加えることはしない、という意味であ
る。従って、ポリウレタン材料にもともと含まれていた
微量の各種ガスや、循環中のポリウレタン材料に自然に
巻き込まれたり溶解したりした少量の空気や、ポリウレ
タン材料に自然に吸湿された少量の水分等のように、消
極的に含まれた成分まで排除するものではない。また、
発泡調整にほとんど影響がない程度の微量の各種発泡剤
を加えることも、「発泡剤を実質的に加えない」ことに
含まれる。
【0019】さらに、前記ポリウレタン材料のポリオー
ル混合成分中に自然に吸湿されている水分については、
その水分含有率を0.4重量%未満に制限することが好
ましい(請求項2)。この水分含有率が0.4重量%以
上になると、水分がイソシアネート成分の一部と反応し
て、本来そのイソシアネート成分と反応すべきであった
ポリオール混合成分の一部が未反応のまま残留するた
め、製造されたポリウレタンフォームの引張強度、引裂
強度等の物性が低下する。
【0020】前記キャビティをどの程度の気圧まで減圧
するかは、製造するポリウレタンフォームの種類や要求
する発泡率によって異なる。しかし、例えばステアリン
グホイールの被覆のようにソフト感だけでなくしっかり
とした触感が要求されるフォームの製造において、その
触感を与えるのに十分な厚さの自己スキン層を形成する
ためには、キャビティを50Torr以下に減圧するこ
とが好ましい(請求項3)。
【0021】また、ポリウレタン材料が型のベント部に
到達したとき、該ベント部のポリウレタン材料が反応硬
化して該ベント部を自己シールするように、該ポリウレ
タン材料の反応速度を調節することが好ましい(請求項
4)。反応速度がこれより遅いと、ポリウレタン材料が
ベント部から多量に吹き出して無駄になり、これより速
いと、ショートショット、欠肉、ピンホール、ボイド等
の欠陥が生じるからである。
【0022】ここで、キャビティに注入されたポリウレ
タン材料は、ウレタン反応の進行とは無関係に、減圧下
で急激に発泡して流動するため、ベント部に到達するま
での流動時間が従来より格段に短い。従って、ベント部
に到達したときにポリウレタン材料を反応硬化させると
いうことは、ポリウレタン材料の反応速度を従来より格
段に速くするということである。反応速度を速くする手
段として、触媒の混合割合を増やす手段の他、本発明で
はフロンを使用していないので、ポリウレタン材料の温
度を従来より高める手段をとることができる。
【0023】また、本発明は、予めキャビティに芯金を
配置してから行うポリウレタンフォームの製造に適する
(請求項5)。特に、ステアリングホイールの芯金の少
なくともリング部をキャビティに配置し、該リング部に
ポリウレタンフォーム被覆を成形しようとする場合に、
本発明は最も有効である(請求項6)。
【0024】また、本発明の自己スキン層付きポリウレ
タンフォームの製造装置は、キャビティ及びベント部を
有する型と、該ベント部を介してキャビティと連通する
減圧室と、該減圧室を介してキャビティを減圧する真空
ポンプと、該減圧室の外部からベント部付近を目視し得
るよう減圧室に設けられた透視窓とを備えた構成とした
(請求項7)。ここで、「減圧室」としては、型を取囲
むように設けられた真空箱の空間部、又は、型のキャビ
ティ外部に設けられた溝状凹部が型閉じ時に形成する空
間部を例示することができる。
【0025】
【作用】本発明の自己スキン層付きポリウレタンフォー
ムの製造方法において、発泡剤を実質的に加えないポリ
ウレタン材料を、減圧したキャビティ内において発泡さ
せると(請求項1)、ポリウレタン材料中に消極的に含
まれていた吸蔵ガスが、減圧下で急激に突沸して無数の
ガス泡になるため、ポリウレタン材料は極めて短時間に
発泡し、キャビティ内を流動して充満する。この吸蔵ガ
スは、ポリウレタン材料にもともと含まれていた微量の
各種ガスや、循環中のポリウレタン材料に自然に巻き込
まれたり溶解したりした少量の空気のように、消極的に
含まれていたガスである。このポリウレタン材料の発泡
と並行して、ウレタン反応が始まり、発熱が急速に起こ
り、反応硬化が始まる。
【0026】このとき、ポリウレタン材料のうちキャビ
ティ面から離れた内部では、前記発熱によりポリウレタ
