JPH0681880A - ショックアブソーバの減衰力切替機構 - Google Patents

ショックアブソーバの減衰力切替機構

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Publication number
JPH0681880A
JPH0681880A JP23489692A JP23489692A JPH0681880A JP H0681880 A JPH0681880 A JP H0681880A JP 23489692 A JP23489692 A JP 23489692A JP 23489692 A JP23489692 A JP 23489692A JP H0681880 A JPH0681880 A JP H0681880A
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JP
Japan
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damping force
piston
displacement
thermal expansion
piezoelectric body
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Pending
Application number
JP23489692A
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English (en)
Inventor
Takehiro Watarai
武宏 度会
Hirokatsu Mukai
寛克 向井
Shinro Oda
真郎 織田
Tetsushi Hayashi
哲史 林
Junji Moriwaki
淳二 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成でありながら、切替可能な減衰力
の幅も大きく設定可能であり、熱膨張差による減衰力変
化を抑制可能なショックアブソーバの減衰力切替機構を
提供すること。 【構成】 積層型圧電体27を伸張させると、第1ピス
トン30を介して、第2ピストン40は積層型圧電体2
7の変位分だけ軸線方向に押し下げられる。そのため、
たわみ板45は、初期たわみ状態よりさらに内方にたわ
み、油通路の流路面積を減少させる。この場合のたわみ
量は、積層型圧電体27の変位に対して10〜25倍程
度に拡大されたものとなる。そして、積層型圧電体27
の線膨張係数と、ハウジング17等の線膨張係数とが異
なり、作動油の温度上昇等の影響で、両者の間の熱膨張
度合に差が生じたとしても、第1ピストン30の線熱膨
張係数は大きいため、その熱膨張度合も大きく、両者間
の熱膨張差を吸収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧電体の変位を変位拡
大機構を用いて拡大し、その拡大した変位により油通路
の流路面積を変化させて減衰力の切替を行なうショック
アブソーバの減衰力切替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に搭載され、車両の走
行状態や姿勢変化に応じて減衰力を切替可能なショック
アブソーバの減衰力切替機構として、シリンダと摺動自
在に嵌合するピストンにより区画された上下2つの油室
を連通する油通路に介装された減衰力切替用バルブを移
動させることにより、油通路の流路面積を変化させて減
衰力の切替を行なうものが知られている。
【0003】そして、この減衰力切替バルブを移動させ
る機構として、ピエゾ素子等の圧電体をアクチュエータ
に用いたものが知られている。圧電体は、印加された電
圧に対して極めて応答性よく伸縮を起こすため駆動源と
しては好適であるが、変位が極めて微小である。例え
ば、100枚程度の円盤状圧電体を積層して構成した積
層型圧電体でも変位が数10ミクロン程度であるため、
実用段階では変位を拡大して利用されている。
【0004】この積層型圧電体の微小変位を拡大するた
めの機構として従来用いられていたのが、いわゆるパス
カルの原理を用いた拡大機構である。これは、積層型圧
電体の伸縮により駆動される大断面積のピストンの変位
を、作動油を介して小断面積のピストンに伝達し、その
断面積比に相当する変位に拡大するというものである
(例えば、特開平1−312283号の「圧電体アクチ
ュエータを備えた油圧切換弁」等参照)。これにより、
数10ミクロンの積層型圧電体の変位が、1ミリ程度の
変位として小断面積のピストンより得られる。この小断
面積ピストンにより減衰力切替バルブを移動させ、上下
油室を連通させたり非連通とさせたりすることにより減
