JPH0681562B2 - 種子生育能力の測定法 - Google Patents

種子生育能力の測定法

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JPH0681562B2
JPH0681562B2 JP1274777A JP27477789A JPH0681562B2 JP H0681562 B2 JPH0681562 B2 JP H0681562B2 JP 1274777 A JP1274777 A JP 1274777A JP 27477789 A JP27477789 A JP 27477789A JP H0681562 B2 JPH0681562 B2 JP H0681562B2
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    • G01MEASURING; TESTING
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、生育不能種子からのシナピン漏出を検出す
ることによる、アブラナ科種子、例えばキャベツ種子の
生育(発芽)能力(viability)の測定法方に関するも
のである。
[従来の技術] 種子は、炭水化物、蛋白質および無機イオン[サマドお
よびピアス、1978年「ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンタル・ボトニー」(J.Exper.Botony)、29:1471-1478
頁]並びに大型細胞内物質、例えば澱粉、穀物およびプ
ロテイン・ボディー[スペース、1987年「プラント・フ
ィジオロジー」(Plant Physio.)85:217-223頁]を含
め、吸水させた場合、広範な種類の化合物を漏出する。
特定化合物の漏出の差異は、幾つかの種類においては種
子生育能力と関連している。水溶性炭水化物のパーセン
テージは、ニンジン(ダウクス・カロタ・リンネ、Dauc
us carota L.)における発芽と負の相関関係を示してい
た[ダドラニおよびアグラワル、1983年、「シエンティ
ア・ホルティカルチュレ」(Scientia Hort.)、19:39-
44頁]。生育不能西洋アブラナ(ブラシカ・ナプス・リ
ンネ、Brassica napus L.)種子からの浸出液において
フルクトース、グルコース、スクロース、マルトース、
ラフィノースおよびスタキオースが同定された[高柳お
よび村上、1969年「プロシーディングス・オブ・インタ
ーナショナル・シード・テスティング・アソシエーショ
ン」(Proc. Lnternat. Seed Testing Assoc.)、34:24
3-252頁]。生育し得る種子は、痕跡量のフルクトース
およびグルコースしか漏出しなかった。人工熟成させた
大豆(グリシン・マックス(リンネ)メリル、Glycine
max L. Merr)種子は、波長260nmの光を吸収する化合物
を非熟成種子の場合よりも大量に漏出することが観察さ
れた[シェットルおよびレオボルド、1984年、「クロッ
プ・サイエンシーズ」(Crop Sci.)、24:835-838
頁]。
種子中にフェノール化合物が見出されている。シナピ
ン、すなわちシナピン酸(3,5−ジメトキシ‐4-ヒドロ
キシ柱皮酸)のコリンエステルは[オースチンおよびウ
ォルフ、1968年、「ジャーナル・オブ・アグリカルチュ
ラル・アンド・フード・ケミストリー」(J. Agr.Food.
Chem.)、16:132-135頁]、様々な種類のアブラナ科
(BrassicaceaeまたはCruciferae)に見出され[シュル
ツおよびグメリン、1952年、「ツァイシュリフト・フュ
ール・ナツルフォルシュング」(Z.Naturforschung)、
7b:500-508頁]、1.0-2.5パーセント乾燥物質のレベル
で生育する西洋アブラナ種子の主フェノール構成成分で
ある[ブライアおよびレイチャート、1984年、「ジャー
ナル・オブ・サイエンス・オブ・フード・アンド・アグ
リカルチャー」(J. Sci. Food. Agri.)、35:29-35
頁]。この化合物は紫外線(UV)光線下では蛍光性であ
り、高pH(>10)で黄色になる。シナピンの加水分解生
成物は、発芽中に代謝されるシナピン酸およびコリンで
ある[ツァゴロフ、1963年「プラント・フィジオロジ
ー」(Plant Physio.)、38:202-206頁]。
生育不能または劣化種子は、水中に置かれた場合に生育
可能または元気な種子よりも多くの溶質を漏出すること
が報告された[サイモンおよびハルン、1972年「ジャー
ナル・オブ・エクスペリメンタル・ボタニー」(J. Ex.
Botany)、23:1076-1085頁、レオポルド、1980年「プ
ラント・フィジオロジー」(Plant Physio.)、65:1096
-1098頁、ポーウェルおよびマチューズ、1981年、「ジ
ャーナル・オブ・エクスペリメンタル・ボタニー」(J.
Ex. Botany)、32:1045-1050頁]。老化、損傷または
非機能性細胞膜[サイモンおよびハルン、1972年、前
出、マッカーシーおよびスチンソン、1980年、「プラン
ト・フィジオロジー」(Plant Physio.)66:316-320
頁、マーフィーおよびノーランド、1982年、「プラント
・フィジオロジー」(Plant Physio.)、69:428-431
頁]および吸収損傷に起因する細胞破裂が[ポーウェル
およびマチューズ、1979年、「ジャーナル・オブ・エク
スペリメンタル、ボタニー」(J. Ex. Botany)、30:19
3-197頁、デュークおよびカケフダ、1981年「プラント
・フィジオロジー」(Plant Physio.)、67:449-456
頁]、主原因として示唆された。
様々な種類の種子から漏出した溶質には、遊離アミノ酸
[ハーマンおよびグラネット、1972年、「フィジオロジ
カル・プラント・パソロジー」(Physiol. Plant Pat
h.)、2:271-278頁]、蛋白質(マッカーシーおよびス
チンソン、1980年、前出)、糖類(高柳および村上、19
69年、前出)およびフェノール類(サマドおよびピア
ス、1978年、前出)がある。また、カリウム、燐酸およ
びマグネシウムのイオンおよび無機化合物も漏出する
(サイモンおよびハルン、1972年、前出、サマドおよび
ピアス、1978年、前出、マッカーシーおよびスチンソ
ン、1980年、前出)。種子漏出の2つの最も一般的な測
定方法は、伝導率および特定波長での光吸収である[ハ
ーマンおよびグラネット、1972年、前出、デューク、カ