ン材料の反応硬化による増粘が急速に進み、ガス泡はそ
のままの大きさで保持されるため、高発泡のコア部が形
成される。
【0027】また、ポリウレタン材料のうちキャビティ
面に接する表面部では、熱が型に逃げるため、内部と比
べて相対的にウレタン反応が遅れ、ポリウレタン材料の
増粘が抑制される。従って、この表面部のガス泡は減圧
下で容易に破れて脱ガスされるため、微小なガス泡すら
ほとんど残存しない極低発泡の緻密な自己スキン層が形
成される。
【0028】また、キャビティ内は減圧により空気が稀
薄になっているので、ピンホール、ボイド、欠肉等の欠
陥が生じにくい。従って、従来のフロン発泡のように、
自己スキン層の形成と、材料回り込み不良防止と、エア
排出不良防止のために、ポリウレタン材料をオーバーパ
ックするような必要はなく、材料損失も低減できる。以
上のようにして、表面部の緻密な自己スキン層と内部の
高発泡のコア部とからなる性状の優れたポリウレタンフ
ォームが製造される。
【0029】さらに、前記吸蔵ガスの減圧下での突沸に
よる発泡は、従来のフロン発泡のような気化作用ではな
いので、注入後のポリウレタン材料の反応熱を奪うこと
がなく、ポリウレタン材料の温度上昇が進み、キュア時
間が短縮される。
【0030】前記製造方法において、ポリウレタン材料
のポリオール混合成分中の水分含有率を0.4重量%未
満に制限すれば(請求項2)、その水分と反応するイソ
シアネート成分も減り、未反応ポリオール混合成分の残
留が減少するので、製造されたポリウレタンフォームの
引張強度、引裂強度等の物性が高くなる。
【0031】また、キャビティを50Torr以下に減
圧すれば(請求項3)、ポリウレタン材料の表面部のガ
ス泡を破って脱ガスする作用が強くなるので、自己スキ
ン層の厚さを増すことができるとともに、自己スキン層
にわずかに残存する微小なガス泡をさらに無くすことが
できる。
【0032】また、ポリウレタン材料が型のベント部に
到達したとき、該ベント部のポリウレタン材料が反応硬
化して該ベント部を自己シールするように、該ポリウレ
タン材料の反応速度を調節すれば(請求項4)、該反応
速度は従来のフロン発泡の場合より格段に速くなるの
で、製造効率を高めることができる。
【0033】また、予めキャビティに芯金を配置したと
き(請求項5)、該芯金によりポリウレタン材料に乱流
が起こったとしても、キャビティ内は減圧により空気が
稀薄になっているので、ピンホール、ボイド、欠肉等の
欠陥が生じにくい。従って、ゲート位置の自由度が高く
なり、ベント部が少数で済む。
【0034】また、ポリウレタン材料のうち芯金に接す
る部分では、表面部と同じく熱が芯金に逃げて増粘が抑
制され、ガス泡が減圧下で脱ガスされるため、微小なガ
ス泡すらほとんど残存しない極低発泡の緻密な自己接着
層が形成される。
【0035】特に、前記芯金がステアリングホイールの
芯金であって、該芯金の少なくともリング部をキャビテ
ィに配置したとき(請求項6)、上記作用は著しく、例
えばゲートをリング部の外周側の一箇所に設けたり、ベ
ント部を一つにしたりすることができる。また、ポリウ
レタン材料の合流部におけるウエルドライン、ピンホー
ル、ボイド、欠肉等の欠陥を防止することができる。
【0036】次に、本発明の自己スキン層付きポリウレ
タンフォームの製造装置によれば(請求項7)、型のキ
ャビティにベント部を介して連通した減圧室がアキュム
レータとして作用する。従って、ポリウレタン材料の注
入前にキャビティを減圧するときは、注入後のキャビテ
ィの気圧がポリウレタン材料の発泡で上昇しようとする
のを、減圧室からのキャビティの急速な減圧により防ぐ
ことができる。また、ポリウレタン材料の注入後にキャ
ビティを減圧するときには、注入後にキャビティを減圧
室に連通させれば、該減圧室からキャビティを急速に減
圧することができる。
【0037】さらに、減圧室の外部から透視窓を通して
ベント部付近を目視することができるので、該減圧室を
密閉した状態のまま、ポリウレタン材料がベント部から
吹き出したことを確認したり、その発泡状態を観察した
りすることができる。
【0038】
【実施例】本発明をステアリングホイールパッドの製造
に具体化した第一実施例について、図1〜図5に基づい