衰力の切替を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た積層型圧電体と変位拡大機構とを組み合わせた従来例
では、減衰力切替機構に加えて、パスカルの原理を用い
た変位拡大機構を備えており、それらはどちらも精密構
造を有する。その従来の変位拡大機構においては油もれ
を極力少なくしたシリンダとピストンを用いるが、それ
でもシリンダ内の作動油が漏れ出すと、元々1ミリ程度
の変位しかない小断面積ピストンのストロークが減少し
てしまい、正常な切替動作ができなくなってしまう。
【0006】そのため、シリンダ内からの作動油の流出
を補償するためのチェック弁機構を設け、シリンダ内の
作動油が不足したときにはチェック弁を介してシリンダ
内に給油する必要があり、その結果、構造が複雑になっ
てコストアップにもつながっていた。
【0007】さらに、変位の拡大率は大断面積のピスト
ンと小断面積のピストンとの断面積比で決まるため、例
えば30倍の拡大率を得るためには断面積比も30倍に
する必要がある。従って、必ず小断面積ピストンと、そ
のの30倍の断面積を持つ大断面積ピストンが必要とな
り、また小断面積のピストンの大きさも極端には小さく
できないため、必然的に拡大機構の所要スペースも大き
くなってしまう。
【0008】また、通常、積層型圧電体の線膨張係数
と、積層型圧電体の外周に配置される部材、特にハウジ
ングの線膨張係数とは異なることが多く、作動油の温度
上昇等の影響で、両者の間の熱膨張度合に差が生じ、拡
大率変化=減衰力変化を引き起こすという問題もある。
【0009】そこで本発明は、簡易な構成で所要スペー
スも相対的に小さくすることが可能であり、切替可能な
減衰力の幅も大きく設定可能であると共に、熱膨張差に
よる減衰力変化を抑制可能なショックアブソーバの減衰
力切替機構を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のショックアブソーバの減衰力切替機構は、シ
リンダと摺動自在に嵌合するピストンにより区画された
2つの油室を連通する油通路を備え、該油通路の流路面
積を変化させることによって減衰力を切り替え可能なシ
ョックアブソーバの減衰力切替機構であって、印加され
た電圧に応じて伸縮する圧電体により駆動され、シリン
ダ軸方向に摺動可能な摺動部材と、平板状に形成され上
記摺動部材の摺動方向と略平行にされており、その一端
は位置が固定され他端は上記摺動部材に当接し、かつ、
上記圧電体への非印加状態時において、上記油通路の流
路面積を減少させる側へ初期たわみが生じるように配置
された、弾性を有する切替用たわみ板と、を有し、さら
に、上記圧電体と上記摺動部材との間に、上記圧電体の
変位を上記摺動部材へ伝達すると共に、上記圧電体及び
その外周に配置された部材よりも大きな線熱膨張係数を
持ち、両者間の熱膨張差を吸収する変位伝達部材を備え
たことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明のショックアブソーバの減衰力切替機構
によれば、電圧を印加して圧電体を伸張させると、変位
伝達部材を介して圧電体の変位が摺動部材へ伝達され、
摺動部材がシリンダ軸方向に摺動する。そして、その摺
動部材に押圧された切替用たわみ板は、摺動部材に当接
している側の端が他端に近づく。このように両端間の距
離が短くなることによって、切替用たわみ板は、初期た
わみが生じていた側にさらにたわみ、油通路の流路面積
を減少させる。このように、流路面積が減少することに
よって減衰力を高めることができる。
【0012】そして、圧電体の線膨張係数と、圧電体の
外周に配置される部材の線膨張係数とが異なり、作動油
の温度上昇等の影響で、両者の間の熱膨張度合に差が生
じたとしても、変位伝達部材は、圧電体及び外周部材よ
りも大きな線熱膨張係数を持ち、熱膨張度合も大きいの
で、両者間の熱膨張差を吸収する。従って、拡大率変化
=減衰力変化を抑制することができる。
【0013】なお、電圧の印加をやめると圧電体は元の
状態に復帰し、それに伴い、切替用たわみ板は、自身の
弾性復元力によって元の初期たわみ状態に復帰する。こ
こで、切替用たわみ板の両端の距離が短くなった変位
と、切替用たわみ板のたわみ量との関係、すなわち変位
拡大率に関して説明する。まず、たわみ板を円弧の一部
と仮想し、その変位拡大率k1を図7(A)を参照して
説明する。初期たわみ状態(図中記号aで示す。)での
曲率半径をR、円弧の両端間の直線距離が変位△xだけ
短くなった後(図中記号bで示す。)の曲率半径をrと
し、円弧の中心部の変位分をk1・△xとすると、図7
(A)に示す幾何学的関係より、変位拡大率k1は、次
式のように示される。
【0014】
【数1】
【0015】そして、変位△x=0.025mmとした