ケフダおよびハーベイ、1983年、「プラント・フィジオ
ロジー」(Plant Physio.)、72:919−924頁、ヘプバー
ン、ポーウェルおよびマチューズ、1984年、「シード、
サイエンス・アンド・テクノロジー」(Seed Sci. & T
ech.)、12:403-413頁]。
図面の簡単な記載 第1図は、熱殺した種子(●)および生育可能種子
(■)および単独の生育不能種子(○)から322nmで吸
収する化合物に関する漏出の時間推移をグラフに示した
ものである。縦棒は、±SE(標準偏差)(平均値から)
を示す。
第2図は、熱殺(●)生育不能(○)および生育可能
(■)種子からの電解質漏出の時間推移をグラフに示し
たものである。データ・ポイントは、個々に測定された
5種子の平均値である。縦棒は±SE(平均値から)を示
す。
第3図は、熱殺(●)および生育可能(■)種子に関す
る吸収中の重量増加をグラフに示したものである。デー
タ・ポイントは、4つの100−種子試料の平均値であ
る。縦線は、±SE(平均値から)を示す。
第4図は、異なる種子ロットから得られた□非劣化およ
び・劣化種子の吸収特性を示す。
第5図は、異なる種子ロットから得られた□非劣化およ
び・劣化種子からの浸出液の吸収を示す。
[発明の構成] この発明は、シナピン漏出を検出することによる、アブ
ラナ科種子、例えばキャベツ種子の生育能力の測定方法
に関するものである。シナピンは生育不能種子から漏出
するが、生育可能種子からは、あったとしても少量しか
排出されない。
アブラナ科(cruciferea)種子には、農業経済的に重要
な作物、例えばキャベツ、カリフラワー、ブロッコリ
ー、カノーラ(canola)などがある。
この発明の方法は、例えば紫外線照射による漏出シナピ
ンの検出、および媒質の着色による水性浸漬媒質におけ
る相対量のシナピンの検出を含め、幾つかの手段により
実践され得る。この方法は、それが生育可能種子と生育
不能種子を対比させたシナピン漏出に関するものである
限り、この発明の広い範囲としては限定されるものでは
ない。
好ましい実施態様では、シナピンを吸収する不活性また
は有益な種子コーティングでアブラナ科種子を被覆する
ことにより、シナピンを保持し、生育不能種子の検出お
よび生育可能種子との分離を容易にする。
この発明の特に好ましい実施態様では、まずアブラナ科
種子を充分な時間(通常少なくとも数時間)水性媒質に
浸漬することにより、(存在するとすれば)生育不能種
子からのシナピン漏出を促進する。次に、浸漬した種子
をシナピン吸収コーティングで被覆し、次いで乾燥す
る。次に、紫外線を照射してシナピンから蛍光を生じさ
せることにより生育不能種子を検出する。多数の種子中
の生育不能種子の存在および相対量を測定することがで
き、所望ならば、顕著に蛍光を発する、すなわち生育不
能である種子を、適当な手段、例えば検出手段に通し
て、蛍光/非蛍光に基づいて選ばれた方向に種子を移動
させる直接手段によりその集団から分離することができ
る。
後者について述べると、アブラナ科種子の中には低レベ
ルのシナピンを漏出するものもあるため、非蛍光の中に
は、実際は低レベル蛍光の場合もある。しかしながら、
蛍光量の差異(生育不能種子からは、少なくとも2倍の
シナピンおよび普通はさらにかなり多い)により、生育
可能および生育不能種子間の分離または両者の相対量の
定量は比較的容易な仕事となる。
浸漬または水和を用いる場合、そのプロセスは、当業界
で知られている方法による、種子品質を高め、有益物質
を種子等に添加するために別の用途で使用されている通
常の水和工程であり得る。別法として、それは、単にこ
の発明を目的とする水性媒質におよる浸漬であり得る。
コーティング技術を使用する場合、コーティング技術
は、種子産業において別の用途で使用されるコーティン
グ技術であり得るか、この発明の達成にさらに適応させ
た技術であり得るか、またはこの発明を達成するため特
に処方されたコーティングであり得る。
コーティングは種子に対して不活性または種子にとって
有益なものであり得る。この発明の用途の場合、コーテ
ィングまたはその中の成分は、シナピンと同じ波長で蛍
光を発することにより、シナピンの検出を混乱させたり
阻害してはならず、またコーティングは、シナピンが存
在する場合、シナピンと反応することによってシナピン
の検出を不可能にするものであってはならない。
幾つかの有益な種子コートおよび種子コーティング方法
が知られている。殺虫剤、殺菌剤等、例えばチランはそ
れらの方法で適用され得る。コーティングは、単にポリ
マーまたは非揮発性液体または種子に付着する粒状粉末
材料であり得るか、または結合剤もしくは担体と有効成
分との混合物であり得る。この発明の用途の場合、コー
ティングの「有効成分」は、シナピンを吸収および/ま
たは保持することで、蛍光による検出を可能にする材料
である。この機能は、結合剤もしくは担体自体または吸
収性充填剤、例えば鉱物、砂、土、バーミキュライト、
セルロース等により遂行され得る。吸収性結合剤は、セ
ルロース基剤、メチルセルロース基剤等のものであり得
る。
[実施例] 実施例1 この実施例では、生育不能キャベツ(ブラッシカ・オレ
ラセア・バリエータス・カピタタ・リンネ、Brassica o
leracea var. capitata L.)種子から漏出する蛍光化合
物について詳細に説明し、次いで固定する。
材料および方法 フェリー‐モース・シード・カンパニー(モデスト、カ
リフォルニア、アメリカ合衆国)からキャベツ種子「キ
ング・コール」を入手した。121℃で20分間同じ種子ロ
ットの種子試料をオートクレーブ処理することにより熱
殺(HK)種子を得た。
生育可能およびHK種子を3時間蒸留水に浸した。次い
で、代表的な種子を、2〜4時間1.5%(w/v)ラポナイ
ト508ゲル(ラポルテ・インコーポレイテッド、サドル
・ブルック,ニュージャージー、アメリカ合衆国)中に
入れた。蛍光性漏出をUV光線下で撮影した。
5gの生育可能(発芽>96%)およびHK種子を15mlの蒸留
脱イオン(DD)水に8時間浸すことにより、種子浸出液
を得た。浸出溶液のアリコートを、ワットマン・ナンバ
ー2ろ紙を用いてろ過し、次いでpH7での試験用にDD水
で1:30(v/v)の割合に希釈するか、またはpH10での試
験用に200ミリモル炭酸−重炭酸ナトリウム緩衝液(1:3
0の割合)で希釈した。pH7および10の浸出溶液の吸光度
をヒューレット・パッカード8452A二極管配列分光光度
計により測定した。
分光光度計に関して前述した通り、単離生育可能および
HK種子から種子浸出液の水性抽出物を調製した。ペーパ