て説明する。まず、本実施例で使用する製造装置につい
て概説すると、この製造装置は、2つの分割型から構成
される成形用金型1と、該成形用金型1を内部に配置可
能な真空箱11と、該真空箱11内を真空吸引する真空
ポンプ20と、該真空箱11に付設され、成形用金型1
のキャビティ4にポリウレタン材料を射出可能な材料射
出機構21とから構成されており、以下これら各部を詳
述する。
【0039】成形用金型1は、固定型2と可動型3との
2つの分割型からなり、型閉じ時にキャビティ4を形成
するようになっている。固定型2と可動型3のPL面2
a,3aには、前記キャビティ4への材料流路であるス
プルー6、ランナー7及びゲート8を形成するよう、凹
凸が形成されている。型閉じ時のPL面2a,3a間に
は、金型の加工精度の関係から、キャビティ4の全周に
わたり0.03〜0.06mmの隙間が発生するが、該
隙間はエアベントランドとして後述のガス抜きの作用を
奏する。また、成形用金型1のキャビティ4におけるポ
リウレタン材料の最終充満位置Lには、ベント孔5が形
成されている。
【0040】前記ベント孔5の直径は、通常、1〜10
mmとされる。直径1mm未満のベント孔5では、ポリ
ウレタン材料の最終充満位置がばらつき、ガス抜き効果
が充分得られない場合があり、直径10mmを越えるベ
ント孔5では、成形品の仕上げ加工後に、このベント孔
5の跡が目立ち、成形品の外観を悪くさせてしまうので
好ましくない。本実施例では、直径3mm、長さ15m
mの真直なベント孔5とした。この成形用金型1には、
あまり高い耐圧性(発泡圧は通常50〜500kPa程
度である。)は要求されないので、アルミニウム型、電
鋳型等の安価な型を使用することができる。
【0041】真空箱11は、固定型2が固定された上ケ
ース12と、可動型3が固定された下ケース13とから
なり、下ケース13の合せ周縁には、Oリング状のシー
ル部材14が装着され、真空箱11を閉じたとき、その
内部が密閉可能とされている。また、図5に示すよう
に、下ケース13に設けられた吸引ノズル16には、吸
引ホース15及びリークバルブ17を介して、真空ポン
プ20が接続されている。本実施例の真空箱11は、成
形用金型1を内部に配置可能で、且つ、その成形用金型
1との間に空間部Kが形成される大きさに形成されてい
る。
【0042】材料射出機構21は、図5に示すように、
ポリオール混合成分を貯溜するタンク25及びイソシア
ネート成分を貯溜するタンク26とミキシングヘッド2
2とが、それぞれ高圧ポンプ27及びフィルタ28を具
備する循環路29により接続されて構成され、ポリオー
ル混合成分とイソシアネート成分との衝突混合及び各成
分の循環を繰返すことができるようになっている。ミキ
シングヘッド22の射出ノズル23は、Oリング24,
24を介して成形用金型1のスプルー6部位に接続可能
とされている。
【0043】本実施例で使用するポリウレタン材料は、
前記ポリオール混合成分とイソシアネート成分との混合
物よりなり、発泡剤を実質的に加えないで、しかもポリ
オール混合成分中の水分含有率を0.4重量%未満に制
限したものである。また、ポリウレタン材料の温度は、
従来のフロン発泡の場合の温度より高く設定される。具
体的には、従来は、タンクに貯溜されたポリオール混合
成分及びイソシアネート成分の温度を共に25〜30℃
程度に維持していたのに対して、本実施例では、ポリオ
ール混合成分の温度を40〜50℃程度に維持し、イソ
シアネート成分の温度を25〜30℃程度に維持する。
これには、本実施例のポリウレタン材料が、フロンを
加えない分だけ、従来のポリウレタン材料より粘度が高
いため、温度を高くしてその粘度を低めるという意味
と、温度を高くしてポリウレタン材料の反応速度を従
来より速くするという意味がある。
【0044】次に、本実施例の製造方法について工程順
に説明する。 まず、成形用金型1の固定型2と可動型3とを完全
に型閉じする前に、又は、完全に型閉じしてキャビティ
4を形成した後に、真空箱11を密閉状態とする。型閉
じ前に真空箱11を密閉状態としたときは、その後、完
全に型閉じする。真空箱11を密閉状態とするには、真
空箱11の下ケース13を図示しない油圧シリンダラム
