JPH0679216B2 - 複合材料製音響弦楽器 - Google Patents

複合材料製音響弦楽器

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JPH0679216B2
JPH0679216B2 JP63191979A JP19197988A JPH0679216B2 JP H0679216 B2 JPH0679216 B2 JP H0679216B2 JP 63191979 A JP63191979 A JP 63191979A JP 19197988 A JP19197988 A JP 19197988A JP H0679216 B2 JPH0679216 B2 JP H0679216B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は音響弦楽器用材料及びその製造法に関する。
発明の背景 音響弦楽器、例えば伝統的な音響ギターはほとんど全く
木材から造られている。高級クラッシックギターの場
合、伝響板(Soundboard)の構造用には木目の細かい軟
材、主としてハリマツ、においひば及びアメリカすぎが
用いられ、その側面板及び背面板はしばしばローズウッ
ドから造られる。音質が非常によい大コンサート用楽器
は伝統的な方法で造ることができる。しかし、木質楽器
は本来的に自然条件、特に湿気、水分及び熱の害をこう
むり易い。近年になって、ギター、その他の音響弦楽器
を合成材料から造る多くの試みが見られるようになっ
た。これら合成材料は木材と音響上同様の効果を達成し
ようとするものである。これらの試みの幾つかは木材の
低コスト代替品に焦点を当てるもので、優れたギターを
造るのに要する骨の折れる技能を排除せんとするもので
ある。これに対して、本出願の焦点とするところは優れ
たクラッシックギターに用いられる各種の材料と技法の
音響特性に可能なかぎり近似させ、同時に天候に左右さ
れない楽器を製造する高性能の材料と技法にある。同じ
原則は、例えばバイオリン族の楽器を含めて他の音響弦
楽器の製造にもあてはまる。
発明の概要 本発明の一般的特徴は音響弦楽器用の伝響板にあり、そ
れは木質伝響板の面密度(area density)に匹敵する面
密度を有し、同時に木質伝響板の嵩密度(bulk densit
y)より大きい(典型的には少なくとも5倍は大きい)
嵩密度を有する複合材料板から造られる。クラッシック
ギター用には、複合材料伝響板は面密度が約0.15〜0.30
g/cm2、嵩密度が約1〜2g/ccであるのが好ましい。好ま
しい板厚は約1〜2mmである。
本発明のもう1つの局面は音響制振(acousticdampin
g)のためにポリマー(好ましくはアラミド)の織地層
を含んでいるレイアップ(lay-up)から造られている音
響弦楽器用複合材料伝響板にある。レイアップはまた弦
に対して平行に走行している実質的に一方向配置のグラ
ファイト繊維の層を樹脂マトリックスの中に埋入して含
んでいるのが好ましい。
本発明のもう1つの一般的特徴は装飾用布帛、好ましく
は絹の布帛から成る上層を樹脂マトリックスの中に埋入
して含んでいる多層レイアップから複合材料伝響板を造
ることである。装飾布帛層をグラファイト繊維層の上に
用いる場合、両層間に白色の布帛(好ましくは綿布帛)
から成る裏面層を挿入するのが理想的である。
本発明の更に他の一般的特徴は音響ギター用の複合材料
伝響板の製造法、すなわち伝響板の全長にわたって走行
している一方向配置グラファイト繊維の基層をモールド
に適用し、その上に音響学的に制振性の織地層を貼り合
せ、両層を樹脂で含浸し、そして樹脂を硬化させて伝響
板を形成した後過剰の材料を取り除くことから成る前記
複合材料製伝響板の製造法にある。
本発明の更に他の一般的特徴は前記の伝響板を、背面板
部材と側面板部材の各々が少なくとも1層の織地層と、
好ましくは更に装飾布帛層とを樹脂マトリックスの中に
埋入して有するそれら両部材から構成される弦楽器本体
を造る際に用いることである。
本発明の更に他の特徴は前記の楽器本体を用いて全部複
合材料からできている音響弦楽器、例えば、好ましくは