ークロマトグラフィーを用いて浸出液からの蛍光性化合
物の単離および特性検定を行った。60μlの浸出液をワ
ットマン・ナンバー3クロマトグラフィー紙に適用し、
まずBAW(n−ブタノール:酢酸:水、4:1:5)、次いで
6%酢酸により展開した。風乾したクロマトグラフをUV
光(245nm)により検査した後、アンモニア蒸気に暴露
した。最も目立つスポット、スポット3をさらに試験し
た。HK種子からの浸出液1mlをクロマトグラフィー紙に
適用した。この紙をBAWにより展開し、Rf5.6での明るい
蛍光バンドを切断し、95%エチルアルコールにより溶離
した。真空下45℃の回転蒸発器で溶媒を除去した。溶離
液を、室温で4時間2N−NaOHを用いた塩基性加水分解に
かけた[ダーキーおよびシビアージ、1975年、「ジャー
ナル・オブ・フード・サイエンス」(J. Food Sci.)、
40:820-822頁]。
標準シナピン酸を購入した(オルドリッチ・ケミカル・
カンパニー、ミルウォーキー、ワイオミング、アメリカ
合衆国)。シナピンは市販されていないため、なたね粉
末状油かす(アグウェイ・インコーポレイテッド、バタ
ビア、ニューヨーク、アメリカ合衆国)から、この試験
用にレファレンス試料を調製した。シナピンを、なたね
粉末状油かすからシナピンチオシアネートとして抽出
し、次いでシナピンビスルフェートに変換した。フイッ
シャー‐ジョーンズ融点装置により測定したところ、こ
の試料の融点は186-188℃であった。これは、文献に報
告された187-188℃の融点とほぼ一致する。
原スポット3、スポット3の塩基性加水分解物、シナピ
ン酸およびシナピンをクロマトグラフィー紙に適用し
た。クロマトグラムを、次の溶媒、すなわち6%酢酸、
BAWまたはH2Oにより展開した。Rf値を記録した後、クロ
マトグラムをNH3蒸気で処理した。ドラゲンドルフ試薬
およびジアゾ化p−ニトロアニリン(DPN)をクロマト
グラムに噴霧すると、着色生成物が生成された。
結果および検討 キャベツ種子からの蛍光性漏出の詳細な記録 キャベツ種子を用いた予備発芽試験は、吸収中非発芽可
能(すなわち種子ロットからの死んだ種子)またはHK種
子が、UV光により照射されると蛍光を発する物質を漏出
することを明らかにした。この蛍光性材料は青−緑色で
あり、3時間の吸収後種子の外側に現れた。シナプシス
・アルバ(Sinapsis alba)、ラファヌス・サティブス
(Raphanus sativus)、レピディウム・サティビウム
(Lepidium sativium)およびブラッシカ・ペキネンシ
ス(Brassica pekinensis)の非発芽可能種子は蛍光性
物質を漏出するが、発芽可能種子は漏出しないことが報
告された[クグラー、1952年「ナツルビッセンシャフテ
ン」(Naturwissenschaften)、39:213、ツェングおよ
びヤン、1964年、「ボル.プラント・フィジオ.」(Bo
l. Plant Physio.)3:21-25頁]。
ラポナイトは、水に分散させたときに粘ちゅう性溶液を
生成する合成珪酸マグネシウムであり、漏出を明視化す
るための媒質ゲルとして充分適していることが見出され
た。ラポナイト・ゲルに浸した熱殺および非発芽可能種
子は、種子の回りに蛍光性ハロを呈した。子葉が損傷を
受けていない場合、生育可能種子はこの蛍光性物質を漏
出しなかった。インキュベーションおよび観察の間、1
%溶液に種子を懸濁した。ラポナイトのコロイド性質故
に、蛍光は容易に観察された。
同定および蛍光性化合物 8時間の浸漬後の熱殺(HK)キャベツ種子からの漏出
(溶液pH7)の吸収スペクトルは、生育可能種子浸出液
の場合には観察されなかった、322nmピークを有する280
〜360nmのバンドにおいて吸光度の増加を示した。HK種
子−浸出溶液をpH10に高めることにより、溶液は黄色に
なり、322nm吸収ピークは388nmに移動した。生育可能種
子浸出溶液の場合、吸収スペクトルまたは溶液の色にお
ける比較可能な変化は観察されなかった。
他の著しいスペクトル差異は、生育可能およびHK種子浸
出液間には検出され得なかった。従って、HK種子浸出液
における蛍光性化合物は、280〜360nm範囲(pH7で)で
のUV光吸収に関与し得る化合物であった可能性がある。
HK種子浸出液において2次元ペーパークロマトグラフィ
ーう行うことにより、蛍光性化合物を単離した。クロマ
トグラフィーにより、生育可能種子漏出による1つの蛍
光性スポットおよびHK種子漏出による4つの蛍光性スポ
ットが分離された。HK種子漏出による蛍光性スポット
は、明るい緑−青のスポット3を除き、全てぼんやりし
ていた。UV光下で強烈に観察されたため、スポット3を
さらに試験した。
スポット3がシナピンであるか否かを測定するために実
験を行った。スペクトル3の吸収スペクトルは、シナピ
ンチオシアネートの場合と非常に似ていた。pH7で、両
化合物は各々324nmおよび326nmの第一λ最大値を有して
いた。またスポット3およびシナピンチオシアネート
は、溶液pHをpH10に高めると、両溶液共黄変し、共に似
た赤方偏移を呈した。さらに試験を行って、スポット3
の同定を確認した。3種の異なる溶媒系を用いることに
より、スポット3のRf値はシナピンチオシアネートのRf
値と同一であることが見出された。また紫外線および可
視光線下におけるスポット3の着色反応は、アンモニア
蒸気暴露の前後共またはDPNもしくはドラゲンドル試薬
による処理後、シナピンチオシアネートと同一であっ
た。塩基性加水分解に付した後、スポット3は、シナピ
ン酸と同じRf値および着色反応を有することが見出され
た。シナピンの加水分解生成物は、シナピン酸およびコ
リンであることが示された(オースチンおよびウォル
フ、1968年、前出)。
分光測光法およびクロマトグラフィー実験からの上記結
果に基づき、スポット3は実際にシナピンであるという
結論に達した。シナピンチオシアネートと比較した場
合、スポット3は、pH7および10での似た最大および最
小吸収、同じRf値および着色反応を有していた。スポッ
ト3のアルカリ性加水分解により、シナピン酸と同一の
Rf値および着色反応が生じた。蛍光スポット1、2およ
び4は、ブラッシカ・ナプス(Brassica napus)および
ブラッシカ・カンペストリス(Brassica campestris)
の種子において少量のフェノール類が単離されたことか
ら、他のタイプのフェノール化合物であり得る[ダブロ
ウスキーおよびソスルスキー、1984年、「ジャーナル・
オブ・アグリカルチュラル・アンド・フード・ケミスト
リー」(J. Agric. Food Chem)、32:123-127頁]。単