等により上ケース12の合せ部に当接するまで上昇させ
ることにより行なう。このとき、下ケース13の周縁合
せ部に配設されたシール部材14が、上ケース12の合
せ部に当接することにより、密閉状態となる。なお、成
形用金型1の型開閉と真空箱11の開閉とは、別々の油
圧シリンダ等で個々に行うことができる。しかし、真空
箱11の密閉と略同時に成形用金型1も型閉じするよう
にすれば、油圧シリンダラム等が1台で済むので、設備
的に安価となって好ましい。
【0045】 次に、真空ポンプ20を作動させ、吸
引ノズル16を介して、真空箱11の空間部Kを所定の
気圧まで減圧する。このとき、成形用金型1のキャビテ
ィ4は、スプルー6等の材料流路、PL面2a,3a間
の隙間、さらにはベント孔5を通じて、真空箱11の空
間部Kと連通状態にあるので、キャビティ4も空間部K
と同程度の所定の気圧まで減圧される。なお、所定の気
圧は、通常、50Torr以下とする。
【0046】 前記減圧を引き続いて行いながら、ポ
リウレタン材料Mを、ミキシングヘッド22の射出ノズ
ル23を介して、型閉じ状態の成形用金型1のキャビテ
ィ4に射出してRIM成形を行なう。このとき、ポリウ
レタン材料Mのうちキャビティ面から離れた内部には、
前述した減圧下での吸蔵ガスの突沸による発泡作用によ
り、図4に示すような高発泡のコア部38が形成され
る。また、ポリウレタン材料Mのうちキャビティ面に接
する表面部には、前述した減圧下での脱ガス作用によ
り、微小なガス泡すらほとんど残存しない極低発泡の緻
密な自己スキン層39が形成される。
【0047】前記の通り、ポリウレタン材料Mの温度が
高く設定されることにより、該ポリウレタン材料Mの反
応速度は、該ポリウレタン材料Mの流動先端部がベント
孔5に到達して該ベント孔5から少し吹き出したとき
に、該流動先端部が反応硬化してベント孔5を自己シー
ルするような速度に高められている。また、前記発泡は
注入後のポリウレタン材料Mの反応熱を奪わないので、
ポリウレタン材料Mの温度上昇が進み、キュア時間が短
縮される。
【0048】キャビティ4を減圧したことによる付随的
な効果として、キャビティ4にアンダーカット部や枝部
があっても、キャビティ4内の空気によるポリウレタン
材料Mの流動の邪魔がないため、該ポリウレタン材料M
はそれらの部位に確実に回り込む。また、ポリウレタン
材料Mから脱ガスされるガス泡は、ベント孔5及びPL
面2a,3a間の隙間から円滑に吸引されて排出され
る。そのため、従来のフロン発泡のように、ポリウレタ
ン材料をオーバーパックする必要がなく、材料損失を低
減できる。
【0049】 最後に、成形用金型1の型開きをする
とともに、真空箱11を開放状態として、製造されたス
テアリングホイールパッド37を取り出せば、この製造
方法は終了する。製造されたステアリングホイールパッ
ド37は、自己スキン層39の表面に微小なガス泡すら
現れないため、従来のフロン発泡による場合より優れた
外観となる。また、ポリウレタン材料M中の水分含有率
が0.4重量%未満に制限されているため、引張強度、
引裂強度等の物性が高い。
【0050】次に、本発明をステアリングホイールのリ
ング部及びスポーク部の被覆の成形に具体化した第二実
施例について、図6〜図15に基づいて説明する。ま
ず、本実施例で使用する製造装置は、各部の形状こそ第
一実施例と異なるものの、成形用金型1と真空箱11と
真空ポンプ20と材料射出機構21とから基本的に構成
されている点は第一実施例と共通である。従って、図6
〜図11において第一実施例と共通する部材には、第一
実施例と共通の符号を付して説明の重複を避けるととも
に、補足が必要な箇所については以下に詳述する。
【0051】このステアリングホイール41の芯金42
は、ボス部と、リング部と、該ボス部及びリング部を結
ぶスポーク部とからなる。成形用金型1は、前記芯金4
2のリング部及びスポーク部の被覆43を成形するもの
である。成形用金型1の上側の固定型2と下側の可動型
3には、型閉じ時に略リング状のキャビティ4を形成す
る成形溝4aが形成されている。キャビティ4の断面中
心には、芯金42のリング部の全部とスポーク部の一部
とが配置される。この成形溝4aの図6等における左端