複合材料から成る強化用ロッドを受容すべくチャンネル
が付けられた硬質発泡体プラスチック芯を有するネック
を含むギターを製造することである。芯は樹脂マトリッ
クスの中に埋入されている少なくとも1層の織地層と装
飾用布帛から成る上層とで覆われているのが好ましい。
ネックはキャスト繊維充填熱可塑性材料から造られたヘ
ッドに一体集成するのが好ましい、キャスト繊維充填熱
可塑性材料は強化ロッドを含み、その強化ロッドはネッ
ク中の強化ロッドと接合され、かつヘッド用のキャステ
ィング材料中に埋入されている。ヘッドは織地で覆わ
れ、その上に樹脂マトリックスに埋入された装飾用布帛
が施されているのが好ましい。
好ましい態様の記述 構造 本発明は一般に弦楽器に適用可能であり、クラッシック
ギターに関する次の記載は単なる1例に過ぎない。ここ
に用いられている用語“木質伝響板”とは木目の細かい
軟材、例えばハリマツ、においひば又はアメリカすぎか
ら全て造られている伝統的な弦楽器の伝響板を意味す
る。また、用語“複合材料”とは2種又は3種以上の耐
候性非木質材料、例えば本明細書に記載される樹脂/布
帛のレイアップから主として造られている全ての部材を
意味する。
第1図及び第2図は古典的形状のギターを示し、音響室
(sound box)又は音響本体10を含む。音響室10は伝響
板12、連続的に湾曲した側面板14及び伝響板12に対して
略平行な背面板16から構成されている。伝響板と背面板
の外表面は、実際には、しばしばわずかに凸面をなして
いる。ネック18はヒール20において側面板14の頂部に固
着されており、ネック面の全長にわたって下方に、かつ
音響板12の表面上、サウンドホール12aまずフレット板2
2が延在している。その上方先端においてネックはヘッ
ドストック、すなわちヘッド24に取り付けられている。
ヘッド24はキーとスピンドルを含むチューナー、すなわ
ち調律機を有し、それらスピンドルの上に弦(図示せ
ず)の端部が巻かれ、フレット板22の頂部にあるナット
26の上で伸ばされるようになっている。
弦は別として、ギターの総合音質を決定するクラッシッ
クギターの最も重要な要素は伝響板それ自体である。複
合材料から造る場合の従来の試みは、典型的には約0.5g
/ccという本質伝響板の嵩密度に合せようとするもので
あった。複合材料の嵩密度は通常1〜2g/ccの範囲であ
るので、嵩密度を釣り合せるには低密度の芯材料を組み
込むことが必要である。この解決法は製造上の観点か
ら、あるいは音響学的な観点から理想的なものではな
い。
たまたまそうなのであるが、典型的な木質伝響板の音響
学的特性を記載している式の主要項は伝響板の平面で起
こる振動の二次元モードに関係する。伝響板の平面に垂
直な振動の深さモードは余り重要ではない。この垂直項
は主として材料の嵩密度の影響を受け、一方平面内項は
主として材料の面密度(g/cm2として単位面積当りの質
量)の影響を受けることが観察されたが、この観察結果
は面密度が音質を決定する鍵であることを示唆してい
る。しかして、木質伝響板の面密度に合せることによっ
て伝統的な木質伝響板に“二次元”の釣り合いをとるよ
うにすることがここに提案されるものである。典型的な
ハリマツ製伝響板は例えば0.15g/cm2のオーダーの面密
度を有する。それより重い複合材料によればより薄い伝
響板で同様な面密度を達成することができる。特に、こ
の面密度は後記のように1層又は2層の繊維層レイアッ
プと釣り合せることができる。
本発明によって提起される別の問題はグラファイト/エ
ポキシ系又は他のグラファイト/樹脂系から全部造った
伝響板によって発せられる音が音響伝達性が極めて高い
ために小さいことである。木材に比較して、これら材料
の音響損失が少な過ぎるのである。伝統的な木質伝響板
の音響学的特性に更によく釣り合せるために、音響的に
は感応性がない布帛層、例えばケブラー (Kevlar
又はダークロン (Dacron )の布帛層をこれから詳細
に述べるグラファイト/樹脂のレイアップに組み込むこ
とができる。
第3図に示されるように、複合材料製ギターの伝響板1
2、側面板14及び背面板16は各々対応部分が果す役割に
沿うように特定的に設計されたレイアップから構成され