離されたとき、シナピンは、HK種子浸出液と同じ青−緑
蛍光色および同じ吸収スペクトル(両方pH7および10
で)を有していた。従って、シナピンは、HKキャベツ種
子浸出液の蛍光性に関与する主要化合物であった。
よく考えると、HKおよび非発芽可能種子からのシナピン
漏出は合理的である。シナピンは、アブラナ属(Brassi
caceae)およびシナピス(Sinapis)属脂肪種子におけ
る主フェノール化合物であり[ダーキーおよびシビアー
ジ、1975年、「ジャーナル・オブ・フード・サイエン
ス」(J. Food Sci.)40:820-822頁]、アブラナ科の多
くの種類の種子に見出される(シュルツおよびグメリ
ン、1952年、前出)。種子コートではなく子葉に見出さ
れる(ブライアおよびレイチャート、1984年、前出)こ
の化合物は、発芽後期の間に加水分解される逆行物質で
ある(ツァゴロフ、1962年、前出)。しかしながら、そ
の細胞局在性および分布に関する情報は殆ど入手できな
い。
シナピンは、生育可能および生育不能種子の両方に存在
する。しかしながら、漏出は生育不能種子からのみ観察
される。種子からの化合物の漏出は、重度の膜劣化と関
連している。細胞膜はHK種子においては非機能性である
と仮定されることから、区画が欠如しているため、シナ
ピンは細胞から漏出する。種皮は、シナピンを含まない
が、見かけ上障壁ではないため、シナピンは(拡散によ
り)環境に漏出する。
種子ロットからの試料の生育可能性および生長力を測定
するため実験室試験が開発された。様々な発色試薬を用
いることにより、単一種子法に基づき種子品質を検定し
た。テトラゾリウム試験はこの目的に広く用いられてい
る[「アソック.オフ.シード・アナル.」(Assoc. O
ff. Seed Anal.)、1983年]。種子組織に存在するデヒ
ドロゲナーゼ酵素により2,3,5−トリフェニルテトラゾ
リウムクロリドが還元されると、赤色化合物ホルマザン
が生成する。ホルマザンは水不溶性であり、種子を切開
して着色の検出をしなければならない。またこの化学反
応は種子にとって有害であるため、テトラゾリウムは種
子品質の向上には使用され得ない。
慣用の種子調節装置によるコーティング技術を用いた。
材料を種子に適用することにより、所望の作物種子から
汚染物質を除去した。鉄粉および水を、すべすべした種
子を有する作物、例えばクローバーに噴霧した。この粉
末は、他の作物および雑草の種子の荒い種皮または粘液
質種皮に付着する。磁気ドラムを用いて望ましい作物種
子から望ましくない材料を分離した。この技術では、漏
出に伴う生理学的差異ではなく、種皮特性における差異
を利用した。
実施例2 これらの試験の目的は、第一に熱殺、生育不能および生
育可能キャベツ種子からのシナピンおよび電解質漏出の
比較、第二にシナピン検出試験が、伝導率方法よりも正
確に生育不能キャベツ種子から生育可能種子を識別し得
るか否かの測定であった。
材料および方法 雑種キャベツ種子「キング・コール」の2種の未処理ロ
ットを、フェリー‐モース・シード・カンパニー(モデ
スト、カリフォルニア、アメリカ合衆国)から入手し
た。一法の種子ロットは1984年に製造された(以後「オ
ールド」と称する。)、他方のロットは1985年に製造さ
れた(以後「ニュー」と称する)。両ロットの種子は同
じ親交雑のF1子孫を示したため、両種子ロットの種子
は、ほぼ遺伝的に同一であると仮定された。20分間121
℃で種子をオートクレーブ処理に付すことにより、両ロ
ットの熱殺(HK)種子を製造した。
100個のHKおよび生育可能オールド・ロット種子の4複
製について、それらを25℃で蒸留脱イオン(DD)水に浸
すことにより、吸収時間推移試験を行った。1時間間隔
で、種子を水から除去し、吸い取り乾燥し、秤量し、水
に戻した。吸収率を風乾重量の増加パーセンテージとし
て表した。オールドおよびニュー・ロットからの5つの
各HKおよび生育可能種子に関して、シナピン漏出(吸光
度322nm)に関する時間推移試験を行った(後で発芽試
験により生育可能性を測定した)。個々の種子を2mlのD
D水に入れ、ギルフォード・モデル−250分光光度計を用
いて1時間間隔で吸光度を測定した。HKおよび無作為選
択したオールド・ロット種子について、個々の種子を1m
lのDD水に浸すことにより毎時の経時的電気伝導率測定
値を測定した。自動種子分析コンピューター(ASAC−10
00、ネオゲン・コーポレイション、ランシング、ミシシ
ッピ、アメリカ合衆国)を用い、各種子について伝導率
を測定した。μアンペア(μA)として測定結果を表し
た。8時間浸漬後、生育可能性測定用の湿らせた発芽ブ
ロッターに種子を移した。既知の5つの生育可能、生育
不能および熱殺種子の浸出溶液に関する伝導率測定値を
無作為に選んだ。
オールドおよびニュー・ロットから無作為選択した400
の種子において生育可能性測定試験を行った。各種子ロ
ットについて2つの試験を行った。個々の種子を1mlのD
D水に8時間浸した。試験開始前に水を曝気した。各種
子から4つの測定結果、すなわち伝導率、浸出溶液の
色、浸出溶液吸光度および発芽状況を得た。次いで、各
種子からの浸出溶液の伝導率を前記と同様に測定し、種
子を湿らせた発芽ブロッターに移した。確実に各種子が
その浸出溶液により同定され得るように注意した。各浸
出溶液に、1mlの100ミリモルK3PO4を加え、溶液の色の
視覚的測定を行い、可視範囲における分光光度計を用い
ることにより、390nmでの吸光度を記録してシナピンの
測定を行った。シナピンの濃度は吸光度読み取り値に比
例したと仮定される(ブライアおよびレイチャート、19
84年、前出)。各漏出測定技術に関して、種子の生育可
能性を予測する分割係数を算出した。伝導率および吸光
度読み取り値については、ヒストグラム・セグメント方
法(HSM;ネオゲン・コーポレイション、ランシング、ミ
シシッピ、アメリカ合衆国)を用いて、両ロットおよび
両試験からの個々の種子のデータから分割係数を誘導し
た。また、溶液の色を予測的技術として使用し、黄色浸
出液は生育不能種子を示し、透明溶液は生育可能種子を
示すものとした。発芽試験は全てにAOSA規則従い実施さ
れた。種子および実生を正常、異常および生育不能の範
ちゅうに分類した。
結果および検討 熱殺および生育可能キャベツ種子のシナピンおよび電解
質漏出 時間推移試験は、HK種子が、生育可能種子よりも高い濃
度のシナピン(溶液pH7)を漏出することを示した(第
1図)。8時間の浸漬中、HK種子からのシナピン漏出
は、生育可能種子からの漏出(y=−.002+.006×O.D.