であってリング部の外周側には、ゲート8が開口してい
る。従って、ポリウレタン材料Mは、このゲート8から
キャビティ4内に注入されて同内を二方向に分かれて流
動し、図6等における右端の最終充満位置Lで合流して
充満するようになっている。この最終充満位置Lにおけ
る固定型2には、キャビティ4を真空箱11の空間部K
に対して連通するベント孔5が設けられている。
【0052】また、固定型2と可動型3の各成形溝4a
の内側には、両型2,3の型閉じ時の位置決め用嵌合部
31と、芯金42のボス部を収めて保持するための凹所
32及び台座33とが設けられている。この台座33に
は製造後のステアリングホイール41を離型させるため
のイジェクトピン34が突出可能に内設されている。型
閉じ時のPL面2a,3aの間には、第一実施例と同様
に0.03〜0.06mmの隙間が生じるようになって
いる。
【0053】真空箱11の下ケース13には、図9及び
図10に示すように、該真空箱11の外部からベント孔
5の付近を目視し得る透視窓51が設けられている。こ
の透視窓51は、下ケース13に貫設された開口52
と、該開口52を内側から塞ぐように、シールリング5
3を介して下ケース13の内面に当てられたガラス製又
は合成樹脂製の透明板54と、該透明板54の周縁を押
さえてボルト55により下ケース13に止められる枠体
56とから構成される。枠体56と透明板54との間、
枠体54と下ケース13との間には、シール板57を介
することが好ましい。
【0054】固定型2と上ケース12、また、可動型3
と下ケース13は、各々一体化されている。この下ケー
ス13は図示しない油圧シリンダラム等に取り付けられ
ており、型閉じ時にはその周縁合せ部が上ケース12の
周縁合せ部に当たるまで上昇され、型開き時には下降さ
れるようになっている。
【0055】本実施例で使用するポリウレタン材料は、
第一実施例と同じくポリオール混合成分とイソシアネー
ト成分との混合物に、発泡剤を実質的に加えないで、し
かもポリオール混合成分中の水分含有率を0.4重量%
未満に制限したものである。また、ポリウレタン材料の
温度は、従来のフロン発泡の場合の温度より高く設定さ
れる。
【0056】次に、本実施例の製造方法について工程順
に説明する。 図6及び図7に示すように成形用金型1の固定型2
と可動型3とを型開きした状態で、図7に示すように可
動型3に芯金42をセットする。
【0057】 成形用金型1の固定型2と可動型3と
を完全に型閉じして、キャビティ4を形成すると同時
に、上ケース12と下ケース13の周縁合せ部を当接さ
せて真空箱11を密閉状態とする。
【0058】 真空ポンプ20を作動させて、吸引ノ
ズル16から真空箱11内の空間部Kを所定の気圧にな
るまで真空吸引する。通常、この所定の気圧は50To
rr以下とする。このとき、成形用金型1のキャビティ
4は、ベント孔5とPL面2a,3a間の隙間から減圧
され、該キャビティ4の気圧は前記空間部Kの気圧と同
程度まで低くなる。
【0059】 図8に示すように、前記キャビティ4
の減圧を引き続いて行いながら、前記ポリウレタン材料
Mを、ミキシングヘッド22の射出ノズル23を介して
型閉じ状態の成形用金型1のキャビティ4内に射出し
て、RIM成形を行なう。通常、その射出体積はキャビ
ティ4の内容積の1/4〜3/4であり、射出時間は2
〜4秒である。
【0060】このとき、ポリウレタン材料Mのうちキャ
ビティ面及び芯金42から離れた内部には、前述した減
圧下での吸蔵ガスの突沸による発泡作用により、図12
に示すような高発泡のコア部44が形成される。また、
ポリウレタン材料Mのうちキャビティ面に接する表面部
及び芯金42に接する部分には、前述した減圧下での脱
ガス作用により、微小なガス泡すらほとんど残存しない
極低発泡の緻密な自己スキン層45が形成される。ま
た、ポリウレタン材料Mのうち芯金42に接する部分に
も、前述した減圧下での脱ガス作用により、微小なガス
泡すらほとんど残存しない極低発泡の緻密な自己接着層
47が形成される。一般に、自己接着層47は自己スキ
ン層45よりやや薄く形成される。
【0061】通常、このポリウレタン材料Mの注入完了
から充満完了までの流動時間は1〜2秒であり、ポリウ
