JPH0687977B2 - 重質油接触分解用触媒組成物の製造方法 - Google Patents

重質油接触分解用触媒組成物の製造方法

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JPH0687977B2
JPH0687977B2 JP4860987A JP4860987A JPH0687977B2 JP H0687977 B2 JPH0687977 B2 JP H0687977B2 JP 4860987 A JP4860987 A JP 4860987A JP 4860987 A JP4860987 A JP 4860987A JP H0687977 B2 JPH0687977 B2 JP H0687977B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は炭化水素の接触分解用触媒組成物に関するもの
であって、さらに詳しくはバナジウム、ニッケル、鉄、
銅などの重金属を多量に含有する重質炭化水素油の接触
分解に使用して、優れた耐メタル性を発揮し、高い分解
活性と高いガソリン選択性を長期間維持し、しかも水素
及びコークの生成を低レベルに抑えることができる触媒
組成物の製造方法に係る。
〔従来の技術〕
炭化水素油の接触分解は、本来ガソリンの製造を目的と
している関係で、これに使用される触媒は当然高い分解
活性と高いガソリン選択性を備えていなければならない
が、これに加えて接触分解用触媒には耐メタル性が要求
される。近年の石油事情の悪化は、バナジウム、ニッケ
ル、鉄、銅などの重金属を含有する残渣油で代表される
低品位の重質炭化水素油を、接触分解の原料に使用せざ
るを得ない事態を招いている。このことが接触分解用触
媒の耐メタル性をますます重要なものにしている。
一般に重質炭化水素油の接触分解に際しては、原料油中
に含まれる金属汚染物が触媒に沈着するため、これに原
因して多かれ少なかれ触媒の分解活性及びガソリン選択
性が低下する。従って、現在商業的に慣用されている接
触分解用触媒、典型的にはゼオライトを多孔性無機酸化
物マトリックスに分散させた接触分解用触媒は、或る程
度の金属が沈着しても一応満足できる触媒性能を維持で
きるだけの耐メタル性を備えているのが通例である。し
かしながら、この種の触媒を使用して上記の如き低品位
の重質炭化水素油を接触分解した場合には、これに多量
の金属汚染物が夾雑している関係で、触媒にも多量の金
属が沈着し、これが脱水素反応を促す結果、水素及びコ
ークの生成を増大させ、さらにはゼオライトの結晶構造
を破壊することもあるため、接触分解本来の目的を全う
することができない。
こうした事情から、金属汚染物量が多い低品位の重質炭
化水素油を接触分解の対象とする場合の対応策として、
触媒の使用量を増大させて触媒粒子1個当りの沈着金属
量を軽減させるとか、あるいは原料油中にアンチモン化
合物を添加して沈着金属に起因する触媒の活性低下を抑
制するとかの手段が講じられて来た。しかし、これら操
作上の対応策は、運転コストが嵩む点で賞用できない。
一方、触媒の性能上の対応策としては、触媒中に分散せ
しめるゼオライト量を通常の接触分解用触媒より増大さ
せることが知られている。また、米国特許第4,430,199
号には、ゼオライト含有接触分解用触媒に、リン化合物
を含有せしめて触媒の耐メタル性を向上させることが記
載されている。さらにまた米国特許第4,363,720号に
は、接触分解用触媒の耐メタル性を向上させるに際し、
亜鉛化合物の有用性が開示されている。
このほか、米国特許第4,222,896号にはMgO−Al2O3−AlP
O4からなるマトリックスにゼオライトを分散された触媒
が、特開昭59-150539号公報には、マグネシア含有アル
ミナマトリックスにゼオライトを分散された触媒が、そ
れぞれ提案されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
触媒の耐メタル性を向上させるべく開発された従来の接
触分解用触媒のなかにあって、ゼオライト含量を増大さ
せた触媒は、ゼオライトそのものが高価である故に、商
業的に魅力ある触媒とすることができない。
また、マグネシウム成分を含有させた従来の接触分解用
触媒について言えば、塩基性物質であるマグネシウムは
汚染金属の一種であるバナジウムと容易に反応してこれ
を捕捉する。従って、マグネシウム成分を含有する触媒
は、これを含まない触媒に比較して、バナジウム被毒に
対する耐久性が確かに高い。しかし、ニッケル被毒に対
する耐久性は貧弱であるため、金属汚染物としてのニッ
ケルに富む重質油を処理する場合には、従来のマグネシ
ウム含有接触分解触媒は、水素乃至はコークの副生を必
ずしも充分に抑制することができない。
本発明は、供給原料油に含まれるバナジウム汚染物に対
しては勿論、ニッケル汚染物に対しても優れた耐被毒性
を発揮する接触分解用触媒組成物の製造方法を提供する
ものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明に係る接触分解用触媒組成物の製造方法は、多孔
性母材物質の前駆体と結晶性アルミノシリケートゼオラ
イトを含有する水性スラリーを噴霧乾燥して微小球状粒
子を調製し、この粒子をマグネシウム塩水溶液と、pH3.
