JPH0678305B2 - N−メチル−2−ピロリドンの製造方法 - Google Patents

N−メチル−2−ピロリドンの製造方法

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JPH0678305B2
JPH0678305B2 JP63011305A JP1130588A JPH0678305B2 JP H0678305 B2 JPH0678305 B2 JP H0678305B2 JP 63011305 A JP63011305 A JP 63011305A JP 1130588 A JP1130588 A JP 1130588A JP H0678305 B2 JPH0678305 B2 JP H0678305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] N-メチル‐2-ピロリドンは、無毒性で化学的に安定で、
耐熱性の優れた溶媒として使用され、また種々の有機合
成の中間体として有用なものであり、近年その需要が大
巾に伸びている。
また、N-メチル‐2-ピロリドンは、特に近年ポリフェニ
レンサルファイド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、
アラミド等の高機能性樹脂の重合や成膜加工等に溶剤と
して広汎に使用され、これらの用途には特に高い純度が
要求されるので、高品質の有利な製造方法の開発が望ま
れている。
本発明は、N-メチル‐2-ピロリドンの製造方法の改良に
関するものである。
[従来の技術] 従来より、N-メチル‐2-ピロリドンは次に示す種々の方
法で製造できることが知られている。
i)γ‐ブチロラクトンとモノメチルアミンとの反応に
よる方法。
ii)2-ピロリドンにハロゲン化メチル、メチルアルコー
ルなどのメチル化試剤を作用させ触媒の存在下において
メチル化反応させ、N-H結合をN-CH3結合に変換する方
法。
iii)マレイン酸又は琥珀酸のN-メチルイミドの接触水
添による方法。
iv)N-ヒドロキシメチル‐2-ピロリドンの水添分解によ
る方法。
このうち、工業的には、i)の方法が最も一般的に採用
されている。すなわち、この方法は、反応速度的にも、
反応収率の上でも、更には製品の品質面から見ても良好
であり、また腐食性の触媒等の原材料の使用がない等の
点で、実用化に際して極めて有利な条件を有している
[カーク オスマー エンサイクロピディア オブ ケ
ミカル テクノロジィ(Kirk Othmer Encyclopedia of
Chemical Technology)、ウィリー インターサイエン
ス パプリケーション、ジョーン ウィリー アンド
ソン発行(Wiley Intersience Publication,John Wiley
& Sons(1984年)第19巻第517ページ及びウルマン
エンサイクロピディア オブ インダストリー ケミス
トリー(Ulwann Encyclopedia of Industrial Chemistr
y,VCH VerlagsgesellschaftmbH,(1985年)A4巻第495〜
498ページ)。
しかし、γ‐ブチロラクトンとモノメチルアミンの反応
に際して、メチルアミンの分解不均化反応が起こり、ジ
メチルアミン、トリメチルアミン、アンモニアが少量生
成し、過剰モル化(モノメチルアミン/γ‐ブチロラク
トン>1)で反応しているために、これらは過剰のモノ
メチルアミンの中に溶解して反応系外に排出される。
このため、この方法は、モノメチルアミンの原単位が高
くなり、また過剰モノメチルアミンから副生するジメチ
ルアミン、トリメチルアミン、アンモニアを分離精製後
反応に循環するための消費エネルギーが大きい欠点を有
する。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明者らは、γ‐ブチロラクトンと第二級アミン、第
三級アミンとの反応を詳細に検討したところ、これらが
水の共存下で、特に良くγ‐ブチロラクトンと反応して
N,N-ジメチル‐γ‐ヒドロキシ酪酸アミド、γ‐ヒドロ
