JPH0682142B2 - 伝達関数推定値中の偶然誤差推定方法およびその装置 - Google Patents

伝達関数推定値中の偶然誤差推定方法およびその装置

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JPH0682142B2 JP63287298A JP28729888A JPH0682142B2 JP H0682142 B2 JPH0682142 B2 JP H0682142B2 JP 63287298 A JP63287298 A JP 63287298A JP 28729888 A JP28729888 A JP 28729888A JP H0682142 B2 JPH0682142 B2 JP H0682142B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、機械構造物の振動伝達系、制御ループ回路
等の伝達関数推定において、その推定値に含まれる偶然
誤差の大きさを求める方法およびその測定装置に関す
る。
[従来の技術] ランダム信号により駆動されている信号伝達系の伝達関
数を推定するとき、一般に系の入力信号のパワースペク
トルと入出力間のクロススペクトルを高速フーリエ変換
により求め、それらの比から伝達関数を計算する方法が
用いられる。この場合、入力信号の不規則性に起因する
偶然誤差の影響を減少させるためには、多数回伝達誤差
を求めて平均することが必要であり、平均回数の増加に
伴い伝達関数の推定精度は向上する。さらに、外乱雑音
と入力信号が無相関で外乱雑音の統計的性質が解析期間
中変化しなければ、伝達関数の推定値に含まれる外乱雑
音に因る分散は、平均回数の増加に伴い減少する。
しかしながら、機械構造物の振動伝達系や制御ループ回
路など、実際の対象の伝達関数を推定しようとした場
合、外乱雑音の存在そのもの、ましてやその大きさや統
計的性質が不明であることが殆どである。したがって、
そうした場合には、推定された伝達関数にどの程度の偶
然誤差が含まれるのか未知のまま、いわば経験に頼った
平均回数の決定が行われてきた。
[発明が解決しようとする課題] このため、推定された伝達関数には測定者の経験差等に
伴う個人差が生じることが避けられず、その信頼性に問
題があった。尚、これを解決するには、上記の平均回数
を極めて大にし、誤差を無視可能な大きさにすればよい
わけであるが、それには多大の時間を要し、実用面では
問題がある。
[課題を解決するための手段] この発明は、種々の検討を行った結果、上記偶然誤差の
大きさが、平均回数の増加に対する伝達関数推定値の変
化に基づいて評価し得るとの知見を得て創案されたもの
であり、先ずそれについて説明する。
信号伝達系を示す第9図において、系のインパルスレス
ポンスをh(t)、系の入力信号をx(t)、出力信号
をy(t)、出力信号に混入している外乱雑音をu
(t)とおくと、これらの関係は次式で表される。尚、
ここで観測可能な信号は、y(t)とx(t)である。
y(t)=h(t)*x(t)+u(t) (1) ここに、*は畳み込み積分を表す 上記(1)式を−∞<t<+∞の範囲でフーリエ変換し、
周波数軸上で表すと、次式を得る。
Y(f)=H(f)X(f)+U(f) (2) あるいは、 X(f)Y(f)/X(f)X(f)= H(f)+X(f)U(f)/X(f)X(f)
(3) ここに、上付き*は共役複素数を表す ここで、入力信号x(t)と外乱雑音u(t)が互いに
無相関であるとすると、そのクロススペクトルX
(f)U(f)は0となり、右辺は伝達関数H(f)
の項のみとなる。
次に、離散化してサンプルする場合には、pをサンプル
番号、τをサンプリング間隔、時刻t=τpとして、次
式で表現される。
y(p)=h(p)*x(p)+u(p) (4) kを離散周波数とし、上式を離散フーリエ変換すると、
次式を得る。
Y(k)=H(k)X(k)+U(k) (5) あるいは、 X(k)Y(k)/X(k)X(k)= H(k)+X(k)U(k)/X(k)X(k)
(6) (4)〜(6)式は、(1)〜(3)式を離散化して表現したもので
あるが、両式が厳密に対応するためには、離散化する際
