JPH0678570B2 - 延性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法およびその製造ライン - Google Patents
延性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法およびその製造ラインInfo
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- JPH0678570B2 JPH0678570B2 JP3247389A JP3247389A JPH0678570B2 JP H0678570 B2 JPH0678570 B2 JP H0678570B2 JP 3247389 A JP3247389 A JP 3247389A JP 3247389 A JP3247389 A JP 3247389A JP H0678570 B2 JPH0678570 B2 JP H0678570B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は引張強さ80kgf/mm2以上の高強度で、しかも延
性に極めて優れた高強度熱延鋼板の製造方法ならびにそ
の製造ラインに関するものである。
性に極めて優れた高強度熱延鋼板の製造方法ならびにそ
の製造ラインに関するものである。
(ロ)従来の技術 石油ショック以来、産業界では省エネルギー、省資源の
ために多大な努力が払われている。例えば、自動車産業
においては、燃費低減が最重点課題となっており、その
ため車体重量の軽減に対して、あらゆる観点から検討が
進められている。鉄鋼材料に対しては、特に、高強度化
することにより設計強度を変更することなく板厚を薄く
し、車体の軽量化を図るために、熱延鋼板および冷延鋼
板の高強度化に対する要求が以前に増して強くなってい
る。
ために多大な努力が払われている。例えば、自動車産業
においては、燃費低減が最重点課題となっており、その
ため車体重量の軽減に対して、あらゆる観点から検討が
進められている。鉄鋼材料に対しては、特に、高強度化
することにより設計強度を変更することなく板厚を薄く
し、車体の軽量化を図るために、熱延鋼板および冷延鋼
板の高強度化に対する要求が以前に増して強くなってい
る。
旧来の固溶析出型高強度鋼板では、延性が不十分なため
プレス成形性に代表される冷間加工性に難点があること
から、それに代わるものとしてフェライトとマルテンサ
イトの2相組織からなるDP鋼(Dual Phase鋼)あるいは
これらの組織を主要組織とした複合組織型高強度鋼板が
開発されている。これらの高強度鋼板は、冷延鋼板では
連続焼鈍により製造されるため組織制御が比較的行ない
易いのに対し、熱延鋼板を非調質で製造するとなると組
織制御が極めて困難であり、そのため成分と熱延条件を
組合せた製造方法が各種提案されている。例えば、構成
組織で分類すれば、 1)フェライトおよびマルテンサイト組織(特公昭61−
11291号公報) 2)フェライトおよびマルテンサイト、ベイナイト組織
(特公昭62−59166号公報) 3)フェライトおよびマルテンサイト、残留オーステナ
イト組織(特公昭61−15128号公報) 4)フェライトおよびマルテンサイト、ベイナイト、残
留オーステナイト組織(特公昭62−35453号公報) 等の複合組織鋼板の製造方法が示されている。しかし、
これらの多くは強度(TS)が80kgf/mm2未満を対象とし
たものであり、80kgf/mm2以上のものでも延性(El)が
約20%、TS×Elが2000未満であり、最近の高強度−高延
性化の要求に対しては不十分であるとされている。
プレス成形性に代表される冷間加工性に難点があること
から、それに代わるものとしてフェライトとマルテンサ
イトの2相組織からなるDP鋼(Dual Phase鋼)あるいは
これらの組織を主要組織とした複合組織型高強度鋼板が
開発されている。これらの高強度鋼板は、冷延鋼板では
連続焼鈍により製造されるため組織制御が比較的行ない
易いのに対し、熱延鋼板を非調質で製造するとなると組
織制御が極めて困難であり、そのため成分と熱延条件を
組合せた製造方法が各種提案されている。例えば、構成
組織で分類すれば、 1)フェライトおよびマルテンサイト組織(特公昭61−
11291号公報) 2)フェライトおよびマルテンサイト、ベイナイト組織
(特公昭62−59166号公報) 3)フェライトおよびマルテンサイト、残留オーステナ
イト組織(特公昭61−15128号公報) 4)フェライトおよびマルテンサイト、ベイナイト、残
留オーステナイト組織(特公昭62−35453号公報) 等の複合組織鋼板の製造方法が示されている。しかし、
これらの多くは強度(TS)が80kgf/mm2未満を対象とし
たものであり、80kgf/mm2以上のものでも延性(El)が
約20%、TS×Elが2000未満であり、最近の高強度−高延
性化の要求に対しては不十分であるとされている。
これに対し、強度が80kgf/mm2以上の高加工性高強度熱
延鋼板の製造方法として、残留オーステナイトを主要組
織とした製造方法が開示されている。例えば、特開昭60
−43425号公報記載の方法は、熱延仕上温度をAr3〜Ar3
+50℃とし、仕上熱延後の450〜650℃の温度範囲で4〜
20秒保持し、次いで350℃以下の温度で巻取り、フェラ
イト10%以上、オーステナイト10%以上、残部ベイナイ
ト、マルテンサイトとするもので、強度が約100kgf/mm2
で延性が約20%であるが、TS×Elが2400未満であり、こ
れでも延性は十分とはいい難い。また、巻取られたホッ
トストリップコイル(以降コイルと記す)の処理につい
ては特に言及していないが、通常の方法、即ちコイルに
巻取ったまま放冷されるものと理解され、所期の組織を
得るために、実施例からでも明らかなように巻取温度が
200℃以下と低温で巻取らざるを得なくなっている。こ
のように、高強度熱延鋼板を実際に製造する場合、コイ
ルに巻取ったまま放冷することは、後述するように製造
上での大きな問題となる。
延鋼板の製造方法として、残留オーステナイトを主要組
織とした製造方法が開示されている。例えば、特開昭60
−43425号公報記載の方法は、熱延仕上温度をAr3〜Ar3
+50℃とし、仕上熱延後の450〜650℃の温度範囲で4〜
20秒保持し、次いで350℃以下の温度で巻取り、フェラ
イト10%以上、オーステナイト10%以上、残部ベイナイ
ト、マルテンサイトとするもので、強度が約100kgf/mm2