キシ酪酸のアンモニウム塩等を生成するが、更に200℃
以上特にγ‐2-ピロリドンとモノメチルアミンの反応に
よりN-メチル‐2-ピロリドンを製造する条件に近い230
℃以上の温度に加熱するとこれ等の化合物が脱メタノー
ル分解して最終的にはN-メチル‐2-ピロリドンに変換し
得ることを見い出した。
本発明は、ジメチルアミン及びトリメチルアミンを含む
モノメチルアミンを使用して、収率及び品質を低下する
ことなくN-メチル‐2-ピロリドンを製造する方法を提供
することを目的とするものである。
すなわち、本発明はγ‐ブチロラクトンとモノメチルア
ミンの反応でN-メチル‐2-ピロリドンを製造する際の副
生する第二級アミン及び第三級アミンの有利な処理法を
提供しようとするものであり、特に高い品質に維持しつ
つN-メチル‐2-ピロリドンに最終的には変換することに
より、再循環モノメチルアミンの精製工程を簡略化し、
その経済効率を向上しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] γ‐ブチロラクトンとモノメチルアミンの反応を230℃
以上の温度で過剰モノメチルアミンの存在下に実施する
とき、反応条件下でモノメチルアミンが分解不均化し
て、少量のジメチルアミン及びトリメチルアミン、更に
アンモニアを含む未反応モノメチルアミンが副生する。
これらを反応で生成する水とともに反応系に循環し、新
たに反応系に導入されるモノメチルアミンとともにγ‐
ブチロラクトンと反応させることを特徴としている。
この際、第二級アミン及び第三級アミンがγ‐ブチロラ
クトンと反応して最終的に高品質のN-メチル‐2-ピロリ
ドンに変換するためには特定の反応条件の選定が必要で
ある。
本発明者らは、鋭意研究の結果、この目的を達成できる
反応条件を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、γ‐ブチロラクトンとモノメチル
アミンとを過剰量のモノメチルアミンの存在下で反応さ
せ、N-メチル‐2-ピロリドンを製造する方法において、
製造工程中に副生したジメチルアミン及びトリメチルア
ミンを含有する過剰のモノメチルアミンを反応混合物か
ら分離して、該分離物をそのまま反応系に再循環し、製
造反応系に水をγ‐ブチロラクトンの3〜5倍モル添加
し、240〜265℃の反応温度において、モノメチルアミン
とともに、ジメチルアミン及び/又はトリメチルアミン
をγ‐ブチロラクトンと反応させることを特徴とするN-
メチル‐2-ピロリドンの製造方法よりなるものである。
本発明製造方法においては、水の存在が必須であり、反
応温度として240〜265℃が必要である。
本発明における水の使用量は、γ‐ブチロラクトンに対
して、3〜5倍モル存在することが必要である。
水の使用モルが3未満では反応速度が遅くなり、5を超
えると、反応物のγ‐ブチロラクトンへの逆反応が増
え、製品N-メチル‐2-ピロリドン中のγ‐ブチロラクト
ンの含量が増加する。
本発明者らは、本発明製造工程は次の反応式に従って進
行することを見いだした。
すなわち、ジメチルアミン及びトリメチルアミンとγ‐
ブチロラクトンとの間で次式の反応が水の存在下で、22
0℃以上の温度で進行する。式中のRはメチル基(‐C
H3)を表す。
ここに示したジメチルアミン及びトリメチルアミン付加
体の脱アルコール分解は段階的に進行するものと考えら
れる。
本発明の反応液中にはアルコールが検出される他、ジメ
チルアミン及びトリメチルアミンの場合には中間段階と
してN-メチル‐γ‐オキシ酪酸アミド(I)が生成して
いるのが観測され、最終的にN-メチル‐2-ピロリドンに
到達するのには、必ず(I)を経由しているものと推定
される。
当該反応が進行する反応条件は、純粋なモノメチルアミ
ンとγ‐ブチロラクトンの反応によりN-メチル‐2-ピロ
リドンを生成するための反応条件とほぼ同一であり、即
ち220℃以上、350℃以下である。
ところが、N-メチル‐2-ピロリドンの純度及び色調等の
品質の厳しい要求を充たすにはより好適な反応条件が存
在し、240℃以上265℃以下の反応温度と適切な水の存在