レタン材料Mは、その流動に伴ってPL面2a,3aの
間の隙間を順に自己シールしてゆく。そして、ポリウレ
タン材料Mの流動先端部がベント孔5に到達して該ベン
ト孔5から少し吹き出したときに、該流動先端部が反応
硬化してベント孔5を自己シールするよう、ポリウレタ
ン材料Mの反応速度が速められている。また、前記発泡
は注入後のポリウレタン材料Mの反応熱を奪わないの
で、ポリウレタン材料Mの温度上昇が進み、キュア時間
が短縮される。
【0062】本実施例では、真空箱11の外部から透視
窓51を通してベント孔5の付近を目視することができ
るので、真空箱11を密閉した状態のまま、ポリウレタ
ン材料Mの流動先端部がベント孔5から吹き出したこと
を確認したり、その発泡状態を観察したりすることがで
きる。
【0063】 前記キャビティ内のポリウレタン材料
がキュアされるのを待って、成形用金型1の固定型2と
可動型3とを型開し、真空箱11を開放状態とする。通
常、このキュア時間は50〜80秒であり、従来のフロ
ン発泡の場合のキュア時間80〜100秒より短縮して
いる。前記型開きと連動して、可動型3のイジェクトピ
ン34が突出し、製造されたステアリングホイール41
が自動的に離型する。この離型したステアリングホイー
ル41を取り出すとともに、前記ポリウレタン材料Mの
吹き出し部46を除去すれば、この製造方法は終了す
る。
【0064】ところで、ステアリングホイール41の被
覆43の成形においては、前述したフロン等の問題以外
にも、次のようなステアリングホイール特有の問題(a)
(b)がある。しかし、本実施例の製造方法によれば、こ
れらの問題も同時に解決することができるので、該製造
方法はステアリングホイールの被覆の成形に特に適する
ということができる。
【0065】(a) ポリウレタン材料Mは芯金42の長い
リング部により乱流を起こしやすいが、本実施例のキャ
ビティ4内は減圧により空気が稀薄になっているので、
ピンホール、ボイド、欠肉等の欠陥が生じにくい。その
ため、本実施例のようにゲート8をリング部の外周側に
設ける等、ゲート8位置の自由度が高くなる。また、ベ
ント孔5は一つで十分である。
【0066】(b) 前記の通り、ポリウレタン材料Mはキ
ャビティ4内を二方向に分かれて流動し、最終充満位置
Lで合流するため、一般には、その合流部にウエルドラ
インが生じ易いとか、ピンホール、ボイド、欠肉等の原
因となるガスが溜り易いとかという特有の問題がある。
しかし、本実施例では、キャビティ4を減圧していると
ともに、合流部の流動先端部をベント孔5から吹き出さ
せるので、これらの欠陥を確実に防止することができ
る。
【0067】(c) 本実施例では緻密な自己接着層47が
形成されるので、芯金42のリング部に対する被覆43
の保持力が優れる。
【0068】第二実施例の製造方法において水分含有率
が物性に及ぼす効果を確認するため、表1に示す通りの
フロンを加えないポリウレタン材料(ポリオール混合成
分中の水分含有率は0.13、0.35又は0.54重
量%の3通りとした。)を用い、表2に示す通りの試験
条件でステアリングホイールの被覆を製造して、該被覆
の物性試験を行った。
【0069】また、比較のため、表1に示すように従来
通りのフロンを加えたポリウレタン材料(ポリオール混
合成分中の水分含有率は0.22重量%とした。)を用
い、表2に示す通りの試験条件で、従来例のフロン発泡
によるステアリングホイールの被覆を製造して、該被覆
の物性試験も行った。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】前記の試験条件下で製造された被覆のうち
高発泡のコア部を試験片として切り出し、引張試験と引
裂試験とを室温において行った。引張強度試験の結果を
図13に示し、引裂強度試験の結果を図14に示す。本
実施例によれば、ポリオール混合成分中の水分含有率が
0.54重量%のときでも、従来例のフロン発泡による
場合より高い引張強度と引裂強度が得られており、該水
分含有率が0.4重量%未満になると、その効果は顕著
である。
【0073】次に、第二実施例の製造方法においてキャ
ビティの気圧が自己スキン層の厚さに及ぼす影響を確認