る。伝響板はギターの音響の主決定因子であり、またこ
れには引張強さ、剛性及び密度に関して厳密な技術的要
件があるので、伝響板は良好な複合材料製音響ギターを
得る際の最も重大な技術的挑戦事項である。
伝響板 第3図に示されるように、本発明の伝響板は(底面から
上面まで)ポリマーの織地30、好ましくは各々連続マル
チフィラメントから構成されるポリマーヤーン又は糸
(スレッド)30aの交叉織地から成る樹脂レイアップ、
それに続くネックと同じ方向に木目のように並置された
一方向配置繊維32、好ましくは伝響板の全長にわたって
走行しているグラファイトの層、それに続いて装飾用布
帛34、好ましくは絹布帛の薄い布地層より成る。伝響板
の下面に伝統的なファン ブレーシング パターン(fa
n bracing pattern)を用いる場合、グラファイト層32
は第3図に示されるように伝響板のトレブルの半分(tr
eble half)で2重にするのが好ましい。別法として、
グラファイト層32はクラッシックギターの伝響板用に比
較的新しいカシャ(Kasha)デザインのブレーシング系
を用いつつ層の幅を横切って均一となすこともできる。
好ましい布帛30はイー アイ デュポン社(E.I.Dupont
deNemours&Co.,Inc.)がケブラー という商標名で市
販するタイプのアラミド繊維からできているものであ
る。好ましい布帛はヘキセル社(Hexcel Corporation)
からNo.500(13×13平織布)、No.205(17×17千鳥陵織
布)及びNo.281(17×17平織布)として市販されるもの
である。これらヘキセル社の布帛は重量約5オンス/ヤ
ード(oz/yd)である。同様であるが、もっと重い布帛
がユニオン市(Union City:CA)のオルコン社(Orcon C
orp.)から約6.3oz/ydのS−ガラス交叉織布に関してオ
ルコンKS 400として市販されるものである。
好ましいグラファイトのプライ(ply)はオルコン社か
らオルコンウェブ (Orconweb )G-450又はG-900(違
いはメッシュの寸法である)として市販されるものであ
る。オルコンウェブは接着結合されたノメックス (No
mex )アラミド繊維により約1インチ半毎に交叉結合
されている、同平面に平行配置されている連続炭素モノ
フィラメントを有する。少し好ましくないが、もう1つ
別のグラファイト材料はヘキセル社の交叉織グラファイ
ト及びS−ガラスのF3C211(10.5×10.5平織布)及びF3
T282(12.5×12.5平織布)である。
エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂又はビニルエステル樹
脂がレイアップに用いることができる。ビニルエステル
樹脂が後硬化での寸法安定性の点から、また音質がより
良好なことから現在のところでは好ましい樹脂である。
1つの有用なビニルエステル製品はピッツバーグ(Pitt
sburgh:PA)のコッパース ケミカル社(Coppers Chemi
cal Co.)から市販されるアプラック(aplac)580-05
で、これは一般的な硬化剤であるメチルエチルケトンペ
ルオキシド(MEKP)と共に用いられる。エポキシ樹脂が
多分二番目に選択される、というのは寸法安定性がポリ
エステルより良好であるためである。
伝響板は実際にはサーフボード及びセールボートの製造
と同様にレイアップされる。すなわち、複数の布帛層を
順に(toP down first)ガラス繊維製モールド〔典型的
には望まれるわずかの曲率を持つ雌型(凹型)モールド
(図示せず)〕の上に施用し、それらの層を樹脂と共に
結合させることによってレイアップされる。周知の液状
樹脂/スクィージー ハンド法(liquid resin/squeege
e hand techniques)が用い得る。これは布帛を予備含
浸することができるからである。実際は、各工程中にレ
イアップから樹脂をできるだけ多量押し出すことによっ
て樹脂の乏しいレイアップを造るのが好ましいことが見
い出された。
前記規格に従って造った伝響板は厚さ1〜2mm(典型的
には1.5mm)、面密度0.15〜0.30g/cm2で、その面密度は