が必要である。
本発明製造方法では、この両者を満足するために、240
〜265℃の温度範囲で反応を行う必要がある。
この温度範囲において、充分高い反応速度と、製品の品
質を充分確保することが可能となる。
反応温度が本発明の範囲を越えると、逐次反応が増加し
て副生物を生成させるので重要な製品の色調が悪化する
傾向がある。
本発明製造方法では、モノメチルアミンとγ‐ブチロラ
クトンの反応によりN-メチル‐2-ピロリドンを製造する
条件において、副生するジメチルアミン、トリメチルア
ミンは、γ‐ブチロラクトンと反応して消費されるので
反応系内に蓄積されることはない。すなわち、特定反応
条件において副生したジメチルアミン及びトリメチルア
ミンは蓄積量が大きくなれば反応系内で反応して消費さ
れる量も多くなるので、各反応条件において、定常の濃
度が維持され、ジメチルアミン等の反応系内の蓄積量が
連続操業時間とともに次第に増大することはない。
本発明は、水の共存下、反応温度を適切に選ぶことによ
り、γ‐ブチロラクトンへの再分解や着色性不純物の副
生を極小に抑えつつ副生ジメチルアミン及びトリメチル
アミンをN-メチル‐2-ピロリドンに変換できるのでその
経済効果は大きい。
少量副生するアルコールは分離してアンモニアとの反応
によるアミン製造工程に循環使用することもできる。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明の効果を説明するが、本発
明を制限するものではない。
実施例1 誘導回転機付きのSUS-316L製の10オートクレーブにγ
‐ブチロラクトン、モノメチルアミン及び水を仕込み、
回分操作によるN-メチル‐2-ピロリドンの製造を行っ
た。
製造条件として、モノメチルアミン/γ‐ブチロラクト
ンのモル比1.08とし、H2O/γ‐ブチロラクトンのモル比
4.0とし、反応温度255℃、滞留時間3時間として、反応
させた。反応生成液を三本のオルダーショー蒸溜塔を組
み合わせて分溜精製した。
第一塔では水及び過剰分のモノメチルアミンの大部分を
塔頂に抜き出し、缶出液を第二塔でさらに水を分離した
後、第三塔で精製蒸溜し中段側留分からN-メチル‐2-ピ
ロリドンを抜き出し製品とした。
この場合に、第一塔塔頂から抜き出されるアミン水溶液
を分析したところ、モノメチルアミンは3.51重量%であ
ったが、更にジメチルアミン3700ppm、トリメチルアミ
ン162ppm、アンモニア733ppmを含有していた。
この留出液全量とγ‐ブチロラクトン及びモノメチルア
ミンを供給してモル比を第一回反応の値に合わせて第二
回の反応を行った。この結果、第一塔塔頂から抜き出さ
れたアミン水溶液中のモノメチルアミン濃度は3.56重量
%、ジメチルアミン3500ppm、トリメチルアミン168pp
m、アンモニア663ppmと濃度の変化は小巾であり、特に
モノメチルアミン以外のアミン類、アンモニアの濃度
が、これ等が全く不活性であると仮定した時には第一回
反応の場合の2倍になると予測されるのにも拘わらず、
実際には変化していないことが明らかである。
この間、γ‐ブチロラクトン基準のN-メチル‐2-ピロリ
ドン収量及びN-メチル‐2-ピロリドンの品質に実質的変
化が認められなかった。
ここで得られたN-メチル‐2-ピロリドンの純度99.9重量
%であり、着色度はAPHA10であり、γ‐ブチロラクトン
の含有率は0.02重量%であった。
実施例2 モノメチルアミン/γ‐ブチロラクトンモル比を1.7に
変更し、反応温度を260℃に変更した以外は実施例1と
同様にして反応し、N-メチル‐2-ピロリドンを製造し
た。
反応時間は5時間とした。第一塔塔頂から留出したアミ
ン水溶液中のモノメチルアミンの濃度は6.80重量%であ
り、さらに、ジメチルアミンの濃度は2.16重量%であ
り、トリメチルアミンの濃度は1.76重量%であり、アン
モニアの濃度は0.63重量%であった。
次にこの留出液全量とγ‐ブチロラクトン及びモノメチ
ルアミンを追加供給して第二回反応を行った。
この際、メチルアミン/γ‐ブチロラクトンのモル比は
1.11に調節し、その他は第一回反応と同一反応条件を採