するため、表1に示す通りのフロンを加えないポリウレ
タン材料(ポリオール混合成分中の水分含有率は0.3
5重量%とした。)を用い、表2に示す通りの試験条件
(但し、キャビティの気圧は5、12、15、20、3
0、50、100Torrの7通りとした。)でステア
リングホイールの被覆を製造して、自己スキン層の厚さ
を測定した。その試験結果を図15に示す。この図から
明らかなように、キャビティの気圧が50Torr以下
になると、自己スキン層の厚さが急激に増加している。
【0074】なお、本発明は前記実施例の構成に限定さ
れず、例えば以下のように発明の趣旨から逸脱しない範
囲で任意に変更して具体化することもできる。 (1)第一実施例では、成形用金型1と真空箱11とが
別体のものを示したが、成形用金型を二重壁構造とし、
外側の壁を真空箱11と同じ作用をさせるようにして、
成形用金型内に空間部を一体に設けてもよい。
【0075】(2)図16に示すように、成形用金型1
のキャビティ4の外周において、その全周に亘って又は
一部に、このキャビティ4の内部を減圧可能な大きな溝
状凹部9が形成できれば、この溝状凹部9は空間部Kと
して作用する。この溝状凹部9は、成形用金型1の可動
型3又は固定型2の一方又は両方に形成することができ
る。また、溝状凹部9の外周には外気を遮断するための
シール部材10を設けることが好ましい。
【0076】(3)前記の実施例では、ベント孔5を設
けたものを示したが、ベント孔5の代わりに、キャビテ
ィに面して、かつポリウレタン材料の最終充満部位に微
細な多孔を備えたコアを用いた金型を使用して、前記の
微細な多孔から最終のガス抜きを行なわせて、この発明
の製造方法を行なってもよい。
【0077】(4)型は金型に限定されず、発泡圧力に
耐え得るセラミック型、樹脂型その他の各種型を使用す
ることができる。
【0078】
【発明の効果】本発明は前記の通り構成されているの
で、次のような優れた効果を奏する。まず、請求項1記
載の自己スキン層付きポリウレタンフォームの製造方法
によれば、問題のあるフロンその他の発泡剤を使用しな
くても、フロンを使用したときより優れた外観と感触と
物性とを備えた自己スキン層付きポリウレタンフォーム
を製造することができるとともに、ポリウレタン材料の
損失を低減し、製造効率を高めることもできる。
【0079】請求項2記載の製造方法によれば、ポリウ
レタンフォームの引張強度、引裂強度等の物性をさらに
高めることができる。
【0080】請求項3記載の製造方法によれば、自己ス
キン層の厚さを増加させることができるとともに、自己
スキン層にわずかに残存する微小なガス泡をさらに無く
すことができる。
【0081】請求項4記載の製造方法によれば、製造効
率をさらに高めることができる。
【0082】請求項5記載の製造方法によれば、芯金を
インサートする場合でも、ピンホール、ボイド、欠肉等
の欠陥が生じにくく、従って、ゲート位置の自由度が高
くなり、ベント部が少数で済む。またポリウレタンフォ
ームと芯金との接着力を増加させることができる。
【0083】請求項6記載の製造方法によれば、請求項
5記載の製造方法による効果が著しく発揮され、例えば
ゲートをリング部の外周側の一箇所に設けたり、ベント
部を一つにしたりすることができる。また、ポリウレタ
ン材料の合流部におけるウエルドライン、ピンホール、
ボイド、欠肉等の欠陥を防止することができる。
【0084】また、請求項7記載の自己スキン層付きポ
リウレタンフォームの製造装置によれば、請求項1記載
の製造方法を容易に実現することができるとともに、減
圧室を密閉した状態のまま、ポリウレタン材料がベント
部から吹き出したことを確認したり、その発泡状態を観
察したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例に使用する真空箱と成形用
金型の型開き状態における半断面図である。
【図2】同じく型閉じ状態でRIM成形を行っている状
態の半断面図である。
【図3】図2のIII −III 線部位断面図である。
【図4】同じく製造されたステアリングホイールパッド
の一部拡大断面図である。
【図5】ポリウレタン材料の混合装置を示す概略図であ
る。