(光学密度)/種子/時、R2=.90**)よりも急勾配
の線形増加パターン(y=−.092+.069×O.D./種子/
時、R2=.98**)を呈した。試験された一生育不能種
子に関する漏出パターンは、HK種子と類似していたが、
漏出シナピン濃度は低かった。
8時間の浸漬後、HK種子(0.450 O.D)および生育不能
種子(0.270 O.D.)に関するシナピンの平均吸光度測定
結果は、生育可能種子(0.017 O.D.)の場合よりも各々
26および16倍高かった。HK(122μA)および生育不能
(58μA)種子処理に関する平均伝導率は、生育可能種
子(29μA)の場合よりも各々4倍および2倍しか大き
くなかった(第2図)。電解質漏出よりもシナピン漏出
による方が種子処理間の差異が大きいことは、生育不能
および生育可能種子間の区別が伝導率測定ではなくシナ
ピン漏出を用いた場合に明確に達成されることを示して
いる。
HKおよび生育可能種子の間に吸収パターンの差異が観察
された(第3図)。生育可能種子と比べると、HK種子は
水を速く多く吸収し、7時間の浸漬後には重量を失った
(第3図)。またラディッシュのHK種子は、生育可能種
子よりも高い吸収率を有し、多くの水を吸収することが
報告されており、これは恐らく水化に対する膜障壁が排
除されているためと考えられる(マーフィーおよびノー
ランド、1982年)。電解質漏出は、最初の3時間の浸漬
中HK(R2=0.98**)および生育可能(R2=0.98**)
種子処理の両方に関する吸収率と顕著な一次関係を示し
た。しかしながら、シナピン漏出は、どちらの種子処理
に関する吸収率とも関連性を示さなかった。HK種子が充
分に吸収されるまで、シナピンに関する急速な漏出状態
は生じなかった。シナピン漏出において観察されるこの
遅延状態は、環境への種子からの化合物の緩慢な拡散速
度に起因し得る。
可能な生育可能性試験としてのシナピンおよび電解質漏
出の検出 一連の実験を行うことにより、生育可能およびHK種子の
シナピン漏出間に検出される差異が、無作為に選ばれた
個々の種子の生育可能性を有効に区別し得るか否かを測
定した。次の実験ではHK種子は使用しなかった。異なる
程度に自然熟成させた2つの実生を使用した。オールド
・ロットの種子は、ニュー・ロットの種子と比べて、高
いパーセンテージの生育不能および異常種子割合並びに
胚軸生長の減少(72時間の浸漬後)を有する傾向を示し
た(第1表)。
続いて、両ロットの種子を発芽範ちゅうに分類し、第一
浸漬試験からの浸出溶液に関する伝導率およびシナピン
測定結果を第2表に示す。第二浸漬試験の結果は類似し
ていた(データは示さず)。各発芽分類において、ニュ
ー・ロットの種子に関する平均伝導率値は、オールド・
ロットの種子の場合よりも高かった。種子ロット間の伝
導率差異は単に種子重量差だけでは説明され得ないが、
ニュー・ロットに関する平均種子重量は、オールドの場
合よりも23%高かった(各々4.87mg/種子および3.74mg/
種子)。ニュー・ロットに関する伝導率値は、正常およ
び異常実生の場合よりも56%高く、死んだ種子の場合よ
りも35%高かった。ロット内およびロット間における正
常、異常および生育不能種子間の差異を比較するために
計算された比率(特定発芽分類の伝導率/正常発芽分類
伝導率)(ヘプバーン等、1984年、前出)は、異常分類
種子(1.3)が、生育不能種子(ニューおよびオールド
・ロットについて各々1.8および2.7)より密接に正常分
類種子(1.0)と関連性を有することを示した。エンド
ウおよび大豆の異常実生に関して似た結果が報告されて
いる(ヘプバーン等、1984年、前出)。
発芽分類間のより明確な区別は、伝導率読み取りよりも
388nmでの吸光度を測定することにより達成された。生
育不能種子に関する平均シナピン測定結果は、各々オー
ルドおよびニュー・種子ロットの正常種子の場合よりも
20〜30倍高かった。一般に、30またはそれより大きいシ
ナピン吸光度測定値を有する漏出液の場合、黄色が観察
され、シナピン濃度が増加すると色はさらに鮮明になっ
た。コショウソウ(レピディウ・サティブム・リンネ、
Lepidium sativum L.)の生育不能種子についても似た
黄色浸漬水反応が報告されている[ルサージュ1911、19
22、「コンプツ・ルンドュ・エプドマデール・ド・スア
ンス・ド・ラカデミー・ド・スィヤンス」(Comp. Rend
us)、152:615-617頁および74:766-767頁]。伝導率測
定結果とは異なり、種子分類全体を通じたシナピン測定
結果は種子ロットにより影響されなかった。
各種子ロットの2種の試験におけるこれら3つの分割
(partition)係数を用いることによる、個々の種子が
生育不能であるか否かの測定信頼性の結果を第3表に示
す。溶液の色および吸光度分割は、伝導率分割(28%)
よりも著しく高いパーセンテージ(各々76および72%)
の生育不能種子を検出した。明らかに、浸漬水中のシナ
ピンの検出の方が、伝導率分割よりも生育不能種子を明
確に予測した。
各試験において試験された個々の試験間で発生したエラ
ーの頻度およびタイプは、異なる予測方法が異なるタイ
プのエラーを生じやすいことを示した(第4表)。ある
方法により種子が生育不能であると予測されたにも拘わ
らず種子が発芽した場合をエラーIの発生とした。ある
方法により種子が生育可能であると予測されたのにそれ
が発芽しなかった場合をエラーIIの発生とした。全試験
における個々のエラー割合は5%またはそれ未満であっ
たが、シナピン漏出方法は、伝導率分割よりもエラーI
の発生は多く、エラーIIは少ないという傾向を示した。
シナピン漏出方法の場合、ニュー・ロットよりもオール
ド・ロットに関する試験において生じたエラーIIは少な
かった。溶液着色および吸光度分割方法においてエラー
Iの割合が高い理由は、発芽する種子の中には、これら
の方法により検出されるのに充分な高い濃度で異常に溶
質を漏出するものがあることであった。生育不能として
予測された異常種子のパーセンテージ範囲は、33〜79%
であった。伝導率方法により生育不能であると予測され
た異常種子は、さらに少なかった。
オールド・ロット種子の生育可能予測においてエラーII
の頻度が高いのは、浸漬試験の長さとこれらの種子が付
された熟成の程度との間の相互作用に起因するものと説
明され得る。オールド・ロット種子は、ニュー・ロット
種子よりも酸素欠乏および浸漬損傷による損害を被りや