0〜8.5未満の条件下に接触させた後、粒子と接触してい
る溶液にpH調製剤を加えてpHを8.5以上に上昇させ、次
いで粒子を溶液から回収して洗浄し、乾燥することを特
徴とする。
本発明の方法によれば、多孔性母材物質の前駆体と結晶
性アルミノシリケートゼオライトを含有する水性スラリ
ーを噴霧乾燥することで、まず微小球状粒子が調製され
る。この結晶性アルミノシリケートゼオライトとして
は、合成又は天然のゼオライトがいずれも使用可能であ
って、合成ゼオライトにはモルデナイト、Y型ゼオライ
ト、超安定性Y型ゼオライト、ZSM型ゼオライトなどが
包含される。これらの結晶性アルミノシリケートゼオラ
イトは、従来の接触分解用触媒のゼオライト成分と同
様、水素、アンモニウム及び多価金属カチオンのいずれ
かでイオン交換された形で使用される。また、多孔性母
材物質の前駆体には、典型的にはシリカ、アルミナ、シ
リカ−アルミナなどのヒドロゾル又はヒドロゲルが使用
されるが、この前駆体にはアルミナ粒子、粘土鉱物など
を添加することができる。
噴霧乾燥に供される水性スラリーを調製するに際し、結
晶性アルミノシリケートゼオライトの使用量は、最終触
媒組成物に5〜70重量%の結晶性アルミノシリケートゼ
オライトが含まれるよう選ばれる。また、多孔性母材物
質の前駆体の使用量は、最終触媒組成物に20〜90重量%
の多孔性無機酸化物が含まれるよう選択される。従っ
て、前駆体にアルミナ粒子乃至は粘土鉱物を配合した場
合は、前記の量「20〜90重量%」はアルミナ粒子乃至は
粘土鉱物に由来する無機酸化物を含む量である。
結晶性アルミノシリケートゼオライトと多孔性母材物質
の前駆体を含有し、好ましくはさらにアルミナ粒子及び
/又は粘土鉱物を含有する水性スラリーは、常法通り、
噴霧乾燥される。噴霧乾燥によって得られる微小球状粒
子は、多くの場合、触媒毒となるアルカリ金属を含有し
ているので、噴霧乾燥粒子に含まれるアルカリ金属量が
Na2Oとして1.0重量%以下になるよう洗浄することが好
ましい。
噴霧乾燥され、洗浄された微小球状粒子は、次いでマグ
ネシウム塩水溶液とpH3.0〜8.5未満の条件下に、好まし
くはpH5.0〜7.0の条件下に接触せしめられる。接触時の
pHが3.0未満では、粒子内の結晶性アルミノシリケート
ゼオライトの結晶構造が破壊される心配があり、8.5以
上では液中のマグネシウム塩が沈澱してしまうため、粒
子内にマグネシウム成分を充分導入させることができな
い。マグネシウム塩水溶液としては、マグネシウムの塩
化物、硫酸塩、硝酸塩などの水溶液が使用可能であっ
て、その濃度はMgO換算で0.05〜25重量%の範囲が適し
ている。
一般にマグネシウム塩水溶液と粒子との接触は、上記し
た範囲のpH値を有する常温下又は加温下であるマグネシ
ウム塩水溶液に粒子を浸漬し、溶液中のマグネシウム成
分が粒子に導入されて、MgO換算で粒子の0.5〜10重量%
に相当するマグネシウム成分が粒子に導入されるまで行
われる。マグネシウム塩水溶液の濃度にもよるが、少な
くとも2分間粒子を溶液に接触しておくことにより、上
記した量のマグネシウム成分を粒子に導入することがで
きる。
粒子に導入されるマグネシウム成分の量がMgO換算で0.5
重量%未満であると、最終触媒組成物の耐メタル性は貧
弱であって、接触分解プロセスでの水素及びコークの副
生を充分抑制することができない。また、マグネシウム
成分の量がMgO換算で10重量%以上である場合には、最
終触媒組成物を通常の接触分解プロセスに使用している
間に、触媒中の結晶性アルミノシリケートゼオライトの
結晶構造が、過剰のマグネシウム成分によって破壊さ
れ、従って、最終触媒組成物の活性は低下する。
企図した量のマグネシウム成分が粒子に導入された後
は、粒子と接触している溶液に、pH調製剤を添加し、溶
液のpHを8.5以上に、好ましくは9.0〜11.0、さらに好ま
しくは9.5〜10.5の範囲に上昇させ、粒子に導入された
マグネシウム成分を水酸化マグネシウムの形で析出させ
る。水酸化マグネシウムの析出に使用されるpH調整剤
は、アンモニア、アミン化合物、水酸化カルシウム、水
酸化バリウムなどの塩基性化合物であって、これらは通
常水溶液で使用される。しかし、NaOHなどのアルカリ金