【図6】本発明の第二実施例に使用する真空箱と成形用
金型の型開き状態における断面図である。
【図7】同じく図1の型開き状態における真空箱の下ケ
ースと成形用金型の可動型とを示す平面図である。
【図8】同じく型閉じ状態で射出成形を行っている状態
の断面図である。
【図9】同じく型閉じ状態で射出成形を行っている状態
の側面図である。
【図10】同じく透視窓の断面図である。
【図11】同じく型開き状態でステアリングホイールを
離型した状態の断面図である。
【図12】同ステアリングホイールの部分拡大断面図で
ある。
【図13】同ステアリングホイールの被覆の引張強度と
ポリオール混合成分中の水分含有率との関係を示すグラ
フである。
【図14】同ステアリングホイールの被覆の引裂強度と
ポリオール混合成分中の水分含有率との関係を示すグラ
フである。
【図15】同ステアリングホイールの自己スキン層厚さ
とキャビティの気圧との関係を示すグラフである。
【図16】成形用金型の別例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 成形用金型 2 固定型 3 可動型 4 キャビティ 5 ベント孔 11 真空箱 12 上ケース 13 下ケース 20 真空ポンプ 37 ステアリン
グホイールパッド 38 コア部 39 自己スキン
層 41 ステアリングホイール 42 芯金 43 被覆 44 コア部 45 自己スキン層 46 吹き出し部 47 自己接着層 51 透視窓 K 空間部 L 最終充満位置 M ポリウレタン材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 熊谷 直幸 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 小野 悟 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 松浦 元司 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を実質的に加えないポリウレタン
    材料を、減圧した型のキャビティにおいて発泡させるこ
    とを特徴とする自己スキン層付きポリウレタンフォーム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリウレタン材料のポリオール混合成分
    中の水分含有率を0.4重量%未満に制限する請求項1
    記載の自己スキン層付きポリウレタンフォームの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 キャビティを50Torr以下に減圧す
    る請求項1記載の自己スキン層付きポリウレタンフォー
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリウレタン材料が型のベント部に到達
    したとき、該ベント部のポリウレタン材料が反応硬化し
    て該ベント部を自己シールするように、該ポリウレタン
    材料の反応速度を調節する請求項1記載の自己スキン層
    付きポリウレタンフォームの製造方法。
  5. 【請求項5】 予めキャビティに芯金を配置する請求項
    1記載の自己スキン層付きポリウレタンフォームの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 芯金は、ボス部とリング部と該ボス部及
    びリング部を結ぶスポーク部とからなるステアリングホ
    イールの芯金であり、該芯金の少なくともリング部をキ
    ャビティに配置する請求項5記載の自己スキン層付きポ
    リウレタンフォームの製造方法。
  7. 【請求項7】 キャビティ及びベント部を有する型と、
    該ベント部を介してキャビティと連通する減圧室と、該
    減圧室を介してキャビティを減圧する真空ポンプと、該
    減圧室の外部からベント部付近を目視し得るよう減圧室
    に設けられた透視窓とを備えた自己スキン層付きポリウ
    レタンフォームの製造装置。
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