すかった可能性がある。補足的酸素供給を行わない8時
間の浸漬(ただし、浸漬開始前に水を曝気した)が原因
で、オールド・ロットにおける種子の中には死に至った
ものもあり得る。このタイプの種子の死は、溶質または
電解質漏出の増加によっては達成されなかった可能性が
ある。
蛋白質、糖および他の巨大分子の存在と結合した漏出液
中の多量の電解質は、幾つかの種類の種子における重度
の膜劣化と関連性を示した[ポーウェルおよびマチュー
ズ、1977年、「ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル
・ボタニー」(J. Exp. Bot.)、28:277-336頁、シェッ
トレおよびレオポルド、1984年、前出、マッカーシーお
よびスチンソン、1980年、前出]。吸収中における穀物
豆果の子葉表面での細胞崩壊は、詳細に報告されている
(スパエスおよびヒューズ、1987年、前出)。細胞膜が
非機能性であり(ポーウェルおよびマチューズ、1981
年、前出、レオポルド、1980年、前出)。正常な物質保
持能力を失っているため、シナピンは、HKおよび生育不
能キャベツ種子からは多量に漏出するが、生育可能キャ
ベツ種子からは漏出しない。すなわち、シナピンの漏出
差異をマーカーとして使用することにより、膜劣化によ
り生育不能であるキャベツおよび類似種子を同定するこ
とができる。この試験は、単に溶液pHを>10に高めるこ
とにより、分光光度計を使用せずに種子浸漬水における
シナピンの存在が検出され得ることを示す。溶液は黄色
になり、その強さは化合物濃度に左右される。浸漬水中
におけるこの物質の存在はまた、UV光により検出され得
る。これらの技術の両方により、単一種子法に基づく生
育不能キャベツおよび類似種子の迅速で安価で正確な検
出が可能となる。この溶液着色技術は、各ロットに関す
る分割係数を展開する必要性が回避され、高価な検出用
装置が要求されず、僅か数分あれば100個の種子に関す
る結果を読取れるため、他の生育可能性測定方法よりも
優れている。
実施例3 これらの試験の目的は、第一に、アブラナ科からの6品
種の水和および漏出特性を定量すること、第二に、個々
の種子から漏出するシナピンを吸着する種子コーティン
グ・システムを開発すること、第三に、温室試験におい
て非被覆、被覆および蛍光区分した被覆種子を蒔くこと
による実生の生長特性を比較することであった。
材料および方法 この試験は、園芸学的かつ農業経済学的アブラナ属を代
表する5種の作物並びに1種の花により構成された。合
計6種の種子ロット(品種)が試験された。
各種子ロットから得た試料において、劣化制御を行うこ
とにより、水和および漏出試験のみのために種子を熟成
させた。種子を45℃で48時間水分20パーセントでインキ
ュベーションしたが、これは最初の方法の修正法である
[マチューズ、1980年、「シード・プロテクション」
(Seed Protection)中(ハブルワイズ編)、バターワ
ース‐ロンドン、647-661頁]。20-30℃で各々50種子か
ら成る4複製において標準発芽試験を実施した[「アソ
シエーション・オブ・オフィシアル・シード・アナリシ
ス」(Assoc. Off. Seed Anal.)、1981年]。
25℃で非劣化および劣化種子をH2Oに浸すことにより水
和試験を行った。各種子ロットから得た0.5グラム試料
の4複製を用いた。1、2、4および6時間後に測定結
果を記録した。25℃で非劣化または劣化種子の0.2g試料
の4複製を10mlのH2Oに浸すことにより、漏出試験を行
った。さらにニオイアラセイトウを希釈し、種子の0.2g
試料を20mlのH2Oに浸した。322nmで浸漬水の吸光度を観
察し、スペクトロニック601分光光度計(ミルトン‐ロ
イ・カンパニー)を用いて2、4、6、8、10および12
時間後に記録した。デニッシュ・ボールヘッドは、殺菌
剤および染料で市販用に処理されていたため、吸光度試
験には適していなかった。
水和した種子からの漏出を吸着する種子コーティングを
生成するために予備試験を行った。種子の30グラム試料
(バッチ)、20グラムのオレンジ・ベターについて次の
方法を実施した。4つの別々のバッチを被覆し、各バッ
チを複製とみなした。種子の30グラム試料を25℃で4時
間曝気したH2Oに浸すか、または20℃で24時間−1.5MPa
ポリエチレングリコール(PEG)8000曝気溶液にプライ
ム(prime)した。各カラムの基部にエアーストーンを
有する5×25mmガラス製カラムにおいて曝気浸漬処理を
行った。浸漬処理後、種子をリンスし、過剰の水分を吸
い取り除去した。
次いで、水和した種子を回転沈澱パン(ケミカル・アン
ド・ファーマシューティカル・カンパニー)に移した。
ペル‐ゲル(ナイトロジェン・コーポレイション)の10
%(重量/体積)溶液を結合剤として使用した。溶液を
ろ過し、結合剤のpHを1N−KOHでpH7に調節した。サイラ
ムを、土壌伝播性病原体に対する化学的保護剤として結
合剤に混入させた。コーティングの固体部分または充填
剤は、3:1(重量/重量)のセルロース(100マイクロモ
ル、シグマ・ケミカル)および微細石英砂(<140メッ
シュ、ペンシルベニア・サンド・アンド・グラス)から
成る混合物を成分としていた。種子バッチ1つ当たり、
次の量の材料、すなわち5−8mlの結合剤および2.0-2.5
gの充填剤を使用した。別法として、結合剤および充填
剤をコーティング工程中に適用した。[スーターおよび
ミリアー、1978年、「アメリカ・ソサイアティ・オブ・
アグリカルチュラル・エンジニアリング」(Am. Soc. A
g. Eng.)、21:1034-1039頁]。
被覆後、種子を乾燥し、UV光下で観察した。次いで、被
覆種子を非蛍光性および蛍光性の2つの範ちゅうに区分
し、蛍光を発する種子のパーセンテージを記録した。発
芽試験において4種の種子処理物を試験した。非被覆種
子を対照として使用し、これらの種子については水和し
なかった。残りの3種の処理物を被覆し(区分せず)、
被覆種子を2つのフラクション、すなわち蛍光性および
非蛍光性に区分した。人工土壌媒質(コーネル・ミック
ス)を含むフラットに、各処理から得られた50種子から
成る4複製を潘種し、温室中で維持した。潘種の7〜10
日後、実生を正常、弱正常、異常または死亡に分類し
た。種子試験規則[「アソシエーション・オブ・オフィ
シアル・シード・アナリシス」(Assoc. Off. Seed Ana