属の水酸化物は触媒毒となるので、pH調整剤には適さな
い。特に好ましいpH調整剤はアンモニア、アミン化合物
などのアンモニウムイオンを含有する水溶液である。
水酸化マグネシウムが表面乃至は内部に析出した粒子
は、次いで溶液から回収され、洗浄された後、一般には
乾燥される。こうして結晶性アルミノシリケートゼオラ
イトを5〜70重量%、多孔性母材物質を20〜90重量%、
マグネシウム成分をMgO換算で0.5〜10重量%含有する触
媒組成物を得ることができる。そして、この触媒組成物
は、常法に従って製造された触媒組成物と同様、接触分
解プロセスに使用されるに先立って焼成される。
本発明の方法によって製造された接触分解用触媒組成物
は、金属汚染物の含量が少ない比較的高品位の重質炭化
水素油を供給原料に使用する場合でも優れた性能を発揮
するが、この触媒組成物の優秀性が最も顕著に発揮され
るのは、供給原料に金属汚染物を多量に含有する低品位
の重質炭化水素油を使用する場合である。マグネシウム
成分を含有する接触分解用触媒組成物が、バナジウム被
毒に対して耐久性を備えていることは公知であるが、従
来法によって製造された触媒はマグネシウム成分がマト
リックスに分散されているためか、ニッケル被毒に対し
ては貧弱な耐久性しか示さない。これとは対照的に、本
発明の方法に従って製造された触媒は、第1図に示され
るように、マグネシウム成分が触媒粒子の表面に集中し
て存在するため、バナジウム被毒に対しては勿論、ニッ
ケル被毒に対しても優れた耐久性を発揮するものと考え
られる。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 市販3号水硝子をSiO2濃度12.73%に水で希釈し、この
水硝子溶液と濃度25%の硫酸をそれぞれ20/分及び5.
6/分の割合で10分間連続的に容器に注ぎながら両者
を混合してシリカヒドロゾル(X)を得た。このシリカ
ヒドロゾルに最終触媒の重量基準で45%に相当するカオ
リンを混合し、さらにアンモニウム交換Y型ゼオライト
の水性スラリーを、ゼオライト量が最終触媒の重量基準
で30%になるように混合し、この混合物を熱風温度220
℃で噴霧乾燥した。次いで乾燥粒子を洗浄後再度乾燥し
て微小球状粒子を得た。これを触媒Aとする。
次に触媒Aの500gを、MgCl2としての濃度が1.17wt%で
ある液温60℃の塩化マグネシウム水溶液2500gと混合
し、pH5.5で10分間撹拌した。しかる後、この懸濁スラ
リーに15wt%のアンモニア水650gを加えて液のpHを9.5
まで上昇させ、10分間保持した。次いで、液中の粒子を
濾過によって回収して洗浄後、110℃で15時間乾燥して
触媒Bを得た。この触媒はMgO換算で2.29wt%のマグネ
シウム成分を含むものであった。
また、使用する塩化マグネシウム水溶液の濃度、pHなど
を次表に示す如く変更した以外は上と同様な手順で触媒
C,D,E,Fを調製した。
実施例2 15wt%のアンモニア水650gを使用する代りに10wt%のテ
トラエチルアミン水溶液1000gを使用した以外は触媒B
の調製と全く同様にして触媒Gを調製した。この触媒は
MgO換算で2.16wt%のマグネシウム成分を含むものであ
った。
実施例3 塩化マグネシウム水溶液の代りに、硝酸マグネシウム水
溶液を用いた以外は、触媒Bの調製と全く同様の方法で
触媒Hを調製した。この触媒はMgO換算で2.0wt%のマグ
ネシウム成分を含むものであった。
比較例1 実施例1と同様にして得られたシリカヒドロゾル(X)
と、MgO換算で5.3wt%のマグネシウム成分を含有する最
終触媒が得られる量のマグネシウムを含有するMgCl2
溶液を混合し、さらに最終触媒の重量基準で42.6%に相
当するカオリンを混合した。この混合物にアンモニウム
交換Y型ゼオライトの水性スラリーを、ゼオライト量が
最終触媒の重量基準で28.5%になるように混合し、得ら
れた混合物を熱風温度220℃で噴霧乾燥した。次いで乾
燥粒子を洗浄後、再度乾燥して触媒Iを得た。
比較例2 本比較例では、マグネシウムでイオン交換したゼオライ
トを用いた触媒製造例を示す。
実施例1で用いたアンモニウム交換Y型ゼオライトを通
常の方法に従い、塩化マグネシウム水溶液と混合してイ