に、無限小のサンプリング間隔、振幅の無限小の分解能
および無限長の観測時間をもつことがが必要である。し
かし、実際にはこの条件を満たすことは不可能であり、
有限の時間分解能と振幅分解能によるA/D変換が行わ
れ、有限長の窓関数を介しての離散フーリエ変換が行わ
れる。また、このとき上記(6)式の右辺第2項の影響を
軽減するための平均化が実行されることになるが、これ
も有限回であり、結局有限の観測時間に対するものとな
る。
以下、これらに起因する誤差と平均化によって算出され
る伝達関数推定値との関係を検討してみる。
入出力信号のサンプリングや処理系をモデル化して示す
第10図において、入力信号x(t)、出力信号y(t)
は、それぞれA/D変換された後、その連続したM点のA/D
変換データごとに、例えば波線にて示す窓関数が乗算さ
れる。このM点(0≦p≦M−1)のデータに窓関数を
乗じたものが一つの時間窓データであり、その時間窓デ
ータのi=1からN番目までが順次切り出される。い
ま、そのi番目(i=1〜N)のM点離散フーリエ変換
値をXi(k)、Yi(k)、それをN回繰返して離散周波
数軸上で平均したデータに基づき算出される伝達関数の
推定値を (ここに、<N>はN個のサンプルの平均値であること
を示す)とし、これを上記(6)式と対応させて次のよう
に表現することにする。
上式の右辺第2項は、(6)式と同様の外乱雑音による誤
差で、外乱雑音と入力信号に相関がないとき、それは偶
然誤差となる。
また、上式の右辺第1項には、真の伝達関数H(k)に
上記の三つの要件が満たされないために発生する系統
(偏り)誤差と偶然誤差が含まれることになり、第1項
は次のように表せる。
ただし、ここで真の伝達関数H(k)は、離散周波数k
Δf(Δf=1/Mτ)においてH(f)と一致するもの
として定義し、また、右辺第2項は上記した有限な離散
フーリエ変換に起因する系統的な誤差を、第3項は確率
的な入力信号を利用して伝達関数の推定を行うときに発
生する誤差(外乱雑音が出力に混入しなくても、入力が
不規則に変動するときは、伝達関数推定値にランダム
な、すなわち偶然誤差が発生する)を表す。
ところで、実際に観測可能な信号は、上記したようにXi
(k)、Yi(k)であり、上式の各誤差項ごとの大きさ
を評価することは困難である。
そこで、いま、N回の平均操作を行うにあたって、奇数
番目(i=1、3、・・・・、N−1番目)の窓のみの
サンプルを用いて求めた伝達関数の推定値と、偶数番目
(i=2、4、・・・・、N)の窓のみのサンプルを用
いて求めた伝達関数の推定値とを考え、その差ε(k)
<N>の性質を検討してみる。尚、伝達関数は、上記の両
推定値の平均をとって求め、これをN回の平均による推
定値とする。
ただし、Nは偶数とし、<N/2,odd>はN回までの平均
のうち、奇数番目の窓のみを利用した平均値を、同様に
<N/2,even>は偶数番目の窓のみを利用した平均値をそ
れぞれ表す。
先ず、(9)式の右辺第1項を検討するのに、奇数、偶数
番目のいずれの窓を利用して伝達関数を求めても、その
偏り誤差は同じ大きさであるから、これは零となる。
次に、右辺第2項は後回しとし、第3項を検討してみ
る。
入力信号と外乱雑音が、互いに無相関であれば、▲X i
▼(k)Ui(k)はサンプルごとに複素平面上で原点を
中心にランダムに分布するから、その期待値は零であ
る。この▲X i▼(k)Ui(k)の位相角がランダムで
あるという(すなわち、(9)式第3項の負の符号を正に
変えても統計的には変わらない)性質と、入力のオート
スペクトルの奇数番目の窓によるN/2個の平均の期待値
と偶数番目の窓によるN/2個の平均の期待値とは等しい
ことを考慮すると、右辺第3項は、次式で定義されるHd
<N>と同様な統計的性質を有することになる。
すなわち、Hd <N>は、N回平均の伝達関数推定値に含ま
れる外乱雑音に起因する偶然誤差を2倍したものと同じ
である。そして、これは平均回数Nが増すごとに1/▲√
▼に比例して減少するという性質をもつ。
最後に第2項について検討するのに、入力信号がサンプ
ルごとにランダムであれば、上記の議論は、第2項につ
いても同様になり立つことになる。