l.)、1981年]から正常および異常の分類法を採用し
た。弱正常実生は、正常実生よりも生長状態は劣った
が、異常な実生生長は示さなかった。死亡種子は、試験
経過中に発芽しない種子であった。非被覆種子からの全
正常(正常+弱正常)実生の発芽と、被覆種子または非
蛍光種子からの発芽を各種子ロットについて比較した。
25℃で水に4時間種子を浸漬した場合と、20℃で24時間
−1.5MPa PEGにより種子をプライムした場合とを実生生
長能力について比較した。
結果 6種子ロットからの非劣化および劣化種子の発芽データ
を第6表に示す。正常実生パーセントは、種子ロット間
で移動し、非劣化処理の場合74〜98の範囲であった。デ
ニッシュ・ボールヘッドは、他の種子ロットと比べて最
も高いパーセンテージの異常実生を有した。死亡種子パ
ーセントは1〜21の範囲であり、異常実生パーセント
は、死亡種子と相関関係を示さなかった(r=0.25)。
劣化制御(CD)処理は、全種子ロットにおいて種子品質
を甚だしく低下させた。サイテイションは最も強い種子
ロットであり、CD後に47パーセントの正常実生を有して
いた。キング・コールおよびスノーボールは中間であ
り、CD後に各々70および87.5パーセントの死亡種子を含
んでいた。残り3種の種子ロットには正常実生は報告さ
れなかった。
水和試験を行うことにより、充分な吸収が行われる時間
の長さを測定した。6種の種子ロットは全て同様に水を
吸収し、6時間浸漬後の重量パーセントの範囲は60〜95
であった(第4図)。種子ロットによっては、4時間の
浸漬後には測定された重量増加の≧90パーセントを吸収
していた。種子ロット内の非劣化および劣化処理間には
僅かの差異しか観察されなかった。
非劣化および劣化種子の両方の大量試料において漏出試
験を行った。非劣化種子は、同じ種子ロット内の劣化種
子よりも漏出が少なかった。非劣化処理間では、キング
・コール・スノーボールおよびサイテイションは、他の
種子ロットよりも漏出が少なかった(第5図)。オレン
ジ・ベダーは、非劣化および劣化処理内における他の種
子ロットよりも漏出が多かった。劣化および非劣化処理
間の漏出差異の大きさは、種子ロット間で変動し、4時
間浸漬後には1.4〜4.0倍の増加範囲であった。
種子を被覆し、乾燥し、次いでUV光下で分類した。観察
された蛍光性種子パーセントを記録した(第7表)。蛍
光パーセントは2.2〜32.9の範囲であり、一般に非劣化
種子から記録された死亡種子パーセントよりも大きかっ
た(第6表)。蛍光パーセントは、発芽結果からの死亡
種子パーセントと正の相関関係を示した(r=0.79
*)。プライムした種子の蛍光パーセンテージは、水に
吸収させた処理の場合よりも僅かに少なかった。
非被覆(対照)、被覆、非蛍光および蛍光種子を温室で
播種した。正常、弱正常、異常実生および死亡種子のパ
ーセントを各種子ロットについて記録した(第8表)。
6種子ロットのデータから全体的傾向が観察された。非
蛍光処理の場合、他の処理の場合と比べて正常実生のパ
ーセンテージは高く、異常実生および/または死亡種子
のパーセンテージは低かった。蛍光処理の場合、他の処
理よりも高いパーセンテージの死亡種子を含み、実生品
質は劣っていた。蛍光フラクションからは、低いパーセ
ンテージの正常実生が生じた。
非被覆種子から得られた全正常実生を、被覆または非蛍
光処理実生と比較した。コーティング処理により、両キ
ャベツ種子ロットにおける実生発芽は改善されたが、被
覆オレンジ・ベダーは非被覆種子よりも低い発芽パーセ
ントを示した(第9表)。
予備試験において湿ったブロッター上で被覆ニオイアラ
セイトウ種子を発芽させた後、微生物生長が観察され
た。各種子ロットにおいて非蛍光種子は一貫して非被覆
種子を凌ぎ、改善は全正常実生の6〜23パーセントの範
囲に及んだ。4時間浸漬種子および24時間プライム種子
間で生長能力の差異は検出されなかった(第10表)。
検討 3種の園芸的アブラナ属、1種の農業経済学的アブラナ
属および1種の花種を代表する5種の作物を試験した。
種子ロットは全て許容し得る発芽値を有し、3種の種子
ロットは90パーセントを越える正常実生を生じた(第6
表)。劣化制御(CD)処理は生育可能性を大きく低下さ
せ、3種の種子ロットは正常実生を生じなかった。CDの
前後に行われた標準発芽試験からの結果は、3種の高品
質種子ロット、すなわちキング・コール、スノーボール
およびサイテイション、並びに3種の中品質ロット、す
なわちデニッシュ・ボールヘッド、ウェスターおよびオ
レンジ・ベダーを明らかにした。
時間をかけて吸収をモニターし、重量増加パーセントと
して記録した(第4図)。種子組成(蛋白質含有量)に
関連性を有し得る増加パーセントは種子ロット間で変動
した[レオポルド、1983年、「プラント・フィジオロジ
ー」(Plant Physio.)、73:677-680頁]。水分取り込
みパターンは全種子ロットにおいて類似しており、一次
反応速度論に適合すると思われる。この傾向は、他の種
類に関して報告された水分取り込みの反応速度論と一致
している(レオポルド1983年、前出)。
322nmでの浸漬水の吸光度は、溶液中のシナピン濃度に
直接比例していると仮定された。経時的試験は、シナピ
ン漏出における全般的一次増加を明らかにし、非劣化種
子は劣化種子よりも漏出が少なかった(第5図)。高品
質(非劣化)種子ロットはシナピンを殆ど漏出せず、こ
れは死亡種子のパーセンテージが低いためであった。種
子ロット間における漏出の差異は、種子サイズ、種子組
織透過性または種子におけるシナピン濃度に起因し得
る。
シナピン漏出パターンを第5図に示す。シナピンは熱殺
キャベツ種子から線形パターンで漏出し、既知生育可能
種子からは低レベルが測定された。種子浸漬水の電気伝
導率により測定したところ、シナピン漏出の速度論は電
解質漏出の場合とは異なっていた。電解質は、初期の吸
収中に急速に漏出することが報告されており、その後速
度は減少する[ポーウェル、1986年、「ジャーナル・オ
ブ・シード・テクノロジー」(J. Seed Tech.)、10:81
-100頁]。
種子生育可能性と関連したシナピン漏出の差異を利用す
る種子コーティング・システムを開発した。まず種子
を、低品質種子に高レベルのシナピンを漏出させる水和
処理に付した。予備試験は、曝気水中での4時間浸漬が
種子吸収および漏出開始に適当であることを示した。種