で延性が約20%であるが、TS×Elが2400未満であり、こ
れでも延性は十分とはいい難い。また、巻取られたホッ
トストリップコイル(以降コイルと記す)の処理につい
ては特に言及していないが、通常の方法、即ちコイルに
巻取ったまま放冷されるものと理解され、所期の組織を
得るために、実施例からでも明らかなように巻取温度が
200℃以下と低温で巻取らざるを得なくなっている。こ
のように、高強度熱延鋼板を実際に製造する場合、コイ
ルに巻取ったまま放冷することは、後述するように製造
上での大きな問題となる。
一方、特開昭60−184634号公報では、熱延仕上温度をAr
3変態点以上とし、20℃/sec以上の冷却速度でAr1変態点
を通過せしめ、330〜430℃の間で巻取り、巻取り開始時
より5分以上をこの温度域に滞留させるよう徐冷もしく
は保熱を行なう方法、ならびに、これに熱延後段でAr1
+50〜Ar3+100℃の温度域で合計50%以上の圧下を1秒
以内に加える方法が開示されている。この方法による組
織は残留オーステナイト,フェライトおよびベイナイト
からなり、強度,延性がおおむね良好である。ここでの
残留オーステナイトは「安定なオーステナイト」である
としており、前述の方法による組織が準安定オーステナ
イトであるのに対し異なっている。また、前述の方法よ
り巻取温度は高く、巻取温度にできるだけ長時間保つこ
とにより未変態のオーステナイトを極めて安定なものに
転化せしめることができるとしている。具体的な方法と
して、コイラーで巻取られた主要部分は長時間保熱を行
なったと同様の徐冷となるので、特別な設備を用いなく
ても望ましい熱履歴を与えることができるとしている。
しかし、この方法も巻取った後は通常の方法、即ちコイ
ルのまま放冷されるものと理解され、実際の製造では前
述の方法と同様な問題が生じる。
3変態点以上とし、20℃/sec以上の冷却速度でAr1変態点
を通過せしめ、330〜430℃の間で巻取り、巻取り開始時
より5分以上をこの温度域に滞留させるよう徐冷もしく
は保熱を行なう方法、ならびに、これに熱延後段でAr1
+50〜Ar3+100℃の温度域で合計50%以上の圧下を1秒
以内に加える方法が開示されている。この方法による組
織は残留オーステナイト,フェライトおよびベイナイト
からなり、強度,延性がおおむね良好である。ここでの
残留オーステナイトは「安定なオーステナイト」である
としており、前述の方法による組織が準安定オーステナ
イトであるのに対し異なっている。また、前述の方法よ
り巻取温度は高く、巻取温度にできるだけ長時間保つこ
とにより未変態のオーステナイトを極めて安定なものに
転化せしめることができるとしている。具体的な方法と
して、コイラーで巻取られた主要部分は長時間保熱を行
なったと同様の徐冷となるので、特別な設備を用いなく
ても望ましい熱履歴を与えることができるとしている。
しかし、この方法も巻取った後は通常の方法、即ちコイ
ルのまま放冷されるものと理解され、実際の製造では前
述の方法と同様な問題が生じる。
これらの方法のように、コイルを巻取ったまま放冷とす
る通常の方法では、巻取られた後のコイルはコイル外側
部と内部では冷却状態に差異が生じるため、組織の均一
性が阻害され、ひいては材質にも影響し、歩留りおよび
コストを著しく害する要因になっている。特に、構成組
織により強度、延性を制御している複合組織型の高強度
熱延鋼板ではコイル全体で均一な所期の材質を得ること
が極めて困難であるのが実情である。
る通常の方法では、巻取られた後のコイルはコイル外側
部と内部では冷却状態に差異が生じるため、組織の均一
性が阻害され、ひいては材質にも影響し、歩留りおよび
コストを著しく害する要因になっている。特に、構成組
織により強度、延性を制御している複合組織型の高強度
熱延鋼板ではコイル全体で均一な所期の材質を得ること
が極めて困難であるのが実情である。
(ハ)発明が解決しようとする課題 前述のように、強度が80kgf/mm2以上のものでは延性が
まだ不十分であるとされており、また、コイルに巻取っ
たまま放冷される方法による限り、巻取った後のコイル
内の温度分布に起因する組織および材質の不均一は免れ
ない。特に、ベイナイト変態を利用してCを未変態オー
ステナイトに濃縮せしめることにより確保した残留オー
ステナイトを主要組織とする複合組織鋼板においては、
前述の通り、組織および材質ばかりか歩留り、コスト等
に多大な影響を与え、経済的に極めて不利となる問題点
がある。
まだ不十分であるとされており、また、コイルに巻取っ
たまま放冷される方法による限り、巻取った後のコイル
内の温度分布に起因する組織および材質の不均一は免れ
ない。特に、ベイナイト変態を利用してCを未変態オー
ステナイトに濃縮せしめることにより確保した残留オー
ステナイトを主要組織とする複合組織鋼板においては、
前述の通り、組織および材質ばかりか歩留り、コスト等
に多大な影響を与え、経済的に極めて不利となる問題点
がある。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、80kgf/mm2以上
の高強度熱延鋼板の延性向上について検討を重ね創案さ
れたものであって、上記発明の問題点を解決すると共
に、極めて良好な延性を有する高強度熱延鋼板の製造方
法ならびにその製造ラインを提案するものである。
の高強度熱延鋼板の延性向上について検討を重ね創案さ
れたものであって、上記発明の問題点を解決すると共
に、極めて良好な延性を有する高強度熱延鋼板の製造方
法ならびにその製造ラインを提案するものである。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明は、鋼の成分および連続熱延機における熱延条
件、特に熱延仕上温度、仕上熱延以降巻取りまでの冷却
条件、巻取温度と、更に巻取った後のホットストリップ
コイルの冷却条件ならびにそのコイルを巻戻しながら冷
却する設備および製造ラインを有機的に組合わせること
により、延性に優れた高強度熱延鋼板を製造する方法及
び製造ラインを提供しようとするもので、その要旨とす
るところは下記の通りである。
件、特に熱延仕上温度、仕上熱延以降巻取りまでの冷却
条件、巻取温度と、更に巻取った後のホットストリップ
コイルの冷却条件ならびにそのコイルを巻戻しながら冷
却する設備および製造ラインを有機的に組合わせること
により、延性に優れた高強度熱延鋼板を製造する方法及
び製造ラインを提供しようとするもので、その要旨とす
