JPH0676819A - 円筒電池用極板とその製造方法 - Google Patents

円筒電池用極板とその製造方法

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JPH0676819A
JPH0676819A JP4232090A JP23209092A JPH0676819A JP H0676819 A JPH0676819 A JP H0676819A JP 4232090 A JP4232090 A JP 4232090A JP 23209092 A JP23209092 A JP 23209092A JP H0676819 A JPH0676819 A JP H0676819A
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誠 神林
Masayuki Terasaka
雅行 寺坂
Masaki Higuchi
正樹 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業工程が簡略化でき、しかもエネルギー密
度を低下させることがなく、巻取りの際の損傷が発生し
にくい円筒電池用電極とのその製造方法を提供すること
を目的とする。 【構成】 短冊状のスポンジ状金属からなる活物質支持
体と、この活物質支持体の両面に形成される活物質層と
からなり、且つ電池構成時に捲回された状態で用いられ
る円筒電池用極板において、電池構成時に外周側の活物
質密度を内周側の活物質密度より小さくなるように構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、短冊状電極を円筒状に
捲回して構成する電池に用いるスポンジ状金属を活物質
支持体とする電極とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒密閉型アルカリ蓄電池においては、
正負両電極板をセパレータを介して渦巻き状に巻き取っ
て電極群を構成するのが一般的である。そしてここで用
いられる電極板としては、近年スポンジ状金属多孔体を
活物質保持体、及び、導電体としての機能を有する基体
として使用する、所謂、非焼結式製法によるものが多く
なりつつある。
【0003】この非焼結式製法による電極板の利点は従
来の焼結式に比べ高エネルギー密度化が可能であること
にあるが、高エネルギー密度化を達成するためには、上
記スポンジ状金属多孔体が軽量、高多孔度であることが
求められる。ところで、上記のようなスポンジ状金属多
孔体を活物質支持体とした電極板の巻取り工程におい
て、スポンジ状金属多孔体に亀裂が入ったり破断してし
まったりするという問題がある。
【0004】この問題を軽減する方法として、活物質充
填前のスポンジ状金属多孔体にアニール処理を施すなど
して強度と柔軟性を付与する方法があるが、あまり効果
的ではなく、特に、高エネルギー密度化を期すため活物
質密度を大きく、或いは極板を厚くなるように設定する
とその傾向は強まる。これを防止するには基体スポンジ
状金属多孔体の重量を増やして強度を高めること、或い
はアニール処理の条件を調節してさらに柔軟性を向上さ
せることなどの方法が考えられる。しかし、前者の方法
ではコストが高くなるほか、金属多孔体の専有体積が大
きくなるため、高エネルギー密度化という本来の趣旨に
反する。一方、後者の方法では強度低下を招来させず所
期の効果を発揮させることは実質的に困難である。
【0005】上記問題に対処するために、帯状のスポン
ジ樹脂に連続的に電気メッキするメッキ法によりスポン
ジ状金属多孔体を製造するものにおいては、以下のよう
な方法が用いられていた。 特開昭62−140359号公報の方法 巻取りに際して内周面、外周面になる面を予め規定し、
内周面側のメッキを厚く、外周面側のメッキを薄くする
ことにより基体の厚さ方向の多孔度を変化させ充填活物
質量を調整しようとする提案。 特開昭58−117646号公報の方法 極板の上下端に極板巻取り方向に沿って、帯状の活物質
を充填しない補強部位を設けるという提案。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、以下のような問題が生じる。 特開昭62−140359号公報に示す方法の問題 この方法では、予め基体に方向性を与える製造をしなけ
ればならない煩わしさがある上、外周面になる側の多孔
体はメッキが薄く、電極群作製時の巻取りの際に、亀裂
が入り易くなってしまうため全体的な基体の強度の向上
にはならないという問題がある。 特開昭58−117646号公報に示す方法の問題 この方法では、極板巻取り方向に帯状の活物質を充填し
ない補強部位が設けられているため、その分だけ活物質
を充填する部分が減称する。従って活物質の充填量が減
少して、極板エネルギー密度の低下が避けられないとい
う問題がある。
【0007】本発明は上記問題を解決するために行われ
たものであり、作業工程が簡略化でき、しかもエネルギ
ー密度を低下させることがなく、巻取りの際の損傷が発
生しにくい円筒電池用電極とのその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、短冊状のスポンジ状金属からなる活物質支
持体と、この活物質支持体の内部に形成される活物質層
とからなり、且つ電池構成時に捲回された状態で用いら