子はまたPEG水溶液中でプライムされ得、これらの種子
を浸漬またはプライムした場合、生育能力の差異は観察
されなかった(第10表)。
水和種子をバッチ・プロセスにおいて被覆し、シナピン
を吸着する物質を適用した。細かく粉砕したセルロース
を吸着剤として使用したが、また酸化アルミニウムは最
初の試験において首尾よく試験された。砂を加えてコー
ティングの重量および密度を増加させた。ペル−ゲルの
10パーセント溶液を結合剤として使用した。pH値をpH7
に調節することにより、シナピンのアルカリ性または酸
性加水分解を阻止した(ダーキーおよびシビアージ、19
75年、前出)。
発芽試験を行って、非被覆、被覆および区分被覆;非蛍
光および蛍光処理の生育能力を評価した。被覆種子の区
分は、種子品質プロフィールに多大な影響を与えた。全
正常実生パーセントは、全種子ロットにおいて非被覆対
照よりも非蛍光処理において高かった(第9表)。蛍光
による区分後種子品質は改善されたが、小パーセンテー
ジの異常実生および/または死亡種子が非蛍光処理から
記録された(第8表)。異常実生を生じる種子または死
んだ種子は、正常実生を生ずる種子よりも各々1.8およ
び30.5倍高いシナピンを漏出することが示された。すな
わち、異常実生は漏出のレベルが低いため検出されなか
った可能性がある。死亡種子は全て幾つかの理由により
検出されなかった可能性がある。シナピン拡散速度に影
響する種皮透過性は、種子の集団において異なり得る。
この方法では、コーティング技術はシナピンを遮らない
ため、死亡種子は非蛍光として現れる。1パーセンテー
ジの種子は休止状態にあり、まだ生育可能であった可能
性がある[「アソシエーション・オブ・オフィシアル・
シード・アナリシス」(Assoc. Off. Seed Anal.)、19
81年]。これらの種子は生育可能であったため漏出しな
いが、それらはまた、休止状態であるため発芽しない。
蛍光フラクションは最高のパーセンテージの低品質種子
を含んでいた(第8表)。小パーセンテージの正常実生
(≦5%)は蛍光処理において記録された。蛍光種子を
捨てると、種子ロットからは0.02(スノーボール)〜1.
6(オレンジ・ベダー)パーセントの正常実生が除かれ
るだけである。すなわち、この技術は、高品質種子をあ
まり喪失せずに、異常実生および死亡種子のパーセンテ
ージを減少させることにより種子品質を向上させ得る。
本発明の実施態様は以下の通りである。
(1)生育不能の指標であるシナピン漏出の検出を含
む、アブラナ科(crucifer)種子の生育能力の測定方
法。
(2)種子を充分な時間水性媒質に浸すことにより、生
育不能種子からのシナピン漏出を促す方法。
(3)シナピンを吸収する不活性または有益なコーティ
ングで種子を被覆することにより、生育不能種子の検出
を促進する方法。
(4)セルロース基剤のコーティングにより種子を被覆
する方法。
(5)種子コーティングがシナピンの粒状吸収剤を含む
ものである方法。
(6)蛍光測定法によりシナピン漏出を検出する方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、熱殺した種子および生育可能種子および単独
の生育不能種子からの322nmで吸収する化合物に関する
漏出の時間推移を示すグラフである。 第2図は、熱殺、生育不能および生育可能種子からの電
解質漏出の時間推移を示すグラフである。 第3図は、熱殺および生育可能種子に関する吸収中の重
量増加を示すグラフである。 第4図a−fは、異なる種子ロットから得られた非劣化
および劣化種子の吸収特性を示すグラフである。aはデ
ニッシュ・ボールヘッド、bはキング・コール、cはス
ノーボール、dはサイテイション、eはウエスター、f
はオレンジ・ベダーを示す。 第5図a−fは、異なる種子ロットから得られた非劣化
および劣化種子からの浸出液の吸収を示すグラフであ
る。aはデニッシュ・ボールヘッド、bはキング・コー
ル、cはスノーボール、dはサイテイション、eはウエ
スター、fはオレンジ・ベダーを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クエ―リン・フアング 中華人民共和国グアングツオウ、ツオング シャン・ユニバーシティー(番地の表示な し) (72)発明者 タイ―ジ・ミン アメリカ合衆国14456 ニューヨーク、ジ ェネバ、キャッスル・ストリート 300番 (56)参考文献 J.Expt,Bot,Vol.39,N o.207,P.1439〜1447(1988年10月発 行)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生育不能の指標であるシナピン漏出の検出
    を含む、アブラナ科(crucifer)種子の生育能力の測定
    方法であって、以下の段階を含む、 (i)生育不能種子からのシナピン漏出を促すに十分な
    時間、種子を水性媒質に浸すこと、 (ii)水性媒質から分離することにより得られた水和し
    た種子を、シナピンを吸収する不活性または有益なコー
    ティングで被覆し、これにより生育不能種子の検出を促
    進すること、及び (iii)被覆した種子から漏出するシナピンの量を検出
    すること。
JP1274777A 1988-10-19 1989-10-18 種子生育能力の測定法 Expired - Lifetime JPH0681562B2 (ja)

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US259,688 1981-05-01
US07/259,688 US4975364A (en) 1988-10-19 1988-10-19 Determining seed viability

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JPH02150206A JPH02150206A (ja) 1990-06-08
JPH0681562B2 true JPH0681562B2 (ja) 1994-10-19

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DE68914770D1 (de) 1994-05-26
NZ231030A (en) 1990-10-26
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