クラッシックの木質伝響板の面密度に匹敵する。嵩密度
な木質伝響板(典型的には1〜2g/cc)の約2〜4倍で
ある。
本発明による伝響板の製造法は雌型モールドの表面に常
用離型剤を塗布し、そして全幅の装飾用絹布地34を適用
することから始まる。ビニルエステル樹脂を次に布地全
面に注加し、布地にスクィージーを入れて過剰の樹脂を
同時に取り除く。次に、一方向配置グラファイト層32を
施こし、そして同様に樹脂を含浸し、続いてアラミド織
地層30を施こし、再び同様に樹脂を含浸する。このレイ
アップ工程はこの時点で完結し、その複合材料は硬化せ
しめられる。
クラシックの木質伝響板の場合、音質をめるために長
い間ブレース(braces)を伝響板の内側に接着して用い
てきた。色々なブレーシングパターンを支持する幾つか
の考え方が出てきているが、それらの中に対称性トーレ
ス・ファン・ブレーシング パターン(symmetrical To
rres fan bracing pattern)と非対称性カシャ、デザイ
ン(assymetrical Kasha design)がある。複合材料の
音響ギターを製造する際の従来の試みは従来のブレーシ
ング パターンの木質伝響板を常に捨てて分析によって
導びかれたパターンを可とするものであった。これとは
対照的に、本発明の製造法は伝統的なクラッシックギタ
ー製造の基本デザインと手工技法を包含、利用するもの
である。しかして、木質のクラッシックギターの標準的
な、又は改良されたブレーシング・パターンが本発明の
複合材料伝響板に用いられる。すなわち、ブレース38は
木質クラッシックギターにおいて用いられるものと同じ
配置原則に従って伝響板12の内側に接着される。ニュー
・メキシコ州(New Mexico)、アルブクエルク(Albuqu
erque)のローレンツォ ピメンテル・アンド サンズ
社(Lorenzo Pimentel&Sons)が用いるものと同様の改
良型ファン ブレーシング パターンが好ましい。
ブレースは普通の断面と形状のものであるが、減圧プレ
ス成形したグラファイト/エポキシ樹脂から造るのが好
ましい。この材料は加圧下で製造され、きわめてい密
度の繊維で、ほとんどが一方向のものを有する。この材
料は黒バルサ材の感覚を持ち、カリフォルニア州(Cali
fornia)、ヒールズブルグ(Healdsburg)のルシアース
マーカンタイル社(Luthiers Mercantile)から部品N
o.GR-1-4として幅3/8″〜1/2″×厚さ1/8″〜1/4″のス
トリップの形で入手することができる。
このグラファイト/エポキシ材料はい剛性と強度を有
するので、ブレースは木材(例えば、ハリマツ)より幾
らか小さくかつ軽くてもよい。これらのストリップはAM
R又は同様のエポキシ樹脂を用いて伝響板の下面に接着
される。
背面板及び側面板 ギターの背面板及び側面板には優れた木質ギターの低重
量を保持しつつ必要な強度と剛性を与えるためにグラフ
ァイト繊維の複合材料が用いられる。
背面板と側面板用の布帛レイアップ法において1層の織
成グラファイト/S−ガラス交叉織層36(例えば、ヘキセ
ルF3C211)か、又は2層の総グラファイトの交叉織層と
それに続く装飾用布帛(好ましくは絹布帛)の外層34a
が用いられる。これらの層はギター本体の形状と湾曲を
持つモールド内にビニルエステル樹脂と共にレイアップ
される。これには2つのモールドが用いられる。1つは
背面板用の雌型モールドであり、他の1つは数字の8の
形状を持つ側面板が背面板の角において積層の問題を起
こさないようにするための別の雌型モールドである。伝
響板の場合と同様に、背面板のブレースに減圧プレス成
形されたグラファイト/エポキシが用いられる。これら
のブレースはその形状と配置位置が伝統的な木材背面板
のブレーシングと同様であり、AMR又は他のエポキシ樹
脂を用いて背面板に結合される。背面板16はグラファイ
トが伝響板の一方向配置グラファイトと同じ方向に走行
しているガラス繊維/グラファイト交叉織地のレイアッ
プから造ることができる。同様の材料が側面板14にも用
いることができる。
所望によっては、側面板部材の頂部と底部に強度向上用