れる円筒電池用極板において、電池構成時に外周側の活
物質密度を内周側の活物質密度より小さく構成したこと
を特徴とする。
【0009】また、短冊状のスポンジ状金属からなる活
物質支持体と、この活物質支持体の内部に形成される活
物質層とからなり、且つ電池構成時に捲回された状態で
用いられる円筒電池用極板の製造方法において、上記ス
ポンジ状金属多孔体の内部に対して、均一に活物質を充
填して活物質充填基板を作製する第一のステップと、電
池作製時に、上記活物質充填基板の外周側の活物質密度
が内周側の活物質密度より小さくするような処理を施す
第二のステップと、を有することを特徴とする。
【0010】さらに、上記第二のステップが活物質充填
基板を、外径の異なる圧延ローラーにより圧延する処理
であることを特徴とする。また、上記第二のステップ
が、活物質充填基板の一方の面からのみ更に活物質を擦
り込む処理であることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記のように構成することにより以下のような
作用が得られる。 円筒電池用極板の構造 電極を捲回する際に外周面側になる側の活物質密度が内
周面になる方の活物質密度より小さくなっており、外周
面になる側の柔軟性は高くなる。通常、巻取りの際に、
内周面に比べて外週面は大きな応力が加わり亀裂が入り
易いが、上記したように外周面になる側の柔軟性は高い
ので亀裂が入りにくく、極板の破損を抑止できる。
【0012】また、内周面には大きな張力が作用しない
ため活物質密度が高水準となるような設定をしても問題
は少なく、平均活物質密度は外周面の活物質密度の値を
下げても維持することができるので、エネルギー密度の
低下を招くことはない。 製造方法 先ず、ある物体をローラによって圧延する際に、ローラ
径の大きなローラを用いた場合と、ローラ径の小さなロ
ーラを用いた場合とでは、ローラ径の大きなものを用い
た方がローラ径の小さなものを用いた方よりも物体の伸
び率が小さいことが通常知られている。
【0013】本発明では、活物質充填基板に当接する上
下ローラー径を、異なる径にして圧延を行なったが、上
記の場合と同様に、極板の伸び率を上下面で異ならしめ
ることができた。即ち、小径のローラーに当接し圧延さ
れた側の面方向の伸び率は大きく、大径のローラーに当
接し圧延された側の面方向の伸び率は小径のローラ側に
比べて小さくなった。このように圧延された活物質充填
基板の活物質密度は、小径のローラーに当接し圧延され
た面方向の伸び率が大きい側ほど小さく、大径のローラ
ーに当接し圧延された面方向の伸び率が小さい側程大き
くなった。
【0014】また、第二のステップで活物質を擦り込む
製造方法においては、極板の厚さ方向の活物質密度に差
が生まれる。尚、充填工程で付与された厚さ方向の活物
質密度差は圧延を行っても維持される。
【0015】
【実施例】以下に本発明の電極について説明を行う。 (実施例1)主成分である水酸化ニッケルに、添加剤と
して金属コバルトを加え、糊溶液でスラリー化(スラリ
ー密度1.8g/cm3 )し、スラリー状の活物質を作
製する。当該スラリー状の活物質を、重量600g/m
2 、厚さ1.6mmのスポンジ状ニッケル多孔体に充填
し、乾燥を行う。乾燥後の活物質が充填されたスポンジ
状ニッケル多孔体に、上下のローラのローラ径がそれぞ
れ300mm、200mmである圧延ローラを当接し、
加圧圧縮を行い電極を作製した。
【0016】上記のように作製した電極は、小径のロー
ラが当接し圧延された側の活物質密度が他方側より小さ
くなっており、活物質密度差は極板伸び率から、2.5
%と算出された。また、平均活物質密度は2.80g/
cm3 (有効空間体積当たり)である。このように作製
した電極を、以下電極A1 と称する。 (実施例2)上記実施例1で用いたのと同様なスポンジ
状ニッケル多孔体と、スラリー状活物質とを用いて、先
ず、スポンジ状ニッケル多孔体の内部に、スラリー状活
物質を塗着し、第一の活物質充填を行う。次いで、第一
の充填によって充填された活物質が未乾燥の状態で、糊
溶液と混合していない活物質粉末をスポンジ状ニッケル
多孔体の一方の表面に供給し擦り込む第二の活物質充填
を行い、この後乾燥を行う。乾燥後、外径300mmの
ローラーを有する圧延ローラー装置で加圧圧縮し電極を
作製した。
【0017】尚、第一の活物質充填では、内部の活物質
密度が均一になるように充填を行い、第二の活物質充填
では第一の活物質充填での充填量の3%相当量の活物質
粉末を擦り込んだ。上記のように作製した電極は、一方
側の活物質密度が他方側より小さくなっており、平均活
物質密度は、2.80g/cm3 である。
【0018】このように作製した電極を、以下電極A2
と称する。 (比較例)実施例1と同様に、スポンジ状ニッケル多孔
体に活物質を充填、乾燥後、実施例2と同一径の圧延ロ
ーラーで加圧圧縮し電極を作製した。この電極の平均密
度は2.9g/cm3 である。
【0019】このように作製した電極を、以下電極Xと
称する。 (実験1)本発明の電極A1 、A2 、及び、比較例の電
極Xを用いてそれぞれ電池を作製し、この電池を用い
て、落下試験後の内部抵抗値の変化によって、極板の強
度を評価したので、その結果を下記の表1に示す。
【0020】実験に用いた電池としては、本発明の電極