場合の、曲率半径R及び図7(A)中の角度θと変位拡
大率k1との関係を示すグラフを図7(B)に示す。こ
のグラフからも判るように、円弧と見なした場合には、
20倍程度までの拡大率が得られる。
【0016】次に、たわみ板の中央付近のたわみ度合が
他の部分より大きい場合のように、三角形で近似可能な
場合の変位拡大率k2を図8(A)を参照して説明す
る。初期たわみ状態(図中記号cで示す。)から、両端
間の直線距離が変位△xだけ短くなった後(図中記号d
で示す。)の中心部の変位分をk2・△xとすると、図
8(A)に示す幾何学的関係より、変位拡大率k2は、
次式のように示される。
【0017】
【数2】
【0018】そして、△x=0.025mm、L=20
mmとした場合の、図8(A)中の角度θと変位拡大率
k2との関係を示すグラフを図8(B)に示す。このグ
ラフからも判るように、三角形と見なした場合には、2
5倍程度までの拡大率が得られる。
【0019】このように、圧電体の微小変位を切替用た
わみ板により拡大し、その切替用たわみ板により流路面
積の変更を行なうため、簡易な構成で所要スペースも相
対的に小さくすることが可能でありながら、十分な変位
拡大率も得られ、切替可能な減衰力の幅も大きく設定可
能であり、さらに、変位伝達部材によって、熱膨張差に
よる減衰力変化を抑制可能である。
【0020】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。本実
施例では、車輪と車体との間にコイルスプリングと共に
併設される減衰力可変型のショックアブソーバに利用し
た例を示す。図1は本実施例のショックアブソーバの減
衰力切替機構の細部を示す断面図、図2はショックアブ
ソーバの一部破断断面図である。
【0021】ショックアブソーバSAは、図2に示すよ
うに、シリンダ3側の下端にて車軸側部材5に固定さ
れ、一方、ロッド7側の上端にてベアリング9及び防振
ゴム11を介して車体側部材13に固定されている。シ
リンダ3内には、ロッド7が嵌挿されており、このロッ
ド7の下端には、中空の内部シリンダ15が連設されて
いる。そして、この内部シリンダ15には略円筒形のハ
ウジング17が螺合され、ハウジング17の下端には、
シリンダ3内をその内周面に沿って摺動自在なメインピ
ストン20が螺合されている。
【0022】メインピストン20の外周はOリング19
によってシールされており、このメインピストン20に
よって、シリンダ3内は、上方の油室21と下方の油室
23とに区画され、シリンダ3内に充填されている作動
油が上下2つの油室21,23に分離される。
【0023】従って、メインピストン20がシリンダ3
内部を図中矢印A,Bで示す軸方向に摺動する場合に
は、上油室21及び下油室23内部の作動油がこのオリ
フィス20aを通って相互に流動することとなり、この
オリフィスの流路断面積によって、制御していない時の
ショックアブソーバSAの減衰力が決定される。尚、こ
のオリフィス20aを通ってのみ作動油が流動するとき
の減衰特性は、流路断面積が比較的小さくその流量も少
ないために、減衰力大(ハード)の特性となる。
【0024】一方、内部シリンダ15とハウジング17
とで形成された中空部には、その上端から、ショックア
ブソーバSAに作用する力の大きさを検出するピエゾ荷
重センサ25、ピエゾ荷重センサ25の下端に当接する
積層型圧電体27、そして積層型圧電体27の下端に当
接する変位伝達部材としての第1ピストン30が順番に
内蔵されている。
【0025】また、ハウジング17の中央部には、第1
ピストン30の摺動突起30aが摺動可能な摺動孔24
を有する仕切り部26が設けられている。第1ピストン
30は、仕切り部26との間にプリセットスプリング3
5を挟み、かつ摺動突起30aを摺動孔24に挿通した
状態で配置されている。プリセットスプリング35は押
しつぶされた状態で設置され、第1ピストン30を介し
て積層型圧電体27に押圧力を加えている円板状のスプ
リングである。
【0026】なお、第1ピストン30の摺動突起30a
とハウジング17の仕切り部26との間には、Oリング
37が設けられており、作動油が、積層型圧電体27の
方に浸入しない構造となっている。仕切り部26を挟ん
で積層型圧電体27を反対側には、本発明における摺動
部材としての第2ピストン40、ベース43、エンドロ
ッド48、切替用たわみ板(以下単にたわみ板と言
う。)45等が収納されている。第2ピストン40は、
円盤形状にされており、ハウジング17の内周に沿って
軸線方向に摺動可能にされている。
【0027】たわみ板45は長方形の板状で、たとえ
ば、ばね用鋼板で製作されている。本実施例では、たわ
み板45を2枚使用しているが、1枚や3枚以上でも本
構造は同様に成立する。このたわみ板45は、第2ピス
