JPH0684380A - 三進法デジタルメモリー素子 - Google Patents

三進法デジタルメモリー素子

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JPH0684380A
JPH0684380A JP4257416A JP25741692A JPH0684380A JP H0684380 A JPH0684380 A JP H0684380A JP 4257416 A JP4257416 A JP 4257416A JP 25741692 A JP25741692 A JP 25741692A JP H0684380 A JPH0684380 A JP H0684380A
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ternary
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Kazutaka Murata
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 三進法によるデジタル信号を発生することが
できるメモリー素子を得る。 【構成】 紫外光や可視光などの外部刺激に応じて、円
二色性スペクトルなどの旋光特性が可逆的に変化する物
質から成る。特定波長における旋光特性の値が、可逆的
に、正、零、負の値をとることができるので、この性質
に基づき、書き込み可能な三進法デジタル信号を発生す
る素子が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デジタルメモリー素子
に関し、詳しくは、三進法(3進法)に従ってデジタル
信号を発生することができる書きこみ可能な新規なメモ
リー素子に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】現在、コンピュータを始め
として各種のOA機器や家電製品等において多くのデジ
タルメモリー素子が用いられている。しかしながら、こ
れらはいずれも二進法(2進法)を用いたものであり、
記録容量は8ビットで28=256となる。この記録容
量を向上させるためには素子そのものを小型化すること
が必要であり、そのための工夫が精力的に行われてい
る。他方、三進法に従うメモリー素子の場合、8ビット
は38=6561となり、理論的には、二進法に比べて
約25倍の記録容量の向上が期待できる。
【0003】このような三進法に従うメモリー素子を構
成する物質は、−1、0、+1のように表現され、互い
に峻別できる3種類の不連続な信号に変換できるような
物理量を与えるものでなければならない。しかしなが
ら、このような要件を充分に満たし得る系として実現さ
れたものは殆ど見当たらない。例えば、特開昭61−1
33819号には、N磁化、S磁化、および、無磁化の
状態を磁気的方法により記録する方法が開示されている
が、この方法は磁気による方法であるため、S/N比が
充分でないこと、偶発的な磁力によってデータが簡単に
消滅するおそれがあるなどの問題を有するものと予測さ
れる。
【0004】光学系の記録方法を採れば磁気系のメモリ
ー素子の使用に伴う前述のような問題は回避されるもの
と考えられるが、実際には三進法デジタルメモリー素子
として具現化されたものは見出されない。例えば、特開
昭59−10930号、同59−35989号、同62
−112295号、同62−107448号には、高分
子液晶をメモリー素子とし、光エネルギーで記録する光
記録方式が示されているが、いずれも二進法的な記録方
式である。
【0005】
【問題を解決するための手段と発明の効果】本発明者
は、デジタルメモリー素子について探究するうちに、光
学活性物質、すなわち、キラリティを有する物質であっ
て、そのキラリティに応じた旋光特性を示す物理量が、
可逆的に、正、負、および零の値をとり得るような物質
を利用することによって、優れた三進法デジタルメモリ
ー素子が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、外部刺激に応じて旋
光特性の値が正、負、および零に可逆的に変化し得る物
質から成る三進法デジタルメモリー素子に関する。
【0007】光学活性物質すなわちキラリティ(掌性)
を有する物質中を平面偏光が通過すると、偏光面が回転
する旋光性を示す。これは、光学活性物質中を通る左お
よび右円偏光の屈折率が異なるために生じるものであ
り、旋光度の周波数依存性を旋光分散(ORDスペクト
ル)と呼んでいる。また、左および右円偏光の吸収係数
の違いを円二色性と呼び、その周波数特性を円二色性ス
ペクトル(CDスペクトル)と呼んでいる。本発明にお
いて用いる「旋光特性を示す物理量」または「旋光特性
の値」という語は、ORDスペクトル、またはCDスペ
クトルの値を指称する。
【0008】本発明の三進法デジタルメモリー素子を構
成する物質においては、このような旋光特性の値が、可
逆的に正、負、および零に変化し、その結果、+1、−
1、および0として表現されるような不連続な信号に変
換され得る。このような特徴を有する物質としては、あ
る種の液晶やゲルのように分子の一部または全体がヘリ
ックス構造を呈すると考えられる分子集合体が挙げられ
る。
【0009】例えば、コレステロール誘導体系の液晶や
ゲルの中には、このような性質を示すものがある。その
好ましい例として、下の一般式〔化1〕で表されるコレ
ステロール誘導体を挙げる。
【0010】
【化1】R1−φ−N=N−φ−R2−Cho 但し、φはベンゼン環を表し、Choはコレステロール
基を示す。また、式中、R1は、CH3(CH2nO−、