るところは下記の通りである。
(1) 重量%で C:0.20〜0.60%, Si:0.5〜2.0%, Mn:0.5〜2.0%, P:≦0.015%, S:≦0.015%, 残部Feおよび不可避的不純物元素からなる鋼から、連続
熱延機によりホットストリップコイルを製造する過程に
おいて、熱間仕上温度を850℃未満、700℃以上にし、引
続き平均冷却速度10℃/sec以上で冷却し、450℃未満、3
50℃以上の巻取温度でコイルに巻取り、次いで巻取った
コイルを、巻取り開始から5分以上、120分以内に300℃
以下に巻戻しながら冷却することを特徴とする延性に優
れた高強度熱延鋼板の製造方法。
熱延機によりホットストリップコイルを製造する過程に
おいて、熱間仕上温度を850℃未満、700℃以上にし、引
続き平均冷却速度10℃/sec以上で冷却し、450℃未満、3
50℃以上の巻取温度でコイルに巻取り、次いで巻取った
コイルを、巻取り開始から5分以上、120分以内に300℃
以下に巻戻しながら冷却することを特徴とする延性に優
れた高強度熱延鋼板の製造方法。
(2) 前項1記載の方法に従い、巻取温度450℃未
満、350℃以上で巻取ったホットストリップコイルを巻
取り開始から5分以上、120分以内に300℃以下に巻戻し
ながら冷却する設備が、前記ホットストリップコイルを
巻戻しするペイオフリールと張力を付加して巻取るテン
ションリールのライン間に、該ホットストリップコイル
を設定温度に冷却するために冷却媒体の流量を調整可能
とする制御装置を備えた冷却設備と、該冷却設備の後段
に軽圧下で形状調整する調質圧延機とを配設して組合わ
せ構成したことを特徴とする延性に優れた高強度熱延鋼
板の製造ライン。
満、350℃以上で巻取ったホットストリップコイルを巻
取り開始から5分以上、120分以内に300℃以下に巻戻し
ながら冷却する設備が、前記ホットストリップコイルを
巻戻しするペイオフリールと張力を付加して巻取るテン
ションリールのライン間に、該ホットストリップコイル
を設定温度に冷却するために冷却媒体の流量を調整可能
とする制御装置を備えた冷却設備と、該冷却設備の後段
に軽圧下で形状調整する調質圧延機とを配設して組合わ
せ構成したことを特徴とする延性に優れた高強度熱延鋼
板の製造ライン。
(3) 前項2記載の冷却設備の後段に、ホットストリ
ップコイルの形状調整を行なうレベラー設備および/ま
たは切板あるいは条切りする剪断設備の精整ラインを配
設して組合わせ構成したことを特徴とする延性に優れた
高強度熱延鋼板の製造ライン。
ップコイルの形状調整を行なうレベラー設備および/ま
たは切板あるいは条切りする剪断設備の精整ラインを配
設して組合わせ構成したことを特徴とする延性に優れた
高強度熱延鋼板の製造ライン。
(ホ)作 用 本発明の詳細について述べる。まず、本発明が対象とす
る鋼の成分の限定理由は以下の通りである。
る鋼の成分の限定理由は以下の通りである。
Cは強度ならびに残留オーステナイトを確保するのに不
可欠な元素である。本発明は残留オーステナイトによる
変態誘起塑性(Transformation Induced Plasticity;TR
IP)を利用し延性を高めるため、残留オーステナイト量
を高める必要があるが、そのためにはCは最低0.20%は
必要である。一方、Cが0.60%を越えると強度および延
性に及ぼす効果が飽和ないし低下する。従って、Cは0.
20〜0.60%とした。
可欠な元素である。本発明は残留オーステナイトによる
変態誘起塑性(Transformation Induced Plasticity;TR
IP)を利用し延性を高めるため、残留オーステナイト量
を高める必要があるが、そのためにはCは最低0.20%は
必要である。一方、Cが0.60%を越えると強度および延
性に及ぼす効果が飽和ないし低下する。従って、Cは0.
20〜0.60%とした。
Siは強度を向上させると共に、炭化物の析出を抑え、オ
ーステナイト中へのC濃縮を促すことによりオーステナ
イトを安定化し、残留オーステナイトを増すために重要
な元素である。残留オーステナイトを確保するために
は、Siは最低0.5%は必要である。Siの添加量を増すと
C濃縮作用を介して残留オーステナイト量を高めるが、
2.0%を超えて過剰に添加してもその効果が飽和する。
従って、Siは0.5〜2.0%とした。
ーステナイト中へのC濃縮を促すことによりオーステナ
イトを安定化し、残留オーステナイトを増すために重要
な元素である。残留オーステナイトを確保するために
は、Siは最低0.5%は必要である。Siの添加量を増すと
C濃縮作用を介して残留オーステナイト量を高めるが、
2.0%を超えて過剰に添加してもその効果が飽和する。
従って、Siは0.5〜2.0%とした。
Mnはオーステナイト安定化元素であり、またC,Siと同様
に強度を向上させる元素である。また、Mnはベイナイト
変態を遅らせる効果がある。本発明はベイナイト変態を
利用して残留オーステナイトを確保しようとするもので
あり、成分のみならず熱延後の冷却条件と密接に関連し
ており、特に、残留オーステナイトはコイルに巻取った
後の冷却条件に大きく影響される。そのため、Mnはこれ
らの冷却条件を考慮した上で強度および残留オーステナ
イト量から決める必要があるが、最低0.5%は必要であ
り、2.0%を超えて添加してもその効果が飽和し、それ
以上の効果が期待できない。従って、Mnは0.5〜2.0%と
した。
に強度を向上させる元素である。また、Mnはベイナイト
変態を遅らせる効果がある。本発明はベイナイト変態を
利用して残留オーステナイトを確保しようとするもので
あり、成分のみならず熱延後の冷却条件と密接に関連し
ており、特に、残留オーステナイトはコイルに巻取った
後の冷却条件に大きく影響される。そのため、Mnはこれ
らの冷却条件を考慮した上で強度および残留オーステナ
イト量から決める必要があるが、最低0.5%は必要であ
り、2.0%を超えて添加してもその効果が飽和し、それ
以上の効果が期待できない。従って、Mnは0.5〜2.0%と
した。
Pは靭性を下げる元素である。特に、高C,高Si含有鋼で
は靭性が劣化しやすい傾向にあるため、可能な限り低く
する必要があるが、脱燐のためのコストを考慮して、P
は0.015%以下とした。
は靭性が劣化しやすい傾向にあるため、可能な限り低く
する必要があるが、脱燐のためのコストを考慮して、P
は0.015%以下とした。
SはMnSを形成し、鋼板の異方性を高め、靭性およびプ