に余分の積層材料を加えることができる。
形付け及び集成 伝響板12、側面板14及び背面板16を帯のこで切断、形付
けして、そして動力サンダー又は同様の工具により仕上
げを施こす。伝響板12に同様に穴あけ用ののこ又は同様
の工具を用いてサウンドホール12aをあけ、サンダーで
仕上げる。カーバイト製の(又はそれより良質の)切断
工具が炭素繊維又はアラミド繊維の摩損性の故に望まし
い。
材料を切断、形付けした後、木質ギターの場合と同様
に、伝響板12、側面板14及び背面板16を集成し、角用ブ
レース(樹脂に浸漬したオルコウエブ グラファイト布
地の小片)と一緒にエポキシ化してギターの本体10を完
成させる。次に、本体10の外表面全体にゲルコート42の
薄い透明な塗膜を噴霧、形成する。ゲルコートの最終上
面層は艶出仕上げ用の透明ベースとなる。艶出し工程は
普通のもので、サーフボードに用いられるものと本質的
には同じである。所望によっては、ゲルコートは、フレ
ット板22を望ましくは未被覆のままにしておくことを除
けば、ネック及びヘッドストックの取付けを待って塗
被、形成してもよい。
ネック及びヘッドストック ネック18とフレット板22との集成体は(1)弦の張力で
加えられる曲げの力に抗し、そして(2)運指動作用の
硬い表面を与えるという2つの本質的な機能を奏する。
伝統的なクラッシックギターではネックに硬材、例えば
スペインすぎ又はマホガニーが用いられ、一方スチール
弦用音響ギター及びエレキギターではスチール強化硬
材、又は最近ではグラファイト/エポキシ複合材料が用
いられている。フレット板はほとんど非常に硬い硬材で
あるのが普通であり、黒たん及びしたんが最もポピュラ
ーなものである。
第4図および第5図に示されるネックの構造は幾つかの
点で従来法のものとは違っている。第一は、ネックとフ
レット板が1つの構造要素として扱われていることであ
る。第4図に示されるように、ネック18は密度ポリエ
ステルの発泡体芯50を有する。芯50のカーブした外表面
は強度と指の圧力に対する抵抗性とを加えるために、エ
ポキシ樹脂マトリックス又はビニル樹脂マトリックス中
の1層又は2層以上(第4図に図示)のグラファイト織
地52又はグラファイト/S−ガラス交叉織地で、続いて装
飾用布帛表面層、好ましくは絹布帛表面層54及び最終ゲ
ルコート層56で被覆されている。発泡体芯50にはネック
の表面全長を走行する中央チャンネル58が道付けられ、
又はそのようにキャスティングされる。チャンネル58に
は伝響板のブレース用に用いられたものと同組成の減圧
プレス成形グラファイト/エポキシの2片又は3片から
造った多層ラミネート強化ロッド60が受容されている。
別法として、フレット板はキャスティングされたポリエ
ステルとチョップドグラファイト繊維及び強化ロッドか
ら形成することができる。強化ロッド60はネックに沿っ
て軸方向に走行し、両端において第5図及び第6図にそ
れぞれ示されるヒール20及びヘッド24へと続いている。
第5図に示されるように、重ね目違い継手62を図示の通
り多片ラミネートと共に、ネックがギターの本体10とヒ
ール20において交わる90°の角を回るように用いるのが
有利である。ヒール20及びネック18は1つの一体発泡体
芯50から射出成形又はキャスト成形して造るのが好まし
い。
ネック先端においてヘッド24がネックに第1図,第2図
及び第6図に示されているように接合されている。ヘッ
ド24は強度と軽さが楽器のバランスを取るようにキャス
ティングされる。キャスティングされたポリエステルマ
トリックス66中の1/4インチのチョップドグラファイト
繊維がヘッド24の基部を形成している。適当なポリエス
テルはカリフォルニア州(CA)、オレンジ(Orange)の
ファイバーグラス・エバーコート社(Fiberglass Everc
oat Co.)及びハワイ州(Hawaii)のファイバーグラス
・ハワイ(Fiberglass Hawaii)から市販されるエバー
コート(Evercoat)521キャスティング用樹脂である。
ネック中のグラファイト/エポキシネック強化ロッド60
はヘッドにおいて継手62と同様の角重ね継手68により同