[CH3(CH2n2−N−、水素、または、クラウン
エーテル環などを表し、nは0〜8の整数であり、クラ
ウンエーテル環としては、ベンゾ−18−クラウン−
6、ベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−12−クラ
ウン−4、ベンゾ−13−クラウン−4が好ましい。ま
た、R2としては、−O(CH2mCOO−または−
(CH2mCOO−であり、mは一般に0〜3の整数で
ある。このコレステロール誘導体は各種の有機溶媒に対
してゲルを形成する性質を有する。好ましい有機溶媒と
しては、メタノール、エタノール、オクタノール等のア
ルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサ
ン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭
化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケト
ン系溶媒、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル等の
エーテル系溶媒、シリコーン系溶媒、およびこれらの混
合溶媒があり、コレステロール誘導体の種類に応じて至
適な溶媒が選択される。
【0011】このコレステロール誘導体/有機溶媒系の
ゲルは熱や光などの外部刺激によって、可逆的に出現し
たり消滅する。すなわち、当該ゲルに紫外光を照射した
り、レーザや赤外加熱により高温域にすると、系は溶液
状態となってゲルは消失し、CDスペクトルは現れな
い。この理由は、それらの外部刺激に応じてコレステロ
ール誘導体にトランス(ゲル状態)−シス(溶液状態)
変化が生じるためと考えられる。さらに、当該ゲルはレ
ーザ照射や赤外加熱によって、CDスペクトルの値の正
負が反転するような性質も有する。これは、当該コレス
テロール誘導体は、ゲルの調製法に応じて、温度ヒステ
リシス的に変化しながら、正と負のキラリティに対応す
る2つの構造をとるためと推測される。かくして、この
ゲル系は、室温域においてCDスペクトルのような旋光
特性の値が、可逆的に、正、零、負の値をとり得るの
で、この性質に基づき、+1、0、−1のようなデジタ
ル信号を発生し、且つ書き込み可能な三進法デジタルメ
モリー素子として利用することができる。
【0012】なお、上述した〔化1〕は、発色団として
アゾベンゼン部分を有しているが、この部分が他の発色
団、例えば −CH=N−、−N=CH−(アゾメチ
ン)や−CH=CH−となっている化合物も可能であ
る。さらに、発色団を有しない場合においても、ヘリッ
クス構造を有するマトリックス中にアゾベンゼン誘導体
のような発色団をドープすることにより、スペクトル強
度を強める方法も可能である。
【0013】さらに、本発明に用いることができる分子
集合体の例としては、上述したようなコレステロール誘
導体の他に、ポリペプチド類があり、外部刺激に応じて
CDスペクトルや旋光度などの値が可逆的に変化して3
種類の不連続な信号に変換し得るようなものであれば、
本発明の三進法デジタルメモリー素子に利用できる。
【0014】さらに、本発明の素子に用いることができ
る物質としては、上述したような分子集合体として、C
Dスペクトルのような旋光特性の変化を与えるもののみ
ならず、分子会合体としてキラリティ変化を示すような
系も含まれる。例えば、ボロン酸系化合物の中には糖類
と会合体を形成し、糖類の構造の相違によりキラリティ
の変化を呈するものがある。このような系であって旋光
特性の値が可逆的に変化して3種類のデジタル信号に変
換し得るようなものであれば、本発明の三進法デジタル
メモリー素子の構成物質として用いることができる。こ
の場合は、一般的には前述したようなゲル系としてでは
なく、溶液系として使用される。
【0015】本発明のメモリー素子は、当該分野におい
て知られた技術に従って、ユニット化し、各種の回路な
いしは装置に組み込まれて使用されることになる。それ
らの技術そのものは本発明の主旨ではないので説明を省
略する。例えば、上述したようにゲル系、溶液系または
液晶系として得られる本発明のメモリー素子用物質は、
中空繊維や3次元ネットワック構造体の中にうめ込み素
子化されて使用される。
【0016】得られる素子は、所望の情報量に応じた適
当な数と形状に従って配置される。本発明のメモリー素
子においては、情報の処理に必要な信号は、該素子を構
成する物質に応じた特定波長に対する旋光特性の値とし
て得られ、これらの値が適当な変換回路を介して処理さ
れて3進法式のデジタル信号が得られる。そして、情報
の書き込みおよび消去も光学的手段により自由に行われ
る。
【0017】以上の説明から理解されるように、本発明
は三進法式のデジタルメモリー素子を具現化するもので
あり、この素子によって各種の機器における処理情報量
の増加が可能となる。さらに、本発明のメモリー素子
は、光学的方式に基づくものであり、従来見られる磁気
方式のものに比べて、情報の偶発的消滅の可能性が少な
くなっており、また、S/N比の上昇も期待できる。
【0018】以下、本発明の特徴をさらに明らかにする
ため実施例に沿って本発明を説明する。
【0019】
【実施例】実施例1 本発明の三進法デジタルメモリー素子を構成する物質と
して利用可能であるか否かを調べるために下記式〔化
2〕の化合物と有機溶媒とから成る系について円二色性
スペクトル(CDスペクトル)を測定した。なお、CD
スペクトルの値は、〔θ〕(モル楕円率)として示す。
【0020】
【化2】
【0021】〔化2〕の化合物(5mg)とメチルシク
ロヘキサン(500mg)とをチューブに入れ、加熱溶