以上のとおりであり、ε(k)<N>がもつ統計的性質は、上
記(7)式右辺第2項と(8)式右辺第3項の偶然誤差の和と
同様のものとなり、したがって、Ui(k)が未知であっ
ても、このε(k)<N>を用いれば、偶然誤差の評価が可能
となる。
この偶然誤差をパワーで表現するには、ε(k)<N>にその
複素共役ε(k)<N>を乗じればよい。すなわち、Pε
(k)<N>=ε(k)<N>ε(k)<N> (11) また、伝達関数の推定値に対して偶然誤差がどの程度の
比率を占めるかは、次のように偶然誤差のパワーを伝達
関数の推定値のパワーで正規化すればよい。すなわち、 さらに、平均回数Nの関数としてPε(k)<N>を表示する
に際し、Pε(k)<N>を離散周波数に沿って積分したオー
バオールを用いてもよい。すなわち、 この発明は上記知見に基づき、創案されたものであり、
次の方法および装置の発明からなる。
第一の発明は、ある回数平均して得られる伝達関数推定
値中に含まれる偶然誤差を推定する方法に関するもので
あり、 被推定信号伝達系の入、出力信号の各々を順次所定の関
数形の時間窓を介して切り出してそれぞれの離散フーリ
エ変換データXi(k)、Yi(k)を求め[ただし、kは
離散周波数、i時間窓の番号]、それを用いて離散周波
数k上の伝達関数のN回[ただし、Nは偶数]の平均値
を求めるに際し、上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごと
のデータに基づく各N/2回の平均伝達関数 を各別に算出し[ただし、上付き*は複素共役を表
す]、その両算出値の差に基づき誤差を求めるものであ
る。
第二の発明は、上記第一の発明に基づき算出される偶然
誤差を用い、それの平均回数との関係から偶然誤差が許
容値に入る平均回数を求めるものであり、 被推定信号伝達系の入、出力信号の各々を順次所定の関
数形の時間窓を介して切り出してそれの離散フーリエ変
換データXi(k)、Yi(k)を求め[ただし、kは離散
周波数、i時間窓の番号]、それを用いて離散周波数k
上の平均伝達関数を所定許容誤差内で求めるに際し、 上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとの切り出しデータ
に基づく平均伝達関数 を適宜の時間窓番号まで順次各別に算出して[ただし、
Lは各時点の時間窓番号、上付き*は複素共役を表す]
その両算出値の差に基づき誤差を算出し、その算出誤差
とその各対応時間窓番号とから両者の関係を求め、その
関係に基づき定まる上記許容誤差と対応する時間窓番号
から必要平均回数の予測を行うことを特徴とするもので
ある。
第三の発明は、上記第一の発明に基づき算出される偶然
誤差を用い、それと誤差の許容値とを比較して許容値に
入った際の推定伝達誤差を求めるものであり、 被測定信号伝達系の入、出力信号の各々を順次所定の関
数形の時間窓を介して切り出してそれの離散フーリエ変
換データXi(k)、Yi(k)を求め[ただし、kは離散
周波数、i時間窓の番号]、それを用いて離散周波数k
上の平均伝達関数を所定許容誤差内で求めるに際し、 上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとの切り出しデータ
に基づく平均伝達関数 を順次格別に算出して[ただし、Lはその時点の時間窓
番号、上付き*は複素共役を表す]その両算出値の差に
基づき誤差を算出し、その算出誤差と上記許容誤差とを
比較して許容誤差内に入る平均回数の平均伝達関数を求
めることを特徴とするものである。
第四の発明は、上記第一の発明を実施するための装置に
関するものであり、 被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変換してメモリ
に格納するサンプリング部と、そのA/D変換データのM
点づつに所定の窓関数を乗じたものを1つの時間窓デー
タとし、i=1からN番目[ただし、Nは適宜に選択さ
れる偶数]までの各時間窓ごとのデータに対して離散フ
ーリエ変換を行ってXi(k)、Yi(k)[ただし、kは
離散周波数]を求める第1の演算部と、上記時間窓の奇
数番目、偶数番目ごとのフーリエ変換データに基づく平