レス加工性を低下する元素である。特に高強度とした場
合、靭性およびプレス加工性の劣化の影響が強く現われ
やすいため、Pと同様、可能な限り低くする必要がある
が、脱硫のためのコストを考慮して、Sは0.015%以下
とした。
レス加工性を低下する元素である。特に高強度とした場
合、靭性およびプレス加工性の劣化の影響が強く現われ
やすいため、Pと同様、可能な限り低くする必要がある
が、脱硫のためのコストを考慮して、Sは0.015%以下
とした。
以上の成分の限定理由は、次に詳述する熱延条件および
巻取り後の冷却条件と密接に関係しているものである。
巻取り後の冷却条件と密接に関係しているものである。
まず、上記成分に調整した鋼を通常の方法により熱間圧
延を施すが、仕上圧延延温度は700℃以上、850℃未満と
する。熱延仕上温度を低下させることは、細粒化による
高強度化および高靭性化にとって極めて効果的である
が、引続き行なう冷極処理により700℃未満ではその効
果が隠蔽されるため、下限を700℃以上とした。一方、
熱延仕上温度が850℃以上となると、オーステナイト粒
が大きくなり過ぎ、残留オーステナイトを確保するのに
不利になるばかりか靭性も劣化するので、上限を850℃
未満とした。
延を施すが、仕上圧延延温度は700℃以上、850℃未満と
する。熱延仕上温度を低下させることは、細粒化による
高強度化および高靭性化にとって極めて効果的である
が、引続き行なう冷極処理により700℃未満ではその効
果が隠蔽されるため、下限を700℃以上とした。一方、
熱延仕上温度が850℃以上となると、オーステナイト粒
が大きくなり過ぎ、残留オーステナイトを確保するのに
不利になるばかりか靭性も劣化するので、上限を850℃
未満とした。
引続き、平均冷却速度10℃/sec以上で冷却し、450℃未
満、350℃以上で巻取る。通常の連続熱延機では、仕上
圧延機の最終スタンドを出た直後は空冷され、次いでホ
ットランテーブル上で水冷され、引続き空冷されコイル
として巻取られるが、最終スタンド直後および巻取り直
前の空冷ゾーンで温度測定が行なわれる。平均冷却速度
とはこれらの温度測定間の冷却速度を意味する。この平
均冷却速度は成分との関係で決める必要があるが、冷却
途中でのフェライトの析出は未変態オーステナイト中へ
のCの濃縮を助長し、オーステナイトの安定化に効果的
であり、パーライトが析出しない範囲で極力遅くする必
要がある。そのため、平均冷却速度は10℃/sec以上とし
た。平均冷却速度を上げると、板幅中央部に対して板幅
端部の温度低下が著しくなり、材質の不均一を招きやす
い。そのため、平均冷却速度の上限は特に設けないが、
100℃/sec以下とすることが望ましい。
満、350℃以上で巻取る。通常の連続熱延機では、仕上
圧延機の最終スタンドを出た直後は空冷され、次いでホ
ットランテーブル上で水冷され、引続き空冷されコイル
として巻取られるが、最終スタンド直後および巻取り直
前の空冷ゾーンで温度測定が行なわれる。平均冷却速度
とはこれらの温度測定間の冷却速度を意味する。この平
均冷却速度は成分との関係で決める必要があるが、冷却
途中でのフェライトの析出は未変態オーステナイト中へ
のCの濃縮を助長し、オーステナイトの安定化に効果的
であり、パーライトが析出しない範囲で極力遅くする必
要がある。そのため、平均冷却速度は10℃/sec以上とし
た。平均冷却速度を上げると、板幅中央部に対して板幅
端部の温度低下が著しくなり、材質の不均一を招きやす
い。そのため、平均冷却速度の上限は特に設けないが、
100℃/sec以下とすることが望ましい。
また、巻取温度は450℃以上になると巻取った後、ベイ
ナイト変態開始が速く、更にはパーライトが生じやす
く、残留オーステナイトの確保が困難になる。そのた
め、上限を450℃未満とした。一方、巻取温度が350℃未
満になると、ベーナイトあるいはマルテンサイトによる
硬化および強度の上昇が著しく、延性が損なわれるた
め、その下限を350℃以上とした。なお、この巻取温度
の範囲は、後述するように巻取り後のコイルの冷却条件
に密接に関連している。
ナイト変態開始が速く、更にはパーライトが生じやす
く、残留オーステナイトの確保が困難になる。そのた
め、上限を450℃未満とした。一方、巻取温度が350℃未
満になると、ベーナイトあるいはマルテンサイトによる
硬化および強度の上昇が著しく、延性が損なわれるた
め、その下限を350℃以上とした。なお、この巻取温度
の範囲は、後述するように巻取り後のコイルの冷却条件
に密接に関連している。
従来技術では主として仕上げ熱延からコイル巻取りまで
の間の冷却により組織制御を行なっており、冷却および
温度履歴は複雑なパターンとなっている。更に、巻取り
後は、コイルのまま放冷されるため徐冷となり、パーラ
イト変態あるいはベイナイト変が終了し、残留オーステ
ナイトは殆ど認められなくなる。また、これらの変態終
了を回避しようとすると、巻取温度を極めて低くしなけ
ればならず、その結果、マルテンサイトが生じやすく、
この場合も残留オーステナイトは殆ど残らない。このよ
うに巻取った後、そのままコイルを放冷する従来の方法
では、残留オーステナイトを確保することは極めて困難
であった。そこで、本発明者らはこの問題を解決すべく
種々検討を重ねた。
の間の冷却により組織制御を行なっており、冷却および
温度履歴は複雑なパターンとなっている。更に、巻取り
後は、コイルのまま放冷されるため徐冷となり、パーラ
イト変態あるいはベイナイト変が終了し、残留オーステ
ナイトは殆ど認められなくなる。また、これらの変態終
了を回避しようとすると、巻取温度を極めて低くしなけ
ればならず、その結果、マルテンサイトが生じやすく、
この場合も残留オーステナイトは殆ど残らない。このよ
うに巻取った後、そのままコイルを放冷する従来の方法
では、残留オーステナイトを確保することは極めて困難
であった。そこで、本発明者らはこの問題を解決すべく
種々検討を重ねた。
第1図は、主要成分が0.35%C、1.50%Si、1.35%Mnの
板厚2mmの熱延鋼板に、巻取温度に対応させるために2
段もしくは3段の熱処理を施した場合の残留オーステナ
イト(γR)、引張り強さ(TS)および全伸び(El)の
変化を示したものである。熱処理にはソルトバスを用
い、第2図に示すように850℃で2分保定した後、400℃
の浴に焼き入れ、1分から180分そのまま保定したもの
と、400℃で15分保定した後、直ちに350℃から250℃の
浴に移し、180分まで保定し、その間種々の保定時間か