オン交換を行う操作を3回くり返し、マグネシウム交換
率が47.3%のY型ゼオライトを得た。
触媒の調製過程で通常必要なアルカリ金属の洗浄除去工
程を省略できるようにするために、本例ではシリカヒド
ロゲルを使用せずに、代りに予め調製しておいたSiO2
度5%の脱塩ケイ酸液を使用した。この脱塩ケイ酸液に
最終触媒の重量基準で45%に相当するカオリンを混合
し、さらに前記のマグネシウム交換Y型ゼオライトをゼ
オライト量が最終触媒の重量基準で30%になるよう混合
し、得られた混合物を熱風温度220℃で噴霧乾燥するこ
とによって、触媒Jを得た。この触媒はMgO換算で1.25w
t%のマグネシウム成分を含有するものであった。
比較例3 実施例1での触媒Bの調製法に於いて、アンモニア水を
加えてpHを上昇させる工程を除いた以外は、触媒Bとま
ったく同様な方法で触媒Kを得た。この触媒はMgO換算
で0.76wt%のマグネシウム成分を含有するものであっ
た。
実施例4(触媒使用例) 上記の触媒A〜Kそれぞれについて、ASTMMATによる性
能評価を行なった。
まず、耐メタル性を調べるため、次のようにして各触媒
にニッケル及びバナジウムを沈着させた。すなわち、各
触媒を予め600℃で1時間焼成した後、所定量のナフテ
ン酸ニッケル及びナフテン酸バナジウムを含有するベン
ゼン溶液を各触媒に吸収させ、次いで110℃で乾燥後、6
00℃で1.5時間焼成した。しかる後、擬平衡化するた
め、各触媒を770℃で6時間スチーム処理し、再度600℃
で1時間焼成した。また、ニッケル及びバナジウムを沈
着させていない各触媒についても、擬平衡化のため770
℃で6時間スチーム処理し、次いで600℃で1時間焼成
した。
こうして予備処理された各触媒を用いて、ASTM MAT評価
試験を行なった。結果を表−2に示す。尚、反応条件は
次の通りである。
原料油:脱硫減圧軽油 反応温度:482℃ 空間速度:16hr-1 触媒/油比:3(重量) 表−2に示される通り、本発明の触媒組成物に相当する
触媒B,C,D,E,G,Hは、多量の金属が沈着した場合でも高
い分解活性及び高いガソリン選択性を維持し、しかも分
解活性が高いにもかかわらず、コーク及び水素の生成率
を低レベルに抑えることができる。これとは対照的に、
比較例の触媒I,J,K及び触媒Aは、多量の金属の沈着に
よって、コークおよび水素の生成率が高い。またMgO量
の多い触媒Fはコークおよび水素の生成率は低いが、転
化率も低い。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で調製された触媒Bを600℃で1時間
焼成した後、X線マイクロアナライザーでその触媒粒子
に於けるMgの分布状況を測定した結果を示すグラフであ
る。 第2図は比較例1で調製された触媒Hを600℃で1時間
焼成した後、X線マイクロアナライザーでその触媒粒子
に於けるMgの分布状況を測定した結果を示すグラフであ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性母材物質の前駆体と結晶性アルミノ
    シリケートゼオライトを含有する水性スラリーを噴霧乾
    燥して微小球状粒子を調製し、この粒子をマグネシウム
    塩水溶液とpH3.0〜8.5未満の条件下に接触させた後、粒
    子と接触している溶液にpH調整剤を加えてpHを8.5以上
    に上昇させ、次いで粒子を溶液から回収して洗浄し、乾
    燥することを特徴とする重質油接触分解用触媒組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】上記のpH調整剤がアンモニウムイオンを含
    有する水溶液であることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】噴霧乾燥粒子内に含浸せしめられるマグネ
    シウム塩の量が、MgOに換算して粒子の0.5〜10重量%で
    あることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の製造
    方法。
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