様の強化材のロッドセグメント60bに接続されている。
ロッドセグメント60bはある角度でネックまで図示のよ
うにヘッド24の中央を通って延在している。強化ロッド
60bはモールドの中で集成され、その後で充填ポリエス
テル66がロッド60bがヘッドの中央に埋入されて行くよ
うにキャスティングされる。必要によって、更に強化す
るために、キャスティングする前にその混合物中にグラ
ファイト/エポキシロッドの小断片を含めることができ
る。調弦機のクリアランス70及びスピンドルホール72
が、ヘッドが調弦機の設置前に最小限の仕上げしか必要
としないようにキャスティングで形成される。絹布帛層
54及びゲルコート56が図示のようにヘッドとネックの全
面に延在せしめられている。
第7図は第4図と同様のネック18の別の構造を示す。た
だし、強化ロッド60と指板22は減圧プレス成形グラファ
イト/エポキシの1つの一体押出物からできている。
ネック18を第2図に示されるように側面板14の頂部にお
いて本体10にAMR又はエポキシ樹脂と複数のジグを用
い、確実適正に整列させるのに適切なようにピンを配置
して接合させる。指板22は、フレットを次にエポキシ樹
脂を用いて適所に、伝統技法により再び確実、適正に整
列、結合させると完成する。フレット板は減圧プレス成
形グラファイト/エポキシの長いストリップからできて
おり、フレットの溝を切った後強化ロッド60の上面と接
触、結合せしめられる。フレットはフライス盤又は組の
こで機械加工されるが、カーバイト製又はダイヤモンド
製の工具が必要とされる。別法として、フレット板はチ
ョップドグラファイト繊維含有ポリエステルキャスティ
ング用樹脂から、適所に溝を作ってキャスティングする
ことができる。
他の部品 複合材料製音響ギター用のブリッジ80……クラシック弦
用又はスチール弦用……は伝統的な形態を取ることがで
きるが、減圧プレス成形グラファイト/エポキシ強化材
を有する、ヘッド24と同じ材料のチョップドグラファイ
ト繊維含有ポリエステルのキャスティング物から造るの
が好ましい。伝響板12には伝統的な骨又は象げ製のサド
ルをAMRエポキシ樹脂又は同等のものを用いて結合させ
ることができる。古典的なブリッジには縫取りを施した
絹のタイ・バー(tie bar)模様を付けることができ
る。
ヘッド24、ブリッジ80及びフレット板の充填ポリエステ
ル芯66のようなキャスト部品は、所望によっては、例え
ばダウ・コーニング社(Dow Corning)のシラスティッ
ク(Silastic)Eモールドゴム中で成形される。
弦、フレット、ナット、調弦機及び同様のハードウェア
は伝統的な形でもすでに十分に耐候性となっている。調
弦機のギャーは湿気のある条件でも十分に機能するよう
周期的な潤滑処理を要し、また弦はそれらの有効寿命を
延ばすべく頻繁にぬぐうことを要するが、これらの分野
に設計変更は必要とされない。伝統的な象牙製又は骨製
のナットが伝統的なドイツ銀(銅/ニッケル)フレット
線が奏する通り、十分に役立つ。
装飾 装飾用布帛層を組み込むことは本発明の重要な特徴であ
ると考えられるものであり、この複合材料製ギターに独
特の美的外観を与える。原則的にはギターの使用者が望
むどのような装飾用布帛でも用い得るが、実際には布帛
は伝統的な音響ギターに用いられる木材の色、木目及び
視覚上の特質に良く合うように選ばれる。例えば、伝統
的なクラッシックギターのにおいひばの伝響板に似せて
造るには淡い赤味を持つ黄色の原料絹が用いられ、一方
そのしたん製の背面板又は側面板に似せるには黒色の著
しい荒さ(roughness)を持つ暗い赤味のある褐色の天
然絹が用いられるだろう。ある距離を置いて見ると、こ
のようなギターはヒマラヤすぎ/したんの楽器のように
見えるだろう。もっと近くから調べれば、しかし、その
模様は布帛の組織として現われ、木目としては見えな
い。そのすばらしい音質と調和して、この複合材料製音
響ギターは見ても聞いてもすばらしいギターとしての印
象を与え、木材ギターの単なるイミテーションではな
い。
絹又は他の装飾用布帛はまたグラファイト繊維層及びア
ラミド層を覆う艶出用のベール層としても役立つ。薄い