均伝達関数 を各別に算出[ただし、上付き*は複素共役を表す]す
る平均部と、その両算出値の差に基づき誤差を算出する
第2の演算部と、からなる。
第五の発明は、上記第二の発明を実施するための装置に
関するものであり、 被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変換してメモリ
に格納するサンプリング部と、そのA/D変換データの順
次M点づつに所定の窓関数を乗じたものを1つの時間窓
データとし、各時間窓ごとのデータに対して離散フーリ
エ変換を行ってXi(k)、Yi(k)[ただし、kは離散
周波数、iは時間窓番号]を求める第1の演算部と、上
記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとのフーリエ変換デー
タに基づく平均伝達関数 を予め定めた時間窓番号まで順次各別に算出[ただし、
Lは各時点の時間窓番号、上付き*は複素共役を表す]
する平均部と、その両算出値の差に基づき誤差を各時間
窓番号と対応させて算出する第2の演算部と、その算出
誤差と時間窓番号の関係式を求め、それに基づき予め設
定された許容誤差内に入る時間窓番号を定める平均回数
予測部と、からなる。
第六の発明は、上記第三の発明を実施するための装置に
関するものであり、 被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変換してメモリ
に格納するサンプリング部と、そのA/D変換データに所
定の窓関数を乗じたものをを1つの時間窓データとし、
各時間窓ごとのデータに対して離散フーリエ変換を行っ
てXi(k)、Yi(k)[ただし、kは離散周波数]を求
める第1の演算部と、上記時間窓の奇数番目、偶数番目
ごとのフーリエ変換データに基づく平均伝達関数 を順次各別に算出[ただし、Lは各時点の時間窓番号、
上付き*は複素共役を表す]する平均部と、その両算出
値の差に基づき誤差を順次算出する第2の演算部と、そ
の算出誤差を予め設定された許容誤差と比較して許容誤
差内の平均伝達関数を取り出す比較部と、からなる。
[作用] 上記第四の発明の装置を用いて上記第一の発明の方法を
実施すると、それにより奇数番目と偶数番目ごとのデー
タに基づく各N/2回の平均伝達関数の差が求められ、こ
の差に基づきN回の平均により算出された伝達関数推定
値中に含まれる偶然誤差の大きさが判明する。
また、上記第五の発明の装置を用いて上記第二の発明の
方法を実施すると、それにより奇数番目と偶数番目ごと
のデータに基づく平均伝達関数の差が、適宜の時間窓番
号まで順次各別に算出され、次いで、その算出誤差とそ
の各対応時間窓番号とから両者の関係が求められ、その
関係に基づき、誤差が許容値に入るときの時間窓番号、
すなわち必要平均回数の予測が行なわれる。
また、上記第六の発明の装置を用いて上記第三の発明の
方法を実施すると、それにより奇数番目と偶数番目ごと
のデータに基づく平均伝達関数の差と誤差の許容値とが
順次比較され、許容値に入った際の推定伝達誤差が得ら
れる。
[実施例] 先ず、コンピュータシミュレーション結果に基づき本発
明説明する。
第3図はシミュレーションに用いた被推定信号伝達系で
ある。
そのFIR型ディジタルフイルタ20は、コンピュータ内部
に用意した256ポイントのものであり、第4図にその伝
達関数を示す。入力信号x(p)には、広帯域のガウス
性白色ノイズをサンプルした信号を、外乱雑音u(p)
には、上記x(p)と全く相関の無い信号として、コン
ピュータから作り出した疑似正規乱数列をそれぞれ用い
た。
このシミュレーションでの離散フーリエ変換は倍精度で
実行し、FFTは1024点、窓関数にはハニングの窓を採用
した。また、平均化を独立に行わせるため時間窓は重な
り合わないように設定した。離散周波数kとしては、DC
から400までの401個(kの値に2π/1024を乗じた値が
正規化角周波数)を表示に使用している。
先ず、予備的検討として、入力信号に確定信号(スペク
トルが全周波数において1の大きさをもち、位相が周波
数の自乗に比例した遅れをもつ周期信号で、毎回の時間
窓に同期している)を用い、外乱雑音の無い場合の偶然