トン40とベース43の下部に設けられたつば部44と
の間に、予めその中央部分を内方に少したわまされた状
態で挟み込まれている。
【0028】つば部44に、たわみ板45の端部の位置
決めをするための係合溝44aが設けられている。本実
施例では、図4(A)に示すように、たわみ板45の端
面と係合溝44aの底部が曲面状に形成されており、た
わみ板45の端面を支点としてたわみ板45自身が揺動
し易くされている。一方、図4(B)に示すように、第
2ピストン40にも同様の係合溝40aが設けられてお
り、その係合溝40a及び係合するたわみ板45の端面
も曲面状にされている。
【0029】ここで、たわみ板45に初期たわみを与え
る方法を説明する。本実施例では、エンドロッド48の
外周にねじが形成されており、ハウジング17の下端よ
りエンドロッド48をねじ込んでいくことができる。そ
して、ベース43は、エンドロッド48上に載置されて
いるだけなので、エンドロッド48をねじ込んでいく
と、第2ピストン40とベース43のつば部44との距
離が短くなるので、たわみ板45をたわませることがで
きるのである。また、たわみ板45のたわみ量が所望の
状態となったところでエンドロッド48の位置を固定す
るために、ロックナット47が設けられている。
【0030】ベース43は、図1のC−C断面図である
図3にも示すように、たわみ板45を配置する部分が平
面状に形成されており、たわみ板45の中央付近と対向
する位置に開口する横穴51が設けられている。そし
て、この横穴51に連通し、軸線方向に延びてベース4
3の下端に開口する縦穴53が設けられている。本実施
例では、2枚のたわみ板45がベース43を挟んで対向
するように配置されており、両方の横穴51同士が連通
している。
【0031】また、エンドロッド48にも、軸線方向に
貫通孔46が形成されており、ハウジング17にエンド
ロッド48をねじ込んだ際、上記ベース43の縦穴53
とエンドロッド48の貫通孔46とが連通するように位
置する。また、作動油がベース43の縦穴53よりエン
ドロッド48の貫通孔46を通って流れていく際、漏れ
出さないよう、ベース43とエンドロッド48との間に
は、Oリング49が設けられている。
【0032】一方、ベース43の上端部には、エンドロ
ッド48をねじ込む際、たわみ板45が捻れないで第2
ピストン40と一緒に回転するように、四角断面の位置
決め用突起55が設けられている。そして、第2ピスト
ン40には、その位置決め用突起55が係合する四角穴
41が設けられている。
【0033】さらに、第2ピストン40が移動する際じ
ゃまにならないように、位置決め用突起55と四角穴4
1の底との間には、少し隙間が設けられている。但し、
エンドロッドをねじ込むとき、たわみ板がねじれないよ
うに治具等を工夫して組み付ければ、この位置決め用突
起55は無くても構わない。
【0034】上述した構成において、第1ピストン30
は、アルミニウム等、線膨張係数の大きな材料で製作さ
れている。本実施例ではアルミニウムを用いており、そ
の線膨張係数は約23×10-6/Kである。一方、ハウ
ジング17等、第1ピストン以外の部材は強度等を考慮
して、鉄鋼材で製作されている。そのため、線熱膨張係
数は約10.7×10-6/K(中炭素鋼)となる。な
お、積層型圧電体27の線熱膨張係数は、約4×10-6
/Kである。
【0035】本ショックアブソーバSAは、車両のいず
れか一車輪が、例えば凹部を通過しようとする時、その
衝撃を減衰力センサ25にて感知し、車両が凹部を通過
しようとしていることを図示しないECUに知らせ、積
層型圧電体27に電圧を印加する周知のシステムとなっ
ている。従って、本ショックアブソーバSAは、車輪が
凹部または凸部を通過する時には、即時、積層型圧電体
27に電圧が印加されるものとする。
【0036】次に、上記構成のショックアブソーバSA
の作動について説明する。最初に、作動油の流れについ
て簡単に説明しておく。今、車輪が凹部を通過しようと
しているものとする。車輪が凹部を通過する時は、図1
に示すシリンダ3の位置がメインピストン20の位置に
対し、相対的に図中B方向へ急激に下がる。即ち、メイ
ンピストン20によって上油室21と下油室23とに分
けられているシリンダ3内の作動油は、その上油室21
の体積が小さくなるため、その急激な体積変化について
いけず、上油室21の圧力が下油室23のそれに比べ上
昇する。
【0037】このとき、ハウジング17に設けられた連
通孔60を通ってハウジング17内部に流れ込んできた
上油室21の高圧作動油は、たわみ板45とベース43
との間を通って横穴51に流れ込む。そして、作動油は
縦穴53、エンドロッド48の貫通孔46を順次通っ
て、下油室23へ流れ込む。このように高圧となった上
油室21の作動油が徐々に下油室23に流れ込むことに