ら室温に空冷した。第1図の図中、○印は400℃でその
まま保定した場合、●印は400℃で15分保定した後350℃
に変えた場合、△印は同じく300℃、▲印は250℃に変え
た場合であるが、図から明らかなように、ElはγRの変
化にほぼ対応して顕著に変化するが、TSは大きく変化し
ていない。特に、Elは保定時間が6分を超えると低下す
る傾向があるが、15分保定した後、直ちに低温の浴に移
した場合、温度が低いものほど変化が少なく、400℃そ
のまま長時間保定したものに対し、高いElが維持されて
いる。すなわち、巻取ったコイルを巻戻し、巻取温度よ
り低い温度に冷却できれば残留オーステナイトを安定し
てかつ容易に得ることができ、高い延性が得られること
が明らかであり、従来の問題点が解消されることが判っ
た。
板厚2mmの熱延鋼板に、巻取温度に対応させるために2
段もしくは3段の熱処理を施した場合の残留オーステナ
イト(γR)、引張り強さ(TS)および全伸び(El)の
変化を示したものである。熱処理にはソルトバスを用
い、第2図に示すように850℃で2分保定した後、400℃
の浴に焼き入れ、1分から180分そのまま保定したもの
と、400℃で15分保定した後、直ちに350℃から250℃の
浴に移し、180分まで保定し、その間種々の保定時間か
ら室温に空冷した。第1図の図中、○印は400℃でその
まま保定した場合、●印は400℃で15分保定した後350℃
に変えた場合、△印は同じく300℃、▲印は250℃に変え
た場合であるが、図から明らかなように、ElはγRの変
化にほぼ対応して顕著に変化するが、TSは大きく変化し
ていない。特に、Elは保定時間が6分を超えると低下す
る傾向があるが、15分保定した後、直ちに低温の浴に移
した場合、温度が低いものほど変化が少なく、400℃そ
のまま長時間保定したものに対し、高いElが維持されて
いる。すなわち、巻取ったコイルを巻戻し、巻取温度よ
り低い温度に冷却できれば残留オーステナイトを安定し
てかつ容易に得ることができ、高い延性が得られること
が明らかであり、従来の問題点が解消されることが判っ
た。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであ
り、上記の条件で巻取ったコイルを、巻取り開始から5
分以上120分以内に300℃以下に巻戻しながら冷却する。
り、上記の条件で巻取ったコイルを、巻取り開始から5
分以上120分以内に300℃以下に巻戻しながら冷却する。
巻取り開始から冷却開始までの時間は、成分および巻取
り温度にもよるが、5分未満では未変態オーステナイト
の安定化が不十分なためマルテンサイトに変態し、強度
が高くなるが、残留オーステナイトが少く、延性が低
い。更にこの時間は装置の配置および能力を考慮して決
める必要があり、これらの要因を考慮して、巻取った
後、冷却を開始するまでの時間の下限を5分以上とし
た。一方、巻取り開始から冷却開始までの時間が120分
を超えると、ベイナイト変態が更に進み、残留オーステ
ナイトが減少し、十分な延性が得られないため、冷却開
始までの時間の上限を120分とした。
り温度にもよるが、5分未満では未変態オーステナイト
の安定化が不十分なためマルテンサイトに変態し、強度
が高くなるが、残留オーステナイトが少く、延性が低
い。更にこの時間は装置の配置および能力を考慮して決
める必要があり、これらの要因を考慮して、巻取った
後、冷却を開始するまでの時間の下限を5分以上とし
た。一方、巻取り開始から冷却開始までの時間が120分
を超えると、ベイナイト変態が更に進み、残留オーステ
ナイトが減少し、十分な延性が得られないため、冷却開
始までの時間の上限を120分とした。
更に、冷却温度は300℃以下、望ましくは250℃以下であ
れば、巻取り直後の保定効果により生成した残留オース
テナイトの減少が防止でき、高い延性が得られる。その
ため、上限を300℃以下とした。
れば、巻取り直後の保定効果により生成した残留オース
テナイトの減少が防止でき、高い延性が得られる。その
ため、上限を300℃以下とした。
通常の連続熱延機では、コイルは巻取られた後、コイラ
ーから取り出され、コンベアーおよびラムリフトトラッ
ク、クレーン等により搬送され、冷却床で数十時間コイ
ルのまま放冷される。従って、このような通常の方法で
は、本発明の製造条件、特に、巻取った後の冷却条件を
満足することができず、この間に変態が終了し、残留オ
ーステナイトは殆ど残らない。
ーから取り出され、コンベアーおよびラムリフトトラッ
ク、クレーン等により搬送され、冷却床で数十時間コイ
ルのまま放冷される。従って、このような通常の方法で
は、本発明の製造条件、特に、巻取った後の冷却条件を
満足することができず、この間に変態が終了し、残留オ
ーステナイトは殆ど残らない。
このようなコイルを巻取ったまま放冷する自然冷却法に
対し、コイルの冷却時間を短縮する方法として、強制空
冷、水スプレー冷却,水中浸漬冷却等の冷却媒体がある
がこれらは既に知られている。これらの方法は、自然冷
却法が冷却に長時間を要し、そのため広大な冷却床を要
することから、建設費の削減、生産管理の煩雑化の改
善、生産性の向上を狙ったものである。しかし、いずれ
もコイルの状態で冷却するものであり、冷却時間は自然
冷却法よりは短縮されるが数時間以上は要し、コイル内
外の温度差はむしろ大きくなりやすい。更に、特開昭52
−54603号公報に、巻取られた高温状態のままのコイル
を巻戻し機に装着し、次いでコイル外表面に冷却液を適
用しながら巻解き、更に巻戻し機の後続するテーブル上
で板上下面に冷却液を適用して冷却する方法が開示され
ている。この方法は冷却時間を短縮し、冷却床もしくは
コイルストックヤードを縮小することを目的としてお
り、前述の水中浸漬冷却等の方法と目的は同じである。
また、この方法は、ただ単に速く冷やすことを狙いとし
ているため、巻解く前の巻かれたままの状態の時から冷
却水を噴射し冷却を開始しており、冷却到達温度が60℃
以下と著しく低く、また冷却温度および冷却時間を特に
制御していない。従って、これらの公知の方法は、いず
れも組織および材質を積極的に制御するものではなく、
これらの方法を本発明の製造方法、特に、巻取った後の
冷却方法に適用することができない。
対し、コイルの冷却時間を短縮する方法として、強制空
冷、水スプレー冷却,水中浸漬冷却等の冷却媒体がある
がこれらは既に知られている。これらの方法は、自然冷
却法が冷却に長時間を要し、そのため広大な冷却床を要