誤差のパワーPε(k)<N>を算出した。その結果は当然で
あるが、平均回数N=2からは零となった。次に、上記
の入力信号を白色雑音とし、同様に偶然誤差のパワーP
ε(k)<N>を算出した。このPε(k)<N>には、第5図に示
すように、上記(8)式にて説明した伝達関数の形(第4
図参照)の影響の残る(8)式の右辺第3項に対応する誤
差が表れ、本発明によって誤差の検出が行えることが確
認できた。
第6図は、上記第3図の系において、外乱雑音u(p)
を系の出力信号y(p)にS/N比37dBで混入させた場合
の結果である。図には算出したξ(k)<N>、すなわち偶然
誤差のパワーを伝達関数の推定値のパワーで正規化した
値を縦軸にログで示し、横軸には離散周波数をリニアに
て示している。
尚、この正規化にあたっては、偶然誤差のパワーPε
(k)<N>が、離散周波数kにより変動しているためこのP
ε(k)<N>の値をkについて41点の単純移動平均行った上
で、伝達関数の推定値のパワーで除した。
これによれば、平均回数N=256回と1024回では、伝達
関数のピーク付近(第4図参照)においては、偶然誤差
にほとんど差がないが、裾野付近では平均回数の増加に
より改善の余地があることが示されている。
第8図は、各種の外乱雑音の混入条件下において、伝達
関数の推定値に含まれる偶然誤差が、平均回数によりど
う変化するかを示したものである。縦軸は偶然誤差のパ
ワーのオーバオール、横軸は平均回数であり、図中の点
線は外乱雑音の混入が無い場合、実線はS/Nが−2.8dBの
場合、破線はS/Nが37dBの場合、2点鎖線はS/Nが37dBで
あって、かつ外乱の分散が変化する場合をそれぞれ示し
ている。
これによれば、平均回数の増加に対する偶然誤差のパワ
ーの減じ方が、条件に依らずほぼ同一の傾向をもつこ
と、また、このパワーがほぼ外乱雑音u(p)と入力信
号x(p)のS/Nに依存していることが判る。
以上のように、これによれば、ある平均回数の下で推定
した伝達関数に含まれる偶然誤差の大きさが判り、逆に
ある偶然誤差の許容値内で伝達関数を推定したい場合
は、上記第8図に見られるように偶然誤差の変化状態か
ら、必要最小限の平均回数を平均過程で予測決定した
り、あるいは、時々刻々の偶然誤差と偶然誤差の許容値
とを平均過程で逐次比較して許容値内となった際の伝達
関数を取り出すことで目的が達成される。
次に、実際の測定対象による実施例として、Qを可変と
した中心周波数2.1kHzのバンドパスアナログフィルタを
測定対象とした例につき説明する。
この系では、入力信号x(t)に広帯域のガウス性白色
ノイズを、外乱雑音u(t)にx(t)と全く相関のな
い白色雑音発生器のガウス性白色ノイズを用いている。
第1図および第2図は、上記系の入出力に基づいて伝達
関数推定値およびそれに含まれた偶然誤差を求めるため
の処理系であり、2チャンネルのA/D変換部1、そのデ
ータを記憶する入力メモリ2、その各窓ごとの記憶デー
タを用いて離散フーリエ変換を実行する第1の演算部3
からなる2チャンネルFFTアナライザと、その奇数番
目、偶数番目の窓のデータに対するフーリエ変換データ
を各別に導入して平均化処理を実行する第1、第2の平
均部4、5、その各平均データに基づき奇数番目、偶数
番目の格別の伝達関数の演算を実行する第2の演算部
6、その奇数番目、偶数番目の格別の伝達関数を導入
し、両値の和に対応する平均の 差に対応する誤差ε(k)<N>をそれぞれ算出する加算部
7、減算部8、さらに、この加算部7、減算部8のデー
タを第2図に示すようにパワーに変換する変換部9、そ
のパワーを伝達関数で正規化する正規化演算部10、パワ
ーのオーバオール演算部11の各演算機能がプログラミン
グされた汎用コンピュータとからなる。
以上のものにおいて、アナログフィルタの入出力信号
は、A/D変換された後、第1の演算部3に送られ、入力
信号と出力信号のパワースペクトルおよびクロススペク
トルが算出される。続いて、このパワースペクトルとク
ロススペクトルは、GPIBを介して上記第1図の平均部
4、5以降の演算を実行するコンピュータに転送され、
そこで、上記の演算が順次実行され、伝達関数で正規化