より、上油室21の圧力は徐々に下がっていく。
【0038】逆に、車輪が凸部を通過する時は、図1に
示すシリンダ3の位置がメインピストン20の位置に対
し、急激に相対的に図中A方向へ上がる。即ち、メイン
ピストン20によって上油室21と下油室23とに分け
られているシリンダ3内の作動油は、その下油室23の
体積が小さくなるため、その急激な体積変化についてい
けず、下油室23の圧力が上油室21のそれに比べ上昇
し、上述の作動油の流れとは逆に流れる。
【0039】次に、上述したように作動油が流れる際
の、減衰力の切替について説明する。車輪の凹部通過に
伴い、積層型圧電体27には電圧が印加されて、伸張す
る側に変位を発生する。そして、プリセットスプリング
35に逆らって第1ピストン30を押し下げる。通常、
第2ピストン40は、たわみ板45のたわみ力によって
第1ピストン30に押し付けられているので、第1ピス
トン30の動きと同調して、積層型圧電体27の変位分
だけ軸線方向に押し下げられる。
【0040】そのため、第2ピストン40と、ベース4
3のつば部44との間の距離が短くなり、たわみ板45
は、初期たわみ状態よりさらに内方にたわむ。この場合
のたわみ量は、積層型圧電体27の変位に対して10〜
25倍程度に拡大されたものとなる。この変位拡大に関
する原理については、上記「作用」の欄でも説明したの
で、詳しい説明は省略する。
【0041】ショックアブソーバSAの作動に戻り、た
わみ板45が初期たわみ状態よりさらに内方にたわむこ
とによって、たわみ板45と、ベース43に設けられて
いる横穴51との距離が短くなる。まず、本実施例にお
ける、たわみ板45とベース43との間の流路面積S
は、次式に示すようになる。
【0042】S≒2πr・d 但し、 S:流路面積 r:横穴の半径 d:たわみ板の頂点とベースとの距離 なお、理解を容易にするために、上式で用いた記号に対
応する部分を図5に示す。
【0043】そのため、たわみ板45がたわむことによ
って、流路面積Sは次式に示される面積変化量△Sだけ
減少する。 △S≒2πr・k・△x・n 但し、 △S:流路面積の変化量 k:変位拡大率 △x:積層型圧電体の変位 n:たわみ板の枚数 そして、流路面積が減少した分だけ、ショックアブソー
バSAの減衰力を高めることができる。また、上式から
も明らかなように、たわみ板45の枚数を増やせば、流
路面積の変化量△Sを大きく取ることができる。一方、
電圧の印加をやめると積層型圧電体27は元の状態に復
帰し、それに伴い、たわみ板45は、自身の弾性復元力
によって元の初期たわみ状態に復帰し、減衰力も元の状
態に復帰する。
【0044】ここで、上述したように、積層型圧電体2
7及びハウジング17の線熱膨張係数は、それぞれ約4
×10-6/K、約10.7×10-6/Kであるため、例
えば100Kの温度上昇で、積層型圧電体27とハウジ
ング17の熱膨張差は約35μmとなる。しかし、本実
施例においては、第1ピストン30の線熱膨張係数は約
23×10-6/Kと大きいため、その熱膨張度合も大き
く、両者間の熱膨張差を吸収する。従って、減衰力変化
を抑制することができる。
【0045】以下に、実験結果を示す。図6は、積層型
圧電体27への印加電圧と減衰力との関係を示すグラフ
であり、減衰力の温度変化が抑制される、第1ピストン
30の長さの最適値を調べたものである。ここでは、3
0℃のときの減衰力の切り替わり方を目標として、12
0℃(及びそれ以下)のときにも同じように切り替える
ことができるようにするには、第1ピストン30の長さ
がどの程度であれば良いかを検討する。第1ピストン3
0の長さを13mm,15mm,18mmと変え、油温
120℃での、印加電圧と減衰力との関係を調べた。
【0046】図6からも判るように、第1ピストン30
の長さが15mmのときには、油温が30℃でも120
℃でも、同じ様な減衰力の切り替わり方をしている。な
お、本実験における積層型圧電体27の長さは約50m
mである。この積層型圧電体27の長さや、ハウジング
の材質の違いにより線膨張係数が変われば、第1ピスト
ン30の最適長さも変わる。それぞれの場合に応じて、
減衰力の温度変化が抑制される、第1ピストン30の長
さの最適値が決定される。
【0047】上述したように、積層型圧電体27の微小
変位をたわみ板45により拡大し、そのたわみ板45に
より流路面積の変更を行なうため、簡易な構成で所要ス
ペースも相対的に小さくすることが可能でありながら、
切替可能な減衰力の幅も大きく設定可能である。
【0048】また、積層型圧電体27の線膨張係数と、
その外周に配置されるハウジング17等の線膨張係数と
が異なり、作動油の温度上昇等の影響で、両者の間の熱
膨張度合に差が生じたとしても、変位伝達部材である第