することから、建設費の削減、生産管理の煩雑化の改
善、生産性の向上を狙ったものである。しかし、いずれ
もコイルの状態で冷却するものであり、冷却時間は自然
冷却法よりは短縮されるが数時間以上は要し、コイル内
外の温度差はむしろ大きくなりやすい。更に、特開昭52
−54603号公報に、巻取られた高温状態のままのコイル
を巻戻し機に装着し、次いでコイル外表面に冷却液を適
用しながら巻解き、更に巻戻し機の後続するテーブル上
で板上下面に冷却液を適用して冷却する方法が開示され
ている。この方法は冷却時間を短縮し、冷却床もしくは
コイルストックヤードを縮小することを目的としてお
り、前述の水中浸漬冷却等の方法と目的は同じである。
また、この方法は、ただ単に速く冷やすことを狙いとし
ているため、巻解く前の巻かれたままの状態の時から冷
却水を噴射し冷却を開始しており、冷却到達温度が60℃
以下と著しく低く、また冷却温度および冷却時間を特に
制御していない。従って、これらの公知の方法は、いず
れも組織および材質を積極的に制御するものではなく、
これらの方法を本発明の製造方法、特に、巻取った後の
冷却方法に適用することができない。
そこで、本発明の製造条件を満足させるためには、連続
熱延機での巻取り後、5〜120分以内に300℃以下に冷却
を開始できる巻戻し冷却設備を配置する必要がある。連
続熱延機において巻取温度450℃未満、350℃以上で巻取
ったコイルを巻取り開始から5分以上、120分以内に300
℃以下に冷却を開始する本発明の巻戻し冷却設備は、前
記コイルを巻戻しするペイオフリールと張力を付加して
巻取るテンションリールのライン間に、該ホットストリ
ップコイルを設定温度に冷却すべく冷却媒体の流量を調
整可能とする制御装置を備えた冷却設備とする。
熱延機での巻取り後、5〜120分以内に300℃以下に冷却
を開始できる巻戻し冷却設備を配置する必要がある。連
続熱延機において巻取温度450℃未満、350℃以上で巻取
ったコイルを巻取り開始から5分以上、120分以内に300
℃以下に冷却を開始する本発明の巻戻し冷却設備は、前
記コイルを巻戻しするペイオフリールと張力を付加して
巻取るテンションリールのライン間に、該ホットストリ
ップコイルを設定温度に冷却すべく冷却媒体の流量を調
整可能とする制御装置を備えた冷却設備とする。
この巻戻し冷却設備による冷却条件は、前述の通り材質
を制御する観点から決められるべきものであるが、製造
装置からの制約を受け、特に巻取り開始から冷却開始ま
での時間はその制約が大きい。通常の場合、コイル単重
および熱延速度にもよるが、巻取り開始から、巻取りを
終了し巻取装置からコイルが取外され搬出可能になるま
で、1〜3分程度かかる。従って、巻取装置に関連せし
めて冷却設備を配設する場合、取外されたコイルの搬出
から冷却設備への装着等のハンドリング時間を考慮し
て、巻取り開始から冷却開始迄の時間の下限を5分とし
た。
を制御する観点から決められるべきものであるが、製造
装置からの制約を受け、特に巻取り開始から冷却開始ま
での時間はその制約が大きい。通常の場合、コイル単重
および熱延速度にもよるが、巻取り開始から、巻取りを
終了し巻取装置からコイルが取外され搬出可能になるま
で、1〜3分程度かかる。従って、巻取装置に関連せし
めて冷却設備を配設する場合、取外されたコイルの搬出
から冷却設備への装着等のハンドリング時間を考慮し
て、巻取り開始から冷却開始迄の時間の下限を5分とし
た。
しかしながら、この冷却設備により冷却制御を単独で行
う場合、一工程増えることになり製造コスト上好ましく
ない。そのため、本発明は、通常の下工程にあたる調質
圧延またはレベラー,スリッター,シャー等の精整ライ
ンと組み合わせること、即ち、該冷却設備の後段に、
1)軽圧下で形状調調整する調質圧延機、あるいは2)
コイルの形状調整を行なうレベラー設備および/または
切板あるいは条切りする剪断設備の精整ラインを配設し
て組合わせ構成したことを特徴とする製造ラインとする
ことにより、製造コスト上の問題点を解決するものであ
る。
う場合、一工程増えることになり製造コスト上好ましく
ない。そのため、本発明は、通常の下工程にあたる調質
圧延またはレベラー,スリッター,シャー等の精整ライ
ンと組み合わせること、即ち、該冷却設備の後段に、
1)軽圧下で形状調調整する調質圧延機、あるいは2)
コイルの形状調整を行なうレベラー設備および/または
切板あるいは条切りする剪断設備の精整ラインを配設し
て組合わせ構成したことを特徴とする製造ラインとする
ことにより、製造コスト上の問題点を解決するものであ
る。
なお、これらの調質圧延機または精整ラインは、一般に
は常温で通板することを前提としており、本発明に適用
する場合、巻取温度が450℃未満、350℃以上と高温であ
るため、軸受,ゴムロール等に対して防熱および防火対
策を施す必要がある。
は常温で通板することを前提としており、本発明に適用
する場合、巻取温度が450℃未満、350℃以上と高温であ
るため、軸受,ゴムロール等に対して防熱および防火対
策を施す必要がある。
この巻戻し冷却設備およびこれに調質圧延機を組合わせ
た製造ラインの一実施例を図面を参照しながら詳細に説
明する。
た製造ラインの一実施例を図面を参照しながら詳細に説
明する。
第3図は巻戻し冷却設備およびそれに調質圧延機を組合
わせ構成した製造ラインの説明図である。この図面にお
いて、1は連続熱延機で巻取られた後の高温のコイル,2
はペイオフリール,3は巻解かれたストリップ,4は上部冷
却装置,5は下部冷却装置で、これらの冷却装置は多数の
スプレーノズル4a,5aを取付けた1列もしくは数列のヘ
ッダー4b,5bから構成され、巻解かれたストリップに水
あるいはエマルジョン等の冷却液を吹き付けるものであ
り、6は上下一対の調質圧延用ロール,7はストリップの
表面温度検出器,9は冷却されたストリップのコイルであ
る。8はテンションリール,10は冷却液配管,11は配管に
組込まれた流量計,12は温度設定器で、ストリップの目
標温度を設定し、その設定温度と表面温度検出器からの
温度との偏差を出力するもの、13は温度設定器からの信
号により最適な流量に制御するための流量設定器で、14
は流量調整弁である。なお、各種軸受およびロール,配
管には必要に応じて断熱材を巻き、防熱および防火対策
を施した。
わせ構成した製造ラインの説明図である。この図面にお
いて、1は連続熱延機で巻取られた後の高温のコイル,2
はペイオフリール,3は巻解かれたストリップ,4は上部冷