用した。
第一塔塔頂からの留出液は分析の結果、モノメチルアミ
ンの濃度4.70重量%、ジメチルアミンの濃度2.04重量
%、トリメチルアミンの濃度1.83重量%、アンモニアの
濃度0.57重量%であった。
第1回と比較して、モノメチルアミンを始め、各アミン
間の濃度変化は少なく、かつγ‐ブチロラクトン基準の
N-メチル‐2-ピロリドン収量の増加があり、かつN-メチ
ル‐2-ピロリドンの品質には実質的変化がなかった。ジ
メチルアミン、トリメチルアミンの一部分はN-メチル‐
2-ピロリドンに変化していることが確認できた。
結果は次の表に示す。
参考例 ジメチルアミン、トリメチルアミンから水の共存下にγ
‐ブチロラクトンと反応してN-メチル‐2-ピロリドンを
生成するための条件についてモデル実験により検討し
た。
i)ジメチルアミンとγ‐ブチロラクトンとを反応さ
せ、N,N-ジメチル‐γ‐オキシ酪酸アミドを得て、これ
を加熱分解してメタノール及びN-メチル‐2-ピロリドン
の生成を測定した。
この分解反応は、温度210℃では反応が進行せず、出発
物質への逆反応によるγ‐ブチロラクトンが一部検出さ
れたが、220℃以上特に240℃以上ではN-メチル‐2-ピロ
リドンの生成が確認できた。
さらに、温度を上げて、温度255℃にすると、モノメチ
ルアミンの場合のN-メチル‐γ‐オキシ酪酸アミドの脱
水閉環(N-メチル‐2-ピロリドン化)とほぼ同等の速度
でジメチルアミンの場合の閉環反応が進行した。
ii)トリメチルアミンについても同様の実験を行った。
この場合は、温度220℃以上でメタノールが検出される
ようになるが、N-メチル‐γ‐オキシ酪酸アミド、N,N-
ジメチル‐γ‐オキシ酪酸アミドが生成しており、更
に、240℃以上の温度でN-メチル‐2-ピロリドンの生成
が確認できた。
しかし、N-メチル‐2-ピロリドンの生成量は、255℃の
反応温度でもモノメチルアミン又はジメチルアミンとγ
‐ブチロラクトンの反応におけるよりもかなり低いこと
が判明した。
比較例 実施例1において、第二回目の反応のγ‐ブチロラクト
ン1モルに対する水のモル比を8.5に変更した以外は全
く同様にしてN-メチル‐2-ピロリドンを製造した。N-メ
チル‐2-ピロリドンの色調はAPHA10で良好であったがγ
‐ブチロラクトン含有率が、0.02重量%から0.23重量%
に増加していた。
[発明の効果] 従来、γ‐ブチロラクトン及び過剰量のモノメチルアミ
ンの反応によりN-メチル‐2-ピロリドンを製造する工程
において、反応条件下で副生するジメチルアミン、トリ
メチルアミン及びアンモニアを分離除去することなしに
過剰分のモノメチルアミンを反応系に循環再使用するこ
とができる。
本発明により選定された反応条件では、再循環されたジ
メチルアミン及びトリメチルアミンは、γ‐ブチロラク
トンと反応して有効に消費されるので反応工程にこれら
副生物が蓄積されることはなく、一定の濃度に維持する
ことができる。
本発明は、モノメチルアミン精製のための設備及びエネ
ルギー消費が不要となり、製造工程の合理化が可能とな
る。
また、本発明により得たN-メチル‐2-ピロリドン製品の
品質も実質的に影響を受けないなどの利点がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】γ‐ブチロラクトンとモノメチルアミンと
    を過剰量のモノメチルアミンの存在下で反応させ、N-メ
    チル‐2-ピロリドンを製造する方法において、製造工程
    中に副生したジメチルアミン及びトリメチルアミンを含
    有する過剰のモノメチルアミンを反応混合物から分離し
    て、該分離物をそのまま反応系に再循環し、製造反応系
    に水をγ‐ブチロラクトンの3〜5倍モル添加し、240
    〜265℃の反応温度において、モノメチルアミンととも
    に、ジメチルアミン及び/又はトリメチルアミンをγ‐
    ブチロラクトンと反応させることを特徴とするN-メチル
    ‐2-ピロリドンの製造方法。
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