A1 、A2 、比較例の電極Xを所定の寸法に切断し、通
常のカドミウム極とセパレータとを介して組み合わせ円
筒状に巻き取り、電池外装缶に挿入し、電解液を注液
し、封口して作製したものを用いた。尚、電極A1 につ
いては、大径ローラーで圧延した面を、電極A2 につい
ては、第二段階でさらに粉末活物質を充填した面を、そ
れぞれ内周面となるようにセットした。
【0021】このように電極A1 、A2 、Xを用いて作
製した電池を、以下順に電池a1 、a2 、xと称する。
尚、実験条件としては、それぞれの電池a1 、a2 、x
の充放電を行った後、1mの高さから堅木の上への自由
落下を100回行い、100回落下を行った後の内部抵
抗値を測定し、予め測定しておいた、落下前の内部抵抗
値と比較しその変化量を求めた。尚、それぞれの電池5
0個づつについて実験を行った。
【0022】
【表1】
【0023】表1から明らかなように、本発明の電池a
1 、a2 と比べて、比較例の電池xは、内部抵抗が上昇
したものが多かった。またさらに詳しく調べるために、
上記実験をおこなった後、2mΩ以上変化が起こった電
池については全て解体し、陽極の破損状態を調査した。
【0024】その結果、5mΩ以上増大したものは全て
大きな亀裂が入り1〜3箇所で破断しかかっていた。一
方、増大量が2〜5mΩのものは亀裂はあるが破断にい
たる懸念のあるものはなかった。 (実験2)電極a2 と同様に作製した平均活物質密度が
2.80g/cm3 と2.95g/cm3 の電極につい
て極板の活物質密度比(外周面の活物質密度/内周面の
活物質密度)を0.99〜0.85の間で種々に変化さ
せた場合の各々亀裂抑制効果について調査したので、図
1にその結果を示す。
【0025】実験条件としては、所定寸法に切断した上
記電極板と、上記実験1で作製した電池に用いたのと同
様のカドミウム負極と、セパレータとを一旦捲回し電極
群を作製し、しかる後この電極群を解体して亀裂、破断
等の電極不良が起こった固体数をカウントし、不良発生
率を算出した。尚、試料数はそれぞれ50個づつについ
て行った。
【0026】図1から明らかなように、平均活物質密度
2.80g/cm3 、2.95g/cm3 いずれの場合
も、活物質密度比が0.99以下になると明らかに不良
率は低下した。しかし更に0.85を切るところまで密
度比を大きくすると逆に不良率は上昇に転じることがわ
かった。これは内周面の活物質密度が過度に大きくなっ
て、巻取りに耐えられない程までに脆くなったことによ
ると考えられる。
【0027】したがって、電極の活物質密度比として
は、0.99〜0.85が望ましく、特に0.98〜
0.87が望ましい。尚、上記実施例では、ニッケル極
についてのみ説明したが、本発明は、これに限ることな
く、同じような基体を用い、同じように極板を渦巻き状
に巻き取る構造を有する電池系の全ての電極に適用可能
である。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電極を捲回した際に、外周面になる側の活物質充填密度
を、内周面になる側の活物質充填密度より小さくするこ
とにより、比較的簡単な方法で、エネルギー密度低下を
招くことなく、スポンジ状ニッケルを基体とする極板の
巻取りによる亀裂、破断という致命的な欠陥発生を抑制
する高性能な電極とその製造方法を提供することができ
るという効果を奏した。
【図面の簡単な説明】
【図1】活物質密度比を変化させた場合の電極不良発生
率の変化を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短冊状のスポンジ状金属からなる活物質
    支持体と、この活物質支持体の内部に形成される活物質
    層とからなり、且つ電池構成時に捲回された状態で用い
    られる円筒電池用極板において、 電池構成時に外周側の活物質密度を内周側の活物質密度
    より小さく構成したことを特徴とする円筒電池用電極。
  2. 【請求項2】 短冊状のスポンジ状金属からなる活物質
    支持体と、この活物質支持体の内部に形成される活物質
    層とからなり、且つ電池構成時に捲回された状態で用い
    られる円筒電池用極板の製造方法において、 上記スポンジ状金属多孔体の内部に対して、均一に活物
    質を充填して活物質充填基板を作製する第一のステップ
    と、 電池作製時に、上記活物質充填基板の外周側の活物質密
    度が内周側の活物質密度より小さくするような処理を施
    す第二のステップと、 を有することを特徴とする円筒電池用極板の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記第二のステップは活物質充填基板
    を、外径の異なる圧延ローラーにより圧延する処理であ
    ることを特徴とする請求項2記載の円筒電池用極板の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 上記第二のステップは、活物質充填基板
    の一方の面からのみ更に活物質を擦り込む処理であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の円筒電池用電極の製造方
    法に関する。
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