された偶然誤差ξ(k)<N>、偶然誤差のパワーのオーバオ
ールPoa ε(k)<N>および伝達関数の算出が行われる。
第7図は、各種条件下で伝達関数の推定値に含まれる偶
然誤差が、平均回数によりどう変化するかを示したもの
であり、上記第8図の例とは外乱の分散を変動させた場
合のデータを採取していない点、フィルタのQが2.5
(破線にて図示)と10(実線にて図示)の場合について
も測定を行った点が異なっている。この場合も第8図と
同様、算出される偶然誤差の大きさと平均回数との関係
から伝達誤差の推定値中に含まれる偶然誤差の大きさ、
あるいは、ある偶然誤差許容値内とするために必要な平
均回数の決定が行えることになる。
尚、上記説明においては、DCから400までの401個の離散
周波数k(kの値に2π/1024を乗じた値が正規化角周
波数)のオーバオールを使用した場合であるが、例えば
共振点付近だけを推定したい場合などにおいては、特定
部分のオーバオールを用いてもよい。
[発明の効果] 以上のとおりであり、本発明は離散フーリエ変換により
伝達関数の推定を行なうに際し、測定した伝達関数に含
まれる偶然誤差のみを抽出して、その大きさを求め、あ
るいはその大きさと平均回数の関係から必要平均回数の
予測決定を行うものであり、測定伝達関数の誤差範囲を
明確にできる結果、系の設計等にあたって明確な指針を
与えることができ、あるいは、必要平均回数の予測決定
により所望精度の伝達関数を最小の測定時間で得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の実施例を示すブロック線
図、第3図は本発明のコンピュータシミュレーションを
行った信号伝達系のブロック線図、第4図は上記第3図
のフィルタの伝達関数を示す図、第5図は白色雑音を入
力信号とした場合の本発明により抽出された偶然誤差の
パワーを示す図、第6図はS/Nが37dBの場合の正規化さ
れた偶然誤差を示す図、第7図及び第8図は正規化され
た偶然誤差と平均回数の関係を示す図、第9図は本発明
の理論的検討に用いた信号伝達系を示すブロック線図、
第10図は本発明における入出力信号のサンプリングや処
理系をモデル化して示す波形図である。 1:A/D変換部、3:第1の演算部 4,5:平均部、6:第2の演算部 7:加算部、8:減算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大橋 正尚 東京都新宿区西新宿2―4―1 株式会社 小野測器本社内 審査官 菊井 広行

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被推定信号伝達系の入、出力信号の各々を
    順次所定の関数形の時間窓を介して切り出してそれぞれ
    の離散フーリエ変換データXi(k)、Yi(k)を求め
    [ただし、kは離散周波数、i時間窓の番号]、それを
    用いて離散周波数k上の伝達関数のN回[ただし、Nは
    偶数]の平均値を求めるに際し、 上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとのデータに基づく
    各N/2回の平均伝達関数 を各別に算出し[ただし、上付き*は複素共役を表
    す]、その両算出値の差に基づき誤差を求めることを特
    徴とする伝達関数推定値中の偶然誤差推定方法。
  2. 【請求項2】被推定信号伝達系の入、出力信号の各々を
    順次所定の関数形の時間窓を介して切り出してそれの離
    散フーリエ変換データXi(k)、Yi(k)を求め[ただ
    し、kは離散周波数、i時間窓の番号]、それを用いて
    離散周波数k上の平均伝達関数を所定許容誤差内で求め
    るに際し、 上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとの切り出しデータ
    に基づく平均伝達関数 を適宜の時間窓番号まで順次各別に算出して[ただし、
    Lは各時点の時間窓番号、上付き*は複素共役を表す]
    その両算出値の差に基づき誤差を算出し、その算出誤差
    とその各対応時間窓番号とから両者の関係を求め、その