絹の層はギターの聞き取れる音質にはほとんど又は全く
影響を及ぼさない。従って、最も細いネクタイ用の絹が
理想的である。それより太い絹を伝響板に用いる場合は
しかし、目的とする伝響板の音響制振を維持するよう音
響的に制振性の布帛(好ましくはアラミド)の量を調整
する必要がある。このことは背面板、側面板、ネック及
びヘッドの表面については問題にならない、と言うのは
総ての音響楽器に言えるが、このような楽器はこれらの
二次的要素における小さな追加の音響損失に対して敏感
ではないからである。
複合材料製音響ギターの主として布帛の本質と調和させ
てその伝響板のばら装飾を伝統的な木の象眼細工のはめ
込みに代えて樹脂マトリックスに埋め込まれた布帛及び
/又は縫取り細工から作ることができる。ヘッド24のク
リアランスホール70の間の表面中央には、所望によって
は、ばら装飾とタイ・バー用の模様に伝統的に関連した
縫取り細工模様74を組み込んで優れたクラッシック木材
ギターの装飾はめ込み細工によく似せることができる。
以上記載したように、一般的な製造は全く伝統的なやり
方で始まる。ギターの種々の構成部品を製造した後、そ
れら部品をエポキシ樹脂を用いて一緒に集成して整合用
ジグ及びピンと結合させる。完成構造体に、フレット板
を除いて。常用の噴霧法により透明なゲルコートの1層
又は2層の被覆を施こし、次いでその楽器に旧来の研摩
剤、艶出し剤等を用いて艶出し仕上げを施こす。弦張
り、テスト、作動調整(ナット及び/又はサドルを上げ
下げすることによって)及び調弦は全て伝統的な方法で
進める。所望によっては、フレット板にセラックの被覆
を施してもよい。
好ましい態様についての以上の記載は本発明の複合材料
製音響ギターの構造の一般的原則を説明するためのもの
である。本明細書に記載される構成部品の全てを一緒に
使用しなければならない訳ではない。ある種の構成部品
は改変することができ、あるいは普通に造った各種部品
と組み合せ、又は本明細書に開示するものとは異なる複
合材料と組み合せて用いることができる。グラファイト
繊維又はアラミド繊維が現在のところは好ましい材料で
あるが、同様の性質を有する他の材料に代えてもよい。
例えば、アラミド布帛に代えてポリエステル繊維布帛
(ダークロン )を用いる試みをしてもよいが、アラミ
ドが音響制振及び強化にとってより良好に機能すると考
えられる。
他の態様も特許請求される本発明の範囲に入る。本明細
書に示したクラシック音響ギターの特定の実施は単なる
例証に過ぎない。以上の原則はクラッシックギター以外
の他の弦楽器、例えばバイオリン族の楽器にも適用でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は複合材料製クラッシックギターの正面図であ
り、第2図は第1図のギターの側面図であり、第3図は
第1図の3-3線に沿って取り去った部分を持つギター本
体の断面図であり、第4図は第1図の4-4線に沿って取
ったネックの断面図であり、第5図は第1図及び第2図
のギターの強化ロッドを明らかにするためにフレット板
が付いていないネックのヒール部の細部を示す単純化さ
れた等角斜視図であり、第6図は第1図の6-6線に沿っ
て取ったヘッド/ネック接合部の細部を示す中央縦断面
図であり、そして第7図はネックの断面図で、フレット
板と強化ロットとが一体となった別の態様を示す。 10…ギター本体、12…伝響板 14…側面板、16…背面板 18…ネック、20…ヒール 22…フレット板、24…ヘッド 26…ナット、30…布帛層 32…一方向配置繊維層、34…装飾用布帛層 38…ブレース、42…ゲルコート層 50…発泡体芯、52…織地層 54…装飾布帛表面層、56…ゲルコート層 58…中央チャンネル、60…強化ロッド 62,68…継手 66…充填ポリエステル樹脂芯 70…調弦機クリアランス 72…スピンドルホール、80…ブリッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−162644(JP,A) 特開 昭60−21094(JP,A) 特開 昭49−127612(JP,A) 実開 昭56−134090(JP,U) 実開 昭54−133832(JP,U) 実開 昭54−168831(JP,U)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合材料板から成る音響弦楽器用伝響板に