却装置,5は下部冷却装置で、これらの冷却装置は多数の
スプレーノズル4a,5aを取付けた1列もしくは数列のヘ
ッダー4b,5bから構成され、巻解かれたストリップに水
あるいはエマルジョン等の冷却液を吹き付けるものであ
り、6は上下一対の調質圧延用ロール,7はストリップの
表面温度検出器,9は冷却されたストリップのコイルであ
る。8はテンションリール,10は冷却液配管,11は配管に
組込まれた流量計,12は温度設定器で、ストリップの目
標温度を設定し、その設定温度と表面温度検出器からの
温度との偏差を出力するもの、13は温度設定器からの信
号により最適な流量に制御するための流量設定器で、14
は流量調整弁である。なお、各種軸受およびロール,配
管には必要に応じて断熱材を巻き、防熱および防火対策
を施した。
このように構成された巻戻し冷却設備を連続熱延機の巻
取装置近くに設置する。実際には、巻取装置直近の設備
を改造した。巻取機から外された350〜450℃の高温のコ
イルは速やかに、コンベヤーおよびラムリフトトラック
で搬送され、冷却設備のペイオフリール2に装着され
る。装着された高温のコイル1は巻解かれ、上部冷却装
置4および下部冷却装置5のヘッダー4b,5bを介してス
プレーノズル4a,5aから噴射される冷却液によって300℃
以下に冷却される。このとき、ストリップ端部が冷え、
中伸び状態になりやすいため、ストリップの幅方向での
温度分布を均一にすることが重要である。また、この上
下部冷却装置は水もしくはエマルジョン等の冷却液によ
る冷却のみならず高圧空気ないしミスト冷却ができるこ
とが望ましい。冷却されたストリップは調質圧延用ロー
ル6により形状調整され、表面温度検出器7によりスト
リップ表面温度が検出され、設定温度になるよう温度設
定器12および流量設定器13により流量調整弁14を制御
し、これにより上部冷却装置4および下部冷却装置5か
ら噴射される冷却液の流量が制御され、ストリップの温
度が設定温度に維持される。
取装置近くに設置する。実際には、巻取装置直近の設備
を改造した。巻取機から外された350〜450℃の高温のコ
イルは速やかに、コンベヤーおよびラムリフトトラック
で搬送され、冷却設備のペイオフリール2に装着され
る。装着された高温のコイル1は巻解かれ、上部冷却装
置4および下部冷却装置5のヘッダー4b,5bを介してス
プレーノズル4a,5aから噴射される冷却液によって300℃
以下に冷却される。このとき、ストリップ端部が冷え、
中伸び状態になりやすいため、ストリップの幅方向での
温度分布を均一にすることが重要である。また、この上
下部冷却装置は水もしくはエマルジョン等の冷却液によ
る冷却のみならず高圧空気ないしミスト冷却ができるこ
とが望ましい。冷却されたストリップは調質圧延用ロー
ル6により形状調整され、表面温度検出器7によりスト
リップ表面温度が検出され、設定温度になるよう温度設
定器12および流量設定器13により流量調整弁14を制御
し、これにより上部冷却装置4および下部冷却装置5か
ら噴射される冷却液の流量が制御され、ストリップの温
度が設定温度に維持される。
(ヘ)実施例 次に、実施例により本発明の効果を更に具体的に説明す
る。
る。
第1表に示す成分の鋼を通常の方法でスラブとし、加
熱、粗圧延を経て、連続熱延により板厚2.0mmに仕上げ
た。連続熱延機出側の仕上温度および巻取温度、更にそ
の間の平均冷却速度等の主な熱延条件ならびにコイルに
巻取った後の巻戻し条件は第2表に示す通りである。こ
こで、巻取った後のコイルはコンベアーおよびラムリフ
トトラックで速やかに搬送し、巻戻し冷却は、第3図に
示す通り、調質圧延機と組合せた冷却設備を用いて、水
スプレーにより冷却した。また、形状調整のため適宜軽
く圧下をかけ、調質圧延を施した。なお、比較のため巻
取った後、コイルをそのまま放冷する従来の方法につい
ても行なった。
熱、粗圧延を経て、連続熱延により板厚2.0mmに仕上げ
た。連続熱延機出側の仕上温度および巻取温度、更にそ
の間の平均冷却速度等の主な熱延条件ならびにコイルに
巻取った後の巻戻し条件は第2表に示す通りである。こ
こで、巻取った後のコイルはコンベアーおよびラムリフ
トトラックで速やかに搬送し、巻戻し冷却は、第3図に
示す通り、調質圧延機と組合せた冷却設備を用いて、水
スプレーにより冷却した。また、形状調整のため適宜軽
く圧下をかけ、調質圧延を施した。なお、比較のため巻
取った後、コイルをそのまま放冷する従来の方法につい
ても行なった。
また、第2表にこれらの材質特性を示した。残留オース
テナイトはX線回折法を用いて測定し、引張試験はJIS
13号B試験片を用い、引張強さおよび全伸びを求め
た。なお、TS×Elの値も同表に併せて示した。
テナイトはX線回折法を用いて測定し、引張試験はJIS
13号B試験片を用い、引張強さおよび全伸びを求め
た。なお、TS×Elの値も同表に併せて示した。
第2表から明らかなように、本発明であるNo.1〜7は引
張強さ約80kgf/mm2以上、全伸び約20%以上であり、TS
×Elが2500以上と極めて良好な材質を示している。
張強さ約80kgf/mm2以上、全伸び約20%以上であり、TS
×Elが2500以上と極めて良好な材質を示している。
これに対し、比較例のNo.8およびNo.11は巻取った後そ
のまま放冷する通常の方法によるもので、TSは90kgf/mm
2以上であるが、残留オーステナイトが極めて少なく、E
lが20%以下である。比較例のNo.9およびNo.10は巻取温
度が本発明の範囲以外のもの、No.12およびNo.13は成分
が本発明の範囲以外のものである。これらの比較例は、
TS×Elが2000以下と、いずれも低い。
のまま放冷する通常の方法によるもので、TSは90kgf/mm
2以上であるが、残留オーステナイトが極めて少なく、E
lが20%以下である。比較例のNo.9およびNo.10は巻取温
度が本発明の範囲以外のもの、No.12およびNo.13は成分
が本発明の範囲以外のものである。これらの比較例は、
TS×Elが2000以下と、いずれも低い。
これらの実施例から、本発明によれば、成分および熱延
条件、巻取り後のコイル冷却条件が密接に関係し、かつ
効果的に作用し、極めて優れた延性を有する高強度熱延
鋼板が製造できることが明らかである。
条件、巻取り後のコイル冷却条件が密接に関係し、かつ
効果的に作用し、極めて優れた延性を有する高強度熱延
鋼板が製造できることが明らかである。
(ト)発明の効果 上記の説明の通り、本発明によれば引張強さ80kgf/mm2