1ピストン30は、積層型圧電体27及びハウジング1
7よりも大きな線熱膨張係数を持ち、熱膨張度合も大き
いので、両者間の熱膨張差を吸収する。従って、熱膨張
差による拡大率変化=減衰力変化を抑制することができ
る。
【0049】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。例えば、上記実施例で
は、第1ピストンの材質としてアルミニウムを用いた
が、ハウジング17等に用いている鉄鋼材よりも線膨張
係数が大きいものであれば理論的には同様の効果が得ら
れる。但し、その場合、線膨張係数が鉄鋼材とあまり差
のないものであれば、第1ピストン30の長さを相当長
くする必要が生じてくるので、実用上は、アルミニウム
程度の線膨張係数を持つものが適当である。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のショック
アブソーバの減衰力切替機構によれば、圧電体の微小変
位を切替用たわみ板により拡大し、その切替用たわみ板
により流路面積の変更を行なうため、簡易な構成で所要
スペースも相対的に小さくすることが可能でありなが
ら、十分な変位拡大率も得られ切替可能な減衰力の幅も
大きく設定可能であり、さらに、変位伝達部材によっ
て、熱膨張差による減衰力変化を抑制可能であるという
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のショックアブソーバの減
衰力切替機構の細部を示す断面図である。
【図2】 ショックアブソーバの一部破断断面図であ
る。
【図3】 図1のC−C断面図である。
【図4】 (A)はベースつば部とたわみ板との係合状
態を示す断面図、(B)は第2ピストンとたわみ板との
係合状態を示す断面図である。
【図5】 流路面積Sを示すための説明図である。
【図6】 積層型圧電体への印加電圧と減衰力との関係
を示すグラフである。
【図7】 (A)はたわみ板を円弧で近似した場合の幾
何学的関係を示す説明図、(B)は曲率半径R及び角度
θと変位拡大率k1との関係を示すグラフである。
【図8】 (A)はたわみ板を三角形で近似した場合の
幾何学的関係を示す説明図、(B)は角度θと変位拡大
率k2との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3…シリンダ、 17…ハウジング、 20…
メインピストン、21…上油室、 23…下油
室、 27…積層型圧電体、30…第1ピスト
ン、 30a…摺動突起、 40…第2ピストン、
43…ベース、 44…つば部、 45
…たわみ板、51…横穴、 53…縦穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 哲史 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 森脇 淳二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと摺動自在に嵌合するピストン
    により区画された2つの油室を連通する油通路を備え、
    該油通路の流路面積を変化させることによって減衰力を
    切り替え可能なショックアブソーバの減衰力切替機構で
    あって、 印加された電圧に応じて伸縮する圧電体により駆動さ
    れ、シリンダ軸方向に摺動可能な摺動部材と、 平板状に形成され上記摺動部材の摺動方向と略平行にさ
    れており、その一端は位置が固定され他端は上記摺動部
    材に当接し、かつ、上記圧電体への非印加状態時におい
    て、上記油通路の流路面積を減少させる側へ初期たわみ
    が生じるように配置された、弾性を有する切替用たわみ
    板と、 を有し、さらに、上記圧電体と上記摺動部材との間に、
    上記圧電体の変位を上記摺動部材へ伝達すると共に、上
    記圧電体及びその外周に配置された部材よりも大きな線
    熱膨張係数を持ち、両者間の熱膨張差を吸収する変位伝
    達部材を備えたことを特徴とするショックアブソーバの
    減衰力切替機構。
JP23489692A 1992-09-02 1992-09-02 ショックアブソーバの減衰力切替機構 Pending JPH0681880A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102797655A (zh) * 2012-08-24 2012-11-28 昆山攀特电陶科技有限公司 汽车压电减振器发电系统
WO2014069140A1 (ja) * 2012-11-02 2014-05-08 日本精工株式会社 チルト式ステアリング装置

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