    して、該複合材料板は同タイプの弦楽器の、該複合材料
    板に対応する木質伝響板の面密度に匹敵する所定の面密
    度を有し、同時にそのような木質伝響板の嵩密度とは釣
    り合わない、それより実質的に大きい所定の嵩密度を有
    することを特徴とする前記音響弦楽器用伝響板。
  2. 【請求項2】面密度が木質伝響板のそれにほぼ等しく、
    一方嵩密度は木質伝響板のそれの少なくとも約2倍であ
    る、請求項1に記載の伝響板。
  3. 【請求項3】複合材料板が約0.15〜0.30g/cm2の面密度
    及び約1〜2g/ccの嵩密度を有している、請求項2に記
    載の伝響板。
  4. 【請求項4】複合材料板が厚さ約1〜2mmである、請求
    項3に記載の伝響板。
  5. 【請求項5】複合材料板が、各々が音響制振性材料の多
    数の連続ポリマーフィラメントからできている糸の交叉
    織地、及び楽器の弦に対して実質的に平行に延在する実
    質的に同平面内に配置された、該フィラメントに比較し
    て低い音響制振を与える材料からできている繊維が組み
    込まれている樹脂マトリックスのレイアップを含んでい
    る、請求項1に記載の伝響板。
  6. 【請求項6】フィラメントがアラミド繊維からできてい
    る、請求項5に記載の伝響板。
  7. 【請求項7】繊維がグラファイトからできている、請求
    項6に記載の伝響板。
  8. 【請求項8】レイアップが目に見える外側に装飾用布帛
    層を更に含んでいる、請求項7に記載の伝響板。
  9. 【請求項9】装飾用布帛が絹である、請求項8に記載の
    伝響板。
  10. 【請求項10】グラファイト繊維とアラミドフィラメン
    トが装飾用布帛層の背後に別個の層として与えられてい
    る、請求項9に記載の伝響板。
  11. 【請求項11】装飾用布帛が絹の布帛である、請求項10
    に記載の伝響板。
  12. 【請求項12】レイアップが絹布帛層と一方向配置グラ
    ファイト繊維層との間に木綿織地層を更に含んでいる、
    請求項11に記載の伝響板。
  13. 【請求項13】樹脂マトリックスのレイアップから成る
    音響弦楽器用複合材料伝響板にして、該レイアップが、
    各々が音響制振性材料の多数の連続ポリマーフィラメン
    トからできている糸の交叉織地、及び楽器の弦に対して
    実質的に平行に延在する実質的に同平面内に配置され
    た、該フィラメントに比較して低い音響制振を与える材
    料からできている繊維が組み込まれていることを特徴と
    する前記音響弦楽器用複合材料伝響板。
  14. 【請求項14】フィラメントがアラミド繊維からできて
    いる、請求項13に記載の伝響板。
  15. 【請求項15】繊維がグラファイトからできている、請
    求項14に記載の伝響板。
  16. 【請求項16】レイアップが目に見える外側に装飾用布
    帛層を更に含んでいる、請求項15に記載の伝響板。
  17. 【請求項17】装飾用布帛が絹である、請求項16に記載
    の伝響板。
  18. 【請求項18】グラファイト繊維とアラミドフィラメン
    トが装飾用布帛層の背後に別個の層として与えられてい
    る、請求項16に記載の伝響板。
  19. 【請求項19】装飾用布帛が絹の布帛である、請求項18
    に記載の伝響板。
  20. 【請求項20】レイアップが絹布帛層と一方向配置グラ
    ファイト繊維層との間に木綿織地層を更に含んでいる、
    請求項19に記載の伝響板。
  21. 【請求項21】装飾用布帛が同タイプの弦楽器の対応す
    る伝統的な伝響板の色にマッチするように選ばれた均一
    な色を有している、請求項16に記載の伝響板。
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