解し、厚さ0.1mm、面積1cm2の石英板に入れた
後、冷却してゲルを形成させ、まわりを封止した。CD
スペクトルを測定したところ、375nmを中心に正の
分裂型スペクトルが観測された(図1の実線参照)。最
大値は、382nmにおける1.5×105deg・c
2/dmolであった。最小値は、370nmにおけ
る−1.2×105deg・cm2/dmolであった。
【0022】約2分間赤外加熱したところ、375nm
を中心とした負の分裂型スペクトルが観測された(図1
の破線参照)。382nmの値は−5×105deg・
cm2/dmol、370nmでは8×104deg・c
2/dmolであった。
【0023】紫外線(350〜460nm)を照射した
ところ、ゲルは崩壊し溶液状態となった。このとき、C
Dスペクトルは全く観測されず、その値は0deg・c
2/dmolであった。その後、460nm以上の可
視光を照射したところ、ゲルが再び形成され、最初と同
じスペクトルが得られた。
【0024】以上のように、式〔化2〕の化合物とメチ
ルシクロヘキサンの系は、例えば、382nmにおいて
CDスペクトルの値が、互いに充分な差のある正、負、
および零の値をとるように状態変化し、そして、これら
の状態変化は、赤外加熱、紫外線照射および可視光照射
により可逆的に起こることが認められた。かくして、こ
の系は書き込み可能な三進法デジタルメモリー素子の構
成材料となり得ることが確認された。
【0025】実施例2 実施例1と同様にして、三進法デジタルメモリー素子の
構成材料として、次の式〔化3〕の化合物と有機溶媒系
の適用性を調べた。
【0026】
【化3】
【0027】〔化3〕の化合物(10mg)とメチルシ
クロヘキサン/ベンゼン(9:1)(200mg)をチ
ューブに入れ、加熱溶解させ、厚さ0.05mm、1c
2の石英板に入れ、封止した。
【0028】実施例1と同様にCDスペクトル測定を行
ったところ、同様な結果が得られた。分裂型スペクトル
の中心は、360nmであり、最大値は390nmで3
×104deg・cm2/dmolであった。赤外加熱を
約4分行うと、390nmにおけるCDスペクトルの値
は−5×104deg・cm2/dmolとなった。33
0〜380nmの紫外光を照射すると、0deg・cm
2/dmolとなり、さらに、460nm以上の可視光
を照射すると最初と同じスペクトルが再び得られた。ま
た、紫外光照射後、赤外加熱を行いながら可視光を照射
すると負の分裂型スペクトルが得られた。
【0029】実施例3 実施例1と同様にして、式〔化4〕の化合物/有機溶媒
系について調べた。
【0030】
【化4】
【0031】式〔化4〕の化合物(5mg)とエタノー
ル(500mg)をチューブに入れ、実施例1と同様な
検討を行った。
【0032】分裂型スペクトルの中心は、350nmで
あり、正のスペクトルの最大値は390nmで4×10
5deg・cm2/dmol、負のスペクトルの390n
mの値は1×105deg・cm2/dmolであった。
照射した紫外光および可視光は、それぞれ330〜38
0nm、および460nm以上である。
【0033】実施例2および3に示す結果も、それぞれ
の系は、特定波長においてCDスペクトルが3種類の信
号を与えるような値をとることができ、且つ、それらの
値を示す状態が可逆的に起こり、したがって、三進法デ
ジタルメモリー素子の構成材料として適していることを
示している。
【0034】実施例4 デジタル素子として機能する様子を示すために、実施例
1で得られた素子(セル)を5個並列に列べたユニット
を製作した。セルは順次a、b、c、d、eと呼ぶ。C
Dスペクトルの値がコード化されるようにエンコーダと
接続した。
【0035】素子全体を紫外光(350〜460nm)
で光照射した後の382nmにおけるCDスペクトルの
値はいずれのセルも約0deg・cm2/dmolであ
り、(a、b、c、d、e)=(0、0、0、0、0)
の信号が得られた。a、c、eのセルを460nm以上
の可視光で照射すると、CDスペクトル値は、a、c、
eが約5×105deg・cm2/dmol、bおよびd
が約0deg・cm2/dmolであり、(a、b、
c、d、e)=(1、0、1、0、1)の信号が得られ
た。更に、bのセルに460nm以上の可視光照射した
後、b、eのセルを加熱したところ、CDスペクトル
(382nm)は、a、cが約5×105deg・cm2
/dmol、b、eが約−4×105deg・cm2/d
mol、dが約0deg・cm2/dmolであり、
(a、b、c、d、e)=(1、−1、1、0、−1)
であった。
【0036】このように、本発明の素子は+1、0、−
1に対応するデジタル信号を発生し、データの書き込み
および消去も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のデジタルメモリー素子に適用できるコ
レステロール誘導体のCDスペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部刺激に応じて施光特性の値が正、
    負、および零に可逆的に変化し得る物質から成ることを
    特徴とする三進法デジタルメモリー素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180108776A (ko) 2016-05-17 2018-10-04 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 누전 차단기

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