    関係に基づき定まる上記許容誤差と対応する時間窓番号
    から必要平均回数の予測を行うことを特徴とする伝達関
    数推定値中の偶然誤差推定方法。
  3. 【請求項3】被推定信号伝達系の入、出力信号の各々を
    順次所定の関数形の時間窓を介して切り出してそれの離
    散フーリエ変換データXi(k)、Yi(k)を求め[ただ
    し、kは離散周波数、i時間窓の番号]、それを用いて
    離散周波数k上の平均伝達関数を所定許容誤差内で求め
    るに際し、 上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとの切り出しデータ
    に基づく平均伝達関数 を順次格別に算出して[ただし、Lはその時点の時間窓
    番号、上付き*は複素共役を表す]その両算出値の差に
    基づき誤差を算出し、その算出誤差と上記許容誤差とを
    比較して許容誤差内に入る平均回数の平均伝達関数を求
    めることを特徴とする伝達関数推定値中の偶然誤差推定
    方法。
  4. 【請求項4】被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変
    換してメモリに格納するサンプリング部と、そのA/D変
    換データのM点づつに所定の窓関数を乗じたものを1つ
    の時間窓データとし、i=1からN番目[ただし、Nは
    適宜に選択される偶数]までの各時間窓ごとのデータに
    対して離散フーリエ変換を行ってXi(k)、Yi(k)
    [ただし、kは離散周波数]を求める第1の演算部と、
    上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとのフーリエ変換デ
    ータに基づく平均伝達関数 を各別に算出[ただし、上付き*は複素共役を表す]す
    る平均部と、その両算出値の差に基づき誤差を算出する
    第2の演算部と、からなるところの伝達関数推定値中の
    偶然誤差測定装置。
  5. 【請求項5】被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変
    換してメモリに格納するサンプリング部と、そのA/D変
    換データの順次M点づつに所定の窓関数を乗じたものを
    1つの時間窓データとし、各時間窓ごとのデータに対し
    て離散フーリエ変換を行ってXi(k)、Yi(k)[ただ
    し、kは離散周波数、iは時間窓番号]を求める第1の
    演算部と、上記時間窓の奇数番目、偶数番目ごとのフー
    リエ変換データに基づく平均伝達関数 を予め定めた時間窓番号まで順次各別に算出[ただし、
    Lは各時点の時間窓番号、上付き*は複素共役を表す]
    する平均部と、その両算出値の差に基づき誤差を各時間
    窓番号と対応させて算出する第2の演算部と、その算出
    誤差と時間窓番号の関係式を求め、それに基づき予め設
    定された許容誤差内に入る時間窓番号を定める平均回数
    予測部と、からなるところの伝達関数推定値中の偶然誤
    差推定装置。
  6. 【請求項6】被推定信号伝達系の入、出力信号をA/D変
    換してメモリに格納するサンプリング部と、そのA/D変
    換データに所定の窓関数を乗じたものをを1つの時間窓
    データとし、各時間窓ごとのデータに対して離散フーリ
    エ変換を行ってXi(k)、Yi(k)[ただし、kは離散
    周波数]を求める第1の演算部と、上記時間窓の奇数番
    目、偶数番目ごとのフーリエ変換データに基づく平均伝
    達関数 を順次各別に算出[ただし、Lは各時点の時間窓番号、
    上付き*は複素共役を表す]する平均部と、その両算出
    値の差に基づき誤差を順次算出する第2の演算部と、そ
    の算出誤差を予め設定された許容誤差と比較して許容誤
    差内の平均伝達関数を取り出す比較部と、からなるとこ
    ろの伝達関数推定値中の偶然誤差推定装置。
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