以上の強度を有し、かつ極めて優れた延性を有する熱延
鋼板の製造が可能である。特に、コイルを巻戻し冷却す
ることにより、コイルを巻取ったまま放冷していた従来
の方法に比べ、コイルの材質が均一になり、歩留りおよ
びコスト上、極めて有利である。よって、本発明は工業
的に極めて効果が大きいものである。
以上の強度を有し、かつ極めて優れた延性を有する熱延
鋼板の製造が可能である。特に、コイルを巻戻し冷却す
ることにより、コイルを巻取ったまま放冷していた従来
の方法に比べ、コイルの材質が均一になり、歩留りおよ
びコスト上、極めて有利である。よって、本発明は工業
的に極めて効果が大きいものである。
第1図は1次均熱850℃−2min、2次均熱温度400℃およ
び途中から均熱温度を変えた場合の2次均熱時間と残留
オーステナイト量(γR)、引張り強さ(TS)および全
伸び(El)との関係を示すもので、図中○は400℃でそ
のまま保定した場合、●は400℃−15min保定した後、35
0℃に変えた場合、△は同じく300℃に、▲は250℃に変
えた場合を示す。 第2図は第1図の熱処理サイクルを図示したものであ
る。 第3図は冷却設備およびこれに調質圧延機を組合わせた
製造ラインの一実施例を示す説明図である。 1:高温のコイル、2:ペイオフリール、3:ストリップ、4:
上部冷却装置、4a:スプレーノズル、4b:ヘッダー、5:下
部冷却装置、5a:スプレーノズル、5b:ヘッダー、6:調質
圧延用ロール、7:表面温度検出器、8:テンションリー
ル、9:冷却されたコイル、10:冷却液配管、11:流量計、
12:温度設定器、13:流量設定器、14:流量調整弁。
び途中から均熱温度を変えた場合の2次均熱時間と残留
オーステナイト量(γR)、引張り強さ(TS)および全
伸び(El)との関係を示すもので、図中○は400℃でそ
のまま保定した場合、●は400℃−15min保定した後、35
0℃に変えた場合、△は同じく300℃に、▲は250℃に変
えた場合を示す。 第2図は第1図の熱処理サイクルを図示したものであ
る。 第3図は冷却設備およびこれに調質圧延機を組合わせた
製造ラインの一実施例を示す説明図である。 1:高温のコイル、2:ペイオフリール、3:ストリップ、4:
上部冷却装置、4a:スプレーノズル、4b:ヘッダー、5:下
部冷却装置、5a:スプレーノズル、5b:ヘッダー、6:調質
圧延用ロール、7:表面温度検出器、8:テンションリー
ル、9:冷却されたコイル、10:冷却液配管、11:流量計、
12:温度設定器、13:流量設定器、14:流量調整弁。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%で C:0.20〜0.60%, Si:0.5〜2.0%, Mn:0.5〜2.0%, P:≦0.015%, S:≦0.015%, 残部Feおよび不可避的不純物元素からなる鋼から、連続
熱延機によりホットストリップコイルを製造する過程に
おいて、熱間仕上温度を850℃未満、700℃以上にし、引
続き平均冷却速度10℃/sec以上で冷却し、450℃未満、3
50℃以上の巻取温度でコイルに巻取り、次いで巻取った
コイルを、巻取り開始から5分以上、120分以内に300℃
以下に巻戻しながら冷却することを特徴とする延性に優
れた高強度熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の方法に従い、巻取温度450
℃未満、350℃以上で巻取ったホットストリップコイル
を巻取り開始から5分以上、120分以内に300℃以下に巻
戻しながら冷却する設備が、前記ホットストリップコイ
ルを巻戻しするペイオフリールと張力を付加して巻取る
テンションリールのライン間に、該ホットストリップコ
イルを設定温度に冷却するために冷却媒体の流量を調整
可能とする制御装置を備えた冷却設備と、該冷却設備の
後段に軽圧下で形状調整する調質圧延機とを配設して組
合わせ構成したことを特徴とする延性に優れた高強度熱
延鋼板の製造ライン。 - 【請求項3】請求項2記載の冷却設備の後段に、ホット
ストリップコイルの形状調整を行なうレベラー設備およ
び/または切板あるいは条切りする剪断設備の精整ライ
ンを配設して組合わせ構成したことを特徴とする延性に
優れた高強度熱延鋼板の製造ライン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3247389A JPH0678570B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 延性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法およびその製造ライン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3247389A JPH0678570B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 延性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法およびその製造ライン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02213413A JPH02213413A (ja) | 1990-08-24 |
| JPH0678570B2 true JPH0678570B2 (ja) | 1994-10-05 |
Family
ID=12359950
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3247389A Expired - Fee Related JPH0678570B2 (ja) | 1989-02-10 | 1989-02-10 | 延性に優れた高強度熱延鋼板の製造方法およびその製造ライン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0678570B2 (ja) |
-
1989
- 1989-02-10 JP JP3247389A patent/JPH0678570B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02213413A (ja) | 1990-08-24 |
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